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  • 特開-車両用コンソール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072621
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】車両用コンソール
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20240521BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20240521BHJP
   B60N 3/10 20060101ALI20240521BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20240521BHJP
   B60N 2/75 20180101ALI20240521BHJP
【FI】
B60R7/04 C
A47C7/54 Z
B60N3/10 A
B60N3/00 Z
B60N2/75
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183569
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】政次 美徳
(72)【発明者】
【氏名】吉原 裕介
【テーマコード(参考)】
3B087
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B087DC01
3B088CA01
3B088CA15
3B088LA03
3B088LB01
3D022CA11
3D022CA16
3D022CB01
3D022CC19
3D022CC25
3D022CD02
3D022CD05
3D022CD06
(57)【要約】
【課題】シートに着座するユーザにとって使い勝手の良い位置に機能部品を配置できる車両用コンソールを提供する。
【解決手段】コンソール30は、車両のフロアに固定される基部40と、基部40から上方に延びる支持部50と、支持部50に固定されるアームレスト60と、を備える。支持部50は、アームレスト60よりも前方で、ホルダーユニット70及び端末ユニット80が取り付け可能となっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートと幅方向に隣り合って配置される車両用コンソールであって、
車両のフロアに固定される基部と、
前記基部から上方に延びる支持部と、
前記支持部に固定されるアームレストと、を備え、
前記支持部は、前記アームレストよりも前方に、機能部品が取り付けられる取付部を有する
車両用コンソール。
【請求項2】
前記支持部は、前記基部から上方に進むにつれて後方に向かうように延びる第1延設部と、前記第1延設部の先端から後方に延びる第2延設部と、を有し、
前記アームレストは、前記第2延設部に固定され、
前記第1延設部は、前記取付部を有する
請求項1に記載の車両用コンソール。
【請求項3】
前記取付部は、前記第1延設部の延びる方向にわたって凹む係合溝を含む
請求項2に記載の車両用コンソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用コンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、2つの前席の間に配置される車両用コンソールが記載されている。車両用コンソールは、第1のアームレストと、第2のアームレストと、表示装置と、を備えている。第1のアームレストの基端部及び第2のアームレストの基端部は、同じ回転軸線回りに回転可能に支持されている。表示装置は、第1のアームレストの先端部に対して回転可能に支持されている。
【0003】
表示装置が使用されない場合には、表示装置が第1のアームレストに対して折り畳まれるとともに、第1のアームレストが第2のアームレストに対して折り畳まれる。このとき、第1のアームレスト、第2のアームレスト及び表示装置は、上下方向に重なる。一方、表示装置が使用される場合には、表示装置は第1のアームレストに対して展開されるとともに、第1のアームレストは第2のアームレストに対して展開される。このとき、表示装置は、第2のアームレストよりも上方で後席を向く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2005-511403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような車両用コンソールにおいて、表示装置は後席に着座するユーザが使用する機能部品といえる。このため、表示装置を前席に着座するユーザが使用する機能部品に置き換えるだけでは、前席に着座するユーザにとって、使い勝手の良い位置に機能部品が配置されているとはいえない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための車両用コンソールの態様について記載する。
[態様1]シートと幅方向に隣り合って配置される車両用コンソールであって、車両のフロアに固定される基部と、前記基部から上方に延びる支持部と、前記支持部に固定されるアームレストと、を備え、前記支持部は、前記アームレストよりも前方に、機能部品が取り付けられる取付部を有する。
【0007】
車両用コンソールは、アームレストよりも前方に機能部品を取り付けることができる。このため、車両用コンソールは、アームレストが使用される際に機能部品がユーザの邪魔になったり、機能部品が使用される際にアームレストがユーザの邪魔になったりすることを抑制できる。つまり、車両用コンソールは、ユーザにとって、使い勝手の良い位置に機能部品を配置できる。
【0008】
[態様2]前記支持部は、前記基部から上方に進むにつれて後方に向かうように延びる第1延設部と、前記第1延設部の先端から後方に延びる第2延設部と、を有し、前記アームレストは、前記第2延設部に固定され、前記第1延設部は、前記取付部を有する態様1に記載の車両用コンソール。
【0009】
車両用コンソールにおいて、アームレストが固定される第2延設部は、取付部を有する第1延設部の先端から後方に延びている。このため、車両用コンソールは、体格の大きなブラケット又はステーなどを用いなくても、機能部品をアームレストの前方に配置することができる。
【0010】
[態様3]前記取付部は、前記第1延設部の延びる方向にわたって凹む係合溝を含む態様2に記載の車両用コンソール。
ユーザは、第1延設部の係合溝に機能部品を挿入することにより、第1延設部に機能部品を取り付けることができる。このため、車両用コンソールは、機能部品の取り付けに要する手間を低減できる。
【発明の効果】
【0011】
車両用コンソールは、シートに着座するユーザにとって使い勝手の良い位置に機能部品を配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、車両用コンソールを備える車両の模式図である。
図2図2は、車両用コンソールの分解斜視図である。
図3図3は、車両用コンソールの側面図である。
図4図4は、車両用コンソールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、車両用コンソール(以下「コンソール」ともいう。)を備える車両の一実施形態について説明する。
<本実施形態の構成>
図1に示すように、車両10は、右席20R及び左席20Lと、コンソール30と、を備える。本実施形態では、車両10の幅方向、前後方向及び上下方向は、右席20R及び左席20Lの幅方向、前後方向及び上下方向とそれぞれ一致している。
【0014】
<右席20R及び左席20L>
右席20R及び左席20Lは幅方向に間隔をあけた状態で隣り合って位置している。右席20Rは右側の「シート」に相当し、左席20Lは左側の「シート」に相当している。右席20R及び左席20Lは、前席であってもよいし、後席であってもよい。右席20R及び左席20Lが前席である場合、右席20R及び左席20Lの一方は運転席となり、他方は助手席となる。
【0015】
右席20R及び左席20Lは、シートクッション21と、シートバック22と、ヘッドレスト23と、を有する。シートクッション21は、ユーザの大腿部及び臀部を支持する部位であり、シートバック22は、ユーザの背中を支持する部位であり、ヘッドレスト23は、ユーザの頭部を支持する部位である。
【0016】
<コンソール30>
図2及び図3に示すように、コンソール30は、基部40と、支持部50と、アームレスト60と、ホルダーユニット70と、端末ユニット80と、を備える。ホルダーユニット70と端末ユニット80とは「機能部品」に相当している。
【0017】
基部40は、上方からの平面視において、幅方向を短手方向とし、前後方向を長手方向とする矩形状をなしている。基部40は、幅方向における側面視において、後端から前端に進むにつれて、上下方向における高さが高くなっている。基部40は、幅方向における右席20R及び左席20Lの間において、車両10のフロア11に固定されている。基部40は、例えば、ねじ又はボルトなどの締結部材を用いて、車両10のフロア11に固定されていればよい。本実施形態において、基部40と支持部50とは一体に構成されている。他の実施形態において、基部40と支持部50とは別体に構成されていてもよい。
【0018】
支持部50は、基部40の前側上部から上方に進むにつれて後方に向かうように延びる第1延設部51と、第1延設部51の先端から後方に延びる第2延設部52と、を有する。
【0019】
第1延設部51は、上方に進むにつれて後方に向かうように延びる前面511及び後面512と、前面511の上端から後方に延びる上面513と、を有する。また、第1延設部51は、第1延設部51の延びる方向にわたって凹む係合溝514を有する。前面511は第1延設部51の前方を向く面であり、後面512は第1延設部51の後方を向く面であり、上面513は第1延設部51の上方を向く面である。前面511は後面512よりも後傾している。このため、幅方向における側面視において、第1延設部51の前後方向における長さは基端から先端に向かうにつれて次第に短くなっている。上面513は上下方向と直交している。係合溝514は、前面511及び上面513に設けられている。詳しくは、係合溝514は、前面511において後方に凹むとともに、上面513において下方に凹んでいる。
【0020】
第2延設部52の長手方向における長さは、第1延設部51の長手方向における長さ未満となっている。第2延設部52は、基部40の上方に位置している。このため、第2延設部52と基部40との間には空間が存在している。また、第2延設部52の後端は、基部40の後端よりも前方に位置している。
【0021】
アームレスト60は、右席20Rに着座するユーザの左腕部及び左席20Lに着座するユーザの右腕部を支持する部位である。アームレスト60は、矩形板状をなしている。アームレスト60は、クッション性を有する材質により構成することが好ましい。アームレスト60は、例えば、ねじ又はボルトなどの締結部材を用いて、第2延設部52に固定されている。このとき、アームレスト60の前端部は、第1延設部51の上面513の一部を上方から覆っている。
【0022】
図2に示すように、ホルダーユニット70は、2つのボトルホルダー71と、2つのボトルホルダー71を接続する接続壁72と、を有する。2つのボトルホルダー71は、底壁711と、外側壁712と、内側壁713と、を含む。底壁711は、上下方向を厚さ方向としている。外側壁712及び内側壁713は、上下方向と直交する方向を厚さ方向としている。外側壁712は、底壁711の幅方向における外端から上方に延び、内側壁713は、底壁711の幅方向における内端から上方に延びている。接続壁72は、上下方向を厚さ方向とする板状をなしている。接続壁72は、一方のボトルホルダー71の内側壁713及び他方のボトルホルダー71の内側壁713の上端同士を幅方向に接続している。接続壁72の幅方向における長さは、第1延設部51の先端部の幅方向における長さと同等となっている。言い換えれば、2つのボトルホルダー71の内側壁713の間隔は、第1延設部51の先端部の幅方向における長さと同等となっている。
【0023】
端末ユニット80は、端末81と、端末81から延びる挿入部82と、を有する。端末81は、車両10の機器を操作するための操作端末であってもよいし、車両10の情報、画像及び映像などを表示する表示端末であってもよいし、カーナビゲーションシステムの表示装置であってもよい。また、他の実施形態において、端末81は、ワイヤレス充電器であってもよい。挿入部82は、端末81の底面から延びている。挿入部82は、幅方向を厚さ方向とする板状をなしている。挿入部82の厚さは、第1延設部51の係合溝514の幅と同等となっている。
【0024】
<本実施形態の作用>
支持部50に対するホルダーユニット70及び端末ユニット80の取り付け態様について説明する。
【0025】
図2及び図4に示すように、ホルダーユニット70は、支持部50の第1延設部51に取り付けられる。ホルダーユニット70が第1延設部51に取り付けられる場合には、ホルダーユニット70の接続壁72が第1延設部51の上面513に上方から接触する。また、ホルダーユニット70の2つの内側壁713が第1延設部51の先端部を幅方向に挟む。こうして、支持部50に対して、ホルダーユニット70が位置決めされる。このとき、ホルダーユニット70は、アームレスト60よりも前方に位置している。
【0026】
端末ユニット80は、支持部50の第1延設部51に取り付けられる。端末ユニット80が第1延設部51に取り付けられる場合には、端末ユニット80の挿入部82が第1延設部51の係合溝514に挿入される。挿入部82の係合溝514に対する挿入方向は、下方であってもよいし後方であってもよい。すると、挿入部82は、係合溝514の内面に幅方向に挟まれる。こうして、支持部50に対して、端末ユニット80が位置決めされる。このとき、端末ユニット80は、アームレスト60よりも前方かつ下方に位置している。
【0027】
以上より、本実施形態では、機能部品としてのホルダーユニット70が第1延設部51の先端部に取り付けられ、機能部品としての端末ユニット80が第1延設部51の係合溝514に取り付けられる。こうした点で、第1延設部51は、アームレスト60よりも前方に「機能部品」が取り付けられる「取付部」を有しているといえる。
【0028】
<本実施形態の効果>
(1)コンソール30は、アームレスト60よりも前方にホルダーユニット70及び端末ユニット80を取り付けることができる。このため、右席20R及び左席20Lに着座するユーザにとって、アームレスト60の使用時にホルダーユニット70及び端末ユニット80が邪魔になったり、ホルダーユニット70及び端末ユニット80の使用時にアームレスト60が邪魔になったりしにくい。つまり、コンソール30は、ユーザにとって、使い勝手の良い位置にホルダーユニット70及び端末ユニット80を配置できる。
【0029】
(2)コンソール30において、アームレスト60が固定される第2延設部52は、ホルダーユニット70及び端末ユニット80が取り付けられる第1延設部51の先端から後方に延びている。このため、コンソール30は、体格の大きなブラケット又はステーなどを用いなくても、ホルダーユニット70及び端末ユニット80をアームレスト60の前方に配置することができる。つまり、コンソール30は、追加の構造がなくとも、使い勝手の良い位置にホルダーユニット70及び端末ユニット80を配置できる。
【0030】
(3)ユーザは、第1延設部51の係合溝514に端末ユニット80の挿入部82を挿入することにより、第1延設部51に端末ユニット80を取り付けることができる。このため、コンソール30は、端末ユニット80の取り付けに要する手間を低減できる。また、ユーザは、端末ユニット80を、挿入部82を有する別のユニットに容易に交換することができる。
【0031】
(4)コンソール30において、支持部50の第1延設部51は上方に進むにつれて後方に向かうように延びている。このため、右席20R及び左席20Lに着座するユーザの視界において、第1延設部51の占める範囲が小さくなりやすい。このため、コンソール30は、ユーザにすっきりとした印象を与えることができる。
【0032】
(5)ホルダーユニット70及び端末ユニット80は、ねじなどの締結部材を用いることなく、第1延設部51に取り付けられている。このため、ホルダーユニット70及び端末ユニット80は、第1延設部51から容易に取り外しすることが可能である。
【0033】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0034】
・ホルダーユニット70は、接続壁72から下方に延びる挿入部を有してもよい。この場合、ユーザは、挿入部を第1延設部51の係合溝514に挿入することにより、ホルダーユニット70を第1延設部51に取り付けることができる。
【0035】
・コンソール30は、後席に着座するユーザが使用する機能部品を備えてもよい。この場合、機能部品は、コンソール30の第1延設部51の後面512に取り付けられたり、コンソール30の第2延設部52の下面に取り付けられたりすることが好ましい。
【0036】
・コンソール30は、上下方向における基部40と第2延設部52の間であって、第1延設部51の後方に、コンソールボックスを備えてもよい。この場合、コンソールボックスは、基部40及び支持部50の少なくとも一方と一体化していてもよい。
【0037】
・支持部50の第1延設部51の長手方向は、上下方向であってもよい。つまり、第1延設部51は、上方に進むにつれて前後方向に傾いていなくてもよい。
・支持部50は、基部40の全体から上方に延びていてもよい。この場合、支持部50は、上記実施形態における前面511に相当する構成を備えることが好ましい。
【0038】
・機能部品は、ホルダーユニット70及び端末ユニット80以外の他の物品であってもよい。例えば、機能部品は、車載機器を操作する物理的なスイッチであってもよいし、小型のテーブルであってもよいし、スマートフォンなどの小物を収容する容器であってもよい。
【0039】
・機能部品は、第1延設部51に対して様々な態様で取り付けることができる。例えば、機能部品は、面ファスナーを用いて第1延設部51に取り付けてもよいし、スナップフィットを用いて第1延設部51に取り付けてもよいし、磁石を用いて第1延設部51に取り付けてもよい。また、機能部品は、ねじ及びボルトなどの締結部材を用いて第1延設部51に取り付けてもよい。これらの場合、第1延設部51は、係合溝514を必ずしも有する必要はない。
【0040】
・上記実施形態において、右席20R、左席20L及びコンソール30の前後方向と車両10の前後方向とは一致しているが、変更例において、右席20R、左席20L及びコンソール30の前後方向と車両10の前後方向とは一致していなくてもよい。つまり、右席20R、左席20L及びコンソール30は後方を向くように車両10に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10…車両
11…フロア
20L…左席(シート)
20R…右席(シート)
21…シートクッション
22…シートバック
23…ヘッドレスト
30…コンソール
40…基部
50…支持部
51…第1延設部
514…係合溝(取付部)
52…第2延設部
60…アームレスト
70…ホルダーユニット(機能部品)
71…ボトルホルダー
72…接続壁
80…端末ユニット(機能部品)
81…端末
82…挿入部
図1
図2
図3
図4