(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072658
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】吊下げ体補強構造
(51)【国際特許分類】
E04B 9/18 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
E04B9/18 F
E04B9/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183623
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小関 誠子
(72)【発明者】
【氏名】澤井 祥晃
(57)【要約】
【課題】部材数を低減しつつ、地震時における吊下げ体の振れを抑制することを目的とする。
【解決手段】吊下げ体補強構造は、構造物10の外周部に沿って配置される外周フレーム56を有し、外周大梁22及び小梁42に複数の吊り材60を介して吊り下げられる吊り棚50と、外周フレーム56に取り付けられ、外装材72を支持する縦胴縁70と、構造物10の側柱20の室内側に位置する小梁42から、側柱20の両側へ向けて斜め下方へそれぞれ延出し、外周フレーム56に連結される一対の方杖材80と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の外周部に沿って配置される外周フレームを有し、躯体に複数の吊り材を介して吊り下げられる吊下げ体と、
前記外周フレームに取り付けられ、外装材を支持する縦胴縁と、
前記構造物の側柱の室内側に位置する梁又は天井スラブから、前記側柱の両側へ向けて斜め下方へそれぞれ延出し、前記外周フレームに連結される一対の方杖材と、
を備える吊下げ体補強構造。
【請求項2】
前記方杖材の下端部は、前記外周フレームと前記吊り材との連結部に連結される、
請求項1に記載の吊下げ体補強構造。
【請求項3】
前記吊下げ体は、前記外周フレームと交差する方向に沿って配置される内部フレームを有し、
前記方杖材の下端部は、前記外周フレームと前記内部フレームとの連結部に連結される、
請求項1又は請求項2に記載の吊下げ体補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊下げ体補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
天井スラブや梁等の躯体に吊り材を介して吊り下げられる吊り天井が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、躯体に吊り材を介して吊り下げられる吊り棚(ブドウ棚)が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-165110号公報
【特許文献2】特開2014-105506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、外壁を支持する縦胴縁に、吊り棚や吊り天井等の吊下げ体が隣接する場合、地震時に、縦胴縁と吊下げ体とが干渉する可能性がある。
【0006】
この対策として、例えば、吊り材及び吊下げ体を鉛直ブレースや水平ブレースで補強し、地震時における吊下げ体の振れを抑制することが考えられる。
【0007】
しかしながら、この場合、鉛直ブレースや水平ブレース等の部材数が増加してしまう。
【0008】
本発明は、上記の事実を考慮し、部材数を低減しつつ、地震時における吊下げ体の振れを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の吊下げ体補強構造は、構造物の外周部に沿って配置される外周フレームを有し、躯体に複数の吊り材を介して吊り下げられる吊下げ体と、前記外周フレームに取り付けられ、外装材を支持する縦胴縁と、前記構造物の側柱の室内側に位置する梁又は天井スラブから、前記側柱の両側へ向けて斜め下方へそれぞれ延出し、前記外周フレームに連結される一対の方杖材と、を備える。
【0010】
請求項1に係る吊下げ体補強構造によれば、吊下げ体は、躯体に複数の吊り材を介して吊り下げられる。この吊下げ体は、構造物の外周部に沿って配置される外周フレームを有する。外周フレームには、外装材を支持する縦胴縁が取り付けられる。
【0011】
ここで、一対の方杖材は、構造物の側柱の室内側に位置する梁又は天井スラブから、側柱の両側へ向けて斜め下方へそれぞれ延出し、外周フレームに連結される。この一対の方杖材によって外周フレームを補強することにより、地震時における外周フレームの水平二方向の振れを効率的に抑制することができる。
【0012】
したがって、本発明では、鉛直ブレース及び水平ブレースによって吊下げ体を補強する構成と比較して、部材数を削減することができる。
【0013】
さらに、吊下げ体の外周フレームには、前述したように、縦胴縁が取り付けられる。つまり、本発明では、吊下げ体の外周フレームが、縦胴縁の振れ止め材としても機能する。したがって、本発明では、縦胴縁の振れ止め材を省略可能になるため、部材数をさらに低減することができる。
【0014】
請求項2に記載の吊下げ体補強構造は、請求項1に記載の吊下げ体補強構造において、前記方杖材の下端部は、前記外周フレームと前記吊り材との連結部に連結される。
【0015】
請求項2に係る吊下げ体補強構造によれば、方杖材の下端部は、外周フレームと吊り材との連結部に連結される。これにより、地震時における吊り材の水平二方向の振れを効率的に抑制することができる。したがって、地震時における外周フレームの振れがさらに抑制される。
【0016】
請求項3に記載の吊下げ体補強構造は、請求項1又は請求項2に記載の吊下げ体補強構造において、前記吊下げ体は、前記外周フレームと交差する方向に沿って配置される内部フレームを有し、前記方杖材の下端部は、前記外周フレームと前記内部フレームとの連結部に連結される。
【0017】
請求項3に係る吊下げ体補強構造によれば、吊下げ体は、外周フレームと交差する方向に延びる内部フレームを有する。この外周フレームと内部フレームとの連結部に、方杖材の下端部が連結される。これにより、地震時における外周フレームの振れがさらに抑制される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、部材数を低減しつつ、地震時における吊下げ体の振れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態に係る吊下げ体補強構造が適用された構造物の所定階を示す平断面図である。
【
図2】
図1に示される構造物の吊り棚を示す平断面図である。
【
図4】比較例に係る構造物を示す
図3に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、一実施形態について説明する。なお、各図に示される矢印X方向及び矢印Y方向は、互いに直交する水平二方向を示している。
【0021】
(構造物)
図1には、本実施形態に係る構造物10の所定階が示されている。構造物10は、複数の側柱20、及び複数の中柱30を備えている。側柱20は、構造物10の外周部に間隔を空けて配列されている。隣り合う側柱20には、外周大梁22が架設されている。これらの側柱20及び外周大梁22によって、構造物10の外周部に沿った架構(外周架構)が構成されている。
【0022】
側柱20の室内側には、中柱30がそれぞれ配置されている。複数の中柱30は、側柱20の配列方向(矢印Y方向)に間隔を空けて配列されている。隣り合う中柱30には、大梁32が架設されている。これらの中柱30及び大梁32によって、架構が構成されている。
【0023】
複数の中柱30は、複数の側柱20とそれぞれ対向している。対向する側柱20と中柱30とには、大梁40が架設されている。これらの側柱20、中柱30、及び大梁40によって架構が構成されている。また、隣り合う大梁40には、複数の小梁42(
図2参照)が架設されている。
【0024】
大梁32,40、及び小梁42は、天井スラブ12(
図3参照)を支持している。なお、天井スラブ12、大梁32,40、及び小梁42は、躯体の一例である。また、側柱20、中柱30、大梁32,40、及び小梁42は、一例として、鉄骨造とされているが、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造等でも良い。
【0025】
(吊り棚)
図2に示されるように、構造物10の所定階は、例えば、ホール等の大空間階とされている。この構造物10の所定階の上部には、吊り棚(ブドウ棚)50が設けられている。吊り棚50は、複数の吊り材60を介して、前述した外周大梁22、大梁32,40、及び小梁42(
図1参照)等に吊り下げられている。この吊り棚50に、本実施形態に係る吊下げ体補強構造が適用されている。
【0026】
なお、本実施形態では、吊り材60がH形鋼によって形成されている。しかし、吊り材60は、H形鋼に限らず、例えば、他の形鋼や鋼管鋼、吊りボルト等でも良い。また、吊り棚50は、吊下げ体の一例である。
【0027】
吊り棚50は、複数の内部フレーム52、及び複数の外周フレーム56を有している。複数の内部フレーム52、及び複数の外周フレーム56は、一例として、角形鋼管によって形成されている。複数の内部フレーム52は、平面視にて、格子状に連結されている。このように格子状に連結された内部フレーム52の外周部に、外周フレーム56が設けられている。
【0028】
なお、
図1では、吊り棚50(内部フレーム52及び外周フレーム56)の図示が省略されている。
【0029】
図3に示されるように、内部フレーム52の下面には、複数の天井下地材54が設けられている。天井下地材54は、一例として、C形鋼によって形成されており、隣り合う内部フレーム52に架け渡されている。この天井下地材54には、図示しない天井材が取り付けられる。
【0030】
なお、
図2では、天井下地材54の図示が省略されている。また、天井下地材54は、省略可能である。
【0031】
外周フレーム56は、構造物10の外周部(
図2の矢印Y方向)に沿って配置されている。また、外周フレーム56は、隣り合う側柱20の間に配置されている。換言すると、外周フレーム56は、側柱20の両側にそれぞれ配置されている。各外周フレーム56は、側柱20と接合されておらず、側柱20とは構造的に縁が切られている。
【0032】
各外周フレーム56には、複数(本実施形態では、2本)の内部フレーム52が連結されている。複数の内部フレーム52は、各外周フレーム56の室内側に、外周フレーム56と交差(本実施形態では、略直交)する方向(矢印X方向)に沿って配置されている。換言すると、内部フレーム52は、外周フレーム56から室内側へ延出している。これらの内部フレーム52は、外周フレーム56の長手方向(
図2の矢印Y方向)に間隔を空けて配置されている。
【0033】
なお、本実施形態では、
図2に示されるように、外周フレーム56を略三等分する位置に、内部フレーム52及び吊り材60が接合されている。しかし、内部フレーム52及び吊り材60の数や配置は、適宜変更可能である。
【0034】
図3に示されるように、内部フレーム52の長手方向の一端部は、外周フレーム56の長手方向の中間部に連結されている。具体的には、外周フレーム56における内部フレーム52との連結部Jには、室内側へ延出するブラケット58が設けられている。このブラケット58に、内部フレーム52の一端部がボルト及びナットによって連結されている。
【0035】
外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jは、吊り材60を介して外周大梁22に吊り下げられている。具体的には、外周大梁22は、H形鋼によって形成されている。この外周大梁22は、上下方向に互いに対向する上側フランジ部22A及び下側フランジ部22Bと、上側フランジ部22A及び下側フランジ部22Bを接続するウェブ部22Cとを有している。
【0036】
外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jには、上方へ延出するブラケット58が設けられている。このブラケット58に、吊り材60の下端部がボルト及びナットによって連結されている。
【0037】
一方、吊り材60の上端部は、外周大梁22の下側フランジ部22Bの下面から下方へ延出するブラケット24に、ボルト及びナットによって連結されている。この吊り材60によって、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jが吊り下げ支持されている。
【0038】
内部フレーム52の長手方向の中間部は、吊り材60を介して小梁42に吊り下げられている。具体的には、小梁42は、H形鋼によって形成されている。この小梁42は、上下方向に互いに対向する上側フランジ部42A及び下側フランジ部42Bと、上側フランジ部42A及び下側フランジ部22Bを接続するウェブ部42Cとを有している。
【0039】
内部フレーム52における吊り材60との連結部Sには、上方へ延出するブラケット53が設けられている。このブラケット53に、吊り材60の下端部がボルト及びナットによって連結されている。
【0040】
一方、吊り材60の上端部は、小梁42の下側フランジ部22Bの下面から下方へ延出するブラケット48に、ボルト及びナットによって連結されている。この吊り材60によって、内部フレーム52の中間部が吊り下げ支持されている。
【0041】
(縦胴縁)
図2に示されるように、外周フレーム56の室外側には、外装材72の下地材である複数の縦胴縁70が取り付けられている。複数の縦胴縁70は、一例として、C形鋼によって形成されている。また、複数の縦胴縁70は、上下方向に沿って配置されるとともに、外周フレーム56の長手方向(矢印Y方向)の間隔を空けて配置されている。
【0042】
図3に示されるように、縦胴縁70は、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに取り付けられている。具体的には、縦胴縁70には、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jから室外側へ延出するブラケット59に、ボルト及びナットによって連結されている。
【0043】
なお、縦胴縁70は、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに限らず、外周フレーム56の他の部位に取り付けられても良い。また、本実施形態では、
図2に示されるように、側柱20の室外側にも縦胴縁70が配置されている。この縦胴縁70は、側柱20から室外側へ延出する図示しないブラケット等に取り付けられている。
【0044】
(外装材)
縦胴縁70の室外側には、外装材72が配置されている。外装材72は、例えば、ALC等の外壁パネルによって形成されている。この外装材72は、図示しないビス等によって複数の縦胴縁70の室外側に取り付けられており、複数の縦胴縁70によって支持されている。
【0045】
(方杖材)
図2に示されるように、吊り棚50の外周部は、複数の方杖材80が設けられている。複数の方杖材80は、側柱20の両側にそれぞれ配置された外周フレーム56の振れ(変形)を抑制する補強部材(補剛部材)である。各方杖材80は、例えば、H形鋼やC形鋼に、鋼管鋼等によって形成されており、引張力及び圧縮力を負担可能とされている。
【0046】
一対の方杖材80は、側柱20の室内側に配置された大梁40と小梁42との接合部から、側柱20の両側へ向けて斜め下方へそれぞれ延出し、側柱20の両側に配置された外周フレーム56に連結されている。
【0047】
具体的には、
図3に示されるように、小梁42における大梁40との接合部(端部)には、側柱20側へ突出するガセットプレート44が設けられている。ガセットプレート44は、小梁42の上側フランジ部42Aと下側フランジ部42Bとの間に配置されており、これらの上側フランジ部42A、下側フランジ部42B、及びウェブ部42Cに溶接等によって接合されている。このガセットプレート44の上端部に、方杖材80の上端部がボルト及びナットによって連結されている。
【0048】
なお、小梁42におけるガセットプレート44と反対側には、補強リブ46が設けられているが、補強リブ46は適宜省略可能である。また、小梁42と方杖材80とは、ボルト及びナットに限らず、溶接等によって接合されても良い。
【0049】
方杖材80の下端部は、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに連結されている。具体的には、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jには、ガセットプレート44が設けられている。このガセットプレート44に、方杖材80の下端部がボルト及びナットによって連結されている。なお、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jには、前述したように、吊り材60の下端部が連結されている。
【0050】
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0051】
先ず、比較例に係る構造物100について説明する。
図4には、比較例に係る構造物100が示されている。この構造物100では、隣り合う側柱20に振れ止め材(横架材)102が架設されており、この振れ止め材102によって縦胴縁70を支持することにより、縦胴縁70の振れが抑制されている。
【0052】
ここで、比較例に係る構造物100では、吊り棚110の外周フレーム112が縦胴縁70に隣接して配置されている。この場合、地震時に、縦胴縁70と外周フレーム112とが干渉する可能性がある。この対策として、比較例に係る構造物100では、吊り棚110の外周部が、鉛直ブレース120及び図示しない水平ブレースによって補強されている。これにより、地震時における縦胴縁70と外周フレーム112との干渉が抑制されている。
【0053】
しかしながら、比較例に係る構造物100では、鉛直ブレース120や水平ブレース等の部材数が増加してしまう。なお、鉛直ブレース120は、矢印X方向に沿った鉛直構面に配置されている。
【0054】
これに対して本実施形態の吊り棚50は、
図3に示されるように、構造物10の外周部に沿って配置される外周フレーム56を有している。外周フレーム56には、外装材72を支持する縦胴縁70が取り付けられている。
【0055】
ここで、一対の方杖材80は、構造物10の側柱20の室内側に位置する大梁40と小梁42との接合部から、側柱20の両側へ向けて斜め下方へそれぞれ延出し、外周フレーム56に連結されている。この一対の方杖材80によって外周フレーム56が補強することにより、地震時における外周フレーム56の水平二方向(矢印X方向及び矢印Y方向)の振れを効率的に抑制することができる。
【0056】
したがって、本実施形態では、比較例に係る構造物100のように、鉛直ブレース120及び水平ブレースによって吊り棚110を補強する構成と比較して、部材数を削減することができる。
【0057】
さらに、吊り棚50の外周フレーム56には、前述したように、縦胴縁70が取り付けられている。つまり、本実施形態では、吊り棚50の外周フレーム56が、縦胴縁70の振れ止め材としても機能する。したがって、本実施形態では、縦胴縁70の振れ止め材を省略可能になるため、部材数をさらに低減することができる。
【0058】
また、方杖材80の下端部は、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに連結されている。これにより、地震時における吊り材60の水平二方向の振れを効率的に抑制することができる。したがって、地震時における外周フレーム56の振れがさらに抑制される。
【0059】
さらに、吊り棚50は、外周フレーム56と交差する方向に延びる内部フレーム52を有している。この外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに、方杖材80の下端部が連結されている。これにより、地震時における外周フレーム56の振れがさらに抑制される。
【0060】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
【0061】
上記実施形態では、方杖材80の下端部が、吊り棚50の外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに連結されている。しかし、方杖材80の下端部は、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに限らず、外周フレーム56における他の部位に連結されても良い。
【0062】
これと同様に、上記実施形態では、方杖材80の下端部が、吊り棚50の外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに連結されている。しかし、方杖材80の下端部は、外周フレーム56と内部フレーム52との連結部Jに限らず、外周フレーム56における他の部位に連結されても良い。
【0063】
また、上記実施形態では、方杖材80の上端部が、小梁42における大梁40との接合部(端部)に連結されている。しかし、方杖材80の上端部は、小梁42における大梁40との接合部に限らず、例えば、大梁40における小梁42との接合部や、大梁40の他の部位、大梁40の周辺の天井スラブ12に連結されても良い。
【0064】
また、上記実施形態では、外周フレーム56が、隣り合う側柱20の間に配置されている。しかし、外周フレーム56は、隣り合う側柱20の間に限らず、例えば、側柱20よりも室内側に配置されても良い。この場合、外周フレーム56は、側柱20の位置で分割せずに、連続させても良い。
【0065】
また、上記実施形態における吊り棚50には、天井材や床材が敷設されても良い。また、上記実施形態では、吊下げ体が、吊り棚50とされている。しかし、吊下げ体は、吊り棚50に限らず、吊り天井でも良い。
【0066】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0067】
10 構造物
20 側柱
12 天井スラブ
50 吊り棚(吊下げ体)
52 内部フレーム
56 外周フレーム
60 吊り材
70 縦胴縁
72 外装材
80 方杖材
J 連結部(外周フレームと吊り材との連結部、
外周フレームと内部フレームとの連結部)