(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072631
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】縫製管理システム
(51)【国際特許分類】
D05B 19/02 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
D05B19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183584
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塚田 豊
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150CE22
3B150CE23
3B150CE29
3B150GG04
3B150GG05
3B150QA06
3B150QA07
3B150QA08
(57)【要約】
【課題】誤った縫製パターンによる縫製を未然に抑制すること。
【解決手段】縫製管理システムは、設定された縫製パターンであるカレントパターンのパターン縫いを行う複数のミシンと、ミシンのカレントパターンの情報を示すカレントパターン情報を取得し、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致しているか判断する管理装置と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された縫製パターンであるカレントパターンのパターン縫いを行う複数のミシンと、
前記ミシンのカレントパターンの情報を示すカレントパターン情報を取得し、前記カレントパターンが予定された縫製パターンと一致しているか判断する管理装置と、を備える、
縫製管理システム。
【請求項2】
前記ミシンは、
当該ミシンの稼働状況を示す稼働状況情報を所定の周期で前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記ミシンが実行すべきパターン縫いの縫製パターンの情報を含む工程情報と、前記稼働状況と、に基づいて、前記予定された縫製パターンを特定する、
請求項1に記載の縫製管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記ミシンに対して、当該ミシンのカレントパターン情報を要求するカレントパターン情報要求を所定の周期で送信し、
前記ミシンは、
前記カレントパターン情報要求を取得した場合、前記カレントパターン情報を前記管理装置に送信する、
請求項1に記載の縫製管理システム。
【請求項4】
前記ミシンは、
前記カレントパターンを設定する操作を受け付けた場合、前記カレントパターン情報を前記管理装置に送信する、
請求項1に記載の縫製管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
前記ミシンの前記カレントパターンが前記予定された縫製パターンと異なると判断した場合、当該ミシンに対して、前記カレントパターンを前記予定された縫製パターンに変更するよう要求するカレントパターン変更要求を送信する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の縫製管理システム。
【請求項6】
前記ミシンは、
所定の表示データを表示する表示装置を備え、
前記カレントパターン変更要求を取得した場合、前記表示装置に前記カレントパターンの変更を要求されたことを示す変更要求メッセージを表示する、
請求項5に記載の縫製管理システム。
【請求項7】
前記ミシンは、
所定の表示データを表示する表示装置を備え、
前記カレントパターン変更要求を取得した場合、設定された前記カレントパターンを前記予定された縫製パターンに変更し、前記表示装置に前記カレントパターンを変更したことを示す変更結果メッセージを表示する、
請求項5に記載の縫製管理システム。
【請求項8】
前記管理装置は、
前記ミシンの前記カレントパターンが前記予定された縫製パターンと異なると判断した場合、当該ミシンに対して、前記カレントパターンでの縫製を禁止するよう要求する縫製禁止要求を送信する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の縫製管理システム。
【請求項9】
前記ミシンは、
所定の表示データを表示する表示装置を備え、
前記縫製禁止要求を取得した場合、前記表示装置に前記カレントパターンでの縫製の禁止を要求されたことを示す禁止要求メッセージを表示する、
請求項8に記載の縫製管理システム。
【請求項10】
前記ミシンは、
所定の表示データを表示する表示装置を備え、
前記縫製禁止要求を取得した場合、前記カレントパターンでの縫製を停止し、前記表示装置に前記カレントパターンでの縫製を停止したことを示す停止結果メッセージを表示する、
請求項8に記載の縫製管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫製管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ミシンに係る技術分野において、特許文献1に開示されているようなミシン管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上位システムから複数の縫製パターンがダウンロードされたミシンにおいて、オペレータの人為的なミスにより予定の縫製パターンと異なる縫製パターンで縫製してしまい、不良品が出てしまうことがあった。
【0005】
本発明は、誤った縫製パターンによる縫製を未然に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従えば、設定された縫製パターンであるカレントパターンのパターン縫いを行う複数のミシンと、前記ミシンのカレントパターンの情報を示すカレントパターン情報を取得し、前記カレントパターンが予定された縫製パターンと一致しているか判断する管理装置と、を備える、縫製管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様に従えば、誤った縫製パターンによる縫製を未然に抑制する縫製管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る縫製管理システムを模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るミシン及び管理装置を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る縫製管理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る縫製管理システムの動作の別の例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る縫製管理システムの動作の別の例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る縫製管理システムの動作の別の例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、本実施形態に係る縫製管理システムの動作の別の例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本実施形態に係るコンピュータシステム100を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[実施形態]
<縫製管理システム>
図1は、本実施形態に係る縫製管理システム1を模式的に示す図である。
図1に示すように、縫製管理システム1は、複数のミシン2と、各々のミシン2に対応する複数のゲートウェイ3と、管理装置4と、通信ネットワーク5と、を備える。縫製管理システム1は、例えば、複数のミシン2が稼働する稼働施設である縫製工場に配備される。縫製工場では、ミシン2により縫製糸で縫製対象物が縫合されることで、縫製品が製造される。縫製工場では、複数又は1人の作業者Maと、1人又は複数の管理者Mbと、が勤務する。作業者Maは、ミシン2を操作して縫製処理を実施する。管理者Mbは、作業者Ma及びミシン2を管理する。管理者Mbは、管理装置4を操作して縫製工場内における縫製処理状況を把握、管理する。
【0011】
ミシン2は、作業者Maによって操作される工業用ミシンである。工業用ミシンは、例えば、本縫いを行う本縫い系ミシン、サイクルミシン、作動送りミシン、ボタン付けミシン等を含む。本実施形態のミシン2は、設定された所定の縫製パターンに基づいて、自動でパターン縫いを実行するサイクルミシンである。ミシン2は、作業者Maが縫製対象物及び縫製糸を所定の位置にセットした状態で所定の操作を行うことで、設定された所定の縫製パターンを縫う処理を開始する。
【0012】
ミシン2は、対応するゲートウェイ3を介して、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を含む通信ネットワーク5と接続する。ミシン2は、ゲートウェイ3及び通信ネットワーク5を介し、管理装置4に対して稼働状況情報Da及びカレントパターン情報Dcを送信する。また、ミシン2は、通信ネットワーク5及びゲートウェイ3を介して、管理装置4からの工程情報、縫製パターン情報、カレントパターン情報要求Rb及びカレントパターン変更要求Rdを受信する。
【0013】
工程情報は、当該ミシン2が実行すべきタスク及びスケジュールに関する情報である。工程情報は、例えば、当該ミシン2が処理すべき縫製対象物の種類及び数、使用する生地及び糸、パターン縫いの縫製パターンの種類、処理する順番、等を含む。作業者Maは、工程情報に従って、ミシン2で縫製処理を行う。
【0014】
縫製パターン情報は、ミシン2がパターン縫いを実行するための縫製パターンの形状情報である。記憶部28には、管理装置4から送信された複数種類の縫製パターンを含む縫製パターン情報が記憶されている。記憶部28は、通信装置23が管理装置4から新たな縫製パターン情報を受信した場合、新たな縫製パターン情報を蓄積して記憶する。
【0015】
稼働状況情報Daは、ミシン2の稼働状況を示す情報である。ミシン2の稼働状況は、例えば、ミシン2の電源のON/OFF、モータの回転量、糸切り、縫いの開始、途中停止、再開、中止、終了、等のミシン2の動作実績を含む。なお、縫いは、パターン縫い、サイクル縫い、連続縫い、等を含む。また、ミシン2の稼働状況は、縫製対象物の縫いが完成した際に作業者Maによって押下される不図示の出来高スイッチの押下や、ゲートウェイ3との通信接続状況、エラー、メンテナンスコール、等を含む。
【0016】
カレントパターン情報Dcは、ミシン2が現在実行しているパターン縫いの縫製パターン、又はミシン2が縫製処理を開始した場合に実行するパターン縫いの縫製パターンの情報である。すなわち、カレントパターンとは、ミシン2が作動している又は作動する場合に縫う縫製パターンとして設定されている縫製パターンである。作業者Maは、工程情報に従って、縫製すべき縫製パターンをカレントパターンとして設定する。
【0017】
カレントパターン情報要求Rbは、ミシン2に現在設定されている縫製パターンであるカレントパターンの情報であるカレントパターン情報Dcを送信するよう、ミシン2に対して送信される要求である。カレントパターン情報要求Rbは、例えば、縫製管理システム1が管理するミシン2の稼働中、予め設定された所定の周期毎に、ミシン2に対して送信される。所定の周期は、例えば、10~20秒程度である。
【0018】
カレントパターン変更要求Rdは、ミシン2に現在設定されている縫製パターンであるカレントパターンが工程情報と一致しない場合に、カレントパターンを正しい縫製パターンに変更するよう、ミシン2に対して送信される要求である。
【0019】
ゲートウェイ3は、1台のミシン2に対して1台ずつ対応して設けられる。ゲートウェイ3は、ミシン2と通信ネットワーク5とを接続する通信回線に配置されている。ゲートウェイ3は、ミシン2と通信ネットワーク5との間の通信において各種データの送受信を中継する機器であり、受信したデータのプロトコルを変換して転送する。
【0020】
管理装置4は、縫製管理システム1の複数のミシン2を管理するため、管理者Mbによって操作される情報端末である。管理装置4の典型例としては、デスクトップPC(Personal Computer)又はノート型PCが想定されるが、スマートフォン、タブレット型端末、携帯電話機、又はPDA(Personal Digital Assistant)等により実現されてもよい。管理装置4は、例えば、縫製工場において、事務所部分に配備される。
【0021】
管理装置4は、通信ネットワーク5に接続し、各々のゲートウェイ3を介して複数のミシン2と通信を行うことができる。管理装置4は、通信ネットワーク5を介して、各々のミシン2からの稼働状況情報Da及びカレントパターン情報Dcを受信する。また、管理装置4は、通信ネットワーク5を介し、各々のミシン2に対してカレントパターン情報要求Rb及びカレントパターン変更要求Rdを送信する。
【0022】
<ミシン及び管理装置>
図2は、本実施形態に係るミシン2及び管理装置4を示す機能ブロック図である。なお、管理装置4と通信可能なミシン2及びゲートウェイ3は、複数存在するが、簡略化のため、
図2には、1組のミシン2及びゲートウェイ3が図示されている。
【0023】
図2に示すように、ミシン2は、入力装置21と、表示装置22と、通信装置23と、操作装置24と、アクチュエータ25と、稼働状況検出部26と、制御装置27と、を有する。
【0024】
入力装置21は、作業者Maによる各種入力操作を受け付ける。入力装置21が操作されることにより入力データが生成される。入力装置21は、例えば、表示装置22の表示画面に配置されるタッチセンサを含む操作パネルである。入力装置21は、例えば、キーボードやマウス、操作キー、音声入力を受け付けるマイク等によって実現されてもよい。入力装置21は、例えば、ミシン2が配置されるテーブルの上面に搭載される。
【0025】
表示装置22は、各種情報を表示する。表示装置22は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイを含む。
【0026】
通信装置23は、ゲートウェイ3及び通信ネットワーク5を介して、管理装置4と通信する。通信装置23は、管理装置4に稼働状況情報Da及びカレントパターン情報Dcを送信する。通信装置23は、管理装置4から送信されたカレントパターン情報要求Rb及びカレントパターン変更要求Rdを受信する。
【0027】
操作装置24は、作業者Maから縫製処理に係る各種操作を受け付ける。操作装置24が操作されることにより、ミシン2が作動する。操作装置24は、例えば、テーブルの下方に配置され、作業者Maの脚によって操作される操作ペダル等を含む。操作装置24は、例えば、表示装置22の表示画面に配置されるタッチセンサを含む操作パネルを含んでもよい。作業者Maにより操作装置24が操作されることにより、ミシン2は作動する。
【0028】
アクチュエータ25は、ミシン2の各部を作動させる各種の駆動機構及び駆動源を含む。アクチュエータ25は、操作装置24が作業者Maから所定の操作を受け付けることによって、ミシン2が設定された所定の縫製パターンを縫うための各種動作を実行する。
【0029】
稼働状況検出部26は、ミシン2の稼働状況を検出する。稼働状況検出部26は、ミシン2に搭載又は接続され、ミシン2の各種の物理的な情報を検出する各種のセンサを含む。なお、接続の様態は、有線接続、無線接続を問わない。センサは、例えば、アクチュエータ25の駆動量を検出する駆動量センサを含む。駆動量センサは、例えば、モータの回転量を検出するエンコーダや、ミシン針の保持部材の位置を検出する位置センサ等を含む。稼働状況検出部26は、検出したミシン2の稼働状況の情報を制御装置27に出力する。
【0030】
制御装置27は、コンピュータシステムを含み、ミシン2の各部における各種制御を実行する。制御装置27は、記憶部28と、演算処理部29と、を含む。
【0031】
記憶部28は、RAM(Random Access Memory)等、データを一時的に記憶する揮発性メモリである一次記憶装置と、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はストレージ等、演算処理部29が演算に用いる各種プログラム及び各種データが記憶される不揮発性メモリである二次記憶装置と、を含む記憶装置である。記憶部28には、少なくとも、管理装置4から取得した工程情報及び縫製パターン情報と、設定されたカレントパターン情報Dcと、が記憶される。記憶部28は、入力装置21から所定の操作を受け付けた場合、カレントパターンを新規に設定又は変更する。
【0032】
また、記憶部28には、少なくとも、予め設定された所定の周期毎に管理装置4に対して稼働状況情報Daの送信を演算処理部29が実行するためのプログラム、及びカレントパターン情報要求Rbを通信装置23が受信した場合、管理装置4に対してカレントパターン情報Dcの送信を演算処理部29が実行するためのプログラムが記憶されている。
【0033】
演算処理部29は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサを含む演算処理装置である。演算処理部29は、記憶部28に格納されたプログラムに基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算処理部29は、例えば、入力装置21、通信装置23、操作装置24、アクチュエータ25、及び稼働状況検出部26から出力された情報を取得する。演算処理部29は、例えば、表示装置22に所定の表示データを表示させるための制御信号を出力する。
【0034】
演算処理部29は、例えば、稼働状況検出部26から出力された稼働状況情報Daを取得する。演算処理部29は、予め設定された所定の周期毎に、取得した稼働状況情報Daを、管理装置4へ送信するための制御信号を通信装置23に出力する。演算処理部29は、例えば、通信装置23がカレントパターン情報要求Rbを受信した場合、記憶部28に記憶されたカレントパターン情報Dcを取得して、取得したカレントパターン情報Dcを、管理装置4へ送信するための制御信号を通信装置23に出力する。演算処理部29は、例えば、通信装置23がカレントパターン変更要求Rdを受信した場合、カレントパターンの変更を促す変更要求メッセージを表示装置22に表示させるための制御信号を表示装置22に出力する。なお、演算処理部29の機能は、上述した機能に限定されず、少なくとも、後述の変形例に示される処理を実現するための機能を有するものとする。
【0035】
管理装置4は、入力装置41と、表示装置42と、通信装置43と、制御装置47と、を有する。
【0036】
入力装置41は、管理者Mbによる各種入力操作を受け付ける。入力装置41が操作されることにより入力データが生成される。入力装置41は、例えば、キーボードやマウス、操作キー、音声入力を受け付けるマイク等によって実現される。管理装置4がスマートフォンやタブレット型端末である場合、入力装置41は、例えば、表示装置42の表示画面に配置されるタッチセンサを含む操作パネルであってもよい。
【0037】
表示装置42は、各種情報を表示する。表示装置42は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなフラットパネルディスプレイを含む。
【0038】
通信装置43は、通信ネットワーク5を介して、各々のミシン2と通信する。通信装置43は、管理装置4から送信された稼働状況情報Da及びカレントパターン情報Dcを受信する。通信装置43は、管理装置4にカレントパターン情報要求Rb及びカレントパターン変更要求Rdを送信する。
【0039】
制御装置47は、コンピュータシステムを含み、管理装置4の各部における各種制御を実行する。制御装置47は、記憶部48と、演算処理部49と、を含む。
【0040】
記憶部48は、RAM等、データを一時的に記憶する揮発性メモリである一次記憶装置と、ROM、HDD、SSD、又はストレージ等、演算処理部49が演算に用いる各種プログラム及び各種データが記憶される不揮発性メモリである二次記憶装置と、を含む記憶装置である。記憶部48には、例えば、縫製管理システム1に含まれる各々のミシン2の識別情報、各々のミシン2が実行する縫製処理のタスク及びスケジュールを含む管理情報等が記憶される。
【0041】
また、記憶部48には、少なくとも、予め設定された所定の周期毎にミシン2に対してカレントパターン情報要求Rbの送信を演算処理部49が実行するためのプログラム、カレントパターン情報Dcを通信装置23が受信した場合、各々のミシン2のカレントパターンが予定された縫製パターンと一致しているかの判断を演算処理部49が実行するためのプログラム、及び判断結果に基づいて、ミシン2に対してカレントパターン変更要求Rdの送信を演算処理部49が実行するためのプログラムが記憶されている。
【0042】
演算処理部49は、CPU等のプロセッサを含む演算処理装置である。演算処理部49は、記憶部48に格納されたプログラムに基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算処理部49は、例えば、入力装置41、及び通信装置43から出力された情報を取得する。演算処理部49は、例えば、表示装置42に所定の表示データを表示させるための制御信号を出力する。
【0043】
演算処理部49は、例えば、予め設定された所定の周期毎に、カレントパターン情報要求Rbを、ミシン2へ送信するための制御信号を通信装置43に出力する。演算処理部49は、例えば、カレントパターン情報Dcを通信装置23が受信した場合、各々のミシン2のカレントパターンが予定された縫製パターンと一致しているか判断する。予定された縫製パターンは、例えば、ミシン2に送信した工程情報と、当該ミシン2から周期的に送信された稼働状況情報Daの稼働実績と、に基づいて特定されうる。演算処理部49は、例えば、各々のミシン2のカレントパターンが予定された縫製パターンと一致していない場合、カレントパターン変更要求Rdを、ミシン2へ送信するための制御信号を通信装置43に出力する。なお、演算処理部49の機能は、上述した機能に限定されず、少なくとも、後述の変形例に示される処理を実現するための機能を有するものとする。
【0044】
<縫製管理方法>
管理装置4は、各々のミシン2に、当該ミシン2が実行すべきタスク及びスケジュールに関する情報を示す工程情報と、ミシン2がパターン縫いを実行するための縫製パターンの形状情報である縫製パターン情報と、を送信する。管理装置4が工程情報及び縫製パターン情報を各々のミシン2に送信するタイミングは、縫製工場が稼働する日、週、月の初め等のタイミングや、所定の縫製物の生産を開始するタイミング、等である。
【0045】
ミシン2の演算処理部29は、受信した工程情報及びパターン情報を記憶部28に記憶させ、その旨のメッセージを表示装置22に表示させる。演算処理部29は、作業者Maによる入力装置21からの所定の操作に基づいて、記憶部28に記憶された工程情報及びパターン情報を表示装置22に表示させる。作業者Maは、工程情報に従って、カレントパターンを設定し、ミシン2で縫製処理を行う。ミシン2は、操作装置24から作業者Maによる所定の開始操作を受け付けることで、設定された縫製パターンであるカレントパターンのパターン縫いを行う縫製処理を開始する。
【0046】
ミシン2が稼働している間、稼働状況検出部26は、ミシン2の稼働状況を検出して、演算処理部29に出力する。なお、ミシン2が稼働している状態とは、少なくともミシン2の電源がONになっている状態であり、縫製をしていない状態も含む。演算処理部29は、取得した稼働状況情報Daを、所定の周期で、通信装置23に管理装置4へ送信させる。管理装置4は、周期的にミシン2の稼働状況情報Daを取得することにより、各々のミシン2の進捗を把握することができる。
【0047】
図3は、本実施形態に係る縫製管理システム1の動作を示すフローチャートである。
図3に示すステップSA11、SA12、SA13の処理は、管理装置4が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。ステップSB11、SB12の処理は、ミシン2が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。
図3に示すフローチャートの処理は、ミシン2が稼働している間、所定の周期で繰り返し実行される。
【0048】
予め定められた所定の周期に基づいて、管理装置4は、カレントパターン情報要求Rbを、各々のミシン2に送信するよう、通信装置43に制御信号を出力する。カレントパターン情報要求Rbは、通信装置43によって、各々のミシン2に送信される(ステップSA11)。
【0049】
各々のミシン2の通信装置23は、管理装置4から送信されたカレントパターン情報要求Rbを受信する。ミシン2の演算処理部29は、通信装置23が受信したカレントパターン情報要求Rbを取得する。演算処理部29は、カレントパターン情報要求Rbに従って、記憶部28に記憶されたカレントパターン情報Dcを取得する。演算処理部29は、カレントパターン情報Dcを、管理装置4に送信するよう、通信装置23に制御信号を出力する。カレントパターン情報Dcは、通信装置23によって、管理装置4に送信される
(ステップSB11)。
【0050】
管理装置4の通信装置43は、各々のミシン2から送信されたカレントパターン情報Dcを受信する。管理装置4の演算処理部49は、通信装置43が受信した各々のミシン2に対応するカレントパターン情報Dcを、ミシン2の識別子と対応付けて取得する。演算処理部49は、ミシン2が実行すべきパターン縫いのパターン情報を含む工程情報と、ミシン2から直近で受信した稼働状況と、に基づいて、予定された縫製パターンを特定する。演算処理部49は、ミシン2のカレントパターン情報Dcに基づいて、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致しているか否かを判断する(ステップSA12)。
【0051】
演算処理部49は、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致していると判断した場合(ステップSA12;Yes)、
図4に示すフローチャートの一連の処理を終了する。演算処理部49は、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致していないと判断した場合(ステップSA12;No)、ステップSA13を実行する。
【0052】
演算処理部49は、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致していなかったミシン2に対して、カレントパターンを予定された縫製パターンに変更するよう要求するカレントパターン変更要求Rdを送信するよう、通信装置43に制御信号を出力する。カレントパターン変更要求Rdは、通信装置43によって、当該ミシン2に送信される(ステップSA13)。
【0053】
ミシン2の通信装置23は、管理装置4から送信されたカレントパターン変更要求Rdを受信する。ミシン2の演算処理部29は、通信装置23が受信したカレントパターン変更要求Rdを取得する。演算処理部29は、カレントパターン変更要求Rdに基づいて、カレントパターンの変更を要求されたことを示す変更要求メッセージの表示データを、表示装置42に表示させるよう、表示装置42に制御信号を出力する。表示装置42は、カレントパターンの変更を要求されたことを示す変更要求メッセージの表示データを、表示画面に表示する(ステップSB12)。
【0054】
<効果>
以上説明したように、実施形態によれば、設定された縫製パターンであるカレントパターンのパターン縫いを行う複数のミシン2から、ミシン2のカレントパターンの情報を示すカレントパターン情報Dcを取得し、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致しているか判断することができる。これにより、パターン縫いが正しい縫製パターンで行われているかを判断できるので、誤った縫製パターンによる縫製を未然に抑制することができ、例え、既に誤った縫製パターンによる縫製が行われていても、それ以上の不良品を出してしまうことを抑制することができる。
【0055】
また、実施形態によれば、予定された縫製パターンは、ミシン2が実行すべきパターン縫いの縫製パターンの情報を含む工程情報と、ミシン2が所定の周期で出力するミシン2の稼働状況を示す稼働状況情報Daと、に基づいて特定することができる。これにより、ミシン2が複数種類の縫製パターンを扱う場合でも、現在縫製すべき縫製パターンを特定できるので、正しい縫製パターンで縫製が行われているかを判断できる。
【0056】
また、実施形態によれば、ミシン2は、管理装置4から所定の周期で送信されるミシン2のカレントパターン情報Dcを要求するカレントパターン情報要求Rbを取得した場合、カレントパターン情報Dcを管理装置4に送信する。これにより、都度、正しい縫製パターンで縫製が行われているかを判断することができる。
【0057】
また、管理装置4は、ミシン2のカレントパターンが予定された縫製パターンと異なっていると判断した場合、ミシン2に対して、カレントパターンを予定された縫製パターンに変更するよう要求するカレントパターン変更要求Rdを送信する。ミシン2は、カレントパターン変更要求Rdを受け付けたことを示すメッセージを表示装置22に表示させる。これにより、ミシン2の作業者Maは、いち早く誤った縫製パターンがカレントパターンに設定されていることに気付くことができる。
【0058】
<変形例>
図4から
図7までは、本実施形態に係る縫製管理システム1の動作の別の例を示すフローチャートである。
【0059】
[第1変形例]
<縫製管理方法>
図4に示す第1変形例のフローチャートの処理について、
図3に示す実施形態のフローチャートの処理と同一の処理については適宜説明を省略し、異なる処理について説明する。
図4に示すステップSA21、SA22、SA23の処理は、管理装置4が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。ステップSB21、SB22、SB23の処理は、ミシン2が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。
【0060】
ステップSA21、ステップSB21、ステップSA22、及びステップSA23の処理は、
図3に示す実施形態のステップSA11、ステップSB11、ステップSA12、及びステップSA13の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0061】
管理装置4からカレントパターン変更要求Rdが送信された場合(ステップSA23)、ミシン2の通信装置23は、管理装置4から送信されたカレントパターン変更要求Rdを受信する。ミシン2の演算処理部29は、通信装置23が受信したカレントパターン変更要求Rdを取得する。カレントパターン変更要求Rdには、予定された縫製パターンを示す識別子等が含まれる。演算処理部29は、カレントパターン変更要求Rdに基づいて、カレントパターンを予定された縫製パターンに変更する処理を行い、記憶部28に記憶されたカレントパターン情報Dcを更新させる(ステップSB22)。
【0062】
演算処理部29は、カレントパターンの変更を実行したことを示す変更結果メッセージの表示データを、表示装置42に表示させるよう、表示装置42に制御信号を出力する。表示データは、新しいカレントパターンの形状データを含んでいてもよい。表示装置42は、カレントパターンの変更が実行されたことを示す変更結果メッセージの表示データを、表示画面に表示する(ステップSB23)。
【0063】
<効果>
以上説明したように、第1変形例によれば、管理装置4は、ミシン2のカレントパターンが予定された縫製パターンと異なっていると判断した場合、ミシン2に対して、カレントパターンを予定された縫製パターンに変更するよう要求するカレントパターン変更要求Rdを送信する。ミシン3は、カレントパターン変更要求Rdに従って、カレントパターンの設定を変更し、変更を実行したことを示すメッセージを表示装置22に表示させる。これにより、ミシン2の作業者Maは、いち早く誤った縫製パターンがカレントパターンに設定されていたことに気付くことができる。また、自動的にカレントパターンが訂正されるので、作業者Maがメッセージを見落とした場合でも、それ以上の誤った縫製パターンによる縫製を抑制することができる。
【0064】
[第2変形例]
<縫製管理方法>
図5に示す第2変形例のフローチャートの処理について、
図3に示す実施形態のフローチャートの処理と同一の処理については適宜説明を省略し、異なる処理について説明する。
図5に示すステップSA31、SA32、SA33の処理は、管理装置4が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。ステップSB31、SB32の処理は、ミシン2が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。
【0065】
ステップSA31、ステップSB31、及びステップSA32の処理は、
図3に示す実施形態のステップSA11、ステップSB11、及びステップSA12の処理と同様であるため、説明を省略する。管理装置4の演算処理部49は、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致していないと判断した場合(ステップSA32;No)、ステップSA33を実行する。
【0066】
演算処理部49は、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致していなかったミシン2に対して、カレントパターンを予定された縫製パターンでの縫製を禁止するよう要求する縫製禁止要求を送信するよう、通信装置43に制御信号を出力する。すなわち、第2変形例では、実施形態のカレントパターン変更要求Rdの代わりに、縫製禁止要求を出力する。縫製禁止要求は、通信装置43によって、当該ミシン2に送信される(ステップSA13)。
【0067】
ミシン2の通信装置23は、管理装置4から送信された縫製禁止要求を受信する。ミシン2の演算処理部29は、通信装置23が受信した縫製禁止要求を取得する。演算処理部29は、縫製禁止要求に基づいて、カレントパターンでの縫製の禁止を要求されたことを示す禁止要求メッセージの表示データを、表示装置42に表示させるよう、表示装置42に制御信号を出力する。表示装置42は、カレントパターンでの縫製の禁止を要求されたことを示す禁止要求メッセージの表示データを、表示画面に表示する(ステップSB32)。
【0068】
<効果>
以上説明したように、第2変形例によれば、管理装置4は、ミシン2のカレントパターンが予定された縫製パターンと異なっていると判断した場合、ミシン2に対して、カレントパターンでの縫製を禁止するよう要求する縫製禁止要求を送信する。ミシン3は、縫製禁止要求を受け付けたことを示すメッセージを表示装置22に表示させる。これにより、ミシン2の作業者Maは、いち早く誤った縫製パターンがカレントパターンに設定されていることに気付くことができる。
【0069】
[第3変形例]
<縫製管理方法>
図6に示す第3変形例のフローチャートの処理について、
図5に示す第2変形例のフローチャートの処理と同一の処理については適宜説明を省略し、異なる処理について説明する。
図6に示すステップSA41、SA42、SA43の処理は、管理装置4が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。ステップSB41、SB42、SB43の処理は、ミシン2が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。
【0070】
ステップSA41、ステップSB41、ステップSA42、及びステップSA43の処理は、
図5に示す実施形態のステップSA31、ステップSB31、ステップSA32、及びステップSA33の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0071】
管理装置4から縫製禁止要求が送信された場合(ステップSA43)、ミシン2の通信装置23は、管理装置4から送信された縫製禁止要求を受信する。ミシン2の演算処理部29は、通信装置23が受信した縫製禁止要求を取得する。縫製禁止要求には、予定された縫製パターンを示す識別子等が含まれてもよい。演算処理部29は、縫製禁止要求に基づいて、カレントパターンでの縫製を停止するよう、各アクチュエータ25に制御信号を出力する。アクチュエータ25は、縫製を停止させる(ステップSB42)。なお、縫製処理が開始されていなかった場合、例えば、作業者Maによる操作装置24での開始操作を無効にする処理を行ってもよい。
【0072】
演算処理部29は、カレントパターンでの縫製の停止を実行したことを示す停止結果メッセージの表示データを、表示装置42に表示させるよう、表示装置42に制御信号を出力する。表示データは、予定された縫製パターンの識別子及び形状データを含んでいてもよい。表示装置42は、カレントパターンでの縫製の停止が実行されたことを示す停止結果メッセージの表示データを、表示画面に表示する(ステップSB43)。
【0073】
<効果>
以上説明したように、第3変形例によれば、管理装置4は、ミシン2のカレントパターンが予定された縫製パターンと異なっていると判断した場合、ミシン2に対して、カレントパターンでの縫製を禁止するよう要求する縫製禁止要求を送信する。ミシン3は、縫製禁止要求に従って、カレントパターンでの縫製を停止し、停止を実行したことを示すメッセージを表示装置22に表示させる。これにより、ミシン2の作業者Maは、いち早く誤った縫製パターンがカレントパターンに設定されていたことに気付くことができる。また、自動的に縫製処理が停止訂正されるので、作業者Maがメッセージを見落とした場合でも、それ以上の誤った縫製パターンによる縫製を抑制することができる。
【0074】
[第4変形例]
<縫製管理方法>
図7に示す第4変形例のフローチャートの処理について、
図3に示す実施形態のフローチャートの処理と同一の処理については適宜説明を省略し、異なる処理について説明する。
図7に示すステップSA51、SA52の処理は、管理装置4が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。ステップSB51、SB52、SA53の処理は、ミシン2が予め定められたプログラム及びデータに基づいて実行する。
【0075】
作業者Maは、工程情報に従って、入力装置21を操作して、作業するミシン2にカレントパターンを設定又は変更する。ミシン2の演算処理部29は、入力装置21からの入力に基づいて、カレントパターンが新規に設定又は変更された場合、カレントパターンを設定又は変更する処理を行い、記憶部28に記憶されたカレントパターン情報Dcを更新させる(ステップSB51)。
【0076】
演算処理部29は、記憶部28に新たに記憶したカレントパターン情報Dcを、管理装置4に送信するよう、通信装置23に制御信号を出力する。カレントパターン情報Dcは、通信装置23によって、管理装置4に送信される(ステップSB52)。
【0077】
ステップSA51、ステップSA52、及びステップSB53の処理は、
図3に示す実施形態のステップSA12、ステップSA13、及びステップSB12の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0078】
<効果>
以上説明したように、第4変形例によれば、ミシン2は、カレントパターンを新規に設定又は変更する作業者Maによる操作を受け付けた場合、新しく設定されたカレントパターンの情報を示すカレントパターン情報Dcを管理装置4に送信する。これにより、都度、正しい縫製パターンで縫製が行われているかを判断することができる。
【0079】
<コンピュータシステム>
図8は、本実施形態に係るコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、上述のミシン2及び管理装置4の少なくとも一方を含む。コンピュータシステム100は、CPU等のプロセッサ101と、ROM等の不揮発性メモリ及びRAM等の揮発性メモリを含むメインメモリ102と、ストレージ103と、入出力回路を含むインターフェース104と、を有する。コンピュータシステム100の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ103に記憶されている。コンピュータプログラムは、上述した機能を実現するための各種のアプリケーションソフトウエアを含む。プロセッサ101は、コンピュータプログラムをストレージ103から読み出してメインメモリ102に展開し、コンピュータプログラムに従って上述の処理を実行する。コンピュータプログラムは、コンピュータネットワークを介してコンピュータシステム100に配信されてもよい。
【0080】
コンピュータプログラムは、上述の実施形態に従って、設定された縫製パターンであるカレントパターンのパターン縫いを行う複数のミシン2から、ミシン2のカレントパターンの情報を示すカレントパターン情報Dcを取得することと、カレントパターンが予定された縫製パターンと一致しているか判断することと、を実行することができる。
【0081】
[その他の実施形態]
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0082】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0083】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、上述した管理装置4は、いくつかの機能に分割させた複数のコンピュータにより構成されてもよく、コンピュータのいくつかの機能は、クラウドコンピューティングの形態で各種機能を実行するクラウドサーバが有していてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…縫製管理システム、Ma…作業者、Mb…管理者、2…ミシン、3…ゲートウェイ、4…管理装置、5…通信ネットワーク、Da…稼働状況情報、Dc…カレントパターン情報、Rb…カレントパターン情報要求、Rd…カレントパターン変更要求、21、41…入力装置、22、42…表示装置、23、43…通信装置、24…操作装置、25…アクチュエータ、26…稼働状況検出部、27、47…制御装置、28、48…記憶部、29、49…演算処理部、100…コンピュータシステム、101…プロセッサ、102…メインメモリ、103…ストレージ、104…インターフェース。