(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072537
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】制御システム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
F24H 1/00 20220101AFI20240521BHJP
F24H 15/168 20220101ALI20240521BHJP
F24H 15/277 20220101ALI20240521BHJP
F24H 15/262 20220101ALI20240521BHJP
F24H 15/223 20220101ALI20240521BHJP
F24H 15/258 20220101ALI20240521BHJP
F24H 15/32 20220101ALI20240521BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240521BHJP
F24D 3/00 20220101ALI20240521BHJP
F24H 15/156 20220101ALN20240521BHJP
【FI】
F24H1/00 621C
F24H15/168
F24H15/277
F24H15/262
F24H15/223
F24H15/258
F24H15/32
F24H15/457
F24D3/00 C
F24H15/156
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183403
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川端 康晴
(72)【発明者】
【氏名】木村 駿介
(72)【発明者】
【氏名】下谷 大輝
【テーマコード(参考)】
3L070
3L122
【Fターム(参考)】
3L070BB12
3L070DG01
3L122AA02
3L122AA12
3L122AA22
3L122AA44
3L122AA62
3L122AB24
3L122AB29
3L122AB34
3L122BA32
3L122BB02
3L122BB05
3L122BB13
3L122BB14
3L122BB15
3L122DA01
3L122DA02
3L122EA45
3L122EA50
3L122FA13
(57)【要約】
【課題】太陽光発電と蓄電池を用いることなく電力需給の安定化を図る。
【解決手段】制御システム1は、太陽光によって温水を生成する太陽熱温水器3と、太陽熱温水器3で生成された温水を熱源として利用する熱源利用設備4と、電力を利用して、熱源利用設備4が稼働した場合に得られる効果と同じ効果が得られる電力利用設備5と、電力のひっ迫状況が発生した場合、電力利用設備5の代わりに太陽熱温水器3で生成された温水を用いて熱源利用設備5を稼働させるように温水の供給系統と温水量を制御する制御装置6と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光によって温水を生成する太陽熱温水器と、
前記太陽熱温水器で生成された温水を熱源として利用する熱源利用設備と、
電力を利用して、前記熱源利用設備が稼働した場合に得られる効果と同じ効果が得られる電力利用設備と、
電力の予備率が予め定めた値まで低下するような状況である電力のひっ迫状況が発生した場合、前記電力利用設備の代わりに前記太陽熱温水器で生成された温水を用いて前記熱源利用設備を稼働させるように温水の供給系統と温水量を制御する制御装置と、
を含む制御システム。
【請求項2】
前記熱源利用設備が、温水を熱源として利用して冷暖房、湿度調整、及び給湯に用いられる水の温度調整の少なくとも1つの動作を行う設備であり、
前記電力利用設備が、電力を利用して冷暖房、湿度調整、及び給湯に用いられる水の温度調整の少なくとも1つの動作を行う設備である
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御装置は、電力のひっ迫状況が夏季に発生した場合、前記電力利用設備による冷房及び除湿の少なくとも1つの動作を停止し、停止した動作を前記熱源利用設備によって代替させるように前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御すると共に、電力のひっ迫状況が発生していない夏季の期間に、前記太陽熱温水器で生成された温水の温度を上昇させるように前記電力利用設備に対して温水の温度調整を実行させる制御を行う
請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御装置は、電力のひっ迫状況が冬季に発生した場合、前記電力利用設備による暖房及び加湿の少なくとも1つの動作を停止し、停止した動作を前記熱源利用設備によって代替させるように前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御すると共に、電力のひっ迫状況が発生していない冬季の期間に、前記太陽熱温水器で生成された温水の温度を上昇させるように前記電力利用設備に対して温水の温度調整を実行させる制御を行う
請求項2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、電力の市場取引価格の変動から今後の電力のひっ迫状況の有無を推定し、
電力のひっ迫状況が発生すると推定される場合、
電力のひっ迫期間の開始までに貯湯タンクに貯湯される温水の温水量及び温度と、
記憶装置にそれぞれ予め記憶されている、前記太陽熱温水器によって生成された過去の温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における過去の温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間において前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御する
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記太陽熱温水器によって生成される温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における温水の利用量は、日時情報と、日照時間、温度、及び湿度を含む気象情報と対応付けられて前記記憶装置に記憶され、
前記制御装置は、前記ひっ迫期間における前記気象情報を取得し、
取得した前記気象情報と前記ひっ迫期間の日時の組み合わせにそれぞれ対応する前記太陽熱温水器による温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における温水の利用量を前記記憶装置から取得し、
取得した前記太陽熱温水器による温水の生成量と温度を用いて、前記ひっ迫期間に前記太陽熱温水器によって生成される温水の生成量及び温度を推定すると共に、取得した前記熱源利用設備における温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間に前記熱源利用設備において利用される温水の利用量を推定し、
前記ひっ迫期間の開始までに前記貯湯タンクに貯湯される温水の温水量及び温度と、前記ひっ迫期間に前記太陽熱温水器によって生成されると推定された温水の生成量及び温度と、前記ひっ迫期間に前記熱源利用設備において利用されると推定された温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間において前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御する
請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
太陽光によって温水を生成する太陽熱温水器と、
前記太陽熱温水器で生成された温水を熱源として利用する熱源利用設備と、
電力を利用して、前記熱源利用設備が稼働した場合に得られる効果と同じ効果が得られる電力利用設備と、
を含む制御システムに対して、
電力の予備率が予め定めた値まで低下するような状況である電力のひっ迫状況が発生した場合、前記電力利用設備の代わりに前記太陽熱温水器で生成された温水を用いて前記熱源利用設備を稼働させるように温水の供給系統と温水量を制御する処理をコンピュータが実行する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源利用装置を用いて電力需給の安定化を図る制御システム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
節電を目的としたデマンドレスポンス制御において、例えば太陽光発電と蓄電池を組みあわせ、太陽光発電の余剰電力を蓄電池に蓄電し、太陽光の照射が期待できない夜間や朝夕などの電力不足時には蓄電池から電力を供給することによって系統電力の消費電力を軽減し、系統電力の消費電力の平準化を行う技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうしたデマンドレスポンス制御は、太陽光発電で得られた余剰電力を電力不足時に利用するため、電力需給の安定化に寄与するが、太陽光発電による発電量は時間帯及び天候に左右され、発電効率は13~20%にとどまるという問題がある。更に言えば、蓄電池には使用に伴う性能の劣化という現象が存在するため、太陽光発電と蓄電池を用いたデマンドレスポンス制御では、蓄電池の劣化状況を考慮する必要があるという問題がある。
【0005】
本開示は上記事実を鑑みてなされたものであり、太陽光発電と蓄電池を用いることなく電力需給の安定化を図る制御システム、及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る制御システムは、太陽光によって温水を生成する太陽熱温水器と、前記太陽熱温水器で生成された温水を熱源として利用する熱源利用設備と、電力を利用して、前記熱源利用設備が稼働した場合に得られる効果と同じ効果が得られる電力利用設備と、電力の予備率が予め定めた値まで低下するような状況である電力のひっ迫状況が発生した場合、前記電力利用設備の代わりに前記太陽熱温水器で生成された温水を用いて前記熱源利用設備を稼働させるように温水の供給系統と温水量を制御する制御装置と、を含む。
【0007】
第2態様に係る制御システムは、第1態様に係る制御システムにおいて、前記熱源利用設備が、温水を熱源として利用して冷暖房、湿度調整、及び給湯に用いられる水の温度調整の少なくとも1つの動作を行う設備であり、前記電力利用設備が、電力を利用して冷暖房、湿度調整、及び給湯に用いられる水の温度調整の少なくとも1つの動作を行う設備である。
【0008】
第3態様に係る制御システムは、第2態様に係る制御システムにおいて、前記制御装置は、電力のひっ迫状況が夏季に発生した場合、前記電力利用設備による冷房及び除湿の少なくとも1つの動作を停止し、停止した動作を前記熱源利用設備によって代替させるように前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御すると共に、電力のひっ迫状況が発生していない夏季の期間に、前記太陽熱温水器で生成された温水の温度を上昇させるように前記電力利用設備に対して温水の温度調整を実行させる制御を行う。
【0009】
第4態様に係る制御システムは、第2態様に係る制御システムにおいて、前記制御装置は、電力のひっ迫状況が冬季に発生した場合、前記電力利用設備による暖房及び加湿の少なくとも1つの動作を停止し、停止した動作を前記熱源利用設備によって代替させるように前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御すると共に、電力のひっ迫状況が発生していない冬季の期間に、前記太陽熱温水器で生成された温水の温度を上昇させるように前記電力利用設備に対して温水の温度調整を実行させる制御を行う。
【0010】
第5態様に係る制御システムは、第1態様~第4態様の何れか1つの態様に係る制御システムにおいて、前記制御装置は、電力の市場取引価格の変動から今後の電力のひっ迫状況の有無を推定し、電力のひっ迫状況が発生すると推定される場合、電力のひっ迫期間の開始までに貯湯タンクに貯湯される温水の温水量及び温度と、記憶装置にそれぞれ予め記憶されている、前記太陽熱温水器によって生成された過去の温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における過去の温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間において前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御する。
【0011】
第6態様に係る制御システムは、第5態様に係る制御システムにおいて、前記太陽熱温水器によって生成される温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における温水の利用量は、日時情報と、日照時間、温度、及び湿度を含む気象情報と対応付けられて前記記憶装置に記憶され、前記制御装置は、前記ひっ迫期間における前記気象情報を取得し、取得した前記気象情報と前記ひっ迫期間の日時の組み合わせにそれぞれ対応する前記太陽熱温水器による温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における温水の利用量を前記記憶装置から取得し、取得した前記太陽熱温水器による温水の生成量と温度を用いて、前記ひっ迫期間に前記太陽熱温水器によって生成される温水の生成量及び温度を推定すると共に、取得した前記熱源利用設備における温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間に前記熱源利用設備において利用される温水の利用量を推定し、前記ひっ迫期間の開始までに前記貯湯タンクに貯湯される温水の温水量及び温度と、前記ひっ迫期間に前記太陽熱温水器によって生成されると推定された温水の生成量及び温度と、前記ひっ迫期間に前記熱源利用設備において利用されると推定された温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間において前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御する。
【0012】
第7態様に係る制御方法は、太陽光によって温水を生成する太陽熱温水器と、前記太陽熱温水器で生成された温水を熱源として利用する熱源利用設備と、電力を利用して、前記熱源利用設備が稼働した場合に得られる効果と同じ効果が得られる電力利用設備と、を含む制御システムに対して、電力の予備率が予め定めた値まで低下するような状況である電力のひっ迫状況が発生した場合、前記電力利用設備の代わりに前記太陽熱温水器で生成された温水を用いて前記熱源利用設備を稼働させるように温水の供給系統と温水量を制御する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0013】
第1態様、及び第7態様によれば、太陽光発電と蓄電池を用いることなく電力需給の安定化を図ることができる、という効果を有する。
【0014】
第2態様によれば、電力利用設備の稼働することによって得られる空調環境を、太陽熱温水器で生成された温水を熱源として利用する熱源利用設備によって実現することができる、という効果を有する。
【0015】
第3態様によれば、夏季における電力需給の安定化に寄与することができる、という効果を有する。
【0016】
第4態様によれば、冬季における電力需給の安定化に寄与することができる、という効果を有する。
【0017】
第5態様によれば、熱源利用設備に対して、電力のひっ迫状況の発生に備えた制御をおこなうことができる、という効果を有する。
【0018】
第6態様によれば、気象状況、太陽熱温水器による温水の生成状況、及び温水の利用状況を対応付けて記録した履歴情報を用いることで、電力のひっ迫状況の発生に備えた熱源利用設備の制御を行うことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】制御装置における電気系統の要部構成例を示す図である。
【
図4】夏季に実施されるDR制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】冬季に実施されるDR制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】通常期間におけるDR制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、節電を目的としたデマンドレスポンス(Demand Response:DR)制御を行う制御システム1の構成例を示す図である。DR制御とは、電力会社が供給する供給電力と、電力会社と電気の受電契約を結んだ需要家の需要設備で消費される需要電力のバランス(電力需給という)を調整するため、供給電力量にあわせて需要設備における消費電力量を制御する手法である。
【0022】
図1に示すように、開示の制御システム1は、需要家の建物2に備えられた太陽熱温水器3、熱源利用設備4、電力利用設備5、及び制御装置6と、インターネット8を通じて制御装置6と接続される遠隔制御サーバ7とを含む。
【0023】
需要家の建物2とは、需要家が電力会社からの電力を受電している建物2であり、需要家が個人の場合、例えば需要家の自宅や物置が需要家の建物2に相当し、需要家が法人の場合、例えば工場やオフィスや店舗が需要家の建物2に相当する。
【0024】
太陽熱温水器3は、太陽光の熱を利用して、内部に設けられたパイプを流れる水の温度を上昇させ、温水を生成する設備である。同じ太陽光を利用して発電を行う一般的な太陽光発電の発電効率が13%以上20%以下であるのに対して、太陽光に含まれる赤外線を利用する太陽熱温水器3の集熱効率は50%程度である。
【0025】
熱源利用設備4は、太陽熱温水器3で生成された温水を熱源として利用することによって冷暖房、湿度調整、及び給湯に用いられる水の温度調整の少なくとも1つの動作を行う設備である。熱源利用設備4には、例えば熱源利用空調機30、暖房用熱交換器31、及び給湯予熱用熱交換器32が含まれる。
【0026】
熱源利用空調機30は、太陽熱温水器3で生成された温水を熱源として冷房、暖房、除湿、及び加湿といった空調に関する少なくとも1つの動作を実施する熱源利用設備4である。熱源利用空調機30には、例えば吸収冷温水機やデシカント空調機が含まれる。
【0027】
吸収冷温水機は、水の気化熱を利用して冷暖房を行う熱源利用空調機30の一例である。
【0028】
デシカント空調機は、除湿ローターと顕熱交換ローターを用いた熱交換によって冷房、暖房、除湿、及び加湿の少なくとも1つを実施する熱源利用空調機30の一例である。デシカント空調機において、外気は除湿ローターにより除湿された乾燥した空気となって給気される。また、室内の空気は再生側で加熱され、除湿ローターを再生しながら排出される。
【0029】
説明の便宜上、需要家の建物2には熱源利用設備4の代表例として吸収冷温水機が設置されているものとする。したがって、吸収冷温水機に対して符号を付し、「吸収冷温水機30A」と表すことにする。
【0030】
暖房用熱交換器31は、太陽熱温水器3で生成された温水の熱エネルギーを他方の流体に移動させ、当該流体の温度を上昇させることで暖房を行う設備である。例えば温水式暖房装置31Aやラジエーター31Bは暖房用熱交換器31の一例である。厳密に言えば、暖房用熱交換器31は熱源利用空調機30の一例でもあるが、暖房に特化した機能のみを備えることから、暖房用熱交換器31を熱源利用空調機30と区別して説明する。
【0031】
給湯予熱用熱交換器32は、太陽熱温水器3で生成された温水の熱エネルギーを、新たに太陽熱温水器3に供給される水との間で熱交換することで、太陽熱温水器3に供給される水を予熱する設備である。給湯予熱用熱交換器32によって水の予熱を行えば、予熱を行わない場合に比べて、より短時間に温水の温度を上昇させることができる。
【0032】
なお、建物2における室内の温度や湿度、及び供給される温水の温度や量を、建物2における「環境」という。
【0033】
電力利用設備5は、電力会社から供給される電力を利用することで、熱源利用設備4が稼働した場合に得られる効果と同じ効果を実現する設備である。すなわち、電力利用設備5は、電力を利用して冷暖房、湿度調整、及び給湯に用いられる水の温度調整の少なくとも1つの動作を行う設備である。例えば電力をエネルギー源とするコンプレッサで冷媒を圧縮し、冷房、暖房、除湿、及び加湿を行うエアコンや、電力をエネルギー源として水の加熱を行うヒーター26は、電力利用設備5の一例である。エアコンは電力利用設備5の代表例であることから、以降では、「エアコン」の末尾に電力利用設備5と同じ符号を付して「エアコン5」と表すことにする。
【0034】
熱源利用設備4は、電力利用設備5のように電力を主なエネルギーとして空気や水の温度や湿度の制御を行わない。したがって、熱源利用設備4は、電力利用設備5によって実現されている建物2の環境と同じ環境を実現するように稼働したとしても、電力利用設備5より消費電力量が少ない。
【0035】
制御装置6は、電力のひっ迫状況(以降、「電力ひっ迫状況」という)が発生した場合に、電力利用設備5の代わりに熱源利用設備4を稼働させるように、太陽熱温水器3で生成された温水の供給系統と温水の量及び温度を制御する装置である。電力ひっ迫状況が発生するとは、電力会社における電力の予備率が予め定めた値(例えば3%)まで低下するような状況が発生することをいう。
【0036】
遠隔制御サーバ7は、例えば電力供給状況を監視する電力会社の監視センターに設置され、各需要家の建物2に設置された制御装置6とデータ通信を行う。例えば遠隔制御サーバ7は、電力ひっ迫状況が発生したことを知らせる電力ひっ迫警報を制御装置6に通知する。
【0037】
なお、インターネット8には制御装置6及び遠隔制御サーバ7の他、外部装置9が接続されている。外部装置9は、インターネット8に接続されている装置のうち、制御システム1に含まれない各々の装置を表す。外部装置9には、例えば遠隔制御サーバ7で用いられるデータを記憶するファイルサーバや、気象情報及び卸電力取引市場における電力の市場取引価格等といった各種情報を提供する情報サーバが含まれる。
【0038】
次に、
図1を参照して、太陽熱温水器3で生成された温水の経路について説明する。
【0039】
貯湯タンク25に貯留された水は、流路R4に設けられた集熱ポンプ28Aの動作により、流路R4を通じて太陽熱温水器3に供給される。
【0040】
太陽熱温水器3は、供給された水を太陽光に含まれる赤外線によって温水にする。弁23A及び弁23Bの少なくとも一方が開かれると、太陽熱温水器3は温水を流路R1に流し始める。
【0041】
弁23Bが開かれた場合、流路R1を流れる温水は流路R2を経由してラジエーター31Bに供給される。ラジエーター31Bによって温水と建物2内の空気との間で熱交換が行われることにより、建物2内の暖房が行われる。
【0042】
ラジエーター31Bでの熱交換によって熱を奪われた温水は水に戻り、再び流路R4を流れる水と合流して太陽熱温水器3に供給される。なお、流路R4には、流路R12を通じて膨張タンク27が接続され、温水による流路R4の圧力上昇を抑制している。
【0043】
一方、弁23Aが開かれた場合、流路R1を流れる温水は流路R3を通じて貯湯タンク25に流入し、貯湯タンク25で貯湯される。なお、貯湯タンク25では、太陽熱温水器3に供給される水を貯留する貯留エリアと、太陽熱温水器3で生成された温水を貯湯する貯湯領域が分かれている。
【0044】
弁23C及び弁23Dの少なくとも一方が開かれると、貯湯タンク25に貯湯された温水は吸収ポンプ28Bの動作によって流路R5に流れ始める。
【0045】
弁23Cが開かれた場合、貯湯タンク25に貯湯された温水は吸収冷温水機30Aに供給される。
【0046】
吸収冷温水機30Aは、ガスを用いて温水を加熱して水蒸気を生成する。生成された水蒸気はパイプ33A内の水を温水にする。加熱によって得られた温水は循環ポンプ34Aの動作によってパイプ33Aを循環し、パイプ33Aに取り付けられた室内機(図示省略)が温水で温められた温風を吹き出すことで建物2内の暖房を行う。
【0047】
一方、生成された水蒸気は、冷却水ポンプ28Cの動作によって流路R6、冷却塔35、流路R7、及び吸収冷温水機30Aを循環する冷却水によって冷却され、水に戻される。なお、冷却塔35は、例えば外気との熱交換により、水蒸気によって温められた冷却水を冷却する装置である。
【0048】
水蒸気から得られた水は蒸発器(図示省略)によって蒸発され、蒸発するときの気化熱によって蒸発器の中にあるパイプ33Aの水が冷却される。蒸発器による冷却によって得られた冷水は循環ポンプ34Aの動作によってパイプ33Aを循環し、パイプ33Aに取り付けられた室内機が冷水で冷やされた冷風を吹き出すことで建物2内の冷房を行う。なお、蒸発器では水が低温でも蒸発するように、蒸発器の中を真空に近い気圧(例えば1/100気圧)に調整している。吸収冷温水機30Aによって熱交換が行われた後の温水は流路R9に排水される。
【0049】
また、弁23Dが開かれた場合、貯湯タンク25に貯湯された温水は、流路R5から流路R8に分岐して温水式暖房装置31Aに供給される。
【0050】
温水式暖房装置31Aでの熱交換によって、建物2に設置されたパイプ33B内の水が温水によって温められ、温められた温水が循環ポンプ34Bの動作によってパイプ33Bを循環することで建物2の暖房が行われる。
【0051】
温水式暖房装置31Aによって熱交換が行われた後の温水は流路R10に排水され、流路R9を流れる吸収冷温水機30Aの排水と合流して給湯予熱用熱交換器32に供給される。
【0052】
流路R9を流れる吸収冷温水機30A及び温水式暖房装置31Aの排水は、熱交換によって熱が奪われているが、水道管を流れる水よりも高温である。したがって、パイプ33Cを流れる水道水が給水ポンプ34Cの動作によって給湯予熱用熱交換器32に供給されると、排水を用いた給湯予熱用熱交換器32での熱交換によって水道水が温められる。この状態で弁23Eが開かれると、予熱された水道水が、例えば洗面所等に設置された蛇口等の給湯設備に供給される。
【0053】
一方、給湯予熱用熱交換器32によって熱交換が行われた後の排水は、流路R11を通じて貯湯タンク25に戻され、再び流路R4を通じて太陽熱温水器3に供給される。
【0054】
制御盤36は、それぞれ被制御装置の一例である日照計21と、温度センサ22A、22B、22C、22D、22Eと、弁23A、23B、23Eと、ヒーター26と、集熱ポンプ28A及び吸収ポンプ28Bと、流量計29と電気的に接続され、各々の被制御装置を制御すると共に、必要に応じて各々の被制御装置から情報を取得する。
【0055】
日照計21は、太陽熱温水器3周辺の照度と日照時間を計測する。温度センサ22Aは、太陽熱温水器3で生成された温水の温度を測定する。温度センサ22Bは、制御盤36内の温度を測定する。温度センサ22Cは、貯湯タンク25に貯湯されている温水の温度を測定する。温度センサ22Dは、太陽熱温水器3から貯湯タンク25に貯湯される温水の温度を測定する。温度センサ22Eは、太陽熱温水器3に供給される水の温度を測定する。
【0056】
弁23Aは、貯湯タンク25に貯湯する温水量を制御する。弁23Bは、ラジエーター31Bに供給する温水量を制御する。弁23Eは、給湯予熱用熱交換器32によって予熱が行われた水道水を給湯設備に供給する際の水量を制御する。
【0057】
ヒーター26は、制御盤36の制御に従い、貯湯タンク25に貯湯された温水及び貯留された水の少なくとも一方を、電力を用いて加熱する。貯湯タンク25は、ヒーター26によって加熱された温水の貯湯にも対応している。
【0058】
集熱ポンプ28Aは、貯湯タンク25に貯留された水を汲み上げると共に、貯湯タンク25から太陽熱温水器3に供給する水量を制御する。吸収ポンプ28Bは、貯湯タンク25に貯湯された温水を汲み上げると共に、貯湯タンク25から熱源利用設備4に供給する温水量を制御する。
【0059】
流量計29は、流路R3を流れる温水の流量、すなわち、太陽熱温水器3によって生成された温水の生成量を測定する。
【0060】
制御盤36はこうした被制御装置を制御することで、温水の生成及び温水の貯湯を行うと共に、各々の被制御装置から情報を取得することで、温水の生成及び温水の貯湯に関する状態を把握する。
【0061】
なお、制御盤36が把握する温水の生成及び温水の貯湯に関する状態には、太陽熱温水器3によって生成された過去の温水の生成量と温度、及び太陽熱温水器3が設置された建物2における過去の温水の利用量も含まれる。
【0062】
制御装置6は制御盤36と電気的に接続される。制御装置6は制御盤36を制御することで、制御盤36を通じて温水の生成及び温水の貯湯を行うと共に、制御盤36を通じて温水の生成及び温水の貯湯に関する状態を把握する。
【0063】
また、制御装置6はエアコン5と電気的に接続され、エアコン5の電源のオンオフ制御、冷暖房の切り替え、及び冷暖房における設定温度や風量の制御を行う。
【0064】
更に、制御装置6は、それぞれ被制御装置の一例である弁23C、弁23D、冷却水ポンプ28C、循環ポンプ34A、循環ポンプ34B、及び給水ポンプ34Cと電気的に接続され、各々の被制御装置を制御する。
【0065】
弁23Cは、貯湯タンク25から吸収冷温水機30Aに供給する温水量を制御する。弁23Dは、貯湯タンク25から温水式暖房装置31Aに供給する温水量を制御する。
【0066】
冷却水ポンプ28Cは、吸収冷温水機30Aで生成された水蒸気を冷却する冷却水の循環量を制御する。
【0067】
循環ポンプ34Aは、パイプ33Aを循環する温水又は冷水の循環量を制御する。パイプ33Aにおける温水又は冷水の循環量に応じて建物2内の温度が変化することから、循環ポンプ34Aは、吸収冷温水機30Aによる冷暖房の温度制御を行っているとも言える。循環ポンプ34Bは、パイプ33Bを循環する温水の循環量を制御する。パイプ33Bにおける温水の循環量に応じて建物2内の温度が変化することから、循環ポンプ34Bは、温水式暖房装置31Aによる暖房の温度制御を行っているとも言える。給水ポンプ34Cは、予熱が行われる水道水の供給量を制御する。
【0068】
制御装置6はこうした被制御装置を制御することで、熱源利用設備4を用いた空調制御、及び給湯に用いられる水道水の予熱制御を行う。
【0069】
更に、制御装置6は、温水の生成及び温水の貯湯に関する状態、及び熱源利用設備4の利用に関する情報を含んだ需給状態を、時系列に沿って記録した履歴テーブル40を生成する。
【0070】
図2は、履歴テーブル40の一例を示す図である。履歴テーブル40は少なくとも1つの履歴情報を含み、各々の履歴情報には、それぞれID、日付、天候、日照時間、時刻、気温、湿度、生成量、温度、及び利用量が対応付けられている。
【0071】
IDは、履歴情報を識別するための識別子であり、各々の履歴情報に対して一意に設定される。
【0072】
日付は、履歴情報によって表される需給状態が発生した日付を表す。
【0073】
天候は、履歴情報によって表される需給状態が発生した日の天候を表す。天候は、例えば外部装置9から取得した気象情報に基づいて設定されるが、制御システム1のシステム管理者が設定してもよい。
【0074】
日照時間は、履歴情報によって表される需給状態が発生した日における太陽熱温水器3周辺の日照時間を表す。日照時間は、例えば日照計21によって測定された値が用いられる。日照計21が備えられていない場合、例えば太陽熱温水器3の設置場所の地域における日照時間を外部装置9から取得して設定すればよい。
【0075】
時刻は、日付によって表された日の時間帯を表す。履歴テーブル40の例では、1日を1時間毎に分割した各時間帯の開始時刻が設定されている。すなわち、“0:00”は0時から1時未満までの時間帯を表す。なお、時刻が表す時間帯は1時間単位に限らず、例えば10秒単位、1分単位、及び15分単位等、何れの長さであってもよい。
【0076】
気温は、履歴情報によって表される需給状態が発生した日の各時刻に対応した時間帯における平均気温を表す。なお、平均気温に加えて、又は平均気温に代えて、当該時間帯における最高気温や最低気温を設定してもよい。
【0077】
湿度は、履歴情報によって表される需給状態が発生した日の各時刻に対応した時間帯における平均湿度を表す。なお、平均湿度に加えて、又は平均湿度に代えて、当該時間帯における最高湿度や最低湿度を設定してもよい。
【0078】
気温及び湿度は、例えば太陽熱温水器3の設置場所の地域における気象情報を外部装置9から取得することで設定されるが、太陽熱温水器3の周辺に設置した温度計や湿度計の測定値を用いてもよい。
【0079】
生成量は、各時刻に対応した時間帯において、太陽熱温水器3が生成した温水の生成量を表す。温水の生成量は、例えば流量計29によって測定された値が用いられる。
【0080】
温度は、各時刻に対応した時間帯において、太陽熱温水器3が生成した温水の温度を表す。温水の温度は、例えば温度センサ22Aによって測定された値が用いられる。
【0081】
利用量は、各時刻に対応した時間帯において、熱源利用設備4が貯湯タンク25から利用した温水量を表す。
図2の例では、1つの熱源利用設備4の利用量が示されているが、熱源利用設備4が複数存在する場合には、熱源利用設備4毎に利用量が記録される。
【0082】
温水の利用量は、例えば吸収ポンプ28Bによる貯湯タンク25からの温水の汲み上げ力や、弁23C及び弁23Dの開閉量を用いて算出される値が用いられる。なお、流量計を追加し、当該追加した流量計によって測定された値を熱源利用設備4における温水の利用量としてもよいことは言うまでもない。
【0083】
上記で説明した制御装置6は、例えばコンピュータ10を用いて構成される。
図3は、制御装置6における電気系統の要部構成例を示す図である。
【0084】
コンピュータ10は、制御装置6の処理を担うプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)11、コンピュータ10の起動処理を行う起動プログラム(Basic Input Output System:BIOS)を記憶するROM(Read Only Memory)12、CPU11の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)13、不揮発性メモリ14、及び入出力インターフェース(I/O)15を備える。CPU11、ROM12、RAM13、不揮発性メモリ14、及びI/O15はバス16を介して各々接続されている。
【0085】
不揮発性メモリ14は、不揮発性メモリ14に供給される電力が遮断されても記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。したがって、不揮発性メモリ14には、例えばコンピュータ10を制御装置6として機能させる制御プログラムが記憶される。なお、不揮発性メモリ14は、必ずしもコンピュータ10に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのようにコンピュータ10に着脱される記憶装置であってもよい。
【0086】
I/O15には、例えば通信ユニット17、入力ユニット18、及び出力ユニット19が接続される。
【0087】
通信ユニット17はインターネット8に接続され、遠隔制御サーバ7、及び外部装置9とそれぞれ通信を行う通信プロトコルを備える。また、通信ユニット17は、エアコン5及び制御盤36とそれぞれ通信を行う通信プロトコルを備える。
【0088】
入力ユニット18は、需要家の指示を受け付けてCPU11に通知する装置であり、例えば各種ボタンが含まれる。
【0089】
出力ユニット19は、電気的に接続された被制御装置に対して制御信号を出力する装置である。
【0090】
なお、I/O15に接続されるユニットは、通信ユニット17、入力ユニット18、及び出力ユニット19に限定されない。例えばCPU11によって処理された各種情報を表示する表示ユニットをI/O15に接続してもよい。表示ユニットにおける各種情報の表示手段には、例えばLEDや、液晶ディスプレイ、及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイといった表示デバイスが用いられる。
【0091】
次に、制御システム1の動作について説明する。
図4は、夏季の期間において制御装置6が遠隔制御サーバ7から電力ひっ迫警報を受信した場合に、制御装置6のCPU11で実行されるDR制御処理の一例を示すフローチャートである。DR制御処理を規定する制御プログラムは、例えば制御装置6の不揮発性メモリ14に予め記憶されている。制御装置6のCPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される制御プログラムを読み込み、
図4に示すDR制御処理を実行する。
【0092】
なお、本開示における夏季とは、例えば冷房が用いられると想定される予め定めた期間を指す。具体的には、例えば7月から9月までが夏季に相当するが、これに限定されず、実際の気象状況に応じて夏季の期間が設定される。
図4に示すDR制御処理が開始される前、建物2ではエアコン5による冷房が行われているものとする。
【0093】
ステップS10において、CPU11は通信ユニット17を制御して、エアコン5に対して運転停止指示を送信し、エアコン5による冷房を停止する。
【0094】
ステップS20において、エアコン5の代わりに熱源利用設備4による代替運転によって冷房が行われるように、貯湯タンク25から熱源利用設備4に供給する温水の供給系統と温水量を制御する。一例として、CPU11は、弁23Cを開いたうえで吸収ポンプ28Bを稼働させ、貯湯タンク25から吸収冷温水機30Aに温水を供給することで建物2の冷房を行い、DR制御処理を終了する。
【0095】
すなわち、CPU11は、電力利用設備5で行っていた動作を停止させ、停止した動作を熱源利用設備4によって代替させるように熱源利用設備4に供給する温水の供給系統と温水量を制御する。熱源利用設備4と電力利用設備5で同じ動作を行う場合、電力利用設備5による動作の方が、熱源利用設備4による動作よりも消費電力量が大きくなる。したがって、電力ひっ迫状況における建物2全体の消費電力量を、電力利用設備5だけで目的の動作を行う場合と比較して低減することができ、電力需要の低減に貢献することができる。
【0096】
なお、CPU11は、電力利用設備5で行っていた動作ではないが、例えば給湯予熱用熱交換器32による水の予熱のように、電力ひっ迫状況における建物2全体の消費電力量を低減させる効果がある動作を開始してもよい。
【0097】
上記ではエアコン5による冷房を吸収冷温水機30Aによって代替させる例について説明したが、例えばエアコン5で除湿が行われている場合には、エアコン5の代わりに熱源利用設備4によって除湿が行われるように、CPU11は、例えば貯湯タンク25からデシカント空調機に温水を供給し、デシカント空調機に対して除湿を行う制御を行えばよい。すなわち、CPU11は、電力利用設備5によって行われている動作に応じて、稼働させる熱源利用設備4を選択する。
【0098】
なお、遠隔制御サーバ7から電力ひっ迫警報を受け付けていない場合、CPU11は、貯湯タンク25のヒーター26の電源をオンして、貯湯タンク25に貯湯されている温水の温度を上昇させたり、水を沸かして貯湯タンク25内の温水量を増加させたりしてもよい。こうして得られた貯湯タンク25内の温水は熱源利用設備4による冷房及び除湿に利用できるため、電力ひっ迫状況において、より長く熱源利用設備4を使用することが可能になり、夏季の電力ひっ迫状況における電力需要の低減要請に対して、更に貢献することができる。
【0099】
また、例えば建物2内に、太陽光発電によって発電された電力を蓄積する蓄電池がある場合、CPU11は、蓄電池に蓄電された余剰電力を用いて、ヒーター26による温水の温度調整を実行してもよい。
【0100】
次に、冬季における制御装置6でのDR制御処理について説明する。
図5は、冬季の期間において制御装置6が遠隔制御サーバ7から電力ひっ迫警報を受信した場合に、制御装置6のCPU11で実行されるDR制御処理の一例を示すフローチャートである。DR制御処理を規定する制御プログラムは、例えば制御装置6の不揮発性メモリ14に予め記憶されている。制御装置6のCPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される制御プログラムを読み込み、
図5に示すDR制御処理を実行する。
【0101】
本開示における冬季とは、例えば暖房が用いられると想定される予め定めた期間を指す。具体的には、例えば12月から2月までが冬季に相当するが、これに限定されず、実際の気象状況に応じて冬季の期間が設定される。
図5に示すDR制御処理が開始される前、建物2ではエアコン5による暖房が行われているものとする。
【0102】
ステップS50において、CPU11は通信ユニット17を制御して、エアコン5に対して運転停止指示を送信し、エアコン5による暖房を停止する。
【0103】
ステップS60において、エアコン5の代わりに熱源利用設備4による代替運転によって暖房が行われるように、貯湯タンク25から熱源利用設備4に供給する温水の供給系統と温水量を制御する。一例として、CPU11は、弁23Cを開いたうえで吸収ポンプ28Bを稼働させ、貯湯タンク25から吸収冷温水機30Aに温水を供給することで建物2の暖房を行い、DR制御処理を終了する。当然のことながら、CPU11は、温水式暖房装置31Aやラジエーター31Bに温水を供給して建物2の暖房を行ってもよい。また、給湯予熱用熱交換器32による水の予熱を行ってもよい。
【0104】
上記ではエアコン5による暖房を吸収冷温水機30A、温水式暖房装置31A、及びラジエーター31Bの少なくとも1つによって代替させる例について説明したが、例えばエアコン5で加湿が行われている場合には、エアコン5の代わりに熱源利用設備4によって除湿が行われるように、CPU11は、例えば貯湯タンク25からデシカント空調機に温水を供給して、デシカント空調機に対して加湿を行う制御を行えばよい。
【0105】
なお、遠隔制御サーバ7から電力ひっ迫警報を受け付けていない場合、CPU11は、冬季においても貯湯タンク25のヒーター26の電源をオンして、貯湯タンク25に貯湯されている温水の温度を上昇させたり、水を沸かして貯湯タンク25内の温水量を増加させたりしてもよい。こうして得られた貯湯タンク25内の温水は熱源利用設備4による暖房及び加湿に利用できるため、電力ひっ迫状況において、より長く熱源利用設備4を使用することが可能になり、冬季の電力ひっ迫状況における電力需要の低減要請に対して、更に貢献することができる。
【0106】
<電力ひっ迫に備えたDR制御処理>
ここまで、電力ひっ迫警報を受信した場合における制御装置6でのDR制御処理について説明した。電力ひっ迫警報は、電力のひっ迫が認められる場合に発令される警報であるため、電力ひっ迫警報が発令された場合には、すでに電力がひっ迫状況にあることになる。すなわち、上記に示した制御装置6でのDR制御処理は、電力が既にひっ迫している状況下で行うDR制御処理の一例である。
【0107】
以降では、電力ひっ迫警報が発令される前に、制御装置6が電力需給の変化に基づいて電力ひっ迫状況の有無を推定し、電力ひっ迫状況が発生すると推定される場合、電力ひっ迫期間における建物2全体の消費電力量を低減させる例について説明する。
【0108】
図6は、電力ひっ迫警報が発令されていない通常期間において、制御装置6のCPU11で実行されるDR制御処理の一例を示すフローチャートである。DR制御処理を規定する制御プログラムは、例えば制御装置6の不揮発性メモリ14に予め記憶されている。制御装置6のCPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される制御プログラムを読み込み、
図6に示すDR制御処理を実行する。
【0109】
ステップS100において、CPU11は、電力の売買を行う電力取引所が提供する卸電力取引市場での市場取引価格を外部装置9から取得する。
【0110】
供給される電力に対して需要が上回れば電力の市場取引価格は上昇し、供給される電力に対して需要が下回れば電力の市場取引価格は下落する。このように、電力需給の変化は市場取引価格の変動と相関関係がある。したがって、市場取引価格にどのような変化が現れると、いつどれだけの期間に亘って電力ひっ迫警報が発令されたのかといった、過去における電力の市場取引価格の変化と電力ひっ迫期間との関係を学習した予測モデルが生成可能となる。
【0111】
ステップS110において、CPU11は、こうした予測モデルを用いて、ステップS100で取得した電力の市場取引価格の変動状況から、将来的に電力ひっ迫状況が発生するか否かを推定する。
【0112】
ステップS120において、CPU11は、ステップS110で得られた推定結果が、電力ひっ迫状況が発生するという推定結果であったか否かを判定する。電力ひっ迫状況が発生すると推定された場合にはステップS130に移行する。この場合、CPU11は、電力ひっ迫状況の発生に備えて、建物2全体の消費電力量を低減させる。
【0113】
そのために、ステップS130において、CPU11は、推定される電力ひっ迫期間における気象情報を外部装置9から取得する。
【0114】
ステップS140において、CPU11は、電力ひっ迫状況が発生するまでに貯湯タンク25に貯湯される温水量及び温水の温度を推定する。そのため、CPU11は、現時点で貯湯タンク25に貯湯されている温水量と温水の温度を取得する。そのうえで、CPU11は、電力ひっ迫状況が発生するまでの期間に太陽熱温水器3によって新たに生成される温水の生成量と温度を推定して、電力ひっ迫状況が発生するまでに貯湯タンク25に貯湯される温水量及び温水の温度を推定する。電力ひっ迫状況が発生するまでの期間に太陽熱温水器3によって新たに生成される温水の生成量と温度の推定には、例えば太陽熱温水器3によって生成された天候別、かつ、時間帯毎の温水の平均生成量及び平均温度を用いればよい。太陽熱温水器3によって生成された天候別、かつ、時間帯毎の温水の平均生成量及び平均温度は、例えば履歴テーブル40の履歴情報から得られる。
【0115】
ステップS150において、CPU11は、ステップS130で取得した、電力ひっ迫期間における気象情報と、電力ひっ迫期間を表す日時の組み合わせにそれぞれ対応した履歴情報を取得する。なお、「日時」とは日付と時刻で構成された値である。CPU11は、取得した履歴情報から、電力ひっ迫期間における気象情報と、電力ひっ迫期間を表す日時の組み合わせにそれぞれ対応した、太陽熱温水器3による温水の生成量と温度、及び熱源利用設備4における温水の利用量を取得する。
【0116】
電力ひっ迫期間における気象情報と電力ひっ迫期間を表す日時の組み合わせにそれぞれ対応した、太陽熱温水器3による温水の生成量と温度、及び熱源利用設備4における温水の利用量とは、電力ひっ迫期間の天候及び日時と同じ天候及び年違いの日時において、太陽熱温水器3によって生成された過去の温水の生成量と温度、及び熱源利用設備4における温水の利用量のことを表す。具体的には、推定される電力ひっ迫期間の天候及び日時が、晴れの日の11月1日16:00~11月1日19:00であれば、過去の各年における11月1日16:00~11月1日19:00の履歴情報のうち、天候が晴れと記録されている履歴情報に含まれる温水の生成量、温度、及び利用量のことである。説明の便宜上、電力ひっ迫期間の天候及び日時と同じ天候及び日時を有する過去の期間を「対応期間」という。
【0117】
季節及び時間帯が同じであることから、電力ひっ迫期間において太陽熱温水器3によって生成される温水の生成量及び温度は、対応期間において太陽熱温水器3によって生成された温水の生成量及び温度と類似する傾向を示す。
【0118】
したがって、ステップS160において、CPU11は、ステップS150で取得した、対応期間での太陽熱温水器3による温水の生成量及び温度を用いて、電力ひっ迫期間に太陽熱温水器3が生成する温水の生成量及び温度を推定する。
【0119】
同様に、季節及び時間帯が同じであることから、電力ひっ迫期間において使用される熱源利用設備4の種類、及び各々の熱源利用設備4における温水の利用量は、対応期間において使用された熱源利用設備4の種類、及び各々の熱源利用設備4における温水の利用量と類似する傾向を示す。
【0120】
したがって、ステップS170において、CPU11は、ステップS150で取得した、対応期間での各々の熱源利用設備4における温水の利用量を用いて、電力ひっ迫期間に各々の熱源利用設備4が利用する温水の利用量を推定する。
【0121】
なお、熱源利用設備4における温水の利用量は、熱源利用設備4に供給される温水の温度によっても変化する。したがって、CPU11は、ステップS140で推定した、電力ひっ迫状況が発生するまでに貯湯タンク25に貯湯される温水量及び温水の温度と、ステップS160で推定した、電力ひっ迫期間に太陽熱温水器3が生成する温水の生成量及び温度から、電力ひっ迫期間において熱源利用設備4に供給される温水の温度を推定し、推定した温水の温度を用いて、熱源利用設備4における温水の利用量を補正してもよい。
【0122】
以上により、電力ひっ迫期間に使用される熱源利用設備4の種類と、各々の熱源利用設備4が利用する温水の利用量が得られる。
【0123】
したがって、ステップS180において、CPU11は、使用される熱源利用設備4の種類と温水の利用量の推定結果にあわせて、推定した電力ひっ迫期間に熱源利用設備4に供給する温水の供給系統と温水量を制御する。
【0124】
なお、貯湯タンク25に貯湯される温水量が、電力ひっ迫期間に各々の熱源利用設備4によって利用される温水の利用量に満たない場合、CPU11は、貯湯タンク25のヒーター26の電源をオンして、貯湯タンク25内の温水量を増加させてもよい。
【0125】
一方、ステップS120の判定処理において、ステップS110で得られた推定結果が、電力ひっ迫状況が発生しないという推定結果である場合にはステップS190に移行する。
【0126】
この場合、電力会社の供給電力に余裕があることを示している。したがって、ステップS190において、CPU11は、貯湯タンク25のヒーター26の電源をオンして、貯湯タンク25に貯湯されている温水の温度を上昇させたり、水を沸かして貯湯タンク25内の温水量を増加させたりする。こうして得られた貯湯タンク25内の温水を電力ひっ迫状況で熱源利用設備4に利用すれば、電力ひっ迫状況において、より長く熱源利用設備4を使用することが可能になり、電力ひっ迫状況における電力需要の低減要請に対して、更に貢献することができる。
【0127】
以上により、
図6に示した電力ひっ迫警報が発令されていない通常期間におけるDR制御処理を終了する。なお、ステップS110では電力の市場取引価格の変動状況から電力ひっ迫状況が発生するか否かを推定したが、当該推定に対して気象情報を加味してもよい。気温の変化及び湿度の変化に応じて、電力利用設備の稼働状況も変化するためである。
【0128】
以上、実施形態を用いて制御システム1の一態様について説明したが、開示した制御システム1の形態は一例であり、制御システム1の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。
【0129】
また、本開示では、一例として
図4~
図6に示したDR制御処理をソフトウェアで実現する形態について説明した。しかしながら、
図4~
図6に示した各フローチャートと同等の処理を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はPLD(Programmable Logic Device)に実装し、ハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、DR制御処理をソフトウェアで実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
【0130】
このように、制御装置6のCPU11を例えばASIC、FPGA、PLD、GPU(Graphics Processing Unit)、及びFPU(Floating Point Unit)といった特定の処理に特化した専用のプロセッサに置き換えてもよい。
【0131】
また、制御装置6は、1つのCPU11によって実現される形態の他、複数のCPU11、又はCPU11とFPGAとの組み合わせというように、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせで実行してもよい。
【0132】
実施形態では、制御装置6の不揮発性メモリ14に制御プログラムが記憶されている例について説明したが、制御プログラムの記憶先は不揮発性メモリ14に限定されない。本開示の制御プログラムは、コンピュータ10で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば制御プログラムをCD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)及びDVD-ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)のような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、制御プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。ROM12、不揮発性メモリ14、CD-ROM、DVD-ROM、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0133】
更に、制御装置6は、インターネット8に接続された外部装置9から制御プログラムをダウンロードし、ダウンロードした制御プログラムを不揮発性メモリ14に記憶してもよい。この場合、制御装置6のCPU11は、外部装置9からダウンロードした制御プログラムを読み込んでDR制御処理を実行する。
【0134】
上記に示した実施形態に関し、以下の付記を開示する。
【0135】
(付記項1)
太陽光によって温水を生成する太陽熱温水器と、
前記太陽熱温水器で生成された温水を熱源として利用する熱源利用設備と、
電力を利用して、前記熱源利用設備が稼働した場合に得られる効果と同じ効果が得られる電力利用設備と、
を含む制御システムに対して、
電力の予備率が予め定めた値まで低下するような状況である電力のひっ迫状況が発生した場合、前記電力利用設備の代わりに前記太陽熱温水器で生成された温水を用いて前記熱源利用設備を稼働させるように温水の供給系統と温水量を制御する処理をコンピュータが実行する制御方法。
【0136】
(付記項2)
前記熱源利用設備が、温水を熱源として利用して冷暖房、湿度調整、及び給湯に用いられる水の温度調整の少なくとも1つの動作を行う設備であり、
前記電力利用設備が、電力を利用して冷暖房、湿度調整、及び給湯に用いられる水の温度調整の少なくとも1つの動作を行う設備である
付記項1に記載の制御方法。
【0137】
(付記項3)
電力のひっ迫状況が夏季に発生した場合、前記電力利用設備による冷房及び除湿の少なくとも1つの動作を停止し、停止した動作を前記熱源利用設備によって代替させるように前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御すると共に、電力のひっ迫状況が発生していない夏季の期間に、前記太陽熱温水器で生成された温水の温度を上昇させるように前記電力利用設備に対して温水の温度調整を実行させる制御をコンピュータが実行する
付記項2に記載の制御方法。
【0138】
(付記項4)
電力のひっ迫状況が冬季に発生した場合、前記電力利用設備による暖房及び加湿の少なくとも1つの動作を停止し、停止した動作を前記熱源利用設備によって代替させるように前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御すると共に、電力のひっ迫状況が発生していない冬季の期間に、前記太陽熱温水器で生成された温水の温度を上昇させるように前記電力利用設備に対して温水の温度調整を実行させる制御をコンピュータが実行する
付記項2に記載の制御方法。
【0139】
(付記項5)
電力の市場取引価格の変動から今後の電力のひっ迫状況の有無を推定し、
電力のひっ迫状況が発生すると推定される場合、
電力のひっ迫期間の開始までに貯湯タンクに貯湯される温水の温水量及び温度と、
記憶装置にそれぞれ予め記憶されている、前記太陽熱温水器によって生成された過去の温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における過去の温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間において前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御する処理をコンピュータが実行する
付記項1~付記項4の何れか1つに記載の制御方法。
【0140】
(付記項6)
前記太陽熱温水器によって生成される温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における温水の利用量は、日時情報と、日照時間、温度、及び湿度を含む気象情報と対応付けられて前記記憶装置に記憶されており、
前記ひっ迫期間における前記気象情報を取得し、
取得した前記気象情報と前記ひっ迫期間の日時の組み合わせにそれぞれ対応する前記太陽熱温水器による温水の生成量と温度、及び前記熱源利用設備における温水の利用量を前記記憶装置から取得し、
取得した前記太陽熱温水器による温水の生成量と温度を用いて、前記ひっ迫期間に前記太陽熱温水器によって生成される温水の生成量及び温度を推定すると共に、取得した前記熱源利用設備における温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間に前記熱源利用設備において利用される温水の利用量を推定し、
前記ひっ迫期間の開始までに前記貯湯タンクに貯湯される温水の温水量及び温度と、前記ひっ迫期間に前記太陽熱温水器によって生成されると推定された温水の生成量及び温度と、前記ひっ迫期間に前記熱源利用設備において利用されると推定された温水の利用量を用いて、前記ひっ迫期間において前記熱源利用設備に供給する温水の供給系統と温水量を制御する処理をコンピュータが実行する
付記項5に記載の制御方法。
【0141】
(付記項7)
太陽光によって温水を生成する太陽熱温水器と、
前記太陽熱温水器で生成された温水を熱源として利用する熱源利用設備と、
電力を利用して、前記熱源利用設備が稼働した場合に得られる効果と同じ効果が得られる電力利用設備と、
を備えた建物におけるDR制御処理を実行するようにコンピュータによって実行可能なプログラムを記憶した非一時的記憶媒体であって、
前記DR制御処理が、電力の予備率が予め定めた値まで低下するような状況である電力のひっ迫状況が発生した場合、前記電力利用設備の代わりに前記太陽熱温水器で生成された温水を用いて前記熱源利用設備を稼働させるように温水の供給系統と温水量を制御する制御ステップ
を含む非一時的記憶媒体。
【符号の説明】
【0142】
1 制御システム
2 建物
3 太陽熱温水器
4 熱源利用設備
5 エアコン
5 電力利用設備
6 制御装置
7 遠隔制御サーバ
8 インターネット
9 外部装置
10 コンピュータ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 不揮発性メモリ
15 I/O
16 バス
17 通信ユニット
18 入力ユニット
19 出力ユニット
21 日照計
22A~22E 温度センサ
23A~23E 弁
25 貯湯タンク
26 ヒーター
27 膨張タンク
28A 集熱ポンプ
28B 吸収ポンプ
28C 冷却水ポンプ
29 流量計
30 熱源利用空調機
30A 吸収冷温水機
31 暖房用熱交換器
31A 温水式暖房装置
31B ラジエーター
32 給湯予熱用熱交換器
33A~33C パイプ
34A、34B 循環ポンプ
34C 給水ポンプ
35 冷却塔
36 制御盤
40 履歴テーブル
R1~R12 流路