(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072724
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】切断機のテスト方法及びその適用可能な切断機
(51)【国際特許分類】
B26D 5/00 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
B26D5/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022183741
(22)【出願日】2022-11-16
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】521411851
【氏名又は名称】東友科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TECO IMAGE SYSTEMS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】12F., No. 503, Sec. 6, Nanjing E.Rd., Neihu Dist., Taipei City 114, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】徐連三
【テーマコード(参考)】
3C024
【Fターム(参考)】
3C024AA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】最適な切断条件を決定するために必要な時間を大幅に節約する切断機のテスト方法及びその適用可能な切断機を提供する。
【解決手段】方法は、刃部を含む切断刃と、切断機の動作を制御可能な制御ソフトウェアと、ユーザによって制御ソフトウェアを設定するための操作インターフェースとを含む切断機を提供することと、ユーザが、操作インターフェースを介して刃部の刃高さ範囲及び切断力範囲を設定することと、制御ソフトウェアが、刃高さ範囲に従って少なくとも1つの刃高さの値を設定し、切断力範囲に従って少なくとも1つの切断力の値を設定することと、制御ソフトウェアが、少なくとも1つの刃高さの値及び少なくとも1つの切断力の値に従って、複数のテスト条件を生成し、各前記複数のテスト条件が1つの刃高さの値及び1つの切断力の値を含むことと、切断機が、1回の切断テスト手順で複数のテスト条件を連続的に実行することと、を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃部を含む切断刃と、切断機の動作を制御するための制御ソフトウェアと、ユーザによって前記制御ソフトウェアを設定するための操作インターフェースとを含む切断機を提供するステップと、
前記ユーザが、前記操作インターフェースを介して前記刃部の刃高さ範囲及び切断力範囲を設定するステップと、
前記制御ソフトウェアが、前記刃高さ範囲に従って少なくとも1つの刃高さの値を設定し、前記切断力範囲に従って少なくとも1つの切断力の値を設定するステップと、
前記制御ソフトウェアが、前記少なくとも1つの刃高さの値及び前記少なくとも1つの切断力の値に従って、複数のテスト条件を生成し、各前記複数のテスト条件が前記少なくとも1つの刃高さの値のうちの1つ及び前記少なくとも1つの切断力の値のうちの1つを含むステップと、
前記切断機が、1回の切断テスト手順で前記複数のテスト条件を連続的に実行するステップと、
を含む切断機のテスト方法。
【請求項2】
前記複数のテスト条件は、各前記少なくとも1つの刃高さの値と各前記少なくとも1つの切断力の値がそれぞれペアリングされたすべての組み合わせを含む、請求項1に記載の切断機のテスト方法。
【請求項3】
前記1回の切断テスト手順で、前記複数のテスト条件のうちの異なるテスト条件は、同一の刃高さの値または同一の切断力の値を含む、請求項1に記載の切断機のテスト方法。
【請求項4】
前記ユーザはさらに、前記操作インターフェースを介して前記制御ソフトウェアに前記少なくとも1つの刃高さの値及び/または前記少なくとも1つの切断力の値を設定する、請求項1に記載の切断機のテスト方法。
【請求項5】
前記制御ソフトウェアは、前記刃高さ範囲及び前記切断力範囲に従って、前記少なくとも1つの刃高さの値及び/または前記少なくとも1つの切断力の値を自動的に設定する、請求項1に記載の切断機のテスト方法。
【請求項6】
前記制御ソフトウェアは、ユーザが選択できるように、複数の被切断材に対応する被切断材のオプションをさらに提供する、請求項1に記載の切断機のテスト方法。
【請求項7】
前記制御ソフトウェアはさらに、選択された被切断材のオプションに従って、少なくとも1つの予め設定された刃高さ範囲及び/または少なくとも1つの予め設定された切断力範囲を提供する、請求項6に記載の切断機のテスト方法。
【請求項8】
前記制御ソフトウェアは前記切断機に事前にロードされ、前記操作インターフェースは前記切断機に設置される、請求項1に記載の切断機のテスト方法。
【請求項9】
前記切断機はコンピュータ装置に接続され、前記制御ソフトウェアは前記コンピュータ装置にインストールされ、前記操作インターフェースは前記コンピュータ装置の操作インターフェースである、請求項1に記載の切断機のテスト方法。
【請求項10】
刃部を含む切断刃と、
切断機の動作を制御するための制御ソフトウェアと、
ユーザによって前記制御ソフトウェアを設定するための操作インターフェースと、
を含む切断機であって、
前記制御ソフトウェアは、前記操作インターフェースを介して前記ユーザによって設定された前記刃部の刃高さ範囲及び前記刃部の切断力範囲を受信し、前記刃高さ範囲に従って少なくとも1つの刃高さの値を設定し、前記切断力範囲に従って少なくとも1つの切断力の値を設定し、前記少なくとも1つの刃高さの値及び前記少なくとも1つの切断力の値に従って複数のテスト条件を生成し、前記切断機を制御して1回の切断テスト手順で前記複数のテスト条件を連続的に実行し、
各前記複数のテスト条件は、前記少なくとも1つの刃高さの値のうちの1つ及び前記少なくとも1つの切断力の値のうちの1つを含む、切断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断機のテスト方法及びその適用可能な切断機、特に複数のテスト条件を連続的に実行できる切断機のテスト方法及びその適用可能な切断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
切断機は、小規模な芸術の創作者向けの道具として普及してきており、例えば、ステッカー、厚紙、皮革、コルクボードなどを切断するために使用され、操作が便利で、成形パターンが精巧であるなどの利点がある。
【0003】
創作途中に、異なる厚さの材料を交換したり、様々な材料の効果を調べるために他の材料を使用したりするなど、常に異なる被切断材を交換・使用して切断する必要があるため、それに伴い、切断力、刃高さなどの切断機の切断刃のパラメータを調整して、様々な材料に最適な切断結果を与える操作条件を見つける必要がある。
【0004】
従来技術では、切断機の切断刃の調整は、主に、切断刃のスケールを手動で調整したり、ソフトウェア設定によって制御したりする。一般的に、新しい被切断材を使用する場合、ユーザは自分の経験に基づいて、切断力、刃高さなどの適切な切断条件を選択し、次に切断テストを実行し、完成品の切断効果が要求を満たしているかどうかを観察し、要求を満たさない場合は、切断条件を変更して、切断結果が望ましい効果を示すまで、切断テストを再度実行することが多い。この過程は、非常に煩雑で、不便であり、時間もかかる。
【0005】
そこで、従来技術の上述の欠点を克服するための切断機のテスト方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、1回のテスト手順で複数のテスト条件を連続的に実行し、最適な切断条件を決定するために必要な時間を大幅に節約することができる切断機のテスト方法及びその適用可能な切断機を提供することにある。
【0007】
本発明の別の目的は、設定された切断力範囲及び刃高さ範囲に従って、それぞれ一連のテスト値を生成し、ペアリングによって各テスト値をカバーする複数のテスト条件を生成し、1回のテスト手順で連続的に実行して、便利で効率的で完全な切断機のテストメカニズムをユーザ提供することができる、切断機のテスト方法及びその適用可能な切断機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、刃部を含む切断刃と、切断機の動作を制御するための制御ソフトウェアと、ユーザによって制御ソフトウェアを設定するための操作インターフェースとを含む切断機を提供することと、ユーザが、操作インターフェースを介して刃部の刃高さ範囲及び切断力範囲を設定することと、制御ソフトウェアが、刃高さ範囲に従って少なくとも1つの刃高さの値を設定し、切断力範囲に従って少なくとも1つの切断力の値を設定することと、制御ソフトウェアが、少なくとも1つの刃高さの値及び少なくとも1つの切断力の値に従って、複数のテスト条件を生成し、各前記複数のテスト条件が少なくとも1つの刃高さの値のうちの1つ及び少なくとも1つの切断力の値のうちの1つを含むことと、切断機が、1回の切断テスト手順で複数のテスト条件を連続的に実行することとを含む、切断機のテスト方法を提供する。
【0009】
一実施形態では、複数のテスト条件は、各前記少なくとも1つの刃高さの値と各前記少なくとも1つの切断力の値がそれぞれペアリングされたすべての組み合わせを含む。
【0010】
一実施形態では、1回の切断テスト手順で、複数のテスト条件のうちの異なるテスト条件は、同一の刃高さの値または同一の切断力の値を含む。
【0011】
一実施形態では、ユーザはさらに、操作インターフェースを介して制御ソフトウェアに少なくとも1つの刃高さの値及び/または少なくとも1つの切断力の値を設定する。
【0012】
一実施形態では、制御ソフトウェアは、刃高さ範囲及び切断力範囲に従って少なくとも1つの刃高さの値及び/または少なくとも1つの切断力の値を自動的に設定する。
【0013】
一実施形態では、制御ソフトウェアは、ユーザが選択できるように、複数の被切断材に対応する被切断材のオプションをさらに提供する。
【0014】
一実施形態では、制御ソフトウェアはさらに、選択された被切断材のオプションに従って、少なくとも1つの予め設定された刃高さ範囲及び/または少なくとも1つの予め設定された切断力範囲を提供する。
【0015】
一実施形態では、制御ソフトウェアは切断機に事前にロードされ、操作インターフェースは切断機に設置される。
【0016】
一実施形態では、切断機はコンピュータ装置に接続され、制御ソフトウェアはコンピュータ装置にインストールされ、切断機の操作インターフェースはコンピュータ装置の操作インターフェースである。
【0017】
上記目的を達成するために、本発明は、切断刃と、制御ソフトウェアと、操作インターフェースとを含む切断機も提供する。切断刃は刃部を含み、制御ソフトウェアは前記切断機の動作を制御するために使用され、操作インターフェースはユーザによって制御ソフトウェアを設定するためのものである。さらに、制御ソフトウェアは、操作インターフェースを介してユーザによって設定された刃部の刃高さ範囲及び刃部の切断力範囲を受信し、刃高さ範囲に従って少なくとも1つの刃高さの値を設定し、切断力範囲に従って少なくとも1つの切断力の値を設定し、少なくとも1つの刃高さの値及び少なくとも1つの切断力の値に従って複数のテスト条件を生成し、切断機を制御して1回の切断テスト手順で複数のテスト条件を連続的に実行し、各複数のテスト条件は、少なくとも1つの刃高さの値のうちの1つ及び少なくとも1つの切断力の値のうちの1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態による切断機を示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による切断機における切断刃を示す概略図である。
【
図3A】本発明の一実施形態によるテスト設定画面を示す概略図である。
【
図3B】本発明の一実施形態によるテスト設定画面を示す概略図である。
【
図3C】本発明の一実施形態によるテスト設定画面を示す概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるテスト切断パターンを示す概略図である。
【
図5】本発明の別の実施形態によるテスト設定画面を示す概略図である。
【
図6】本発明のまた別の実施形態によるテスト設定画面を示す概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態による切断機のテスト方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の特徴と利点を示すいくつかの典型的な実施形態について、後述の説明において詳細に記述する。本発明は異なる態様において様々な変更を加えることができ、いずれも本発明の範囲から逸脱することなく、かつその説明及び図面は本質的に説明するために用いられものであり、本発明を限定する意図はないことを理解されたい。
【0020】
図1及び
図2を参照する。
図1は本発明の一実施形態による切断機を示す概略図であり、
図2は本発明の一実施形態による切断機における切断刃を示す概略図である。切断機1は、本体10、被切断材を切断するための切断刃11、及び被切断材を前後に移動させるためのローラ12を有する。さらに、切断刃11は、位置決め座110、モータ111、及び刃部112を含み、モータ111は、刃部112の切断力を制御し、刃部112の刃高さを調整するために用いられる。
【0021】
また、切断機1は、切断機の動作を制御するための制御ソフトウェアと、ユーザによって制御ソフトウェアを設定するための操作インターフェースをさらに含む。一実施形態では、制御ソフトウェアは切断機に事前にロードされ、前記操作インターフェースは切断機に設置される。別の実施形態では、制御ソフトウェアは、切断機に接続されたコンピュータ装置、例えば、USBなどの有線通信方式や、ブルートゥースなどの無線通信方式で接続されたデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはモバイルデバイスなどにインストールされ、前記操作インターフェースは前記コンピュータ装置の操作インターフェースである。從って、実際の要求に応じて異なる実施形態を選択することができ、限定されない。また、切断機には、切断機の動作を実現するためのコントローラ、メモリ、回路システムなどの構成も含まれるが、これに限定されず、これらはこの分野で一般的な技術手段であるため、ここでは繰り返さない。
【0022】
ユーザは、操作インターフェースを介して設定を行って、切断機1を制御する。ユーザが設定を完了すると、制御ソフトウェアは、コントローラに命令を出力して、切断機1の動作を制御し、例えば、位置決め座110の移動方式、移動速度、ローラ12の転がり速度、及び/または刃部112の刃高さ及び/または切断力などを制御する。その後、コントローラは、命令に従って様々な動作を行い、切断手順を完成させる。この部分の詳細な内容も、この分野で一般的な技術的手段であるため、ここでは繰り返さない。
【0023】
次に、
図3A~3C及び
図4を参照する。
図3A~3Cは本発明の一実施形態によるテスト設定画面を示す概略図であり、
図4は本発明の一実施形態によるテスト切断パターンを示す概略図である。本発明はさらに、切断機のテスト方法を提供し、ユーザが材料の切断を開始する前に、このテスト方法によって最適な切断条件を決定することができる。操作インターフェースは、さらにテスト設定インターフェースを含み、テスト設定インターフェースでは、テストを実行するための基準となる様々なテストパラメータを設定することができる。好ましい実施形態では、
図3A~
図3Cに示すように、パラメータ設定は、被切断材を選択することから始まる。テスト設定画面20において、ユーザは、プルダウンメニューを介して、PET、PVC、コート紙、クラフト紙、皮革、コルクボードなどの予め設定された適用可能な材料を選択することができ、これらに限定されない。材料を選択した後、テスト設定画面22でテストされるパラメータの範囲を選択する。設定可能なパラメータは、切断力及び刃高さを含むが、これらに限定されず、切断力は、刃部112に加えられる力の大きさに関連し、刃高さは、刃部112の露出した高さであり、刃部112の切り込み深さに関連するものである。この実施形態では、切断力及び刃高さの選択可能な範囲は、選択された材料に基づいて提供され、例えば、材料がPVCとして選択される場合、切断力のオプションは、それに応じて適用可能な力の範囲、例えば、30~40gf及び40~50gfを提供し、切断高さのオプションもそれに応じて適用可能な高さの範囲、例えば、0.8~1.0mm及び1.0~1.2mmを提供する。すなわち、材料が決定されると、ユーザが選択できるように、切断機1の仕様に応じて、選択された材料に対応する適用範囲のオプションを提供する。次に、テスト設定画面24において、ユーザは、星形、三角形、四角形、円形などのテスト中に切断するパターンを選択することができるが、これらに限定されず、選択が確定すると、パラメータの設定が完了する。
【0024】
切断力の範囲と刃高さの範囲が選択された後、制御ソフトウェアはさらに、選択された範囲に従ってテストされる数値を設定する。一方、制御ソフトウェアは、選択された切断力範囲に基づいて複数の切断力の値を設定し、例えば、選択された範囲が30~40gfの場合、切断力の値は30gf、35gf及び40gfに設定することができる。一方、制御ソフトウェアは、選択された刃高さ範囲内で複数の刃高さの値も設定し、例えば、選択された範囲が1.0~1.2mmの場合、刃高さは1.0mm、1.1mm及び1.2mmに設定することができる。次に、制御ソフトウェアはさらに、設定された複数の切断力の値及び複数の刃高さの値に従って、複数のテスト条件を1つずつペアリングによって生成する。例えば、切断力の値30gfは、刃高さ1.0mm、1.1mm及び1.2mmとそれぞれ組み合わせ、切断力の値35gfは、刃高さ1.0mm、1.1mm及び1.2mmとそれぞれ組み合わせ、切断力の値40gfも、刃高さ1.0mm、1.1mm及び1.2mmとそれぞれ組み合わせて、合計9つのテスト条件を生成できる。その後、制御ソフトウェアは、生成された複数の条件に従って、コントローラに命令を送信し、切断機1を駆動して前記複数のテスト条件を連続的に実行する。例えば、モータ111は、コントローラの制御によって、刃部112を第1の刃高さに調整し、次に第1の切断力で第1のパターンを切断し、第2の切断力で第2のパターンを切断し、第3の切断力で第3のパターンを切断する。その後、モータ111は、再び制御されることによって、刃部112を第2の刃高さに調整し、同様にそれぞれ3つの切断力で3つのパターンを切断する。次いで、モータ111は、再び制御されることによって、刃部112を第3の刃高さに調整し、それぞれ3つの切断力で3つのパターンを切断する。
【0025】
換言すれば、ユーザが設定を完了して「開始」ボタンを押すと、切断機が自動的に刃高さと切断力をそれぞれ変更して、自動ペアリングによって生成された複数のテスト条件を1回のテスト手順で順次連続的に完了させる。
【0026】
さらに、テスト設定画面24には、切断テスト手順を実行するために使用される材料の量を節約するために、チェック可能な「切断領域最小化」のオプションも提供される。例えば、
図4に示すように、4つのテスト条件、すなわち、テスト条件301、テスト条件302、テスト条件303、及びテスト条件304を実行する必要がある場合、チェックを入れると、テスト時に切断されたパターンは、占有面積を最小限に抑えるために、内側と外側の配置で示される。より多くのテスト条件を実行する必要がある場合は、2つ以上の領域に分割することができる。一方、チェックを外している場合は、1つのテスト条件が1つの領域を単独で占有し、互いに重複しないように実行する。從って、ユーザの使用習慣に応じて調整することができる。
【0027】
上記から、本発明の切断機のテスト方法は、1回のテスト手順で複数のテスト条件を効果的かつ連続的にテストすることができ、ユーザがテスト条件を変更するたびにパラメータ設定を行う必要がないため、操作の複雑さを大幅に簡素化するとともに、テスト時間を大幅に削減できることが分かる。特に、ユーザが新しい被切断材を交換・使用する場合、最初から切断条件を決定することが困難な場合が多く、この切断機のテスト方法により、短時間で様々な切断条件の提示結果を得て確認することができ、その中から要求を満たす切断条件を選択して保存すればよく、便利で効率的な方法である。さらに、例えば、刃部112は、一定期間使用した後に切れ味が変化し、例えば、鈍くなることがあり、または同じ被切断材が異なるバッチのために若干厚さや硬さなどの差があることがあり、切断効果に影響を与えるこれらの違いは、この切断機のテスト方法により、使用前に切断条件を簡単かつ迅速に微調整して、最適な切断効果を達成することができ、極めて効果的な方法である。
【0028】
選択された範囲内の各テスト値は、前記の数値差に限定されず、より小さいまたはより大きい間隔でテストを実行するように設定することができ、被切断材や切断機の仕様に応じて、様々な設定方法があることに留意されたい。さらに、テスト値は、制御ソフトウェアによって自動的に設定してもよく、ユーザが手動で設定してもよい。例えば、選択された範囲内でいくつのテスト値を実行するかをユーザに決定させることができるため、これに対応して、1回のテスト手順で連続的に実行されるテスト条件の数も、設定されたテスト値の数によって変化し、限定されない。
【0029】
周知のように、被切断材のオプションは、切断機の仕様によって様々な可能性があり、それに応じて、様々な被切断材に適用可能な刃部112の刃高さや切断力も異なるため、本発明の切断機のテスト方法は、本明細書及び図面に記載されたオプションや数値などに限定されず、切断機の仕様の違いから導き出される他のオプションや数値にも適用される。
【0030】
図5を参照し、本発明の別の実施形態によるテスト設定画面を示す概略図である。この実施形態では、テスト設定インターフェースは、同じテスト設定画面40で切断力、刃高さ、及び切断パターンのオプションを提供し、ユーザは経験に基づいてテストされる切断力範囲及び刃高さ範囲を自ら選択できる。被切断材の選択がないため、各パラメータの選択可能な範囲が広くなり、ユーザはより自由に適用範囲を選択できる。現在、市場で切断可能な材料の選択肢や変化がますます増えているということに基づいて、このような設定方法により、ユーザは自ら、被切断材の特性や厚さなどを考慮して適切な範囲を選択でき、より柔軟な使用が可能である。本発明による1回の切断手順で複数のテスト条件を完了できる切断機のテスト方法は、特にこのような材料がより変化しやすい場合に適しており、要求に最適なパラメータ設定値を迅速かつ効率的に決定するのに役立つ。
【0031】
切断力範囲及び刃高さ範囲の選択が完了すると、前述と同様に、制御ソフトウェアは、選択された範囲に従ってテストされる一連の数値を設定し、ペアリングによって複数のテスト条件を順次生成し、切断機1を駆動して、1回のテスト手順で前記複数のテスト条件を連続的に実行する。
【0032】
図6を参照し、本発明のまた別の実施形態によるテスト設定画面を示す概略図である。この実施形態では、テスト設定インターフェースは、同じテスト設定画面50で切断力、刃高さ、及び切断パターンのオプションを提供し、ユーザは経験に基づいて使用される切断力及び刃高さのテスト値を直接設定することができる。この画面では、チェックできる「テスト値範囲拡大」のオプションも提供される。このオプションをチェックすると、制御ソフトウェアは、設定された数値を基準として自動的に範囲を拡大してテストを実行する。例えば、切断力を50gfに設定すると、テスト範囲は50±5gfに自動的に拡大し、それに応じて切断力の値を設定し、刃高さを2mmに設定すると、テスト範囲は2±0.2mmに自動的に拡大し、それに応じて刃高さの値を設定する。一方、チェックを外している場合は、テスト中にパラメータが変化しないことを意味し、例えば、ユーザが切断力に対して「テスト値範囲拡大」のオプションをチェックしない場合、生成された複数のテスト条件は、刃高さの値のみを変更し、すなわち、同じ切断力で異なる刃高さに対応してテストを実行する。同様に、刃高さに対して「テスト値範囲拡大」のオプションをチェックしない場合、生成された複数のテスト条件は切断力の値のみを変更し、すなわち、同じ刃高さで異なる切断力をテストすることに相当する。このような設定方法により、さらにユーザにより柔軟なテストオプションを提供する。特に使用経験のあるユーザにとっては、テスト条件の変更方法を自分で簡単に決定することができ、より使用要求に近づける。
【0033】
これまでのところ、上記の異なる実施形態に例示されたテスト条件を決定する様々な方法は、異なる使用経験を持つユーザに適用可能であるため、さらに、ユーザが経験に基づいてどのようなテスト条件決定手順を使用するかを選択するように実施できることが分かる。例えば、
図3A~3B図、
図5、及び
図6に例示された実施形態は、それぞれ初心者ユーザ、中級ユーザ、及び上級ユーザに対応するものと見なし、設定する前に、ユーザは自分がどのようなユーザであるかを選択でき、さらに選択が完了した後、対応するテスト設定画面を提供することで、様々なタイプのユーザの要求を満たす。
【0034】
次に、
図7を参照し、本発明の一実施形態による切断機のテスト方法を示すフローチャートである。
図7に示すように、本発明の切断機のテスト方法は、ステップS1~S5を含む。ステップS1では、切断刃11、操作インターフェース、及び制御ソフトウェアを含む切断機1を提供し、切断刃11は刃部112を含み、制御ソフトウェアは切断機の動作を制御することができ、ユーザは、操作インターフェースを介して制御ソフトウェアを設定することができる。ステップS2では、ユーザは、操作インターフェースを介して刃部の刃高さ範囲及び切断力範囲を設定し、例えば、予め設定された範囲を選択したり、範囲を直接設定したりするように実施することができる。ステップS3では、制御ソフトウェアは、刃高さ範囲に従って少なくとも1つの刃高さの値を設定し、切断力範囲に従って少なくとも1つの切断力の値を設定し、例えば、一連の等差の刃高さの値及び一連の等差の切断力の値を生成する。ステップS4では、制御ソフトウェアは、少なくとも1つの刃高さの値及び少なくとも1つの切断力の値に従って複数のテスト条件を生成し、各テスト条件は、1つの刃高さの値及び1つの切断力の値を含み、ここで、上述したように、異なるテスト条件では、刃高さの値及び切断力の値がそれぞれ異なることに加えて、刃高さの値が同じになるか、切断力の値が同じになるように実施してもよい。最後に、ステップS5では、切断機は、1回の切断テスト手順で前記複数のテスト条件を連続的に実行して、すべてのテスト条件の切断結果を同時に提示し、ユーザが最適な切断条件を決定するための基礎とする。
【0035】
上記のように、本発明は、パラメータの設定範囲に従って一連のテスト値を生成し、各パラメータのテスト値に従って、ペアリングによって複数のテスト条件を自動的に生成し、1回のテスト手順で前記複数のテスト条件を連続的に実行することができる、切断機のテスト方法及びその適用可能な切断機を提供する。便利で効率的な方法でテストを完了することができるだけでなく、最適な切断条件を決定するために費やす時間を大幅に節約でき、極めてメリットがある。
【0036】
上記は、本発明を説明するために提案された好ましい実施形態に過ぎず、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の範囲は特許出願の範囲によって決定されることに留意されたい。本発明は、当業者なら様々な修正を加えることができるが、特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0037】
1:切断機
10:本体
11:切断刃
12:ローラ
110:位置決め座
111:モータ
112:刃部
20、22、24、40、50:テスト設定画面
301、302、303、304:テスト条件
S1、S2、S3、S4、S5:ステップ
【外国語明細書】