(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072765
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240521BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240521BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K3/46 T
H05K3/46 Z
H05K3/46 B
H01L23/12 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】34
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116101
(22)【出願日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0153872
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0002642
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 栽欣
(72)【発明者】
【氏名】朴 鍾殷
(72)【発明者】
【氏名】朴 贊珍
(72)【発明者】
【氏名】梁 玄錫
(72)【発明者】
【氏名】柳 泰熙
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA35
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB06
5E316BB15
5E316CC04
5E316CC05
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD17
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5E316EE09
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5E316GG28
5E316HH26
5E316HH33
5E316JJ02
5E316JJ03
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB75
5E338CC02
5E338CD13
5E338EE23
5E338EE33
(57)【要約】
【課題】微細回路形成が可能であり、信頼性に優れたプリント回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本開示は、第1絶縁層と、上記第1絶縁層上にそれぞれ配置された複数の第1回路パターンと、上記第1絶縁層上に配置され、上記複数の第1回路パターンのそれぞれの側面の一部を覆う第2絶縁層と、上記複数の第1回路パターンのうち、隣接する少なくとも一対の第1回路パターンの間に配置され、上記第1絶縁層と一体化された絶縁部と、を含む、プリント回路基板とその製造方法に関するものである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上にそれぞれ配置された複数の第1回路パターンと、
前記第1絶縁層上に配置され、前記複数の第1回路パターンのそれぞれの側面の一部を覆う第2絶縁層と、
前記複数の第1回路パターンのうち、隣接する少なくとも一対の第1回路パターンの間に配置され、前記第1絶縁層と一体化された絶縁部と、を含むプリント回路基板。
【請求項2】
前記絶縁部は、前記第1絶縁層の一部が前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンの間に延びて配置されている、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間には境界が存在し、
前記第1絶縁層と前記絶縁部との間に境界が存在しない、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記絶縁部は、前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのそれぞれの互いに向かい合う一側面同士の間に配置され、前記第2絶縁層は、前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのそれぞれの前記一側面の反対側である他側面を覆う、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのそれぞれの一側面と前記絶縁部との間にシード金属層が配置される、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのそれぞれの他側面と上面と下面には前記シード金属層が配置されない、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記複数の第1回路パターンのそれぞれの上面と、前記第2絶縁層の上面と、前記絶縁部の上面は、互いにコプラナーであり、
前記複数の第1回路パターンのそれぞれの下面と、前記第2絶縁層の下面は、互いにコプラナーである、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
断面上において、前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのうち一つ、前記絶縁部、前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのうち他の一つ、及び前記第2絶縁層は、この順に繰り返し配置される、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記断面上における繰り返し配置において、前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのうち、一つと他の一つの線幅をそれぞれW1、前記絶縁部の幅をW2、前記第2絶縁層の幅をW3とするとき、線幅または幅がW1、W2、W1、W3の順で繰り返される、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は互いに異なる絶縁材を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は互いに同じ絶縁材を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記第1絶縁層上に配置され、断面上における前記複数の第1回路パターンのそれぞれより線幅がさらに広い第2回路パターンをさらに含み、
前記絶縁部は、前記第2回路パターンの両側面と離隔して配置され、前記第2絶縁層は、前記第2回路パターンの両側面を覆う、請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記第1絶縁層上に配置されるパッドパターンをさらに含み、
前記絶縁部は、前記パッドパターンの両側面と離隔して配置され、前記第2絶縁層は、前記パッドパターンの両側面を覆う、請求項12に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記プリント回路基板は、複数のビルドアップ絶縁層と複数のビルドアップ配線層と複数のビルドアップビア層を含み、
前記複数のビルドアップ絶縁層のうち少なくとも一つのビルドアップ絶縁層は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層と前記絶縁部を含み、
前記複数のビルドアップ配線層のうち少なくとも一つのビルドアップ配線層は、前記複数の第1回路パターンと前記第2回路パターンと前記パッドパターンを含む、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記複数の第1回路パターンと前記第2回路パターンと前記パッドパターンを含むビルドアップ配線層には、前記複数の第1回路パターンのそれぞれの一側面にシード金属層が配置されるが、前記複数の第1回路パターンと前記第2回路パターンと前記パッドパターンのそれぞれの上面及び下面にはシード金属層が配置されず、
前記複数のビルドアップ配線層のうち、前記複数の第1回路パターンと前記第2回路パターンと前記パッドパターンを含むビルドアップ配線層を除いた残りのビルドアップ配線層には、回路パターンのそれぞれの上面または下面にシード金属層が配置される、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層と前記絶縁部を含むビルドアップ絶縁層は、前記複数のビルドアップ絶縁層のうち最外層に配置され、
前記複数の第1回路パターンと前記第2回路パターンと前記パッドパターンを含むビルドアップ配線層は、前記複数のビルドアップ配線層のうち最外層に配置される、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記プリント回路基板は、前記複数のビルドアップ絶縁層のうち最外層に配置されたビルドアップ絶縁層上に配置されたレジスト層をさらに含み、
前記レジスト層は、前記第2絶縁層及び前記絶縁部とそれぞれ接する、請求項16に記載のプリント回路基板。
【請求項18】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層と前記絶縁部を含むビルドアップ絶縁層は、前記複数のビルドアップ絶縁層のうち内層に配置され、
前記複数の第1回路パターンと前記第2回路パターンと前記パッドパターンを含むビルドアップ配線層は、前記複数のビルドアップ配線層のうち内層に配置される、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項19】
前記プリント回路基板は、コアタイプの第1基板部と、前記第1基板部上に配置され、複数のビルドアップ絶縁層と複数のビルドアップ配線層と複数のビルドアップビア層を含むコアレスタイプの第2基板部と、を含み、
前記複数のビルドアップ絶縁層のうち少なくとも一つのビルドアップ絶縁層は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層と前記絶縁部を含み、
前記複数のビルドアップ配線層のうち少なくとも一つのビルドアップ配線層は、前記複数の第1回路パターンと前記第2回路パターンと前記パッドパターンを含む、請求項13に記載のプリント回路基板。
【請求項20】
前記複数のビルドアップ絶縁層は、全層が前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層と前記絶縁部を含み、
前記複数のビルドアップ配線層は、全層が前記複数の第1回路パターンと前記第2回路パターンと前記パッドパターンを含む、請求項19に記載のプリント回路基板。
【請求項21】
絶縁材と、
前記絶縁材にそれぞれ埋め込まれた複数の第1回路パターンと、を含み、
前記複数の第1回路パターンのうち隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのそれぞれの互いに向かい合う一側面上にはシード金属層が配置されるが、前記一側面の反対側である他側面上には前記シード金属層が配置されない、プリント回路基板。
【請求項22】
前記隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのそれぞれの上面及び下面上にはシード金属層が配置されない、請求項21に記載のプリント回路基板。
【請求項23】
前記絶縁材に埋め込まれた第2回路パターンと、
前記絶縁材に埋め込まれたパッドパターンと、をさらに含み、
前記第2回路パターン及び前記パッドパターンのそれぞれの両側面と下面上にはシード金属層が配置されない、請求項22に記載のプリント回路基板。
【請求項24】
デタッチ基板上に第1ドライフィルムを形成する段階と、
前記第1ドライフィルムをパターニングして、前記デタッチ基板上で互いに離隔して配置される複数のドライフィルムパターンを形成する段階と、
前記デタッチ基板上に前記複数のドライフィルムパターンのそれぞれを覆うシード金属層を形成する段階と、
前記シード金属層上に前記デタッチ基板と前記複数のドライフィルムパターンに沿って第1めっき層を形成する段階と、
前記第1めっき層上に前記第1めっき層を覆い、前記第1めっき層の側面同士の間の空間を満たす第2絶縁層を形成する段階と、
前記第2絶縁層と前記第1めっき層と前記シード金属層のそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階と、
前記シード金属層の側面同士の間に残存する前記複数のドライフィルムパターンを除去する段階と、
前記デタッチ基板上に前記第2絶縁層及び前記第1めっき層を覆い、前記シード金属層の側面同士の間の空間を満たす第1絶縁層を形成する段階と、
前記デタッチ基板を除去する段階と、
前記シード金属層と前記第1めっき層と前記第1絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階と、を含む、プリント回路基板の製造方法。
【請求項25】
前記複数のドライフィルムパターンを形成する段階において、前記複数のドライフィルムパターンのそれぞれの断面上での幅をnとするとき、断面上での前記複数のドライフィルムパターン同士の間の離隔距離は3nを満たす、請求項24に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項26】
前記第1めっき層を形成する段階において、前記第1めっき層の断面上での厚さまたは幅はnを満たす、請求項25に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項27】
前記第2絶縁層と前記第1めっき層と前記シード金属層のそれぞれの研磨は、前記デタッチ基板が配置された側とは反対側から少なくとも前記複数のドライフィルムパターンが露出するまで行われ、
前記シード金属層と前記第1めっき層と前記第1絶縁層のそれぞれの研磨は、前記デタッチ基板が除去された側から少なくとも前記第2絶縁層が露出するまで行われる、請求項24に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項28】
前記第1めっき層を形成する段階の後に、
前記第1めっき層及び前記シード金属層のうち平面上で前記複数のドライフィルムパターンのそれぞれの両端部に配置された部分を除去する段階をさらに含む、請求項24に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項29】
前記第1めっき層を形成する段階の後に、
前記第1めっき層上に第2ドライフィルムを形成する段階と、
前記第2ドライフィルムをパターニングして前記第1めっき層を露出させる複数の開口パターンを形成する段階と、
前記複数の開口パターン内に第2めっき層を形成する段階と、
前記第2ドライフィルムを除去する段階と、をさらに含む、請求項24に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項30】
前記第2絶縁層を形成する段階において、前記第2絶縁層は、前記第2めっき層をさらに覆い、前記第2めっき層の側面同士の間の空間及び前記第1めっき層と前記第2めっき層との間の空間をさらに満たし、
前記第2絶縁層と前記第1めっき層と前記シード金属層のそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階において、前記第2めっき層の少なくとも一部をさらに研磨し、
前記第1絶縁層を形成する段階において、前記第1絶縁層は前記第2めっき層をさらに覆う、請求項29に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項31】
前記第1絶縁層を形成する段階の後に、
複数の第1ビルドアップ絶縁層と複数の第1ビルドアップ配線層と複数の第1ビルドアップビア層を形成する段階をさらに含む、請求項30に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項32】
前記シード金属層と前記第1めっき層と前記第1絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階の後に、
前記複数の第1ビルドアップ絶縁層と複数の第1ビルドアップ配線層と複数の第1ビルドアップビア層が形成された側とは反対側に、複数の第2ビルドアップ絶縁層と複数の第2ビルドアップ配線層と複数の第2ビルドアップビア層を形成する段階をさらに含む、請求項31に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項33】
前記第1絶縁層を形成する段階の後に、
前記第1絶縁層に前記第2めっき層を露出させる開口を形成する段階と、
前記開口内に金属バンプを形成する段階と、
前記金属バンプ上に低融点金属を形成する段階と、をさらに含む、請求項30に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項34】
前記プリント回路基板の製造方法は、コアタイプの第1基板部とコアレスタイプの第2基板部を準備した後、前記第1基板部及び前記第2基板部を一括積層することを含む、請求項33に記載のプリント回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路基板、例えば、微細回路を含むプリント回路基板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、電子部品産業において5G高速通信及び人工知能に対応するために高集積プリント回路基板が求められている。微細回路は高集積プリント回路基板を製造するための核心技術であり、例えばライン(Line)/スペース(Space)が大略数マイクロメートルの微細回路を実現することができる技術確保のための研究開発を活発に進めている。但し、従来の回路形成方法、例えばSAP(Semi Additive Process、セミアディティブプロセス)、MSAP(Modified Semi Additive Process、モディファイドセミアディティブプロセス)、ETS(Embedded Trace Substrte、埋め込みトレース基板)などの回路形成方法は、露光設備の解像力の限界とシードエッチング工程のマージンにより、上述したライン/スペース範囲の微細回路を実現するのに限界があり、またシードエッチング工程で不可避にリセス段差及び回路厚さのばらつきが生じて、信頼性が低下することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の様々な目的の一つは、微細回路形成が可能なプリント回路基板及びその製造方法を提供することである。
【0004】
本開示の様々な目的のもう一つは、信頼性に優れたプリント回路基板及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示を通じて提案する様々な解決手段のうち1つは、ドライフィルムをライン/スペースの比率が1/1ではないそれ以上の比率となるように露光及び現像して複数のドライフィルムパターンを形成し、その上にシード金属層を形成し、シード金属層上に大略一定の厚さでめっき層を形成し、この後、第2絶縁層で覆った後、1次研磨を進行し、複数のドライフィルムパターンを除去した後、第1絶縁層で覆ってから、2次研磨を進行して、微細回路を形成することである。
【0006】
例えば、一例によるプリント回路基板の製造方法は、デタッチ基板上に第1ドライフィルムを形成する段階と、上記第1ドライフィルムをパターニングして、上記デタッチ基板上で互いに離隔して配置される複数のドライフィルムパターンを形成する段階と、上記デタッチ基板上に上記複数のドライフィルムパターンのそれぞれを覆うシード金属層を形成する段階と、上記シード金属層上に上記デタッチ基板と上記複数のドライフィルムパターンに沿って第1めっき層を形成する段階と、上記第1めっき層上に上記第1めっき層を覆い、上記第1めっき層間の空間を満たす第2絶縁層を形成する段階と、上記第2絶縁層と上記第1めっき層と上記シード金属層のそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階と、上記シード金属層間に残存する上記複数のドライフィルムパターンを除去する段階と、上記デタッチ基板上に上記第2絶縁層及び上記第1めっき層を覆い、上記シード金属層間の空間を満たす第1絶縁層を形成する段階と、上記デタッチ基板を除去する段階と、上記シード金属層と上記第1めっき層と上記第1絶縁層のそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階と、を含むものであることができる。
【0007】
また、一例に係るプリント回路基板は、第1絶縁層と、上記第1絶縁層上にそれぞれ配置された複数の第1回路パターンと、上記第1絶縁層上に配置され、上記複数の第1回路パターンのそれぞれの側面の一部を覆う第2絶縁層と、上記複数の第1回路パターンのうち、隣接する少なくとも一対の第1回路パターンの間に配置され、上記第1絶縁層と一体化された絶縁部と、を含むものであることができる。
【0008】
また、一例に係るプリント回路基板は絶縁材と、上記絶縁材にそれぞれ埋め込まれた複数の第1回路パターンと、を含み、上記複数の第1回路パターンのうち、隣接する少なくとも一対の第1回路パターンのそれぞれの互いに向かい合う一側面上にはシード金属層が配置されるが、上記一側面の反対側である他側面上には上記シード金属層が配置されないものであることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の様々な効果のうち一つとして、微細回路形成が可能なプリント回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【0010】
本開示の様々な効果のうちもう一つとして、信頼性に優れたプリント回路基板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
【
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【
図3】プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
【
図4】
図3のプリント回路基板の概略的なトップビューを示した平面図である。
【
図5a】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5b】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5c】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5d】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5e】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5f】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5g】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5h】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5i】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5j】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図5k】
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図6a】
図5eのカットエッチング(Cut Etch)の一例を概略的に示した工程図である。
【
図6b】
図5eのカットエッチング(Cut Etch)の一例を概略的に示した工程図である。
【
図6c】
図5eのカットエッチング(Cut Etch)の一例を概略的に示した工程図である。
【
図6d】
図5eのカットエッチング(Cut Etch)の一例を概略的に示した工程図である。
【
図6e】
図5eのカットエッチング(Cut Etch)の一例を概略的に示した工程図である。
【
図7】プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図である。
【
図8】
図7のプリント回路基板の概略的なトップビューを示した平面図である。
【
図9a】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図9b】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図9c】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図9d】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図9e】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図9f】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図9g】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図9h】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図9i】
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図10】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【
図11a】
図10のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図11b】
図10のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図11c】
図10のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図12】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【
図13a】
図12のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図13b】
図12のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図13c】
図12のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図14】プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【
図15a】
図14のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図15b】
図14のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図15c】
図14のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図15d】
図14のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図15e】
図14のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【
図15f】
図14のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0013】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログデジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の形態のチップ関連の電子部品が含まれることもできる。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi‐Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev‐DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線または有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020とともに互いに組み合わされることもできる。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics、低温同時焼成セラミックス)、EMI(Electro Magnetic Interference、電磁干渉)フィルタ、MLCC(Multi‐Layer Ceramic Capacitor、多層セラミックキャパシタ)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)なども挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)部品などであることができる。但し、これらに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。または、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0022】
プリント回路基板
図3は、プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図であり、
図4は、
図3のプリント回路基板の概略的なトップビューを示した平面図である。
【0023】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板100Aは、第1絶縁層111、第1絶縁層111上にそれぞれ配置された複数の第1回路パターン121、及び第1絶縁層111上に配置され、複数の第1回路パターン121のそれぞれの側面の一部を覆う第2絶縁層112を含む。第1絶縁層111の一部、例えば絶縁部111Pは、複数の第1回路パターン121のうち隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121の間に延びて配置される。第1絶縁層111と第2絶縁層112との間には層間界面、例えば境界が存在する一方、第1絶縁層111と絶縁部111Pとの間には層間界面、例えば境界が存在しない。例えば、絶縁部111Pと第1絶縁層111とは境界なしに一体化することができる。
【0024】
一方、絶縁部111Pは、隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121のそれぞれの一側面同士の間に配置されることができる。また、第2絶縁層112は、隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121のそれぞれの他側面を覆うことができる。このとき、隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121のうち一つと絶縁部111Pと隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121のうちもう一つと第2絶縁層112は断面上でこの順に少なくとも2回繰り返し配置されることができる。隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121のそれぞれは、断面上で互いに実質的に同じ線幅を有することができ、したがって一定の線幅の回路パターン121が繰り返し配置されることができる。例えば、断面上で、隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121のそれぞれの線幅をW1、絶縁部111Pの幅をW2、第2絶縁層112の幅をW3とするとき、線幅または幅がW1、W2、W1、W3の順に少なくとも2回繰り返すことができる。
【0025】
一方、隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121のそれぞれの一側面と絶縁部111Pとの間にはシード金属層mが配置されることができる一方、隣接する少なくとも一対の第1回路パターン121のそれぞれの一側面の反対側である他側面、そして上面と下面にはシード金属層mが配置されないことができる。
【0026】
一方、複数の第1回路パターン121のそれぞれの上面と第2絶縁層112の上面と絶縁部111Pの上面は、互いに実質的にコプラナーであることができる。また、複数の第1回路パターン121のそれぞれの下面と第2絶縁層112の下面とは互いに実質的にコプラナーであることができる。
【0027】
一方、第1及び第2絶縁層111、112は、互いに異なる絶縁材を含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、互いに実質的に同一の絶縁材を含むこともできる。この場合にも、上述したような層間境界が存在することができる。
【0028】
このような構造の一例に係るプリント回路基板100Aは、後述する新たな工程を通じて形成されることができ、この場合、従来のSAP、MSAP、ETSなどとは異なってパターンを形成するためのドライフィルムのライン/スペースを1/1以上、例えば約1:3程度の比率となるように露光及び現像してパターニングすることができるため、露光設備の解像力の限界を克服することができ、別途のシードエッチング工程を進めないことができるため、結果的にはライン/スペースが例えば約2μm/2μm以下の微細回路を容易に形成することができる。また、ETSのシードエッチング工程で不要に発生したリセス段差及び回路厚さのばらつきが発生しないため、製品の信頼性を向上させることができる。
【0029】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板100Aの構成要素についてより詳細に説明する。
【0030】
第1及び第2絶縁層111、112はそれぞれ絶縁材を含むことができる。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build‐up Film、味の素ビルドアップフィルム)、PPG(Prepreg、プリプレグ)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子素材が用いられることができる。また、絶縁材は、PID(Photo Imageable Dielectric、感光性誘電体)などの感光性絶縁材であることもできる。絶縁部111Pは、第1絶縁層111と実質的に同一の絶縁材を含むことができる。
【0031】
複数の第1回路パターン121はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数の第1回路パターン121は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターンを含むことができる。複数の第1回路パターン121は、それぞれ電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。
【0032】
シード金属層mは金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。シード金属層mは、無電解めっき層(または化学銅めっき)またはスパッタ層を含むことができ、好ましくはスパッタ層を含むことができるが、これに限定されるものではない。スパッタ層は一層または複数層であることができる。シード金属層mは、複数の第1回路パターン121とそれぞれ区別することができる。
【0033】
図5a~
図5kは、
図3及び
図4のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【0034】
図面を参照すると、一例に係るプリント回路基板100Aの製造方法は、デタッチ基板210上に第1ドライフィルム220を形成する段階、第1ドライフィルム220をパターニングしてデタッチ基板210上で互いに離隔して配置される複数のドライフィルムパターン221を形成する段階、デタッチ基板210上に複数のドライフィルムパターン221のそれぞれを覆うシード金属層mを形成する段階、シード金属層m上にデタッチ基板210と複数のドライフィルムパターン221に沿って第1めっき層M1を形成する段階、第1めっき層M1上に第1めっき層M1を覆って、第1めっき層M1の側面同士の間の空間G1を満たす第2絶縁層112を形成する段階、第2絶縁層112と第1めっき層M1とシード金属層mのそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階、シード金属層mの側面同士の間に残存する複数のドライフィルムパターン221を除去する段階、デタッチ基板210上に第2絶縁層112及び第1めっき層M1を覆ってシード金属層mの側面同士の間の空間G2を満たす第1絶縁層111を形成する段階、デタッチ基板210を除去する段階、及びシード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階を含む。
【0035】
一方、複数のドライフィルムパターン221を形成する段階において、複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの断面上での幅をnとするとき、断面上での複数のドライフィルムパターン221との間の離隔距離は実質的に3nを満たすことができる。また、第1めっき層M1を形成する段階において、第1めっき層M1の断面上での厚さまたは幅は実質的にnを満たすことができる。例えば、第1ドライフィルム220をライン/スペースが約1/3程度の比率で露光しても、結果的にはライン/スペースが約1/1程度の複数の第1回路パターン121を形成することができるため、露光工程マージンの確保が可能であることができる。
【0036】
このような製造方法で形成される一例に係るプリント回路基板100Aは、上述したように従来のSAP、MSAP、ETSなどと異なってパターンを形成するためのドライフィルムのライン/スペースを1/1以上、例えば約1/3程度の比率となるように露光及び現像してパターニングすることができるため、露光設備の解像力の限界を克服することができ、別途のシードエッチング工程を進めないことができるため、結果的にはライン/スペースが例えば約2μm/2μm以下の微細回路を容易に形成することができる。また、ETSのシードエッチング工程で不要に発生したリセス段差及び回路厚さのばらつきが発生しないため、製品の信頼性を向上させることができる。
【0037】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板100Aの製造方法についてより詳細に説明する。
【0038】
図5aを参照すると、デタッチ基板210上に第1ドライフィルム220を形成する。デタッチ基板210は、CCL(Copper Clad Laminate、銅張積層板)であることができるが、これに限定されるものではなく、デタッチが可能な様々な種類のキャリア基板が用いられることができる。デタッチ基板210は、デタッチコア211とデタッチ層212を含むことができる。デタッチコア211は絶縁材を含むことができ、デタッチ層212は金属を含むことができる。必要に応じては、両者間に離型層がさらに配置されることができる。第1ドライフィルム220は、ポジティブまたはネガティブタイプの感光性絶縁材を含むことができる。
【0039】
図5bを参照すると、第1ドライフィルム220をパターニングして、デタッチ基板210上に互いに離隔して配置される複数のドライフィルムパターン221を形成する。第1ドライフィルム220のパターニングは、フォトリソグラフィ工程、例えば露光及び現像工程を用いることができる。このとき、上述したように複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの断面上での幅をnとするとき、断面上での複数のドライフィルムパターン221同士の間の離隔距離は実質的に3nを満たすことができる。すなわち、大略的にライン/スペースがn/3n程度の比率を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0040】
図5cを参照すると、デタッチ基板210上に複数のドライフィルムパターン221のそれぞれを覆うシード金属層mを形成する。シード金属層mはスパッタ工程で形成することができるが、これに限定されるものではなく、必要に応じては無電解めっき、例えば化学銅めっきで形成することもできる。シード金属層mは、デタッチ基板210と複数のドライフィルムパターン221に沿って薄い厚さで形成されることができる。
【0041】
図5dを参照すると、シード金属層m上にデタッチ基板210と複数のドライフィルムパターン221に沿って第1めっき層M1を形成する。第1めっき層M1は、電解めっき、例えば電気銅めっきで形成することができる。このとき、上述したように、第1めっき層M1の断面上での厚さまたは幅は実質的にnを満たすことができる。したがって、この後、ライン/スペースが約1:1程度の複数の第1回路パターン121を形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0042】
図5eを参照すると、第1めっき層M1のうち、平面上で複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの両端部に配置された部分を除去する。例えば、カットエッチングを進める。これにより、第1めっき層M1が複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの両端部で続くことを防止することができる。この工程で、シード金属層mのうち、平面上で複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの両端部に配置された部分も除去されることができる。これに対する具体的な工程は後述する。
【0043】
図5fを参照すると、第1めっき層M1上に第1めっき層M1を覆い、第1めっき層M1の側面同士の間の空間G1を満たす第2絶縁層112を形成する。第2絶縁層112は、未硬化状態のフィルムを積層した後、硬化して形成することができるが、これに限定されるものではない。第2絶縁層112は、第1めっき層M1の表面を全体的に覆うことができる。
【0044】
図5gを参照すると、デタッチ基板210が配置された側とは反対側で、第2絶縁層112と第1めっき層M1とシード金属層mのそれぞれの少なくとも一部を研磨する。例えば、少なくとも複数のドライフィルムパターン221が露出するまでこれらを研磨することができる。必要に応じては、複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの一部も研磨することができる。一方、研磨工程としてはCMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)を用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の機械的及び/又は化学的平坦化工程を用いることもできる。
【0045】
図5hを参照すると、シード金属層mの側面同士の間に残存する複数のドライフィルムパターン221を除去する。複数のドライフィルムパターン221は、公知の剥離液を用いて除去することができるが、これに限定されるものではなく、機械的剥離を進行することもできる。
【0046】
図5iを参照すると、デタッチ基板210上に第2絶縁層112と第1めっき層M1を覆い、シード金属層mの側面同士の間の空間G2を満たす第1絶縁層111を形成する。第1絶縁層111は、未硬化状態のフィルムを積層した後、硬化して形成することができるが、これに限定されるものではない。第1絶縁層111は、第2絶縁層112と第1めっき層M1とシード金属層mのそれぞれの露出した表面を全体的に覆うことができる。
【0047】
図5jを参照すると、デタッチ基板210を除去する。例えば、デタッチコア211をデタッチ層212から分離する方法で、デタッチ基板210を除去することができる。残存するデタッチ層212は、先に除去するか、または後述する二番目の研磨段階で除去することができる。
【0048】
図5kを参照すると、デタッチ基板210が除去された側で、シード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部を研磨する。例えば、少なくとも第2絶縁層112が露出するまでこれらを研磨することができる。必要に応じては、第2絶縁層112の一部も研磨することができる。また、残存するデタッチ層212も研磨することができる。一方、研磨工程としてはCMPを用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の機械的及び/又は化学的平坦化工程を用いることもできる。研磨後の絶縁材111、111P、112にそれぞれ埋め込まれた複数の第1回路パターン121が形成されることができる。
【0049】
一連の工程を通じて上述した一例によるプリント回路基板100Aが形成されることができ、それ以外の他の内容は、上述した一例によるプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0050】
図6a~
図6eは、
図5eのカットエッチング(Cut Etch)の一例を概略的に示した工程図である。
【0051】
図6aを参照すると、上述した
図5a~
図5dによって説明したように、シード金属層m上にデタッチ基板210と複数のドライフィルムパターン221に沿って第1めっき層M1を形成する。このとき、複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの両端部で第1めっき層M1及びシード金属層mが続くことができる。
【0052】
図6bを参照すると、第1めっき層M1上に第3ドライフィルム240を形成した後にパターニングして、複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの両端部上に配置された第1めっき層M1を露出させる開口240hを形成する。第3ドライフィルム240は、ポジティブまたはネガティブタイプの感光性絶縁材を含むことができる。開口240hは、フォトリソグラフィ工程、例えば露光及び現像工程で形成することができる。
【0053】
図6cを参照すると、開口240hを介して露出した第1めっき層M1の続く部分をカットエッチングで除去する。カットエッチングとしては、公知のウェットまたはドライエッチングが用いられることができる。このとき、シード金属層mの続く部分も除去されることができる。
【0054】
図6dを参照すると、開口240hを介して露出したシード金属層m上に第1めっき層M1を薄い厚さでさらに形成する。さらに形成される第1めっき層M1は、電解めっき、例えば電気銅めっきで形成することができる。このとき、さらに形成された第1めっき層M1は、複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの両端部の側壁上で複数のドライフィルムパターン221上に配置される第1めっき層M1と断絶されることがある。
【0055】
図6eを参照すると、第3ドライフィルム240を除去する。第3ドライフィルム240は公知の剥離液を用いて除去することができるが、これに限定されるものではなく、機械的剥離を進行することもできる。
【0056】
一連の工程を通じて、上述したカットエッチングが進行することができ、これにより、第1めっき層M1及び/又はシード金属層mが複数のドライフィルムパターン221のそれぞれの両端部で続くことを防止することができる。
【0057】
図7は、プリント回路基板の他の一例を概略的に示した断面図であり、
図8は、
図7のプリント回路基板の概略的なトップビューを示した平面図である。
【0058】
図面を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板100Bは、上述した一例に係るプリント回路基板100Aにおいて第1絶縁層111上にそれぞれ配置される第2回路パターン122及びパッドパターン123をさらに含む。第2回路パターン122は、微細回路ではない一般回路であることができ、したがって断面上での複数の第1回路パターン121のそれぞれより線幅がさらに広いことができる。パッドパターン123は、層間接続のためのビアが連結されるパターンであることができ、したがって断面上での幅が複数の第1回路パターン121のそれぞれの線幅及び/又は第2回路パターン122の線幅よりもさらに広いことができる。
【0059】
一方、第1絶縁層111は、第2回路パターン122及びパッドパターン123のそれぞれの両側面と離隔して配置されることができ、第2絶縁層112は第2回路パターン122及びパッドパターン123のそれぞれの両側面を覆うことができる。
【0060】
一方、第2回路パターン122及びパッドパターン123のそれぞれの上面は、複数の第1回路パターン121のそれぞれの上面、第2絶縁層112の上面、及び絶縁部111Pの上面と、互いに実質的にコプラナーであることができる。また、第2回路パターン122及びパッドパターン123のそれぞれの下面は、複数の第1回路パターン121のそれぞれの下面、及び第2絶縁層112の下面と、互いに実質的にコプラナーであることができる。
【0061】
一方、第2回路パターン122及びパッドパターン123のそれぞれの両側面と上面と下面上にはシード金属層mが配置されないことができる。
【0062】
このような構造の他の一例によるプリント回路基板100Bは、後述する新しい工程を通じて形成されることができ、この場合、微細回路と一般回路の両方を全て含むことができるため、より多様な設計デザインが可能であることができる。また、パッドパターンを含むことができるため、多層基板により容易に適用されることができる。
【0063】
以下では、図面を参照して他の一例によるプリント回路基板100Bの構成要素についてより詳細に説明する。
【0064】
第2回路パターン122は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第2回路パターン122は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。第2回路パターン122は複数個存在することができ、複数の第2回路パターン122のそれぞれはライン(line)、プレーン(plane)などの様々な形態を有することができる。第2回路パターン122は電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。
【0065】
パッドパターン123は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。パッドパターン123は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号用パッドパターン、パワー用パッドパターン、グランド用パッドパターンなどを含むことができる。パッドパターン123は複数個存在することができ、複数の第1回路パターン121及び第2回路パターン122の少なくとも一つと電気的に連結されることができる。パッドパターン123は電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。
【0066】
それ以外の他の内容は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0067】
図9a~
図9iは、
図7及び
図8のプリント回路基板の製造一例を概略的に示した工程図である。
【0068】
図面を参照すると、他の一例に係るプリント回路基板100Bの製造方法は、上述した一例に係るプリント回路基板100Aの製造方法において、第1めっき層M1を形成する段階の後に、第1めっき層M1上に第2ドライフィルム230を形成する段階、第2ドライフィルム230をパターニングして第1めっき層M1を露出させる複数の開口パターン230hを形成する段階、複数の開口パターン230h内に第2めっき層M2を形成する段階、及び第2ドライフィルム230を除去する段階をさらに含む。
【0069】
一方、第2絶縁層112を形成する段階で、第2絶縁層112は第2めっき層M2をさらに覆い、第2めっき層M2の側面同士の間の空間G3及び第1めっき層M1と第2めっき層M2との間の空間G4をさらに満たすことができる。また、第2絶縁層112と第1めっき層M1とシード金属層mのそれぞれの少なくとも一部を研磨する段階で、第2めっき層M2の少なくとも一部をさらに研磨することができる。また、第1絶縁層111を形成する段階で、第1絶縁層111は第2めっき層M2をさらに覆うことができる。
【0070】
このような製造方法で形成される他の一例によるプリント回路基板100Bは、微細回路と一般回路の両方を全て含むことができ、パッドパターンを含むことができるため、より多様な設計デザインが可能であり、多層基板により容易に適用されることができる。
【0071】
以下では、図面を参照して他の一例に係るプリント回路基板100Bの製造方法についてより詳細に説明する。
【0072】
図9aを参照すると、上述した
図5a~
図5eと実質的に同じ工程を通じて、デタッチ基板210上に複数のドライフィルムパターン221とシード金属層mと第1めっき層M1を形成する。
【0073】
図9bを参照すると、第1めっき層M1上に第2ドライフィルム230を形成し、第2ドライフィルム230をパターニングして第1めっき層M1を露出させる複数の開口パターン230hを形成した後、複数の開口パターン230h内に第2めっき層M2を形成する。第2ドライフィルム230は、ポジティブまたはネガティブタイプの感光性絶縁材を含むことができ、フォトリソグラフィ工程、例えば露光及び現像工程で複数の開口パターン230hを形成することができる。第2めっき層M2は、電解めっき、例えば電気銅めっきで形成することができる。
【0074】
図9cを参照すると、第2ドライフィルム230を除去する。第2ドライフィルム230は公知の剥離液を用いて除去することができるが、これに限定されるものではなく、機械的剥離を進行することもできる。
【0075】
図9dを参照すると、第1めっき層M1及び第2めっき層M2上に第1めっき層M1及び第2めっき層M2を覆い、第1めっき層M1の側面同士の間の空間G1と第2めっき層M2の側面同士の間の空間G3と第1めっき層M1と第2めっき層M2との間の空間G4を満たす第2絶縁層112を形成する。第2絶縁層112は、未硬化状態のフィルムを積層した後、硬化して形成することができるが、これに限定されるものではない。第2絶縁層112は、第1及び第2めっき層M1、M2の表面を全体的に覆うことができる。
【0076】
図9eを参照すると、デタッチ基板210が配置された側とは反対側で、第2絶縁層112と第1及び第2めっき層M1、M2とシード金属層mのそれぞれの少なくとも一部を研磨する。例えば、少なくとも複数のドライフィルムパターン221が露出するまでこれらを研磨することができる。必要に応じては、複数のドライフィルムパターン221のそれぞれも一部研磨することができる。一方、研磨工程としてはCMPを用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の機械的及び/又は化学的平坦化工程を用いることもできる。
【0077】
図9fを参照すると、シード金属層mの側面同士の間に残存する複数のドライフィルムパターン221を除去する。複数のドライフィルムパターン221は、公知の剥離液を用いて除去することができるが、これに限定されるものではなく、機械的剥離を進行することもできる。
【0078】
図9gを参照すると、デタッチ基板210上に第2絶縁層112と第1及び第2めっき層M1、M2を覆い、シード金属層mの側面同士の間の空間G2を満たす第1絶縁層111を形成する。第1絶縁層111は、未硬化状態のフィルムを積層した後、硬化して形成することができるが、これに限定されるものではない。第1絶縁層111は、第2絶縁層112と第1及び第2めっき層M1、M2とシード金属層mのそれぞれの露出した表面を全体的に覆うことができる。
【0079】
図9hを参照すると、デタッチ基板210を除去する。例えば、デタッチコア211をデタッチ層212から分離する方法で、デタッチ基板210を除去することができる。残存するデタッチ層212は、先に除去するか、または後述する二番目の研磨段階で除去することができる。
【0080】
図9iを参照すると、デタッチ基板210が除去された側で、シード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部を研磨する。例えば、少なくとも第2絶縁層112及び第2めっき層M2が露出するまでこれらを研磨することができる。必要に応じては、第2絶縁層112及び第2めっき層M2のそれぞれの一部も研磨することができる。また、残存するデタッチ層212も研磨することができる。一方、研磨工程としてはCMPを用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の機械的及び/又は化学的平坦化工程を用いることもできる。研磨後に絶縁材111、111P、112にそれぞれ埋め込まれた複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123が形成されることができる。
【0081】
一連の工程を通じて、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bが形成されることができ、それ以外の他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100B及び上述したプリント回路基板100Aの製造方法で説明したものと実質的に同じであるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0082】
図10は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【0083】
図面を参照すると、また他の一例によるプリント回路基板100Cは、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2と複数のビルドアップ配線層120-1、120-2と複数のビルドアップビア層130-1、130-2を含む。複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2の少なくとも一つ110-1は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの第1絶縁層111及び第2絶縁層112と絶縁部111Pを含むことができ、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2の少なくとも一つ120-1は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むことができる。第1絶縁層111及び第2絶縁層112と絶縁部111Pを含むビルドアップ絶縁層110-1は、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち最外層に配置されることができ、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むビルドアップ配線層120-1は、複数の配線層120-1、120-2のうち最外層に配置されることができる。例えば、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの構造は、また他の一例に係るプリント回路基板100Cの多層コアレス基板の構造において最外層として適用されることができる。
【0084】
一方、また他の一例に係るプリント回路基板100Cは、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2の両側にそれぞれ配置される第1レジスト層141及び第2レジスト層142をさらに含むことができる。第1レジスト層141及び第2レジスト層142はそれぞれ複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち両側の最外側に配置されたビルドアップ配線層120-2、120-1のそれぞれの少なくとも一部をオープンさせる第1開口141h及び第2開口142hを有することができる。
【0085】
一方、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むビルドアップ配線層120-1は、複数の第1回路パターン121のそれぞれの一側面にシード金属層mが配置されるが、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123のそれぞれの上面及び下面にはシード金属層が配置されないようにすることができる。一方、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち、上述したビルドアップ配線層120-1を除いた残りのビルドアップ配線層120-2は、回路パターンのそれぞれの上面または下面にシード金属層(図示せず)が配置されることができる。このように、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2は、後述するように製造工程が異なるため、シード金属層の配置が異なることがある。
【0086】
以下では、図面を参照してまた他の一例に係るプリント回路基板100Cの構成要素についてより詳細に説明する。
【0087】
複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2はそれぞれ絶縁材を含むことができる。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build‐up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子素材が用いられることができる。また、絶縁材は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であることができる。
【0088】
複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち最外層に配置されたビルドアップ絶縁層110-1は、複数の絶縁層111、112と絶縁部111Pを含むことができる。複数の絶縁層111、112は、互いに実質的に同じ絶縁材を含むか、または互いに異なる絶縁材を含むことができ、いずれの場合も互いに層間境界が存在することができる。絶縁層111と絶縁部111Pは、互いに実質的に同一の絶縁材を含むことができ、互いに境界なしに一体化することができる。複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち残りのビルドアップ絶縁層110-2は、互いに実質的に同一の絶縁材を含むことができるが、必要に応じては異なる絶縁材を含むことができる。
【0089】
複数のビルドアップ配線層120-1、120-2はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のビルドアップ配線層120-1、120-2は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなどの様々な形態を有することができる。
【0090】
複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち最外層に配置されたビルドアップ配線層120-1は、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち最外層に配置されたビルドアップ絶縁層110-1内に配置されることができる。複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち残りのビルドアップ配線層120-2は、それぞれ複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち残りのビルドアップ絶縁層110-2の上または内に配置されることができる。複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち最外層に配置されたビルドアップ配線層120-1は、電解めっき層(又は電気銅めっき)を含むことができ、そのうち一部の微細回路のみの側面の一部にスパッタ層及び/又は無電解めっき層(または化学銅めっき)をシード金属層として含むことができる。残りのビルドアップ配線層120-2は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。あるいは、金属箔(または銅箔)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。または、金属箔(または銅箔)、無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅めっき)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じては両方の全てを含むこともできる。
【0091】
複数のビルドアップビア層130-1、130-2はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のビルドアップビア層130-1、130-2は、それぞれビアホールを満たすフィルドビア(filed Via)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal Via)を含むこともできる。複数のビルドアップビア層130-1、130-2にそれぞれ含まれたビアは、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。複数のビルドアップビア層130-1、130-2にそれぞれ含まれたビアは、断面上で互いに同じ方向のテーパ形状を有することができる。
【0092】
複数のビルドアップビア層130-1、130-2のうち最外層に配置されたビルドアップビア層130-1は、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち最外層に配置されたビルドアップ絶縁層110-1を貫通することができ、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち最外層に配置されたビルドアップ配線層120-1と連結されることができる。複数のビルドアップビア層130-1、130-2のうち残りのビルドアップビア層130-2は、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち残りのビルドアップ絶縁層110-2をそれぞれ貫通することができ、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち残りのビルドアップ配線層120-2とそれぞれ連結されることができる。複数のビルドアップビア層130-1、130-2は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅めっき)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じては両方の全てを含むこともできる。
【0093】
第1レジスト層141及び第2レジスト層142は、液状またはフィルムタイプのソルダーレジスト(Solder Resist)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材が用いられることもできる。第1開口141h及び/又は第2開口142hに露出するパターン上には必要に応じて表面処理層が形成されることができる。あるいは、第1開口141h及び/又は第2開口142hに露出するパターン上には金属バンプが形成されることもできる。第2レジスト層142は、第2絶縁層112及び絶縁部111Pとそれぞれ接することができる。
【0094】
それ以外の他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100Bで説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0095】
【0096】
図面を参照すると、また他の一例に係るプリント回路基板100Cの製造方法は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの製造方法において、第1絶縁層111を形成する段階の後に、複数のビルドアップ絶縁層110-2と複数のビルドアップ配線層120-2と複数のビルドアップビア層130-1、130-2を形成する段階をさらに含む。例えば、また他の一例に係るプリント回路基板100Cの製造方法は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの製造方法において、デタッチ段階前に多層コアレス基板を形成することができ、したがって、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの構造がまた他の一例に係るプリント回路基板100Cの多層コアレス基板の構造において最外層として適用されることができる。
【0097】
一方、また他の一例に係るプリント回路基板100Cの製造方法は、シード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部を研磨段階後に複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2の両側にそれぞれ第1レジスト層141及び第2レジスト層142を形成する段階をさらに含むことができる。また、第1レジスト層141及び第2レジスト層142のそれぞれに複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち両側の最外側に配置されたビルドアップ配線層120-2、120-1のそれぞれ少なくとも一部をオープンさせる第1開口141h及び第2開口142hを形成する段階をさらに含むことができる。
【0098】
以下では、図面を参照してまた他の一例によるプリント回路基板100Cの製造方法についてより詳細に説明する。
【0099】
図11aを参照すると、上述した
図9a~
図9gと実質的に同じ工程を介してデタッチ基板210上に第1絶縁層111及び第2絶縁層112と第1めっき層M1及び第2めっき層M2とシード金属層mを形成する。次に、ビルドアップ工程で、複数のビルドアップ絶縁層110-2と複数のビルドアップ配線層120-2と複数のビルドアップビア層130-1、130-2を形成する。複数のビルドアップ絶縁層110-2は、未硬化状態の絶縁材を積層した後、硬化して形成することができ、複数のビルドアップ配線層120-2と複数のビルドアップビア層130-1、130-2は、第1絶縁層111と複数のビルドアップ絶縁層110-2にビアホールを加工した後、SAP、MSAP、Tentingなどを用いるめっき工程で形成することができる。
【0100】
図11bを参照すると、デタッチ基板210を除去する。例えば、デタッチコア211をデタッチ層212から分離する方法でデタッチ基板210を除去することができる。残存するデタッチ層212は、先に除去するか、または後述する二番目の研磨段階で除去することができる。次に、デタッチ基板210が除去された側で、シード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部研磨する。例えば、少なくとも第2絶縁層112及び第2めっき層M2が露出するまでこれらを研磨することができる。必要に応じては、第2絶縁層112及び第2めっき層M2のそれぞれの一部も研磨することができる。また、残存するデタッチ層212も研磨することができる。一方、研磨工程としてはCMPを用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の機械的及び/又は化学的平坦化工程を用いることもできる。研磨後に、絶縁材111、111P、112にそれぞれ埋め込まれた複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123が形成されることができる。複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち最外層に配置されるビルドアップ絶縁層110-1は、第1絶縁層111及び第2絶縁層112を含むことができる。複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち最外層に配置されるビルドアップ配線層120-1は、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むことができる。
【0101】
図11cを参照すると、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2の両側にそれぞれ第1レジスト層141及び第2レジスト層142を形成する。また、第1及び第2レジスト層141、142のそれぞれに複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち両側の最外側に配置されたビルドアップ配線層120-2、120-1のそれぞれの少なくとも一部をオープンさせる第1開口141h及び第2開口142hを形成する。第1開口141h及び/又は第2開口142hに露出するパターン上には表面処理層を形成することができる。あるいは、第1開口141h及び/又は第2開口142hに露出するパターン上には金属バンプを形成することもできる。
【0102】
一連の工程を通じて、上述したまた他の一例によるプリント回路基板100Cが形成されることができ、それ以外の他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100B、100C及び上述したプリント回路基板100A、100Bの製造方法で説明したものと実質的に同一であるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0103】
図12は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【0104】
図面を参照すると、また他の一例によるプリント回路基板100Dは、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3と複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3と複数のビルドアップビア層130-1、130-2、130-3を含む。複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3の少なくとも一つ110-1は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの第1絶縁層111及び第2絶縁層112と絶縁部111Pを含むことができ、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3の少なくとも一つ120-1は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むことができる。第1絶縁層111及び第2絶縁層112と絶縁部111Pを含むビルドアップ絶縁層110-1は、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3のうち内層に配置されることができ、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むビルドアップ配線層120-1は、複数の配線層120-1、120-2、120-3のうち内層に配置されることができる。例えば、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの構造は、また他の一例に係るプリント回路基板100Dの多層コアレス基板の構造において内層に適用されることができる。
【0105】
一方、また他の一例に係るプリント回路基板100Dは、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3の両側にそれぞれ配置される第1レジスト層141及び第2レジスト層142をさらに含むことができる。第1レジスト層141及び第2レジスト層142は、それぞれ複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち両側の最外側に配置されたビルドアップ配線層120-2、120-3のそれぞれの少なくとも一部をオープンさせる第1開口141h及び第2開口142hを有することができる。
【0106】
一方、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むビルドアップ配線層120-1は、複数の第1回路パターン121のそれぞれの側面にシード金属層mが配置されるが、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123のそれぞれの上面及び下面にはシード金属層が配置されないことができる。一方、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち上述したビルドアップ配線層120-1を除いた残りのビルドアップ配線層120-2、120-3は回路パターンのそれぞれの上面または下面にシード金属層(図示せず)が配置されることができる。このように、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3は、後述するように製造工程が異なるため、シード金属層の配置が異なることがある。
【0107】
以下では、図面を参照してまた他の一例に係るプリント回路基板100Dの構成要素についてより詳細に説明する。
【0108】
複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3はそれぞれ絶縁材を含むことができる。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build‐up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子素材が用いられることができる。また、絶縁材は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であることができる。
【0109】
複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3のうち内層に配置されたビルドアップ絶縁層110-1は、複数の絶縁層111、112と絶縁部111Pを含むことができる。複数の絶縁層111、112は、互いに実質的に同じ絶縁材を含むか、または互いに異なる絶縁材を含むことができ、いずれの場合にも互いに層間境界が存在することができる。絶縁層111と絶縁部111Pは、互いに実質的に同一の絶縁材を含むことができ、互いに境界なしに一体化されることができる。複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3のうち残りのビルドアップ絶縁層110-2、110-3は、互いに実質的に同一の絶縁材を含むことができるが、異なる絶縁材を含むこともできる。
【0110】
複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなどの様々な形態を有することができる。
【0111】
複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち内層に配置されたビルドアップ配線層120-1は、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3のうち内層に配置されたビルドアップ絶縁層110-1内に配置されることができる。複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち残りのビルドアップ配線層120-2、120-3は、それぞれ複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3のうち残りのビルドアップ絶縁層110-2、110-3の上または内に配置されることができる。複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち内層に配置されたビルドアップ配線層120-1は、電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができ、そのうち一部の微細回路のみが側面の一部にスパッタ層及び/又は無電解めっき層(または化学銅めっき)をシード金属層として含むことができる。残りのビルドアップ配線層120-2、120-3は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。あるいは、金属箔(または銅箔)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。あるいは、金属箔(または銅箔)、無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅めっき)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じては両方の全てを含むこともできる。
【0112】
複数のビルドアップビア層130-1、130-2、130-3はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のビルドアップビア層130-1、130-2、130-3は、それぞれビアホールを満たすフィルドビア(filed Via)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal Via)を含むこともできる。複数のビルドアップビア層130-1、130-2、130-3にそれぞれ含まれたビアは、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。複数のビルドアップビア層130-1、130-2、130-3のうち内層に配置されたビルドアップビア層130-1は、その下側に配置されたビルドアップビア層130-2と断面上で同じ方向のテーパ形状を有することができ、その上側に配置されたビルドアップビア層130-3とは断面上で反対方向のテーパ形状を有することができる。
【0113】
複数のビルドアップビア層130-1、130-2、130-3のうち内層に配置されたビルドアップビア層130-1は、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3のうち内層に配置されたビルドアップ絶縁層110-1を貫通することができ、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち内層に配置されたビルドアップ配線層120-1と連結されることができる。複数のビルドアップビア層130-1、130-2、130-3のうち残りのビルドアップビア層130-2、130-3は、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3のうち残りのビルドアップ絶縁層110-2、110-3をそれぞれ貫通することができ、複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち残りのビルドアップ配線層120-2、120-3とそれぞれ連結されることができる。複数のビルドアップビア層130-1、130-2、130-3は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅めっき)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じては両方の全てを含むこともできる。
【0114】
第1レジスト層141及び第2レジスト層142は、液状またはフィルムタイプのソルダーレジストを含むことができるが、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材が用いられることもできる。第1開口141h及び/又は第2開口142hに露出するパターン上には必要に応じて表面処理層が形成されることができる。あるいは、第1開口141h及び/又は第2開口142hに露出するパターン上には金属バンプが形成されることもできる。
【0115】
それ以外の他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100B、100Cで説明したものと実質的に同じであるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0116】
【0117】
図面を参照すると、また他の一例に係るプリント回路基板100Dの製造方法は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの製造方法において、第1絶縁層111を形成する段階の後に、複数のビルドアップ絶縁層110-2と複数のビルドアップ配線層120-2と複数のビルドアップビア層130-1、130-2を形成する段階をさらに含む。また、シード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部を研磨段階後に、残りの複数のビルドアップ絶縁層110-3と複数のビルドアップ配線層120-3と複数のビルドアップビア層130-3を形成する段階をさらに含む。例えば、また他の一例に係るプリント回路基板100Dの製造方法は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの製造方法において、デタッチ段階の前と後にそれぞれ多層コアレス基板を形成することができ、したがって、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの構造がまた他の一例に係るプリント回路基板100Dの多層コアレス基板の構造において内層として適用されることができる。
【0118】
一方、また他の一例に係るプリント回路基板100Dの製造方法は、シード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部を研磨段階後に複数のビルドアップ絶縁層110-3と複数のビルドアップ配線層120-3と複数のビルドアップビア層130-3を形成した後、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3の両側にそれぞれ第1レジスト層141及び第2レジスト層142を形成する段階をさらに含むことができる。また、第1レジスト層141及び第2レジスト層142のそれぞれに複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち、両側の最外側に配置されたビルドアップ配線層120-2、120-3のそれぞれの少なくとも一部をオープンさせる第1開口141h及び第2開口142hを形成する段階をさらに含むことができる。
【0119】
以下では、図面を参照してまた他の一例によるプリント回路基板100Dの製造方法についてより詳細に説明する。
【0120】
図13aを参照すると、上述した
図9a~
図9gと実質的に同じ工程を介してデタッチ基板210上に第1絶縁層111及び第2絶縁層112と第1めっき層M1及び第2めっき層M2とシード金属層mを形成する。次に、ビルドアップ工程で複数のビルドアップ絶縁層110-2と複数のビルドアップ配線層120-2と複数のビルドアップビア層130-1、130-2を形成する。複数のビルドアップ絶縁層110-2は、未硬化状態の絶縁材を積層した後、硬化して形成することができ、複数のビルドアップ配線層120-2と複数のビルドアップビア層130-1、130-2は、第1絶縁層111と複数のビルドアップ絶縁層110-2にビアホールを加工した後、SAP、MSAP、Tentingなどを用いるめっき工程で形成することができる。
【0121】
図13bを参照すると、デタッチ基板210を除去する。例えば、デタッチコア211をデタッチ層212から分離する方法で、デタッチ基板210を除去することができる。残存するデタッチ層212は、先に除去するか、または後述する二番目の研磨段階で除去することができる。次に、デタッチ基板210が除去された側で、シード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部を研磨する。例えば、少なくとも第2絶縁層112及び第2めっき層M2が露出するまでこれらを研磨することができる。必要に応じては、第2絶縁層112及び第2めっき層M2のそれぞれの一部も研磨することができる。また、残存するデタッチ層212も研磨することができる。一方、研磨工程としてはCMPを用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の機械的及び/又は化学的平坦化工程を用いることもできる。研磨後に、絶縁材111、111P、112にそれぞれ埋め込まれた複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123が形成されることができる。複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2のうち最外層に配置されるビルドアップ絶縁層110-1は、第1及び第2絶縁層111、112を含むことができる。複数のビルドアップ配線層120-1、120-2のうち最外層に配置されるビルドアップ配線層120-1は、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むことができる。
【0122】
図13cを参照すると、ビルドアップ工程で複数のビルドアップ絶縁層110-2と複数のビルドアップ配線層120-2と複数のビルドアップビア層130-1、130-2が形成された側の反対側に、残りの複数のビルドアップ絶縁層110-3と複数のビルドアップ配線層120-3と複数のビルドアップビア層130-3を形成する。複数のビルドアップ絶縁層110-3は、未硬化状態の絶縁材を積層した後、硬化して形成することができ、複数のビルドアップ配線層120-3と複数のビルドアップビア層130-3は、複数のビルドアップ絶縁層110-3にビアホールを加工した後、SAP、MSAP、テンティング(Tenting)などを用いるめっき工程で形成することができる。次に、複数のビルドアップ絶縁層110-1、110-2、110-3の両側にそれぞれ第1レジスト層141及び第2レジスト層142を形成する。また、第1レジスト層141及び第2レジスト層142のそれぞれに複数のビルドアップ配線層120-1、120-2、120-3のうち両側の最外側に配置されたビルドアップ配線層120-2、120-3のそれぞれの少なくとも一部をオープンさせる第1開口141h及び第2開口142hを形成する。第1開口141h及び/又は第2開口142hに露出するパターン上には表面処理層を形成することができる。あるいは、第1開口141h及び/又は第2開口142hに露出するパターン上には金属バンプを形成することもできる。
【0123】
一連の工程を通じて、上述したまた他の一例によるプリント回路基板100Dが形成されることができ、それ以外の他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100B、100C、100D及び上述したプリント回路基板100A、100B、100Cの製造方法で説明したものと実質的に同じであるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0124】
図14は、プリント回路基板のまた他の一例を概略的に示した断面図である。
【0125】
図面を参照すると、また他の一例によるプリント回路基板500は、コアタイプの第1基板部300と第1基板部300上に配置されるコアレスタイプの第2基板部400を含む。コアタイプの第1基板部300は、コア絶縁層311と複数のビルドアップ絶縁層312、313と複数のコア配線層321、322と複数のビルドアップ配線層323、324とコアビア層331と複数のビルドアップビア層332、333を含むことができる。コアレスタイプの第2基板部400は、複数のビルドアップ絶縁層411と複数のビルドアップ配線層421と複数のビルドアップビア層431を含むことができる。第2基板部400の複数のビルドアップ絶縁層411の少なくとも一つは、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの第1絶縁層111及び第2絶縁層112と絶縁部111Pを含むことができる。第2基板部400の複数のビルドアップ配線層421の少なくとも一つは、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むことができる。例えば、第2基板部400の複数のビルドアップ絶縁層411は、全層が第1絶縁層111及び第2絶縁層112と絶縁部111Pを含むことができ、複数のビルドアップ配線層421は、全層が複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むことができる。例えば、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの構造は、また他の一例に係るプリント回路基板100Dの多層パッケージ基板の構造において、第2基板部400の全層に適用されることができる。但し、これに限定されるものではなく、必要に応じては一部の層にのみ適用されることもできる。
【0126】
一方、また他の一例に係るプリント回路基板500は、第1基板部300及び第2基板部400のそれぞれの最外側に配置された第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2と第1レジスト層350及び第2レジスト層450をさらに含むことができる。第1レジスト層350は、第1基板部300の最外側に配置された複数の第1外側パッドP1のそれぞれの少なくとも一部を露出させる複数の第1開口350hを有することができる。第2レジスト層450は、第2基板部400の最外側に配置された複数の第2外側パッドP2のそれぞれの少なくとも一部を露出させる1つの第2開口450hを有することができる。
【0127】
以下では、図面を参照してまた他の一例に係るプリント回路基板500の構成要素についてより詳細に説明する。
【0128】
第1基板部300は、多層コアタイプの基板であることができる。例えば、第1基板部300は、コア絶縁層311、コア絶縁層311の両面にそれぞれ配置された複数のコア配線層321、322、コア絶縁層311を貫通し、複数のコア配線層321、322を連結するコアビア層331、コア絶縁層311の両面上にそれぞれ配置された複数のビルドアップ絶縁層312、313、複数のビルドアップ絶縁層312、313上または内にそれぞれ配置された複数のビルドアップ配線層323、324、複数のビルドアップ絶縁層312、313の少なくとも一つをそれぞれ貫通し、複数のビルドアップ配線層323、324の少なくとも一つとそれぞれ連結される複数のビルドアップビア層332、333を含むことができる。但し、第1基板部300は、必要に応じて多層コアレスタイプの基板に代替することもできる。
【0129】
コア絶縁層311は絶縁材を含むことができる。絶縁材としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの絶縁樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、または無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、例えばCCL(Copper Clad Laminate)の絶縁材などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。コア絶縁層311は、複数のビルドアップ絶縁層312、313のそれぞれより厚さがさらに厚いことができるが、これに限定されるものではない。
【0130】
複数のビルドアップ絶縁層312、313はそれぞれ絶縁材を含むことができる。絶縁材としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの絶縁樹脂がシリカなどの無機フィラーと混合された材料、または無機フィラーと共にガラス繊維などの芯材に含浸された樹脂、例えば、ABF(Ajinomoto Build‐up Film)、プリプレグ(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)の絶縁材などが用いられることができるが、これに限定されるものではない。複数のビルドアップ絶縁層312、313の層数は特に限定されず、互いに同一であることができるが、これに限定されるものではない。
【0131】
複数のコア配線層321、322はそれぞれ金属を含むことができる。金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができ、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のコア配線層321、322は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅めっき)と電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。さらに、銅箔をさらに含むことができる。複数のコア配線層321、322は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれラインパターン、プレーンパターン及び/又はパッドパターンを含むことができる。
【0132】
複数のビルドアップ配線層323、324はそれぞれ金属を含むことができる。金属としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができ、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のビルドアップ配線層323、324は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。さらに、銅箔をさらに含むことができる。複数のビルドアップ配線層323、324は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれラインパターン、プレーンパターン及び/又はパッドパターンを含むことができる。
【0133】
コアビア層331は貫通ビアを含むことができる。貫通ビアは、貫通孔の壁面に形成された金属層と金属層を満たすプラグを含むことができる。金属層は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを含むことができ、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。プラグは絶縁材質のインクを含むことができる。金属層は、無電解めっき層(または化学銅めっき)と電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。貫通ビア層331は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。
【0134】
複数のビルドアップビア層332、333はマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを満たすフィルドビア(filed Via)であるか、またはビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal Via)であることができる。マイクロビアは、スタックタイプ(stacked type)及び/又はスタッガードタイプ(staggered type)に配置されることができる。複数のビルドアップビア層332、333はそれぞれ金属を含むことができ、金属は銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを含むことができ、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のビルドアップビア層332、333は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。複数のビルドアップビア層332、333は、該当層の設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。
【0135】
第2基板部400は、微細回路を含むコアレスタイプの多層ビルドアップ基板であることができる。例えば、第2基板部400は、複数のビルドアップ絶縁層411、複数のビルドアップ絶縁層411内にそれぞれ配置される複数のビルドアップ配線層421及び複数のビルドアップ絶縁層411の少なくとも一つをそれぞれ貫通し、複数のビルドアップ配線層421の少なくとも一つとそれぞれ連結される複数のビルドアップビア層431を含むことができる。
【0136】
複数のビルドアップ絶縁層411はそれぞれ絶縁材を含むことができる。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/又はガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build‐up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子素材が用いられることができる。また、絶縁材は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であることができる。
【0137】
複数のビルドアップ絶縁層411の少なくとも一つのビルドアップ絶縁層411は、複数の絶縁層111、112と絶縁部111Pを含むことができる。例えば、全層のビルドアップ絶縁層411がそれぞれ複数の絶縁層111、112と絶縁部111Pを含むことができる。複数の絶縁層111、112は、互いに実質的に同じ絶縁材を含むか、または互いに異なる絶縁材を含むことができ、いずれの場合にも互いに層間境界が存在することができる。絶縁層111と絶縁部111Pは、互いに実質的に同一の絶縁材を含むことができ、互いに境界なしに一体化することができる。
【0138】
複数のビルドアップ配線層421はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。複数のビルドアップ配線層421は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなどの様々な形態を有することができる。
【0139】
複数のビルドアップ配線層421の少なくとも一つのビルドアップ配線層421は、複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むことができる。例えば、全層のビルドアップ配線層421がそれぞれ複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123を含むことができる。複数のビルドアップ配線層421は、それぞれ電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができ、そのうち一部の微細回路、例えば第1回路パターン121のみが側面の一部にスパッタ層及び/又は無電解めっき層(あるいは、化学銅めっき)をシード金属層として含むことができる。
【0140】
複数のビルドアップビア層431は、それぞれビアホールを満たす金属バンプ131を含むことができる。金属バンプ131はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。各金属バンプ131上には、低融点金属132、例えばソルダーなどが配置されることができる。各金属バンプ131は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランド用金属バンプ、パワー用金属バンプ、信号用金属バンプなどを含むことができる。
【0141】
複数のビルドアップビア層431は、それぞれ複数のビルドアップ絶縁層411のうち第1絶縁層111を貫通することができ、複数のビルドアップ配線層421のうちパッドパターン123と連結されることができる。例えば、各金属バンプ131は、下側のパッドパターン123と直接連結されることができる。また、各金属バンプ131は、上側のパッドパターン123と低融点金属132を介して連結されることができる。
【0142】
第1基板部300の第2基板部400と連結される最外層にも金属バンプ335及び低融点金属336が形成されることができる。金属バンプ335及び低融点金属336は、金属バンプ131及び低融点金属132で説明したものと実質的に同一であることができる。
【0143】
第1レジスト層350及び第2レジスト層450は、液状またはフィルムタイプのソルダーレジストを含むことができるが、これらに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材が用いられることもできる。複数の第1開口350hを介して露出する複数の第1外側パッドP1上にはそれぞれ第1表面処理層が配置されることができる。1つの第2開口450hを介して露出する複数の第2外側パッドP2上にはそれぞれ第2表面処理層が配置されることができる。
【0144】
第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/又はこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランド用外側パッド、パワー用外側パッド、信号用外側バンプなどを含むことができる。第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅めっき)及び電解めっき層(または電気銅めっき)を含むことができるが、これに限定されるものではない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。また、銅箔をさらに含むことができる。第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2はそれぞれパターン部を含むことができ、少なくとも一部はビア部をさらに含むことができる。
【0145】
第1表面処理層及び第2表面処理層は当該技術分野で公知のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、電解金めっき、無電解金めっき、OSP(Organic Solderability Preservative)又は無電解スズめっき、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき/置換金めっき、DIG(Direct Immersion Gold)めっき、HASL(Hot Air Solder Leveling)などによって形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0146】
それ以外の他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100B、100C、100Dで説明したものと実質的に同じであるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0147】
【0148】
図面を参照すると、また他の一例に係るプリント回路基板500の製造方法は、コアタイプの第1基板部300を準備する段階、コアレスタイプの第2基板部400を準備する段階と、第1基板部300及び第2基板部400を一括積層する段階を含む。第2基板部400を準備する段階は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの構造に第1絶縁層111を貫通し、パッドパターン123と連結される金属バンプ131及び金属バンプ131上に配置される低融点金属132をさらに形成した基板を複数個準備するものであることができる。例えば、これらの基板の製造方法は、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの製造方法において、第1絶縁層111を形成する段階の後に、第1絶縁層111に第2めっき層M2を露出させる開口111hを形成する段階、開口111h内に金属バンプ131を形成する段階、及び金属バンプ131上に低融点金属132を形成する段階をさらに含むことができる。したがって、上述した他の一例に係るプリント回路基板100Bの構造は、また他の一例に係るプリント回路基板100Dの多層パッケージ基板の構造において第2基板部400の全層に適用されることができる。
【0149】
一方、また他の一例に係るプリント回路基板500の製造方法は、一括積層する段階後に第1基板部300及び第2基板部400上にそれぞれ第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2と第1レジスト層350及び第2レジスト層450を形成する段階をさらに含むことができる。さらに、第1レジスト層350及び第2レジスト層450のそれぞれに第1開口350h及び第2開口450hを形成する段階をさらに含むことができる。
【0150】
以下では、図面を参照してまた他の一例によるプリント回路基板500の製造方法についてより詳細に説明する。
【0151】
図15aを参照すると、上述した
図9a~
図9gと実質的に同じ工程を介してデタッチ基板210上に第1絶縁層111及び第2絶縁層112と第1めっき層M1及び第2めっき層M2とシード金属層mを形成する。次に、第1絶縁層111に第2めっき層M2を露出させる開口111hを形成する。開口111hは、第1絶縁層111が感光性絶縁材を含む場合、フォトリソグラフィ工程で形成することができ、第1絶縁層111が非感光性絶縁材を含む場合はレーザ工程で形成することができる。
【0152】
図15bを参照すると、開口111h内に金属バンプ131を形成し、金属バンプ131上に低融点金属132を形成する。金属バンプ131は電解めっき、例えば電気銅めっきで形成することができるが、これに限定されるものではない。低融点金属132は、コーティング、めっきなどの公知の様々な方法で形成することができる。
【0153】
図15cを参照すると、デタッチ基板210を除去する。例えば、デタッチコア211をデタッチ層212から分離する方法で、デタッチ基板210を除去することができる。残存するデタッチ層212は、先に除去するか、または後述する二番目の研磨段階で除去することができる。次に、デタッチ基板210が除去された側で、シード金属層mと第1めっき層M1と第1絶縁層111のそれぞれの少なくとも一部を研磨する。例えば、第2絶縁層112及び第2めっき層M2が露出するまでこれらを研磨することができる。必要に応じては、第2絶縁層112及び第2めっき層M2のそれぞれの一部も研磨することができる。また、残存するデタッチ層212も研磨することができる。一方、研磨工程としてはCMPを用いることができるが、これに限定されるものではなく、他の機械的及び/又は化学的平坦化工程を用いることもできる。研磨工程において反対側はマスクフィルム250で保護することができる。研磨後に、絶縁材111、111P、112にそれぞれ埋め込まれた複数の第1回路パターン121と第2回路パターン122とパッドパターン123が形成されることができる。また、パッドパターン123上に金属バンプ131及び低融点金属132が形成されることができる。
【0154】
図15d及び
図15eを参照すると、CCLなどのコア材を中心として両面ビルドアップ工程を進行して上述した構造のコアタイプの第1基板部300を準備し、第1基板部300上に上述した
図15a~
図15cの前記段階を介して製造された基板を複数個含む第2基板部400を配置し、この後、カバーフィルム610、620を用いてこれらを一括積層する。一方、第1基板部300の第2基板部400と連結される最外層にも金属バンプ335及び低融点金属336が形成されることができる。このような一括積層によってコアタイプの第1基板部300上にコアレスタイプの第2基板部400が配置された多層パッケージ基板構造が形成されることができる。
【0155】
図15fを参照すると、第1基板部300及び第2基板部400の最外層にそれぞれ第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2と第1レジスト層350及び第2レジスト層450を形成し、また第1レジスト層350及び第2レジスト層450にそれぞれ第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2のそれぞれの少なくとも一部を露出させる第1開口350h及び第2開口450hを形成する。第1外側パッドP1及び第2外側パッドP2は、SAP、MSAP、テンティング(Tenting)などを利用するめっき工程で形成することができる。第1レジスト層350及び第2レジスト層450は、ソルダーレジストを塗布した後に硬化するか、又はフィルムタイプのソルダーレジストを積層した後、硬化して形成することができる。第1開口350h及び第2開口450hはフォトリソグラフィ工程で形成することができる。必要に応じて、複数の第1開口350hを介して露出する複数の第1外側パッドP1上にはそれぞれ第1表面処理層を形成することができ、1つの第2開口450hを介して露出する複数の第2外側パッドP2上にはそれぞれ第2表面処理層を形成することができる。
【0156】
一連の工程を通じて、上述したまた他の一例によるプリント回路基板500が形成されることができ、それ以外の他の内容は、上述したプリント回路基板100A、100B、100C、100D、500及び上述したプリント回路基板100A、100B、100C、100Dの製造方法で説明したものと実質的に同じであるため、これに対する重複する説明は省略する。
【0157】
本開示において、覆うという表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく、間接的に覆う場合も含むことができる。
【0158】
本開示において、満たすという表現は、完全に満たす場合だけでなく、大略的に満たす場合を含むことができ、例えば、一部の空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。
【0159】
本開示において、厚さ、幅、線幅などは、プリント回路基板の研磨または切断断面を基準として走査顕微鏡または光学顕微鏡を用いて測定することができる。厚さ、幅、線幅などが一定ではない場合には、任意の5地点で測定した値の平均値で厚さ、幅、線幅などを比較することができる。
【0160】
本開示において、実質的には製造工程上で発生する工程誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。例えば、実質的に同じ線幅を有することは、完全に数値上同じ場合だけでなく、誤差範囲内で大略的に類似した数値を有することを含むことができる。また、実質的にコプラナーであるということは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、大略的に同一平面に存在する場合も含むことができる。
【0161】
本開示において、同じ絶縁材は、完全に同じ絶縁材である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材を含む意味であることができる。したがって、絶縁材の組成は実質的に同じであるが、これらの具体的な組成比は少しずつ異なることがある。
【0162】
本開示において、断面上という意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物を垂直に切断した時の断面形状、または対象物をサイドビューから見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上という意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、または対象物をトップビューまたはボトムビューから見たときの平面形状を意味することができる。
【0163】
本開示において、下側、下部、下面などは、便宜上、図面の断面を基準として下方の方向を意味するものとして用い、上側、上部、上面などはその反対方向を意味するものと用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されず、上/下の概念はどの場合にも変わることができる。
【0164】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合も含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合を全て含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、該当構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0165】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0166】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0167】
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリー
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカー
100A、100B、100C、100D プリント回路基板
110-1、110-2、110-3 ビルドアップ絶縁層
111 第1絶縁層
111P 絶縁部
112 第2絶縁層
120-1、120-2、120-3 ビルドアップ配線層
121 第1回路パターン
122 第2回路パターン
123 パッドパターン
130-1、130-2、130-3 ビルドアップビア層
131 金属バンプ
132 低融点金属
141 第1レジスト層
142 第2レジスト層
141h 第1開口
142h 第2開口
210 デタッチ基板
211 デタッチコア
212 デタッチ層
220 第1ドライフィルム
221 複数のドライフィルムパターン
230 第2ドライフィルム
230h 開口パターン
240 第3ドライフィルム
240h 開口
250 マスクフィルム
m シード金属層
M1 第1めっき層
M2 第2めっき層
G1、G2、G3 空間
500 プリント回路基板
300 第1基板部
311 コア絶縁層
312、313 ビルドアップ絶縁層
321、322 コア配線層
323、324 ビルドアップ配線層
331 コアビア層
332、333 ビルドアップビア層
350 第1レジスト層
350h 第1開口
400 第2基板部
411 ビルドアップ絶縁層
421 ビルドアップ配線層
431 ビルドアップビア層
450 第2レジスト層
450h 第2開口
P1 第1外側パッド
P2 第2外側パッド
610、620 カバーフィルム