(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072549
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法およびシステム、並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20240521BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240521BHJP
G01C 21/22 20060101ALI20240521BHJP
G08G 3/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
G09B29/00 Z
G06Q50/10
G01C21/22
G08G3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183424
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】安間 寛文
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】岡本 順敬
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英吉
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HC09
2C032HC27
2F129AA14
2F129BB03
2F129CC06
2F129CC35
2F129EE02
2F129EE78
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF17
2F129FF18
2F129FF20
2F129FF37
2F129FF39
2F129FF62
2F129FF72
2F129GG08
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH35
5H181AA25
5H181BB04
5H181LL06
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】属性が対応付けられたエリアの登録作業を容易にする。
【解決手段】サーバ2は、陸域と水域との境界の情報を含む地
図18をPC端末3へ送信し、PC端末3から、指定された境界線L1、距離および属性を取得する。サーバ2は、境界線L1と距離とに基づいて、属性対象エリア305を設定すると共に、属性対象エリア305に属性を対応付け、属性が対応付けられた属性対象エリア305を地
図18に反映させることで地
図18を更新する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陸域と水域との境界の情報を含む地図を送信する送信部と、
前記地図上における前記境界のうち指定された境界範囲と、指定された距離と、指定された属性と、を取得する取得部と、
前記指定された境界範囲と前記指定された距離とに基づいて属性対象エリアを設定すると共に、前記属性対象エリアに、前記指定された属性を対応付ける設定部と、
前記属性が対応付けられた前記属性対象エリアを前記地図に反映させることで前記地図を更新する更新部と、を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記指定された境界範囲から前記陸域とは反対側に前記指定された距離だけ離れた位置をエリア境界として設定し、前記エリア境界を基準として前記属性対象エリアを設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、さらに、前記エリア境界の内方か外方かを示す内方/外方指定を取得し、
前記設定部は、前記内方/外方指定が前記エリア境界の内方を示す場合は、前記指定された境界範囲と前記エリア境界との間のエリアを前記属性対象エリアとして設定し、前記内方/外方指定が前記エリア境界の外方を示す場合は、前記エリア境界に対して、前記指定された境界範囲とは反対側のエリアを前記属性対象エリアとして設定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記属性は、航行速度が制限される速度制限エリアであること、オーディオ音の音量が制限されるオーディオ制限エリアであること、船舶の進入が禁止される進入禁止エリアであること、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記属性が示す条件を満たさない船舶は警告対象となる請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記属性が示す条件を満たす船舶は、前記条件を満たす旨を報知する対象となる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記指定された属性を対応付ける際、前記地図上の領域をメッシュ状に分割した複数のタイルのうち前記属性対象エリアに該当するタイルに、前記指定された属性を対応付ける、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記指定された境界範囲と、前記指定された距離と、前記指定された属性とを、前記地図上の特定エリアに対して前記属性対象エリアを設定できる権限を与えられた管理者ごとに取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記地図における陸域と水域との境界の情報に変更があった場合に、その旨を、変更があった特定エリアに対応する管理者へ通知する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定部は、前記属性対象エリアを設定する際、潮汐情報に基づいて、前記指定された境界範囲を補正するかまたは前記エリア境界を補正する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
特定エリアに対して属性対象エリアを設定できる権限を与えられた管理者に対応するコンピュータと、陸域と水域との境界の情報を含む地図を前記コンピュータへ送信するサーバと、が通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記コンピュータは、前記管理者による操作に基づいて、前記地図における前記特定エリア内で、境界範囲、距離および属性を指定し、指定した境界範囲、距離および属性を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記コンピュータから、前記指定された境界範囲と、前記指定された距離と、前記指定された属性と、を取得する取得部と、
前記指定された境界範囲と前記指定された距離とに基づいて前記属性対象エリアを設定すると共に、前記属性対象エリアに、前記指定された属性を対応付ける設定部と、
前記属性が対応付けられた前記属性対象エリアを前記地図に反映させることで前記地図を更新する更新部と、を有する、情報処理システム。
【請求項12】
前記コンピュータは、前記管理者による操作に基づいて、前記地図上の前記境界のうち2点を指定することで、前記2点間の範囲を、前記特定エリア内での前記境界範囲として指定する、請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
陸域と水域との境界の情報を含む地図を送信する送信ステップと、
前記地図上における前記境界のうち指定された境界範囲と、指定された距離と、指定された属性と、を取得する取得ステップと、
前記指定された境界範囲と前記指定された距離とに基づいて属性対象エリアを設定すると共に、前記属性対象エリアに、前記指定された属性を対応付ける設定ステップと、
前記属性が対応付けられた前記属性対象エリアを前記地図に反映させることで前記地図を更新する更新ステップと、をコンピュータに実行させる、情報処理方法。
【請求項14】
前記設定ステップは、前記指定された境界範囲から前記陸域とは反対側に前記指定された距離だけ離れた位置をエリア境界として設定し、前記エリア境界を基準として前記属性対象エリアを設定する、請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記取得ステップは、さらに、前記エリア境界の内方か外方かを示す内方/外方指定を取得し、
前記設定ステップは、前記内方/外方指定が前記エリア境界の内方を示す場合は、前記指定された境界範囲と前記エリア境界との間のエリアを前記属性対象エリアとして設定し、前記内方/外方指定が前記エリア境界の外方を示す場合は、前記エリア境界に対して、前記指定された境界範囲とは反対側のエリアを前記属性対象エリアとして設定する、請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記属性は、航行速度が制限される速度制限エリアであること、オーディオ音の音量が制限されるオーディオ制限エリアであること、船舶の進入が禁止される進入禁止エリアであること、の少なくとも1つを含む、請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記属性が示す条件を満たさない船舶は警告対象となる請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記属性が示す条件を満たす船舶は、前記条件を満たす旨を報知する対象となる、請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記設定ステップは、前記指定された属性を対応付ける際、前記地図上の領域をメッシュ状に分割した複数のタイルのうち前記属性対象エリアに該当するタイルに、前記指定された属性を対応付ける、請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記取得ステップは、前記指定された境界範囲と、前記指定された距離と、前記指定された属性とを、前記地図上の特定エリアに対して前記属性対象エリアを設定できる権限を与えられた管理者ごとに取得する、請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記送信ステップは、前記地図における陸域と水域との境界の情報に変更があった場合に、その旨を、変更があった特定エリアに対応する管理者へ通知する、請求項20に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記設定ステップは、前記属性対象エリアを設定する際、潮汐情報に基づいて、前記指定された境界範囲を補正するかまたは前記エリア境界を補正する、請求項14に記載の情報処理方法。
【請求項23】
陸域と水域との境界の情報を含む地図を送信する送信ステップと、
前記地図上における前記境界のうち指定された境界範囲と、指定された距離と、指定された属性と、を取得する取得ステップと、
前記指定された境界範囲と前記指定された距離とに基づいて属性対象エリアを設定すると共に、前記属性対象エリアに、前記指定された属性を対応付ける設定ステップと、
前記属性が対応付けられた前記属性対象エリアを前記地図に反映させることで前記地図を更新する更新ステップと、をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、方法およびシステム、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、海図などの地図上で、進入禁止や徐行等の何らかの制限などの属性を対応付けたエリア(属性対象エリアと称する)を設定・登録する情報処理装置が知られている。各場所につき距離などを自身で計りながら属性対象エリアを設定する作業には工数がかかる。そこで、例えば、特許文献1には、タッチペンの操作により避険線を設定する技術が開示されている。また、特許文献2には、海岸線データの各点を中心とした所定半径の円周上にある緯度・経度の値を一定角度ずつ算出し、領海線データを自動作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-324241号公報
【特許文献2】特許第4023029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、場所によって個別の状況があること等も考慮すると、長い海岸線に対応して適切な属性対象エリアを設定・登録する作業は依然として簡単ではない。従って、属性対象エリアの登録作業を容易にする上で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、属性が対応付けられたエリアの登録作業を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一態様による情報処理装置は、陸域と水域との境界の情報を含む地図を送信する送信部と、前記地図上における前記境界のうち指定された境界範囲と、指定された距離と、指定された属性と、を取得する取得部と、前記指定された境界範囲と前記指定された距離とに基づいて属性対象エリアを設定すると共に、前記属性対象エリアに、前記指定された属性を対応付ける設定部と、前記属性が対応付けられた前記属性対象エリアを前記地図に反映させることで前記地図を更新する更新部と、を有する。
【0007】
この構成によれば、陸域と水域との境界の情報を含む地図が送信され、地図上における境界のうち指定された境界範囲と、指定された距離と、指定された属性と、が取得され、指定された境界範囲、距離に基づいて属性対象エリアが設定されると共に、属性対象エリアに、指定された属性が対応付けられ、属性が対応付けられた属性対象エリアが地図に反映されることで地図が更新される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、属性が対応付けられたエリアの登録作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】情報処理システムの要部のブロック図である。
【
図3】地図を更新する際に表示される画像を示す図である。
【
図4】サーバにおける地図更新処理を実現する機能ブロックを示す図である。
【
図6】地図更新処理において表示される画面の推移例である。
【
図7】地図更新処理において表示される画面の推移例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【0012】
この情報処理システム1は、サーバ2、PC端末3、モバイル端末4、マイコン5、及びECU(Engine Control Unit)61を含む。ECU61は船舶6に搭載される。船舶6の種類は問わない。サーバ2、PC端末3、モバイル端末4、及びマイコン5は、ネットワークNを介して無線又は有線で互いに通信可能に接続される。また、モバイル端末4とマイコン5とが有線又は無線で接続され通信可能である。なお、情報処理システム1に含まれる構成は、それぞれが複数であってもよい。
【0013】
PC端末3は、PC(Personal Computer)である。PC端末3は、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ノート型PC、又はウェアラブルコンピュータであってもよい。
【0014】
モバイル端末4は、船舶6に取り付けられた携帯端末である。モバイル端末4は、船舶6に搭乗する人が保持していてもよい。モバイル端末4は、典型的にはスマートフォンであるが、PC、タブレット、携帯電話、ノート型PC、又はウェアラブルコンピュータなどの情報処理装置である。
【0015】
マイコン5は、船舶6に内蔵された基板に搭載された半導体装置、又は半導体装置と電子部品との組み合わせにより構成される情報処理装置である。マイコン5は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせにより実現される。
【0016】
図2は、情報処理システム1の要部のブロック図である。船舶6は、CPU31、ROM32、RAM33、メモリ34、表示部35、入力部36、通信I/F(インターフェイス)37、タイマ(不図示)を備える。ROM32またはメモリ34は制御プログラムを格納している。マイコン5(
図1)は、CPU31、ROM32、RAM33、メモリ34等を含む。
【0017】
CPU31は、ROM32等に格納された制御プログラムをRAM33に展開して実行することにより、各種の制御処理を実現する。RAM33は、CPU31が制御プログラムを実行する際のワークエリアを提供する。表示部35は各種情報を表示する。入力部36は、設定値やモードの入力を船舶6の操船者から受け付ける。通信I/F37は、ネットワークNとの通信が可能であるほか、CAN等によって、駆動源41を制御するECU61(
図1)との通信も行うことができる。
【0018】
船舶6は、駆動源41のほか、始動操作部42、各種操作部43、各種処理部44、各種センサ45、位置検出部46、通信I/F47を備える。始動操作部42は、駆動源41を始動させる指示を入力するための始動スイッチ等である。各種操作部43は、ステアリングやリモコンなど、ユーザが操船するために操作される操作部である。各種操作部43は、このほか、ユーザが各種設定を入力するのにも用いられる。
【0019】
各種処理部44は、ECU61を含み、船舶6に関する各種の動作を処理する。各種センサ45には、各種操作部43の操作を検出するセンサが含まれる。また、各種センサ45には、加速度センサ、速度センサおよび角速度センサ等が含まれてもよい(いずれも図示せず)。位置検出部46は、GPS(Global Positioning System)衛星からGPS信号を受信し、船舶6の現在位置を示す位置情報を出力する。通信I/F47は、CAN等によって、通信I/F37との通信を行うことができる。
【0020】
サーバ2は、CPU11、ROM12、RAM13、メモリ14、表示部15、入力部16、通信I/F17、タイマ(不図示)を備える。CPU11は、ROM12またはメモリ14に格納された制御プログラムをRAM13に展開して実行することにより、各種の制御処理を実現する。RAM13は、CPU11が制御プログラムを実行する際のワークエリアを提供する。表示部15は各種情報を表示する。入力部16は、各種設定や指示の入力をサーバ2の使用者から受け付ける。メモリ14には、各種処理を実現するアプリケーションが格納されている。また、メモリ14には、後述する地
図18が格納されている。サーバ2は地
図18を管理する。通信I/F17は、ネットワークNとの通信が可能である。
【0021】
PC端末3は、CPU21、ROM22、RAM23、メモリ24、表示部25、入力部26、通信I/F27、タイマ(不図示)を備える。CPU21、ROM22、RAM23、メモリ24、表示部25の構成は、サーバ2のCPU11、ROM12、RAM13、メモリ14、表示部15と基本的に同様である。入力部16は、各種設定や指示の入力を、PC端末3の使用者から受け付ける。通信I/F27は、ネットワークNとの通信が可能である。通信I/F27は、また、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信機能を含む。また、メモリ14には、サーバ2からダウンロードされたアプリケーションが格納される。
【0022】
サーバ2と通信可能に接続される船舶6、モバイル端末4およびPC端末3は、それぞれ複数あってもよい。なお、通信I/F17、27、37、47に含まれる通信機能は複数あってもよく、それらの通信機能の方式は、有線、無線を問わない。また、いずれの通信I/Fも、ネットワークNとの通信を含んでもよく、あるいは近距離無線通信機能を含んでもよい。
【0023】
図3は、地
図18を更新する際にPC端末3の表示部25に表示される画像を示す図である。
【0024】
各PC端末3は、地
図18上の一部のエリアである特定エリアに対して属性対象エリア(後述する)を設定できる権限を与えられた管理者に対応するコンピュータである。特定エリアは、一例としては特定のマリーナで、管理者はマリーナに居る人であるが、これに限定されない。
【0025】
特定エリアは管理者に対応付けられている。管理者は個々に与えられたIDなどで自身のPC端末に対応付けられている。これにより、実質的に、特定エリアはPC端末3と対応付けられている。各PC端末3は、管理者による操作に基づいて、地
図18における対応する特定エリア内で、属性対象エリアを設定登録するための指示を入力できる。サーバ2は、各PC端末3で設定された情報に基づいて、地
図18上の対応する特定エリアにおける属性対象エリアの設定・変更を反映し、登録することで、地
図18を更新する。
【0026】
地
図18の全エリアのうち属性対象エリアを更新可能なエリアは、複数の特定エリアに区分されている。PC端末3は、特定エリアごとに存在する。更新可能なエリアを分けることで、属性対象エリアの更新の分散作業が可能となっている。地
図18は適宜、PC端末3や船舶6に送信される。
図3では、ある管理者に対応するPC端末3での表示画面が例示されている。地
図18を更新する処理はサーバ2で実行され、更新途中の画面や更新後の画面はサーバ2からPC端末3へ随時送信され、PC端末3で表示される。
【0027】
図3に示すように、地
図18は、陸域301(301A、301B)と水域302との境界(以下、水陸境界と呼称する)の情報を含む地図情報である。陸域301には、陸上である陸域301Aのほか、島である陸域301Bも含まれる。水陸境界には、陸域301Aと水域302との境界303Aのほか、陸域301Bと水域302との境界303Bも含まれる。なお、桟橋のほか、水面から露出した障害物も、陸域301に含まれてもよい。
【0028】
属性対象エリア305は、指定された「属性」が対応付けられたエリアである。ここでいう属性は、航行速度が制限される速度制限エリアであること、オーディオ音の音量が制限されるオーディオ制限エリアであること、船舶の進入が禁止される進入禁止エリアであること、の少なくとも1つを含む。ただし、属性は、何らかの制限に限られず、これ以外の内容を含んでもよい。例えば、属性は、警告対象とならない場所、例えばウエイクエリアや釣り場スポット(釣りに適したエリア)などであることを示す情報であってもよい。
【0029】
サーバ2は、地
図18上の領域をメッシュ状、すなわち格子状に分割した領域のそれぞれであるタイルを単位として属性対象エリアを管理する。つまり、タイルはメッシュにより形成される。タイルは、例えばタイル座標により特定される。タイル座標は、互いに直交する2方向における座標で定義される。
【0030】
属性対象エリアに該当するタイルは、「属性」が対応付けられたタイルであり、これを属性対象タイルと呼称する。属性対象タイルに関する情報を属性対象タイル情報と呼称する。属性対象タイル情報は、属性とタイルとを対応付ける情報を含む。複数のタイルのうち属性対象エリアに該当するタイルに属性を対応付けるので、処理が簡素化される。
【0031】
地
図18は、属性対象タイル情報を含む。なお、いずれの特定エリアについても属性対象エリア305が登録されていない初期状態では、地
図18は、属性対象タイル情報を含んでいなくてもよい。
【0032】
属性対象エリアを地
図18に反映させる処理については、詳細は
図5で説明するが、ここでは
図3を用いて境界303Aに関する処理を例にとって概説する。
【0033】
管理者の操作に基づき、PC端末3は、地
図18上の水陸境界(ここでは境界303A)のうち2点(第1点P1、第2点P2)を指定することで、これら2点間の範囲を、特定エリア内での境界線L1(境界範囲)として指定する。境界線L1は、第1点P1と第2点P2とを結ぶ境界303A上の線である。なお、第1点P1と第2点P2とを結ぶ線分を境界線L1としてもよい。
【0034】
PC端末3は、管理者の操作に基づき、距離の指定および属性の指定を受け付ける。管理者は、自身に対応する特定エリアに対して制限などの属性を対応付けたい場合に、所望の距離および属性を指定する。これに応じて、PC端末3は、指定された境界線L1、距離および属性をサーバ2に送信する。
【0035】
サーバ2は、これらの指定された情報を受信により取得し、指定された境界線L1と距離とに基づいて属性対象エリアを設定すると共に、属性対象エリアに、指定された属性を対応付ける。
【0036】
例えば、サーバ2は、境界線L1から陸域301Aとは反対側に、指定された距離だけ離れた位置を、エリア境界として設定する。
図3の例でいえば、エリア境界線L11がエリア境界として設定される。そしてサーバ2は、エリア境界線L11を基準として属性対象エリア305Aを設定する。
【0037】
その後、サーバ2は、属性が対応付けられた属性対象エリア305Aを地
図18に反映させることで地
図18を更新する。属性対象エリア305Aの設定途中、サーバ2は、特定エリアの設定状況を示す画面を随時、PC端末3に送信する。また、更新が完了すると、サーバ2は、更新後の地
図18および完了通知をPC端末3に送信する。
【0038】
なお、境界303Bに関する処理も同様である。すなわち、PC端末3は、境界303Bのうち点P3、P4間の範囲を境界線L2として指定し、指定された境界線L2、距離および属性をサーバ2へ送信する。サーバ2は、点P13と点P14とを通り且つ、境界線L2に平行な線を、エリア境界線L12として設定する。さらにサーバ2は、エリア境界線L12を基準として属性対象エリア305Bを設定する。なお、距離や属性については、境界303Aに関する指定と境界303Bに関する指定とが同じである必要はない。従って、距離や属性は個々の境界線に対して指定できる。
【0039】
なお、サーバ2は、タイル単位で、属性対象エリアであるか、そうでないかを管理するので、複数のタイルのうち属性対象エリア305に該当するタイルを設定登録する。その際、サーバ2は、境界線L1またはエリア境界線L11を包含するタイルを、属性対象エリア305Aに該当するものとして処理する。また、サーバ2は、境界線L2またはエリア境界線L12を包含するタイルを、属性対象305Bに該当するものとして処理する。また、サーバ2は、水陸境界についても、境界303A、303Bを包含するタイルを、それぞれ陸域301A、陸域301Bに該当するものとして処理する。
【0040】
ただし、これとは逆でもよく、境界線やエリア境界線を包含するタイルを、属性対象エリアに該当しないものとして処理してもよい。また、境界303A、303Bを包含するタイルを、それぞれ陸域301A、陸域301Bに該当しないものとして処理してもよい。
【0041】
図4は、サーバ2における地図更新処理を実現する機能ブロックを示す図である。この機能ブロックには、機能部として、送信部401、取得部402、設定部403、更新部404が含まれる。これらの各機能部は、主として、サーバ2のCPU11、ROM12、RAM13、メモリ14および通信I/F17のうちいずれか2つ以上の協働により実現される。
【0042】
送信部401は、地
図18をPC端末3へ送信する。取得部402は、地
図18上における指定された境界範囲(境界線L1等)と、指定された距離と、指定された属性と、をPC端末3から受信することで取得する。設定部403は、指定された境界範囲と指定された距離とに基づいて属性対象エリア(属性対象エリア305等)を設定すると共に、属性対象エリアに、指定された属性を対応付ける。更新部404は、属性が対応付けられた属性対象エリアを地
図18に反映させることで地
図18を更新する。
【0043】
図5は、地図更新処理を示すフローチャートである。この地図更新処理は、サーバ2およびPC端末3で並行して実行される。地図更新処理は、PC端末3で実行されるPC端末処理とサーバ2で実行されるサーバ処理とで構成される。
【0044】
PC端末処理は、PC端末3において、ROM22またはメモリ24に格納されたプログラムを、CPU21がRAM23に展開して実行することにより実現される。サーバ処理は、サーバ2において、ROM12またはメモリ14に格納されたプログラムを、CPU11がRAM13に展開して実行することにより実現される。地図更新処理は、PC端末3が登録開始指示をサーバ2に送信することで開始される。
【0045】
図6(a)、(b)、
図7(a)、(b)は、地図更新処理においてPC端末3の表示部25に表示される画面の推移例である。なお、これらの図では、タイルの図示を省略し、処理の様子を模式的に示している。従って、属性対象エリアがタイルごとに設定されることの表現は省略されている。これらを適宜参照しながら地図更新処理を説明する。
【0046】
まず、ステップS101では、CPU21は、管理者から地図の取得が指示されるまで待機し、地図の取得が指示されると、ステップS102で、サーバ2へ地図要求を送信する。ステップS201では、サーバ2のCPU11は、地図要求があるまで待機し、地図要求を受信すると、ステップS202に進む。ステップS202では、CPU11は、地図要求の送信元であるPC端末3に地
図18を送信する。ここで送信する地
図18は、PC端末3に対応する特定エリアを含めばよい。なお、PC端末3が既に地図を有している場合は、ステップS101、S102、S201、S202を省略してもよい。
【0047】
ステップS103では、PC端末3のCPU21は、境界範囲および距離を指定する入力があるまで待機し、境界範囲および距離の指定が入力されるとステップS104に進む。例えば、
図6(a)に示すように、水陸境界である境界303上で、管理者は、マウス等の入力部26を用いて第1点P1および第2点P2を指定する。CPU21は、点P1、P2間の範囲である境界線L1を、特定エリア内での境界範囲として指定する。境界線L1は、点P1と点P2とを結ぶ境界303上の線である。距離については、数値の入力等によって指定される。
【0048】
ステップS104では、CPU21は、指定された境界線L1および距離(これらを第1の指定情報と称する)をサーバ2へ送信する。ステップS203では、サーバ2のCPU11は、PC端末3から第1の指定情報を受信(取得)するまで待機し、第1の指定情報を受信すると、ステップS204に進む。
【0049】
ステップS204では、サーバ2のCPU11は、第1の指定情報における境界線L1と距離とに基づいてエリア境界を設定する。例えばCPU11は、
図6(b)に示すように、境界線L1から陸域301とは反対側に、指定された距離だけ離れた位置に、エリア境界としてエリア境界線L11を設定する。一例としては、エリア境界線L11は、点P1と点P2とを結ぶ直線L100に対して垂直方向であって陸域301とは反対側に、指定された距離だけ境界線L1を平行移動させた線である。
【0050】
具体的には、CPU11は、点P1を通り直線L100に垂直な直線L101上で、点P1から指定された距離だけ離れた位置を点P11とし、点P2を通り直線L100に垂直な直線L102上で、点P2から指定された距離だけ離れた位置を点P12とする。そしてCPU11は、点P11と点P12とを通り且つ、境界線L1に平行な線を、エリア境界線L11として設定する。
【0051】
なお、点P1、P2からエリア境界線L11を設定する手法は例示した手法に限定されるものではない。例えば、エリア境界線L11が直線L100に対して離れる方向は垂直方向に限られず、管理者による指定によって定めてもよい。なお、直線L100、L101、L102、点P11、P12、エリア境界線L11は、サーバ2での内部処理で必要となる情報であり、実際にPC端末3またはサーバ2で画面表示されることは必須でない。
【0052】
ステップS105では、PC端末3のCPU21は、内方/外方指定および属性を指定する入力があるまで待機し、内方/外方指定および属性の指定が入力されると、ステップS106に進む。ここで、内方/外方指定は、エリア境界の内方か外方かを示す指定である。すなわち、内方/外方指定は、属性対象エリアを、エリア境界に対して陸側に設けるか、陸の反対側に設けるかを指定する情報である。
【0053】
ステップS106では、CPU21は、指定された内方/外方指定および属性(これらを第2の指定情報と称する)をサーバ2へ送信する。ステップS205では、サーバ2のCPU11は、PC端末3から第2の指定情報を受信(取得)するまで待機し、第2の指定情報を受信すると、ステップS206に進む。なお、PC端末3は、第1の指定情報と第2の指定情報とを一括して指定し、サーバ2へ送信してもよく、サーバ2はこれらを一括して取得してもよい。
【0054】
ステップS206では、CPU11は、境界線L1、エリア境界線L11および内方/外方指定に基づいて属性対象エリアをタイルごとに設定する。例えば、内方/外方指定がエリア境界の内方を示す場合は、CPU11は、
図7(a)に示すように、境界線L1とエリア境界線L11との間のエリアを属性対象エリア305として設定する。この場合、CPU11は、境界線L1、エリア境界線L11、直線L101、直線L102で囲まれた領域を属性対象エリア305として設定する。実際には、境界線L1、エリア境界線L11、直線L101、直線L102が包含されるタイルも属性対象エリア305に含まれる。
【0055】
一方、内方/外方指定がエリア境界の外方を示す場合は、CPU11は、
図7(b)に示すように、エリア境界線L11に対して、境界線L1とは反対側のエリアを属性対象エリア305として設定する。
図7(b)において、点P15、P16は、点P1と点P2とを結ぶ直線L100に対して垂直方向であって陸域301とは反対側に、指定された距離だけ点P11、P12を移動させた点である。線L15は、直線L100に対して垂直方向であって陸域301とは反対側に、指定された距離だけ、エリア境界線L11を平行移動させた線である。CPU11は、点P11、P15を結ぶ線分L103と、点P12、P16を結ぶ線分L104と、エリア境界線L11と、線L15と、で囲まれた領域を属性対象エリア305として設定する。実際には、線分L103、L104、エリア境界線L11、線L15が包含されるタイルも属性対象エリア305に含まれる。
【0056】
ステップS207では、CPU11は、属性対象エリア305に、指定された属性を対応付ける。これにより、属性対象タイルに属性対象タイル情報が対応付けられる。ステップS208では、CPU11は、属性対象エリア305を、地
図18に反映させることで、地
図18を更新登録する。
【0057】
ステップS209では、CPU11は、その他の処理を実行して、サーバ処理を終了する。ここで、その他の処理では、CPU11は、地
図18の更新が完了したことをPC端末3へ通知してもよい。また、CPU11は、更新後の地
図18をPC端末3へ送信してもよい。
【0058】
ステップS107では、PC端末3のCPU21は、その他の処理を実行して、PC端末処理を終了する。ここで、その他の処理では、CPU21は、サーバ2から、更新が完了した旨の通知を受信した場合は、その旨を報知してもよい。また、サーバ2から更新後の地
図18を受信した場合は、地
図18における対応する特定エリアを表示部25に表示させてもよい。
【0059】
図8は、報知処理を示すフローチャートである。この処理は、船舶6のマイコン5において、ROM32またはメモリ34に格納されたプログラムを、CPU31がRAM33に展開して実行することにより実現される。この処理は、マイコン5が起動すると開始される。あるいは、この処理は、操船者が報知処理の開始を入力部36で指示すると開始される。
【0060】
ステップS301では、CPU31は、最新の地
図18を取得する。例えば、CPU31は、最新の地
図18の取得要求をサーバ2へ送信し、それに応答してサーバ2から返信された地
図18を取得する。
【0061】
ステップS302では、CPU31は、位置検出部46から出力された位置情報から、マイコン5の現在位置を取得する。ステップS303では、CPU31は、現在位置が属性対象エリア305内であるか否かを判別する。そしてCPU31は、現在位置が属性対象エリア305内でない場合は、報知の必要がないので、ステップS306に進む。
【0062】
一方、現在位置が属性対象エリア305内である場合は、CPU31は、ステップS304に進み、属性対象エリア305に対応する属性が示す条件を満たすか否かを判別する。「属性が示す条件」は、例えば、属性対象エリア305が速度制限エリアである場合は、航行速度が所定速度未満であり、オーディオ制限エリアである場合は、オーディオ音の音量が所定値未満であることである。なお、属性によっては条件を有さないものもある。属性が条件自体を含まない場合は、「属性が示す条件」は、常に満たされている判別される。
【0063】
ステップS304での判別の結果、CPU31は、上記属性が示す条件を満たす場合は、ステップS305に進み、上記属性が示す条件を満たさない場合は、ステップS307に進む。
【0064】
ステップS305では、CPU31は、属性が示す条件を満たす旨を報知する。これは、例えば、表示部35に所定のメッセージを表示したり不図示の発音部から音声を発したりすることで実現される。従って、属性が示す条件を満たす船舶は、条件を満たす旨を報知する対象となる。
【0065】
ステップS307では、CPU31は、属性が示す条件を満たさない旨を報知するための警告処理を実行する。これは、例えば、表示部35に所定の警告メッセージを表示したり不図示の発音部から音声を発したりすることで実現される。例えば、属性対象エリア305が速度制限エリアである場合は、CPU31は、船舶6が徐行エリアで速度超過していることを警告する。従って、属性が示す条件を満たさない船舶は警告対象となる。
【0066】
ステップS305、S307の後、CPU31は、ステップS306で、その他の処理を実行し、ステップS302に戻る。その他の処理では、例えば、操船者からの指示に基づき、報知処理を終了させる処理や、地
図18の再度の取得要求等が実行される。
【0067】
なお、
図8に示す報知処理は、モバイル端末4で実行されてもよいし、マイコン5とモバイル端末4との協働により実行されてもよい。
【0068】
なお、CPU31は、ステップS305、S307で実施した報知内容、日時、場所を、アラート履歴情報としてメモリ34に記憶させてもよい。また、CPU31は、船舶6が走行した軌跡である走行軌跡を示す走行軌跡情報をメモリ34に記憶させてもよい。またCPU31は、これらのアラート履歴情報および走行軌跡情報をサーバ2に送信してもよい。
【0069】
本実施の形態によれば、サーバ2は、陸域と水域との境界の情報を含む地
図18をPC端末3へ送信する。PC端末3は、管理者による操作に基づいて、地
図18における特定エリア内で、境界線L1(境界範囲)、距離および属性を指定し、これらをサーバ2へ送信し、サーバ2はこれらを取得する。サーバ2は、境界線L1と距離とに基づいて、属性対象エリア305を設定すると共に、属性対象エリア305に、属性を対応付ける。そしてサーバ2は、属性が対応付けられた属性対象エリア305を地
図18に反映させることで地
図18を更新する。
【0070】
これにより、マリーナ等の場所によって個別の状況があっても、長い海岸線に対応して適切な属性対象エリアを設定・登録する作業が簡単となる。よって、属性が対応付けられたエリアの登録作業を容易にすることができる。
【0071】
また、サーバ2は、境界線L1から陸域とは反対側に、指定された距離だけ離れた位置をエリア境界線L11(エリア境界)として設定し、エリア境界線L11を基準として属性対象エリア305を設定する。従って、境界線L1から離れた位置を基準に属性対象エリア305を設定することができる。特に、サーバ2は、PC端末3から内方/外方指定を取得し、内方/外方指定に応じて、境界線L1とエリア境界線L11との間のエリア、または、エリア境界線L11に対して、境界線L1とは反対側のエリアを、属性対象エリア305として設定する。従って、内方/外方指定に従って、エリア境界線L11の内側または外側が属性対象エリア305に設定されるので、管理者は意図を反映させることが容易となる。
【0072】
なお、サーバ2(例えば、送信部401)は、地
図18における陸域と水域との境界の情報に変更があった場合に、その旨を、変更があった特定エリアに対応する管理者(PC端末3)へ通知してもよい。これにより、変更があったエリアについての属性対象エリアの設定・更新を促すことができる。なお、地
図18における陸域と水域との境界の情報に変更があった場合に、全ての特定エリアに対応するPC端末3へ通知してもよい。
【0073】
なお、地
図18における陸域と水域との境界(303A、303B)は、潮汐・潮流にかかわらず固定であることを前提としたが、例えば、潮汐の状態ごとに地
図18を設けてもよい。例えば、一般的には、境界303Aは、満潮時の方が干潮時よりも沖へ移動する。
【0074】
また、潮汐・潮流にかかわらず境界が固定である地
図18に対して属性対象エリア305を設定する際に、潮汐情報に基づいて、指定された境界範囲を補正するかまたはエリア境界を補正してもよい。例えば、潮汐情報が干潮を示す場合、満潮時と干潮時との中間状態を基準とする地
図18に対して、干潮時に適した属性対象エリア305を設定するために、次のように補正処理を加えてもよい。例えばステップS204で、CPU11は、境界線L1からエリア境界線L11を設定する際に、より沖の方へ移動した位置にエリア境界線L11が設定されるよう、境界線L1またはエリア境界線L11の位置を所定量だけ平行移動させる等によって補正してもよい。
【0075】
なお、本実施の形態では、指定された境界範囲として境界線L1等を例示し、境界線L1から設定されるエリア境界としてエリア境界線L11等を例示した。しかし、境界範囲、エリア境界は、曲線や直線に限らない。例えばこれらは、複数の点で表現されてもよいし、所定幅を有するエリアとして表現されてもよい。
【0076】
なお、本発明の情報処理システムは、特定エリアに対して属性対象エリアを設定できる権限を与えられた管理者に対応するコンピュータと、これに通信可能に接続されたサーバとを含めばよい。また、管理者に対応するコンピュータには、PC端末3だけでなく、マイコン5またはモバイル端末4も該当し得る。従って、サーバ2とPC端末3との組み合わせ、サーバ2とマイコン5との組み合わせ、サーバ2とモバイル端末4との組み合わせ、のいずれでも、本発明の情報処理システムを実現可能である。
【0077】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0078】
本発明は、上記した実施形態の1以上の機能を実現するプログラムをネットワークや非一過性の記憶媒体を介してシステムや装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータの1以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。以上のプログラムおよび以上のプログラムを記憶する記憶媒体は、本発明を構成する。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0079】
2 サーバ、 3 PC端末、 5 マイコン、 11、21、31 CPU、 18 地図、 305 属性対象エリア、 401 送信部、 402 取得部、 403 設定部、 404 更新部、 L1 境界線、 L11 エリア境界線