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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072555
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】カゴの除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
A61L2/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183435
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】396013329
【氏名又は名称】株式会社クレオ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】野本 望
(72)【発明者】
【氏名】大久保 豪
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA02
4C058BB07
4C058EE01
4C058EE03
4C058JJ06
4C058JJ24
4C058JJ26
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で、複数のカゴがあってもまとめて除菌することがきるカゴの除菌装置を提供する。
【解決手段】複数のカゴ3を、これらが重ねられている状態で載置するカゴ載置体5と、カゴ載置体5を内部に収容し、この収容されているカゴ載置体5にカゴ3を載置するための開口部が設けられている筐体7と、筐体7に収容されているカゴ載置体5に載置されているカゴ3に除菌剤4を噴霧する除菌剤噴霧部9とを有するカゴの除菌装置1である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカゴを、これらが重ねられている状態で載置するカゴ載置体と、
前記カゴ載置体を内部に収容し、この収容されている前記カゴ載置体に前記カゴを載置するための開口部が設けられている筐体と、
前記筐体に収容されている前記カゴ載置体に載置されている前記カゴに除菌剤を噴霧する除菌剤噴霧部と、
を有するカゴの除菌装置。
【請求項2】
前記筐体は、矩形な平板状の4枚の側板によって矩形な筒状に形成されており、
前記筐体の開口部は、前記筐体の上端に形成されており、
前記4枚の側板のうちの1枚の側板が、前記4枚の側板のうちの残りの3枚の側板に対して動く扉になっており、
前記除菌剤噴霧部は、前記扉とは反対側の側板に設けられている請求項1に記載のカゴの除菌装置。
【請求項3】
前記筐体の開口部は、前記筐体の上端に形成されており、
前記筐体には、キャスターが設けられており、前記キャスターの下端からの前記筐体の開口部の高さの値が、500mm~1000mmの間の値になっている請求項1に記載のカゴの除菌装置。
【請求項4】
前記カゴ載置体には、キャスターが設けられており、
前記カゴ載置体は、床面上で移動し、前記扉が開いている状態で、前記筐体に出し入れできるように構成されている請求項2に記載のカゴの除菌装置。
【請求項5】
前記除菌剤噴霧部から噴霧された除菌剤を照らす照明装置が設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカゴの除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カゴの除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1で示すような買い物かごの除菌装置が知られている。特許文献1で示す買い物かごの除菌装置は、筐体と扉と幅方向位置決め部と持ち手上昇部と複数の発光部とを備えている。そして、筐体の一側面に扉が設けられていることで、持ち手を上にして1個の買物かごを筐体に挿入し筐体から取出すことができるようになっている。
【0003】
幅方向位置決め部は、筐体の内部に固定されている。幅方向位置決め部によって、扉から挿入された買物かごが幅方向で位置決めされるようになっている。持ち手上昇部によって、買物かごを筐体内に挿入する過程で、買物かごの持ち手を上昇させ、買物かごが取出されるまで持ち手を上昇させたまま維持することができるようになっている。複数の発光部は、筐体内に挿入された買物かごに対して除菌用の深紫外光を照射するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-209245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の買い物かごの除菌装置では、深紫外光を照射することで買い物かごの除菌を行っている。これにより、深紫外光を買い物の全表面に照射するために、幅方向位置決め部と持ち手上昇部とが必要であり、構成が煩雑になっている。また、複数個の買い物かごを一緒に除菌することは難しくなっている。
【0006】
本発明は、簡素な構成で、複数のカゴがあってもまとめて除菌することがきるカゴの除菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係るカゴの除菌装置は、複数のカゴを、これらが重ねられている状態で載置するカゴ載置体と、前記カゴ載置体を内部に収容し、この収容されている前記カゴ載置体に前記カゴを載置するための開口部が設けられている筐体と、前記筐体に収容されている前記カゴ載置体に載置されている前記カゴに除菌剤を噴霧する除菌剤噴霧部とを有するカゴの除菌装置である。
【0008】
また、本発明の態様に係るカゴの除菌装置では、前記筐体が、矩形な平板状の4枚の側板によって矩形な筒状に形成されており、前記筐体の開口部が、前記筐体の上端に形成されており、前記4枚の側板のうちの1枚の側板が、前記4枚の側板のうちの残りの3枚の側板に対して動く扉になっており、前記除菌剤噴霧部が、前記扉とは反対側の側板に設けられている。
【0009】
また、本発明の態様に係るカゴの除菌装置では、前記筐体の開口部が、前記筐体の上端に形成されており、前記筐体には、キャスターが設けられており、前記キャスターの下端からの前記筐体の開口部の高さの値が、500mm~1000mmの間の値になっている。
【0010】
また、本発明の態様に係るカゴの除菌装置では、前記カゴ載置体に、キャスターが設けられており、前記カゴ載置体が、床面上で移動し、前記扉が開いている状態で、前記筐体に出し入れできるように構成されている。
【0011】
また、本発明の態様に係るカゴの除菌装置では、前記除菌剤噴霧部から噴霧された除菌剤を照らす照明装置が設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡素な構成で、複数のカゴがあってもまとめて除菌することがきるカゴの除菌装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るカゴの除菌装置の平面図である。
図2図1におけるII矢視図である。
図3図2におけるIII矢視図である。
図4図3におけるIV矢視図である。
図5】本発明の実施形態に係るカゴの除菌装置の除菌対象であるカゴを示す図である。
図6】(a)は図2におけるVIA部の拡大図であり、(b)は(a)におけるVIB-VIB断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係るカゴの除菌装置1は、除菌剤4を噴霧してカゴ3の除菌をする装置であり、図1から図4で示すように、カゴ載置体5と筐体7と除菌剤噴霧部9とを備えて構成されている。
【0015】
ここで、説明の便宜のために、水平な所定の一方向を前後方向とし、水平な所定の他の一方向であって前後方向に対して直交する方向を幅方向とし、前後方向と幅方向とに対して直交する方向を上下方向とする。
【0016】
カゴ載置体5は、複数のカゴ3を、これらが重ねられている状態で載置し一時的に保管するようになっている。カゴ3として、たとえば、スーパーマーケットの店内で使用される買物カゴを掲げることができる。なお、カゴ3には持ち手が設けられているが、図面では持ち手の表示を省略している。
【0017】
カゴ載置体5は、筐体7とは別体で構成されている。筐体7の内部には、カゴ載置体5が一時的に収容されるようになっている。筐体7には、筐体7の内部に収容され設置されているカゴ載置体5に、カゴ3を載置するための開口部(たとえば上部開口部)11が設けられている。
【0018】
すなわち、筐体7の外部にあるカゴ3は、筐体7の開口部11を通って筐体7の内部に入り、筐体7の内部に収容され設置されているカゴ載置体5に載置され積み重ねられるようになっている。
【0019】
除菌剤噴霧部9は、筐体7に設けられている。除菌剤噴霧部9は、筐体7に収容されているカゴ載置体5に載置されているカゴ3に、除菌剤(たとえば過酢酸の水溶液)を噴霧するようになっている。
【0020】
カゴの除菌装置1は、たとえば、スーパーマーケットの建屋内であって、スーパーマーケットの建屋の出入口の近傍、レジの近傍等の、人目(買い物客)の目につくところに設置されて使用される。
【0021】
筐体7は、矩形な平板状の4枚の側板13によって矩形な筒状に形成されている。筐体7の筒の中心軸は上下方向に延びている。筐体7の開口部11は、筐体7の上端に形成されている。なお、図2図3では筐体7の中を見やすくするために、図2図3で最も手前にある側板13の表示を省略している。
【0022】
4枚の側板13の上端の直線状の部位で四角形の4つの辺が形成されており、上部開口部11は、この4つの辺の内側に形成されている。なお、筐体7が筒状に形成されているので、筐体7の下端にも開口部(下部開口部)15が形成されている。カゴの除菌装置1(筐体7)が床面17上に設置されている状態では、筐体7の4枚の側板13の下端は、床面17から僅かに離れて床面17の上側に位置している。
【0023】
筐体7では、4枚の側板13のうちの1枚の側板が、4枚の側板13のうちの残りの3枚の側板(筐体本体部)19に対して動く(たとえば回動する)扉21になっている。除菌剤噴霧部9は、扉21とは反対側の側板13(13A)に設けられている。さらに説明すると、除菌剤噴霧部9が設けられている側板13Aが、扉21から離れており閉じている扉21と平行になって対向している。
【0024】
カゴ載置体5には、キャスター23が設けられている。カゴ載置体5は、キャスター23のタイヤが床面17に対して転がり対偶をなすことで、床面17上で移動するようになっている。そして、カゴ載置体5は、扉21が開いている状態で、カゴ3を載置していようがいまいが筐体7に出し入れできるようになっている。
【0025】
扉21は、筐体本体部19に対して回動するようにして、筐体本体部19に支持されている。扉21が閉じている状態では、筐体7が矩形な筒状になっている。扉21が開いている状態では、筐体本体部19の前端に矩形な開口部(前側開口部)25が形成されるようになっている。扉21が開いている状態で形成される前側開口部25を通して、筐体7での、カゴ載置体5およびカゴ3が載置されているカゴ載置体5の出し入れができるようになっている。
【0026】
筐体7(筐体本体部19の下端)にもキャスター27が設けられている。これにより、筐体7もカゴ載置体5と同様に床面17上で容易に移動できるようになっている。
【0027】
除菌剤噴霧部9は、図6で示すように、除菌剤(殺菌剤)4を噴霧するノズル29を備えて構成されている。また、除菌剤噴霧部9のところには、ノズル29の除菌剤吐出孔(除菌剤噴霧孔)10から噴霧された直後の霧状の除菌剤4を照らす照明装置31が設けられている。
【0028】
カゴの除菌装置1には、CPUとメモリとを備えて構成されている制御部33(図4参照)が設けられている。照明装置31は、複数のLED等で構成されている発光体35を備えて構成されている。
【0029】
制御部33の制御の下、除菌剤噴霧部9は、所定の時間が経過する毎に、所定の短い時間除菌剤4を噴霧するようになっている。また、照明装置31の発光体35は、ノズル29が除菌剤を噴霧しているときに発光するようになっている。上記所定の時間は、たとえば、設定変更できるようになっている。
【0030】
なお、カゴの除菌装置1において、上部開口部11を通過するカゴ3を検出するカゴ検出部(例えば、光電センサー)を設けてもよい。そして、カゴ検出部がカゴ3を検出した回数に応じて、照明装置31の発光体35が所定の時間(たとえば0.5秒から10秒)だけ発光し、ノズル29が所定の時間(たとえば0.5秒から5秒)だけ除菌剤4を噴霧するようにしてもよい。
【0031】
さらに、照明装置31の発光体35が発光する間隔と、ノズル29が除菌剤4を噴霧する間隔とが互いに等しくなっていてもよい。たとえば、カゴ検出部が10回カゴ3を検出する毎に、ノズル29が除菌剤4を噴霧し、このときに照明装置31の発光体35が発光するようになっていてもよい。
【0032】
また、照明装置31の発光体35が発光する間隔が、ノズル29が除菌剤4を噴霧する間隔より短くなっていてもよい。たとえば、カゴ検出部が1回カゴ3を検出する毎に、照明装置31の発光体35が発光し、カゴ検出部が10回カゴを検出する毎に、ノズル29が除菌剤4を噴霧するようになっていてもよい。すなわち、発光回数が除菌剤4の噴霧回数よりも多くなっていてもよい。逆に、照明装置31の発光体35が発光する間隔が、ノズル29が除菌剤4を噴霧する間隔より長くなっていてもよい。
【0033】
また、上部開口部11を通過するカゴ3を検出するカゴ検出部を設けた場合において、上記カゴ検出部がカゴ3を検出しているときに、ノズル29が除菌剤4を噴霧しないようにしてもよい。たとえば、上記カゴ検出部が1つのカゴ3(重ねられてまとまった数個のカゴ3でもよい)の検出を開始してから上記1つのカゴ3の検出をし終えるまで、ノズル29が除菌剤4を噴霧しないようになっていてもよい。さらに、上記カゴ検出部が1つのカゴ3を検出し終えてから所定の僅かな時間が経過したとき直ちにノズル29が除菌剤4を噴霧するようにしてもよい。
【0034】
また、カゴ検出部を設けることなく、タイマーによって、所定の時間(たとえば1分)が経過する毎に、ノズル29が除菌剤4を噴霧し、照明装置31の発光体35が発光するようになっていてもよい。この場合においても、照明装置31の発光体35が発光する間隔と、ノズル29が除菌剤4を噴霧する間隔とを上述したように調整することができるものとする。
【0035】
ここで、カゴの除菌装置1についてさらに詳しく説明する。カゴ3では、図5で示すように、また、上述したように、持ち手の表示は省略している。カゴ3は、平板状の底板部37と底板部37から起立している4枚の側板部39とを備えて矩形な枡状に形成されている。なお、カゴ3は、前後方向および幅方向の寸法の値が、上側から下側に向かうにしたがって、次第に小さくなっている。これにより、底板部37と側板部39との内側の空間(品物を入れる空間)は、四角錐台状になっている。
【0036】
カゴ3の上端には、矩形な環状の鍔部41が設けられている。図示していない持ち手は、鍔部41の上側で鍔部41に設けられている。また、図示していないが、底板部37と側板部39とには、これらを厚さ方向で貫通している多数の貫通孔が設けられている。
【0037】
カゴ載置体5は一対の載置体本体部43と、この一対の載置体本体部43をつないでいる連結部45とを備えて構成されている。載置体本体部43は、たとえば、細長い円筒状のパイプを曲げて「コ」字状(「U」字状)に形成されている。キャスター23が、載置体本体部43を構成する「コ」字状のパイプの両端(下端)に設けられている。キャスター23の車輪は通常の状態では自由に回転するが、キャスター23には、この車輪が回転できないようにするための回転停止用ストッパー(図示せず)が設けられている。
【0038】
一対の載置体本体部43は、幅方向で所定の間隔をあけてならんでおり、連結部45は薄く細長い直方体状に形成されている。連結部45の長手方向の一方の端が、一対の載置体本体部43のうちの一方の載置体本体部43に接合されており、連結部45の長手方向の他方の端が、一対の載置体本体部43のうちの他方の載置体本体部43に接合されている。
【0039】
連結部45も一対で設けられている。一対の連結部45のうちの一方の連結部45は前側で一対の載置体本体部43同士をつないでおり、一対の連結部45のうちの他方の連結部45は後側で一対の載置体本体部43同士をつないでいる。連結部45は上下方向では、一対の載置体本体部43の中間部に位置している。
【0040】
カゴ載置体5に1つ目のカゴ3が載置された状態では、カゴ3の底板部37が下側に位置し鍔部41が上側に位置し、鍔部41が、一対の載置体本体部43の上端に接して載置体本体部43の上に載っている。また、底板部37と側板部39とが、一対の載置体本体部43と一対の連結部45との内側に入っている。
【0041】
2つ目のカゴ3のカゴ載置体5への載置について説明する。2つ目のカゴ3が1つ目のカゴ3に重ねられてカゴ載置体5に載置された状態では、2つ目のカゴ3の底板部37と側板部39との下側の部位が、1つ目のカゴ3の底板部37と側板部39と内側に入っている。カゴ載置体5に3つ目以降のカゴ3が重ねられて載置された状態も、2つ目のカゴ3の場合と同様になっている。
【0042】
筐体7は、フレーム47を備えて構成されている。さらに説明すると、フレーム47は、4本の支柱部49と梁部51とを備えて構成さている。4本の支柱部49は、矩形な筒状のパイプで構成されており上下方向が長手方向になっている。なお、4本の支柱部49が、円筒状のパイプ等の細長い材料で構成されていてもよい。梁部51は、矩形な筒状もしくは円筒状のパイプで構成されているか、または、薄く細長い直方体状の部材(帯状の部材)で構成されており、前後方向、幅方向に延びて4本の支柱部49をつないでいる。
【0043】
扉21は、たとえば透明な合成樹脂で構成され矩形な平板状に形成されている。また、扉21は、この幅方向の一方の端部が、ヒンジ部(図示せず)を介して、フレーム47(4本の支柱部49のうちの前側の1本の支柱部49)に支持されている。そして、上下方向に延びている回動中心軸を中心にして、フレーム47に対して回動するようになっている。なお、図1の参照符号P1で示す位置にある扉21は、閉じた状態になっている。図1の参照符号P2で示す位置にある扉21は、開いた状態になっており、前側開口部25が形成されている。
【0044】
側板13Aは、たとえば矩形な平板状の鋼材等の金属で構成されており、厚さ方向が前後方向になるようにして、4本の支柱部49のうちの後側の2本の支柱部49に支持されている。
【0045】
扉21および側板13A以外の一対の側板13は、たとえば透明な合成樹脂で構成され矩形な平板状に形成されている。この一対の側板13のうちの一方の側板13は、4本の支柱部49のうちの幅方向の一方の側に位置している2本の支柱部49に支持されている。一対の側板13のうちの他方の側板13は、4本の支柱部49のうちの幅方向の他方の側に位置している2本の支柱部49に支持されている。
【0046】
キャスター27は、4本の支柱部49それぞれの下端に設けられている。キャスター27の車輪は通常の状態では自由に回転するが、キャスター27にも、キャスター23と同様に、車輪が回転できないようにするための回転停止用ストッパー(図示せず)が設けられている。
【0047】
側板13Aの後側の面には、上述した制御部等を内部に収容する箱状体53が設けられている。また、箱状体53の内部には、リチウムイオン電池で構成されている電源(蓄電池;充電式バッテリー)と、ノズル29に除菌剤4を供給するためのポンプと、制御部33等が収容されている。電源として充電式バッテリーを採用することで、設置場所の省スペース化をはかることができ、また、移設を容易にすることができる。なお、電源として、蓄電池に代えて外部電源を使用してもよい。箱状体53には、除菌剤4を収容する容器55が着脱自在に設置されるようになっている。
【0048】
容器55は、半透明もしくは透明な合成樹脂等の材料で構成されている。これにより、容器55に内部に入っている除菌剤4の量を容器55の外から見ることができるようになっている。
【0049】
ノズル29は、図6で示すように、ノズル支持体57を介して側板13Aに一体的に設けられている。ノズル29は所定の立体角φで除菌剤4を吐出するようになっている。前後方向で見て、複数の発光体35がノズル29を囲んでいる。
【0050】
さらに説明すると、ノズル29の中心を中心とする所定の半径の円の円周を等分配する位置に、発光体35が配置されている。また、ノズル支持体57には、背の低い円筒状のカバー部59が設けられている。カバー部59の円筒の中心軸はノズル29の中心を含み前後方向に延びている。また、前後方向で見ると、図6(a)で示すように、カバー部59の内側にノズル29とが発光体35が配置されている。上下方向で見ると、図6(b)で示すように、カバー部59の内側にノズル29の除菌剤吐出孔10と発光体35とが入っている。
【0051】
また、カゴの除菌装置1では、床面17(キャスター27の下端)からの開口部11の高さの値が、小さくなっており、たとえば、500mm~1000mmの間の値になっている。なお、カゴの除菌装置1で、床面17からの開口部11の高さの値が、600mm~900mmの間の値になっていてもよいし、600mm~800mmの間の値になっていてもよいし、650mm~750mmの間の値になっていてもよい。これにより、床面17上で起立している人が、開口部11から筐体7内にカゴ3を手で直接持って入れやすくなっている。
【0052】
ところで、従来、紫外線照射タイプに加えて除菌剤噴霧型(タイプ)の除菌装置も知られている。しかし、これらの従来の除菌装置は背が高く上側の開口部が塞がれており、いずれのタイプであっても、50個程度のカゴを重ねまとめてボックスに収納して一定時間除菌するようになっている。さらに、従来の除菌装置では、店舗オペレーションとして(店舗での使用に際して)、50個のカゴを集めて別場所に移動し、除菌後また元の場所あるいは別場所に戻すという工程を必要とする。
【0053】
これに対して、カゴの除菌装置1は消費者(店舗利用者)が商品購入後にカゴ3を返す場所(たとえば、サッカー台脇)をそのまま利用して、その場で除菌剤噴霧を行なう為、上記工程を新たに追加する必要がなく(設置後、原則として移動する必要がなく)使いやすくなっている。
【0054】
次に、カゴの除菌装置1の動作を説明する。扉21が開いている状態で、カゴ3が載置されていないカゴ載置体5を筐体7内に設置し、この後、扉21を閉じる。
【0055】
買い物客が、上部開口部11を通して筐体7内に設置されているカゴ載置体5にカゴ3を載置する。カゴ3がある程度の数カゴ載置体5に載置されたら、カゴ3に向けて除菌剤4を噴霧するとともに、照明装置31によって噴霧された除菌剤4に光を照射する。
【0056】
カゴ3に向けて除菌剤4の噴霧と照明装置31による除菌剤4への光の照射は、カゴ3がある程度の数カゴ載置体5に載置される毎に行う。この後、カゴ載置体5に載置されているカゴ3の数が所定の数を超えたら、扉21を開いて、カゴ載置体5とカゴ載置体5に載置されているカゴ3とを筐体7の外に取り出す。
【0057】
カゴの除菌装置1は、複数のカゴ3をこれらが重ねられている状態で載置するカゴ載置体5と、カゴ載置体5を内部に収容しこの収容されているカゴ載置体5にカゴ3を載置するための上部開口部11が設けられている筐体7とを備えて構成されている。また、カゴの除菌装置1は、筐体7に収容されているカゴ載置体5に載置されているカゴ3に除菌剤4を噴霧する除菌剤噴霧部9を備えて構成されている。
【0058】
これにより、カゴの除菌装置1の構成が従来の除菌装置に比べて簡素化されている。また、複数のカゴ3であってもまとめて除菌することがきる。すなわち、使用された後に重ねられたカゴ3の除菌を除菌剤4の噴霧により効率良く行うことができる。
【0059】
また、従来の除菌装置では、除菌に深紫外光を用いているので、深紫外光の筐体外部への漏れを防止すべく、買い物かごが筐体の外部から見えにくくなっている。これに対して、カゴの除菌装置1では、筐体7に上部開口部11が設けられていること等により、筐体7の外部から重ねられた複数のカゴ3を見ることができ、カゴ3の使用者に安心感を与えることができる。さらに、カゴの除菌装置1は、構成が簡素になっているので、設置場所をある程度自由に選ぶことができ、移動も容易であり、取り扱いがしやすくなっている。
【0060】
また、カゴの除菌装置1では、筐体7の4枚の側板13のうちの1枚の側板が、筐体本体部19に対して動く扉21になっているので、筐体7へのカゴ載置体5およびカゴ3が載置されているカゴ載置体5の出し入れがしやすくなっている。また、除菌剤噴霧部9が、扉21とは反対側の側板13Aに設けられているので、除菌剤噴霧部9と扉21との間の距離の値が大きくなっている。これにより、扉21を開いた状態で除菌剤噴霧部9から除菌剤4が噴霧されても、噴霧された除菌剤4が筐体7の外部に出にくくなっている。
【0061】
また、カゴの除菌装置1では、カゴ載置体5にキャスター23が設けられており、カゴ載置体5が床面17上で移動し、扉21が開いている状態で筐体7に出し入れできるように構成されている。これにより、たとえが、カゴ載置体5の多くのカゴ3が載置され重量が増えても、カゴ載置体5を床面17上で移動しやすくなっている。また、カゴ載置体5が筐体7内に入っている状態でも、筐体7の上部開口部11から手を入れることで、カゴ載置体5の筐体7に対する位置(水平方向での位置)の調整を容易にすることができるようになっている。
【0062】
また、カゴの除菌装置1では、除菌剤噴霧部9が、除菌剤4を噴霧するノズル29と、ノズル29から噴霧された直後の除菌剤4を照らす照明装置31とを備えて構成されている。これにより、除菌剤4が噴霧されている状態を目視しやくなっており、たとえば、カゴ3の使用者に安心感を与えることができる。
【0063】
また、カゴの除菌装置1では、除菌剤噴霧部9が、所定の時間が経過する毎に所定の短い時間除菌剤4を噴霧するようになっている。また、照明装置31の発光体35が、除菌剤噴霧部9が除菌剤4を噴霧しているときに発光するようになっている。これにより、除菌剤4の使用量を調整することができ、不必要な除菌剤の使用を無くすことができるとともに、除菌剤の噴霧を確実に目視することができる。
【0064】
また、カゴの除菌装置1において、前面含むボックス側面(扉21を含む側板13)を、広告掲示板として利用してもよい。たとえば、側板13自体の広告機能を持たせてもよい。また、側板13に別途広告掲示物を設置できるようにしてもよい。たとえば、側板13の少なくとも一部にポスター設置部としての磁性体を設け、この磁性体と磁石とでポスターの一部を挟み込み、側板13にポスターを設置するようにしてもよい。
【0065】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 カゴの除菌装置
3 カゴ
4 除菌剤
5 カゴ載置体
7 筐体
9 除菌剤噴霧部
11 開口部
13 側板
17 床面
21 扉
23 キャスター
31 照明装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6