(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072560
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】融資管理装置、融資管理方法、および、融資管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240521BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183448
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊友
(72)【発明者】
【氏名】牛山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB23
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】指定された少額融資の全額返済希望日迄の約定返済日における約定返済の有無を加味した、全額返済希望日における全額返済額の算出シミュレーションを可能とすることができる融資管理装置、融資管理方法、および、融資管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】全額返済日、および、当該全額返済日迄の約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得し、契約データ、ログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、少額融資の全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた融資管理装置であって、
前記記憶部は、
少額融資の融資金額、融資利率、ならびに、約定返済日を設定した契約データを記憶する契約記憶手段と、
前記約定返済日を含む取引日、および、融資残高を紐付けて設定したログデータを記憶するログ記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
全額返済日、および、当該全額返済日迄の前記約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得する依頼取得手段と、
前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記少額融資の前記全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出するシミュレーション手段と、
を備えたことを特徴とする融資管理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記全額返済日迄の前記約定返済日における請求額を設定した請求確定データを取得する請求取得手段、
を更に備え、
前記シミュレーション手段は、
前記請求確定データ、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無が有の場合、当該約定返済日における利息充当額を算出し、前記融資残高と前記利息充当額との合計から前記請求額を差し引いた金額を新たな融資残高として算出し、前記全額返済日の直近の前記約定返済日における前記融資残高を入金有元金返済額として取得し、前記全額返済日における入金有利息返済額を算出し、前記入金有元金返済額と前記入金有利息返済額との合計を入金有全額返済額として算出することを特徴とする請求項1に記載の融資管理装置。
【請求項3】
前記シミュレーション手段は、
前記請求確定データ、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無が有の場合、直近の前記約定返済日が設定された前記ログデータをシミュレーション用ログデータとして取得し、前記シミュレーション用ログデータに設定された前記約定返済日における前記利息充当額を算出し、前記融資残高と前記利息充当額との合計から前記請求額を差し引いた金額を前記新たな融資残高として算出することで前記シミュレーション用ログデータを更新し、前記全額返済日の直近の前記約定返済日における前記融資残高を前記入金有元金返済額として取得し、前記全額返済日における前記入金有利息返済額を算出し、前記入金有元金返済額と前記入金有利息返済額との合計を前記入金有全額返済額として算出することを特徴とする請求項2に記載の融資管理装置。
【請求項4】
前記シミュレーション手段は、
前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無が無の場合、前記融資残高を入金無元金返済額として取得し、前記全額返済日における入金無利息返済額を算出し、前記入金無元金返済額と前記入金無利息返済額との合計を入金無全額返済額として算出することを特徴とする請求項1に記載の融資管理装置。
【請求項5】
前記シミュレーション手段は、
更に、前記請求確定データ、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無が無の場合、前記融資残高を入金無元金返済額として取得し、前記全額返済日における入金無利息返済額を算出し、前記入金無元金返済額と前記入金無利息返済額との合計を入金無全額返済額として算出し、前記入金有全額返済額と前記入金無全額返済額との比較結果を取得することを特徴とする請求項2または3に記載の融資管理装置。
【請求項6】
前記シミュレーション手段は、
更に、前記シミュレーション全額返済額を設定した請求額問合せ画面を表示させることを特徴とする請求項1に記載の融資管理装置。
【請求項7】
前記依頼取得手段は、
前記全額返済日、および、当該全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無を設定可能な請求額問合せ画面を表示させ、前記シミュレーション依頼を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の融資管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた融資管理装置に実行させるための融資管理方法であって、
前記記憶部は、
少額融資の融資金額、融資利率、ならびに、約定返済日を設定した契約データを記憶する契約記憶手段と、
前記約定返済日を含む取引日、および、融資残高を紐付けて設定したログデータを記憶するログ記憶手段と、
を備え、
前記制御部において実行される、
全額返済日、および、当該全額返済日迄の前記約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得する依頼取得ステップと、
前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記少額融資の前記全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出するシミュレーションステップと、
を含むことを特徴とする融資管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた融資管理装置に実行させるための融資管理プログラムであって、
前記記憶部は、
少額融資の融資金額、融資利率、ならびに、約定返済日を設定した契約データを記憶する契約記憶手段と、
前記約定返済日を含む取引日、および、融資残高を紐付けて設定したログデータを記憶するログ記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
全額返済日、および、当該全額返済日迄の前記約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得する依頼取得ステップと、
前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記少額融資の前記全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出するシミュレーションステップと、
を実行させるための融資管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融資管理装置、融資管理方法、および、融資管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、住宅ローンや自動車ローンなどのある程度の長期間の高額融資の債務返済について、所定時点における借入金額の残金を全額返済した場合のシミュレーションを示す構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、現在から全額返済希望日の間における引落日における返済有無を考慮して、全額返済希望日における利息金額および全額返済額を切り替えて算出シミュレーションをすることができないため、債務者の資金計画を正確に立てることができず、延滞や貸倒の原因となる可能性があるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、指定された少額融資の全額返済希望日迄の約定返済日における約定返済の有無を加味した、全額返済希望日における全額返済額の算出シミュレーションを可能とすることができる融資管理装置、融資管理方法、および、融資管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る融資管理装置は、記憶部と制御部とを備えた融資管理装置であって、前記記憶部は、少額融資の融資金額、融資利率、ならびに、約定返済日を設定した契約データを記憶する契約記憶手段と、前記約定返済日を含む取引日、および、融資残高を紐付けて設定したログデータを記憶するログ記憶手段と、を備え、前記制御部は、全額返済日、および、当該全額返済日迄の前記約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得する依頼取得手段と、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記少額融資の前記全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出するシミュレーション手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る融資管理装置において、前記制御部は、前記全額返済日迄の前記約定返済日における請求額を設定した請求確定データを取得する請求取得手段、を更に備え、前記シミュレーション手段は、前記請求確定データ、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無が有の場合、当該約定返済日における利息充当額を算出し、前記融資残高と前記利息充当額との合計から前記請求額を差し引いた金額を新たな融資残高として算出し、前記全額返済日の直近の前記約定返済日における前記融資残高を入金有元金返済額として取得し、前記全額返済日における入金有利息返済額を算出し、前記入金有元金返済額と前記入金有利息返済額との合計を入金有全額返済額として算出することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る融資管理装置において、前記シミュレーション手段は、前記請求確定データ、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無が有の場合、直近の前記約定返済日が設定された前記ログデータをシミュレーション用ログデータとして取得し、前記シミュレーション用ログデータに設定された前記約定返済日における前記利息充当額を算出し、前記融資残高と前記利息充当額との合計から前記請求額を差し引いた金額を前記新たな融資残高として算出することで前記シミュレーション用ログデータを更新し、前記全額返済日の直近の前記約定返済日における前記融資残高を前記入金有元金返済額として取得し、前記全額返済日における前記入金有利息返済額を算出し、前記入金有元金返済額と前記入金有利息返済額との合計を前記入金有全額返済額として算出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る融資管理装置において、前記シミュレーション手段は、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無が無の場合、前記融資残高を入金無元金返済額として取得し、前記全額返済日における入金無利息返済額を算出し、前記入金無元金返済額と前記入金無利息返済額との合計を入金無全額返済額として算出することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る融資管理装置において、前記シミュレーション手段は、更に、前記請求確定データ、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無が無の場合、前記融資残高を入金無元金返済額として取得し、前記全額返済日における入金無利息返済額を算出し、前記入金無元金返済額と前記入金無利息返済額との合計を入金無全額返済額として算出し、前記入金有全額返済額と前記入金無全額返済額との比較結果を取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る融資管理装置において、前記シミュレーション手段は、更に、前記シミュレーション全額返済額を設定した請求額問合せ画面を表示させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る融資管理装置において、前記依頼取得手段は、前記全額返済日、および、当該全額返済日迄の前記約定返済日における前記返済有無を設定可能な請求額問合せ画面を表示させ、前記シミュレーション依頼を取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る融資管理方法は、記憶部と制御部とを備えた融資管理装置に実行させるための融資管理方法であって、前記記憶部は、少額融資の融資金額、融資利率、ならびに、約定返済日を設定した契約データを記憶する契約記憶手段と、前記約定返済日を含む取引日、および、融資残高を紐付けて設定したログデータを記憶するログ記憶手段と、を備え、前記制御部において実行される、全額返済日、および、当該全額返済日迄の前記約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得する依頼取得ステップと、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記少額融資の前記全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出するシミュレーションステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る融資管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた融資管理装置に実行させるための融資管理プログラムであって、前記記憶部は、少額融資の融資金額、融資利率、ならびに、約定返済日を設定した契約データを記憶する契約記憶手段と、前記約定返済日を含む取引日、および、融資残高を紐付けて設定したログデータを記憶するログ記憶手段と、を備え、前記制御部において、全額返済日、および、当該全額返済日迄の前記約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得する依頼取得ステップと、前記契約データ、前記ログデータ、および、前記シミュレーション依頼に基づいて、前記少額融資の前記全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出するシミュレーションステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、債務者が未来の全額返済額を正確に把握することができるため、債務者の資金計画のためのニーズに応えることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、債務者の資金計画を正確に行うことができ、延滞や貸倒を未然に防ぐことに繋げることができるため、貸付金および利息の回収率向上を図ることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、債務者側のニーズに答えるものでありつつ、債権者(ファイナンス会社)側の貸倒リスクを防ぐものであり、債権者の経営効果に寄与することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、ファイナンス会社の視点において、収益源である利息を正しく徴収するための個人向け融資管理を実行する仕組みを提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、債務者が未来の全額返済額を正確に把握できることにより、債務者の資金計画のためのニーズに応えることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、全額返済日より前に約定返済日がある場合、約定返済日に入金があった/なかったものとして扱う指定を切り替えてシミュレーションをすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、仮想的に取引ログを保持し、約定日における入金取引処理について仮想的に取引ログを更新することで、更新後の取引ログデータを用いて、指定日(全額返済日)の全額返済額のシミュレーションをすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施形態におけるシミュレーション日程の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態におけるシミュレーション日程の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態における融資管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における融資管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の概要を説明する。
図1および
図2は、本実施形態におけるシミュレーション日程の一例を示す図である。
【0019】
従来から、貸金業では、個人向けの少額融資事業が活発になっており、次回返済日以降に全額返済を行う場合、次回返済日に口座振替が行われた際の全額返済額を知りたいというニーズが高まっている。
【0020】
しかしながら、従来、現在~全額返済日に引落日がある場合、算出される全額返済日の全額返済額は、引落日が考慮されておらず、引落日~全額返済日での利息算出ロジックが機能として確立されていなかった。
【0021】
そこで、本実施形態における全額返済額の算出シミュレーション機能においては、指定された日付時点における全額返済額の算出シミュレーション、および、指定された日付までに約定返済日(引落日)があり、その約定返済がある場合、または、無い場合の2パターンについて、全額返済額の算出シミュレーションを可能とする仕組みを提供している。
【0022】
ここで、
図1に示すように、本実施形態においては、債務者が全額返済を希望する日付である全額返済日が引落日以前の場合、全額返済日迄入金無しでの全額返済額が算出される。
【0023】
また、
図2に示すように、本実施形態においては、全額返済日が引落日以降の場合、引落日における入金有り無しの選択が可能になり、その選択が反映された全額返済額が算出される。
【0024】
[2.構成]
本実施形態に係る融資管理装置100の構成の一例について、
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態における融資管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図3に示すように、融資管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、融資管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0026】
融資管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。融資管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、融資管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、融資管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0028】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0029】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、契約データベース106aとログデータベース106bとを備えている。
【0030】
契約データベース106aは、少額融資の契約データを記憶する。ここで、契約データベース106aは、少額融資の契約番号、融資金額、融資利率、ならびに、約定返済日を設定した契約データを記憶していてもよい。
【0031】
ログデータベース106bは、少額融資のログデータを記憶する。ここで、ログデータベース106bは、少額融資の約定返済日を含む取引日、および、融資残高を紐付けて設定したログデータを記憶していてもよい。ここで、ログデータは、契約番号、連番、データ区分、取引日、融資金額、融資利率、元金充当額、利息充当額、および、融資残高が設定されていてもよい。
【0032】
制御部102は、融資管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、請求取得部102aと依頼取得部102bとシミュレーション部102cとを備えている。
【0033】
請求取得部102aは、少額融資の請求データを取得する。ここで、請求取得部102aは、少額融資の全額返済日迄の約定返済日における請求額を設定した請求確定データを取得してもよい。ここで、請求確定データは、契約番号、請求日、および、請求額が紐付けて設定されていてもよい。また、請求取得部102aは、少額融資の引落依頼データを取得してもよい。ここで、引落依頼データは、顧客番号、約定返済日、および、請求額が紐付けて設定されていてもよい。
【0034】
依頼取得部102bは、融資返済のシミュレーション依頼を取得する。ここで、依頼取得部102bは、全額返済日、および、当該全額返済日迄の約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得してもよい。また、依頼取得部102bは、全額返済日、および、当該全額返済日迄の約定返済日における返済有無を設定可能な請求額問合せ画面を表示させ、シミュレーション依頼を取得してもよい。
【0035】
シミュレーション部102cは、契約データ、ログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、少額融資の全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出する。ここで、シミュレーション部102cは、契約データ、ログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、少額融資の全額返済日におけるシミュレーション全額返済額を算出してもよい。また、シミュレーション部102cは、請求確定データ、契約データ、ログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、全額返済日迄の約定返済日における返済有無が有の場合、当該約定返済日における利息充当額を算出し、融資残高と利息充当額との合計から請求額を差し引いた金額を新たな融資残高として算出し、全額返済日の直近の約定返済日における融資残高を入金有元金返済額として取得し、全額返済日における入金有利息返済額を算出し、入金有元金返済額と入金有利息返済額との合計を入金有全額返済額として算出してもよい。また、シミュレーション部102cは、請求確定データ、契約データ、ログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、全額返済日迄の約定返済日における返済有無が有の場合、直近の約定返済日が設定されたログデータをシミュレーション用ログデータとして取得し、シミュレーション用ログデータに設定された約定返済日における利息充当額を算出し、融資残高と利息充当額との合計から請求額を差し引いた金額を新たな融資残高として算出することでシミュレーション用ログデータを更新し、全額返済日の直近の約定返済日における融資残高を入金有元金返済額として取得し、全額返済日における入金有利息返済額を算出し、入金有元金返済額と入金有利息返済額との合計を入金有全額返済額として算出してもよい。また、シミュレーション部102cは、契約データ、ログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、全額返済日迄の約定返済日における返済有無が無の場合、融資残高を入金無元金返済額として取得し、全額返済日における入金無利息返済額を算出し、入金無元金返済額と入金無利息返済額との合計を入金無全額返済額として算出してもよい。また、シミュレーション部102cは、請求確定データ、契約データ、ログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、全額返済日迄の約定返済日における返済有無が無の場合、融資残高を入金無元金返済額として取得し、全額返済日における入金無利息返済額を算出し、入金無元金返済額と入金無利息返済額との合計を入金無全額返済額として算出し、入金有全額返済額と入金無全額返済額との比較結果を取得してもよい。また、シミュレーション部102cは、シミュレーション全額返済額を設定した請求額問合せ画面を表示させてもよい。また、シミュレーション部102cは、入金有全額返済額と入金無全額返済額との比較結果を設定した請求額問合せ画面を表示させてもよい。
【0036】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図4から
図11を参照して説明する。
【0037】
[融資管理処理]
ここで、
図4を参照して、本実施形態における融資管理処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態における融資管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図4に示すように、依頼取得部102bは、全額返済日、および、当該全額返済日迄の約定返済日における返済有無を、ユーザにより入力装置112を介して設定可能な請求額問合せ画面を出力装置114に表示させ、全額返済日、および、当該全額返済日迄の約定返済日における返済有無を設定したシミュレーション依頼を取得する(ステップSA-1)。
【0039】
そして、シミュレーション部102cは、シミュレーション依頼に全額返済日迄の約定返済日における返済有無が有と設定されているか否かを判定する(ステップSA-2)。
【0040】
そして、シミュレーション部102cは、シミュレーション依頼に全額返済日迄の約定返済日における返済有無が有と設定されていると判定した場合(ステップSA-2:Yes)、処理をステップSA-3に移行させる。
【0041】
そして、シミュレーション部102cは、ログデータベース106bに記憶されたログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、直近の約定返済日が設定されたログデータをシミュレーション用ログデータとして取得する(ステップSA-3)。
【0042】
そして、シミュレーション部102cは、請求取得部102aにより取得された請求確定データ、および、契約データベース106aに記憶された契約データに基づいて、シミュレーション用ログデータに設定された約定返済日における利息充当額を算出し、融資残高と利息充当額との合計から請求額を差し引いた金額を新たな融資残高として算出することでシミュレーション用ログデータを更新する(ステップSA-4)。
【0043】
そして、シミュレーション部102cは、請求取得部102aにより取得された請求確定データ、契約データベース106aに記憶された契約データ、および、シミュレーション依頼に基づいて、全額返済日の直近の約定返済日における融資残高を入金有元金返済額として取得し、全額返済日における入金有利息返済額を算出し、入金有元金返済額と入金有利息返済額との合計を入金有全額返済額として算出する(ステップSA-5)。
【0044】
そして、シミュレーション部102cは、入金有全額返済額を設定した請求額問合せ画面を出力装置114に表示させ(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0045】
一方、シミュレーション部102cは、シミュレーション依頼に全額返済日迄の約定返済日における返済有無が無と設定されていると判定した場合(ステップSA-2:No)、処理をステップSA-7に移行させる。
【0046】
そして、シミュレーション部102cは、請求取得部102aにより取得された請求確定データ、契約データベース106aに記憶された契約データ、ログデータベース106bに記憶されたログデータ、および、シミュレーション依頼に基づいて、融資残高を入金無元金返済額として取得し、全額返済日における入金無利息返済額を算出し、入金無元金返済額と入金無利息返済額との合計を入金無全額返済額として算出する(ステップSA-7)。
【0047】
そして、シミュレーション部102cは、入金無全額返済額を設定した請求額問合せ画面を出力装置114に表示させ(ステップSA-8)、処理を終了する。
【0048】
ここで、
図5から
図8を参照して、本実施形態における入金有融資管理処理の一例について説明する。
図5から
図8は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【0049】
図5および
図6に示すように、本実施形態においては、ユーザにより請求問合せ画面を介して全額返済日として2022/4/20が指定され、入金有無が入金シミュレーション有と選択された場合、(1)シミュレーション用ログデータ生成処理として、ログSEQが最大(直近の取引)のログデータがシミュレーション用ログデータとして取得される。ここで、本実施形態における「データ区分」は、取引の種類を保持した区分であってもよい。
【0050】
そして、
図7に示すように、本実施形態においては、請求確定データから次回約定返済日:2022/4/5、および、返済金額:40,000円が特定される。なお、本実施形態においては、請求確定データが取得できない場合、引落依頼データに設定された請求額が返済額として特定される。そして、
図5および
図7に示すように、本実施形態においては、(2)入金シミュレーションとして、約定返済日に返済があることを想定して、シミュレーション用ログデータが更新される。ここで、
図7に示すように、本実施形態においては、請求確定データより返済額=40,000円であることが特定されている。
【0051】
そして、
図5および
図8に示すように、本実施形態においては、(3)請求額算出シミュレーションとして、(2)にて更新されたシミュレーション用ログデータより、2022/4/20に返済した場合の請求額が算出される。
【0052】
そして、
図5に示すように、本実施形態においては、請求額算出によって算出された返済額が請求額問合せ画面に表示される。
【0053】
また、
図9から
図11を参照して、本実施形態における入金無融資管理処理の一例について説明する。
図9から
図11は、本実施形態における融資管理処理の一例を示す図である。
【0054】
図9および
図10に示すように、本実施形態においては、ユーザにより請求問合せ画面を介して全額返済日として2022/4/20が指定され、入金有無が入金シミュレーション無と選択された場合、(1)ログデータ取得処理として、ログSEQが最大(直近の取引)のログデータが取得される。
【0055】
そして、
図9および
図11に示すように、本実施形態においては、(2)請求額算出シミュレーションとして、(1)のログデータより、2022/4/20に返済した場合の請求額が算出される。
【0056】
そして、
図9に示すように、本実施形態においては、請求額算出によって算出された返済額が請求額問合せ画面に表示される。
【0057】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0060】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0061】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0062】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0063】
また、融資管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0064】
例えば、融資管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて融資管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0065】
また、このコンピュータプログラムは、融資管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0066】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0067】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0068】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0069】
また、融資管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、融資管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0070】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、ノンバンク業界を含む貸金業を展開可能な金融業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0072】
100 融資管理装置
102 制御部
102a 請求取得部
102b 依頼取得部
102c シミュレーション部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 契約データベース
106b ログデータベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク