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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072792
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】電気パネルシステム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240521BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023181962
(22)【出願日】2023-10-23
(31)【優先権主張番号】63/425,881
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/470,089
(32)【優先日】2023-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,ヘンリー トッド
(72)【発明者】
【氏名】クッテンクラー,ジェイソン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クリボナク,アンドリュー ルイス
(72)【発明者】
【氏名】カラストロ,ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】ゾエルス,トーマス アロイス
(72)【発明者】
【氏名】ファンタウッゾ,ルシア
(72)【発明者】
【氏名】マリ・クルベロ,アルヴァロ ホルヘ
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770PA12
5H770PA21
5H770PA42
5H770QA08
5H770QA11
5H770QA13
5H770QA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パネルシステムを提供する。
【解決手段】パネルシステムは、対向する面336、338の少なくとも一方に取り付けられたスイッチングデバイス234を有するコア本体230と、コア本体230およびスイッチングデバイス234が配置されたハウジングと、ハウジングの第1の側面およびスイッチングデバイス234に結合されたゲートドライバと、ハウジングの1つ以上の他の側面およびスイッチングデバイス234に結合されたコネクタと、を備える。コネクタは、電圧を受け取ってスイッチングデバイス234のコレクタ端子に伝導することができる。ゲートドライバは、ゲート電圧をスイッチングデバイス234のゲート端子に伝導することができる。スイッチングデバイス234は、コネクタを介したハウジングの外への電圧の伝導を交流電流として制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルシステム(100)であって、
対向する面(336、338)と、前記対向する面(336、338)の少なくとも一方に取り付けられたスイッチングデバイス(234)とを有するコア本体(230)と、
前記コア本体(230)および前記スイッチングデバイス(234)が配置されたハウジング(102)と、
前記ハウジング(102)の第1の側面および前記スイッチングデバイス(234)に結合されたゲートドライバ(120、122)と、
前記ハウジング(102)の1つ以上の他の側面および前記スイッチングデバイス(234)に結合されたコネクタ(114、116、118)と、
を備え、
前記コネクタ(116、118)は、電圧を受け取って前記スイッチングデバイス(234)のコレクタ端子(246)に伝導するように構成されており、
前記ゲートドライバ(120、122)は、ゲート電圧を前記スイッチングデバイス(234)のゲート端子(246)に伝導するように構成されており、
前記スイッチングデバイス(234)は、前記コネクタ(114、116、118)を介した前記ハウジング(102)の外への電圧の伝導を交流電流として制御するように構成されている、パネルシステム(100)。
【請求項2】
前記コア本体(230)は、流体回路と結合するように構成された流体ポート(224)と、前記スイッチングデバイス(234)の熱管理のために前記流体回路から前記コア本体(230)を通る冷却流体または加熱流体の流れを導くように構成された内部導管とを含む、請求項1に記載のパネルシステム(100)。
【請求項3】
前記コア本体(230)の前記流体ポート(224)は、前記流体回路との接続のために前記ハウジング(102)の裏側を通って延び、そこから突出している、請求項2に記載のパネルシステム(100)。
【請求項4】
前記ハウジング(102)は、前記コア本体(230)の前記流体ポート(224)と前記流体回路との位置合わせのために、前記ハウジング(102)の裏側から突出するガイドピン(228)を含む、請求項3に記載のパネルシステム(100)。
【請求項5】
前記コネクタ(114、116、118)は、前記ハウジング(102)の前記1つ以上の他の側面のうちの第2の側面に設けられた供給コネクタ(114)と、前記ハウジング(102)の前記1つ以上の他の側面(336、338)のうちの第3の側面に設けられた負荷コネクタ(118)とを含む、請求項1に記載のパネルシステム(100)。
【請求項6】
前記スイッチングデバイス(234)は、前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに並んで配置され、
前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに設けられた前記スイッチングデバイス(234)のうちの第1のスイッチングデバイス(234)は、前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに設けられた前記スイッチングデバイス(234)のうちの第2のスイッチングデバイス(234)よりも前記ハウジング(102)の前記第2の側面の近くに位置し、
前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに設けられた前記第2のスイッチングデバイス(234)は、前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに設けられた第3のスイッチングデバイス(234)よりも前記ハウジング(102)の前記第3の側面の近くに位置する、請求項5に記載のパネルシステム(100)。
【請求項7】
前記ハウジング(102)は、前記ゲートドライバ(120、122)とともに前記ハウジング(102)の前記第1の側面に配置された1つ以上の取っ手(104)を含む、請求項1に記載のパネルシステム(100)。
【請求項8】
前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のうちの第1の面において前記スイッチングデバイス(234)と結合された上部バスバー(108)と、前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のうちの第2の面において前記スイッチングデバイス(234)と結合された下部バスバー(108)とをさらに備え、
前記上部バスバー(108)および前記下部バスバー(108)の各々は、前記コネクタ(116、118)とも接続されている、請求項1に記載のパネルシステム(100)。
【請求項9】
前記上部バスバー(108)および前記下部バスバー(108)のうちの一方または両方は、外側誘電体保護層(548、550)と、内部誘電体層(556)と、前記外側誘電体保護層(548)の一方と前記内部誘電体層(556)との間にある第1の導電層(552)と、前記外側誘電体保護層(550)の他方と前記内部誘電体層(556)との間にある第2の導電層(554)とを備える多層スタックを含む、請求項8に記載のパネルシステム(100)。
【請求項10】
前記スイッチングデバイス(234)は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である、請求項1に記載のパネルシステム(100)。
【請求項11】
その対向する面(336、338)にスイッチングデバイス(234)が取り付けられたコア本体(230)と、前記コア本体(230)および前記スイッチングデバイス(234)が配置されたハウジング(102)と、前記ハウジング(102)の第1の側面に結合されたゲートドライバ(120、122)と、前記ハウジング(102)の他の側面および前記スイッチングデバイス(234)に結合されたコネクタ(116、118)とを有するパネルシステム(100)から、上部バスバーまたは下部バスバー(108)を取り外す工程と、
前記コア本体(230)から前記スイッチングデバイス(234)の少なくとも1つを取り外す工程と、
前記スイッチングデバイス(234)の少なくとも1つが取り外された前記コア本体(230)に交換用スイッチングデバイス(234)を結合する工程と、
前記上部バスバーまたは前記下部バスバー(108)を前記パネルシステム(100)に結合する工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
ハウジング(102)の第1の側面に結合されたゲートドライバ(120、122)と、前記ハウジング(102)の他の側面およびスイッチングデバイス(234)に結合されたコネクタ(116、118)とを有するパネルシステム(100)の前記ハウジング(102)内のコア本体(230)に結合された少なくとも1つの前記スイッチングデバイス(234)を交換する際に使用するキットであって、前記コア本体(230)に取り付けられるように構成された交換用スイッチングデバイス(234)を備える、キット。
【請求項13】
パネルシステム(100)であって、
対向する面(336、338)と、前記対向する面(336、338)の少なくとも一方に取り付けられたスイッチングデバイス(234)とを含むコア本体(230)であって、前記スイッチングデバイス(234)を熱的に管理するために使用される流体を流すための内部導管を含むコア本体(230)と、
前記コア本体(230)および前記スイッチングデバイス(234)が配置されたハウジング(102)と、
前記ハウジング(102)の前面および前記スイッチングデバイス(234)に結合されたゲートドライバ(120、122)と、
前記ハウジング(102)の第1の側面に結合された供給コネクタ(116、118)と、前記第1の側面が前面と第2の側面との間に配置されている前記ハウジング(102)の前記第2の側面に結合された負荷コネクタ(116、118)と、
を備え、
前記供給コネクタ(116、118)は、電圧を受け取って前記スイッチングデバイス(234)のコレクタ端子(246)に伝導するように構成されており、
前記ゲートドライバ(120、122)は、ゲート電圧を前記スイッチングデバイス(234)のゲート端子(246)に伝導するように構成されており、
前記スイッチングデバイス(234)は、前記負荷コネクタ(116、118)を介した前記ハウジング(102)の外への電圧の伝導を交流電流として制御するように構成されている、パネルシステム(100)。
【請求項14】
前記コア本体(230)は、前記スイッチングデバイス(234)を熱的に管理するために使用される流体を受け入れるための流体回路と結合されるように構成された流体ポート(224)を含む、請求項13に記載のパネルシステム(100)。
【請求項15】
前記コア本体(230)の前記流体ポート(224)は、前記流体回路との接続のために前記ハウジング(102)の裏側を通って延び、そこから突出している、請求項14に記載のパネルシステム(100)。
【請求項16】
前記ハウジング(102)は、前記コア本体(230)の前記流体ポート(224)と前記流体回路との位置合わせのために、前記ハウジング(102)の裏側から突出しているガイドピン(228)を含む、請求項15に記載のパネルシステム(100)。
【請求項17】
前記スイッチングデバイス(234)は、前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに並んで配置され、
前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに設けられた前記スイッチングデバイス(234)のうちの第1のスイッチングデバイス(234)は、前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに設けられた前記スイッチングデバイス(234)のうちの第2のスイッチングデバイス(234)よりも前記ハウジング(102)の前記第2の側面の近くに位置し、
前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに設けられた前記第2のスイッチングデバイス(234)は、前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のそれぞれに設けられた第3のスイッチングデバイス(234)よりも前記ハウジング(102)の前記第3の側面の近くに位置する、請求項13に記載のパネルシステム(100)。
【請求項18】
前記ハウジング(102)は、前記ゲートドライバ(120、122)とともに前記ハウジング(102)の前面に配置された1つ以上の取っ手(104)を含む、請求項13に記載のパネルシステム(100)。
【請求項19】
前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のうちの第1の面において前記スイッチングデバイス(234)と結合された上部バスバー(108)と、前記コア本体(230)の前記対向する面(336、338)のうちの第2の面において前記スイッチングデバイス(234)と結合された下部バスバー(108)とをさらに備え、
前記上部バスバー(108)および前記下部バスバー(108)の各々は、前記コネクタ(116、118)とも接続されている、請求項13に記載のパネルシステム(100)。
【請求項20】
前記上部バスバー(108)および前記下部バスバー(108)のうちの一方または両方は、外側誘電体保護層(548、550)と、内部誘電体層(556)と、前記外側誘電体保護層(548)の一方と前記内部誘電体層(556)との間にある第1の導電層(552)と、前記外側誘電体保護層(550)の他方と前記内部誘電体層(556)との間にある第2の導電層(554)とを備える多層スタックを含む、請求項19に記載のパネルシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国仮出願第63/425,881号(出願日:2022年11月16日)の優先権を主張する米国特許出願第17/470,089号(出願日:2023年9月19日)の優先権を主張するものであり、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書で説明する主題は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、ドライバボード、バスバーなどの電子部品を有し得る、電圧および/または電流の伝導を調整および/または制御するための電気パネルに関する。
【0003】
技術の考察
電気パネルは、電圧および/または電流などの電気エネルギーの伝導を調整および/または制御するための動力システムにおいて使用することができる。これらのパネルは、電気エネルギーを受け取り、電圧を交流電流(AC)に変換するなどして、エネルギーを変換することができる。パネルによっては、1キロボルト以上の交流電圧や1500ボルト以上の直流電圧(DC)など、比較的高い電圧を扱う場合もある。このようなパネルには、パネルの動作を制御または駆動する回路を備えたドライバ基板が必要な場合があり、IGBTなどの電子スイッチを含む場合がある。これらのドライバ基板はかなりの熱を発生する可能性があり、時間の経過に伴うドライバ基板の望ましくない動作が原因で交換が必要になる場合がある。
【0004】
しかし、いくつかの既知のパネルのサイズは、望ましいサイズよりも大きい場合がある。その大きいサイズは、より多くのドライバボードの追加、放熱のためのより多くのスペースなどから生じ得る。現在利用可能なものとは異なるシステムおよび方法とすることが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0005】
一例として、対向する面、および対向する面の少なくとも一方に取り付けられたスイッチングデバイスを有するコア本体と、コア本体およびスイッチングデバイスが配置されたハウジングと、ハウジングの第1の側面およびスイッチングデバイスに結合されたゲートドライバと、ハウジングの1つ以上の他の側面およびスイッチングデバイスに結合されたコネクタとを含み得るパネルシステムが提供される。コネクタは、電圧を受け取ってスイッチングデバイスのコレクタ端子に伝導することができる。ゲートドライバは、ゲート電圧をスイッチングデバイスのゲート端子に伝導することができる。スイッチングデバイスは、コネクタを介したハウジングの外への電圧の伝導を交流電流として制御することができる。
【0006】
別の例として、その対向する面にスイッチングデバイスが取り付けられたコア本体と、コア本体およびスイッチングデバイスが配置されたハウジングと、ハウジングの第1の側面に結合されたゲートドライバと、ハウジングの他の側面およびスイッチングデバイスに結合されたコネクタとを有するパネルシステムから、上部バスバーまたは下部バスバーを取り外す工程を含み得る方法が提供される。本方法はまた、コア本体からスイッチングデバイスの少なくとも1つを取り外す工程と、スイッチングデバイスの少なくとも1つが取り外されたコア本体に交換用スイッチングデバイスを結合する工程と、上部バスバーまたは下部バスバーをパネルシステムに結合する工程とを含み得る。
【0007】
別の例として、キットが提供される。キットは、ハウジングの第1の側面に結合されたゲートドライバと、ハウジングの他の側面およびスイッチングデバイスに結合されたコネクタとを有するパネルシステムのハウジング内のコア本体に結合された少なくとも1つのスイッチングデバイスを交換する際に使用することができる。キットは、コア本体に取り付けられるように構成された交換用スイッチングデバイスを含むことができる。
【0008】
別の例として、別のパネルシステムは、対向する面と、対向する面の少なくとも一方に取り付けられたスイッチングデバイスとを有するコア本体を含むことができる。コア本体は、スイッチングデバイスを熱的に管理するために使用される流体を流すための内部導管を含むことができる。パネルシステムは、コア本体およびスイッチングデバイスが配置されたハウジングと、ハウジングの前面およびスイッチングデバイスに結合されたゲートドライバと、ハウジングの第1の側面に結合された供給コネクタと、前面が前面と第2の側面との間に配置されているハウジングの第2の側面に結合された負荷コネクタとを含むことができる。供給コネクタは、電圧を受け取ってスイッチングデバイスのコレクタ端子に伝導することができる。ゲートドライバは、ゲート電圧をスイッチングデバイスのゲート端子に伝導することができる。スイッチングデバイスは、負荷コネクタを介したハウジングの外への電圧の伝導を交流電流として制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本主題は、添付の図面を参照しながら、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことから理解され得る。
【0010】
図1】電気パネルシステムの一例の斜視図を示す。
図2】バスバーおよびコネクタが取り外された、図1に示すパネルシステムの別の斜視図を示す。
図3】コア本体にスイッチングデバイスが取り付けられた、パネルシステムのコア本体の一例の斜視図を示す。
図4】コア本体にスイッチングデバイスが取り付けられていない、図3に示すコア本体の斜視図を示す。
図5】パネルシステムの上部バスバーまたは下部バスバーの一例の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で説明する主題の実施形態は、動力システムの様々な構成要素への電気エネルギーの伝導を調整および/または制御するために動力システムで使用され得る電気パネルシステムに関する。例えば、パネルシステムは、高電圧を受け取り、高電圧を交流に変換し、負荷に電力を供給するべく1つ以上の負荷に交流を出力するために、使用され得る。動力システムは、車両または定置システムを含んでもよく、負荷は、トラクションモータ、補助負荷などを含んでもよい。本明細書で説明するパネルシステムの1つ以上の例はパネルシステムによって占有されるスペースを改善または最適化し、かつ、複数の機能を果たすために使用することができるほか、交換用パネルシステムまたは他の異なるパネルシステムに容易に交換することができる、モジュール式パネルシステムを提供することができる。パネルシステムは、不必要な追加スペースの過大な消費を避けつつ、構成要素(例えば、スイッチ、回路など)の温度を許容範囲内に維持することを支援する熱管理アセンブリを含むことができる。パネルシステムはまた、形状が自由であってもよく、インダクタンスを一致させ、人員を高電圧から隔離し、パネルシステムの組み立ておよび保守を容易に維持しながら、構成要素間で電流を共有するための構成要素を含んでいてもよい。
【0012】
図1は、電気パネルシステム100の一例の斜視図である。動作中にパネルシステムをラック、棚システムなどに配置することができるが、ラック、棚システムなどから取り外して、同様の交換用パネルシステムまたは異なるパネルシステム(例えば、異なる動作を行うパネルシステム)と交換することもできるという点で、パネルシステムはモジュール式であってもよい。パネルシステムは、パネルシステムを裏側面(例えば、ラック、棚システムなどの中にあり、パネルシステムが電気的および/または流体的に接続され得る)から取り外すため、および/またはパネルシステムを裏側面と接続するために把持され得る取っ手104を任意に有するハウジング102を含み得る。ハウジングおよび/または取っ手は、パネルシステムを裏側面に固定するために裏側面にねじ込むことができるか、さもなければ締結することができる締結具を受け入れる大きさの締結孔106を含んでいてもよい。
【0013】
バスバー108は、ハウジングの一面またはその上部に配置することができる。ハウジングの反対側の面またはその下には、同様のまたは同一のバスバーを配置することができる。このバスバーは、電気エネルギー(例えば、直流または交流)を伝導するための1つ以上の導電層を有する積層バスバーであってもよい。一例では、バスバーは、インピーダンス整合または平衡のための複数の導電層を含む。ハウジング内に配置された電子モジュール(図1では見えない)にバスバーを固定するために、締結具110(例えば、ねじ)を使用することができる。図示された例において、バスバーは屈曲部112を含んでいてもよく、屈曲部112によってバスバーは、ハウジングの角または縁(例えば、図1の観点ではハウジングの右側)を回り込んで、ハウジングの第1の側面(例えば、右側)を越えてもしくは第1の側面上に延びるか、または延び得る。図1では見えないバスバーの屈曲部は、電気コネクタ114と導電的に結合して、パネルシステムを供給バスバーなどの電気エネルギー(例えば、電圧)の供給源に導電的に結合することができる。例えば、供給コネクタ114の異なるセットが、パネルシステムの上部および下部のバスバーと接続されていてもよい。各バスバーは、コア本体(後述)の異なる面にあるスイッチングデバイス(後述)と接続されていてもよい。
【0014】
追加の負荷電気コネクタ116、118は、バスバーの屈曲部に接続された電気コネクタとは反対側にあるハウジングの側面に配置されていてもよい。例えば、これらの追加電気コネクタは、ハウジングの第1の側面の反対側であるハウジングの第2の側面(例えば、左側)に沿って延伸していてもよい。追加の電気コネクタのうちの1つは、パネルシステムのバスバー(例えば、上部)と導電的に結合されていてもよく、1つ以上の負荷(例えば、トラクションモータ、工具、電子記憶装置など)の一方の側(例えば、正電位側)に接続されていてもよい。追加の電気コネクタの他のものは、パネルシステムの他方の(例えば、下部の)バスバーと導電的に結合されていてもよく、1つ以上の負荷の別の側(例えば、負電位側)に接続されていてもよい。
【0015】
ゲートドライバ120、122は、ハウジングの対向する側面の間のハウジングの前面に取り付けられ得る。ゲートドライバは、任意選択で、ゲート駆動モジュール、ゲート駆動回路などと呼ぶことができる。ゲートドライバは、互いに対して垂直に取り付けることができ(例えば、一方のゲートドライバが他方のゲートドライバの上方にある)、あるいは、互いの隣に水平に取り付けるか、別の向きまたは配置にすることができる。一方のゲートドライバ120は、コア本体の一方の側のスイッチングデバイス(後述)の動作を制御することができ(これらのスイッチングデバイスからの出力信号または電圧は、上部コネクタ116に伝導される)、他方のゲートドライバ122は、コア本体の別側(例えば、反対側)のスイッチングデバイスの動作を制御することができる(これらのスイッチングデバイスからの出力信号または電圧は、下部コネクタ118に伝導される)。
【0016】
図2は、バスバーおよびコネクタ116、118が取り外された図1に示すパネルシステムの別の斜視図を示す。ハウジングの裏側は、パネルシステムの熱管理アセンブリ232(後述)のコア本体230と流体的に結合されるか、さもなければその一部となり得る流体ポート224を含んでいてもよい。コア本体は、非導電性材料から形成され、および/または電圧もしくは電流がコア本体内へもしくはコア本体によって伝導されないようにスイッチングデバイスから(例えば、誘電体層によって)電気的に絶縁された平面状の物体もしくは本体であってもよい。流体ポートは、コア本体に接続された液圧コネクタまたは他のコネクタを含んでいてもよい。流体ポートは、パネルシステム内の構成要素の温度を制御するために熱管理流体が流れる流体回路と結合されていてもよい。例えば、流体ポートは、パネルシステムの温度を許容範囲内に保つために液体冷却剤および/または気体冷却剤を循環させる1つ以上の回路と結合されていてもよい。任意選択で、加熱された液体および/または加熱された気体を回路内で循環させてもよい。流体は、回路内を流れ、流体ポートの1つを通ってコア本体に入り、コア本体内の導管(後述)を通ってパネルシステムの構成要素を冷却、加熱、または他の方法で管理し、流体ポートの別の1つを通ってコア本体から出て、流体回路の残りの部分に戻ることができる。これにより、パネルシステムの構成要素を冷却および/または加熱して構成要素の温度を許容範囲内に保つことができる。
【0017】
ハウジングの裏側はまた、接続機構226および/またはガイドピン228を含むことができる。接続機構は、ハウジングをラック、棚などのバックプレーンに固定するために、バックプレーンに沿って対応する空洞またはコネクタと嵌合するコネクタを含むことができる。ガイドピンは、流体ポートおよび/または接続機構を流体回路およびコネクタの対応するレセプタクルと位置合わせするために、バックプレーンの対応するレセプタクルに受容され得る。ガイドピンは、これらの構成要素の位置合わせを確実にし、パネルシステムとバックプレーンとのブラインド嵌合(例えば、コネクタ、ピン、機構などが見えない状態でパネルシステムをバックプレーンに結合すること)を可能にすることができる。
【0018】
図2に示すパネルシステムを引き続き参照すると、図3は、スイッチングデバイス234が取り付けられたコア本体の一例の斜視図を示し、図4は、スイッチングデバイスが取り付けられていない、図3に示すコア本体の斜視図を示す。スイッチングデバイスは、IGBTまたは他の電子制御スイッチであってもよい。コア本体は、コア本体の対向する面のそれぞれに2つのスイッチングデバイス(例えば、合計4つのスイッチングデバイス)が取り付けられた対向する面336、338(図3においてラベル付けされている)を有していてもよい。あるいは、コア本体は、片面のみに実装されたスイッチングデバイスを備えていてもよく、コア本体は、片面または両面に実装された単一のスイッチングデバイスのみを備えていてもよく、および/または1面以上に実装された2つ以上のスイッチングデバイスを備えていてもよい。ゲートドライバは、共有回路基板240および別の回路基板242、244(または導電経路を有する別の装置)を介してスイッチングデバイスと結合されていてもよい。これにより、ゲートドライバが単一の入力信号(例えば、単一の入力電圧)を受信するが、この入力信号をスイッチングデバイスの各々に個別に送信される複数の信号に分割して、スイッチングデバイスを個別に制御できるようにすることができる。あるいは、入力信号を分割せず、スイッチングデバイスに個別に送信するようにしてもよい。スイッチングデバイスは、バスバー108の下側と導電的に結合されていてもよい。
【0019】
動作時、入力電圧は、ソース(例えば、バッテリセル、燃料電池、オルタネータ、発電機、ユーティリティグリッド、コンバータなど)から入力コネクタ114の異なるセットに供給される。これらの入力コネクタの1セットは、上部バスバー108(図1に見える)を介してコア本体の上面336にあるスイッチングデバイスと導電的に結合される。これらの入力コネクタの別のセットは、下部バスバーを介して、コア本体の下面338(ハウジングの、上部バスバー108が示されている側とは反対側)にあるスイッチングデバイスと導電的に結合される。例えば、IGBTのコレクタ端子は、ハウジングの上側または下側の対応するバスバーを介して、入力コネクタと導電的に結合することができる。
【0020】
コア本体の上部にあるスイッチングデバイスも、ハウジングの上部にあるバスバーによって、出力コネクタまたは負荷コネクタ116と導電的に結合することができる。コア本体の下部にあるスイッチングデバイスは、ハウジングの下部にあるバスバーによって、出力コネクタまたは負荷コネクタ118と導電的に結合することができる。例えば、スイッチングデバイスのエミッタ端子は、ハウジングの上部および下部にあるバスバーによって負荷コネクタと導電的に結合することができる。
【0021】
ゲートドライバは、回路基板240、242、244によってスイッチングデバイスと接続することができる。例えば、上側ゲートドライバは、コア本体の上面にあるスイッチングデバイスのゲート端子と接続することができる。下側ゲートドライバは、コア本体の下面にあるスイッチングデバイスのゲート端子と接続することができる。入力信号は、スイッチングデバイスを制御するために(例えば、コントローラまたは他の外部システムによって)ゲートドライバに供給されることが可能であり、これにより、供給コネクタ114から負荷コネクタ116、118にスイッチングデバイスを介して伝導される電圧を制御することができる。
【0022】
スイッチングデバイスの上部または下部のバスバーは、同一の構造であってもよく、互いに180°上下反転して取り付けられてもよく、複数(例えば、5つまたは異なる数)の積層材料層(後述)を含んでいてもよい。コア本体のそれぞれの面にある複数のスイッチングデバイスは、並んで配置され、一方のスイッチングデバイスは、(コア本体の同じ面にある)他方のスイッチングデバイスよりも入力コネクタまたは供給コネクタ114の近くに配置され、他方のスイッチングデバイスは、(コア本体の同じ面にある)一方のスイッチングデバイスよりも出力コネクタまたは負荷コネクタ116、118の近くに配置されている。スイッチングデバイスのこの配列および配置により、供給コネクタを介して供給される供給電圧または供給電流が、スイッチングデバイスの等電位端子246(図2に示す。例えば、スイッチングデバイスによって出力される交流電流の異なる相のコレクタ端子)に実質的に均一に分配されるようにすることができる。
【0023】
図5は、パネルシステムの上部バスバーまたは下部バスバーの1つの例の断面図である。コア本体およびスイッチングデバイスの上部および下部のバスバーは、外側保護絶縁層548、550を含む多層スタックとして形成することができる。これらの絶縁層は、バスバーの内部層をバスバーの外側の構成要素から電気的に絶縁し、またバスバーの内部層を外側の構成要素から保護する1つ以上の誘電体材料から形成することができる。内部導電層552、554は、外部保護絶縁層の内側に配置されている。これらの導電層は、入力コネクタまたは供給コネクタおよび/またはゲートドライバからスイッチングデバイスへ(例えば、スイッチングデバイスのコレクタ端子およびゲート端子のそれぞれへ)、およびスイッチングデバイスから出力コネクタまたは負荷コネクタへ(例えば、スイッチングデバイスのエミッタ端子へ)、配線または他の導電経路に沿って電圧または電流を伝導することができる。内部誘電体層556は、導電層間に配置されていてもよい。この内部誘電体層は、1つ以上の誘電体材料から形成されていてもよく、これらの層が互いに導電的に結合されないように(内部誘電体層を通って1つの導電層から別の導電層まで延伸する1つ以上の導電性ビアが存在しない限り)導電層を分離していてもよい。
【0024】
バスバーのこの設計により、スイッチングデバイスへのおよび/またはスイッチングデバイスからの電圧または電流の伝導に対して、実質的に同じか等価なインダクタンスを提供することができる。スイッチングデバイスとゲートドライバの位置により、電流または電圧が各スイッチングデバイスにおよび/または各スイッチングデバイスから伝導される電気経路のインダクタンスが等しくなるようにすることができる。さらに、スイッチングデバイスとゲートドライバとの間の位置および離間距離によって、(他の距離または位置と比較して)磁界干渉の改善された制御または低減を提供することができることが本発明者らによって見出されている。
【0025】
上述のように、コア本体は、コア本体の流体ポートを流体的に結合する内部導管340を含む。上述した流体回路内の冷却液体または加熱液体または気体は、コア本体およびスイッチングデバイスを加熱または冷却するために、これらの導管を通って流れることができる。例えば、スイッチングデバイスの動作によって熱が発生する場合、冷却剤が内部導管を通って流れ、スイッチングデバイス、コア本体、および他の構成要素を冷却することができる。スイッチングデバイスが低温環境で動作しており、動作または動作向上のために熱が必要な場合は、加熱流体を内部管路に流して、スイッチングデバイス(または他の構成要素)の温度を上昇させることができる。
【0026】
パネルシステムは、パネルシステムの前方を介してゲートドライバへのアクセス性を提供し、出力コネクタまたは負荷コネクタへの側方(例えば、左側)のアクセス性を提供し、供給コネクタまたは入力コネクタへの反対の側方(例えば、右側)のアクセス性を提供し、コア本体の両側(例えば、上側および下側)のバスバーを提供し、コア本体への流体ポートおよびコア本体からの流体ポートを提供し、バックプレーンに対するパネルシステムの位置決めを支援するためのガイドピンを提供し、および/またはパネルシステムを把持または取り扱うための取っ手付きの支持的かつ保護的なハウジングを提供することができる。故障、またはパネルシステムの構成要素を交換、検査、または維持するための必要性が生じた場合、上述のアクセス性を提供することは、いくつかの既知のパネルシステムと比較して、構成要素をより容易に取り外して交換する際の助けとなる。一実施形態において、本明細書に記載の主題は、パネルシステムを修理または交換する方法も提供する。この方法は、パネルシステムの前面、側面、上面、または下面を介して、交換が必要な構成要素にアクセスすること、構成要素を取り外すこと、およびパネルシステムの同じ前面、側面、上面、または下面を介して交換用構成要素を取り付けることを含み得る。一実施形態において、本明細書に記載される主題は、交換が求められる1つ以上の構成要素を含む、および/または本明細書に示され、記載されるパネルシステムの構成要素を含む交換キットまたは修理キットを提供し、構成要素は、パネルシステムを提供するために本明細書に記載されるように組み立てられ得る。例えば、スイッチングデバイスを交換するために、本方法は、パネルシステムをバックプレーンから取り外すこと、上部バスバーまたは下部バスバーを取り外すこと、スイッチングデバイスを内部バスバー230、244およびコア本体の上部または下部から取り外すこと、交換用スイッチングデバイスをコア本体の上部または下部に取り付けること、交換用スイッチングデバイスを内部バスバーに取り付けること、上部バスバーまたは下部バスバーを取り付けること、およびパネルシステムをバックプレーンに接続することを含み得る。交換キットは、交換用スイッチングデバイス、内部バスバー、および/または上部バスバーまたは下部バスバーを含んでもよい。
【0027】
1つ以上の実施形態において、鉄道車両システムに関連して説明がされているが、全ての実施形態において鉄道車両システムに限定されるわけではない。明示的に否定または別段の記載がない限り、本明細書で説明する主題は、自動車、トラック(トレーラー付きまたはトレーラー無し)、バス、船舶、航空機、採掘車両、農業用車両、または他のオフハイウェイ車両などの他のタイプの車両システムにも及ぶ。本明細書で説明する車両システム(鉄道車両システムまたはレールやトラック上を走行しない他の車両システム)は、単一の車両または複数の車両から形成することができる。マルチビークルシステムに関して、車両は、(例えば、連結器によって)互いに機械的に結合されていてもよいし、機械的に結合されていないが論理的に結合されていてもよい。例えば、車両が一緒に走行するため(例えば、護送車として)、車両の動きを互いに調整するために別々の車両が互いに通信する場合、車両は論理的に結合されているが機械的には結合されていないかもしれない。
【0028】
一例として、対向する面、および対向する面の少なくとも1つに取り付けられたスイッチングデバイスを有するコア本体と、コア本体およびスイッチングデバイスが配置されたハウジングと、ハウジングの第1の側面およびスイッチングデバイスに結合されたゲートドライバと、ハウジングの1つ以上の他の側面およびスイッチングデバイスに結合されたコネクタとを含み得るパネルシステムが提供される。コネクタは、電圧を受け取ってスイッチングデバイスのコレクタ端子に伝導することができる。ゲートドライバは、ゲート電圧をスイッチングデバイスのゲート端子に伝導することができる。スイッチングデバイスは、コネクタを介したハウジングからの電圧の伝導を交流電流として制御することができる。
【0029】
コア本体は、流体回路と結合するように構成された流体ポートと、スイッチングデバイスの熱管理のために流体回路からの冷却流体または加熱流体の流れを、コア本体を通して導くように構成された内部導管とを含んでいてもよい。コア本体の流体ポートは、流体回路との接続のために、ハウジングの裏側を通って延び、そこから突出していてもよい。ハウジングは、コア本体の流体ポートと流体回路との位置合わせのために、ハウジングの裏側から突出するガイドピンを含んでいてもよい。コネクタは、ハウジングの1つ以上の他の側面のうちの第2の側面に設けられた供給コネクタと、ハウジングの1つ以上の他の側面のうちの第3の側面に設けられた負荷コネクタとを含んでいてもよい。複数のスイッチングデバイスは、コア本体の対向する面のそれぞれに並んで配置されていてもよく、コア本体の対向する面のそれぞれに設けられたスイッチングデバイスのうちの第1のスイッチングデバイスは、コア本体の対向する面のそれぞれに設けられたスイッチングデバイスのうちの第2のスイッチングデバイスよりもハウジングの第2の側面の近くに位置していてもよい。コア本体の対向する面のそれぞれに設けられた第2のスイッチングデバイスは、コア本体の対向する面のそれぞれに設けられた第3のスイッチングデバイスよりもハウジングの第3の側面の近くに位置していてもよい。
【0030】
ハウジングは、ゲートドライバとともにハウジングの第1の側面に配置された1つ以上の取っ手を含んでいてもよい。パネルシステムは、任意選択で、コア本体の対向する面のうちの第1の面に設けられたスイッチングデバイスと結合された上部バスバーと、コア本体の対向する面のうちの第2の面に設けられたスイッチングデバイスと結合された下部バスバーとを含んでいてもよく、上部バスバーおよび下部バスバーの各々は、コネクタとも接続される。上部バスバーおよび下部バスバーの一方または両方は、複数の外側誘電体保護層、内部誘電体層、外側誘電体保護層の1つと内部誘電体層との間にある第1の導電層、および別の外側誘電体保護層と内部誘電体層との間にある第2の導電層を備える多層スタックを含んでいてもよい。スイッチングデバイスは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)であってもよい。
【0031】
別の例では、その対向する面にスイッチングデバイスが取り付けられたコア本体と、コア本体およびスイッチングデバイスが配置されたハウジングと、ハウジングの第1の側面に結合されたゲートドライバと、ハウジングの他の側面およびスイッチングデバイスに結合されたコネクタとを有するパネルシステムから、上部バスバーまたは下部バスバーを取り外す工程を含み得る方法が提供される。本方法はまた、コア本体からスイッチングデバイスの少なくとも1つを取り外す工程と、スイッチングデバイスの少なくとも1つが取り外されたコア本体に交換用スイッチングデバイスを結合する工程と、上部バスバーまたは下部バスバーをパネルシステムに結合する工程とを含み得る。
【0032】
別の例では、キットが提供される。このキットは、ハウジングの第1の側面に結合されたゲートドライバと、ハウジングの他の側面およびスイッチングデバイスに結合されたコネクタとを有するパネルシステムのハウジング内のコア本体に結合された少なくとも1つのスイッチングデバイスを交換する際に使用することができる。キットは、コア本体に取り付けられるように構成された交換用スイッチングデバイスを含んでいてもよい。
【0033】
別の例では、別のパネルシステムは、対向する面と、対向する面の少なくとも一方に取り付けられたスイッチングデバイスとを含むコア本体を含んでいてもよい。コア本体は、スイッチングデバイスを熱的に管理するために使用される流体を流すための内部導管を含んでいてもよい。パネルシステムは、コア本体およびスイッチングデバイスが配置されたハウジングと、ハウジングの前面およびスイッチングデバイスに結合されたゲートドライバと、ハウジングの第1の側面に結合された供給コネクタと、前面が前面と第2の側面との間に配置されているハウジングの第2の側面に結合された負荷コネクタとを含んでいてもよい。供給コネクタは、電圧を受け取ってスイッチングデバイスのコレクタ端子に伝導することができる。ゲートドライバは、ゲート電圧をスイッチングデバイスのゲート端子に伝導することができる。スイッチングデバイスは、負荷コネクタを介したハウジングの外への電圧の伝導を交流電流として制御することができる。
【0034】
コア本体は、スイッチングデバイスを熱的に管理するために使用される流体を受け入れるための流体回路と結合することができる流体ポートを含んでいてもよい。コア本体の流体ポートは、流体回路との接続のために、ハウジングの裏側を通って延び、そこから突出していてもよい。ハウジングは、コア本体の流体ポートと流体回路との位置合わせのために、ハウジングの裏側から突出するガイドピンを含んでいてもよい。複数のスイッチングデバイスは、コア本体の対向する面のそれぞれに並んで配置されていてもよく、コア本体の対向する面のそれぞれに設けられたスイッチングデバイスのうちの第1のスイッチングデバイスは、コア本体の対向する面のそれぞれに設けられたスイッチングデバイスのうちの第2のスイッチングデバイスよりもハウジングの第2の側面の近くに位置していてもよい。コア本体の対向する面のそれぞれに設けられた第2のスイッチングデバイスは、コア本体の対向する面のそれぞれに設けられた第3のスイッチングデバイスよりもハウジングの第3の側面の近くに位置していてもよい。
【0035】
ハウジングは、ゲートドライバとともにハウジングの前面に配置された1つ以上の取っ手を含んでいてもよい。パネルシステムはまた、コア本体の対向する面のうちの第1の面に設けられたスイッチングデバイスと結合された上部バスバーと、コア本体の対向する面のうちの第2の面に設けられたスイッチングデバイスと結合された下部バスバーとを含んでいてもよい。上部バスバーおよび下部バスバーの各々は、コネクタと接続されていてもよい。上部バスバーおよび下部バスバーの一方または両方は、複数の外側誘電体保護層、内部誘電体層、外側誘電体保護層の1つと内部誘電体層との間にある第1の導電層と、別の外側誘電体保護層と内部誘電体層との間にある第2の導電層とを備える多層スタックを含んでいてもよい。
【0036】
「・・・のうちの1つ以上および」、「・・・のうちの1つ以上または」、「・・・のうちの少なくとも1つおよび」、ならびに「・・・のうちの少なくとも1つまたは」などの語句の使用は、語句に関連して使用される項目のうちの単一のもののみを含むこと、語句に関連して使用される項目それぞれのうちの少なくとも1つを含むこと、または語句に関連して使用される項目の任意またはそれぞれのうちの複数を含むことを意味する。例えば、「A、B、およびCのうちの1つ以上」、「A、B、またはCのうちの1つ以上」、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」、ならびに「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」はそれぞれ、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、(3)少なくとも1つのC、(4)少なくとも1つのAと少なくとも1つのB、(5)少なくとも1つのAと少なくとも1つのBと少なくとも1つのC、(6)少なくとも1つのBと少なくとも1つのC、または(7)少なくとも1つのAと少なくとも1つのC、を意味し得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、単数形で記載され、「a」または「an」の単語が先行する要素またはステップは、そのような除外が明示的に記載されない限り、当該要素または動作の複数形を除外するものではない。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、言及された特徴を組み込んだ追加の実施形態の存在を排除するものではない。さらに、反対のことが明示的に記載されない限り、特定の特性を有する1つの要素または複数の要素を「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、または「有する(has)」実施形態は、その特性を有さない追加のそのような要素を含み得る。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「おいて(in which)」の用語は、「含む(comprising)」および「おいて(wherein)」のそれぞれの用語の平易な英語における同等のものとして使用される。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」および「第3」等の用語は、単にラベルとして使用され、その対象に数値要件を課すものではない。さらに、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で記載されておらず、そのような特許請求の範囲の限定が明示的に「手段」の用語を使用し、その後にさらなる構造を伴わない機能の記載が続く場合を除いて、35U.S.C.112(f)に基づいて解釈されることは意図されていない。
【0038】
上記の説明は例示であり、制限的なものではない。例えば、上述の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用可能である。さらに、その範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を主題の教示に適合させるために、多くの修正が可能である。本明細書に記載される材料の寸法および種類は、主題のパラメータを定義するが、それらは例示的な実施形態である。したがって、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲、および特許請求の範囲の権利の均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
【0039】
本明細書は、最良の態様を含む主題のいくつかの実施形態を開示し、任意の装置またはシステムを製造および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含む、主題の実施形態を当業者が実施できるようにするために、例を用いて説明する。主題の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に着想される他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構成要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構成要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】