(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072625
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20240521BHJP
H02M 7/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H02M3/28 H
H02M7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183575
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗本 佳典
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 尊衛
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 英樹
(72)【発明者】
【氏名】安川 義人
【テーマコード(参考)】
5H006
5H730
【Fターム(参考)】
5H006CC02
5H006DA04
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC05
5H730AA14
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS08
5H730BB27
5H730BB62
5H730CC02
5H730DD04
5H730DD16
5H730EE02
5H730EE03
5H730EE07
5H730EE13
5H730EE22
5H730FD01
5H730FD11
5H730FD31
5H730FD41
5H730FG07
(57)【要約】
【課題】広い入出力電圧範囲と低損失化を両立可能な電源装置を実現する。
【解決手段】制御回路12は、第二の直流電圧が所定の閾値Vth1よりも高く、かつ、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも大きい所定の閾値Vth2よりも低い場合は、フルブリッジ回路101のスイッチング周波数を共振回路102の共振周波数付近に維持する共振周波数モードでDC-DCコンバータ10を制御する。また、制御回路12は、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合、または、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合は、第二の直流電圧の変化に伴ってスイッチング周波数を変化させる周波数変調モードでDC-DCコンバータ10を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の直流電圧と第二の直流電圧との間で電圧を変換する共振型のDC-DCコンバータと、前記DC-DCコンバータを制御する制御回路と、を備え、
前記DC-DCコンバータは、スイッチング回路と共振回路を有し、
前記制御回路は、前記第二の直流電圧が所定の第一閾値よりも高く、かつ、前記第二の直流電圧が前記第一閾値よりも大きい所定の第二閾値よりも低い場合は、前記スイッチング回路のスイッチング周波数を前記共振回路の共振周波数付近に維持する共振周波数モードで前記DC-DCコンバータを制御し、
前記制御回路は、前記第二の直流電圧が前記第一閾値よりも低い場合、または、前記第二の直流電圧が前記第二閾値よりも高い場合は、前記第二の直流電圧の変化に伴って前記スイッチング周波数を変化させる周波数変調モードで前記DC-DCコンバータを制御する電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電源装置において、
交流電圧を前記第一の直流電圧に変換するAC-DCコンバータをさらに備え、
前記制御回路は、前記共振周波数モードの場合は、前記第二の直流電圧の増加に伴って前記第一の直流電圧を増加させるように前記AC-DCコンバータを制御する電源装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電源装置において、
前記DC-DCコンバータは、前記第一の直流電圧に基づいて前記スイッチング回路により生成された交流電圧を所定の電圧比で別の交流電圧へと電圧変換する変圧器と、前記別の交流電圧を整流して第三の直流電圧を生成する整流回路と、前記整流回路と前記第二の直流電圧との間に設けられ、前記第三の直流電圧を前記第二の直流電圧に変換するチョッパと、を有し、
前記制御回路は、前記共振周波数モードの場合は、前記第三の直流電圧と前記第一の直流電圧との比が一定になるように前記チョッパを制御する電源装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電源装置において、
前記スイッチング回路は、前記第一の直流電圧と接続されて第1スイッチングレグおよび第2スイッチングレグを有するフルブリッジ回路を含み、
前記制御回路は、前記周波数変調モードで前記スイッチング周波数が前記共振周波数より高い場合は、前記第1スイッチングレグのスイッチングタイミングと前記第2スイッチングレグのスイッチングタイミングの間に位相差が生じるように、前記スイッチング回路に対して位相シフト制御を実行する電源装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電源装置において、
前記制御回路は、前記周波数変調モードにおいて前記スイッチング周波数が所定の上限周波数に達した場合は、前記スイッチング周波数を前記上限周波数に固定した状態で前記位相シフト制御を行う電源装置。
【請求項6】
請求項1に記載の電源装置において、
前記制御回路は、前記第一の直流電圧から前記第二の直流電圧へ電力を供給する場合において、
前記第二の直流電圧が前記第一閾値よりも低い場合は、前記第二の直流電圧の上昇に伴って、前記共振周波数よりも高い前記スイッチング周波数が前記共振周波数に向かって変化するように前記DC-DCコンバータを制御し、
前記第二の直流電圧が前記第二閾値よりも高い場合は、前記第二の直流電圧の上昇に伴って、前記共振周波数よりも低い前記スイッチング周波数が前記共振周波数から遠ざかって変化するように前記DC-DCコンバータを制御する電源装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電源装置において、
前記制御回路は、前記第二の直流電圧から前記第一の直流電圧へ電力を供給する場合において、
前記第二の直流電圧が前記第二閾値よりも高い場合は、前記第二の直流電圧の低下に伴って、前記共振周波数よりも高い前記スイッチング周波数が前記共振周波数に向かって変化するように前記DC-DCコンバータを制御し、
前記第二の直流電圧が前記第一閾値よりも低い場合は、前記第二の直流電圧の低下に伴って、前記共振周波数よりも低い前記スイッチング周波数が前記共振周波数から遠ざかって変化するように前記DC-DCコンバータを制御する電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車の電動化の動きに伴い、短時間で充電できる大電力出力の車載充電器が開発されている。EVの蓄電池であるリチウムイオンバッテリの電圧は充電状態により大きく異なり、広い出力レンジでの低損失化が望まれている。これらの充電装置では、電圧の異なる直流電力を変換可能なDC-DCコンバータが広く利用されている。また、災害に伴う停電時や電力平滑化対策として、EVの蓄電池を家庭やビル施設などのエネルギー源として扱う見方も注目されており、双方向に電力を変換する装置の需要も高まっている。この場合、上記のDC-DCコンバータは双方向に電力を変換可能である特徴が要求される。
【0003】
双方向DC-DCコンバータに関して、例えば特許文献1の技術が知られている。特許文献1には、LC共振回路の共振現象を利用した共振型DC-DCコンバータにおいて、一方の直流電圧源から他方の直流電圧源に電力を供給するときには、共振回路の共振周波数以下の周波数で一方の直流電圧源側のブリッジ回路をパルス周波数変調制御し、反対方向の電力供給時には、他方の直流電圧源側のブリッジ回路を固定周波数制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の共振型DC-DCコンバータでは、広い入出力電圧範囲と低損失化を両立するのが困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による電源装置は、第一の直流電圧と第二の直流電圧との間で電圧を変換する共振型のDC-DCコンバータと、前記DC-DCコンバータを制御する制御回路と、を備え、前記DC-DCコンバータは、スイッチング回路と共振回路を有し、前記制御回路は、前記第二の直流電圧が所定の第一閾値よりも高く、かつ、前記第二の直流電圧が前記第一閾値よりも大きい所定の第二閾値よりも低い場合は、前記スイッチング回路のスイッチング周波数を前記共振回路の共振周波数付近に維持する共振周波数モードで前記DC-DCコンバータを制御し、前記制御回路は、前記第二の直流電圧が前記第一閾値よりも低い場合、または、前記第二の直流電圧が前記第二閾値よりも高い場合は、前記第二の直流電圧の変化に伴って前記スイッチング周波数を変化させる周波数変調モードで前記DC-DCコンバータを制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、広い入出力電圧範囲と低損失化を両立可能な電源装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電源装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る電源装置の動作を表す図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に係る電源装置の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る電源装置の動作を表す図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態に係る電源装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
-第1の実施形態-
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電源装置の構成を示す図である。
図1に示す電源装置1は、交流電源2から電力供給線3を介して供給される交流電力を受電し、直流電力を生成して負荷4に出力することで、負荷4に直流電源を供給する。なお、交流電源2から供給される交流電力は単相または三相のいずれであってもよく、また電圧の大きさも問わない。
【0010】
電源装置1は、共振型のDC-DCコンバータ10と、電圧センサ11、制御回路12、電流センサ13、AC-DCコンバータ14、電圧センサ15、電圧センサ16および電流センサ17とを備えて構成される。電源装置1から直流電源の供給を受ける負荷4は、例えばリチウムイオンバッテリや鉛蓄電池などの二次電池、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路などが考えられる。
【0011】
AC-DCコンバータ14は、交流電源2から入力される交流電圧を直流電圧に変換し、変換後の直流電圧をDC-DCコンバータ10へ出力する。交流電源2からAC-DCコンバータ14に入力される交流電圧と交流電流の大きさは、電圧センサ11と電流センサ13によってそれぞれ検出され、これらのセンサ検出結果に応じたセンサ信号が制御回路12へと送信される。電圧センサ15は、AC-DCコンバータ14から出力される直流電圧の大きさを検出し、その検出結果に応じたセンサ信号を制御回路12へ送信する。
【0012】
DC-DCコンバータ10は、AC-DCコンバータ14から出力される直流電圧を別の直流電圧へと電圧変換し、電圧変換後の直流電力を負荷4へ出力する。DC-DCコンバータ10は、コンデンサC1とスイッチング素子Q1~Q4を組み合わせて構成され、スイッチング回路として動作するフルブリッジ回路101と、共振コンデンサCr1および共振リアクトルLr1により構成される共振回路102と、一次巻線N1、二次巻線N2および励磁インダクタンスLm1を有する絶縁変圧器103と、ダイオードD1,D2を有する整流回路104と、コンデンサC2とを備える。
【0013】
コンデンサC1は、DC-DCコンバータ10に入力される直流電圧を平滑化する。フルブリッジ回路101は、スイッチング素子Q1とQ2、スイッチング素子Q3とQ4がそれぞれ直列接続された2つのスイッチングレグを有しており、これらのスイッチングレグの両端に、DC-DCコンバータ10に入力された直流電圧が印加される。この状態でスイッチング素子Q1~Q4が制御回路12の制御に応じてそれぞれ所定のタイミングでスイッチング動作を行うことにより、直流電圧が交流電圧に変換され、共振回路102へ出力される。スイッチング素子Q1~Q4には、例えばMOSFETやIGBTなどの半導体素子が用いられる。
【0014】
共振回路102は、フルブリッジ回路101と絶縁変圧器103の間に接続されており、共振コンデンサCr1の容量値と共振リアクトルLr1のインダクタンス値に応じて定まる所定の共振周波数を有している。本実施形態の電源装置1では、この共振回路102による共振現象を利用して、DC-DCコンバータ10の高効率化を図っている。
【0015】
絶縁変圧器103は、フルブリッジ回路101から共振回路102を介して一次巻線N1に入力される交流電圧に対して、一次巻線N1と二次巻線N2の巻数比に応じた電圧比で別の交流電圧への電圧変換を行い、整流回路104へ出力する。センタタップ型の整流回路104は、二次巻線N2の両端にダイオードD1,D2がそれぞれ接続されており、絶縁変圧器103の二次巻線N2側に出力される交流電圧を整流することで直流電圧を生成して負荷4へ出力する。コンデンサC2は、整流回路104から負荷4へ出力される直流電圧を平滑化する。これにより、DC-DCコンバータ10から負荷4へ直流電圧が出力され、電源装置1から負荷4への直流電源の供給が行われる。
【0016】
なお、DC-DCコンバータ10から負荷4へ出力される直流電圧と直流電流の大きさは、電圧センサ16と電流センサ17によってそれぞれ検出され、これらのセンサ検出結果に応じたセンサ信号が制御回路12へと送信される。
【0017】
制御回路12は、交流電源2側に設けられた電圧センサ11および電流センサ13と、AC-DCコンバータ14とDC-DCコンバータ10の間に設けられた電圧センサ15と、負荷4側に設けられた電圧センサ16および電流センサ17と、の各センサからそれぞれ送信されるセンサ信号を受信することで、これらのセンサによる電圧および電流の検出結果を取得する。そして、取得した各電圧および各電流の検出結果に基づいて、AC-DCコンバータ14およびDC-DCコンバータ10を制御する。
【0018】
-第1の実施形態の動作-
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電源装置の動作を表す図である。以下では負荷4が二次電池であり、電源装置1が交流電源2の電力を用いて負荷4を充電する場合の動作例を、
図2を参照して説明する。
【0019】
図2において、グラフ21はAC-DCコンバータ14の出力電圧(以下「第一の直流電圧」と称する)、グラフ22はDC-DCコンバータ10におけるフルブリッジ回路101のスイッチング周波数、グラフ23はフルブリッジ回路101の位相シフト量の変化をそれぞれ表す。これらのグラフ21~23において、横軸はDC-DCコンバータ10から負荷4への出力電圧(以下「第二の直流電圧」と称する)の大きさを表し、縦軸は各グラフに対応する物理量(第一の直流電圧、スイッチング周波数、位相シフト量)の大きさをそれぞれ表す。
【0020】
まず、制御回路12は、AC-DCコンバータ14に対する指令値として、グラフ21に相当する関数を設定する。この関数は、第一の直流電圧と第二の直流電圧の関係、すなわち、電圧センサ16により検出されるDC-DCコンバータ10の出力電圧に対して、AC-DCコンバータ14の出力電圧をどのように設定すればよいかを表している。これにより、制御回路12は、電圧センサ16により検出される第二の直流電圧に基づき、グラフ21に従ってAC-DCコンバータ14の制御を行うことができる。
【0021】
そして、制御回路12は、電圧センサ16と電流センサ17によりそれぞれ検出される負荷4の充電電圧(第二の直流電圧)および充電電流と、負荷4に対する充電指令値とに基づいて、フルブリッジ回路101のスイッチング周波数を設定し、このスイッチング周波数に応じて、スイッチング素子Q1~Q4をそれぞれ制御する。このとき充電指令値には、例えば電流指令、電圧指令、電力指令のいずれかを用いることができる。これにより、制御回路12は、電圧センサ16により検出される第二の直流電圧に基づき、グラフ22に従ってフルブリッジ回路101の制御を行い、スイッチング周波数を変化させることができる。
【0022】
制御回路12は、電圧センサ16により検出された第二の直流電圧の値と、予め設定された閾値Vth1およびVth2(Vth1<Vth2)とを比較し、この比較結果に応じて、
図2のグラフ22に示すようにスイッチング周波数を変化させる。すなわち、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも高く、かつ、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも低い場合は、スイッチング周波数を共振回路102の共振周波数付近に維持するように、DC-DCコンバータ10におけるフルブリッジ回路101の制御を行う。以下では、このような制御モードを「共振周波数モード」と称する。
【0023】
一方、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合、または、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合は、第二の直流電圧の変化に伴ってスイッチング周波数を変化させるように、DC-DCコンバータ10におけるフルブリッジ回路101の制御を行う。具体的には、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合は、第二の直流電圧の上昇に伴って、共振周波数よりも高いスイッチング周波数が共振周波数に向かって変化するように、DC-DCコンバータ10においてフルブリッジ回路101を制御する。また、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合は、第二の直流電圧の上昇に伴って、共振周波数よりも低いスイッチング周波数が共振周波数から遠ざかって変化するように、DC-DCコンバータ10においてフルブリッジ回路101を制御する。以下では、このような制御モードを「周波数変調モード」と称する。
【0024】
本実施形態の電源装置1では、以上説明したような制御を行うことにより、DC-DCコンバータ10が第一の直流電圧から第二の直流電圧への電圧変換を広い入出力電圧範囲で行いつつ、可能な電圧範囲では共振周波数モードを利用して、低損失化を図ることができる。そのため、広い入出力電圧範囲と低損失化を両立することが可能となる。また、絶縁変圧器103に印加される交流電圧の周波数範囲を狭めることができるため、絶縁変圧器103の小型化を図ることも可能である。
【0025】
なお、制御回路12は、フルブリッジ回路101のスイッチング周波数が共振周波数よりも高い場合、すなわち第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合は、フルブリッジ回路101に対して位相シフト制御を行う。位相シフト制御とは、フルブリッジ回路101が有する2つのスイッチングレグのスイッチングのタイミングをずらして、それぞれのスイッチングタイミングの間に位相差が生じるように、フルブリッジ回路101の各スイッチング素子Q1~Q4のスイッチング動作を制御することである。
【0026】
フルブリッジ回路101の制御において、制御回路12は、第二の直流電圧からグラフ22に応じて定まるスイッチング周波数で、スイッチング素子Q1およびQ4と、スイッチング素子Q2およびQ3とが、それぞれ交互にON/OFFを繰り返すように、スイッチング素子Q1~Q4のスイッチング動作を制御する。この際、それぞれのスイッチングレグにおいて両方のスイッチング素子が同時にONとならないように、同一レグ上の2つのスイッチング素子については、必ず一方をOFFにしてからもう一方をONにするように制御する。
【0027】
制御回路12は、位相シフト制御を行わない場合は、スイッチング素子Q1およびQ4のスイッチングタイミングと、スイッチング素子Q2およびQ3のスイッチングタイミングとがそれぞれ一致するように、スイッチング素子Q1~Q4のスイッチング動作を制御する。一方、位相シフト制御を行う場合は、スイッチング素子Q1およびQ4のスイッチングタイミングと、スイッチング素子Q2およびQ3のスイッチングタイミングとが、それぞれの組み合わせで同じ位相シフト量だけ互いにずれるように、スイッチング素子Q1~Q4のスイッチング動作を制御する。
【0028】
制御回路12は、上記の位相シフト制御を行う場合に、第二の直流電圧の大きさに応じて位相シフト量を変化させる。具体的には、グラフ23に示すように、第二の直流電圧が低く閾値Vth1から離れているときほど位相シフト量が大きくなるように、位相シフト量を調節する。例えば、第二の直流電圧に応じてそれぞれ定まるスイッチング周波数と位相シフト量の関係を、関数やテーブルなどにより予め制御回路12に実装しておき、これを用いることで、グラフ23に従って位相シフト量の調節を行うことができる。なお、スイッチング周波数ではなく、DC-DCコンバータ10の出力電圧(第二の直流電圧)や出力電力などに基づいて、位相シフト量の調節を行うようにしてもよい。
【0029】
なお、グラフ22に示すように、周波数変調モードでスイッチング周波数が所定の上限周波数に達した場合、制御回路12は、スイッチング周波数をこの上限周波数に固定した状態で位相シフト量を変化させるように位相シフト制御を行う。これにより、スイッチング周波数に上限がある場合でも、位相シフト量の変化によってDC-DCコンバータ10の出力電圧(第二の直流電圧)の制御を行うことができる。
【0030】
-位相シフト-
図3は、位相シフト制御の効果の説明図である。
図3において、グラフ31は共振リアクトルLr1に流れる電流を表し、グラフ32は励磁インダクタンスLm1に流れる電流を表している。位相シフト制御を行わない場合は、
図3において左側の図に示すように、スイッチング素子Q1に対するスイッチング信号と、スイッチング素子Q4に対するスイッチング信号とが、同じタイミングでそれぞれON/OFFを繰り返す。一方、位相シフト制御を行う場合は、
図3において右側の図に示すように、スイッチング素子Q1に対するスイッチング信号と、スイッチング素子Q4に対するスイッチング信号とが、位相シフト量だけずれたタイミングでそれぞれON/OFFを繰り返す。このときの位相シフト量は、遅延側のスイッチング素子(
図3ではスイッチング素子Q4)がターンオフするときに、グラフ31に示す共振リアクトルLr1の電流値と、グラフ32に示す励磁インダクタンスLm1の電流値とが、互いに重なるように定められる。これにより、遅延側のスイッチング素子における遮断電流を、位相シフト制御なしの場合と比べて大幅に減少させることができる。したがって、フルブリッジ回路101のスイッチング動作による損失を低減することが可能となる。
【0031】
以上説明したように、位相シフト制御を行うことでフルブリッジ回路101のスイッチング動作による損失を低減し、DC-DCコンバータ10を高効率に動作させることができる。なお、上記の位相シフト量は、
図2のグラフ23に応じて調節される位相シフト量に相当するものであり、これは前述のように、制御回路12において予め実装された関数やテーブルなどを用いて実現できる。
【0032】
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0033】
(1)電源装置1は、第一の直流電圧と第二の直流電圧との間で電圧を変換する共振型のDC-DCコンバータ10と、DC-DCコンバータ10を制御する制御回路12とを備える。DC-DCコンバータ10は、スイッチング回路であるフルブリッジ回路101と共振回路102を有する。制御回路12は、第二の直流電圧が所定の閾値Vth1よりも高く、かつ、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも大きい所定の閾値Vth2よりも低い場合は、フルブリッジ回路101のスイッチング周波数を共振回路102の共振周波数付近に維持する共振周波数モードでDC-DCコンバータ10を制御する。また、制御回路12は、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合、または、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合は、第二の直流電圧の変化に伴ってスイッチング周波数を変化させる周波数変調モードでDC-DCコンバータ10を制御する。このようにしたので、広い入出力電圧範囲と低損失化を両立可能な電源装置1を実現することができる。
【0034】
(2)電源装置1は、交流電圧を第一の直流電圧に変換するAC-DCコンバータ14をさらに備える。制御回路12は、共振周波数モードの場合は、
図2のグラフ21に従い、第二の直流電圧の増加に伴って第一の直流電圧を増加させるようにAC-DCコンバータ14を制御する。このようにしたので、交流電力から直流電力を供給する電源装置1において、広い入出力電圧範囲を実現できる。
【0035】
(3)スイッチング回路は、第一の直流電圧と接続されて2つのスイッチングレグを有するフルブリッジ回路101を含む。制御回路12は、周波数変調モードでスイッチング周波数が共振周波数より高い場合は、一方のスイッチングレグのスイッチングタイミングと他方のスイッチングレグのスイッチングタイミングの間に位相差が生じるように、スイッチング回路に対して位相シフト制御を実行する。このようにしたので、フルブリッジ回路101のスイッチング動作による損失を低減することができる。
【0036】
(4)制御回路12は、周波数変調モードにおいてスイッチング周波数が所定の上限周波数に達した場合は、スイッチング周波数を上限周波数に固定した状態で位相シフト制御を行う。このようにしたので、スイッチング素子の特性等によってスイッチング周波数に上限がある場合でも、位相シフト量の変化によってDC-DCコンバータ10の出力電圧の制御を行うことができる。
【0037】
(5)制御回路12は、第一の直流電圧から第二の直流電圧へ電力を供給する場合において、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合は、第二の直流電圧の上昇に伴って、共振周波数よりも高いスイッチング周波数が共振周波数に向かって変化するようにDC-DCコンバータ10を制御する。また、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合は、第二の直流電圧の上昇に伴って、共振周波数よりも低いスイッチング周波数が共振周波数から遠ざかって変化するようにDC-DCコンバータ10を制御する。このようにしたので、第一の直流電圧から第二の直流電圧へ電力を供給して二次電池等の負荷を充電する電源装置1において、負荷の電圧変動に応じてDC-DCコンバータ10を適切に制御することができる。
【0038】
-第2の実施形態-
図4は、本発明の第2の実施形態に係る電源装置の構成を示す図である。
図4に示す電源装置1Aは、第1の実施形態で説明した
図1の電源装置1と比べて、DC-DCコンバータ10の代わりに双方向型のDC-DCコンバータ10Aを有する点が異なっている。DC-DCコンバータ10Aは、整流回路104の代わりに、二次側共振回路105および二次側フルブリッジ回路106を有するものである。以下では第1の実施形態との相違点を中心に、本実施形態の電源装置1Aについて説明する。
【0039】
二次側フルブリッジ回路106は、フルブリッジ回路101と同様に、スイッチング素子Q5とQ6、スイッチング素子Q7とQ8がそれぞれ直列接続された2つのスイッチングレグを有している。これらのスイッチングレグにおいて、スイッチング素子Q5~Q8が制御回路12の制御に応じてそれぞれ所定のタイミングでスイッチング動作を行うことにより、負荷4から印加される直流電圧が交流電圧に変換され、二次側共振回路105へ出力される。スイッチング素子Q5~Q8には、例えばMOSFETやIGBTなどの半導体素子が用いられる。
【0040】
二次側共振回路105は、二次側フルブリッジ回路106と絶縁変圧器103の間に接続されており、共振コンデンサCr2の容量値と共振リアクトルLr2のインダクタンス値に応じて定まる所定の共振周波数を有している。
【0041】
本実施形態において、絶縁変圧器103は、第1の実施形態で説明した一次巻線N1から二次巻線N2側への電圧変換に加えて、二次巻線N2から一次巻線N1側への電圧変換も行う。すなわち、二次側フルブリッジ回路106から二次側共振回路105を介して二次巻線N2に入力される交流電圧に対して、一次巻線N1と二次巻線N2の巻数比に応じた電圧比で別の交流電圧への電圧変換を行い、共振回路102を介してフルブリッジ回路101へ出力する。
【0042】
フルブリッジ回路101は、絶縁変圧器103の一次巻線N1側に出力される交流電圧を整流することで直流電圧を生成し、AC-DCコンバータ14へ出力する。本実施形態では、AC-DCコンバータ14はインバータ運転が可能であり、フルブリッジ回路101により生成された直流電圧を所定の交流電圧へと変換して、交流電源2側へ出力する。これにより、交流電源2から負荷4への給電に加えて、負荷4を直流電源として負荷4から交流電源2の給電も可能な双方向充電器としての電源装置1Aを実現できる。
【0043】
制御回路12は、電源装置1Aの給電方向に応じて、フルブリッジ回路101または二次側フルブリッジ回路106のスイッチング動作を制御する。すなわち、交流電源2から負荷4への給電時には、第1の実施形態で説明したように、電圧センサ11および電流センサ13と、電圧センサ15と、電圧センサ16および電流センサ17と、の各センサからそれぞれ送信されるセンサ信号に基づいて、フルブリッジ回路101のスイッチング素子Q1~Q4を制御する。一方、負荷4から交流電源2への給電時には、これらの各センサからそれぞれ送信されるセンサ信号に基づいて、二次側フルブリッジ回路106のスイッチング素子Q5~Q8を制御する。
【0044】
-第2の実施形態の動作-
図5は、本発明の第2の実施形態に係る電源装置の動作を表す図である。
図5では、
図4の電源装置1Aにおいて負荷4から交流電源2への給電を行う場合の動作例を示している。以下では負荷4が二次電池であり、電源装置1Aが負荷4の電力を用いて交流電源2に給電する場合の動作例を、
図5を参照して説明する。なお、交流電源2の電力を用いて負荷4を充電する場合の動作は、第1の実施形態で説明した
図2と同様であるため、以下では説明を省略する。
【0045】
図5において、グラフ51はAC-DCコンバータ14の入力電圧(第一の直流電圧)、グラフ52はDC-DCコンバータ10Aにおける二次側フルブリッジ回路106のスイッチング周波数、グラフ53は二次側フルブリッジ回路106の位相シフト量の変化をそれぞれ表す。これらのグラフ51~53において、横軸は負荷4からDC-DCコンバータ10Aへの入力電圧(第二の直流電圧)の大きさを表し、縦軸は各グラフに対応する物理量(第一の直流電圧、スイッチング周波数、位相シフト量)の大きさをそれぞれ表す。
【0046】
まず、制御回路12は、DC-DCコンバータ10Aに対する直流電圧指令値として、グラフ51に相当する関数を設定する。この関数は、第一の直流電圧と第二の直流電圧の関係を表している。そして、制御回路12は、設定された直流電圧指令値と、電圧センサ15,16によりそれぞれ検出される直流電圧(第一、第二の直流電圧)に基づいて、二次側フルブリッジ回路106のスイッチング周波数を設定し、このスイッチング周波数に応じて、スイッチング素子Q5~Q8をそれぞれ制御する。これにより、制御回路12は、グラフ51,52に従って二次側フルブリッジ回路106の制御を行い、スイッチング周波数を変化させることができる。
【0047】
制御回路12は、電圧センサ16により検出された第二の直流電圧の値と、予め設定された閾値Vth1およびVth2(Vth1<Vth2)とを比較し、この比較結果に応じて、
図5のグラフ52に示すようにスイッチング周波数を変化させる。すなわち、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも高く、かつ、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも低い場合は、DC-DCコンバータ10Aを共振周波数モードに設定し、スイッチング周波数を二次側共振回路105の共振周波数付近に維持するように、DC-DCコンバータ10Aにおける二次側フルブリッジ回路106の制御を行う。
【0048】
一方、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合、または、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合は、DC-DCコンバータ10Aを周波数変調モードに設定し、第二の直流電圧の変化に伴ってスイッチング周波数を変化させるように、DC-DCコンバータ10Aにおける二次側フルブリッジ回路106の制御を行う。具体的には、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合は、第二の直流電圧の低下に伴って、共振周波数よりも高いスイッチング周波数が共振周波数に向かって変化するように、DC-DCコンバータ10Aにおいて二次側フルブリッジ回路106を制御する。また、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合は、第二の直流電圧の低下に伴って、共振周波数よりも低いスイッチング周波数が共振周波数から遠ざかって変化するように、DC-DCコンバータ10Aにおいて二次側フルブリッジ回路106を制御する。
【0049】
本実施形態の電源装置1Aでは、以上説明したような制御を行うことにより、DC-DCコンバータ10Aが第一の直流電圧から第二の直流電圧への電圧変換だけでなく、第二の直流電圧から第一の直流電圧への電圧変換についても、これを広い入出力電圧範囲で行いつつ、可能な電圧範囲では共振周波数モードを利用して、低損失化を図ることができる。そのため、広い入出力電圧範囲と低損失化を両立することが可能となる。
【0050】
なお、制御回路12は、二次側フルブリッジ回路106のスイッチング周波数が共振周波数よりも高い場合、すなわち第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合は、二次側フルブリッジ回路106に対して位相シフト制御を行う。すなわち、二次側フルブリッジ回路106が有する2つのスイッチングレグのスイッチングのタイミングをずらして、それぞれのスイッチングタイミングの間に位相差が生じるように、二次側フルブリッジ回路106の各スイッチング素子Q5~Q8のスイッチング動作を制御する。
【0051】
二次側フルブリッジ回路106の制御において、制御回路12は、第二の直流電圧からグラフ52に応じて定まるスイッチング周波数で、スイッチング素子Q5およびQ8と、スイッチング素子Q6およびQ7とが、それぞれ交互にON/OFFを繰り返すように、スイッチング素子Q5~Q8のスイッチング動作を制御する。この際、それぞれのスイッチングレグにおいて両方のスイッチング素子が同時にONとならないように、同一レグ上の2つのスイッチング素子については、必ず一方をOFFにしてからもう一方をONにするように制御する。
【0052】
制御回路12は、位相シフト制御を行わない場合は、スイッチング素子Q5およびQ8のスイッチングタイミングと、スイッチング素子Q6およびQ7のスイッチングタイミングとがそれぞれ一致するように、スイッチング素子Q5~Q8のスイッチング動作を制御する。一方、位相シフト制御を行う場合は、スイッチング素子Q5およびQ8のスイッチングタイミングと、スイッチング素子Q6およびQ7のスイッチングタイミングとが、それぞれの組み合わせで同じ位相シフト量だけ互いにずれるように、スイッチング素子Q5~Q8のスイッチング動作を制御する。
【0053】
制御回路12は、上記の位相シフト制御を行う場合に、第1の実施形態と同様に、第二の直流電圧の大きさに応じて位相シフト量を変化させる。具体的には、グラフ53に示すように、第二の直流電圧が高く閾値Vth2から離れているときほど位相シフト量が大きくなるように、位相シフト量を調節する。例えば、第二の直流電圧に応じてそれぞれ定まるスイッチング周波数と位相シフト量の関係を、関数やテーブルなどにより予め制御回路12に実装しておき、これを用いることで、グラフ53に従って位相シフト量の調節を行うことができる。なお、スイッチング周波数ではなく、DC-DCコンバータ10Aの出力電圧(第一の直流電圧)や出力電力などに基づいて、位相シフト量の調節を行うようにしてもよい。
【0054】
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、制御回路12は、第二の直流電圧から第一の直流電圧へ電力を供給する場合において、第二の直流電圧が閾値Vth2よりも高い場合は、第二の直流電圧の低下に伴って、共振周波数よりも高いスイッチング周波数が共振周波数に向かって変化するようにDC-DCコンバータ10Aを制御する。また、第二の直流電圧が閾値Vth1よりも低い場合は、第二の直流電圧の低下に伴って、共振周波数よりも低いスイッチング周波数が共振周波数から遠ざかって変化するようにDC-DCコンバータ10Aを制御する。このようにしたので、第二の直流電圧から第一の直流電圧へ電力を供給して直流電源から交流電源の給電を行う電源装置1Aにおいて、直流電源の電圧変動に応じてDC-DCコンバータ10Aを適切に制御することができる。
【0055】
-第3の実施形態-
図6は、本発明の第3の実施形態に係る電源装置の構成を示す図である。
図6に示す電源装置1Bは、第1の実施形態で説明した
図1の電源装置1と比べて、DC-DCコンバータ10の代わりにDC-DCコンバータ10Bを有する点が異なっている。DC-DCコンバータ10Bは、電圧センサ18、コンデンサC3およびチョッパ19をさらに有し、これらが整流回路104と負荷4の間に挿入されている。以下では第1の実施形態との相違点を中心に、本実施形態の電源装置1Bについて説明する。
【0056】
チョッパ19は、整流回路104により生成されてコンデンサC3により平滑化された直流電圧(以下、本実施形態では「第三の直流電圧」と称する)を、負荷4への出力電圧である第二の直流電圧へと電圧変換し、負荷4へ出力する。すなわち、本実施形態では、整流回路104と第二の直流電圧との間に設けられたチョッパ19により、第三の直流電圧が第二の直流電圧へと変換され、負荷4へ出力される。電圧センサ18は、第三の直流電圧の大きさを検出し、その検出結果に応じたセンサ信号を制御回路12へ送信する。
【0057】
本実施形態において、制御回路12は、共振周波数モードの場合は、第1の実施形態で説明したAC-DCコンバータ14およびスイッチング素子Q1~Q4の制御に加えて、チョッパ19の制御を行う。具体的には、電圧センサ15,18からそれぞれ送信されるセンサ信号に基づいて、チョッパ19の入力電圧(第三の直流電圧)と第一の直流電圧との比が一定となるように、チョッパ19を制御する。これにより、スイッチング周波数を共振周波数に固定して、DC-DCコンバータ10Bの運転を行うことができる。
【0058】
以上説明した本発明の第3の実施形態によれば、DC-DCコンバータ10Bは、第一の直流電圧に基づいてスイッチング回路により生成された交流電圧を所定の電圧比で別の交流電圧へと電圧変換する絶縁変圧器103と、絶縁変圧器103の電圧変換により生成された交流電圧を整流して第三の直流電圧を生成する整流回路104と、整流回路104と第二の直流電圧との間に設けられ、第三の直流電圧を第二の直流電圧に変換するチョッパ19とを有する。制御回路12は、共振周波数モードの場合は、第三の直流電圧と第一の直流電圧との比が一定になるようにチョッパ19を制御する。このようにしたので、幅広い電圧範囲において共振周波数モードを適用し、高効率化を図ることができる。
【0059】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0060】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1,1A,1B:電源装置、2:交流電源、3:電力供給線、4:負荷、10,10A,10B:DC-DCコンバータ、11:電圧センサ、12:制御回路、13:電流センサ、14:AC-DCコンバータ、15:電圧センサ、16:電圧センサ、17:電流センサ、18:電圧センサ、19:チョッパ、101:フルブリッジ回路、102:共振回路、103:絶縁変圧器、104:整流回路、105:二次側共振回路、106:二次側フルブリッジ回路