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特開2024-72756ポータブル電気エネルギー蓄積システム及びその電力調節方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072756
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ポータブル電気エネルギー蓄積システム及びその電力調節方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240521BHJP
【FI】
H02M7/48 M
H02M7/48 N
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066908
(22)【出願日】2023-04-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】202211429919.3
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521006901
【氏名又は名称】浙江動一新能源動力科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LERA NEW ENERGY POWER TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 255 Kesheng Road, Wangchun Industrial Park, Haishu District, Ningbo, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】殷 栄江
(72)【発明者】
【氏名】胡 華斌
(72)【発明者】
【氏名】郭 熙軍
(72)【発明者】
【氏名】▲とう▼ 強
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770BA15
5H770BA20
5H770CA06
5H770GA20
5H770HA02Z
5H770HA04Z
5H770LA02Z
(57)【要約】      (修正有)
【課題】負荷電力がインバータの定格電力を超える場合に、インバータが過負荷保護を開始することによる負荷停止及び負荷によるインバータへの瞬間的な高い衝撃を回避するポータブル電気エネルギー蓄積システム及びその電力調節方法を提供する。
【解決手段】ポータブル電気エネルギー蓄積システムは、筐体と、インバータ及びエネルギー蓄積電池とを含み、負荷の現在電力Ptを検出しS110、現在電力Ptとインバータの定格電力Peとを比較しS120、現在電力Ptがインバータの定格電力Peより大きい場合、インバータの出力電力を第一プリセット電力P1(P1<Pe)に調整しS130、負荷が第一プリセット電力P1で駆動を開始するか又は駆動を開始して一定期間だけ維持すると、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2(P1<P2<Pe)に段階的に調整するか又は負荷を駆動する出力の停止要否を実行するS140。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体内に配置されたインバータ及びエネルギー蓄積電池とを含み、前記筐体上には、少なくともACインターフェースが設けられており、前記エネルギー蓄積電池の出力端が、前記インバータを介して前記ACインターフェースに電気的に接続され、外部負荷に給電するAC電流を出力するために使用されるポータブル電気エネルギー蓄積システムであって、
投入負荷の現在電力Ptを検出するように構成された電力検出器と、
前記現在電力Ptと前記インバータの定格電力Peとを比較するように構成された第一比較器と、
前記現在電力Ptが前記インバータの定格電力Peよりも大きい場合、前記インバータの出力電力を第一プリセット電力P1(P1<Pe)に調整するように構成された第一アクチュエータと、
前記投入負荷が前記第一プリセット電力P1で駆動されて作業を開始するか、又は作業を開始して一定期間だけ維持すると、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2(P1<P2<Pe)に段階的に調整するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を実行するように構成された第二アクチュエータと、
前記第二プリセット電力P2で前記インバータが作業を維持する時間Tをカウントし、Tがプリセット時間値T1に達すると、前記インバータの出力電力を前記インバータの定格電力Peに調整し、定格電力Peでの作業をプリセット時間値T2(T2<T1)だけ維持した後に投入負荷の現在電力Ptを再び検出するように構成された第一タイマとを更に含む、ことを特徴とするポータブル電気エネルギー蓄積システム。
【請求項2】
前記インバータの前記第一プリセット電力P1での現在負荷電流Itを検出するように構成された電流検出回路と、
前記現在負荷電流Itと前記インバータでサポートされるピーク電流Imとを比較するように構成された第二比較器とを更に含み、
It≦Imの場合、前記第二アクチュエータは、前記インバータの出力電力を前記第二プリセット電力P2に段階的に調整する、ことを特徴とする請求項1に記載のポータブル電気エネルギー蓄積システム。
【請求項3】
It≦Imの場合、前記インバータの前記第一プリセット電力P1での現在出力電圧Uo1を検出するように構成された第一電圧検出回路と、
前記現在出力電圧Uo1とプリセットされた定格インバータ電圧Urとを比較するように構成された第三比較器とを更に含み、
Uo1<Urの場合、前記第二アクチュエータは、前記インバータの出力電力を前記第二プリセット電力P2に段階的に調整する、ことを特徴とする請求項2に記載のポータブル電気エネルギー蓄積システム。
【請求項4】
Uo1≧Urの場合、前記現在出力電圧Uo1を調節するように構成された第三アクチュエータを更に含み、
前記第一電圧検出回路は、前記インバータの現在出力電圧Uo1を引き続き検出し、構成された前記第三比較器によってそれをプリセットされた前記定格インバータ電圧Urと引き続き比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する、ことを特徴とする請求項3に記載のポータブル電気エネルギー蓄積システム。
【請求項5】
It>Imの場合、前記第二アクチュエータは、前記インバータを制御してピーク電力Pmで出力させ、第二電圧検出回路及び第四比較器を構成し、
前記第二電圧検出回路は、前記インバータの前記ピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を検出するように構成され、
前記第四比較器は、前記現在出力電圧Uo2とプリセットされた最低インバータ電圧Uminとを比較するように構成され、
前記第二アクチュエータは、前記現在出力電圧Uo2と前記最低インバータ電圧Uminとの比較結果に応じて、負荷を駆動する出力の停止要否を実行する、ことを特徴とする請求項2に記載のポータブル電気エネルギー蓄積システム。
【請求項6】
Uo2<Uminの場合、前記インバータは、負荷を駆動する出力を停止し、及び/又は、
Uo2≧Uminの場合、前記電力検出器は、投入負荷の現在電力Ptを改めて検出し、構成された前記第一比較器によってそれを前記インバータの定格電力Peと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する、ことを特徴とする請求項5に記載のポータブル電気エネルギー蓄積システム。
【請求項7】
Uo2<Uminとなる異常継続時間長Tdをカウントするように構成された第二タイマと、
前記異常継続時間長Tdとプリセットされたインバータの電圧異常保護時間Tsとを比較するように構成された第五比較器とを更に含み、
Td≧Tsの場合、前記第二アクチュエータは、前記インバータを制御して、負荷を駆動する出力を停止させるように実行し、及び/又は、
Td<Tsの場合、前記第二電圧検出回路は、前記インバータの前記ピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を引き続き検出し、構成された前記第四比較器によってそれをプリセットされた最低インバータ電圧Uminと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する、ことを特徴とする請求項6に記載のポータブル電気エネルギー蓄積システム。
【請求項8】
筐体と、前記筐体内に配置されたインバータ及びエネルギー蓄積電池とを含み、前記筐体上には、少なくともACインターフェースが設けられており、前記エネルギー蓄積電池の出力端が、前記インバータを介して前記ACインターフェースに電気的に接続され、外部負荷に給電するAC電流を出力するために使用されるポータブル電気エネルギー蓄積システムの電力調節方法であって、
投入負荷の現在電力Ptを取得するステップ1と、
前記現在電力Ptとインバータの定格電力Peとを比較するステップ2と、
Pt>Peであれば、前記インバータの出力電力を第一プリセット電力P1(P1<Pe)に調整するステップ3と、
前記投入負荷が前記第一プリセット電力P1で駆動されて作業を開始すれば、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2(P1<P2<Pe)に段階的に調整するように実行するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を実行するステップ4と、
前記第二プリセット電力P2での作業をプリセット時間値T1だけ維持して、前記インバータの出力電力を前記インバータの定格電力Peに調整し、定格電力Peでの作業をプリセット時間値T2(T2<T1)だけ維持するステップ5と、
ステップ1~ステップ5を周期的に繰り返して実行するステップ6とを含む、ことを特徴とするポータブル電気エネルギー蓄積システムの電力調節方法。
【請求項9】
前記ステップ4は、
前記インバータの前記第一プリセット電力P1での現在負荷電流Itを取得するステップ4.1と、
前記現在負荷電流Itと前記インバータでサポートされるピーク電流Imとを比較するステップ4.2と、
It≦Imであれば、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に調整するステップ4.3とを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の電力調節方法。
【請求項10】
前記ステップ4.3は、
It≦Imであれば、前記インバータの前記第一プリセット電力P1での現在出力電圧Uo1を引き続き取得するステップ4.3.1と、
前記現在出力電圧Uo1とプリセットされた定格インバータ電圧Urとを比較するステップ4.3.2と、
Uo1<Urであれば、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に調整し、及び/又は、
Uo1≧Urであれば、前記現在出力電圧Uo1を下げ、ステップ4.3.1~ステップ4.3.2を繰り返すステップ4.3.3とを含む、ことを特徴とする請求項9に記載の電力調節方法。
【請求項11】
前記ステップ4.3は、
It>Imであれば、前記インバータを制御してピーク電力Pmで出力させ、以下のステップa~ステップcを実行するステップを更に含み、
ステップaは、前記インバータの前記ピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を取得するステップであり、
ステップbは、前記現在出力電圧Uo2とプリセットされた最低インバータ電圧Uminとを比較するステップであり、
ステップcは、前記現在出力電圧Uo2と前記最低インバータ電圧Uminとの比較結果に応じて、負荷を駆動する出力の停止要否を実行するステップであって、
Uo2<Uminであれば、前記インバータが、負荷を駆動する出力を停止し、及び/又は、
Uo2≧Uminであれば、ステップ1~ステップ4を繰り返して実行するステップである、ことを特徴とする請求項9に記載の電力調節方法。
【請求項12】
前記ステップcは、
Uo2<Uminとなる異常継続時間長Tdをカウントするステップc.1と、
前記異常継続時間長Tdとプリセットされたインバータの電圧異常保護時間Tsとを比較するステップc.2と、
Td≧Tsであれば、前記インバータが、負荷を駆動する出力を停止し、及び/又は、
Td<Tsであれば、ステップa~ステップcを繰り返して実行するステップc.3とを更に含む、ことを特徴とする請求項11に記載の電力調節方法。
【請求項13】
ポータブル電気エネルギー蓄積システムであって、コンピュータプログラムを記憶した可読記憶媒体と、前記可読記憶媒体に電気的に接続されたパッケージICとを含み、前記コンピュータプログラムが前記パッケージICによって読み取られて動作されると、前記ポータブル電気エネルギー蓄積システムが、請求項8~12の何れか一項に記載の電力調節方法を実現する、ことを特徴とするポータブル電気エネルギー蓄積システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源給電技術の分野に関し、具体的に、ポータブル電気エネルギー蓄積システム及びその電力調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アウトドア活動の多様化に伴い、様々な電気機器への給電は、アウトドア活動において早急に解決すべき課題になっている。そのため、ポータブル電気エネルギー蓄積システムは、ますます多くの人々の選択になっている。
【0003】
従来のポータブル電気エネルギー蓄積システムは、通常、外部AC負荷の作動に供されるAC電流を出力するためにインバータを内蔵している。そして、現在の一般的なインバータは、オフグリッドインバージョンの際、様々な交流負荷(以下、負荷と略す)をロード状態にするためによく使用され、ロード状態の負荷の不確実性により、インバータの定格電力を超える負荷投入となることが多く、このとき、インバータは、通常、そのまま過負荷(オーバーロッド)保護を開始して、インバータが損壊されることに起因して負荷が当該インバータ上で使用できなくならないことを確保する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、インバータの定格電力を超える負荷投入となった時に、インバータがそのまま過負荷保護を開始することに起因して、負荷が使用できなくなること及び負荷によるインバータへの瞬間的な衝撃が高すぎることを回避するいう課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施例は、筐体と、前記筐体内に配置されたインバータ及びエネルギー蓄積電池とを含み、前記筐体上には、少なくともACインターフェースが設けられており、前記エネルギー蓄積電池の出力端が、前記インバータを介して前記ACインターフェースに電気的に接続され、外部負荷に給電するAC電流を出力するために使用されるポータブル電気エネルギー蓄積システムであって、投入負荷の現在電力Ptを検出するように構成された電力検出器と、前記現在電力Ptと前記インバータの定格電力Peとを比較するように構成された第一比較器と、前記現在電力Ptが前記インバータの定格電力Peよりも大きい場合、前記インバータの出力電力を第一プリセット電力P1(P1<Pe)に調整するように構成された第一アクチュエータと、前記投入負荷が前記第一プリセット電力P1で駆動されて作業を開始するか、又は作業を開始して一定期間だけ維持すると、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2(P1<P2<Pe)に段階的に調整するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を実行するように構成された第二アクチュエータとを更に含む、ポータブル電気エネルギー蓄積システムを提供している。
【0006】
従来技術に比べて、本実施例が達成できる技術的効果は、次の通りである。交流負荷の投入時に、電力検出器は、現在投入されている負荷に対して電力検出を行って、投入負荷の現在電力Ptを得ることができ、現在電力Ptがインバータの定格電力Peを超える場合、インバータは、そのまま過負荷保護を開始することがなく、外部負荷が過負荷となった場合、第一アクチュエータによって、最初にインバータの出力電力を低減して第一プリセット電力P1を出力することで、負荷によるインバータへの瞬間的な電流衝撃が低減され、インバータへの損害が回避される。そして、第二アクチュエータによって、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に上げるように制御するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を制御することで、負荷作動効率が段階的に向上され、インバータが損害から保護され、ポータブル電気エネルギー蓄積システムによる給電は、より安全かつ高効率となる。
【0007】
選択的な実施形態において、前記第二プリセット電力P2で前記インバータが作業を維持する時間Tをカウントし、Tがプリセット時間値T1に達すると、前記インバータの出力電力を前記インバータの定格電力Peに調整し、定格電力Peでの作業をプリセット時間値T2(T2<T1)だけ維持した後に投入負荷の現在電力Ptを再び検出するように構成された第一タイマを更に含む。
【0008】
理解できることに、第一タイマを設置して、インバータが特定の出力電力に維持される時間をカウントすることで、その後のインバータの出力電力の調整が容易となり、インバータの電力の出力がより合理的になり、負荷作動効率が向上されると同時に、インバータ及び投入負荷の使用寿命の延長に有利である。
【0009】
選択的な実施形態において、前記インバータの前記第一プリセット電力P1での現在負荷電流Itを検出するように構成された電流検出回路と、前記現在負荷電流Itと前記インバータでサポートされるピーク電流Imとを比較するように構成された第二比較器とを更に含み、It≦Imの場合、前記第二アクチュエータは、前記インバータの出力電力を前記第二プリセット電力P2に段階的に調整する。
【0010】
理解できることに、電流検出回路及び第二比較器を設置して、それらを、負荷の電流Itとインバータのピーク電流Imとの関係の検出及び比較、並びにインバータの出力電力の制御に使用することで、負荷が正常に動作されるように駆動され易くなり、It≦Imの場合、インバータの出力電力を段階的に調整することで、負荷を駆動して作動させる最適な出力電力が実現され、負荷の使用状態及び使用寿命の延長に有利である。
【0011】
選択的な実施形態において、It≦Imの場合、前記インバータの前記第一プリセット電力P1での現在出力電圧Uo1を検出するように構成された第一電圧検出回路と、前記現在出力電圧Uo1とプリセットされた定格インバータ電圧Urとを比較するように構成された第三比較器とを更に含み、Uo1<Urの場合、前記第二アクチュエータは、前記インバータの出力電力を前記第二プリセット電力P2に段階的に調整する。
【0012】
理解できることに、It≦Imの場合、第一電圧検出回路によって現在出力電圧Uo1が取得され、第三比較器によって現在出力電圧Uo1とプリセットされた定格インバータ電圧Urとが比較され、Uo1<Urの場合、第二アクチュエータによってインバータの出力電力が第二プリセット電力P2に段階的に調整され、出力電力が瞬間的に上げられることによるインバータの損壊を回避される。
【0013】
選択的な実施形態において、Uo1≧Urの場合、前記現在出力電圧Uo1を下げるように構成された第三アクチュエータを更に含み、前記第一電圧検出回路は、前記インバータの現在出力電圧Uo1を引き続き検出し、構成された前記第三比較器によってそれをプリセットされた前記定格インバータ電圧Urと引き続き比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する。
【0014】
理解できることに、第三比較器による比較の結果、Uo1≧Urである場合、インバータの現在出力電圧Uo1<インバータの定格電圧Urとなるまでインバータの現在出力電圧Uo1が下げられ、インバータの現在出力電圧が高すぎることによるインバータの損壊が回避される。
【0015】
選択的な実施形態において、It>Imの場合、前記第二アクチュエータは、前記インバータを制御してピーク電力Pmで出力させ、第二電圧検出回路及び第四比較器を構成し、前記第二電圧検出回路は、前記インバータの前記ピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を検出するように構成され、前記第四比較器は、前記現在出力電圧Uo2とプリセットされた最低インバータ電圧Uminとを比較するように構成され、前記第二アクチュエータは、前記現在出力電圧Uo2と前記最低インバータ電圧Uminとの比較結果に応じて、負荷を駆動する出力の停止要否を実行する。
【0016】
理解できることに、It>Imの場合、インバータがピーク電力Pmで出力するように制御され、現在負荷電流Itが高すぎることによるインバータの損壊が回避されるため、インバータのハードウェアが損傷から保護されると同時に、It>Imの場合、インバータがそのまま過電流保護されて電力の出力が停止されることに起因して、負荷が動作できなくなることも回避され、また、第二電圧検出回路を構成してインバータのピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を取得し、第四比較器によってそれをプリセットされた最低インバータ電圧Uminと比較し、比較結果に応じて、負荷を駆動する出力の停止要否を実行することで、負荷が標準電圧範囲内で動作されることを保証される。
【0017】
選択的な実施形態において、Uo2<Uminの場合、前記インバータは、負荷を駆動する出力を停止し、及び/又は、Uo2≧Uminの場合、前記電力検出器は、投入負荷の現在電力Ptを改めて検出し、構成された前記第一比較器によってそれを前記インバータの定格電力Peと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する。
【0018】
理解できることに、Uo2<Uminであれば、このときのインバータの出力電圧が最低インバータ電圧Uminよりも低く、負荷が非標準電圧範囲で作動されており、インバータの現在出力電圧Uo2が異常電圧になっていることを示され、この場合、負荷を駆動する出力が停止され、そうでなければ、投入負荷の現在電力Ptを改めて検出し、構成された前記第一比較器によってそれを前記インバータの定格電力Peと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行することで、循環的に監視するという目的が達成され、負荷によるインバータへの衝撃が高すぎることに起因したインバータの損壊が回避される。
【0019】
選択的な実施形態において、Uo2<Uminとなる異常継続時間長Tdをカウントするように構成された第二タイマと、前記異常継続時間長Tdとプリセットされたインバータの電圧異常保護時間Tsとを比較するように構成された第五比較器とを更に含み、Td≧Tsの場合、前記第二アクチュエータは、前記インバータを制御して、負荷を駆動する出力を停止させるように実行し、及び/又は、Td<Tsの場合、前記第二電圧検出回路は、前記インバータの前記ピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を引き続き検出し、構成された前記第四比較器によってそれをプリセットされた最低インバータ電圧Uminと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する。
【0020】
理解できることに、第二タイマを設置することで、Uo2<Uminのときの電圧異常継続時間長Tdが取得され、第五比較器によって異常継続時間長Tdとプリセットされたインバータの電圧異常保護時間Tsとが比較され、Td≧Tsであれば、現在出力電圧Uo2の異常時間が長すぎていることを示され、この場合、負荷の駆動が停止され、インバータから長時間に亘って異常電圧が出力されることを回避され、インバータが損壊から保護され、そうでなければ、第二電圧検出回路は、前記インバータのピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を引き続き検出し、構成された第四比較器によってそれをプリセットされた最低インバータ電圧Uminと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する。
【0021】
本発明の実施例は、ポータブル電気エネルギー蓄積システムの電力調節方法であって、
投入負荷の現在電力Ptを取得するステップ1と、
前記現在電力Ptとインバータの定格電力Peとを比較するステップ2と、
Pt>Peであれば、前記インバータの出力電力を第一プリセット電力P1(P1<Pe)に調整するステップ3と、
前記投入負荷が前記第一プリセット電力P1で駆動されて作業を開始すれば、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2(P1<P2<Pe)に段階的に調整するように実行するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を実行するステップ4とを含む、電力調節方法を更に提供している。
【0022】
従来技術に比べて、本実施例が達成できる技術的効果は、次の通りである。交流負荷の投入時に、現在投入されている負荷に対して電力検出を行って、投入負荷の現在電力Ptを得ることができ、現在電力Ptがインバータの定格電力Peを超える場合、インバータは、そのまま過負荷保護を開始することがなく、外部負荷が過負荷となった場合、最初にインバータの出力電力を第一プリセット電力P1に低減して出力することで、負荷によるインバータへの瞬間的な電流衝撃が低減され、インバータへの損害が回避される。そして、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に上げるように制御するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を制御することで、負荷作動効率が段階的に向上され、インバータが損害から保護される。
【0023】
選択的な実施形態において、前記第二プリセット電力P2での作業をプリセット時間値T1だけ維持して、前記インバータの出力電力を前記インバータの定格電力Peに調整し、定格電力Peでの作業をプリセット時間値T2(T2<T1)だけ維持するステップ5と、ステップ1~ステップ5を周期的に繰り返して実行するステップ6とを更に含む。
【0024】
理解できることに、インバータの出力電力をプリセット時間T1だけ維持した後にインバータの定格電力Peに調整して出力し、プリセット時間T2だけ維持した後、ステップ1~ステップ5を周期的に繰り返して実行することで、インバータの出力電力の調整がより科学的かつ合理的になり、インバータの出力電力の頻繁な調整によるシステム制御の変動が回避され、負荷作動効率が向上されると同時に、インバータ及び投入負荷の使用寿命の延長に有利である。
【0025】
選択的な実施形態において、前記ステップ4は、前記インバータの前記第一プリセット電力P1での現在負荷電流Itを取得するステップ4.1と、前記現在負荷電流Itと前記インバータでサポートされるピーク電流Imとを比較するステップ4.2と、It≦Imであれば、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に調整するステップ4.3とを含む。
【0026】
理解できることに、負荷の電流Itとインバータのピーク電流Imとの関係を取得して比較することで、インバータの出力電力が制御され、負荷が正常に動作されるように駆動され易くなり、It≦Imの場合、インバータの出力電力を段階的に調整することで、負荷を駆動して作動させる最適な出力電力が実現され、負荷の使用状態及び使用寿命の延長に有利である。
【0027】
選択的な実施形態において、前記ステップ4.3は、It≦Imであれば、前記インバータの前記第一プリセット電力P1での現在出力電圧Uo1を引き続き取得するステップ4.3.1と、前記現在出力電圧Uo1とプリセットされた定格インバータ電圧Urとを比較するステップ4.3.2と、Uo1<Urであれば、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に調整し、及び/又は、Uo1≧Urであれば、前記現在出力電圧Uo1を下げ、ステップ4.3.1~ステップ4.3.2を繰り返すステップ4.3.3とを含む。
【0028】
理解できることに、It≦Imの場合、現在出力電圧Uo1が取得され、現在出力電圧Uo1とプリセットされた定格インバータ電圧Urとが比較され、Uo1<Urの場合、インバータの出力電力が第二プリセット電力P2に段階的に調整されることで、出力電力が瞬間的に上げられることによるインバータへの損壊が回避される。
【0029】
選択的な実施形態において、前記ステップ4.3は、It>Imであれば、前記インバータを制御してピーク電力Pmで出力させ、以下のステップa~ステップcを実行するステップを更に含み、ステップaは、前記インバータの前記ピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を取得するステップであり、ステップbは、前記現在出力電圧Uo2とプリセットされた最低インバータ電圧Uminとを比較するステップであり、ステップcは、前記現在出力電圧Uo2と前記最低インバータ電圧Uminとの比較結果に応じて、負荷を駆動する出力の停止要否を実行するステップであって、Uo2<Uminであれば、前記インバータが、負荷を駆動する出力を停止し、及び/又は、Uo2≧Uminであれば、ステップ1~ステップ4を繰り返して実行するステップである。
【0030】
理解できることに、It>Imの場合、インバータがピーク電力Pmで出力するように制御され、現在負荷電流Itが高すぎることによるインバータの損壊が回避されるため、インバータのハードウェアが損傷から保護されると同時に、It>Imの場合、インバータがそのまま過電流保護されて電力の出力が停止されることに起因して、負荷が動作できなくなることも回避され、また、インバータのピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を取得し、それをプリセットされた最低インバータ電圧Uminと比較し、Uo2<Uminの場合、負荷を駆動する出力を停止することで、負荷が標準電圧範囲内で動作されることを保証され、そうでなければ、ステップ1~ステップ4を繰り返して実行することで、循環的に監視するという目的が達成され、負荷によるインバータへの衝撃が高すぎることによるインバータの損壊が回避される。
【0031】
選択的な実施形態において、前記ステップcは、Uo2<Uminとなる異常継続時間長Tdをカウントするステップc.1と、前記異常継続時間長Tdとプリセットされたインバータの電圧異常保護時間Tsとを比較するステップc.2と、Td≧Tsであれば、前記インバータが、負荷を駆動する出力を停止し、及び/又は、Td<Tsであれば、ステップa~ステップcを繰り返して実行するステップc.3とを更に含む。
【0032】
理解できることに、Uo2<Uminのときの電圧異常継続時間長Tdを取得し、異常継続時間長Tdとプリセットされたインバータの電圧異常保護時間Tsとを比較することで、Td≧Tsであれば、現在出力電圧Uo2の異常時間が長すぎていることを示され、この場合、負荷の駆動が停止され、インバータから長時間に亘って異常電圧が出力されることを回避され、インバータが損壊から保護され、そうでなければ、ステップa~ステップcが繰り返して実行される。
【0033】
本発明の実施例は、ポータブル電気エネルギー蓄積システムであって、コンピュータプログラムを記憶した可読記憶媒体と、前記可読記憶媒体に電気的に接続されたパッケージICとを含み、前記コンピュータプログラムが前記パッケージICによって読み取られて動作されると、前記ポータブル電気エネルギー蓄積システムが、上記のいずれかの実施形態に記載の電力調節方法を実現する、ポータブル電気エネルギー蓄積システムを更に提供している。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
1)交流負荷の投入時に、現在投入されている負荷に対して電力検出を行って、投入負荷の現在電力Ptを得ることができ、現在電力Ptがインバータの定格電力Peを超える場合、インバータは、そのまま過負荷保護を開始することがなく、外部負荷が過負荷となった場合、最初にインバータの出力電力を第一プリセット電力P1に低減して出力することで、負荷によるインバータへの瞬間的な電流衝撃が低減され、インバータへの損害が回避される。そして、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に上げるように制御するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を制御することで、負荷作動効率が段階的に向上され、インバータが損害から保護される。
2)負荷の電流Itとインバータのピーク電流Imとの関係を取得して比較することで、インバータの出力電力が制御され、負荷が正常に動作されるように駆動され易くなり、It≦Imの場合、インバータの出力電力を段階的に調整することで、負荷を駆動して作動させる最適な出力電力が実現され、負荷の使用状態及び使用寿命の延長に有利である。
3)インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に上げてプリセット時間だけ維持した後、インバータの出力電力を定格電力Peに上げることで、現在の第二プリセット電力P2で負荷が安定して動作している時におけるインバータの出力電力の頻繁な調整に起因して、システム制御が変動し、負荷の使用寿命に影響が与えられてしまうことを回避される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明の実施例2に記載の電力調節方法の制御フローチャートである。
図2図2は、本発明の実施例2に記載の電力調節方法の詳細なフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施例2に記載の電力調節方法の調節中の電圧変化の模式図である。
図4図4は、本発明第3実施例によるポータブル電気エネルギー蓄積システム400のモジュール模式図である。
図5図5は、本発明の実施例4に記載の記憶媒体600の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確かつ分かり易くすることができるように、以下、図面と併せて、本発明の具体的な実施例を詳しく説明する。
【0037】
<第1実施例>
本発明の実施例は、筐体と、筐体内に配置されたインバータ及びエネルギー蓄積電池とを含み、筐体上には、少なくともACインターフェースが設けられており、エネルギー蓄積電池の出力端が、インバータを介してACインターフェースに電気的に接続され、外部負荷に給電するAC電流を出力するために使用されるポータブル電気エネルギー蓄積システムであって、投入負荷の現在電力Ptを検出するように構成された電力検出器と、現在電力Ptとインバータの定格電力Peとを比較するように構成された第一比較器と、現在電力Ptがインバータの定格電力Peよりも大きい場合、インバータの出力電力を第一プリセット電力P1(P1<Pe)に調整するように構成された第一アクチュエータと、投入負荷が第一プリセット電力P1で駆動されて作業を開始するか、又は作業開始して一定期間だけ維持すると、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2(P1<P2<Pe)に段階的に調整するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を実行するように構成された第二アクチュエータとを更に含む、ポータブル電気エネルギー蓄積システムを提供している。
【0038】
交流負荷の投入時に、電力検出器は、現在投入されている負荷に対して電力検出を行って、投入負荷の現在電力Ptを得ることができ、現在電力Ptがインバータの定格電力Peを超える場合、インバータは、そのまま過負荷保護を開始することがなく、外部負荷が過負荷となった場合、第一アクチュエータによって、最初にインバータの出力電力を低減して第一プリセット電力P1を出力することで、負荷によるインバータへの瞬間的な電流衝撃が低減され、インバータへの損害が回避される。そして、第二アクチュエータによって、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に上げるように制御するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を制御することで、負荷作動効率が段階的に向上され、インバータが損害から保護される。
【0039】
さらに、第二プリセット電力P2でインバータが作業を維持する時間Tをカウントし、Tがプリセット時間値T1に達すると、インバータの出力電力をインバータの定格電力Peに調整し、定格電力Peでの作業をプリセット時間値T2(T2<T1)だけ維持した後に投入負荷の現在電力Ptを再び検出するように構成された第一タイマを更に含む。
【0040】
第一タイマを設置して、インバータが特定の出力電力に維持される時間をカウントすることで、その後のインバータの出力電力の調整が容易となり、インバータの電力の出力がより合理的になり、負荷作動効率が向上されると同時に、インバータ及び投入負荷の使用寿命の延長に有利である。
【0041】
さらに、インバータの第一プリセット電力P1での現在負荷電流Itを検出するように構成された電流検出回路と、現在負荷電流Itとインバータでサポートされるピーク電流Imとを比較するように構成された第二比較器とを更に含み、It≦Imの場合、第二アクチュエータは、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に調整する。
【0042】
電流検出回路及び第二比較器を設置して、それらを、負荷の電流Itとインバータのピーク電流Imとの関係の検出及び比較、並びにインバータの出力電力の制御に使用することで、負荷が正常に動作されるように駆動され易くなり、It≦Imの場合、インバータの出力電力を段階的に調整することで、負荷を駆動して作動させる最適な出力電力が実現され、負荷の使用状態及び使用寿命の延長に有利である。
【0043】
さらに、It≦Imの場合、インバータの第一プリセット電力P1での現在出力電圧Uo1を検出するように構成された第一電圧検出回路と、現在出力電圧Uo1とプリセットされた定格インバータ電圧Urとを比較するように構成された第三比較器とを更に含み、Uo1<Urの場合、第二アクチュエータは、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に調整する。
【0044】
It≦Imの場合、第一電圧検出回路によって現在出力電圧Uo1が取得され、第三比較器によって現在出力電圧Uo1とプリセットされた定格インバータ電圧Urとが比較され、Uo1<Urの場合、第二アクチュエータによってインバータの出力電力が第二プリセット電力P2に段階的に調整され、出力電力が瞬間的に上げられることによるインバータの損壊を回避される。
【0045】
さらに、Uo1≧Urの場合、現在出力電圧Uo1を調節するように構成された第三アクチュエータを更に含み、第一電圧検出回路は、インバータの現在出力電圧Uo1を引き続き検出し、構成された第三比較器によってそれをプリセットされた定格インバータ電圧Urと引き続き比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する。
【0046】
第三比較器による比較の結果、Uo1≧Urである場合、インバータの現在出力電圧Uo1<インバータの定格電圧Urとなるまでインバータの現在出力電圧Uo1が下げられ、インバータの現在出力電圧が高すぎることによるインバータの損壊が回避される。
【0047】
さらに、It>Imの場合、第二アクチュエータは、インバータを制御してピーク電力Pmで出力させ、第二電圧検出回路及び第四比較器を構成し、第二電圧検出回路は、インバータのピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を検出するように構成され、第四比較器は、現在出力電圧Uo2とプリセットされた最低インバータ電圧Uminとを比較するように構成され、第二アクチュエータは、現在出力電圧Uo2と最低インバータ電圧Uminとの比較結果に応じて、負荷を駆動する出力の停止要否を実行する。
【0048】
It>Imの場合、インバータがピーク電力Pmで出力するように制御され、現在負荷電流Itが高すぎることによるインバータの損壊が回避されるため、インバータのハードウェアが損傷から保護されると同時に、It>Imの場合、インバータがそのまま過電流保護されて電力の出力が停止されることに起因して、負荷が動作できなくなることも回避され、また、第二電圧検出回路を構成してインバータのピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を取得し、第四比較器によってそれをプリセットされた最低インバータ電圧Uminと比較し、比較結果に応じて、負荷を駆動する出力の停止要否を実行することで、負荷が標準電圧範囲内で動作されることを保証される。
【0049】
さらに、Uo2<Uminの場合、インバータは、負荷を駆動する出力を停止し、及び/又は、Uo2≧Uminの場合、電力検出器は、投入負荷の現在電力Ptを改めて検出し、構成された第一比較器によってそれをインバータの定格電力Peと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する。
【0050】
Uo2<Uminであれば、このときのインバータの出力電圧が最低インバータ電圧Uminよりも低く、負荷が非標準電圧範囲で作動されており、インバータの現在出力電圧Uo2が異常電圧になっていることを示され、この場合、負荷を駆動する出力が停止され、そうであれば、投入負荷の現在電力Ptを改めて検出し、構成された第一比較器によってそれをインバータの定格電力Peと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行することで、循環的に監視するという目的が達成され、負荷によるインバータへの衝撃が高すぎることによるインバータの損壊が回避される。
【0051】
さらに、Uo2<Uminとなる異常継続時間長Tdをカウントするように構成された第二タイマと、異常継続時間長Tdとプリセットされたインバータの電圧異常保護時間Tsとを比較するように構成された第五比較器とを更に含み、Td≧Tsの場合、第二アクチュエータは、インバータを制御して、負荷を駆動する出力を停止させるように実行し、及び/又は、Td<Tsの場合、第二電圧検出回路は、インバータのピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を引き続き検出し、構成された第四比較器によってそれをプリセットされた最低インバータ電圧Uminと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する。
【0052】
第二タイマを設置することで、Uo2<Uminのときの電圧異常継続時間長Tdが取得され、第五比較器によって異常継続時間長Tdとプリセットされたインバータの電圧異常保護時間Tsとが比較され、Td≧Tsであれば、現在出力電圧Uo2の異常時間が長すぎていることを示され、この場合、負荷の駆動が停止され、インバータから長時間に亘って異常電圧が出力されることを回避され、インバータが損壊から保護され、そうでなければ、第二電圧検出回路は、インバータのピーク電力Pmでの現在出力電圧Uo2を引き続き検出し、構成された第四比較器によってそれをプリセットされた最低インバータ電圧Uminと比較し、比較結果に応じて、対応する制御プログラムを実行する。
【0053】
<第2実施例>
図1を参照して、本発明の実施例は、S110~S140を含むポータブル電気エネルギー蓄積システムの電力調節方法を更に提供している。
【0054】
S110は、投入負荷の現在電力Ptを取得する。
【0055】
理解できることに、外部負荷の投入時に、ポータブル電気エネルギー蓄積システム内の電力検出器は、通信端子を介して、投入された負荷の情報をリアルタイムで取得でき、かかる情報には、例えば当該負荷の入力電力範囲が含まれる。
【0056】
説明すべきなのは、各々の負荷に入力電力範囲があり、当該入力電力範囲内で、負荷を駆動して動作させることが可能であり、投入負荷の現在電力Ptは、投入された各々の負荷の入力電力範囲の最大値の合計となる。
【0057】
S120は、前記現在電力Ptとインバータの定格電力Peとを比較する。
【0058】
理解できることに、投入負荷の現在電力Ptとインバータの定格電力Peとを比較することで、インバータの出力電力が調整され、過負荷時にインバータがそのまま過負荷保護を開始することに起因して、負荷が当該インバータ上で使用できなくなることを回避される。
【0059】
S130は、Pt>Peであれば、前記インバータの出力電力を第一プリセット電力P1(P1<Pe)に調整する。
【0060】
説明すべきなのは、負荷の現在電力Ptがインバータの定格電力Peよりも大きければ、過負荷になっていることを示され、インバータの出力電力を第一プリセット電力P1に下げることで、過負荷の場合における負荷によるインバータへの瞬間的な衝撃が低減される。
【0061】
S140は、前記投入負荷が前記第一プリセット電力P1で駆動されて作業を開始すれば、前記インバータの出力電力を第二プリセット電力P2(P1<P2<Pe)に段階的に調整するように実行するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を実行する。
【0062】
交流負荷の投入時に、現在投入されている負荷に対して電力検出を行って、投入負荷の現在電力Ptを得ることができ、現在電力Ptがインバータの定格電力Peを超える場合、インバータは、そのまま過負荷保護を開始することがなく、外部負荷が過負荷となった場合、最初にインバータの出力電力を第一プリセット電力P1に低減して出力することで、負荷によるインバータへの瞬間的な電流衝撃が低減され、インバータへの損害が回避される。そして、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2に段階的に上げるように制御するか、又は、負荷を駆動する出力の停止要否を制御することで、負荷作動効率が段階的に向上され、インバータが損害から保護される。
【0063】
次に与えられる使用シーンと併せて、上記の出力電力の調節方法について、明確かつ詳細に例示的に説明する。
【0064】
インバータ:
定格電力Pe=600W、ピーク電力Pm=1200W、
第一プリセット電力P1=417w、第二プリセット電力P2=570W、
ピーク電流Im=5.4A、
定格電圧Ur=220V、最低インバータ電圧Umin=209V、インバータの電圧異常保護時間Ts=30s。
投入負荷:
現在電力Pt=1000W。
【0065】
図2を参照して、このとき、取得された投入負荷の現在電力Pt(1000W)>Pe(600W)である。すると、インバータの出力電力を第一プリセット電力P1=417Wに調整し、即ち図3内のA点からB点に降下させ、
第一プリセット電力P1=417Wの条件下で、現在負荷電流It=3A<Im=5.4Aであると仮定し、
すると、引き続き取得されたインバータの第一プリセット電力P1=417Wでの現在出力電圧Uo1=139V<Ur=220Vであり、このとき、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2=570Wに段階的に調整し、即ち図3内のB点からC点に段階的に調整し、インバータの出力電力P2=570Wをプリセット時間値T1だけ維持した後、例えば1minだけ維持した後、即ち図3のC点からD点まで維持した後、直ちにインバータの出力電力を定格電力Pe=600Wに上げ、
そして、プリセット時間値T2だけ経過した後、例えば30Sだけ維持した後、負荷の現在電力Pt、インバータの定格電力Peを改めて取得し、投入負荷の現在電力Ptがインバータの定格電力Peを超えるかどうかを改めて判断する。
【0066】
又は、
第一プリセット電力P1=417Wの条件下で、現在負荷電流It=1.5A<Im=5.4Aであると仮定し、
すると、取得されたインバータの第一プリセット電力P1=417Wでの現在出力電圧Uo1=278V>Ur=220Vであり、このとき、インバータの現在出力電圧Uo1を下げ、インバータ定格電圧Urと改めて比較し、Uo1<Urを満たすようになるまで繰り返すと、インバータの出力電力を第二プリセット電力P2=570Wに段階的に上げ、インバータの出力電力P2=570Wをプリセット時間値T1だけ維持した後、例えば1minだけ維持した後、インバータの出力電力を定格電力Pe=600Wに上げ、
そして、プリセット時間値T2だけ経過した後、例えば30Sだけ維持した後、負荷の現在電力Pt、インバータの定格電力Peを改めて取得し、投入負荷の現在電力Ptがインバータの定格電力Peを超えるかどうかを改めて判断する。
【0067】
さらに又は、
第一プリセット電力P1=417Wの条件下で、現在負荷電流It=6A>Im=5.4Aであると仮定し、
すると、ピーク電力Pm=1200Wで出力され、このとき、現在出力電圧Uo2=200V<Umin=209Vであり、このときのインバータの現在出力電圧Uo2が異常電圧になっていることを示され、もしこのときに取得された当該異常電圧Uo2の異常継続時間長Td=40s>Ts=30sであると仮定すれば、負荷の駆動が停止され、もしこのときに取得された当該異常電圧Uo2の異常継続時間長Td=20s<Ts=30sであれば、インバータの現在出力電圧Uo2を改めて取得し、それをインバータの最低インバータ電圧Umin=209Vと比較する処理に戻る。
【0068】
なお又は、
第一プリセット電力P1=417Wの条件下で、現在負荷電流It=5.6A>Im=5.4Aであると仮定し、
すると、ピーク電力Pm=1200Wで出力され、このとき、現在出力電圧Uo2=214V>Umin=209Vであり、このときインバータの現在出力電圧Uo2が正常になっていることを示され、投入負荷の現在電力Ptを改めて取得し、それをインバータの定格電力Peと比較する処理に戻り、
もしこの際に取得された投入負荷の現在電力Pt=500W<Peであれば、負荷を駆動して動作させ、プリセット時間だけ経過した後、投入負荷の現在電力Ptを改めて取得し、それをインバータの定格電力Peと比較する処理に戻る。
【0069】
本発明の優位性は、次の通りである。
1、インバータの定格出力電力が投入負荷の現在電力Ptよりも低い場合でも、負荷を駆動して低電力で作動させることができ、そして、インバータは、出力電力を段階的に増加させて、負荷に適合した値に調節することができ、負荷が適切な低電力で作動される。
2、投入負荷の現在電力Ptがインバータの定格電力Pe以下であるか、又はインバータの定格電力Peよりもやや高いという状況に対応でき、現在負荷電流が高すぎることによるインバータへの損傷が回避される。
3、インバータの出力電力を段階的にゆっくりと第二プリセット電力に上げることで、インバータの出力電力が負荷に適合でき、負荷作動効率が向上される。
【0070】
<第3実施例>
図4を参照して、本発明は、ポータブル電気エネルギー蓄積システム400であって、コンピュータプログラム411を記憶したメモリ410と、メモリに電気的に接続されたパッケージIC420とを含み、コンピュータプログラム411がパッケージIC420によって読み取られて動作されると、ポータブル電気エネルギー蓄積システム400が、上記の第1実施例に係る出力電力の調節方法を実現する、ポータブル電気エネルギー蓄積システムを更に提供している。1つの具体的な実施例において、パッケージIC420は、例えばプロセッサチップであり、当該プロセッサチップは、コンピュータプログラムを読み取んで実行するために、メモリ410に電気的に接続されている。パッケージIC420は、パッケージ回路板であってもよく、回路板には、コンピュータプログラム411を読み取んで実行可能なプロセッサチップがパッケージ化されており、無論、回路板には、メモリ410がパッケージ化されてもよい。
【0071】
<第4実施例>
図5を参照して、本発明の実施例は、コンピュータ実行可能な命令610を記憶した記憶媒体600であって、前記コンピュータ実行可能な命令610がプロセッサによって読み取られて動作すると、前記記憶媒体600の位置する機器が制御されて、実施例2に記載の電力調節方法を実現する。
【0072】
本願によって提供されるいくつかの実施例において、開示された装置及び方法は、他の形態で実現されてもよいことを理解されたい。上記に記載の装置の実施例は、例示的なものに過ぎず、例えば、本発明の各実施例における各機能モジュールは、全部統合されて1つの独立した部分を形成してもよいし、各モジュールが個別に存在してもよく、2つ以上のモジュールが統合されて1つの独立した部分を形成してもよい。
【0073】
前記機能は、ソフトウェア機能モジュールの形で実装され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の技術案の本質的部分、又は従来技術に対する貢献をもたらす部分、又は当該技術案の部分は、ソフトウェア製品の形で具現化することができる。当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本発明の各実施例に記載の方法における全部又は一部のステップを、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器であり得る)に実行させるためのいくつかの命令を含む。上記の記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、ポータブルハードディスク、読取専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、又は光ディスクなどのプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0074】
以上、本発明を開示したが、本発明は、これに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を加えることができるため、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に規定された範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5