(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072733
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
B23Q 17/00 20060101AFI20240521BHJP
B21J 13/02 20060101ALI20240521BHJP
B30B 15/00 20060101ALI20240521BHJP
B30B 15/28 20060101ALI20240521BHJP
B30B 15/14 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B23Q17/00 A
B21J13/02 Z
B30B15/00 B
B30B15/28 K
B30B15/14 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183754
(22)【出願日】2022-11-16
(71)【出願人】
【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 達哉
(72)【発明者】
【氏名】田丸 敬三
【テーマコード(参考)】
3C029
4E087
4E088
4E089
【Fターム(参考)】
3C029EE01
4E087AA09
4E087EA34
4E087EC11
4E087GA08
4E087GA09
4E087GB02
4E087GB03
4E087GB04
4E088JJ04
4E089FC03
4E089GA02
4E089GB01
4E089GB03
4E089GC04
4E089GC05
(57)【要約】
【課題】工作実施部の現在の状態または工作実施状況を検出して監視する構成において、断線や接触不良に起因する故障を削減することができる工作機械を提供する。
【解決手段】工作機械(圧造機1)は、所定の工作を実施する工作実施部(ダイス23、ラム24、パンチ26)と、動作電力が供給されて動作し、工作実施部(パンチ26)の現在の状態または工作実施状況を表す物理量(圧造力F)を検出して検出信号を出力する検出部(ロードセル3)と、動作電力が供給されて動作し、検出信号を非接触で伝送可能な伝送信号に変換して送出する非接触伝送部(4)と、検出部(ロードセル3)および非接触伝送部(4)に非接触で動作電力を供給するワイヤレス給電部(5)と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の工作を実施する工作実施部と、
動作電力が供給されて動作し、前記工作実施部の現在の状態または工作実施状況を表す物理量を検出して検出信号を出力する検出部と、
動作電力が供給されて動作し、前記検出信号を非接触で伝送可能な伝送信号に変換して送出する非接触伝送部と、
前記検出部および前記非接触伝送部に非接触で前記動作電力を供給するワイヤレス給電部と、
を備える工作機械。
【請求項2】
前記工作実施部は、フレームに対して前後方向に往復移動する可動部を有し、
前記検出部および前記非接触伝送部は、前記可動部に設けられ、
前記ワイヤレス給電部は、
前記フレームの前後方向に並べて設けられる複数の一次コイルと、
複数の前記一次コイルに交流電力を供給する交流電源と、
前記可動部の前後方向に並べて設けられ、前記可動部が移動するときに少なくとも1個が前記一次コイルに対向して前記交流電力を非接触で受け取る複数の二次コイルと、
前記可動部に設けられ、複数の前記二次コイルが受け取った前記交流電力から前記動作電力を生成する受電回路と、を有する、
請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
3個以上の前記一次コイルが一定の一次ピッチ距離で並べて設けられ、
3個以上の前記二次コイルが一定でない二次ピッチ距離で並べて設けられる、
請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記工作実施部は、フレームに対して前後方向に往復移動する可動部を有し、
前記検出部および前記非接触伝送部は、前記可動部に設けられ、
前記ワイヤレス給電部は、
前記フレームの前後方向に並べて設けられる複数の永久磁石または電磁石と、
前記可動部の前後方向に並べて設けられ、前記可動部が移動するときに少なくとも1個が前記永久磁石または前記電磁石に対向して電磁誘導作用により交流電圧が誘起される複数の二次コイルと、
前記可動部に設けられ、複数の前記二次コイルに誘起された前記交流電圧から前記動作電力を生成する受電回路と、を有する、
請求項1に記載の工作機械。
【請求項5】
3個以上の前記永久磁石または前記電磁石が一定のピッチ距離で、かつN磁極およびS磁極が交互となるように並べて設けられ、
3個以上の前記二次コイルが前記ピッチ距離で並べて設けられる、
請求項4に記載の工作機械。
【請求項6】
前記受電回路は、
それぞれの入力側が前記二次コイルの各々に接続されるとともに、それぞれの出力側が互いに並列接続または直列接続される複数の全波整流回路と、
複数の前記全波整流回路の並列接続または直列接続に対して接続されるコンデンサと、
前記コンデンサに接続され、前記全波整流回路が出力する直流電力を変換して直流の前記動作電力を生成する直流変換器と、を有して蓄電池を有さない、
請求項2~5のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項7】
前記非接触伝送部は、前記検出信号を無線信号に変換して送信する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項8】
前記無線信号を受信して、前記物理量を表示または記録する受信部を備える、請求項7に記載の工作機械。
【請求項9】
複数種類の前記物理量をそれぞれ検出する複数種類の前記検出部と、
複数種類の前記検出部に対して共通に設けられる前記非接触伝送部と、
複数種類の前記検出部、および前記非接触伝送部に対して共通に設けられる前記ワイヤレス給電部と、
を備える、請求項1に記載の工作機械。
【請求項10】
前記工作実施部は、
フレームに設けられてワークを保持するダイスと、
前記フレームに対して前後方向に移動する可動部と、
前記可動部に設けられて前記可動部とともに移動することにより、前記ダイスと組になって前記ワークに圧造加工を実施するパンチと、を有し、
前記検出部は、前記パンチの現在の状態または工作実施状況を表す前記物理量を検出する、
請求項1~5、7~9のいずれか一項に記載の工作機械。
備える圧造機。
【請求項11】
前記物理量は、圧造加工の際に前記パンチで発生する圧造力であり、
前記非接触伝送部は、前記圧造力の前記検出信号を無線信号に変換して送信する、
請求項10に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作実施部の現在の状態または工作実施状況を表す物理量を検出する検出部を備える工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械の一形態として、複数組のダイスおよびパンチを用いてワークに圧造加工を実施する多工程圧造機が知られている。多工程圧造機では、トランスファー装置によりワークを上流側工程から下流側工程に順送りに搬送して圧造加工を進めてゆく。ここで、ダイスやパンチの現在の状態または工作実施状況を検出して監視することが行われる。例えば、特許文献1の鍛造機は、基台と固定金型の間あるいは可動部と可動金型の間に嵌着される受圧部材と、受圧部材に貼設されて荷重(圧造力)を電気的特性の変化として検出する荷重検出素子と、荷重検出素子を電気的に接続するフレキシブル配線部材とを有する。これによれば、圧造加工のたびに荷重を検出して、ワークの全数検査を行うことができる、とされている。
【0003】
前記の荷重検出素子として、例えば、特許文献2に開示されたブリッジ回路の変換器や、特許文献3に開示された圧力センサを適用することができる。特許文献2に開示された変換器の異常検出装置は、ひずみや荷重を測定するブリッジ回路の変換器の各辺を切り換える手段と、各辺に定電流を供給する手段と、定電流によって発生する電圧を測定する手段と、電圧値からブリッジ回路の各辺の異常を判断する手段と、を具備する。これによれば、ブリッジ回路の各辺および接続ケーブルの断線状態の検出ができる、とされている。
【0004】
また、特許文献3に開示された圧力センサは、ハウジング内に圧電素子と、圧電素子から得られる電気信号を処理する回路基板部と、圧電素子と回路基板部とを接続するリード部とを備え、リード部の一端を回路基板部に貫通させて反対側で接続するとともに、リード部の他端を導電性の弾性部材を介して圧電素子に接続する。これによれば、内部構造の単純化による製造性の向上、製造工数の低減および製造コストの削減を図ることができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-168305号公報
【特許文献2】特開2005-156193号公報
【特許文献3】特開2008-286589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の構成において、荷重検出素子の電源供給用および信号出力用に多芯ケーブルを用いて別置きの制御盤まで配線すると配線長が長くなる。このため、配線ルートの途中に適宜中継ボックスを設ける構造が用いられる。このような配線構造では、断線や接触不良等の不具合が生じやすくなる。詳述すると、長い配線長に加え、パンチやダイスの数量に応じて多芯ケーブルの芯線数が増加するため、芯線の断線や中継ボックス内での接触不良のおそれが増大する。加えて、パンチの圧造力を検出する構成では、往復動作に適合させるために用いる可撓性の多芯ケーブルが往復動作のたびに変形するので、十分な耐久性および信頼性を確保することが難しい。
【0007】
また、荷重検出素子から出力される微弱信号を長い配線長に渡って伝送するため、外部ノイズの影響を受け易くなっている(S/N比の低下)。さらに、荷重(圧造力)の適正な測定値が得られない故障時に、故障の原因箇所を特定することが容易でなく、復旧作業には多大な時間と専門技術が必要とされていた。特に、圧造機のフレーム内は狭隘であるため、立ち入っての原因調査は、大いに難儀であった。仮に、特許文献2や特許文献3に開示された技術を適用することができたとしても、荷重検出素子、多芯ケーブル、および中継ボックスのいずれが故障の原因箇所であるかを特定することが容易でない。
【0008】
なお、ダイスやパンチの監視項目、換言するとダイスやパンチの状態または工作実施状況を表す物理量は、前記した荷重に限定されない。例えば、ダイスやパンチの温度、往復動作するパンチの三方向の加速度などを監視する構成が実用化されている。温度や加速度を監視する構成でも、荷重の監視と同様に、断線および接触不良のおそれや、復旧作業の難しさなどの問題点がある。これらの問題点は、圧造機に限定されるものでなく、工作実施部の現在の状態または工作実施状況を検出して監視する様々な工作機械に共通する。
【0009】
本発明は、上述した背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、工作実施部の現在の状態または工作実施状況を検出して監視する構成において、断線や接触不良に起因する故障を削減することができる工作機械を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の工作機械は、所定の工作を実施する工作実施部と、動作電力が供給されて動作し、前記工作実施部の現在の状態または工作実施状況を表す物理量を検出して検出信号を出力する検出部と、動作電力が供給されて動作し、前記検出信号を非接触で伝送可能な伝送信号に変換して送出する非接触伝送部と、前記検出部および前記非接触伝送部に非接触で前記動作電力を供給するワイヤレス給電部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の工作機械において、検出部が出力した検出信号は、非接触伝送部により伝送信号に変換されて非接触で送出される一方で、検出部および非接触伝送部の動作電力は、ワイヤレス給電部により非接触で給電される。したがって、従来技術で用いられていた電源供給用および信号出力用のケーブルを不要とし、または削減することができ、結果として断線や接触不良に起因する故障を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態の工作機械の一形態である圧造機の全体構成を模式的に示す平面図である。
【
図2】圧造力を検出するロードセルの設置状況を示す側面断面図である。
【
図3】圧造力の検出および監視に関する構成を模式的に示す模式図である。
【
図4】ワイヤレス給電部の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図5】ワイヤレス給電部の受電回路の回路構成図である。
【
図6】ワークに実施する多工程の圧造加工の一例を示す図である。
【
図7】
図6に示される圧造加工を実施したときに検出される圧造力の波形を例示する図である。
【
図8】第2実施形態のワイヤレス給電部の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図9】第2実施形態のワイヤレス給電部の受電回路の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.第1実施形態の圧造機1の全体構成
第1実施形態の工作機械の一形態である圧造機1の全体構成について、
図1を参考にして説明する。圧造機1は、ワークに圧造加工(所定の工作)を実施し、塑性変形させて所定形状の部品等を製造する。圧造機1は、フレーム21、ラム24、七組のダイス23およびパンチ26、トランスファー装置27、線材供給装置80、ならびに主駆動部9などで構成される。圧造機1は、複数のパンチ26が水平方向に往復動作する横型の多段圧造機である。圧造機1は、七組の対向するダイス23およびパンチ26により第1~第7工程が形成されている。
図1の紙面左右方向が圧造機1の前後方向となり、紙面上下方向が圧造機1の幅方向となる。
図1において、第1~第7工程は、幅方向の紙面上側から紙面下側へと並んでいる。なお、圧造機1の工程数は、7工程に限定されず、1~8工程程度が一般的になっている。
【0014】
フレーム21は、各部を配設するための筐体である。7個のダイスホルダ22は、フレーム21の前寄り位置に幅方向に並んで設けられる。7個のダイス23の各々は、各ダイスホルダ22の後部に交換可能に取り付けられる。各ダイス23の図中の左方向を向いた後側に、所定の加工型が形成されている。ダイス23は、加工型の内部にワークを保持する。
【0015】
ラム24は、平面視で概ね矩形であり、フレーム21の内部の略中央に配置される。ラム24は、フレーム21に対して前後方向に往復移動する可動部の一形態である。7個のパンチホルダ25は、ラム24の前寄り位置に幅方向に並んで設けられる。7個のパンチ26の各々は、各パンチホルダ25の前部に交換可能に取り付けられる。各パンチ26の図中の右方向を向いた前側に、所定の加工型が形成されている。各パンチ26は、ラム24とともに往復動作する。各工程において、パンチ26は、ダイス23に対向しつつ前後方向に往復動作することにより、ダイス23と組になってワークに圧造加工を施す。ダイス23、ラム24、およびパンチ26は、所定の工作を実施する工作実施部を構成する。
【0016】
線材供給装置80は、フレーム21の前部の第1工程の隣の位置から前方にかけて配置される。線材供給装置80は、切断刃81、固定把持部82、および可動把持部83などで構成される。可動把持部83は、前方から供給される長尺の線材を把持して後方に移動することにより、線材を切断刃81に送給する。可動把持部83が線材を解放して前方に戻る間、固定把持部82が線材を把持する。切断刃81は、線材が貫通する環状の固定刃および可動刃からなり、線材を切断してワークを作製する。作製されたワークは、図略のプッシャ部材によりトランスファー装置27に向かって押し出される。通常、線材は円形断面を有し、ワークは、円柱状の初期形状を有する。線材およびワークの材質として、鉄やアルミ、各種の合金などを例示することができる。なお、固定把持部82および可動把持部83に代え、線材を挟んで回転する一対以上のローラを有する線材送り機構を用いてもよい。
【0017】
トランスファー装置27は、ダイスホルダ22の上方からダイス23の後方にかけて配設される。トランスファー装置27は、ワークを把持する8対のフィンガ対を有する。最上流の第1のフィンガ対は、線材供給装置80から押し出されたワークを把持して、第1工程まで搬送する。第2~第7のフィンガ対は、上流側の工程でワークを把持して、下流側の工程まで搬送する。最下流の第8のフィンガ対は、第7工程でワークを把持して、図略の搬出部まで搬送する。
【0018】
パンチ26の往復動作を駆動するために主駆動部9が設けられる。主駆動部9は、線材供給装置80およびトランスファー装置27を併せて駆動する。主駆動部9は、主駆動源91と各種の伝達機構およびカム機構などで構成される。主駆動源91は、例えば、三相交流電源で動作する誘導モータまたは同期モータとすることができる。主駆動源91の駆動力は、フライホイール92、クラッチ機構93、ディスクブレーキ94、および減速機構95を介して、クランク軸96に入力される。
【0019】
クランク軸96とラム24の間に、コンロッド29が配置される。コンロッド29は、その一端がクランク軸96に連結され、その他端がラム24に連結される。主駆動源91に駆動されてクランク軸96が回転すると、コンロッド29の一端は円軌道に沿って回転し、コンロッド29の他端は前後方向に往復移動する。これにより、ラム24が前後方向に往復動作し、ラム24上の7個のパンチ26も前後方向に往復動作する。
【0020】
クランク軸96に接触するように電子カム9Jが設けられる。電子カム9Jは、クランク軸96の回転角度を検出するものである。電子カム9Jの検出信号に基づいて、ラム24の後死点から前死点までの動作範囲内の位置が求められ、主駆動源91の制御に反映される。なお、電子カム9Jに代えて、クランク軸96の回転角度を非接触で検出するロータリエンコーダ、またはラム24の前後方向の位置を直接的に検出する近接センサやリニアエンコーダなどを用いることができる。
【0021】
コンロッド29の上方に、7個のキックアウトカム98が設けられて回転駆動される。キックアウトカム98は、幅方向に等間隔で配置されており、第1~第7工程の位置にそれぞれ対応する。キックアウトカム98は、各パンチ26に設けられた図略のパンチ側キックアウトピンを前後方向に駆動する。また、クランク軸96から分岐歯車対97を介してサイド軸99へと、駆動力が分岐伝達される。
【0022】
サイド軸99は、駆動力を上方に分岐伝達する。上方に分岐された駆動力は、トランスファカム9Aを回転駆動する。トランスファカム9Aは、トランスファー装置27の工程間の往復移動を駆動する。また、サイド軸99からトランスファドライブ9Bを経由した先に、8個のオープンクローズカム9Cが回転駆動されるように連結される。オープンクローズカム9Cは、幅方向に等間隔で配置される。オープンクローズカム9Cは、トランスファー装置27の各フィンガ対を開閉駆動する。
【0023】
さらに、サイド軸99には、カッタカム9Dが設けられるとともに、プッシャカム9E、フィードカム9F、および7個のキックアウトカム9Hが連結される。カッタカム9Dは、切断刃81の切断動作を駆動する。プッシャカム9Eは、プッシャ部材の押し出し動作を駆動する。フィードカム9Fは、可動把持部83の往復動作を駆動する。キックアウトカム9Hは、幅方向に等間隔で配置されており、第1~第7工程の位置にそれぞれ対応する。第1~第7工程のキックアウトカム9Hは、それぞれダイス23からワークを突き出す動作を駆動する。
【0024】
2.ロードセル3および非接触伝送部4
圧造機1は、圧造加工の際にパンチ26で発生する圧造力の検出および監視を行うために、ロードセル3および非接触伝送部4がラム24に設けられる。
図2に示されるように、パンチ26は、パンチホルダ25の概ね中央に取り付けられる。パンチ26の後側に受圧部材261および受圧部材262を介してロードセル3が設置される。ロードセル3は、第1~第7工程のパンチ26に対して個別に設けられる。ロードセル3は、パンチ26で発生する圧造力を時系列的に検出して検出信号を出力する検出部の一形態である。また、圧造力は、パンチ26の工作実施状況を表す物理量の一例である。ロードセル3は、四つの歪みゲージがブリッジ接続されて構成される。なお、ロードセル3以外の検出方式の圧力センサなどが検出部に用いられてもよい。
【0025】
非接触伝送部4は、従来から用いられてきた信号出力用のケーブルに代わる部位である。
図3に示されるように、非接触伝送部4は、図略の取付金具を用いてラム24に設けられる。取付金具がレイアウトの自在性をもつので、非接触伝送部4は、圧造機の様々な機種に取り付け可能となっている。非接触伝送部4は、第1~第7工程のロードセル3の信号ケーブル31が接続される。信号ケーブル31は、ロードセル3の検出信号を非接触伝送部4に伝送する機能、および、非接触伝送部4からロードセル3に電源を供給する機能を兼ねる。
【0026】
非接触伝送部4は、後述するワイヤレス給電部5から動作電力が供給されて動作する。非接触伝送部4は、ロードセル3から受け取った検出信号を非接触で伝送可能な伝送信号に変換して送出する。具体的には、非接触伝送部4は、検出信号を無線信号MSに変換して送信する。無線信号MSを受信する受信部6は、フレーム21の外部に設けられる。
【0027】
ラム24は、ユーザの要望に応じてオプションで装備される第二検出部35の設置が可能となっている。第二検出部35は、圧造力と相違する第二物理量を検出して第二検出信号を出力する。このオプション態様の場合、非接触伝送部4は、必要に応じて第二検出部35に電源を供給することができる。さらに、非接触伝送部4は、圧造力の検出信号および第二検出信号をまとめて無線信号MSに変換して送信することができる。第二物理量として、ラム24で発生する三方向の加速度(パンチ26の工作実施状況に相当)、複数のパンチ26の各々の温度(現在の状態に相当)などを例示することができる。このように、非接触伝送部4は、複数種類の検出部(ロードセル3、第二検出部35)に対して共通に設けられてもよい。
【0028】
3.ワイヤレス給電部5
圧造機1は、ロードセル3および非接触伝送部4に非接触で動作電力を供給するためのワイヤレス給電部5を備える。ワイヤレス給電部5は、従来から用いられてきた電源供給用のケーブルに代わる部位である。ワイヤレス給電部5は、給電ユニット51、交流電源53、受電ユニット55、および受電回路57などで構成される。
【0029】
給電ユニット51および交流電源53は、フレーム21に配置される。
図4に示されるように、給電ユニット51は、3個以上(
図4の例では8個)の一次コイル52がフレーム21の前後方向に並べて設けられる。一次コイル52の各々は、鉄心および巻線を含んで構成され、公知の各種形状の適用が可能となっている。複数の一次コイル52の各巻線は、交流電源53に対して並列接続または直列接続される。交流電源53は、一般的な商用周波数(50Hz、60Hz)の電源で動作して、高周波の交流電力を複数の一次コイル52に供給する。なお、給電側共振コンデンサが追加され、一次コイル52の巻線に並列接続または直列接続されてもよい。
【0030】
受電ユニット55は、ラム24に配置される。
図4に示されるように、受電ユニット55は、3個の二次コイル56がラム24の前後方向に並べて設けられる。二次コイル56の各々は、鉄心および巻線を含んで構成され、公知の各種形状の適用が可能となっている。
図3の矢印A1に示されるようにクランク軸96が回転して、矢印A2に示されるようにラム24が前後方向に往復動作するときに、3個の二次コイル56は、複数の一次コイル52が並ぶ前後方向に相対移動する。相対移動した任意の位置において、少なくとも1個の二次コイル56が一次コイル52に対向する。したがって、少なくとも1個の二次コイル56は、高周波の交流電力を非接触で受け取ることができる。なお、二次コイル56は、4個以上設けられてもよい。
【0031】
受電ユニット55に近接して、
図5に示される受電回路57が設けられる。受電回路57は、二次コイル56の数量に等しい3回路の全波整流回路571、コンデンサ572、および直流変換器573により回路構成される。全波整流回路571は、4個の整流ダイオードをブリッジ接続した公知の回路である。全波整流回路571は、入力側が二次コイル56の巻線に接続され、出力側が互いに並列接続されている。なお、受電側共振コンデンサが追加され、二次コイル56の巻線に並列接続または直列接続されてもよい。給電側共振コンデンサや受電側共振コンデンサの追加により、非接触給電性能が向上する。
【0032】
コンデンサ572は、3回路の全波整流回路571の並列接続に対して接続される。コンデンサ572として、大きな静電容量を有する電気二重層コンデンサを用いることが好ましい。これによれば、コンデンサ572は、全波整流回路571から出力された直流電圧の脈流分を低減する平滑化機能、および非接触給電性能が一時的に低下した場合に所定時間以上にわたって電源を維持する電源バックアップ機能を兼ね備えることができる。
【0033】
直流変換器573は、コンデンサ572の両端に接続される。直流変換器573は、全波整流回路571が出力する直流電力を変換して直流の動作電力を生成する。この動作電力は、電源ケーブル58を介して非接触伝送部4に供給される。直流変換器573として、例えば、市販品のDC/DCコンバータを用いることができる。非接触伝送部4は、動作電力の電圧を調整し、信号ケーブル31からロードセル3の各々に電源として供給する。また、非接触伝送部4は、必要に応じて、動作電力の電圧を調整し、第二検出部35に電源として供給する。
【0034】
ここで、
図4に示されるように、複数の一次コイル52は、一定の一次ピッチ距離D1で並べて設けられる。一方、3個の二次コイル56は、一定でない二次ピッチ距離(D21、D22)で並べて設けられる。例えば、第1の二次ピッチ距離D21が一次ピッチ距離D1に等しく設定され、第2の二次ピッチ距離D22が一次ピッチ距離D1の1.3~1.7倍程度に設定される。これに限定されず、一定でない二次ピッチ距離(D21、D22)の組み合わせは、適宜変更可能である。また、二次ピッチ距離(D21、D22)は、一次ピッチ距離D1より小さくてもよい。なお、二次コイル56が4個以上の構成において、二次ピッチ距離D21と二次ピッチ距離D22とが交互に設定されてもよく、全ての二次ピッチ距離が相違してもよい。
【0035】
前記のようにピッチ距離を設定したことにより、3個の二次コイル56が揃って一次コイル52の中間に位置して非接触給電性能が大幅に低下することが無くなる。また、ワイヤレス給電部5は、ラム24が停止している時間帯でも非接触給電を行うことができる。したがって、ワイヤレス給電部5は、常に安定した非接触給電性能を発揮することができる。これにより、受電回路57は、蓄電池(二次電池)を有さない回路構成が可能となる。蓄電池(二次電池)や一次電池を不要とした回路構成の採用により、メンテナンスの頻度および項目数を大幅に削減することができる。
【0036】
4.受信部6
前記した受信部6は、例えば別置の制御盤内に設けられる。受信部6は、無線通信機能を有するコンピュータ装置を用いて構成され、一般的な商用周波数の電源で動作する。受信部6は、非接触伝送部4が送信した無線信号MSを受信して、検出された圧造力を表示または記録する。例えば、受信部6は、第1~第7工程のパンチ26の各々で検出された圧造力の波形を全て表示および記録してもよい。また、受信部6は、一部のパンチ26を対象外として、特定のパンチ26の圧造力のみを表示または記録してもよい。さらに、非接触伝送部4の性能制約に応じて、受信部6は、パンチ26の各々で発生する圧造力の波形を抜き取り(例えば、10波形のうちの1波形)で受信し、表示または記録してもよい。また、受信部6は、圧造力の生データに移動平均処理を実施して、波形を滑らかに整形することが好ましい。なお、移動平均処理は、非接触伝送部4が実施してもよい。
【0037】
受信部6は、圧造加工が良好に行われているか否かを監視する異常判定部の機能を兼ね備える。すなわち、受信部6は、検出された圧造力の波形に基づいて、パンチ26の工作実施状況の異常を判定する。受信部6は、三つの異常判定方法、すなわちエンベロープ法、積分演算法、および微分演算法を併用する。エンベロープ法では、あらかじめ圧造加工が試行されて、正常状態を示す圧造力の基準波形および許容変動範囲が求められる。受信部6は、試行後の実際の圧造加工時に検出された圧造力の波形を基準波形と比較して、許容変動範囲を超える相違がある場合に異常と判定する。
【0038】
積分演算法では、受信部6は、圧造力の波形を取得する都度、波形を積分した圧造力積分値を演算する。そして、受信部6は、圧造力積分値の前回値から今回値への変化量が所定量を超過している場合に異常と判定する。微分演算法では、受信部6は、圧造力の波形を取得する都度、波形を微分した圧造力微分値を演算する。そして、受信部6は、圧造力微分値が所定の許容範囲から逸脱している場合に異常と判定する。
【0039】
5.圧造力Fの検出事例
次に、圧造機1における圧造力Fの検出事例について、
図6および
図7を参考にして説明する。
図6に例示される圧造加工が実施されたとき、受信部6は、
図7に例示される圧造力Fの波形を受信して表示する。
図6において、ワーク8は、右側から左側へと各工程で順番に圧造加工される。詳述すると、第1工程#1は、ブランク工程とされており、ワーク8は圧造加工されない。第2工程#2で、ワーク8の先端(
図5の下端)の周囲が圧造加工されて、テーパ部分が形成される。第3工程#3で、ワーク8の中程から先端までが縮径されて、軸部8Aが形成される。第4工程#4で、ワーク8の基端側(
図5の上側)が圧造加工されて、段差およびテーパをもつ頭部8Hが形成される。第5工程#5で、ワーク8の頭部8Hの一部分が拡径されてフランジ部8Fが形成される。第6工程#6で、ワーク8の軸部8Aに、軸長方向に延びる溝が形成される。第7工程#7で、ワーク8のフランジ部8Fの周囲が圧造加工される(例えば、六角形に加工される)。
【0040】
図7において、横軸は時間Tを示し、縦軸は定格最大圧造力を1(PU)とする圧造力Fを示す。また、#2~#7が付された6本のグラフは、それぞれ
図6の第2工程#2~第7工程#7で発生した圧造力Fの波形を示す。第1工程#1は、ブランク工程であるので、圧造力Fの波形は表示されていない。
図7に示された時間範囲は、パンチ26が往復動作する周期時間の一部であり、圧造力Fが発生しない時間帯の一部が省略されている。図示されるように、第2工程#2~第7工程#7で発生した圧造力Fは、工程によって発生時間帯が相違し、かつ、圧造力Fの最大値が0.30~0.76(PU)程度と相違している。また、圧造力Fが発生していないと推定される時間帯において、非ゼロの検出誤差が認められる。
【0041】
受信部6は、前記した三つの異常判定方法を併用することで、下記の各種異常を判定することができる。
・搬送ミスにより、工程内にワーク8が無い。
・搬送ミスにより、同じ工程でワーク8に2回の圧造加工を実施(2度打ち)。
・抜き加工を実施したときの抜きカスの残留。
・加工実施領域への異物の侵入。
・ワーク8の質量の不足、および長さの不足。
・ワーク8の質量の過多、および長さの超過。
・ダイス23やパンチ26の摩耗。
・ダイス23やパンチ26の取り付け不備。
・ダイス23やパンチ26の割れや欠けなどの破損。
・加工油や潤滑油の不足。
【0042】
実施形態の圧造機1において、ロードセル3が出力した圧造力Fの検出信号は、非接触伝送部4により伝送信号に変換されて非接触で送出される一方で、ロードセル3および非接触伝送部4の動作電力は、ワイヤレス給電部5により非接触で給電される。したがって、従来技術で用いられていた電源供給用および信号出力用のケーブルを不要とし、または削減することができ、結果として断線や接触不良に起因する故障を削減することができる。
【0043】
特に、往復動作するラム24にロードセル3および非接触伝送部4が設けられており、往復動作に適合させるための可撓性の多芯ケーブルが不要となるので、故障の削減効果が顕著となる。また、仮に故障が発生しても、原因箇所の特定が容易となって、早期復旧を可能とすることができる。とりわけ、フレーム21の内部の狭隘箇所に立ち入っての原因調査を簡略化および容易化できる効果が顕著となる。加えて、製造時および復旧作業時の配線作業が大幅に軽減される。また、従来技術で別置の制御盤まで配線していた信号伝送用ケーブルを非接触伝送部4までの信号ケーブル31に置き換えて、微弱な検出信号の伝送距離を短縮している。これにより、外部ノイズの影響が低減されてS/N比が向上する。
【0044】
6.第2実施形態の圧造機1
次に、第2実施形態の圧造機1について、
図8および
図9を参考にして、第1実施形態と異なる点を主に説明する。第2実施形態では、ワイヤレス給電部5Aの構成が第1実施形態と相違し、その他の部位が第1実施形態と同じである。第2実施形態のワイヤレス給電部5Aは、磁石ユニット5B、受電ユニット5D、および受電回路5Eなどで構成される。
【0045】
磁石ユニット5Bは、第1実施形態の給電ユニット51に代えてフレーム21に配置される。
図8に示されるように、磁石ユニット5Bは、3個以上(
図8の例では8個)の永久磁石5CのN磁極およびS磁極が交互となるように並べて設けられる。第1実施形態の一次コイル52を永久磁石5Cに置き換えたことにより、第2実施形態では交流電源53が不要となる。また、永久磁石5Cに代えて電磁石を用いることが可能であるが、励磁電源が必要となる。
【0046】
受電ユニット5Dは、第1実施形態の受電ユニット55に代えてラム24に配置される。
図8に示されるように、受電ユニット5Dは、3個の二次コイル56がラム24の前後方向に並べて設けられる。第1実施形態と同様、3個の二次コイル56は、複数の永久磁石5Cが並ぶ前後方向に相対移動する。相対移動した任意の位置において、少なくとも1個の二次コイル56が永久磁石5Cに対向して電磁誘導作用により交流電圧が誘起される。
【0047】
受電ユニット5Dは、さらに、
図9に示される受電回路5Eが付属される。受電回路5Eは、二次コイル56の数量に等しい3回路の全波整流回路574、コンデンサ572、および直流変換器575で回路構成される。全波整流回路574は、入力側が二次コイル56の巻線に接続され、出力側が互いに直列接続されている。3回路の全波整流回路(571、574)を並列接続するかそれとも直列接続するかは、二次コイル56の発生電圧の大きさ等に基づいて選択される。コンデンサ572は、3回路の全波整流回路574の直列接続に対して接続される。コンデンサ572は、電気二重層コンデンサが用いられることにより、平滑化機能および電源バックアップ機能を兼ね備える。
【0048】
直流変換器575は、コンデンサ572の両端に接続される。直流変換器575は、相違する2つの電圧値を出力する2出力型が用いられる。直流変換器575は、全波整流回路574が出力する直流電力を変換して、直流の第一動作電力および第二動作電力を生成する。第一動作電力は、電源ケーブル58を介して非接触伝送部4に供給される。第二動作電力は、非接触伝送部4を経由することなく直接的にロードセル3に供給され、必要に応じて第二検出部35に供給される。
【0049】
ここで、
図8に示されるように、複数の永久磁石5Cは、一定のピッチ距離D3で並べて設けられる。一方、3個の二次コイル56は、永久磁石5Cと同じピッチ距離D3で並べて設けられる。このようにピッチ距離D3を設定したことにより、3個の二次コイル56の各々は、ある時点で、正対する永久磁石5CのN磁極から出た磁束が鎖交し、またはS磁極に向かう磁束が鎖交する。また、3個の二次コイル56の各々は、別の時点で、進行方向前側の永久磁石5CのN磁極から出て進行方向後側の永久磁石5CのS磁極に向かう磁束が鎖交する。さらに、3個の二次コイル56の各々は、また別の時点で、進行方向後側の永久磁石5CのN磁極から出て進行方向前側の永久磁石5CのS磁極に向かう磁束が鎖交する。
【0050】
したがって、3個の二次コイル56は、相対移動する任意の位置において、電磁誘導作用により交流電圧が効率的に誘起される。つまり、ワイヤレス給電部5Aは、ラム24がどこに移動しても安定した非接触給電性能を発揮することができる。ワイヤレス給電部5Aは、ラム24が停止している時間帯に非接触給電を行うことができないが、圧造力Fを検出する必要性も無くなるので支障ない。これにより、受電回路5Eは、蓄電池(二次電池)を有さない回路構成が可能となる。仮に、複数の永久磁石5CのN磁極のみ、またはS磁極のみが二次コイル56に対向するように配置された場合、3個の二次コイル56が揃って永久磁石5Cの中間に位置したときに鎖交する磁束が減少して、誘起される交流電圧が低下する。第2実施形態におけるその他の作用および効果は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0051】
7.実施形態の変形および応用
なお、第1および第2実施形態において、検出部は、ロードセル3に限定されず、パンチ26の温度を個別に検出する温度センサ、例えば、三線式測温抵抗体であってもよい。さらに、検出部は、変位センサやAEセンサであってもよい。変位センサは、分割型のパンチ26が圧造加工時に径方向や軸長方向に変位する変位量を検出して、工作実施状況を判定するための指標にすることができる。AEセンサは、圧造加工時にパンチ26で発生する弾性波(アコースティックエミッション)を検出して、工作実施状況を判定するための指標にすることができる。
【0052】
また、ワイヤレス給電部(5、5A)は、適宜変形することができる。例えば、全波整流回路571の並列接続(
図4参照)と、2出力型の直流変換器575(
図9参照)とを組み合わせることができる。また、ワイヤレス給電部(5、5A)は、電磁誘導方式と異なる方式、例えば静電結合方式で非接触給電を行うものであってもよい。
【0053】
さらに、第1実施形態において、ロードセル3をダイス23の側に設け、非接触伝送部4をフレーム21に設けることができる。この態様では、ワイヤレス給電部5は、相対移動することなく対向配置される一組の一次コイル52および二次コイル56を備えて、安定した非接触給電性能を発揮することができる。この態様において、故障発生時にフレーム21の内部の狭隘箇所に立ち入っての原因調査を簡略化および容易化することができ、早期復旧が可能となる。加えて、製造時および復旧作業時の配線作業が大幅に軽減される。本発明およびその実施形態は、上記した以外にも様々な変形や応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明およびその実施形態は、前述した圧造機1だけでなく、工作実施部の現在の状態または工作実施状況を検出して監視する工作機械に広く利用することが可能であり、とりわけ、フレームに対して前後方向に往復移動する可動部を有する工作機械に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1:圧造機 21:フレーム 23:ダイス 24:ラム 26:パンチ
3:ロードセル 31:信号ケーブル 35:第二検出部
4:非接触伝送部 5、5A:ワイヤレス給電部 51:給電ユニット
52:一次コイル 53:交流電源 55、5D:受電ユニット
56:二次コイル 57、5E:受電回路 571、574:全波整流回路
572:コンデンサ 573、575:直流変換器 58:電源ケーブル
5B:磁石ユニット 5C:永久磁石 6:受信部 8:ワーク
D1:一次ピッチ距離 D21、D22:二次ピッチ距離 D3:ピッチ距離
MS:無線信号