(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072771
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ガラス繊維の製造装置、及びガラス繊維の製造方法
(51)【国際特許分類】
C03B 37/08 20060101AFI20240521BHJP
C03B 37/10 20060101ALI20240521BHJP
B05B 1/04 20060101ALI20240521BHJP
B05B 7/04 20060101ALI20240521BHJP
B05C 1/12 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
C03B37/08
C03B37/10 Z
B05B1/04
B05B7/04
B05C1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126074
(22)【出願日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2022183581
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 智基
(72)【発明者】
【氏名】三村 智通
(72)【発明者】
【氏名】近藤 昭男
(72)【発明者】
【氏名】濱田 竜凪
(72)【発明者】
【氏名】小森 健人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 麗史
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔太
【テーマコード(参考)】
4F033
4F040
4G021
【Fターム(参考)】
4F033AA05
4F033BA02
4F033CA05
4F033DA01
4F033DA05
4F033EA01
4F033HA05
4F033NA01
4F033QA04
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB15X
4F033QC02
4F033QD02
4F033QD14
4F033QE05
4F033QF00
4F040AA26
4F040AB20
4F040BA23
4F040CB00
4F040DB03
4G021MA00
4G021MA03
(57)【要約】
【課題】アプリケータの温度上昇を抑制可能としたガラス繊維の製造装置を提供する。
【解決手段】ガラス繊維の製造装置11は、複数のガラスフィラメントFが引き出されるブッシング12と、ブッシング12の下方に設けられ、ガラスフィラメントFに集束剤を塗布するアプリケータ13とを備える。また、ガラス繊維の製造装置11は、ブッシング12とアプリケータ13との間においてガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく空気Kを噴射する噴射ノズル16を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のガラスフィラメントが引き出されるブッシングと、
前記ブッシングの下方に設けられ、前記ガラスフィラメントに集束剤を塗布するアプリケータと、を備えたガラス繊維の製造装置であって、
前記ブッシングと前記アプリケータとの間において前記ガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく気体を噴射する噴射ノズルを備えた、
ガラス繊維の製造装置。
【請求項2】
前記噴射ノズルは、前記ガラスフィラメントに到達する位置で風速2m/s以上となる気体を噴射する、
請求項1に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項3】
前記噴射ノズルは、前記ガラスフィラメントに到達する位置で風速5m/s以上となる気体を噴射する、
請求項2に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項4】
前記噴射ノズルは、前記ガラスフィラメントに到達する位置で風速20m/s以下となる気体を噴射する、
請求項1に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項5】
前記噴射ノズルは、前記ガラスフィラメントに到達する位置で風速15m/s以下となる気体を噴射する、
請求項4に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項6】
前記ブッシングは、上方から見て、長方形に形成され、
前記噴射ノズルは、上方から見て、前記ブッシングの長辺と対向する位置に配置されるとともに、前記ガラスフィラメントが通過する範囲よりも広い範囲に気体を噴射する、
請求項1に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項7】
前記噴射ノズルは、上下方向と交差する方向において、前記ガラスフィラメントに対して前記アプリケータが配置される方向と同じ方向に配置されている、
請求項1に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項8】
前記ブッシングと前記アプリケータとの間で前記ガラスフィラメントに冷却水を噴射する液体噴射ノズルを備えた、
請求項1に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項9】
前記液体噴射ノズルは、前記噴射ノズルの下方に配置されている、
請求項8に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項10】
前記液体噴射ノズルは、上下方向と交差する方向において、前記ガラスフィラメントに対して前記噴射ノズルが配置される方向と同じ方向に配置されている、
請求項8に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項11】
前記液体噴射ノズルは、前記冷却水と気体とを混合して噴射する混合流体ノズルである、
請求項8に記載のガラス繊維の製造装置。
【請求項12】
ブッシングから引き出された複数のガラスフィラメントにアプリケータによって集束剤を塗布する工程を備えたガラス繊維の製造方法であって、
前記ブッシングと前記アプリケータとの間において前記ガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく気体を噴射する噴射工程を備えた、
ガラス繊維の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス繊維の製造装置、及びガラス繊維の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガラス繊維の製造装置は、ガラスフィラメントが引き出されるブッシングと、ブッシングの下方に設けられてガラスフィラメントに集束剤を塗布するアプリケータとを備えたものがある。そして、このようなガラス繊維の製造装置としては、ブッシングとアプリケータとの間でガラスフィラメントに冷却水を噴射する液体噴射装置を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。このようなガラス繊維の製造装置では、アプリケータの上流でガラスフィラメントが適温に冷却されるため、ガラスフィラメントに集束剤が良好に付着するとともに、集束剤の化学反応進行による固形分発生(ガムアップ)が抑制される。これにより、例えば、ガラス繊維が筒状に巻かれた塊であるケーキが良好に製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開(WO)2019/124033号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなガラス繊維の製造装置では、ブッシング周辺の高温の気体が、ガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流によってアプリケータに到達してしまうことがある。これにより、高温の気体がアプリケータを暖めてしまうという問題がある。このことは、ガラスフィラメントへの集束剤の付着不良や、後の集束剤のガムアップを生じさせる原因となる。
【0005】
本発明の目的は、アプリケータの温度上昇を抑制可能としたガラス繊維の製造装置、及びガラス繊維の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記課題を解決するガラス繊維の製造装置は、複数のガラスフィラメントが引き出されるブッシングと、前記ブッシングの下方に設けられ、前記ガラスフィラメントに集束剤を塗布するアプリケータと、を備えたガラス繊維の製造装置であって、前記ブッシングと前記アプリケータとの間において前記ガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく気体を噴射する噴射ノズルを備える。
【0007】
同構成によれば、ブッシングとアプリケータとの間においてガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく気体を噴射する噴射ノズルを備えるため、ブッシング周辺の高温の気体がアプリケータに到達することが抑制される。よって、アプリケータの温度上昇を抑えることができる。
【0008】
[2]上記[1]に記載のガラス繊維の製造装置において、前記噴射ノズルは、前記ガラスフィラメントに到達する位置で風速2m/s以上となる気体を噴射することが好ましい。
【0009】
同構成によれば、噴射ノズルは、ガラスフィラメントに到達する位置で風速2m/s以上となる気体を噴射するため、ガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流を良好に遮断できる。
【0010】
[3]上記[2]に記載のガラス繊維の製造装置において、前記噴射ノズルは、前記ガラスフィラメントに到達する位置で風速5m/s以上となる気体を噴射することが好ましい。
【0011】
同構成によれば、噴射ノズルは、ガラスフィラメントに到達する位置で風速5m/s以上となる気体を噴射するため、ガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流をより良好に遮断できる。
【0012】
[4]上記[1]から上記[3]のいずれか1つに記載のガラス繊維の製造装置において、前記噴射ノズルは、前記ガラスフィラメントに到達する位置で風速20m/s以下となる気体を噴射することが好ましい。
【0013】
同構成によれば、噴射ノズルは、ガラスフィラメントに到達する位置で風速20m/s以下となる気体を噴射するため、ガラスフィラメントがなびくことによる絡みや断線等の不具合を抑えることができる。
【0014】
[5]上記[4]に記載のガラス繊維の製造装置において、前記噴射ノズルは、前記ガラスフィラメントに到達する位置で風速15m/s以下となる気体を噴射することが好ましい。
【0015】
同構成によれば、噴射ノズルは、ガラスフィラメントに到達する位置で風速15m/s以下となる気体を噴射するため、ガラスフィラメントがなびくことによる絡みや断線等の不具合をより抑えることができる。
【0016】
[6]上記[1]から上記[5]のいずれか1つに記載のガラス繊維の製造装置において、前記ブッシングは、上方から見て、長方形に形成され、前記噴射ノズルは、上方から見て、前記ブッシングの長辺と対向する位置に配置されるとともに、前記ガラスフィラメントが通過する範囲よりも広い範囲に気体を噴射することが好ましい。
【0017】
同構成によれば、噴射ノズルは、上方から見て、ブッシングの長辺と対向する位置に配置されるとともに、ガラスフィラメントが通過する範囲よりも広い範囲に気体を噴射するため、下方への気流を広範囲に亘ってむらなく良好に遮断できる。例えば、噴射ノズルが上方から見てブッシングの短辺と対向する位置に配置された場合では、気体がブッシングの長辺に沿った遠い位置のガラスフィラメントの位置まで届き難くなるが、これを回避できる。
【0018】
[7]上記[1]から上記[6]のいずれか1つに記載のガラス繊維の製造装置において、前記噴射ノズルは、上下方向と交差する方向において、前記ガラスフィラメントに対して前記アプリケータが配置される方向と同じ方向に配置されていることが好ましい。
【0019】
同構成によれば、噴射ノズルは、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントに対してアプリケータが配置される方向と同じ方向に配置されているため、ブッシング周辺の高温の気体がアプリケータに到達することがより抑制される。例えば、噴射ノズルが、アプリケータが配置される方向と反対の方向に配置されている場合では、アプリケータの直上で高温の気体を遮断する効果が弱くなり高温の気体がアプリケータに比較的到達し易くなるが、これを抑えることができる。
【0020】
[8]上記[1]から上記[7]のいずれか1つに記載のガラス繊維の製造装置において、前記ブッシングと前記アプリケータとの間で前記ガラスフィラメントに冷却水を噴射する液体噴射ノズルを備えることが好ましい。
【0021】
同構成によれば、ブッシングとアプリケータとの間でガラスフィラメントに冷却水を噴射する液体噴射ノズルを備えるため、ガラスフィラメントを冷却することができる。
[9]上記[8]に記載のガラス繊維の製造装置において、前記液体噴射ノズルは、前記噴射ノズルの下方に配置されていることが好ましい。
【0022】
同構成によれば、液体噴射ノズルは、噴射ノズルの下方に配置されているため、ガラスフィラメントを良好に冷却することができる。すなわち、噴射ノズルの下方では、ガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流が抑えられているため、冷却水を複数のガラスフィラメントに良好に到達させることができる。また、液体噴射ノズルが噴射ノズルの上方に配置されている場合では、液体噴射ノズルから噴射された冷却水が噴射ノズルからの気体によって吹き飛ばされてしまいガラスフィラメントに付着しにくかったり、あるいは、ガラスフィラメントに付着させた冷却水が噴射ノズルからの気体によって吹き飛ばされてしまうことになるが、これを回避できる。よって、ガラスフィラメントを良好に冷却することができる。
【0023】
[10]上記[8]または上記[9]に記載のガラス繊維の製造装置において、前記液体噴射ノズルは、上下方向と交差する方向において、前記ガラスフィラメントに対して前記噴射ノズルが配置される方向と同じ方向に配置されていることが好ましい。
【0024】
同構成によれば、液体噴射ノズルは、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントに対して噴射ノズルが配置される方向と同じ方向に配置されているため、冷却水を複数のガラスフィラメントに良好に付着させることができる。例えば、液体噴射ノズルが、噴射ノズルが配置される方向と反対の方向に配置されている場合では、液体噴射ノズルから噴射された冷却水が噴射ノズルからの気体によって押し戻されることがあるが、これを回避できる。よって、冷却水を複数のガラスフィラメントに良好に付着させることができる。
【0025】
[11]上記[8]から上記[10]のいずれか1つに記載のガラス繊維の製造装置において、前記液体噴射ノズルは、前記冷却水と気体とを混合して噴射する混合流体ノズルであることが好ましい。
【0026】
同構成によれば、液体噴射ノズルは、冷却水と気体とを混合して噴射する混合流体ノズルであるため、混合流体ノズルから小さい粒径の冷却水を気体と共に勢い良く噴射することができる。よって、小さい粒径の冷却水を複数のガラスフィラメントに良好に付着させることができる。よって、ガラスフィラメントを良好に冷却することができる。
【0027】
[12]上記課題を解決するガラス繊維の製造方法は、ブッシングから引き出された複数のガラスフィラメントにアプリケータによって集束剤を塗布する工程を備えたガラス繊維の製造方法であって、前記ブッシングと前記アプリケータとの間において前記ガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく気体を噴射する噴射工程を備える。
【0028】
同構成によれば、ブッシングとアプリケータとの間においてガラスフィラメントの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく気体を噴射する噴射工程を備えるため、ブッシング周辺の高温の気体がアプリケータに到達することが抑制される。よって、アプリケータの温度上昇を抑えることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のガラス繊維の製造装置、及びガラス繊維の製造方法によれば、アプリケータの温度上昇を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、一実施形態のガラス繊維の製造装置を示す概略側面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のガラス繊維の製造装置の一部を示す概略正面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態の噴射ノズルを上方から見た模式図である。
【
図4】
図4は、一実施形態の混合流体ノズルを上方から見た模式図である。
【
図5】
図5は、一実施形態のガラス繊維の製造装置の一部を拡大して示す概略正面図である。
【
図6】
図6は、別例のガラス繊維の製造装置の一部を拡大して示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、ガラス繊維の製造装置、及びガラス繊維の製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
【0032】
(ガラス繊維の製造装置11の全体の構成)
図1に示すように、ガラス繊維の製造装置11は、ブッシング12と、アプリケータ13と、ギャザリングシュー14と、コレット15とを備える。また、ガラス繊維の製造装置11は、噴射ノズル16と、高圧空気供給装置17と、液体噴射ノズルとしての混合流体ノズル18と、冷却水供給装置19と、空気供給装置20とを備える。
【0033】
ブッシング12は、下方に複数のノズルを有し、溶融ガラスが供給されるとともに、ノズルから下方に複数のガラスフィラメントFが引き出される箱状容器である。なお、
図1及び
図2では、複数のガラスフィラメントFをまとめて模式的に図示している。言い換えると、
図1及び
図2では、複数のガラスフィラメントFの一番外側だけを図示し、ガラスフィラメントFの通過する範囲を図示している。本実施形態のブッシング12は、上方から見て、長方形(
図3及び
図4参照)に形成されている。
【0034】
アプリケータ13は、ブッシング12の下方に設けられ、駆動ローラー13aを有し、ガラスフィラメントFに集束剤を塗布する装置である。ギャザリングシュー14は、集束剤が塗布された複数のガラスフィラメントFを集束させつつ束ねてガラスストランドSを形成する装置である。
【0035】
コレット15は、図示しないコレット駆動装置の動作によって回転することで、例えば、図示しないトラバース等を通過したガラスストランドSを巻き取る。ガラスストランドSは、コレット15に巻き取られることによって、ケーキ21とされる。
【0036】
(噴射ノズル16の構成)
図1及び
図2に示すように、噴射ノズル16は、ブッシング12とアプリケータ13との間においてガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく気体としての空気Kを噴射するためのものである。
【0037】
図1に示すように、噴射ノズル16は、流入口16aと噴射口16bとを有する。
図3に示すように、噴射ノズル16は、長尺状に形成され、その長手方向のほぼ全体から空気Kを噴射可能に形成されている。すなわち、噴射口16bは、噴射ノズル16の長手方向に多数が並設されている、若しくは、噴射ノズル16の長手方向に沿って長い形状に形成されている。そして、流入口16aには高圧空気供給装置17がホース等を介して接続されている。噴射ノズル16は、高圧空気供給装置17から流入口16aに空気が供給されると、噴射口16bから高圧の空気Kを噴射する。
【0038】
図3に示すように、噴射ノズル16は、上方から見て、ブッシング12の長辺と対向する位置に配置されている。言い換えると、噴射ノズル16は、上方から見て、自身の長手方向とブッシング12の長辺とが平行となるように配置されている。また、噴射ノズル16は、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントFに対してアプリケータ13が配置される方向と同じ方向(
図1において右方向)に配置されている。そして、
図1から
図3に示すように、噴射ノズル16は、上下方向よりも水平方向に広い範囲に空気Kを噴射するように設けられている。また、
図3に示すように、噴射ノズル16は、上方から見て、ガラスフィラメントFが通過する範囲よりも広い範囲に空気Kを噴射するように設けられている。
【0039】
また、噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速2m/s(2メートル毎秒)以上となる空気Kを噴射するように設定されている。詳しくは、噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速5m/s(5メートル毎秒)以上となる空気Kを噴射するように設定されている。また、噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速20m/s(20メートル毎秒)以下となる空気Kを噴射するように設定されている。詳しくは、噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速15m/s(15メートル毎秒)以下となる空気Kを噴射するように設定されている。本実施形態では、噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速10m/s(10メートル毎秒)となる空気Kを噴射するように設定されている。なお、ガラスフィラメントFに到達する位置での空気Kの風速は、噴射ノズル16の形状や高圧空気供給装置17からの空気の供給量等によって設定される。また、
図1、及び
図2では、空気Kの噴射領域を、理想に近い形で模式的に図示している。また、
図2では、空気KがガラスフィラメントFに到達する際の噴射範囲を模式的に図示している。
【0040】
ブッシング12の下面とアプリケータ13における駆動ローラー13aの中心との距離をL0、ブッシング12の下面と噴射ノズル16の噴射口16bとの距離をL1とした場合、L1/L0は0.05以上、かつ0.5以下であることが好ましい。さらに、L1/L0は0.1以上、かつ0.3以下であることがより好ましい。L1/L0が小さすぎると、ブッシング12から引き出された直後の粘度の低いガラスフィラメントFに空気Kが噴射されるため、ガラスフィラメントFがなびくことによる絡みや断線等の不具合が発生しやすくなる。さらに、ブッシング12が部分的に冷却され、発熱不良を引き起こす恐れがある。その結果、ブッシング12内の溶融ガラスに温度ムラが生じ、ノズルからの溶融ガラスの流出が不安定になるおそれがある。一方、L1/L0が大きすぎると、ガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する高温の気流がアプリケータ13付近まで到達するため、たとえ噴射ノズル16から空気Kを噴射して気流を妨げたとしても、アプリケータ13の温度上昇を十分に抑えることができないおそれがある。
【0041】
(混合流体ノズル18の構成)
図1、及び
図2に示すように、混合流体ノズル18は、ブッシング12とアプリケータ13との間でガラスフィラメントFに冷却水Wを噴射するためのものである。
【0042】
混合流体ノズル18は、冷却水Wと気体である空気とを混合して噴射する。詳しくは、混合流体ノズル18は、冷却水流入口18aと、空気流入口18bと、単一の噴射口18cとを有する。そして、冷却水流入口18aには冷却水供給装置19がホース等を介して接続され、空気流入口18bには空気供給装置20がホース等を介して接続されている。混合流体ノズル18は、冷却水供給装置19から冷却水流入口18aに冷却水Wが供給されるとともに、空気供給装置20から空気流入口18bに空気が供給されると、噴射口18cから冷却水Wと空気が混合された流体を噴射する。混合流体ノズル18は、平均20μm未満の粒径の冷却水Wを噴射するように構成されている。混合流体ノズル18は、平均18μm以下や、平均15μm以下や、さらには平均12μm以下の粒径の冷却水Wを噴射するように構成されていてもよい。本実施形態の混合流体ノズル18は、平均10μm以下の粒径の冷却水Wを噴射するように構成されている。
【0043】
図4に示すように、混合流体ノズル18は、上方から見て、ブッシング12の長辺と対向する位置に配置されている。言い換えると、混合流体ノズル18は、上方から見て、冷却水Wの噴射軸線Aがブッシング12の長辺と直交するように配置されている。また、混合流体ノズル18は、噴射ノズル16の下方に配置されている。混合流体ノズル18は、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントFに対して噴射ノズル16が配置される方向と同じ方向(
図1において右方向)に配置されている。すなわち、混合流体ノズル18は、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントFに対してアプリケータ13が配置される方向と同じ方向に配置されている。そして、
図2、
図4、及び
図5に示すように、混合流体ノズル18は、上下方向よりも水平方向に広い範囲に冷却水Wを噴射するように設けられている。
【0044】
図2、
図4、及び
図5に示すように、混合流体ノズル18は2つ設けられている。2つの混合流体ノズル18は、水平方向に並んで設けられている。
図4に示すように、2つの混合流体ノズル18は、上方から見て、それぞれ噴射する冷却水Wが重なるオーバーラップ範囲H1を有するように設けられている。また、
図5に示すように、2つの混合流体ノズル18は、オーバーラップ範囲H1においてそれぞれ噴射する冷却水Wが上下方向にずれるように設けられている。
【0045】
詳しくは、本実施形態の混合流体ノズル18は、噴射軸線Aと直交する第1軸線Bに沿って相対的に広い角度で冷却水Wを噴射するとともに噴射軸線A及び第1軸線Bと直交する第2軸線Cに沿って相対的に狭い角度で冷却水Wを噴射するように構成されている。これにより、混合流体ノズル18は、上下方向よりも水平方向に広い範囲に冷却水Wを噴射することが可能とされている。
【0046】
そして、2つの混合流体ノズル18は、第1軸線Bが水平方向に対して傾斜するように設けられつつ、それぞれ噴射する冷却水Wの上下範囲H2が一致するように設けられている。なお、
図1、
図2、及び
図5では、冷却水Wの噴射範囲を、重力等を考慮せずに理想的に近い形で模式的に図示している。また、
図2及び
図5では、冷却水WがガラスフィラメントFに到達する際の噴射範囲を模式的に図示している。
【0047】
(ガラス繊維の製造方法とその作用)
ガラス繊維の製造方法は、ブッシング12から引き出された複数のガラスフィラメントFにアプリケータ13によって集束剤を塗布する工程に加えて、「噴射工程」を備える。噴射工程では、ブッシング12とアプリケータ13との間においてガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく気体としての空気Kを噴射する。また、本実施形態の噴射工程では、ブッシング12とアプリケータ13との間でガラスフィラメントFに冷却水Wを噴射する。詳しくは、噴射工程では、冷却水Wを気体と混合して混合流体ノズル18から噴射する。
【0048】
本実施形態のガラス繊維の製造方法は、上記したガラス繊維の製造装置11を用いて実行される。
ブッシング12とアプリケータ13との間においてはガラスフィラメントFの下方への流れに随伴した気流が発生する。これに対して、ブッシング12とアプリケータ13との間においては上記した気流を遮断すべく噴射ノズル16から高圧の空気Kが噴射される。これにより、ブッシング12周辺の高温の気体がアプリケータ13に到達することが抑制される。
【0049】
また、噴射ノズル16の下方において、ブッシング12からアプリケータ13に向かうガラスフィラメントFには冷却水Wが噴射される。冷却水Wは、混合流体ノズル18によって、小さい粒径であっても気体と混合されることで勢い良く噴射される。これにより、冷却水Wは、小さい粒径であってもガラスフィラメントFに良好に付着する。よって、ガラスフィラメントFは、アプリケータ13の上流で適温に冷却される。よって、アプリケータ13では、ガラスフィラメントFに集束剤が良好に付着する。
【0050】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)ブッシング12とアプリケータ13との間においてガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する気流を遮断すべく空気Kを噴射する噴射ノズル16を備えるため、ブッシング12周辺の高温の気体がアプリケータ13に到達することが抑制される。よって、アプリケータ13の温度上昇を抑えることができる。例えば、アプリケータ13の温度を20℃から40℃までの好ましい範囲に維持することができる。これにより、ガラスフィラメントFに集束剤を良好に付着させることができ、例えば、ケーキ21を良好に安定して製造することができる。
【0051】
(2)噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速2m/s以上となる空気Kを噴射するため、ガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する気流を良好に遮断できる。また、本実施形態の噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速5m/s以上となる空気Kを噴射するため、ガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する気流をより良好に遮断できる。
【0052】
(3)噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速20m/s以下となる空気Kを噴射するため、ガラスフィラメントFがなびくことによる絡みや断線等の不具合を抑えることができる。また、本実施形態の噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速15m/s以下となる空気Kを噴射するため、ガラスフィラメントFがなびくことによる絡みや断線等の不具合をより抑えることができる。より詳しくは、本実施形態の噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速10m/sとなる空気Kを噴射するため、気流を遮断する効果と、ガラスフィラメントFの絡みや断線等の不具合を抑える効果とを良好に両立できる。
【0053】
(4)噴射ノズル16は、上方から見て、ブッシング12の長辺と対向する位置に配置されるとともに、ガラスフィラメントFが通過する範囲よりも広い範囲に空気Kを噴射するため、下方への気流を広範囲に亘ってむらなく良好に遮断できる。例えば、噴射ノズル16が上方から見てブッシング12の短辺と対向する位置に配置された場合では、空気Kがブッシング12の長辺に沿った遠い位置のガラスフィラメントFの位置まで届き難くなるが、これを回避できる。
【0054】
(5)噴射ノズル16は、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントFに対してアプリケータ13が配置される方向と同じ方向に配置されているため、ブッシング12周辺の高温の気体がアプリケータ13に到達することがより抑制される。例えば、噴射ノズル16が、アプリケータ13が配置される方向と反対の方向に配置されている場合では、アプリケータ13の直上で高温の気体を遮断する効果が弱くなり高温の気体がアプリケータ13に比較的到達し易くなるが、これを抑えることができる。
【0055】
(6)ブッシング12とアプリケータ13との間でガラスフィラメントFに冷却水Wを噴射する液体噴射ノズルとしての混合流体ノズル18を備えるため、ガラスフィラメントFを冷却することができる。
【0056】
(7)混合流体ノズル18は、噴射ノズル16の下方に配置されているため、ガラスフィラメントFを良好に冷却することができる。すなわち、噴射ノズル16の下方では、ガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する気流が抑えられているため、冷却水Wを複数のガラスフィラメントFに良好に到達させることができる。また、混合流体ノズル18が噴射ノズル16の上方に配置されている場合では、混合流体ノズル18から噴射された冷却水Wが噴射ノズル16からの空気Kによって吹き飛ばされてしまいガラスフィラメントFに付着しにくかったり、あるいは、ガラスフィラメントFに付着させた冷却水Wが噴射ノズル16からの空気Kによって吹き飛ばされてしまうことになるが、これを回避できる。よって、ガラスフィラメントFを良好に冷却することができる。
【0057】
(8)混合流体ノズル18は、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントFに対して噴射ノズル16が配置される方向と同じ方向に配置されているため、冷却水Wを複数のガラスフィラメントFに良好に付着させることができる。例えば、混合流体ノズル18が、噴射ノズル16が配置される方向と反対の方向に配置されている場合では、混合流体ノズル18から噴射された冷却水Wが噴射ノズル16からの空気Kによって押し戻されることがあるが、これを回避できる。よって、冷却水Wを複数のガラスフィラメントFに良好に付着させることができる。
【0058】
(9)液体噴射ノズルとして冷却水Wと気体とを混合して噴射する混合流体ノズル18を用いたため、混合流体ノズル18から小さい粒径の冷却水Wを気体と共に勢い良く噴射することができる。よって、小さい粒径の冷却水Wを複数のガラスフィラメントFに良好に付着させることができる。よって、ガラスフィラメントFを良好に冷却することができる。また、小さい粒径の冷却水Wを複数のガラスフィラメントFに効果的に付着させることができるため、冷却水Wの使用量を低減することができる。
【0059】
(10)混合流体ノズル18は、平均20μm未満の粒径の冷却水Wを噴射するため、例えば、平均20μm以上の粒径の冷却水Wを噴射する場合に比べて気化しやすく、ガラスフィラメントFをより良好に冷却することができる。また、本実施形態では、混合流体ノズル18は、平均10μm以下の粒径の冷却水Wを噴射するため、より小さい粒径の冷却水WによってガラスフィラメントFをより良好に冷却することができる。
【0060】
(11)混合流体ノズル18は、上方から見て、ブッシング12の長辺と対向する位置に配置され、上下方向よりも水平方向に広い範囲に冷却水Wを噴射するため、冷却水Wを複数のガラスフィラメントFに効率良く行き渡らせることができる。例えば、混合流体ノズル18が上方から見てブッシング12の短辺と対向する位置に配置された場合では、冷却水Wがブッシング12の長辺に沿った遠い位置のガラスフィラメントFまで届き難くなるが、これを回避できる。
【0061】
(12)複数の混合流体ノズル18は、上方から見て、それぞれ噴射する冷却水Wが重なるオーバーラップ範囲H1を有するよう設けられるため、冷却水WがガラスフィラメントFに掛からない範囲を無くすことができる。また、複数の混合流体ノズル18は、オーバーラップ範囲H1においてそれぞれ噴射する冷却水Wが上下方向にずれるように設けられるため、冷却水W同士が衝突してしまうことが抑えられる。よって、冷却水W同士の衝突に基づく冷却水Wの落下を抑えることができ、冷却水Wを複数のガラスフィラメントFに良好に届かせることができる。
【0062】
(13)複数の混合流体ノズル18は、第1軸線Bが水平方向に対して傾斜するように設けられ、それぞれ噴射する冷却水Wの上下範囲H2が一致するように設けられる。よって、ガラスフィラメントFに付着する冷却水Wの上下方向の位置を均一に近づけることができる。例えば、複数の混合流体ノズル18の第1軸線Bが水平方向と一致するように設け、かつ、複数の混合流体ノズル18から噴射される冷却水W同士が衝突しにくくするためには、各混合流体ノズル18の位置を上下にずらす必要がある。この場合では、ガラスフィラメントFに付着する冷却水Wの上下方向の位置が広範囲にわたって大きくずれることになるが、上記構成によれば、これを抑えることができる。よって、複数のガラスフィラメントFをバランス良く冷却することができる。
【0063】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速10m/sとなる空気Kを噴射するように設定されているとしたが、ガラスフィラメントFの下方への流れに随伴する気流を遮断できれば、これに限定されない。例えば、噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速5m/s未満となる空気Kや風速2m/s未満となる空気Kを噴射するように設定されていてもよい。また、例えば、噴射ノズル16は、ガラスフィラメントFに到達する位置で風速15m/sより大きい風速となる空気Kや風速20m/sより大きい風速となる空気Kを噴射するように設定されていてもよい。
【0064】
・上記実施形態では、噴射ノズル16は、上方から見て、ブッシング12の長辺と対向する位置に配置されるとしたが、これに限定されず、例えば、ブッシング12の短辺と対向する位置に配置されていてもよい。また、例えば、噴射ノズル16は、上方から見て、ブッシング12の長辺及び短辺に対して傾斜するように配置されていてもよい。また、ブッシング12は、上方から見て、長方形に形成されているとしたが、これに限定されず、例えば、正方形に形成されていてもよい。
【0065】
・上記実施形態では、噴射ノズル16は、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントFに対してアプリケータ13が配置される方向と同じ方向に配置されているとしたが、これに限定されない。例えば、噴射ノズル16は、アプリケータ13が配置される方向とは反対の方向に配置されていてもよい。
【0066】
・上記実施形態では、ブッシング12とアプリケータ13との間でガラスフィラメントFに冷却水Wを噴射する液体噴射ノズルとしての混合流体ノズル18を備えるとしたが、これに限定されず、混合流体ノズル18を備えていなくてもよい。
【0067】
・上記実施形態では、混合流体ノズル18は、噴射ノズル16の下方に配置されているとしたが、これに限定されず、例えば、ブッシング12の下方において、噴射ノズル16の上方に配置されていてもよい。
【0068】
・上記実施形態では、混合流体ノズル18は、上下方向と交差する方向において、ガラスフィラメントFに対して噴射ノズル16が配置される方向と同じ方向に配置されているとしたが、これに限定されない。例えば、混合流体ノズル18は、噴射ノズル16が配置される方向とは反対の方向に配置されていてもよい。
【0069】
・上記実施形態では、液体噴射ノズルとして冷却水Wと気体とを混合して噴射する混合流体ノズル18を用いたが、これに限定されず、冷却水Wを気体とを混合せずに噴射する液体噴射ノズルを用いてもよい。
【0070】
・上記実施形態では、複数の混合流体ノズル18は、それぞれ噴射する冷却水Wの上下範囲H2が一致するように、第1軸線Bが水平方向に対して傾斜して設けられるとしたが、これに限定されない。
【0071】
例えば、
図6に示すように、複数の混合流体ノズル18は、第1軸線Bが水平方向と一致するように設けられつつ、オーバーラップ範囲H1において噴射する冷却水Wが上下方向にずれるように設けられていてもよい。
【0072】
・上記実施形態では、混合流体ノズル18は、平均10μm以下の粒径の冷却水Wを噴射するとしたが、これに限定されず、平均10μmより大きい粒径の冷却水Wを噴射するように構成されたものとしてもよい。例えば、混合流体ノズル18は、例えば、平均10μmより大きく、かつ、平均20μm未満の粒径の冷却水Wを噴射するように構成されていてもよい。また、混合流体ノズル18は、例えば、平均20μm以上の粒径の冷却水Wを噴射するように構成されていてもよい。
【0073】
・上記実施形態では、混合流体ノズル18は、上方から見て、ブッシング12の長辺と対向する位置に配置されるとしたが、これに限定されず、例えば、ブッシング12の短辺と対向する位置に配置されていてもよい。また、例えば、混合流体ノズル18は、上方から見て、冷却水Wの噴射軸線Aがブッシング12の長辺及び短辺と傾斜するように配置されていてもよい。
【0074】
・上記実施形態では、混合流体ノズル18は、上下方向よりも水平方向に広い範囲に冷却水Wを噴射するとしたが、これに限定されず、例えば、上下方向と水平方向に同じ範囲で冷却水Wを噴射するようにしてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、複数の混合流体ノズル18は、上方から見て、それぞれ噴射する冷却水Wが重なるオーバーラップ範囲H1を有するよう設けられるとしたが、これに限定されず、それぞれ噴射する冷却水Wが重ならないように設けられてもよい。
【0076】
・上記実施形態では、複数の混合流体ノズル18は、オーバーラップ範囲H1においてそれぞれ噴射する冷却水Wが上下方向にずれるように設けられるとしたが、これに限定されず、それぞれ噴射する冷却水Wが上下方向にずれないように設けられてもよい。
【0077】
・上記実施形態では、ガラス繊維の製造装置11は、1つの噴射ノズル16を有するとしたが、これに限定されず、複数の噴射ノズル16を有する構成としてもよい。例えば、複数の噴射ノズル16が、それぞれの長手方向に並んで設けられている構成としてもよい。
【0078】
・上記実施形態では、ガラス繊維の製造装置11は、2つの混合流体ノズル18を有するとしたが、これに限定されず、混合流体ノズル18を1つのみ有する構成としてもよいし、3つ以上の混合流体ノズル18を有する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0079】
11…ガラス繊維の製造装置、12…ブッシング、13…アプリケータ、16…噴射ノズル、18…混合流体ノズル(液体噴射ノズル)、F…ガラスフィラメント、K…空気(気体)、W…冷却水。