(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072655
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】組立箱用ブランクシートおよび箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/42 20060101AFI20240521BHJP
B65D 5/24 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B65D5/42 D
B65D5/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183618
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】大根田 真也
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB15
3E060BB01
3E060BC04
3E060BC08
3E060DA21
3E060DA25
3E060EA03
(57)【要約】
【課題】 一枚のブランクシートから箱を容易に組み立てられる組立箱用ブランクシートおよび組立箱用ブランクシートから組み立てられる箱を得る。
【解決手段】 矩形状の底部2の相対向する縦辺に第1折線3を介して第1側壁部4を設け、横辺に第2折線5を介して第2側壁部6を設け、第1側壁部4と第2側壁部6の間に、両側端縁に第3折線7、第4折線8を介して連接し、両側端縁を2辺とする四角形に形成され、第3折線7、第4折線8の間の対角線を第5折線9として、第5折線9から二つ折りされ第2側壁部6の内面側又は外面側に折り込まれる折込部10を設け、折込部10の第1側壁部4側の開放辺に第6折線11を介して係止片部12を設け、第2側壁部6の開放辺には、折込部10が第5折線9から二つ折りされて第2側壁部6側に折り込まれたとき、折込部10の開放辺に設けた係止片部12を嵌合する嵌合凹部14を形成した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の縦辺と上下一対の横辺とにより矩形状の外形をなす組立箱用ブランクシートであって、
矩形状の底部の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する第1側壁部が設けられ、前記底部の横辺となる他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線を介して連接する第2側壁部が設けられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に、両側端縁にそれぞれ第3折線、第4折線を介して連接し、前記両側端縁を2辺とする四角形に形成され、第3折線、第4折線の間の対角線を第5折線として、第5折線から二つ折りされ三角形となって第2側壁部の内面側又は外面側に折り込まれる折込部が設けられ、前記折込部の2つの開放辺のうちの前記第1側壁部側の開放辺には、第6折線を介して連接する係止片部が設けられ、前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺には、前記折込部が第5折線から二つ折りされ三角形となって第2側壁部の内面側又は外面側に折り込まれたとき、相互に重なり前記折込部の開放辺に設けられた前記係止片部を嵌合する嵌合凹部が形成されていることを特徴とする組立箱用ブランクシート。
【請求項2】
前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成された前記嵌合凹部は、それぞれの開放辺の端縁からシート厚を超える深さに切り取って形成され、前記折込部の前記第1側壁部側の開放辺に設けられた前記係止片部は、前記嵌合凹部より広幅の係止部と、前記嵌合凹部に嵌合可能な幅を有し、前記折込部の前記第1側壁部側の開放辺に連接している連接部とからなり、前記連接部は前記第1側壁部に入れられた前記嵌合凹部と略同幅で、且つ前記嵌合凹部と略同深さの2本の切り込みにより形成され、前記切り込みの先端を結ぶ線が前記第6折線となっていることを特徴とする請求項1に記載の組立箱用ブランクシート。
【請求項3】
前記底部の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する一方の前記第1側壁部の開放辺に、矩形状の蓋天板部が、第7折線を介して一方の縦辺を連接して設けられ、前記蓋天板部の他方の縦辺には第8折線を介して連接する蓋第1側壁部が設けられ、前記蓋天板部の横辺となる相対向する二辺には、それぞれ第9折線を介して連接する蓋第2側壁部が設けられ、前記蓋第1側壁部の両側辺には、第10折線を介して連接し、前記蓋第2側壁部の内面側又は外面側に折り込まれる折込片が設けられ、前記蓋第2側壁部の先端側開放辺には、第11折線を介して連接する係止片部が設けられ、前記折込片の前記蓋第1側壁部側の開放辺には、前記折込片が第11折線から蓋第2側壁部の内面側又は外面側に折り込まれたとき、前記折込片の開放辺に設けられた前記係止片部を嵌合する嵌合凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の組立箱用ブランクシート。
【請求項4】
前記折込片の前記蓋第1側壁部側の開放辺に形成された前記嵌合凹部は、開放辺の端縁からシート厚を超える深さに切り取って形成され、前記蓋第2側壁部の先端側開放辺に設けられた前記係止片部は、前記嵌合凹部より広幅の係止部と、前記嵌合凹部に嵌合可能な幅を有し、前記蓋第2側壁部の先端側開放辺に連接している連接部とからなり、前記連接部は前記蓋第1側壁部に入れられた、前記折込片の前記第3側壁部側の開放辺に形成された前記嵌合凹部と略同幅で、且つ前記嵌合凹部と略同深さの2本の切り込みにより形成され、前記切り込みの先端を結ぶ線が前記第11折線となっていることを特徴とする請求項3に記載の組立箱用ブランクシート。
【請求項5】
前記底部の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する一方の前記第1側壁部の開放辺に、矩形状の蓋天板部が、第12折線を介して一方の縦辺を連接して設けられ、前記蓋天板部の他方の縦辺である開放辺または前記底部に第1折線を介して連接する他方の前記第1側壁部の開放辺のいずれか一方に、第13折線を介して連接する側片部が設けられ、前記蓋天板部と前記側片部との間または前記第1側壁部と前記側片部との間の第13折線上には差込孔が設けられており、前記蓋天板部の他方の縦辺である開放辺または前記底部に第1折線を介して連接する他方の前記第1側壁部の開放辺のいずれか他方に、第14折線を介して連接する前記差込孔に差し込み可能な差込片が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の組立箱用ブランクシート。
【請求項6】
請求項1に記載の組立箱用ブランクシートを用いて組み立てられた箱であって、
前記底部の相対向する二辺に設けられている前記第1側壁部が第1折線から谷折りされて立ち上げられ、前記底部の他の相対向する二辺に設けられている前記第2側壁部が第2折線から谷折りされて立ち上げられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に設けられている前記折込部が、第5折線から山折りされ、そして第3折線、第4折線から谷折りされて前記第2側壁部の内面側に折り込まれ、前記折込部の開放辺に設けられている前記係止片部が第6折線から山折りされて外方に倒され、前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成されている前記嵌合凹部に嵌合されていることを特徴とする箱。
【請求項7】
請求項1に記載の組立箱用ブランクシートを用いて組み立てられた箱であって、
前記底部の相対向する二辺に設けられている前記第1側壁部が第1折線から谷折りされて立ち上げられ、前記底部の他の相対向する二辺に設けられている前記第2側壁部が第2折線から谷折りされて立ち上げられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に設けられている前記折込部が、第5折線から谷折りされ、そして第3折線から谷折りされ第4折線から山折りされて前記第2側壁部の外面側に折り込まれ、前記折込部の開放辺に設けられている前記係止片部が第6折線から谷折りされて内方に倒され、前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成されている前記嵌合凹部に嵌合されていることを特徴とする箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立箱用ブランクシートおよび組立箱用ブランクシートから組み立てられる箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一枚のシートから組み立てられる箱として、
図26に示すように、箱本体の四辺形の底壁50の四周側辺にそれぞれ側壁51、51、52、52が連接され、隣接する側壁51、52の側辺間に跨がって外方に2つ折りされる連結片53が連接され、箱本体の各側壁51、51、52、52の上縁および連結片53の外側片部上縁に外方に折り返される折り返し片54、55が連接されていると共に、この外側片部の折り返し片56が一対の対向側壁の折り返し片54の両端に連接され、他の一対の対向側壁の折り返し片55の先端に連結片と側壁との間に折り込まれる折り込み片57が連接され、この折り込み片57が折り返し片56、連結片53と側壁52との間に折り込まれた状態のもとで、一対の対向側壁上部に手掛け部が形成されるものとする段ボール箱が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている段ボール箱は、底壁50の四周側辺から側壁51、51、52、52を立ち上げ、隣接する側壁51、52の側辺間に跨がって連接されている連結片53を外方に2つ折りし、各側壁51、51、の上縁に連接されている折り返し片54と、連結片53の外側片部上縁に連接されている折り返し片56を外方に折り返し、外方に2つ折りされた連結片53、53と、連結片53の外側片部上縁に連接され外方に折り返される折り返し片56を側壁52,52の外面に重ね、その上から側壁52、52の上縁に連接されている折り返し片55を外方に折り返して重ね、折り返し片55の先端に連接されている折り込み片57を折り返し片56、連結片53と側壁52との間に折り込むようにして組み立てられるので、組み立てが非常に面倒であるといった問題があった。
【0005】
本発明の目的は、一枚のブランクシートから箱を容易に組み立てられる組立箱用ブランクシートおよび組立箱用ブランクシートから組み立てられる箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、左右一対の縦辺と上下一対の横辺とにより矩形状の外形をなす組立箱用ブランクシートであって、矩形状の底部の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する第1側壁部が設けられ、前記底部の横辺となる他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線を介して連接する第2側壁部が設けられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に、両側端縁にそれぞれ第3折線、第4折線を介して連接し、前記両側端縁を2辺とする四角形に形成され、第3折線、第4折線の間の対角線を第5折線として、第5折線から二つ折りされ三角形となって第2側壁部の内面側又は外面側に折り込まれる折込部が設けられ、前記折込部の2つの開放辺のうちの前記第1側壁部側の開放辺には、第6折線を介して連接する係止片部が設けられ、前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺には、前記折込部が第5折線から二つ折りされ三角形となって第2側壁部の内面側又は外面側に折り込まれたとき、相互に重なり前記折込部の開放辺に設けられた前記係止片部を嵌合する嵌合凹部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に設けられている前記折込部を、前記第3折線、前記第4折線から谷折りし前記第5折線から山折りして内方に二つ折りしながら、前記底部から前記第1側壁部と前記第2側壁部を前記第1折線、前記第2折線から谷折りして立ち上げ、二つ折りした前記折込部を前記第2側壁部の内面側に折り込み前記第2側壁部の内面に重ね、この状態から、前記折込部の開放辺に設けられている前記係止片部を第6折線から山折りして外方に倒し、前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成されている前記嵌合凹部に嵌合する、または、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に設けられている前記折込部を、前記第3折線から谷折りし、前記第4折線から山折りし前記第5折線から谷折りして外方に二つ折りしながら、前記底部から前記第1側壁部と前記第2側壁部を前記第1折線、前記第2折線から谷折りして立ち上げ、二つ折りした前記折込部を前記第2側壁部の外面側に折り込み前記第2側壁部の外面に重ね、この状態から、前記折込部の開放辺に設けられている前記係止片部を第6折線から谷折りして内方に倒し、前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成されている前記嵌合凹部に嵌合する、といった簡単な作業で箱を組み立てることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成された前記嵌合凹部は、それぞれの開放辺の端縁からシート厚を超える深さに切り取って形成され、前記折込部の前記第1側壁部側の開放辺に設けられた前記係止片部は、前記嵌合凹部より広幅の係止部と、前記嵌合凹部に嵌合可能な幅を有し、前記折込部の前記第1側壁部側の開放辺に連接している連接部とからなり、前記連接部は前記第1側壁部に入れられた前記嵌合凹部と略同幅で、且つ前記嵌合凹部と略同深さの2本の切り込みにより形成され、前記切り込みの先端を結ぶ線が前記第6折線となっていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記折込部の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成された前記嵌合凹部の深さがシート厚を超える深さとなっており、そして、前記折込部の前記第1側壁部側の開放辺に設けられた前記係止片部を構成する係止部は前記嵌合凹部より広幅となっており、前記連接部は前記嵌合凹部と略同幅で且つ前記嵌合凹部と略同深さの切り込みにより形成されているので、前記係止片部の前記連接部を前記第6折線から折り曲げて前記嵌合凹部に嵌合したとき、前記連接部は前記嵌合凹部に密に嵌合した状態となり、且つ前記係止部は前記第2側壁部に係止し前記嵌合凹部から抜け止めされた状態となり、前記係止片部と前記嵌合凹部との間に確実な係止状態が得られ、前記第2側壁部と、前記第2側壁部の内面側または外面側に折り込まれた前記折込部を確実に固定することができ、堅牢な箱を得ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記底部の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する一方の前記第1側壁部の開放辺に、矩形状の蓋天板部が、第7折線を介して一方の縦辺を連接して設けられ、前記蓋天板部の他方の縦辺には第8折線を介して連接する蓋第1側壁部が設けられ、前記蓋天板部の横辺となる相対向する二辺には、それぞれ第9折線を介して連接する蓋第2側壁部が設けられ、前記蓋第1側壁部の両側辺には、第10折線を介して連接し、前記蓋第2側壁部の内面側又は外面側に折り込まれる折込片が設けられ、前記蓋第2側壁部の先端側開放辺には、第11折線を介して連接する係止片部が設けられ、前記折込片の前記蓋第1側壁部側の開放辺には、前記折込片が第11折線から蓋第2側壁部の内面側又は外面側に折り込まれたとき、前記折込片の開放辺に設けられた前記係止片部を嵌合する嵌合凹部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、蓋第1側壁部を第8折線から谷折りし、蓋第2側壁部を第9折線から谷折りしてそれぞれ前記蓋天板部から立ち上げ、折込片を第10折線から谷折りし、前記立ち上げられた蓋第2側壁部の内面側または外面側に折り込み、蓋第2側壁部の内面または外面に重ね、この状態から、前記蓋第2側壁部の先端側開放辺に設けられている係止片部を第11折線から山折りして外方に倒し、または谷折りして内方に倒し前記係止片部を前記折込部の蓋第1側壁部側の開放辺に形成されている嵌合凹部に嵌合することにより、請求項1または2に記載された発明で組み立てられた箱を箱本体とし、該箱本体の開口部を開閉する蓋体を備えた箱を得ることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の、前記折込片の前記蓋第1側壁部側の開放辺に形成された前記嵌合凹部は、開放辺の端縁からシート厚を超える深さに切り取って形成され、前記蓋第2側壁部の先端側開放辺に設けられた前記係止片部は、前記嵌合凹部より広幅の係止部と、前記嵌合凹部に嵌合可能な幅を有し、前記蓋第2側壁部の先端側開放辺に連接している連接部とからなり、前記連接部は前記蓋第1側壁部に入れられた、前記折込片の前記第3側壁部側の開放辺に形成された前記嵌合凹部と略同幅で、且つ前記嵌合凹部と略同深さの2本の切り込みにより形成され、前記切り込みの先端を結ぶ線が前記第11折線となっていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記折込片の前記蓋第1側壁部側の開放辺に形成された前記嵌合凹部の深さがシート厚を超える深さとなっており、そして、前記蓋第2側壁部の先端側開放辺に設けられた前記係止片部を構成する係止部は前記嵌合凹部より広幅となっており、前記連接部は前記嵌合凹部と略同幅で且つ前記嵌合凹部と略同深さの切り込みにより形成されているので、前記係止片部の前記連接部を前記第11折線から折り曲げて前記嵌合凹部に嵌合したとき、前記連接部は前記嵌合凹部に密に嵌合した状態となり、且つ前記係止部は前記折込片に係止し前記嵌合凹部から抜け止めされた状態となり、前記係止片部と前記嵌合凹部との間に確実な係止状態が得られ、前記蓋第2側壁部と、前記蓋第2側壁部の内面側または外面側に折り込まれた前記折込片を確実に固定することができ、堅牢な蓋体を得ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記底部の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する一方の前記第1側壁部の開放辺に、矩形状の蓋天板部が、第12折線を介して一方の縦辺を連接して設けられ、前記蓋天板部の他方の縦辺である開放辺または前記底部に第1折線を介して連接する他方の前記第1側壁部の開放辺のいずれか一方に、第13折線を介して連接する側片部が設けられ、前記蓋天板部と前記側片部との間または前記第1側壁部と前記側片部との間の第13折線上には差込孔が設けられており、前記蓋天板部の他方の縦辺である開放辺または前記底部に第1折線を介して連接する他方の前記第1側壁部の開放辺のいずれか他方に、第14折線を介して連接する前記差込孔に差し込み可能な差込片が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記蓋天板部を第12折線から谷折りし、そして、前記側片部が前記蓋天板部に設けられている場合は、前記側片部を第13折線から谷折りして前記第1側壁部の内面側に折り込み、前記側片部が前記第1側壁部に設けられている場合は、前記側片部を第13折線から谷折りして前記蓋天板部の内面側に折り込み、前記第1側壁部または前記蓋天板部に設けられている前記差込片を差込孔に差し込むといった簡単な作業により、請求項1または2に記載された発明で組み立てられた箱を箱本体とし、該箱本体の開口部を開閉することができる蓋体を備えた箱を得ることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の組立箱用ブランクシートを用いて組み立てられた箱であって、前記底部の相対向する二辺に設けられている前記第1側壁部が第1折線から谷折りされて立ち上げられ、前記底部の他の相対向する二辺に設けられている前記第2側壁部が第2折線から谷折りされて立ち上げられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に設けられている前記折込部が、第5折線から山折りされ、そして第3折線、第4折線から谷折りされて前記第2側壁部の内面側に折り込まれ、前記折込部の開放辺に設けられている前記係止片部が第6折線から山折りされて外方に倒され、前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成されている前記嵌合凹部に嵌合されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、容易に組み立てられる箱を得ることができる。
また、組み立てられた箱は、前記第1側壁部と前記第2側壁部の外面は平滑面となっており出っ張り部が少ないので、積載や搬送の際に箱と箱の間隔を極小化することが可能となり、取り扱いに便利である。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の組立箱用ブランクシートを用いて組み立てられた箱であって、前記底部の相対向する二辺に設けられている前記第1側壁部が第1折線から谷折りされて立ち上げられ、前記底部の他の相対向する二辺に設けられている前記第2側壁部が第2折線から谷折りされて立ち上げられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に設けられている前記折込部が、第5折線から谷折りされ、そして第3折線から谷折りされ第4折線から山折りされて前記第2側壁部の外面側に折り込まれ、前記折込部の開放辺に設けられている前記係止片部が第6折線から谷折りされて内方に倒され、前記折込部の前記第2側壁部側の開放辺および前記第2側壁部の開放辺に形成されている前記嵌合凹部に嵌合されていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、容易に組み立てられる箱を得ることができる。また、組み立てられた箱は、前記第1側壁部と前記第2側壁部の内面は平滑面となっており出っ張り部が少ないので、内容物の出し入れが容易であり、特に内容物が粉体や粒体である場合に好適である。また、前記折込部が箱の持ち手部として機能することが可能となり、取り扱いに便利である。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明に係る組立箱用ブランクシートによれば、一枚のブランクシートから箱を容易に組み立てることができる。また、本発明に係る箱によれば、一枚のブランクシートから組み立てられるので製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る組立箱用ブランクシートの実施の形態の第1例を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す組立箱用ブランクシートの一部拡大図である。
【
図3】
図1に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の一例を示す説明図である。
【
図4】
図3に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の他例を示す説明図である。
【
図6】
図5に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【
図7】本発明に係る組立箱用ブランクシートの実施の形態の第2例を示す平面図である。
【
図8】
図7に示す組立箱用ブランクシートの一部拡大図である。
【
図9】
図7に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の一例を示す説明図である。
【
図10】
図9に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【
図11】
図7に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の他例を示す説明図である。
【
図12】
図11に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【
図13】本発明に係る組立箱用ブランクシートの実施の形態の第3例を示す平面図である。
【
図14】
図13に示す組立箱用ブランクシートを用いて組み立てられた箱を示す斜視図である。
【
図15】本発明に係る組立箱用ブランクシートの実施の形態の第4例を示す平面図である。
【
図16】
図15に示す組立箱用ブランクシートを用いて組み立てられた箱を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る箱の形態の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1~
図6は本発明に係る箱の実施の形態の第1例を示すものであり、
図1は第1例の組立箱用ブランクシートの平面図、
図2は
図1に示す組立箱用ブランクシートの一部拡大図、
図3は
図1に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の一例を示す説明図、
図4は
図3に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図、
図5は
図1に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の他例を示す説明図、
図6は
図5に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【0023】
第1例の組立箱用ブランクシート1Aは、一枚のシートから形成される。
使用されるシートとしてはシート状の材料であれば特に限定されないが、例えば、紙製シート、プラスチック製シート等が使用される。紙製シートとしては厚紙シート、白板紙シート、紙段ボールシート等があり、またプラスチック製シートとしては、プラスチック板状シート、プラスチック段ボールシート等がある。
【0024】
また、シートには、少なくとも箱の内面となる一面に耐液体性加工が施されているものを使用することができる。耐液体性加工にあっては、厚紙シート、白板紙シート、紙段ボールシート等の紙製シートに、耐液体性のフィルムをラミネートし、或いは耐液体性の塗料をコーティングしてもよく、また、紙層に耐液性剤を含有させてもよい。本発明の箱において、防水性を重視する目的で紙製シートを用いる場合、少なくとも内面となる一面のコッブ吸水度が、120秒で3g/m2以下であるか、30分で25g/m2以下であるシートを用いることが好ましい。
【0025】
第1例の組立箱用ブランクシート1Aは、箱の内面となる一面に耐液体性の塗料がコーティングされた紙製の段ボールシートが使用されている。
なお、利用する用途に応じて箱の外面となる一面に耐液体性の塗料がコーティングされていてもよい。
【0026】
このような段ボールシートで形成される第1例の組立箱用ブランクシート1Aは、
図1に示すように、左右一対の縦辺と上下一対の横辺とにより矩形状の外形をなし、矩形状の底部2の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線3を介して連接する第1側壁部4が設けられ、底部2の横辺となる他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線5を介して連接する第2側壁部6が設けられている。
【0027】
隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に、両側端縁にそれぞれ第3折線7、第4折線8を介して連接し、前記両側端縁を2辺とする四角形に形成され、第3折線7、第4折線8の間の対角線を第5折線9として、第5折線9から二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の内面側又は外面側に折り込まれる折込部10が設けられている。
【0028】
折込部10の2つの開放辺のうちの第1側壁部4側の開放辺には、第6折線11を介して連接する係止片部12が設けられ、折込部10の第2側壁部6側の開放辺および第2側壁部6の開放辺には、折込部10が第5折線9から二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の内面側又は外面側に折り込まれたとき、相互に重なり折込部10の第1側壁部4側の開放辺に設けられた係止片部12を嵌合する嵌合凹部13,14が形成されている。
【0029】
折込部10の第2側壁部6側の開放辺に形成された嵌合凹部13および第2側壁部6の開放辺に形成された嵌合凹部14は、それぞれの開放辺の端縁からシート厚を超える深さに切り取って形成されている。
【0030】
また、折込部10の第1側壁部4側の開放辺に設けられた係止片部12は、嵌合凹部13,14より広幅の係止部15と、嵌合凹部13,14に嵌合可能な幅を有し、折込部10の第1側壁部4側の開放辺に連接している連接部16とからなる。連接部16は第1側壁部4に入れられた嵌合凹部13,14と略同幅で、且つ嵌合凹部13,14と略同深さの2本の切り込み17により形成され、2本の切り込み17の先端を結ぶ線が第6折線11となっている。
【0031】
次に、
図1に示す第1例の組立箱用ブランクシート1Aによる箱の組立を説明する。
図3は
図1に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の一例を示す説明図、
図4は
図3に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【0032】
図3、
図4に示す組立例では、先ず、底部2の相対向する二辺に設けられている第1側壁部4を第1折線3から谷折りして立ち上げるとともに、底部2の他の相対向する二辺に設けられている第2側壁部6を第2折線5から谷折りして立ち上げ、この第1側壁部4と第2側壁部6の立ち上げと同期して、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている四角形の折込部10を、対角線となる第5折線9を山折りし、第3折線7、第4折線8から谷折りして内方に二つ折りして三角形とし、第2側壁部6の内面側に折り込む。
【0033】
折込部10を第2側壁部6の内面側に折り込んだとき、折込部10の第2側壁部6側の開放辺に形成された嵌合凹部13および第2側壁部6の開放辺に形成された嵌合凹部14は相互に重なる。
【0034】
次に、折込部10の第1側壁部4側の開放辺に設けられた係止片部12を第6折線11から山折りして外方に倒し、折込部10の第2側壁部6側の開放辺および第2側壁部6の開放辺に形成されている嵌合凹部13,14に嵌合する。さらに詳細には、係止片部12を構成する連接部16を第6折線11から山折りして外方に倒し、折込部10の第2側壁部6側の開放辺および第2側壁部6の開放辺に形成されている嵌合凹部13,14に嵌合する。
このようにして
図4に示す箱18Aが組み立てられる。
【0035】
図5は
図1に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の他例を示す説明図、
図6は
図5に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【0036】
図5、
図6に示す組立例では、先ず、底部2の相対向する二辺に設けられている第1側壁部4を第1折線3から谷折りして立ち上げるとともに、底部2の他の相対向する二辺に設けられている第2側壁部6を第2折線5から谷折りして立ち上げ、この第1側壁部4と第2側壁部6の立ち上げと同期して、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている四角形の折込部10を、対角線となる第5折線9を谷折りし、そして第3折線7から谷折りし第4折線8から山折りして第2側壁部6の外面側に折り込む。
【0037】
折込部10を第2側壁部6の外面側に折り込んだとき、折込部10の第2側壁部6側の開放辺に形成された嵌合凹部13および第2側壁部6の開放辺に形成された嵌合凹部14は相互に重なる。
【0038】
次に、折込部10の第1側壁部4側の開放辺に設けられた係止片部12を第6折線11から谷折りして内方に倒し、折込部10の第2側壁部6側の開放辺および第2側壁部6の開放辺に形成されている嵌合凹部13,14に嵌合する。さらに詳細には、係止片部12構成する連接部16を第6折線11から谷折りして内方に倒し、折込部10の第2側壁部6側の開放辺および第2側壁部6の開放辺に形成されている嵌合凹部13,14に嵌合する。
このようにして
図6に示す箱18Aが組み立てられる。
【0039】
このように、第1例の組立箱用ブランクシート1Aによれば、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている折込部10を、第3折線7、第4折線8から谷折りし第5折線9から山折りして内方に二つ折りしながら、底部2から第1側壁部4と第2側壁部6を第1折線3、第2折線5から谷折りして立ち上げ、二つ折りした折込部10を第2側壁部6の内面側に折り込み第2側壁部6の内面に重ね、この状態から、折込部10の開放辺に設けられている係止片部12を第6折線11から山折りして外方に倒し、折込部10の第2側壁部6側の開放辺および第2側壁部6の開放辺に形成されている嵌合凹部13,14に嵌合する、または、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている折込部10を、第3折線7から谷折りし、第4折線8から山折りし第5折線9から谷折りして外方に二つ折りしながら、底部2から第1側壁部4と第2側壁部6を第1折線3、第2折線5から谷折りして立ち上げ、二つ折りした折込部10を第2側壁部6の外面側に折り込み第2側壁部6の外面に重ね、この状態から、折込部10の開放辺に設けられている係止片部12を第6折線11から谷折りして内方に倒し、折込部10の第2側壁部6側の開放辺および第2側壁部6の開放辺に形成されている嵌合凹部13,14に嵌合する、といった簡単な作業で箱18Aを組み立てることができる。
【0040】
また、折込部10の開放辺および第2側壁部6の開放辺に形成された嵌合凹部13,14の深さがシート厚を超える深さとなっており、そして、折込部10の第1側壁部4側の開放辺に設けられた係止片部12を構成する係止部15は嵌合凹部13,14より広幅となっており、連接部16は嵌合凹部13,14と略同幅で且つ嵌合凹部13,14と略同深さの切り込み17により形成されているので、係止片部12の連接部16を第6折線11から折り曲げて嵌合凹部13,14に嵌合したとき、連接部16は嵌合凹部13,14に密に嵌合した状態となり、且つ係止部15は第2側壁部6に係止し嵌合凹部13,14から抜け止めされた状態となり、係止片部12と嵌合凹部13,14との間に確実な係止状態が得られ、第2側壁部6と、第2側壁部6の内面側または外面側に折り込まれた折込部10を確実に固定することができる。
なお、図示はしないが、嵌合凹部13,14および連接部16については複数設けてもよく、例えば、嵌合凹部13,14の中央付近に突起部を設け、その両側を嵌合凹部とし、それに対応するよう連接部16の中央付近に前記突起部が嵌合する嵌合穴を設けてもよい。
【0041】
また、第1例の組立箱用ブランクシート1Aは、箱の内面となる一面に耐液体性の塗料がコーティングされているので、組み立てられた箱18Aは、内容物が液状物であっても内容物が漏れたり、また箱18Aが脆弱化してしまうといったことが起こりにくくなる。
【0042】
上記のようにして、第1例の組立箱用ブランクシート1Aで組み立てられる箱18Aには蓋体がない。第1例の組立箱用ブランクシート1Aに蓋体を形成できる構成が設けてあれば好適である。蓋体の構成としては特に限定されるものはない。
以下に、特に好適な蓋体を備えた箱を組み立てることができる組立箱用ブランクシートを本発明の実施の形態の第2例、第3例、第4例として示す。
【0043】
図7~
図12は本発明に係る組立箱用ブランクシートの実施の形態の第2例を示すものであり、
図7は第2例の組立箱用ブランクシートの平面図、
図8は
図7に示す組立箱用ブランクシートの一部拡大図、
図9は
図7に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の一例を示す説明図、
図10は
図9に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図、
図11は
図7に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の他例を示す説明図、
図12は
図11に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【0044】
第2例の組立箱用ブランクシート1Bは、第1例の組立箱用ブランクシート1Aで組み立てられた箱18Aを箱本体19として、この箱本体19に蓋体20を一体に備える箱18Bを組み立てるものであって、第2例の組立箱用ブランクシート1Bは第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同一の構成を有しており、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0045】
第2例の組立箱用ブランクシート1Bは、
図7に示す様に、第1例の組立箱用ブランクシート1Aにおける、底部2の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線3を介して連接する一方の第1側壁部4の開放辺に、矩形状の蓋天板部21が、第7折線22を介して一方の縦辺を連接して設けられている。蓋天板部21の他方の縦辺には第8折線23を介して連接する蓋第1側壁部24が設けられ、蓋天板部21の横辺となる相対向する二辺には、それぞれ第9折線25を介して連接する蓋第2側壁部26が設けられている。蓋第1側壁部24の両側辺には、第10折線27を介して連接し、蓋第2側壁部26の内面側又は外面側に折り込まれる折込片28が設けられている。
【0046】
蓋第2側壁部26の側開放辺には、第11折線29を介して連接する係止片部30が設けられ、折込片28の蓋第1側壁部24側の開放辺には、折込片28が第11折線29から蓋第2側壁部26の内面側又は外面側に折り込まれたとき、折込片28の開放辺に設けられた係止片部30を嵌合する嵌合凹部31が形成されている。
【0047】
折込片28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成された嵌合凹部31は、開放辺の端縁からシート厚を超える深さに切り取って形成されている。
【0048】
蓋第2側壁部26の先端側開放辺に設けられた係止片部30は、嵌合凹部31より広幅の係止部32と、嵌合凹部31に嵌合可能な幅を有し、蓋第2側壁部26の先端側開放辺に連接している連接部33とからなる。連接部33は折込片28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成された嵌合凹部31と略同幅で、且つ嵌合凹部31と略同深さの2本切り込み34により形成され、切り込み34の先端を結ぶ線が第11折線29となっている。
【0049】
次に、
図7に示す第2例の組立箱用ブランクシート1Bによる箱の組立を説明する。
図9は
図7に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の一例を示す説明図、
図10は
図9に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【0050】
図9、
図10に示す組立例を説明する。
組立箱用ブランクシート1Bにおける第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同一の構成の部分で箱本体19を組み立てる。箱本体19の組立については第1例の組立箱用ブランクシート1Aによる箱18Aと同じなので、第1例の組立箱用ブランクシート1Aによる箱18Aの組立を援用してその説明を省略し、蓋体20の組立についてのみ説明する。
【0051】
第1例と同様の組立により箱本体19を組み立てたら、蓋第1側壁部24を第8折線23から谷折りして蓋天板部21から立ち上げ、折込片28を第10折線27から谷折りして蓋第1側壁部24から立ち上げ、蓋第2側壁部26を第9折線25から谷折りして蓋天板部21から立ち上げ、折込片28を蓋第2側壁部26の内面に重ねる。
【0052】
そして、この状態から蓋第2側壁部26の先端側開放辺に設けられている係止片部30を第11折線29から谷折りして内方に倒し、係止片部30を折込部28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成されている嵌合凹部31に嵌合する。さらに詳細には、係止片部30を構成する連接部33を第11折線29から谷折りして内方に倒し、折込部28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成されている嵌合凹部31に嵌合する。
このようにして
図10に示す箱18Bの蓋体20が組み立てられる。
【0053】
図11は
図7に示す組立箱用ブランクシートを用いて箱を組み立てる過程の他例を示す説明図、
図12は
図11に示す組立過程により組み立てられた箱を示す斜視図である。
【0054】
図11、
図12に示す組立例を説明する。
組立箱用ブランクシート1Bにおける第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同一の構成の部分で箱本体19を組み立てる。箱本体19の組立については第1例の組立箱用ブランクシート1Aによる箱18Aと同じなので、第1例の組立箱用ブランクシート1Aによる箱18Aの組立を援用してその説明を省略し、蓋体20の組立についてのみ説明する。
【0055】
第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同様の組立により箱本体19を組み立てたら、蓋第2側壁部26を第9折線25から谷折りして蓋天板部21から立ち上げ、蓋第1側壁部24を第8折線23から谷折りして蓋天板部21から立ち上げて、折込片28を第10折線27から谷折りして、立ち上げられた蓋第2側壁部26の外面側に折り込み、蓋第2側壁部26の外面に重ねる。
【0056】
そして、この状態から蓋第2側壁部26の先端側開放辺に設けられている係止片部30を第11折線29から山折りして外方に倒し係止片部30を折込片28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成されている嵌合凹部31に嵌合する。さらに詳細には、係止片部30を構成する連接部33を第11折線29から山折りして外方に倒し、折込片28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成されている嵌合凹部31に嵌合する。
このようにして
図12に示す箱18Bの蓋体20が組み立てられる。
【0057】
このように、第2例の組立箱用ブランクシート1Bによれば、第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同様にして箱本体19を組み立てることができ、そして、蓋第1側壁部24を第8折線23から谷折りして蓋天板部21から立ち上げ、折込片28を第10折線27から谷折りして蓋第1側壁部24から立ち上げ、蓋第2側壁部26を第9折線25から谷折りして蓋天板部21から立ち上げ、折込片28を蓋第2側壁部26の内面に重ね、この状態から蓋第2側壁部26の先端側開放辺に設けられている係止片部30を第11折線29から谷折りして内方に倒し係止片部30を折込部28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成されている嵌合凹部31に嵌合する、または、蓋第2側壁部26を第9折線25から谷折りして蓋天板部21から立ち上げ、蓋第1側壁部24を第8折線23から谷折りして蓋天板部21から立ち上げて、折込片28を第10折線27から谷折りして、立ち上げられた蓋第2側壁部26の外面側に折り込み、蓋第2側壁部26の外面に重ね、この状態から蓋第2側壁部26の先端側開放辺に設けられている係止片部30を第11折線29から山折りして外方に倒し係止片部30を折込片28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成されている嵌合凹部31に嵌合することにより蓋体20を組み立てることができるので箱18Bを簡単な作業で組み立てることができる。
【0058】
また、折込片28の蓋第1側壁部24側の開放辺に形成された嵌合凹部31の深さがシート厚を超える深さとなっており、そして、蓋第2側壁部26の先端側開放辺に設けられた係止片部30を構成する係止部32は嵌合凹部31より広幅となっており、連接部33は嵌合凹部31と略同幅で且つ嵌合凹部31と略同深さの切り込み34により形成されているので、係止片部30の連接部33を第11折線29から折り曲げて嵌合凹部31に嵌合したとき、連接部33は嵌合凹部31に密に嵌合した状態となり、且つ係止部32は折込片28に係止し嵌合凹部31から抜け止めされた状態となり、係止片部30と嵌合凹部31との間に確実な係止状態が得られ、蓋第2側壁部26と、蓋第2側壁部26の内面側または外面側に折り込まれた折込片28を確実に固定することができ、堅牢な蓋体20を得ることができる。
【0059】
その他の作用効果は第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同様である。
なお、図示はしないが、蓋第2側壁部26および/または折込片28においては、箱の取り扱いが容易となるよう、適宜穴や切り欠き等による持ち手部を設けてもよい。また、嵌合凹部31および連接部33については複数設けてもよく、例えば、嵌合凹部31の中央付近に突起部を設け、その両側を嵌合凹部とし、それに対応するよう連接部33の中央付近に前記突起部が嵌合する嵌合穴を設けてもよい。
【0060】
図13、
図14は本発明に係る組立箱用ブランクシートの実施の形態の第3例を示すものであり、
図13は第3例の組立箱用ブランクシートの平面図、
図14は
図13に示す組立箱用ブランクシートを用いて組み立てられた箱を示す斜視図である。
【0061】
第3例の組立箱用ブランクシート1Cは、第1例の組立箱用ブランクシート1Aで組み立てられた箱18Aを箱本体19として、この箱本体19に蓋体20を一体に備える箱18Cを組み立てるものであって、第3例の組立箱用ブランクシート1Cは第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同一の構成を有しており、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0062】
第3例の組立箱用ブランクシート1Cは、
図13に示す様に、第1例の組立箱用ブランクシート1Aにおける、底部2の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線3を介して連接する一方の第1側壁部4の開放辺に、矩形状の蓋天板部35が、第12折線36を介して一方の縦辺を連接して設けられている。
【0063】
蓋天板部35の他方の縦辺である開放辺に第13折線37を介して連接する側片部38が設けられ、蓋天板部35と側片部38との間の第13折線37上には差込孔39が設けられている。底部2に第1折線を介して連接する他方の第1側壁部4の開放辺には第14折線40を介して連接する差込孔39に差し込み可能な差込片41が設けられている。
【0064】
このように、第3例の組立箱用ブランクシート1Cによれば、第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同様にして箱本体19を組み立てて、箱18Cを組み立てることができ、そして、蓋天板部35を第12折線36から谷折りし、側片部38を第13折線37から谷折りして第1側壁部4の内面側に折り込み、第1側壁部4に設けられている差込片41を差込孔39に差し込むといった簡単な作業により、開口部を開閉することができる蓋体20を備えた箱18Cを得ることができる。
【0065】
その他の作用効果は第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同様である。
【0066】
図15、
図16は本発明に係る組立箱用ブランクシートの実施の形態の第4例を示すものであり、
図15は第4例の組立箱用ブランクシートの平面図、
図16は
図15に示す組立箱用ブランクシートを用いて組み立てられた箱を示す斜視図である。
【0067】
第4例の組立箱用ブランクシート1Dは、第1例の組立箱用ブランクシート1Aで組み立てられた箱18Aを箱本体19として、この箱本体19に蓋体20を一体に備える箱18Dを組み立てる組立箱用ブランクシート1Dであって、第4例の組立箱用ブランクシート1Dは第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同一の構成を有しており、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0068】
第4例の組立箱用ブランクシート1Dは、
図15に示す様に、第1例の組立箱用ブランクシート1Aにおける、底部2の縦辺となる相対向する二辺にそれぞれ第1折線3を介して連接する一方の第1側壁部4の開放辺に、矩形状の蓋天板部35が、第12折線36を介して一方の縦辺を連接して設けられている。
【0069】
底部2に第1折線を介して連接する他方の第1側壁部4の開放辺に第13折線37を介して連接する側片部38が設けられ、第1側壁部4と側片部38との間の第13折線37上には差込孔39が設けられている。蓋天板部35の他方の縦辺である開放辺には第14折線40を介して連接する差込孔39に差し込み可能な差込片41が設けられている。
【0070】
このように、第4例の組立箱用ブランクシート1Dによれば、第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同様にして箱本体19を組み立てて、箱18Dを組み立てることができ、そして、底部2に第1折線を介して連接する他方の第1側壁部4の開放辺に第13折線37を介して連接する側片部38を第13折線37から谷折りし、蓋天板部35を第12折線36から谷折りして、蓋天板部35に設けられている差込片41を差込孔39に差し込むといった簡単な作業により、開口部を開閉することができる蓋体20を備えた箱18Dを得ることができる。
【0071】
その他の作用効果は第1例の組立箱用ブランクシート1Aと同様である。
【0072】
なお、図示しないが、箱本体の開口部を開閉する蓋体は、第2例、第3例、第4例に限られるものではなく、蓋天板部だけで構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1A、1B、1C、1D 組立用ブランクシート
2 底部
3 第1折線
4 第1側壁部
5 第2折線
6 第2側壁部
7 第3折線
8 第4折線
9 第5折線
10 折込部
11 第6折線
12 係止片部
13、14 嵌合凹部
15 係止部
16 連接部
17 切り込み
18A,18B,18C,18D 箱
19 箱本体
20 蓋体
21 蓋天板部
22 第7折線
23 第8折線
24 蓋第1側壁部
25 第9折線
26 蓋第2側壁部
27 第10折線
28 折込片
29 第11折線
30 係止片部
31 嵌合凹部
32 係止部
33 連接部
34 切り込み
35 蓋天板部
36 第12折線
37 第13折線
38 側片部
39 差込孔
40 第14折線
41 差込片