(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072623
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/82 20170101AFI20240521BHJP
B60Q 3/76 20170101ALI20240521BHJP
【FI】
B60Q3/82
B60Q3/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183573
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】安藤 正紀
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040DA03
3K040DA05
3K040DB12
3K040EA04
3K040FB02
3K040GA04
3K040GB01
3K040GC01
(57)【要約】
【課題】操作性を向上できる照明装置を提供する。
【解決手段】光源8の光を光透過性のパネル9に照射して周囲を照明する照明装置1は、パネル9への物体の接近又は接触を検出する電極13を備える。照明装置1は、例えば照明オフのとき、電極13で静電容量の変化を検出すると、パネル9に対する物体の接近距離に応じた輝度で光源8を一時点灯させる。一時点灯時の光源8の輝度は、照明オン時のときの輝度よりも低い。照明装置1は、電極13の静電容量が規定の閾値以上となってから所定時間経過したとき、照明をオン状態に切り替える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の光を光透過性のパネルに照射して周囲を照明する照明装置であって、
前記パネルへの物体の接近又は接触を検出する電極と、
前記電極によって検出された静電容量に基づき前記光源を制御することにより、前記パネルに対する物体の接近距離に応じた輝度で前記光源を一時点灯させる制御部と、を備えた照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記一時点灯の期間中に時間を計測し、計測時間が規定時間を経過すると、前記光源による照明の状態を、一時点灯前とは逆の状態に切り替える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、照明オフ時に前記電極の静電容量の変化を検出した場合に、前記接近距離に応じた輝度で前記光源を一時点灯させ、前記計測時間が前記規定時間を経過すると、照明をオンに切り替える、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、照明オン時に前記電極の静電容量の変化を検出した場合に、前記接近距離に応じた輝度に明るさを落として前記光源を一時点灯させ、前記計測時間が前記規定時間を経過すると、照明をオフに切り替える、請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記光源を一時点灯させた後、前記計測時間が前記規定時間に至る前に静電容量の変化を検出しない状態になると、照明を一時点灯前の元の状態に戻す、請求項2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記規定時間は、前記電極の静電容量に基づき設定される可変値である、請求項2に記載の照明装置。
【請求項7】
前記計測時間は、前記電極で検出される静電容量が規定の閾値以上となっている間の時間である、請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記一時点灯のときの前記光源の輝度は、照明オンのときの輝度よりも低い値に設定されている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
車両の室内を照明する車内灯具である、請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源の光によって周囲を照明する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、車両室内を照明する車両用室内照明装置が周知である。この車両用室内照明装置は、車両室内の比較的狭い箇所を照明するマップランプ機能を有する。特許文献1のマップランプ機能は、レンズの所定領域がマップランプの照明部位として設けられている。そして、この照明部位へのタッチ操作を電極の静電容量の変化によって検出することにより、マップランプの照明のオンオフが切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、この種のマップランプにおいては、意匠性の観点や、光源の高輝度化などから、照明部位が小型化される傾向にある。このため、マップランプの点灯や消灯を切り替えるときには、狭い領域を狙って操作する必要があるため、操作性がよくないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決する照明装置は、光源の光を光透過性のパネルに照射して周囲を照明する装置であって、前記パネルへの物体の接近又は接触を検出する電極と、前記電極によって検出された静電容量に基づき前記光源を制御することにより、前記パネルに対する物体の接近距離に応じた輝度で前記光源を一時点灯させる制御部と、を備えた。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、照明装置において操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】(a)~(d)は、照明をオンに切り替えるときの操作遷移図である。
【
図5】接近距離に対する静電容量及び輝度の変化波形図である。
【
図6】時間経過に対する静電容量及び輝度の変化波形図である。
【
図7】(a)~(d)は、照明をオフに切り替えるときの操作遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の一実施形態を説明する。
(車両の照明装置1)
図1に示すように、車両には、室内を照明する車内灯具としての照明装置1が設けられている。照明装置1は、例えば、室内前部の天井2に取付けられている。具体的には、照明装置1は、天井2においてフロントガラス3寄りの位置に配置されている。照明装置1は、照明装置1のフレームとなるオーバーヘッドモジュール4と、光を照らす照明部5と、を有する。
【0009】
図2に示すように、照明装置1は、光源8の光を光透過性のパネル9に照射して周囲を照明する。パネル9は、例えば、透明樹脂により形成されるとともに、平板状をなしている。パネル9は、例えば、レンズでもよい。照明装置1は、例えば、照明部5が運転席側及び助手席側の各々に設けられたマップランプ10であることが好ましい。
【0010】
(電極13)
図2に示す通り、照明装置1は、パネル9への物体の接近又は接触を検出する電極13を備える。電極13は、例えば、複数の照明部5の各々に設けられている。電極13は、パネル9の裏面に配置されている。電極13は、例えば、平板状に形成されている。電極13は、例えば、透明樹脂により構成されることが好ましい。電極13は、金属製電極、又はシート電極のいずれでもよい。
【0011】
(光源8)
光源8は、パネル9及び電極13の層群の背面に配置されている。光源8は、例えば、LEDである。光源8の光は、光透過可能に構成された電極13とパネル9とを通過することにより、パネル9から引き出される。
【0012】
(制御部15)
図3に示すように、照明装置1は、照明装置1の動作を制御する制御部15を備える。制御部15は、例えば、MPU(Micro Processor Unit)、CPU(Central Processing Unit)などが挙げられる。制御部15は、電極13の静電容量を検出する静電検出モジュール16を有する。静電検出モジュール16は、電極13の静電容量を電気信号(例えば、電圧信号)に変換して出力する。制御部15は、静電検出モジュール16によって変換出力された電気信号に基づき、光源8を制御する。
【0013】
制御部15は、電極13によって検出された静電容量に基づき光源8を制御することにより、パネル9に対する物体の接近距離Lに応じた輝度で光源8を一時点灯させる。例えば、制御部15は、照明オフ時にパネル9に手が近づけられたときに、電極13に対する手の接近距離Lに応じた明るさで、光源8を一時点灯する。このように、制御部15は、例えば、照明オフ時に電極13で静電容量の変化を検出した場合、接近距離Lに応じた輝度で光源8を一時点灯させる。
【0014】
制御部15は、一時点灯の期間中に時間を計測し、その計測時間Txが規定時間Tsを経過すると、光源8による照明の状態を、一時点灯前とは逆の状態に切り替える。具体的には、制御部15は、照明オフ時に電極13で静電容量の変化を検出した場合に、接近距離Lに応じた輝度で光源8を一時点灯させ、一時点灯下において計測時間Txが規定時間Tsを経過すると、照明をオンに切り替える。このように、照明オフ時にパネル9に手が近づけられると、光源8が一時点灯し、その状態が所定の時間続けられると、照明オンに切り替わる。
【0015】
また、制御部15は、照明オン時に電極13で静電容量の変化を検出した場合に、接近距離Lに応じた輝度に明るさを落として光源8を一時点灯させてもよい。そして、制御部15は、この一時点灯下において、計測時間Txが規定時間Tsを経過すると、照明をオフに切り替えてもよい。このように、照明オン時にパネル9に手が近づけられると、光源8の輝度が落とされた状態で一時点灯し、その状態が所定の時間続けられると、照明オフに切り替わるようにしてもよい。
【0016】
次に、本実施形態の照明装置1の作用について説明する。
(消灯から点灯への操作)
図4(a)、(b)に示すように、消灯状態の照明部5にユーザが手をかざしたとする。このとき、電極13は、ユーザの手と電極13との間の接近距離Lに応じた静電容量を発生する。そして、制御部15は、このときに電極13に発生する静電容量を静電検出モジュール16で検出し、そして、その静電検出モジュール16から得られる電気信号に基づき、照明部5を一時点灯させる。
【0017】
図5に示すように、電極13に発生する静電容量は、接近距離Lが遠→近に変化するに従って増加する。本例の場合、静電容量は、接近距離Lが遠→近に変化するに伴って値が増加していく二次曲線の波形をとる。そして、制御部15は、接近距離Lが遠→近に変化するに伴って、輝度が高くなっていくように光源8を一時点灯させる。本例の場合、一時点灯時の光源8の輝度は、接近距離Lが遠→近に変化するに従って、一次関数的に値が上昇するように設定されている。
【0018】
よって、
図4(b)、(c)に示すように、照明オフ時に手をかざして光源8を一時点灯させたとき、パネル9に手をタッチする過程において、光源8の輝度が高くなっていく。なお、一時点灯時、手がパネル9に触れたとき、光源8は、一時点灯時の最大輝度(一時点灯最大輝度)で光る。一時点灯最大輝度は、例えば、照明オン時の輝度に対して、50~70%の値に設定されている。このように、一時点灯時の光源8は、照明オンのときの輝度(照明最大輝度)よりも低い輝度で光る。
【0019】
図6に示すように、光源8の一時点灯時、電極13の静電容量が規定の閾値Ck以上となったとき、計測時間Txの計測を開始する(時刻t1)。そして、制御部15は、計測時間Txが規定時間Tsを経過したとき、照明部5を照明オンの状態に切り替える(時刻t2)。すなわち、制御部15は、パネル9に手を近づけて計測時間Txが規定時間Tsを過ぎると、照明オンの操作意思があったとして、光源8を照明最大輝度で光らせることにより、照明をオン状態とする。
【0020】
なお、
図4(c)の場合、ユーザがパネル9にタッチした状態を暫く続けて照明をオンに切り替える例を挙げたが、例えば、パネル9に手を暫くかざした状態を続けて照明をオン状態に切り替えることも可能である。すなわち、パネル9に触れなくても、パネル9に暫く手をかざす状態を続けることにより、照明をオンに切り替えることも可能である。なお、手かざしによる一時点灯は、一時点灯最大輝度よりも低い輝度で光る状態をとる。
【0021】
図4(d)に示すように、光源8が照明最大輝度で点灯したときには、照明部5の周囲が明るく照らされる。このように、照明オフ状態のとき、照明部5に手をかざせば光源8が一時点灯するため、照明部5の位置が把握可能となる。そして、一時点灯する照明部5に手を暫くかざせば、照明部5がオン状態に切り替わる。よって、夜間でも容易に照明部5を点灯させることが可能となる。
【0022】
なお、規定時間Tsは、電極13で検出される静電容量の値(すなわち、接近距離L)に基づき設定される可変値であることが好ましい。すなわち、手がパネル9の遠い位置にあるときには、規定時間Tsが長めに設定される。一方、手がパネル9の近い位置にあるときには、規定時間Tsが短めに設定される。こうすることで、例えば照明オンの操作意思がないにも関わらず、手をパネル付近に位置させてしまっても、この操作では照明がオンしてしまうことがない。
【0023】
規定時間Tsは、電極13で検出される静電容量が安定した後に設定されることが好ましい。具体的には、電極13の静電容量が規定の閾値Ck以上となった後、静電容量が一定値をとるような安定状態となったときに、その際の静電容量に応じた規定時間Tsが設定されるとよい。
【0024】
また、制御部15は、光源8を一時点灯させた後、計測時間Txが規定時間Tsに至る前に静電容量の変化を検出しない状態となると、照明を一時点灯前の元の状態に戻す。すなわち、照明部5に手を近づけて光源8を一時点灯させても、計測時間Txが規定時間Tsに至る途中で照明部5から手を離せば、照明が元のオフ状態に戻る。
【0025】
(点灯から消灯への操作)
図7(a)、(b)に示すように、点灯状態の照明部5にユーザが手をかざしたとする。このとき、制御部15は、このときに電極13に発生する静電容量を静電検出モジュール16で検出し、そして、その静電検出モジュール16から得られる電気信号に基づき、照明オン時よりも輝度を落として光源8を一時点灯させる。
【0026】
図7(c)に示すように、照明オン時に手をかざして光源8を暗く一時点灯させたとき、パネル9に手を近づけていくに従って、光源8の輝度が低くなっていく。なお、一時点灯時の光源8の最小輝度、すなわち、手をパネル9に最も近づけたときの光源8の輝度(一時点灯最小輝度)は、照明オン時の輝度に対して、例えば50~70%の値に設定されている。
【0027】
また、制御部15は、光源8を暗く一時点灯させたとき、電極13の静電容量が規定の閾値Ck以上となったことを契機に、計測時間Txの計測を開始する。そして、制御部15は、計測時間Txが規定時間Tsを超えたか否かを監視する。
【0028】
図7(d)に示すように、制御部15は、計測時間Txが規定時間Tsを経過したとき、照明部5を照明オフの状態に切り替える。以上のように、照明オン状態のとき、照明部5に手をかざせば光源8が暗く一時点灯するため、照明部5をわざわざ目視しなくても、周囲の明るさから、照明部5の位置が把握可能となる。そして、暗く一時点灯する照明部5に手を暫く近づけておけば、照明部5がオフ状態に切り替わる。よって、容易に照明部5を消灯させることが可能となる。
【0029】
(実施形態の効果)
上記実施形態の構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)光源8の光を光透過性のパネル9に照射して周囲を照明する照明装置1は、電極13及び制御部15を備える。電極13は、パネル9への物体の接近又は接触を検出する。制御部15は、電極13によって検出された静電容量に基づき光源8を制御することにより、パネル9に対する物体の接近距離Lに応じた輝度で光源8を一時点灯させる。
【0030】
本構成によれば、例えば、人体の一部(手や指など)をパネル9に近づけたとき、電極13の静電容量変化に基づき光源8が制御されることにより、人体の一部とパネル9との間の接近距離Lに応じた輝度で光源8が一時点灯する。このため、照明装置1をわざわざ目視しなくても、照明装置1が一時点灯することをもって、照明装置1の位置を大まかに把握することが可能となる。よって、照明を操作するときの操作性を向上できる。
【0031】
(2)制御部15は、一時点灯の期間中に時間を計測し、その計測時間Txが規定時間Tsを経過すると、光源8による照明の状態を、一時点灯前とは逆の状態に切り替える。この構成によれば、パネル9に人体の一部を近づけて光源8を一時点灯させ、パネル9に人体の一部を近づけた状態を継続させれば、そのまま照明のオンオフを切り替えることができる。よって、照明のオンオフを切り替えるときの操作性の向上に寄与する。
【0032】
(3)制御部15は、照明オフ時に電極13の静電容量の変化を検出した場合に、接近距離Lに応じた輝度で光源8を一時点灯させ、計測時間Txが規定時間Tsを経過すると、照明をオンに切り替える。この構成によれば、照明オフ時に人体の一部をパネル9にかざして光源8の一時点灯させてその状態を継続するという一連の操作によって、照明を簡易にオン状態に切り替えることができる。
【0033】
(4)制御部15は、照明オン時に電極13の静電容量の変化を検出した場合に、接近距離Lに応じた輝度に明るさを落として光源8を一時点灯させ、計測時間Txが規定時間Tsを経過すると、照明をオフに切り替える。この構成によれば、照明オン時に人体の一部をパネル9にかざして光源8の一時点灯させてその状態を継続するという一連の操作によって、照明を簡易にオフ状態に切り替えることができる。
【0034】
(5)制御部15は、光源8を一時点灯させた後、計測時間Txが規定時間Tsに至る前に静電容量の変化を検出しない状態になると、照明を一時点灯前の元の状態に戻す。この構成によれば、光源8の一時点灯中、パネル9にかざした人体の一部をパネル9から遠ざければ、照明を元の状態に戻すことができる。
【0035】
(6)規定時間Tsは、電極13の静電容量に基づき設定される可変値である。この構成によれば、規定時間Tsの最適化が可能となるので、ユーザの意図しない照明のオンオフ切り替わりを生じ難くできる。
【0036】
(7)計測時間Txは、電極13で検出される静電容量が規定の閾値Ck以上となっている間の時間である。この構成によれば、計測時間Txの計測を最適なタイミングで開始可能となるので、照明のオンオフの切り替えを精度よく行うのに一層寄与する。
【0037】
(8)一時点灯のときの光源8の輝度は、照明オンのときの輝度よりも低い値に設定されている。この構成によれば、照明オン時のときの光源8の光り方の違いによって、いま仮の照明状態であることを直ぐに認識できる。
【0038】
(9)照明装置1は、車両の室内を照明する車内灯具である。この構成によれば、車内灯具において、照明を操作するときの操作性を向上できる。
(他の実施形態)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0039】
・パネル9に手を近づけてから、その後、手を遠ざけるような動きをとることもある。この場合、規定時間Tsは、パネル9に手が最も近づけられたときの値、すなわち、電極13の静電容量が最も高くなったときの値が設定されるとよい。
【0040】
・電極13の静電容量が規定の閾値Ckを超えたとき、規定時間Tsの設定が直ちに実行されてもよい。この場合、手の位置がまだ定まらないときに規定時間Tsの開始するため、手の位置の変動に伴い、電極13の静電容量が変化する可能性がある。よって、この場合は、電極13の静電容量が最も大きくなったときの時間に規定時間Tsを設定することが好ましい。
【0041】
・規定時間Tsは、例えば、接近距離Lと連動する可変値としてもよい。すなわち、パネル9に対する人体の接近距離L、すなわち、電極13の静電容量の値に応じて、規定時間Tsが逐次変化してもよい。
【0042】
・手をパネル9に近づけると光源8が接近距離Lに応じた明るさで一時点灯されるものの、最終的なオンやオフへの切り替えは、別のスイッチやセンサで実行する構成でもよい。
【0043】
・人体の一部をパネル9に近づけて光源8を一時点灯させる機能は、例えば、照明オンの機能にのみ設けられてもよい。また、これとは逆に、人体の一部をパネル9に近づけて光源8を一時点灯させる機能は、照明オフの機能にのみ設けられてもよい。
【0044】
・電極13は、透明電極に限定されない。例えば、電極13を金属製電極とし、電極13の形状を、光源8の光を通す箇所を刳り抜いた形状としてもよい。
・照明装置1は、マップランプ10に限定されず、室内を点灯する器具であればよい。
【0045】
・照明装置1は、例えば、車載されたエアーコンディショナー装置やオーディオ装置のスイッチなどに使用されてもよい。このように、照明装置1は、照明を有する各種機器に適用できる。
【0046】
・照明装置1は、車載用に限定されず、車両以外の機器や装置に使用してもよい。
・制御部15は、[1]コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサによって構成されてもよいし、[2]そのようなプロセッサと、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は指令を格納している。メモリ(コンピュータ可読媒体)は、汎用、又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。或いは、上記プロセッサを含むコンピュータに代えて、各種処理の全てを実行する1つ以上の専用のハードウェア回路によって構成された処理回路が用いられてもよい。
【0047】
・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0048】
1…照明装置、5…照明部、8…光源、9…パネル、13…電極、15…制御部、L…接近距離、Tx…計測時間、Ts…規定時間。