(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007267
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】施工ロボット管理システム、および、施工ロボット管理方法
(51)【国際特許分類】
E04G 21/00 20060101AFI20240111BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20240111BHJP
G01C 15/00 20060101ALI20240111BHJP
G01C 15/02 20060101ALI20240111BHJP
E04G 21/14 20060101ALI20240111BHJP
E04G 21/02 20060101ALI20240111BHJP
E04G 21/12 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
E04G21/00 ESW
G06Q50/08
G01C15/00 103C
G01C15/02
E04G21/14
E04G21/02 103Z
E04G21/12 105A
E04G21/12 105Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108656
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】石川 厚史
(72)【発明者】
【氏名】跡治 昌吉
(72)【発明者】
【氏名】澤木 孝之
(72)【発明者】
【氏名】横田 彰志
(72)【発明者】
【氏名】菊地 伸治
(72)【発明者】
【氏名】腰塚 久洋
【テーマコード(参考)】
2E172
2E174
5L049
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172DB07
2E172DE02
2E172HA03
2E174DA01
2E174DA41
2E174DA52
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】一人または複数の利用者が、一つまたは複数の工程を効率的に進める。
【解決手段】施工ロボット管理システム1000は、図面データを記憶する図面データ記憶部641と、図面データ記憶部641に記憶された図面データを所定形式のデータを生成して変換する図面データ変換部611と、所定形式のデータおよび工程指示に基づいて、施工を実施する施工ロボット1a~1yと、並列で進行する複数の工事のうち、何れかの工事の次工程が施工ロボット1a~1yのうち何れかによって着手可能ならば、その施工ロボットに作業を開始させる工程計画部613とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工場所の図面データを記憶する図面データ記憶部と、
前記図面データ記憶部に記憶された前記図面データを所定形式のデータを生成して変換する図面データ変換部と、
前記所定形式のデータおよび工程指示に基づいて、施工を実施する施工ロボットと、
並列で進行する複数の工事のうち、何れかの工事の次工程が前記施工ロボットによって着手可能ならば、当該施工ロボットに作業を開始させる工程計画部と、
を備えることを特徴とする施工ロボット管理システム。
【請求項2】
前記施工ロボットから収集した作業実績情報を記憶する施工情報記憶部を更に備え、
前記工程計画部は、前記図面データ記憶部に記憶された前記図面データおよび前記施工情報記憶部に記憶された複数の工程の前記作業実績情報を、端末および/または他の施工ロボットに出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項3】
前記図面データ記憶部に記憶された図面データにある作業内容の情報および/または前記施工情報記憶部に記憶された作業実績のデータに基づいて、本システムの実施量を利用者毎に集計する施工データ分析部、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項4】
前記施工データ分析部は、前記利用者毎の本システムの使用量に応じた料金を表示部に表示させる、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項5】
前記施工データ分析部は、前記図面データ記憶部に記憶された前記図面データおよび前記施工情報記憶部に記憶された複数の工程の前記作業実績情報に基づいて、施工に関する品質情報を分析する、
ことを特徴とする請求項3に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項6】
前記施工データ分析部は、インサート位置の高さとコンクリート床面の高さとの差に基づいて、コンクリート厚を計算する、
ことを特徴とする請求項5に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項7】
前記施工データ分析部は、インサート位置の高さと床鉄筋の結束高さとの差に基づいて、前記床鉄筋の下側のかぶり量を計算する、
ことを特徴とする請求項5に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項8】
前記施工データ分析部は、床鉄筋の結束高さとコンクリート床面の高さとの差に基づいて、前記床鉄筋の上側のかぶり量を計算する、
ことを特徴とする請求項5に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項9】
前記施工データ分析部は、コンクリート打設よりも前の床面高さとコンクリート打設以降の床面高さとの差に基づいて、コンクリート厚を計算する、
ことを特徴とする請求項5に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項10】
前記施工情報記憶部は、各工程計画情報を記憶し、
前記工程計画部は、前記施工情報記憶部に記憶された各前記工程計画情報から何れかの工程を選定して前記施工ロボットに指示すると共に、前記施工ロボットから収集した進捗情報および作業実績情報を前記施工情報記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項11】
前記工程計画部は、デッキプレート墨出工程に加えて、床鉄筋結束工程、および、インサート穴あけ工程、インサート設置工程、コンクリ床面墨出工程のうち何れかを前記施工ロボットに指示する、
ことを特徴とする請求項9に記載の施工ロボット管理システム。
【請求項12】
図面データ記憶部に記憶された施工場所の図面データを所定形式のデータを生成して変換するステップと、
前記所定形式のデータおよび工程指示に基づいて、施工ロボットが施工を実施するステップと、
工程計画部が、並列で進行する複数の工事のうち、何れかの工事の次工程が前記施工ロボットによって着手可能ならば、当該施工ロボットに作業を開始させるステップと、
を実行することを特徴とする施工ロボット管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施工ロボット管理システム、および、施工ロボット管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建設工事に於いて、ロボットが工程の何れかを担当して省力化することが行われている。ロボットが担当する工程は、例えばデッキプレート墨出しである。
特許文献1には、図面データから部品の固定位置を第1の墨打ち位置として抽出し、この図面データから部品同士の結合位置を第2の墨打ち位置として抽出し、更に自律走行する墨打ちロボットに自身の位置を検知させつつ、第1の墨打ち位置または第2の墨打ち位置まで走行させ、この墨打ちロボットに、第1または第2の墨打ち位置の床面に墨を印刷させる発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている墨打ちロボットは、建設工事におけるデッキプレート墨出しに限定されている。しかし、それ以外の施工への適用は何ら触れられていない。
更に、建設工事では、一つまたは複数の工程が並列で進められることが多い。特許文献1には、並列で進められる工程に、どのように墨打ちロボットを割り当てるかについては何ら記載されていない。
そこで、本発明は、一人または複数の利用者が、一つまたは複数の工程を効率的に進めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するため、本発明の施工ロボット管理システムは、施工場所の図面データを記憶する図面データ記憶部と、前記図面データ記憶部に記憶された前記図面データを所定形式のデータを生成して変換する図面データ変換部と、前記所定形式のデータおよび工程指示に基づいて、施工を実施する施工ロボットと、並列で進行する複数の工事のうち、何れかの工事の次工程が前記施工ロボットによって着手可能ならば、当該施工ロボットに作業を開始させる工程計画部と、を備える。
【0006】
本発明の施工ロボット管理方法は、図面データ記憶部に記憶された施工場所の図面データを所定形式のデータを生成して変換するステップと、前記所定形式のデータおよび工程指示に基づいて、施工ロボットが施工を実施するステップと、工程計画部が、並列で進行する複数の工事のうち、何れかの工事の次工程が前記施工ロボットによって着手可能ならば、当該施工ロボットに作業を開始させるステップと、を実行する。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一人または複数の利用者が、一つまたは複数の工程を効率的に進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る施工ロボット管理システムの構成図である。
【
図3】施工ロボットとタブレットと測量機の相互動作を示す図である。
【
図10】工程設計者による工程登録処理のフローチャートである。
【
図11】各施工設計者による作業内容登録のフローチャートである。
【
図12】作業中と工程遷移の処理のフローチャートである。
【
図14A】コンクリート厚算出処理のフローチャートである。
【
図14B】床鉄筋の下側のかぶり量算出処理のフローチャートである。
【
図14C】床鉄筋の上側のかぶり量算出処理のフローチャートである。
【
図15】コンクリート厚とかぶり量を説明する図である。
【
図16】施工ロボットによる床面の点群情報の取得を説明する図である。
【
図17】平面の床面の点群情報の取得を説明する図である。
【
図18】凹凸面の床面の点群情報の取得を説明する図である。
【
図22】第1実施例の作業実績データを示す図である。
【
図23】各施工ロボットが担当する工程を示す図である。
【
図24】第2実施例の作業実績データを示す図である。
【
図25】第2実施例の作業実績データに基づく料金算出処理のフローチャートである。
【
図26】第2実施例の作業実績データをタブレットに表示した画面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る施工ロボット管理システム1000の構成図である。
図1に示すように、施工ロボット管理システム1000は、現場に配置されている施工ロボット1a~1yと、測量機2a~2yと、各作業員が有するタブレット3a~3yと、データセンタに設置されているサーバ6とを含んで構成される。サーバ6は、設計事務所の設計者が操作する端末91~93と、監督者が操作するタブレット8と通信可能に接続されている。施工ロボット管理システム1000は、建築工事の各工程を省力化するものである。そしてサーバ6は、図面データ変換部611と、施工データ分析部612と、工程計画部613と、図面データ記憶部641と、施工情報記憶部642とを含んで構成される。サーバ6は、ネットワークと不図示の無線LAN(Local Area Network)ルータを介してタブレット3a~3yや端末91~93などと通信する。
【0010】
図面データ記憶部641は、各工程で必要とされる施工場所の図面データを記憶する。ここで図面データとは、各CAD(Computer Aided Design)アプリのデータ形式や、各施工ロボット1が作業するときの作業データ形式である。設計者または監督者は、工程設計のために、図面データ記憶部641に記憶された別工程の図面データを参照したり、設計値に対する実績データを記憶させる。
【0011】
施工情報記憶部642は、作業の流れとなる全体工程計画情報を記憶する。設計者または監督者は、作業の流れとなる全体工程計画情報を登録し、これを参照することで作業工程を進める。施工情報記憶部642には、作業中に、作業がどのように進捗しているかの情報が更新される。施工情報記憶部642には、自身が管理する施工ロボット1の情報が記憶され、各施工ロボット1の状況データが更新登録され、作業実績データ(統計情報など)が記憶される。
【0012】
図面データ変換部611は、図面データ記憶部641に保管される複数種の図面データを、所定形式の作業データに変換する。図面データ変換部611は、登録データより必要なデータを抽出して、計算して新たな所定形式のデータを生成して登録する。
【0013】
施工データ分析部612は、図面データ記憶部641に記憶された図面データにある作業内容の情報、および/または、施工情報記憶部642に記憶された作業実績のデータに基づいて、本システムの使用量を使用者毎に集計し、集計した使用量に応じた料金を算出して表示させる。更に施工データ分析部612は、図面データ記憶部641や施工情報記憶部642に記憶されたデータを活用し、コンクリート厚の計算等を行い、結果を図面データ記憶部641または/および施工情報記憶部642へ登録する。
【0014】
工程計画部613は、並列で進行する複数の工事のうち、何れかの工事の次工程が施工ロボット1によって着手可能ならば、この施工ロボット1に作業を開始させる。これにより一人または複数の利用者(作業者)が、一つまたは複数の工程を効率的に進めることが可能となる。更に工程計画部613は、施工情報記憶部642に登録された全体工程計画情報を基に、工程管理を行う。工程計画部613は、図面データ記憶部641に記憶された図面データおよび施工情報記憶部642に記憶された複数の工程の作業実績情報を端末91~93、タブレット3a~3yおよび/または施工ロボット1に出力する。そして、工程計画部613は、行うべき工程を選定し、行うべき作業者に指示すると共に、進捗情報を施工情報記憶部642へ更新登録する。工程計画部613は、デッキプレート墨出工程に加えて、床鉄筋結束工程、および、インサート穴あけ工程、インサート設置工程、コンクリ床面墨出工程のうち何れかを施工ロボット1に指示する。
これにより工程計画部613は、施工ロボット1から収集した複数の工程の作業実績情報を後工程に活用することができる。
【0015】
なお、
図1には複数の設計者と、複数の作業者とが示されているが、各設計者と各作業者は同一人物であってもよい。
図1には、複数の施工ロボット1が示されているが、同一ロボットで複数でも、異種ロボットで複数でも、作業するロボットがなく人による作業の入出力でもよい。図面データ変換部611は、図面データ記憶部641にあるデータを、必要なデータ形式に変換する部分であり、作業結果を踏まえて新しい図面データを作成してもよい。
【0016】
図2は、施工ロボット1とタブレット3と測量機2の相互動作を示す図である。これら施工ロボット1とタブレット3と測量機2は、
図1に示す施工ロボット1a~1yと、測量機2a~2yと、各作業員が有するタブレット3a~3yの組み合わせのうち何れかである。
図2に示すように、施工ロボット1は、指向性プリズム11を備える。施工ロボット1は、自律的に走行する機能と、所定の精度をもって墨出しする機能と、床鉄筋を結束する機能と、インサート穴あけ機能と、インサート設置機能と、コンクリート床面墨出し機能とを有する。測量機2は、レーザー等により施工ロボット1に設けられた指向性プリズム11を追尾して、その位置を測定する三次元計測手段である。
【0017】
サーバ6は、設計者、監督者、または作業者によって操作されて、施工ロボット1の作業データ(墨打ちデータやインサートデータなど)を作成するものである。タブレット3は、作業者によって操作される携帯端末である。施工ロボット1と、測量機2と、タブレット3と、サーバ6は、相互に通信可能である。
【0018】
図3は、建築施工手順のフローチャートである。建築施工を開始すると、作業者が鉄骨を組み立て(ステップS10)、柱・梁鉄筋を組み立てて、型枠を建て込む(ステップS11)。そして、作業者は、デッキプレートを敷設する(ステップS12)。
【0019】
作業者は、施工ロボット1を用いて、デッキプレートを墨出しする(ステップS13)。具体的にいうと、作業者は、サーバ6を用いてCADデータから墨打ちデータを作成し、この墨打ちデータを施工ロボット1に送信する。作業者は、タブレット3により各墨打ち位置を含む墨打ちデータを施工ロボット1に入力する。作業者が現場の基準芯を計測して墨打ちの開始を指示すると、施工ロボット1は、墨打ちを開始する。以降、作業者は、タブレット3により、墨打ち状況をモニタする。施工ロボット1は、デッキプレートの墨出しの際に、走行面の高さを計測して、計測したデッキプレートの高さ情報をサーバ6に送信する。
【0020】
施工ロボット1は、デッキプレートの各位置に於ける高さ情報を計測することで、後段のインサート用の穴あけ位置を調整する。
【0021】
なお、デッキプレートは、凹凸の波形状であり、かつ斜面部分には穴を開けられない場合がある。施工ロボット1は、左右のセンサで墨出し位置が斜面と認識した場合には、墨出し位置を平坦部に調整して墨出しする。
【0022】
次に作業者は、床鉄筋を組み立てる(ステップS14)。そして作業者は、施工ロボット1を用いて、床鉄筋を結束する(ステップS15)。具体的にいうと、作業者は、サーバ6を用いてCADデータから床鉄筋結束データを作成し、この床鉄筋結束データを施工ロボット1に送信する。作業者は、タブレット3により各床鉄筋結束位置を含む床鉄筋結束データを施工ロボット1に入力する。作業者が床鉄筋結束の開始を指示すると、施工ロボット1は、床に張り巡らされた床鉄筋の上を走行し、床鉄筋の結束を開始する。以降、作業者は、タブレット3により、床鉄筋結束状況をモニタする。施工ロボット1は、床鉄筋の結束の際に、床鉄筋の高さと、床鉄筋下側の接平面の高さを計測して、計測した床鉄筋の高さ情報をサーバ6に送信する。これにより、サーバ6は、床鉄筋のかぶり厚を全面にて正確に把握できる。更に施工ロボット1は、床鉄筋の結束時に、結束位置を測量して各鉄筋の位置を記憶するので、後工程にてドリルなどで穴を開ける場合に、ドリルの床鉄筋への衝突を防止できる。
【0023】
作業者は、施工ロボット1を用いて、インサート用の穴を開ける(ステップS16)。具体的にいうと、作業者は、サーバ6を用いてCADデータからインサート穴あけデータを作成し、このインサート穴あけデータを施工ロボット1に送信する。作業者は、タブレット3により各インサート穴あけ位置を含むインサート穴あけデータを施工ロボット1に入力する。作業者がインサート穴あけの開始を指示すると、施工ロボット1は、インサート穴あけを開始する。以降、作業者は、タブレット3により、インサート穴あけの施工状況をモニタする。
【0024】
作業者は、施工ロボット1を用いて、インサート設置する(ステップS17)。具体的にいうと、作業者は、サーバ6を用いてCADデータからインサート設置データを作成し、このインサート設置データを施工ロボット1に送信する。作業者は、タブレット3により各インサート設置位置を含むインサート設置データを施工ロボット1に入力する。作業者がインサート設置の開始を指示すると、施工ロボット1は、インサート設置を開始する。以降、作業者は、タブレット3により、インサート設置の施工状況をモニタする。
【0025】
作業者は、床型枠の建込とコンクリート打設とを実施し(ステップS18)、耐火被覆を施工する(ステップS19)。その後、作業者は、コンクリート床面の墨出しを実施する(ステップS20)。具体的にいうと、作業者は、サーバ6を用いてCADデータからコンクリート床面墨出しデータを作成し、このコンクリート床面墨出しデータを施工ロボット1に送信する。作業者は、タブレット3により各コンクリート床面墨出し位置を含むコンクリート床面墨出しデータを施工ロボット1に入力する。作業者がコンクリート床面墨出しの開始を指示すると、施工ロボット1は、コンクリート床面墨出しを開始する。以降、作業者は、タブレット3により、コンクリート床面墨出しの施工状況をモニタする。施工ロボット1は、コンクリート床面の墨出しの際に、走行面の高さを計測して、計測したコンクリート床面の高さ情報をサーバ6に送信する。これにより、サーバ6は、コンクリートの厚さを全面にて正確に把握できる。
【0026】
作業者は、設備を設置して(ステップS21)、天井と壁下の地組を行い(ステップS22)、室内建具を取り付ける(ステップS23)。そして作業者は、天井・壁ボードを貼ったのち(ステップS24)、床工事を実施すると(ステップS25)、
図2の処理を終了する。なお、
図2の各ステップを実行する作業者は、それぞれ異なる者であってもよい。
【0027】
本実施形態によれば、自律的に走行する施工ロボット1が機械的に施工するため、建築工事における墨打ち作業、床鉄筋結束作業、インサート穴あけ作業、インサート設置作業を省力化できる。
【0028】
図3は、施工ロボット1とタブレット3と測量機2を含む施工ロボット管理システム1000を示す図である。
図3に示すように、施工ロボット1は、追尾型トータルステーションである測量機2によって指向性プリズム11の位置を計測することにより、自己位置を把握する。施工ロボット1は、自己位置の把握と旋回動作、直進動作、後退動作を繰り返して墨位置まで進む。更に施工ロボット1は、所定の精度を確保するため、墨位置近傍でXYステージ範囲内の位置計測を行うことで、各施工の高精度な位置決めを行い、各施工を実施する。施工ロボット1は、各施工位置について、これらの処理を繰り返す。
【0029】
図3に示すように、施工ロボット管理システム1000は、施工ロボット1と、測量機2と、タブレット3と、不図示のサーバ6とを含んで構成される。施工ロボット管理システム1000は、建築工事の各工程を省力化するものである。
【0030】
施工ロボット1は、指向性プリズム11を備え、自律的に走行する機能と、所定の精度をもって墨打ちする機能を有する。測量機2は、レーザー等により施工ロボット1に設けられた指向性プリズム11を追尾して、その位置を測定する三次元計測手段である。
サーバ6は、作業者によって操作されて、施工ロボット1の作業データを作成するものである。ここで施工ロボット1の作業データとは、墨打ち位置のデータ、床鉄筋の結束位置のデータ、インサート穴あけ位置のデータなどをいう。タブレット3は、作業者によって操作される携帯端末である。施工ロボット1と、測量機2と、タブレット3と、サーバ6は、相互に無線で通信可能である。
【0031】
作業者は、サーバ6を用いてCADデータから各作業データを作成し、この作業データを施工ロボット1に送信する。作業者は、タブレット3により各作業位置を含む作業データを施工ロボット1に入力する。作業者が作業の開始を指示すると、施工ロボット1は、作業を開始する。以降、作業者は、タブレット3により、施工ロボット1による作業状況をモニタする。
【0032】
施工ロボット1は、追尾型トータルステーションである測量機2によって指向性プリズム11の位置を計測することにより、自己位置を把握する。施工ロボット1は、自己位置の把握と旋回動作、直進動作、後退動作を繰り返して所定位置まで進む。更に施工ロボット1は、所定の精度を確保するため、所定位置近傍でXYステージ範囲内の位置計測を行うことで、高精度な位置決めを行い、指示された作業を実施する。施工ロボット1は、各墨位置について、これらの処理を繰り返す。
【0033】
本実施形態によれば、自律的に走行する施工ロボット1が機械的に作業するため、建築工事における作業を省力化できる。
【0034】
図4は、サーバ6の構成図である。
サーバ6は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63、記憶部64を備える。CPU61は、RAM63を作業領域として、ROM62や記憶部64に格納されたプログラムやデータを実行するプロセッサである。
【0035】
ROM62は、不揮発性メモリであり、例えばBIOS(Basic Input/Output System)に代表されるファームウェア等を記憶している。RAM63は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリである。記憶部64は、フラッシュメモリやハードディスク等の大容量記憶装置である。記憶部64は、図面データ記憶部641、施工情報記憶部642、図面データ変換アプリ643、施工データ分析アプリ644、工程計画アプリ645などを格納している。
【0036】
CPU61が図面データ変換アプリ643を実行することにより、
図1に示した図面データ変換部611が具現化される。CPU61が施工データ分析アプリ644を実行することにより、
図1に示した施工データ分析部612が具現化される。CPU61が工程計画アプリ645を実行することにより、
図1に示した工程計画部613が具現化される。
【0037】
サーバ6は更に、通信部65、ディスプレイ66、入力部67を備える。ディスプレイ66は、例えば液晶方式の表示装置であり、文字や図形や記号を表示する表示手段である。入力部67は、キーボードやマウスであり、作業者が文字情報やポインティング情報を入力する。
【0038】
図5は、タブレット3の構成図である。
タブレット3は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶部34を備える。CPU31は、RAM33を作業領域として、ROM32や記憶部34に格納されたプログラムやデータを実行するプロセッサである。
【0039】
ROM32は、不揮発性メモリであり、ファームウェア等を記憶している。RAM33は、例えばDRAMやSRAMなどの揮発性メモリである。記憶部34は、フラッシュメモリ等の大容量記憶装置である。記憶部34は、コントロールアプリ341などを格納している。
【0040】
タブレット3は更に、無線通信部35、タッチパネルディスプレイ36を備える。無線通信部35は、例えばWi-Fi(登録商標)方式で外部装置と通信する。タッチパネルディスプレイ36は、例えば透明なタッチパネルと液晶方式のディスプレイとが積層されて構成され、文字や図形や記号を表示する表示手段であると共に、ポインティング情報を入力する入力手段でもある。
【0041】
図6は、施工ロボット1の外観図である。
図7は、施工ロボット1を用いたシステムのブロック図である。以下、
図6と
図7を参照して施工ロボット1の各部を説明する。
図6と
図7に示すように、施工ロボット1は、フレーム10、指向性プリズム11、プリンタ12、アクチュエータ13、走行アクチュエータ15、回転・昇降アクチュエータ19、表示灯181~183、バンパセンサ101、開口部センサ102を備える。更に施工ロボット1は、
図7に示すように、無線LAN親機16、制御部17、障害物検知センサ14、記憶部172を備える。なお、施工ロボット1は更に、床鉄筋結束作業、インサート穴あけ作業、インサート設置作業に係る部位を備え、更に床鉄筋の上側の接平面と下側の接平面の高さを計測する部位を備えているが、ここでは記載を省略している。
【0042】
制御部17は、この施工ロボット1を統括して制御する制御手段である。この制御部17は、走行アクチュエータ15により走行した際に、回転・昇降アクチュエータ19により指向性プリズム11が測量機2の方向に向くように、この指向性プリズム11を回転させる。
【0043】
記憶部172は、例えばフラッシュメモリやハードディスクなどの大容量記憶装置であり、ここではロボット制御アプリ173を格納している。
【0044】
無線LAN親機16は、制御部17に接続されて、測量機2やタブレット3と無線通信する通信手段である。障害物検知センサ14は、この施工ロボット1の前方に障害物が存在するか否かを検知するセンサである。障害物検知センサ14は、前方にレーザーを照射し、検出する物の距離から障害物を検出する。また、障害物検知センサ14は、前方斜め下方を向かせることで、床面形状を計測することができる。
【0045】
バンパセンサ101は、障害物検知センサ14の死角や、急な飛び出しなどで、障害物検知センサ14で検出しきれない場合の万が一に備え、障害物との接触を検出し、走行停止する。
【0046】
建設中の現場では、上下階をつなぐ開口が存在する。開口部センサ102は、このような開口を検出するものである。施工ロボット1は、開口部センサ102により、ロボット接地位置よりも前方で床までの距離を監視して、所定の深さ以上であり床が検出できない場合に開口と判断し、自身の走行を停止する。
表示灯181~183は、この施工ロボット1の状態を外部に報知するための報知手段である。
【0047】
フレーム10は、アクチュエータ13や、制御部17、無線LAN親機16を支持するものである。このアクチュエータ13は、Y軸アクチュエータ131とX軸アクチュエータ132とを含んで構成される。本実施形態のフレーム10は、互いに直交させたY軸アクチュエータ131とX軸アクチュエータ132の各長手方向に沿った枠状、換言すると平面視で矩形に形成されている。このフレーム10の枠内は、後述するプリンタ12と指向性プリズム11とが移動可能な二次元領域となる。
【0048】
走行アクチュエータ15は、フレーム10を支える4個の車輪を有し、これら車輪の正逆回転を制御して床面上を走行可能な走行手段である。走行アクチュエータ15は、チェーンリンク機構の四輪駆動方式の走行手段であり、超信地旋回と直進と後退とが可能である。
【0049】
X軸アクチュエータ132は、第1アクチュエータであり、フレーム10の対向する左右側部に取り付けられている。本実施形態のX軸アクチュエータ132は、電動式の直動アクチュエータが採用されている。X軸アクチュエータ132は、Y軸アクチュエータ131と回転・昇降アクチュエータ19と指向性プリズム11とプリンタ12を、施工ロボット1の前後方向に進退移動させる。
【0050】
Y軸アクチュエータ131は、第2アクチュエータであり、X軸アクチュエータ132に取り付けられている。Y軸アクチュエータ131は、X軸アクチュエータ132と同様に電動式の直動アクチュエータが採用されている。Y軸アクチュエータ131は、回転・昇降アクチュエータ19を、施工ロボット1の左右方向に進退移動させる。つまりY軸アクチュエータ131は、X軸アクチュエータ132の駆動方向と直交する方向に、回転・昇降アクチュエータ19と指向性プリズム11とプリンタ12を移動させる。
【0051】
回転・昇降アクチュエータ19は、指向性プリズム11を回転させる機能と、プリンタ12を昇降させる機能とを有している。
指向性プリズム11は、測量機2の測距用レーザー光が照射される箇所である。この指向性プリズム11は、測量機2によって光学的に位置が計測される計測ターゲットである。指向性プリズム11は、その中心位置がプリンタ12の位置と一定になるように配設されている。これにより、施工ロボット1は、プリンタ12の位置を正確に測定可能である。更に指向性プリズム11は、回転・昇降アクチュエータ19によって、任意の方向に回転する。これにより、指向性プリズム11は、施工ロボット1の移動後であっても測量機2に正対することができる。
【0052】
プリンタ12は、回転・昇降アクチュエータ19により降下させられて床面に近接すると共に、床面に向けたプリンタヘッドから、直線、十字線などの任意の長さの墨線を描画する。プリンタ12は更に、この墨線の属性情報など、例えば据付けする機器の名称などの文字、図形、記号を床面の墨打ち線の近傍に印字することができる。プリンタ12は、墨打ち工程を実行するための施工ツールであり、この施工ロボット1から自動または手動着脱自在である。
【0053】
本実施形態では、施工ツールとしてプリンタ12を例示したが、作業内容に応じて、施工ツールは、例えば、スプレー、鉄筋結束工具や、インサート挿入器具などに、自動または手動で換装可能に実装される。
【0054】
施工ロボット1は、チェーンリンク機構の四輪駆動の走行アクチュエータ15を備え、超信地旋回と直進と後退とが可能である。走行アクチュエータ15は、フレーム10を支持する4つの車輪を駆動して、この施工ロボット1を走行させる走行手段である。施工ロボット1は、左右の車輪を逆方向に回転させて超信地旋回を行うことができ、左右の車輪を同方向に回転させて前進または後退を行うことができる。
【0055】
図8は、ロボット作業処理のフローチャートである。
作業員は、作業実施するエリアでプリズム位置を測量できる位置に測量機を設置する(ステップS30)。そして作業員は、タブレット3で図面データを読み込んで(ステップS31)、施工ロボット1の距離と角度を校正する(ステップS32)。
これにより作業員は、施工ロボット1に、図面の座標系と実環境の座標系とを対応させる(ステップS33)。具体的にいうと、作業員は、直交する通り芯2本を選択し、それぞれの通り芯上の2点にプリズムを設置し、施工ロボット1に位置を記憶させる。
【0056】
施工ロボット1は、未完了の作業箇所が有るか否かを判定する(ステップS34)。施工ロボット1は、未完了の作業箇所が有るならば(Yes)、ステップS35に進む。施工ロボット1は、未完了の作業箇所が無いならば(No)、
図8の処理を終了する。
【0057】
ステップS35にて、施工ロボット1は、現在位置と姿勢を計測する。そして、施工ロボット1は、目標とする作業位置を選定し(ステップS36)、目標とする作業位置まで移動すると(ステップS37)、作業実施する(ステップS38)。目標とする作業位置まで移動する処理の詳細は、
図9に示されている。
そして、施工ロボット1は、当該作業箇所の状態を「完了」に変更すると(ステップS39)、ステップS34の処理に戻る。
【0058】
図9は、ロボット移動処理のフローチャートであり、
図8のステップS37にて呼び出される。
ステップS50にて、施工ロボット1は、現在位置から見た目標位置への角度が、現在のロボット姿勢に対して許容値以下か否かを判定する。施工ロボット1は、現在位置から見た目標位置への角度が許容値を超えているならば(No)、ステップS51とS52の並行処理に進む。施工ロボット1は、現在位置から見た目標位置への角度が許容値以下ならば(Yes)、ステップS53に進む。
【0059】
ステップS51にて、施工ロボット1は、目標位置への角度になるようにロボット自身を旋回させる。これと並行に、ステップS52にて、施工ロボット1は、プリズムが測量機2の方向に向くように、このプリズムを回転させると、ステップS50に戻る。
【0060】
ステップS53にて、施工ロボット1は、現在位置から目標位置までの距離が許容値以下か否かを判定する。施工ロボット1は、現在位置から目標位置までの距離が許容値を超えているならば(No)、ステップS54とS55の並行処理に進む。施工ロボット1は、現在位置から目標位置までの距離が許容値以下ならば(Yes)、
図9のロボット移動処理を終了する。
【0061】
ステップS54にて、施工ロボット1は、現在位置から目標位置までの距離を、ロボット自身を直進させる。これと並行に、ステップS55にて、施工ロボット1は、プリズムが測量機2の方向に向くように、このプリズムを回転させると、ステップS53に戻る。
【0062】
図10は、工程設計者による工程登録処理のフローチャートである。
工程設計者は、例えば
図1の端末91により、システム上の設計情報を取得する(ステップS60)。このときサーバ6の工程計画部613は、端末91に図面データ記憶部641に記憶された図面データを、この端末91に出力する。
工程設計者は、各工程を設計すると(ステップS61)、システムへ工程情報を登録して(ステップS62)、工程登録処理を終了する。
【0063】
図11は、各施工設計者による作業内容登録のフローチャートである。
施工設計者は、例えば
図1の端末92,93により、システム上の設計情報を取得する(ステップS70)。このときサーバ6の工程計画部613は、端末91に図面データ記憶部641に記憶された図面データを、この端末92,93のうち何れかに出力する。
施工設計者は、自工程における作業内容を設計すると(ステップS71)、システムへ工程情報を登録して(ステップS72)、作業内容登録処理を終了する。作業内容とは、例えばデッキプレートの墨出し、床鉄筋の結束、インサート穴あけ、インサート設置、および、コンクリート床面墨出しである。
【0064】
図12は、作業中と工程遷移の処理のフローチャートである。
サーバ6の工程計画部613は、複数のエリアで並列に進行している複数の工事を確認する(ステップS80)。
そして、ステップS81にて、工程計画部613は、複数の工事の何れかに未完了の工程が有るか否かを判定する。ステップS81にて、工程計画部613は、複数の工事の何れにも未完了の工程が無く、複数の工事の何れかに全ての工程が完了していたならば(No)、
図12の処理を終了する。工程計画部613は、未完了の工程が有るならば(Yes)、ステップS82に進む。これにより、複数エリアでの工程が同時に進行する中で、利用者間の行き来と調整の手間を削減し、施工ロボットの稼働率を向上させることができる。
【0065】
そして、ステップS82にて、工程計画部613は、次工程が選定(着手)できるか否かを判定する。次工程が選定(着手)できるか否かとは、次工程の開始にあたり、次工程に必要な前工程が実施されているか否かをチェックすることを含んでいる。
工程計画部613は、次工程が選定(着手)できないならば(No)、工程状況を表示すると(ステップS83)、
図12の処理を終了する。工程計画部613は、次工程が選定(着手)できるならば(Yes)、ステップS84に進む。
【0066】
ステップS84にて、工程計画部613は、次工程の開始を指示する。次工程の開始とは、作業者を呼び出してロボットを起動することである。
ステップS85にて、工程計画部613は、開始可能状態であるか否かを判定する。工程計画部613は、開始可能状態であるならば(Yes)、ステップS87に進む。工程計画部613は、開始可能状態でないならば、ステップS86に進んでタイムアウトを判定する。工程計画部613は、タイムアウトしたならば(Yes)、
図12の処理を終了する。工程計画部613は、タイムアウトしていないならば(No)、ステップS85の処理に戻る。
【0067】
ステップS87にて、工程計画部613は、作業内容情報をタブレットとロボットへダウンロードする。このとき工程計画部613は、この作業(工程)を担当している利用者の名前、ロボタイプ、ロボットの号機、作業開始時刻を施工結果に記録する。
工程計画部613は、作業を開始し(ステップS88)、作業完了まで作業を監視する(ステップS89)。作業完了時に工程計画部613は、作業終了時刻、作業の実施量(作業点数)などを施工結果に記録する。
次に施工ロボット1が、施工結果をサーバ6にアップロードし(ステップS90)、工程計画部613が当該工程の状態を「完了」に変更すると(ステップS91)、ステップS81に戻る。施工ロボット1がサーバ6にアップロードした施工結果は、後記する作業実績データに格納される。
【0068】
図13は、各エリアの工事の例を示す図である。
エリア#1の工事では、デッキプレート敷設工程71a、デッキプレート墨出工程72a、鉄筋組立工程73a、鉄筋結束工程74a、インサート穴あけ設置工程75aが順に実施される。その後、型枠建込コンクリート打設工程76aを経て、床墨出工程77a、設備設置工程78a、天井・壁下地工程79aが順に実施される。ここでは工程計画部613が、施工ロボットAを、デッキプレート墨出工程72a、鉄筋結束工程74a、インサート穴あけ設置工程75aに割り当てる。その後、工程計画部613は、施工ロボットCを床墨出工程77aに割り当てる。
【0069】
エリア#2の工事では、エリア#1にて鉄筋組立工程73aが実施されているときに、デッキプレート敷設工程71bが開始し、デッキプレート墨出工程72b、鉄筋組立工程73b、鉄筋結束工程74b、インサート穴あけ設置工程75bが順に実施される。その後、型枠建込コンクリート打設工程76bを経て、床墨出工程77b、設備設置工程78b、天井・壁下地工程79bが順に実施される。ここでは工程計画部613が、施工ロボットBを、デッキプレート墨出工程72b、鉄筋結束工程74b、インサート穴あけ設置工程75bに割り当てる。その後、工程計画部613は、施工ロボットCを床墨出工程77bに割り当てる。
【0070】
エリア#3の工事では、エリア#2にて鉄筋組立工程73aが実施され、かつエリア#1にて型枠建込コンクリート打設工程76bが実施されているときに、デッキプレート敷設工程71cが開始する。このとき、エリア#1で施工ロボットAが関与する工程は全て完了している。エリア#3では、デッキプレート墨出工程72c、鉄筋組立工程73c、鉄筋結束工程74c、インサート穴あけ設置工程75cが順に実施される。その後、型枠建込コンクリート打設工程76cを経て、床墨出工程77c、設備設置工程78c、天井・壁下地工程79cが順に実施される。ここでは工程計画部613が、施工ロボットAを、デッキプレート墨出工程72c、鉄筋結束工程74c、インサート穴あけ設置工程75cに割り当てる。その後、工程計画部613は、施工ロボットCを床墨出工程77cに割り当てる。
【0071】
エリア#4の工事では、エリア#3にて鉄筋組立工程73cが実施され、かつエリア#2にて型枠建込コンクリート打設工程76bが実施されているときに、デッキプレート敷設工程71dが開始する。このとき、エリア#2で施工ロボットBが関与する工程は全て完了している。エリア#4では、デッキプレート墨出工程72d、鉄筋組立工程73d、鉄筋結束工程74d、インサート穴あけ設置工程75dが順に実施される。その後、型枠建込コンクリート打設工程76dを経て、床墨出工程77d、設備設置工程78d、天井・壁下地工程79dが順に実施される。ここでは工程計画部613が、施工ロボットBを、デッキプレート墨出工程72d、鉄筋結束工程74d、インサート穴あけ設置工程75dに割り当てる。その後、工程計画部613は、施工ロボットCを床墨出工程77dに割り当てる。
【0072】
本発明によれば、工程計画部613は、
図13に示すような複数のエリアの作業を効率的に進めようとするときに、他のエリアの作業の進捗状況などを参照し、複数のロボット全体の稼働効率を高めている。ここで複数のエリアとは、階層が異なる複数のエリア、および、同一階かつ複数の場所などのことをいう。
【0073】
図14Aは、コンクリート厚算出処理のフローチャートである。
端末91~93の何れかが、施工データ分析部413へ、コンクリート厚の測定要求が送信されると、コンクリート厚算出処理が開始する。この処理が起動する前提は、インサート位置の墨出し作業時、コンクリート位置の墨出し作業時ともに見渡せる1点または複数点の柱または壁等の位置の位置情報が記憶されていることである。施工データ分析部413は、コンクリート打設よりも前の床面高さとコンクリート打設以降の床面高さとの差に基づいて、コンクリート厚を計算する。
【0074】
ステップS100にて、施工データ分析部413は、インサート位置の墨出し作業位置情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、インサート位置の墨出し作業位置情報が有るならば(Yes)、ステップS101に進む。施工データ分析部413は、インサート位置の墨出し作業位置情報が無いならば(No)、
図14Aの処理を終了する。
【0075】
ステップS101にて、施工データ分析部413は、コンクリート床面の墨出し作業位置情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、コンクリート床面の墨出し作業位置情報が有るならば(Yes)、ステップS102に進む。施工データ分析部413は、コンクリート床面の墨出し作業位置情報が無いならば(No)、
図14Aの処理を終了する。
【0076】
ステップS102にて、施工データ分析部413は、基準高さ情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、基準高さ情報が有るならば(Yes)、ステップS103に進む。施工データ分析部413は、基準高さ情報が無いならば(No)、
図14Aの処理を終了する。
【0077】
ステップS103にて、施工データ分析部413は、コンクリート床面の墨出し位置3点で作る三角形に平面的に含まれるインサート位置を特定する。そして、施工データ分析部413は、コンクリート床面のインサート位置に対する垂直線と、三角形平面との交点を求める(ステップS104)。施工データ分析部413は、三角形平面の交点の基準高さと、インサート位置の基準高さとの差を求めて、コンクリート厚さを算出する(ステップS105)。施工データ分析部413は、端末へ算出結果であるコンクリート厚さを出力する(ステップS106)。コンクリート厚さは、施工に関する品質情報のひとつである。
【0078】
なお、各工程の作業位置に限らず、別途(わざわざ)格子状に移動させる工程を実施し、その際の位置情報を記憶しておくことで、等間隔なコンクリート厚情報を取得することができる。
【0079】
図14Bは、床鉄筋の下側のかぶり量算出処理のフローチャートである。
端末91~93の何れかが、施工データ分析部413へ、床鉄筋の下側のかぶり量の測定要求が送信されると、床鉄筋の下側のかぶり量算出処理が開始する。この処理が起動する前提は、インサート位置の墨出し作業時、床鉄筋の結束作業時ともに見渡せる1点または複数点の柱または壁等の位置の位置情報が記憶されていることである。
【0080】
ステップS110にて、施工データ分析部413は、インサート位置の墨出し作業位置情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、インサート位置の墨出し作業位置情報が有るならば(Yes)、ステップS111に進む。施工データ分析部413は、インサート位置の墨出し作業位置情報が無いならば(No)、
図14Bの処理を終了する。
【0081】
ステップS111にて、施工データ分析部413は、床鉄筋結束位置情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、床鉄筋結束位置情報が有るならば(Yes)、ステップS112に進む。施工データ分析部413は、床鉄筋結束位置情報が無いならば(No)、
図14Bの処理を終了する。
【0082】
ステップS112にて、施工データ分析部413は、基準高さ情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、基準高さ情報が有るならば(Yes)、ステップS113に進む。施工データ分析部413は、基準高さ情報が無いならば(No)、
図14Bの処理を終了する。
【0083】
ステップS113にて、施工データ分析部413は、上面から視たときにコンクリート床面の墨出し位置3点で作る三角形に含まれる、インサート位置を特定する。そして、施工データ分析部413は、床鉄筋結束位置に対する垂直線と三角形平面との交点を求める(ステップS114)。施工データ分析部413は、三角形平面の交点の基準高さと、床鉄筋結束位置の下側に接する平面の基準高さとの差を求めて、床鉄筋の下側のかぶり量を算出する(ステップS115)。施工データ分析部413は、端末へ算出結果である床鉄筋の下側のかぶり量を出力する(ステップS116)。床鉄筋の下側のかぶり量は、施工に関する品質情報のひとつである。
【0084】
図14Cは、床鉄筋の上側のかぶり量算出処理のフローチャートである。
端末91~93の何れかが、施工データ分析部413へ、床鉄筋の上側のかぶり量の測定要求が送信されると、床鉄筋の上側のかぶり量算出処理が開始する。この処理が起動する前提は、コンクリート位置の墨出し作業時、床鉄筋の結束作業時ともに見渡せる1点または複数点の柱または壁等の位置の位置情報が記憶されていることである。
【0085】
ステップS120にて、施工データ分析部413は、コンクリート位置の墨出し作業位置情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、コンクリート位置の墨出し作業位置情報が有るならば(Yes)、ステップS121に進む。施工データ分析部413は、コンクリート位置の墨出し作業位置情報が無いならば(No)、
図14Cの処理を終了する。
【0086】
ステップS121にて、施工データ分析部413は、床鉄筋結束位置情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、床鉄筋結束位置情報が有るならば(Yes)、ステップS122に進む。施工データ分析部413は、床鉄筋結束位置情報が無いならば(No)、
図14Cの処理を終了する。
【0087】
ステップS122にて、施工データ分析部413は、基準高さ情報が有るか否かを判定する。施工データ分析部413は、基準高さ情報が有るならば(Yes)、ステップS123に進む。施工データ分析部413は、基準高さ情報が無いならば(No)、
図14Cの処理を終了する。
【0088】
ステップS123にて、施工データ分析部413は、コンクリート位置の墨出し位置3点で作る三角形に平面的に含まれる床鉄筋結束位置を特定する。そして、施工データ分析部413は、床鉄筋結束位置に対する垂直線と三角形平面との交点を求める(ステップS124)。施工データ分析部413は、三角形平面の交点の基準高さと、床鉄筋結束位置の基準高さとの差を求めて、床鉄筋の上側のかぶり量を算出する(ステップS125)。施工データ分析部413は、端末へ算出結果である床鉄筋の上側のかぶり量を出力する(ステップS126)。床鉄筋の上側のかぶり量は、施工に関する品質情報のひとつである。
【0089】
なお、各工程の作業位置に限らず、別途(わざわざ)格子状に移動させる工程を実施し、その際の位置情報を記憶しておくことで、等間隔なコンクリート厚情報を取得することができる。
【0090】
図15は、コンクリート厚と上側と下側のかぶり量を説明する図である。
図15の右側は、コンクリートの打設前の状態であり、左側はコンクリート打設後の状態である。
図15の右側にて、施工ロボット1は、デッキプレート41の上で墨出し作業を行っている。そして、施工ロボット1は、鉄骨柱5に取り付けられた測量機2によって自身の高さを測定している。
【0091】
図15の左側にて、デッキプレート41の上には鉄筋42が張り巡らされており、かつコンクリート43が打設されている。そして施工ロボット1は、コンクリート床44の上で墨出し作業を行っている。このときも施工ロボット1は、鉄骨柱5に取り付けられた測量機2によって自身の高さを測定している。ここでデッキプレート41からコンクリート床44までが、コンクリート厚d
1である。デッキプレート41から鉄筋42の下側の接平面までが、かぶり量d
2である。鉄筋42の結束高さ(上側の接平面)からコンクリート床44までが、かぶり量d
3である。
【0092】
図16は、施工ロボット1による床面の点群情報の取得を説明する図である。
施工ロボット1に搭載された、障害物検知センサ14は、前方斜め下方を向いて設置している。そのため障害物検知センサ14は床面までの距離の点群情報を返す。
【0093】
図17は、平面の床面の点群情報の取得を説明する図である。
施工ロボット1に搭載された障害物検知センサ14は、床面までの距離の点群情報を返している。コンクリート床44は平面なので、障害物検知センサ14が検知した点群情報は、直線状である。
【0094】
図18は、凹凸面の床面の点群情報の取得を説明する図である。
デッキプレート41は凹凸状である。施工ロボット1に搭載された障害物検知センサ14は、以下のように周期的な形状変化が観測でき、凹凸位置を検出できる。
【0095】
図19と
図20は、ロボット作業データを示す図である。
図19はヘッダ情報であり、ロボタイプ情報と号機情報と工程/作業名情報とを含んで構成される。
図20のロボット作業データは、作業日時欄と座標欄と作業内容欄とを含んで構成される。作業内容には、その作業を行う利用者とその状態を含む。利用者は会社や人など、作業実績を集計しやすいキーワードとして入力する。状態は、作業開始前の作業待ち状態は未完了、作業の対象としない場合は保留、作業が実施できた場合は作業完と表示する例ある。これらロボット作業データは、施工情報記憶部642に記憶されている。
【0096】
図21は、施工順データ6420を示す図である。
施工順データ6420は、施工情報記憶部642に記憶されている。施工順データ6420は、工程順欄と、工程名欄と、前提作業欄と、終了後作業欄と、作業開始日時欄と、作業完了日時欄と、進捗欄と、ロボットタイプ欄と、号機欄とを含んで構成される。
【0097】
工程順欄には、工程の順番が格納される。工程名欄には、工程の名称が格納される。前提作業欄には、この工程の前提となる作業が格納される。ここで前提作業とは、作業者によるロボットへの作業開始指示などである。
【0098】
終了後作業欄には、この工程の終了後作業が格納される。ここで終了後作業とは、作業者を呼び出す作業や、インサート穴あけ工程後のインサート設置工程などである。
【0099】
作業開始日時欄には、この作業の開始日時が格納される。作業完了日時欄には、この作業の完了日時が格納される。進捗欄には、この作業の進捗が格納される。ロボットタイプ欄には、この作業を実施するロボットのタイプが格納される。号機欄には、この作業を実施するロボットの号機情報が格納される。
【0100】
図22は、第1実施例の作業実績データ6421を示す図である。
第1実施例の作業実績データ6421は、施工情報記憶部642に記憶されている。作業実績データ6421には、各ロボットが作業した結果データがそれぞれ格納される。作業実績データ6421には、ロボタイプ欄と、号機欄と、作業開始時刻欄と、作業終了時刻欄と、作業内容結果欄とを含んで構成される。そして作業内容結果欄は、工程番号欄と、工程名欄と、実施量欄とを含んでいる。
図1の施工データ分析部612が、この作業実績データ6421を集計する。
【0101】
ロボタイプ欄には、この作業を実施するロボットのタイプが格納される。号機欄には、この作業を実施するロボットの号機情報が格納される。作業開始時刻欄には、この作業の開始時刻が格納される。作業終了時刻欄には、この作業の終了時刻が格納される。
【0102】
工程番号欄には、このロボットが実施した工程の番号が格納される。工程名欄には、このロボットが実施した工程名が格納される。ここでは工程名として、「デッキ墨出し」、「インサート穴あけ」などが格納されている。実施量欄には、このロボットが実施した工程の実施量が格納される。ここでスラッシュ以前には、この工程のうちロボットが実際に実施した作業点数が記載されている。スラッシュ以降には、この工程全体の作業点数が記載されている。
【0103】
図23は、各施工ロボットA~Cが担当した工程を示す図である。
施工ロボットAの担当工程は、デッキプレート墨出工程72a、鉄筋結束工程74a、インサート穴あけ設置工程75a、デッキプレート墨出工程72c、鉄筋結束工程74c、インサート穴あけ設置工程75cである。
【0104】
施工ロボットBの担当工程は、デッキプレート墨出工程72b、鉄筋結束工程74b、インサート穴あけ設置工程75b、デッキプレート墨出工程72d、鉄筋結束工程74d、インサート穴あけ設置工程75dである。
施工ロボットCの担当工程は、床墨出工程77a~77dである。
【0105】
図24は、第2実施例の作業実績データ6422を示す図である。
第2実施例の作業実績データ6422は、施工情報記憶部642に記憶されている、作業実績データ6422には、利用者欄と、作業開始時刻欄と、作業終了時刻欄と、作業内容結果欄とを含んで構成される。そして作業内容結果欄は、工程番号欄と、工程名欄と、実施量欄とを含んでいる。
図1の施工データ分析部612が、この作業実績データ6422を集計する。
【0106】
利用者欄には、工程番号欄で示される工程にて本システムを使用した利用者の名前が格納される。これ以降の業開始時刻欄と、作業終了時刻欄と、作業内容結果欄とは、第1実施例の作業実績データ6421と同様である。
【0107】
図25は、第2実施例の作業実績データに基づく料金算出処理のフローチャートである。
最初、施工データ分析部612は、図面データ記憶部641に記憶された図面データにある作業内容の情報を取得する(ステップS130)。更に施工データ分析部612は、施工情報記憶部642に記憶された各利用者の作業実績データを取得する(ステップS131)。
【0108】
施工データ分析部612は、図面データにある作業内容の情報および/または各利用者の作業実績のデータに基づき、本システムの作業点数を利用者毎に集計する(ステップS132)。
【0109】
施工データ分析部612は、各工程の作業点数と、利用者毎に集計した作業点数からそれぞれ金額を算出する(ステップS133)。そして施工データ分析部612は、各工程の作業点数と、利用者毎に集計した作業点数と各金額をタブレットに表示させると(ステップS134)、
図25の処理を終了する。これにより施工データ分析部612は、どの利用者が本システムをどれくらい利用したかを示す利用実績をタブレット3a~3yなどに表示させることができる。
【0110】
図26は、第2実施例の作業実績データ6422をタブレットに表示した画面360である。
この画面360は、例えばタブレット3a~3yなどのタッチパネルディスプレイ36に表示される。画面360は、作業内容結果361と、料金合計362を含んでいる。
【0111】
作業内容結果361には、利用者欄と、作業開始時刻欄と、作業終了時刻欄と、作業内容結果欄とを含んで表示されている。作業内容結果欄には、作業内容結果欄は、工程番号欄と、工程名欄と、実施量欄と、料金欄を含んでいる。画面360に、各工程の作業開始時刻と作業終了時刻を合わせて表示させることで、利用者は、集計範囲の工程を理解しやすくなる。
【0112】
料金合計362には、利用者欄と、作業点数合計欄と、料金合計欄を含んで表示されている。複数の利用者は、料金合計362に表示された情報を基に、本システムの利用料(料金)を案分して支払うことができる。なお、本実施例では、作業点数に基づいて実施量を求めているが、稼働時間や、移動距離を考慮して実施量を算出し、その実施量の合計に応じて利用料の合計を算出してもよい。
【0113】
図27は、ロボット情報6423を示す図である。
ロボット情報6423は、施工情報記憶部642に記憶されている。ロボット情報6423には、ロボタイプ欄と、号機欄と、能力欄と、登録日欄とを含んで構成される。
【0114】
ロボタイプ欄には、この作業を実施するロボットのタイプが格納される。号機欄には、この作業を実施するロボットの号機情報が格納される。能力欄には、各作業を実施する能力が有るか否かの情報が格納される。登録日欄には、この情報の登録日が格納される。
【0115】
図28は、ロボット状況データ6424を示す図である。
ロボット状況データ6424は、施工情報記憶部642に記憶されている。ロボット状況データ6424は、ロボタイプ欄と、号機欄と、日時欄と、ロボット状態欄と、作業状態欄とを含んで構成される。
【0116】
ロボタイプ欄には、この作業を実施するロボットのタイプが格納される。号機欄には、この作業を実施するロボットの号機情報が格納される。日時欄には、後述するロボット状態に関する日時が格納される。ロボット状態欄には、ロボットの状態情報が格納される。ここでロボットの状態情報とは、バッテリレベル、インクレベル、非常停止スイッチ情報、測量機のバッテリレベルなどである。作業状態欄には、ロボットの作業状態が格納される。ロボットの作業状態とは、作業中の工程名と、工程進捗を含んで構成される。
【0117】
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0118】
上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路などのハードウェアで実現してもよい。上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈して実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、フラッシュメモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)などの記録媒体に置くことができる。
【0119】
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1000 施工ロボット管理システム
1,1a~1y 施工ロボット
10 フレーム
11 指向性プリズム
12 プリンタ
13 アクチュエータ
131 Y軸アクチュエータ
132 X軸アクチュエータ
14 障害物検知センサ
15 走行アクチュエータ
16 無線LAN親機
17 制御部
172 記憶部
173 ロボット制御アプリ
181 表示灯
182 表示灯
183 表示灯
19 回転・昇降アクチュエータ
2,2a~2y 測量機
3,3a~3y タブレット
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 記憶部
341 コントロールアプリ
35 無線通信部
36 タッチパネルディスプレイ
41 デッキプレート
42 鉄筋
43 コンクリート
44 コンクリート床
5 鉄骨柱
6 サーバ
611 図面データ変換部
612 施工データ分析部
613 工程計画部
641 図面データ記憶部
642 施工情報記憶部
61 CPU
62 ROM
63 RAM
64 記憶部
643 図面データ変換アプリ
644 施工データ分析アプリ
645 工程計画アプリ
65 通信部
66 ディスプレイ
67 入力部
8 タブレット
91~93 端末