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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072807
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 71/12 20060101AFI20240521BHJP
   C08L 65/00 20060101ALI20240521BHJP
   C08L 25/04 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 5/3415 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 5/14 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 5/03 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 5/23 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 5/3492 20060101ALI20240521BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 5/02 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 5/07 20060101ALI20240521BHJP
   B32B 15/08 20060101ALI20240521BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
C08L71/12
C08L65/00
C08L25/04
C08K5/3415
C08K3/36
C08K5/14
C08K5/03
C08K5/23
C08K5/3492
C08L9/00
C08K5/02
C08K5/07
B32B15/08 J
B32B15/08 Q
H05K1/03 610H
H05K1/03 610R
H05K1/03 630G
【審査請求】未請求
【請求項の数】46
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193711
(22)【出願日】2023-11-14
(31)【優先権主張番号】63/425,776
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523220189
【氏名又は名称】エージーシー マルチ マテリアル アメリカ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】中西 智亮
(72)【発明者】
【氏名】中島 陽司
(72)【発明者】
【氏名】レイバオ・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ロイ・アルメン
【テーマコード(参考)】
4F100
4J002
【Fターム(参考)】
4F100AA20B
4F100AB17A
4F100AB33A
4F100AG00B
4F100AH06B
4F100AK12B
4F100AK49B
4F100AK54B
4F100AL01B
4F100AL05B
4F100BA02
4F100CA23B
4F100DG11B
4F100DG12B
4F100DG15B
4F100DH01B
4F100EJ82
4F100JB12B
4F100JB16B
4F100YY00B
4J002AC03Z
4J002AC08Z
4J002BC02X
4J002CE00Y
4J002CH07W
4J002DJ016
4J002EE029
4J002EK007
4J002EQ017
4J002EU028
4J002EU198
4J002FA096
4J002FB106
4J002FD016
4J002GF00
4J002GQ01
(57)【要約】
【課題】優れた電気特性、向上した難燃性及び向上した機械特性を有する誘電体層又は誘電体フィルムを形成可能な硬化性組成物を提供する。
【解決手段】本開示は、少なくとも1種のポリマーと、中空シリカ粒子とを含む硬化性組成物に関する。本開示は、自立型フィルム、積層体、プレプレグ及び/又は印刷回路板を形成するための該組成物の使用にも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ(フェニレンエーテル)、マレイミド含有化合物、ポリインダン、又はスチレンモノマー単位、メチルスチレンモノマー単位、ブチルスチレンモノマー単位、ジビニルベンゼンモノマー単位、4-(ジメチルビニルシリルメチル)スチレンモノマー単位、若しくはピリミジン、ピラジン、ピリダジン若しくはピリジンモノマー単位を含むコポリマーを含み、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む少なくとも1種の熱硬化性樹脂と、
中空シリカ粒子を含む少なくとも1種の充填材と
を含む硬化性組成物。
【請求項2】
ポリ(フェニレンエーテル)が、式(I):
【化1】
(式中、
m及びnの各々は、独立に、1~100の整数であり、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の各々は、独立に、水素又はC1~C12アルキルであり、
R9及びR10の各々は、独立に、炭素-炭素二重結合を含む末端基であり、
Yは、単結合、-C(O)-、-C(S)-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(RR')-、又は
【化2】
であり、R及びR'の各々は、独立に、水素又はC1~C12アルキルであり、pは、0~4の整数であり、qは、0~4の整数である)
のものである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1種の熱硬化性樹脂が、ポリ(スチレン-co-ジビニルベンゼン-co-エチルスチレン)コポリマー、ポリ(メチルスチレン-co-4-(ジメチルビニルシリルメチル)スチレン)コポリマー、又はピリミジンモノマー単位を含むポリエーテルコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の熱硬化性樹脂が、組成物の固形分の約5質量%から約95質量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
中空シリカ粒子が、最大で約1.5g/cm3の密度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
中空シリカ粒子が、粒径のD50値が約0.1μmから約5.0μmであり、密度が約0.4g/cm3から約1.5g/cm3である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
中空シリカ粒子の表面が、カップリング剤により処理される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
カップリング剤が、ビニル基、メタクリレート基又はトリメチル基の少なくとも1つを有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
中空シリカ粒子が、最大で約0.002の誘電正接を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
中空シリカ粒子が、少なくとも約95質量%の二酸化ケイ素を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種の充填材が、非中空固形充填材を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の充填材が、組成物の固形分の約1質量%から約50質量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1種のカップリング剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種のカップリング剤が、シラン、チタネート又はジルコネートを含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1種のカップリング剤が、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、加水分解ビニルベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、又はテトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)ジルコネートを含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1種のカップリング剤が、組成物の固形分の約0.1質量%から約1質量%の量で存在する、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも1種のラジカル開始剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも1種のラジカル開始剤が、過酸化物、芳香族炭化水素、又はアゾ化合物を含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも1種のラジカル開始剤が、1,2-ビス(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)ジアゼン、ジ-(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン又は2,3-ジメチル2,3-ジフェニルブタンを含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも1種のラジカル開始剤が、組成物の固形分の約0.05質量%から約3質量%の量で存在する、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
少なくとも1種の架橋剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも1種の架橋剤が、ビス(4-ビニルフェニル)エタン、トリアリルイソシアヌレート、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン-co-スチレン)コポリマー、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリレート又はビスマレイミドを含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
少なくとも1種の架橋剤が、組成物の固形分の約1質量%から約50質量%の量で存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
少なくとも1種の熱硬化性樹脂と異なる添加ポリマーを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
添加ポリマーが、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン-co-スチレン)コポリマー、ポリジビニルベンゼンコポリマー、ポリ(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン)コポリマー、ポリ(スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン)コポリマー、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)コポリマー、ポリ(スチレン-イソプレン-スチレン)コポリマー、又はポリ(エチレン-プロピレン-ジエン)コポリマーを含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
添加ポリマーが、組成物の固形分の約1質量%から約50質量%の量で存在する、請求項24に記載の組成物。
【請求項27】
難燃剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
難燃剤が、1,1'-(エタン-1,2-ジイル)ビス(ペンタブロモベンゼン)、N,N-エチレン-ビス(テトラブロモフタルイミド)、アルミニウムジエチルホスフィネート又はアリルホスファゼンを含む、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
難燃剤が、組成物の固形分の約5質量%から約30質量%の量で存在する、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
有機溶媒を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
有機溶媒が、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン又はキシレンを含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
有機溶媒が、組成物の全質量の約20質量%から約50質量%の量で存在する、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
請求項1に記載の組成物から調製されるフィルム。
【請求項34】
最大で約3.1の誘電率を有する、請求項33に記載のフィルム。
【請求項35】
最大で約0.002の誘電正接を有する、請求項33に記載のフィルム。
【請求項36】
請求項1に記載の組成物が含浸された織布又は不織布基板を含む、プレプレグ製品。
【請求項37】
基板がガラス布を含む、請求項36に記載のプレプレグ製品。
【請求項38】
請求項36に記載のプレプレグ製品から調製される少なくとも1つの層を含む、積層体。
【請求項39】
金属箔の少なくとも1つの層を少なくとも1つの層の表面に更に含む、請求項38に記載の積層体。
【請求項40】
金属箔が銅箔である、請求項39に記載の積層体。
【請求項41】
請求項38に記載の積層体を含む、電子製品に使用される回路板。
【請求項42】
請求項1に記載の組成物を織布又は不織布基板に含浸する工程と、
組成物を硬化させてプレプレグ製品を形成する工程と
を含む、方法。
【請求項43】
組成物を硬化させる工程が、約150℃から約250℃の範囲の温度で実施される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
プレプレグ製品を金属箔に貼付して積層体を形成する工程を更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
積層体を印刷回路板に変換する工程を更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
メチルスチレンモノマー単位を含む少なくとも1種のポリマーと、
中空シリカ粒子を含む少なくとも1種の充填材と
を含む、硬化性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2022年11月16日出願の米国仮出願第63/425,776号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、硬化性組成物、並びに関連方法、フィルム、積層体、プレプレグ、及び回路板に関する。
【背景技術】
【0003】
高周波無線伝送の需要に対応するために、業界における高周波伝送システム及び無線通信機器に対する要求が強まる一方である。一般に、回路アセンブリは、導電性金属層及び誘電体基板層を含む。高周波伝送の需要に対応するために、誘電体基板層は、低い誘電損失又は誘電正接(Df)(例えば、最大で0.0020)を有する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国出願公開第2022/0251254号
【特許文献2】米国特許第11,130,861号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、中空充填材を含む特定の硬化性組成物が、優れた電気特性(例えば低Dk及びDf)、向上した安定性、向上した機械特性(例えば層間接着強度)、及び他の材料との向上した密着性(例えば剥離強度)を有する誘電体フィルム、プレプレグ又は積層体を形成できるという予期せぬ発見に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本開示は、(1)ポリ(フェニレンエーテル)、マレイミド含有化合物(例えば、ポリマレイミド若しくはビスマレイミドポリマー)、ポリインダン、又はスチレンモノマー単位、メチルスチレンモノマー単位、ブチルスチレンモノマー単位、ジビニルベンゼンモノマー単位、4-(ジメチルビニルシリルメチル)スチレンモノマー単位、若しくはピリミジン、ピラジン、ピリダジン若しくはピリジンモノマー単位を含むコポリマーを含み、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む少なくとも1種の熱硬化性樹脂と、(2)中空シリカ粒子を含む少なくとも1種の充填材とを含む、硬化性組成物(例えば硬化性樹脂組成物)を特徴とする。
【0007】
別の態様では、本開示は、メチルスチレンモノマー単位を含む少なくとも1種のポリマーと、中空シリカ粒子を含む少なくとも1種の充填材とを含む硬化性組成物(例えば硬化性樹脂組成物)を特徴とする。
【0008】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の硬化性組成物から調製されるフィルム(例えば、自立型若しくは支持フィルム)を特徴とする。
【0009】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の硬化性組成物が含浸された織布又は不織布基板(例えば織布又は不織布)を含むプレプレグ製品を特徴とする。
【0010】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載のプレプレグ製品から調製されている少なくとも1つの層を含む、積層体を特徴とする。
【0011】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の積層体を含む電子製品に使用される回路板(例えば、印刷回路板)を特徴とする。
【0012】
更に別の態様では、本開示は、本明細書に記載の硬化性組成物を織布又は不織布基板に含浸する工程と、組成物を硬化させてプレプレグ製品を形成する工程とを含む、方法を特徴とする。
【0013】
開示されている組成物及び方法の1つ又は複数の実施形態の詳細が以下の説明に記載される。開示されている組成物及び方法の他の特徴、目的及び利点は、以下の説明及び請求の範囲から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一般に、本開示は、少なくとも1種の(例えば、2種又は3種以上の)熱硬化性樹脂、及び少なくとも1種の(例えば、2種又は3種以上の)充填材を含む硬化性組成物を対象とする。一部の実施形態において、熱硬化性樹脂は、小分子(例えばモノマー)又はポリマーでありうる。一部の実施形態において、本明細書に記載のポリマー(例えば、熱硬化性樹脂又は任意選択の添加ポリマー)は、特に明記しない限りホモポリマー又はコポリマー(例えば、ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、交互コポリマー若しくはブロックコポリマー)でありうる。
【0015】
一部の実施形態において、熱硬化性樹脂は、(例えば、開始剤又は熱の存在下で)硬化性又は架橋性である。一部の実施形態において、熱硬化性樹脂は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含みうる。熱硬化性樹脂がポリマーである場合、各炭素-炭素二重結合は、ポリマー鎖末端(即ち、末端基)又はポリマー鎖の中央(例えば側鎖)に存在する。本明細書に用いられているように、「炭素-炭素二重結合」は、エチレン基又はビニル基等の非芳香族炭素-炭素二重結合を指す。一部の実施形態において、熱硬化性樹脂は、炭素-炭素二重結合を含まず、熱によりラジカルを生成しうることで、架橋しうる官能基を含む。当該官能基の一例は、置換又は非置換ベンゼン基である。一部の実施形態において、熱硬化性樹脂は、非芳香族の炭素-炭素二重結合を含みえないが、なおも架橋性でありうる。当該熱硬化性樹脂の一例は、メチルスチレンモノマー単位を含むポリマー(例えばコポリマー)、例えばポリ(メチルスチレン)である。
【0016】
一部の実施形態において、本明細書に記載の熱硬化性樹脂がコポリマーである場合、コポリマーは、少なくとも1つの(例えば、2つ又は3つ以上の)第1のモノマー単位、及び第1のモノマー単位と異なる少なくとも1つの(例えば、2つ又は3つ以上の)第2のモノマー単位を含みうる。本明細書で言及される「モノマー単位」という語句は、モノマーから形成される基を指し、当該技術分野で公知の「モノマー繰り返し単位」と区別なく用いられる。一部の実施形態において、コポリマーは、第1及び第2のモノマー単位のみを含み、他のモノマー単位を全く含まない。
【0017】
一部の実施形態において、熱硬化性樹脂は、ポリ(フェニレンエーテル)、マレイミド含有化合物(例えば、ポリマレイミド若しくはビスマレイミドポリマー)、ポリインダン、又はスチレンモノマー単位、メチルスチレンモノマー単位、ブチルスチレンモノマー単位、ジビニルベンゼンモノマー単位、4-(ジメチルビニルシリルメチル)スチレンモノマー単位、若しくはピリミジン、ピラジン、ピリダジン若しくはピリジンモノマー単位を含むコポリマーを含みうる。一部の実施形態において、これらのポリマーは、少なくとも2つの非芳香族の炭素-炭素二重結合を含みうる。
【0018】
一部の実施形態において、ポリ(フェニレンエーテル)は、式(I):
【0019】
【化1】
【0020】
(式中、m及びnの各々は、独立に、1~100の整数であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8の各々は、独立に、水素又はC1~C12アルキル(例えばメチル)であり、R9及びR10の各々は、独立に、炭素-炭素二重結合を含む末端基であり、Yは、単結合、-C(O)-、-C(S)-、-S(O)-、-S(O)2-、-C(R1R2)-、又は
【0021】
【化2】
【0022】
であり、R及びR'の各々は、独立に、水素又はC1~C12アルキル(例えばメチル)であり、pは、0~4の整数であり、qは、0~4の整数である)
のものである。一部の実施形態において、ポリ(フェニレンエーテル)は、末端基の一方又は両方に以下の基のうちの1つを有しうる。
【0023】
【化3】
【0024】
式(I)の好適なポリ(フェニレンエーテル)の例としては、以下:
【0025】
【化4】
【0026】
(式中、mは、1~100の整数であり、nは、1~100の整数である)
が挙げられる。
【0027】
一部の実施形態において、本明細書に記載の熱硬化性樹脂は、ビスマレイミド若しくはシトラコンイミド化合物若しくはモノマー、ポリマレイミド又はビスマレイミドポリマー等のマレイミド含有化合物でありうる。好適なマレイミド含有化合物の例としては、4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3'-ジメチル-5,5'-ジエチル-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3'-ジメチル-5,5'-ジプロピル-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、1,6-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、N-2,3-キシリルマレイミド、N-2,6-キシリルマレイミド、N-フェニルマレイミド、ビニルベンジルマレイミド、脂肪族(例えばC1~C30)又は芳香族構造を含むマレイミド化合物(例えばビスマレイミド化合物)、ジアリル化合物及びマレイミド樹脂のプレポリマー、脂肪族又は芳香族ジアミン及びマレイミド樹脂のプレポリマー、多官能性アミン及びマレイミド樹脂のプレポリマー、酸フェノール化合物及びマレイミド樹脂のプレポリマー、並びにそれらの組合せが挙げられる。
【0028】
一部の実施形態において、本明細書に記載の熱硬化性樹脂は、式(II):
【0029】
【化5】
【0030】
(式中、各Rは、独立に、水素、C1~C12アルキル(例えばメチル)又はフェニルであり、nは、1~100の整数であり、pは、0~4の整数であり、qは、0~3の整数である)
のポリマレイミドでありうる。
【0031】
一部の実施形態において、本明細書に記載の熱硬化性樹脂は、ビスマレイミドポリマー等のビスマレイミド化合物でありうる。一部の実施形態において、本明細書に記載のビスマレイミドポリマーは、2つのマレイミド基を末端基とするポリマーを指す。当該ビスマレイミドポリマーの例としては、デザイナーモレキュールズ(Designer Molecules)社(カリフォルニア州San Diego)から市販されているBMI-1500、BMI-1700、BMI-3000、BMI-4500及びBMI-5000が挙げられる。一部の実施形態において、本明細書に記載のビスマレイミドポリマーは、2つのマレイミド基を末端基とするポリインダン、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれている米国出願公開第2022/0251254号に記載のものを含みうる。
【0032】
好適なビスマレイミド化合物の例としては、
【0033】
【化6A】
【0034】
【化6B】
【0035】
【化6C】
【0036】
一部の実施形態において、nは、1~10の整数である。一部の実施形態において、nは、平均値が約1.3の整数である。一部の実施形態において、nは、平均値が約3.1の整数である。他のビスマレイミド化合物としては、デザイナーモレキュールズ社から市販されているBMI-1550、BMI-2500、BMI-2560、BMI-6000及びBMI-6100が挙げられる。
【0037】
一部の実施形態において、本明細書に記載の熱硬化性樹脂は、スチレン系ポリマーであり、第1のモノマー単位としてスチレンモノマー単位を含みうる。本明細書に用いられているように、「スチレンモノマー単位」という語句は、非置換のスチレンモノマー単位及び置換されたスチレンモノマー単位(例えば、以下に記載される式(III)の構造を有する第1のモノマー単位)を含み、非置換のスチレンモノマー又は置換されたスチレンモノマーから形成される基を指す。スチレンモノマー単位に対する好適な置換基としては、ハロ(例えば、F、Cl、Br又はI)及びC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル)を挙げることができる。
【0038】
当該実施形態において、第1のモノマー単位は、式(III):
【0039】
【化7】
【0040】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5の各々は、独立に、H、ハロ(例えば、F、Cl、Br若しくはI)、C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル若しくはヘキシル)、又はC2~C6アルケニル(例えば、ビニル、プロペニル若しくはアリル)である)
の構造を有しうる。
【0041】
第1のモノマー単位を形成するのに使用できるモノマーの例としては、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン、o-プロピルスチレン、m-プロピルスチレン、p-プロピルスチレン、o-ブチルスチレン、m-ブチルスチレン、p-ブチルスチレン、o-イソブチルスチレン、m-イソブチルスチレン、p-イソブチルスチレン、o-t-ブチルスチレン、m-t-ブチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、o-n-ペンチルスチレン、m-n-ペンチルスチレン、p-n-ペンチルスチレン、o-2-メチルブチルスチレン、m-2-メチルブチルスチレン、p-2-メチルブチルスチレン、o-3-メチルブチルスチレン、m-3-メチルブチルスチレン、p-3-メチルブチルスチレン、o-t-ペンチルスチレン、m-t-ペンチルスチレン、p-t-ペンチルスチレン、o-n-ヘキシルスチレン、m-n-ヘキシルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、o-2-メチルペンチルスチレン、m-2-メチルペンチルスチレン、p-2-メチルペンチルスチレン、o-3-メチルペンチルスチレン、m-3-メチルペンチルスチレン、p-3-メチルペンチルスチレン、o-1-メチルペンチルスチレン、m-1-メチルペンチルスチレン、p-1-メチルペンチルスチレン、o-2,2-ジメチルブチルスチレン、m-2,2-ジメチルブチルスチレン、p-2,2-ジメチルブチルスチレン、o-2,3-ジメチルブチルスチレン、m-2,3-ジメチルブチルスチレン、p-2,3-ジメチルブチルスチレン、o-2,4-ジメチルブチルスチレン、m-2,4-ジメチルブチルスチレン、p-2,4-ジメチルブチルスチレン、o-3,3-ジメチルブチルスチレン、m-3,3-ジメチルブチルスチレン、p-3,3-ジメチルブチルスチレン、o-3,4-ジメチルブチルスチレン、m-3,4-ジメチルブチルスチレン、p-3,4-ジメチルブチルスチレン、o-4,4-ジメチルブチルスチレン、m-4,4-ジメチルブチルスチレン、p-4,4-ジメチルブチルスチレン、o-2-エチルブチルスチレン、m-2-エチルブチルスチレン、p-2-エチルブチルスチレン、o-1-エチルブチルスチレン、m-1-エチルブチルスチレン及びp-1-エチルブチルスチレンが挙げられる。
【0042】
一部の実施形態において、スチレン系ポリマーは、第2のモノマー単位を含みうる。一部の実施形態において、第2のモノマー単位は、式(IV):
【0043】
【化8】
【0044】
(式中、Zは、アリーレン(例えば、フェニレン又はナフタレン基)であり、R6、R7、R8、R9、R10及びR11の各々は、独立に、H又はC1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル)である)
の構造を有する。本明細書に用いられているように、「アリーレン」という用語は、非置換のアリーレン及び置換されたアリーレン、例えば、1つ又は複数の(例えば、2つ又は3つ以上の)C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル)により置換されたアリーレンを含む。
【0045】
第2のモノマー単位を形成するのに使用できるモノマーの例としては、o-ジビニルベンゼン、m-ジビニルベンゼン、p-ジビニルベンゼン、1,2-ジイソプロペニルベンゼン、1,3-ジイソプロペニルベンゼン、1,4-ジイソプロペニルベンゼン、1,3-ジビニルナフタレン、1,8-ジビニルナフタレン、1,4-ジビニルナフタレン、1,5-ジビニルナフタレン、2,3-ジビニルナフタレン、2,7-ジビニルナフタレン、2,6-ジビニルナフタレン、1,2-ジビニル-3,4-ジメチルベンゼン、及び1,3-ジビニル-4,5,8-トリブチルナフタレンが挙げられる。
【0046】
一部の実施形態において、スチレン系ポリマーは、第1及び第2のモノマー単位と異なる少なくとも1つの(例えば、2つ又は3つ以上)の第3のモノマー単位を任意選択で更に含みうる。一部の実施形態において、第3のモノマー単位は、式(III)の構造、ノルボルネン基、(メタ)アクリレート基又はインダン基を含む。本明細書に用いられているように、ノルボルネン基、(メタ)アクリレート基及びインダン基の各々は、非置換の基、及び置換された基、例えば、1つ又は複数の(例えば、2つ又は3つ以上の)C1~C6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル)により置換された基を含む。本明細書に用いられているように、「(メタ)アクリレート」という用語は、アクリレート及びメタクリレートの両方を含む。一部の実施形態において、第3のモノマー単位は、不飽和基(例えば不飽和炭化水素基)を含む。
【0047】
スチレン系ポリマーの例としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(スチレン-co-ジビニルベンゼン-co-エチルスチレン)コポリマー、及びポリ(メチルスチレン-co-4-(ジメチルビニルシリルメチル)スチレン)コポリマーが挙げられる。
【0048】
一部の実施形態において、本明細書に記載の熱硬化性樹脂は、ピリミジンモノマー単位を含むコポリマーを含みうる。当該コポリマーの例としては、以下の化学構造:
【0049】
【化9】
【0050】
(式中、各Rは、独立に、C1~C10アルキルであり、pは、0~4の整数であり、qは、0~4の整数であり、rは、0~4の整数である)
のうちの1つを有するモノマー単位を含むポリマーが挙げられる。一部の実施形態において、当該コポリマーは、少なくとも2つの(例えば、末端基にそれぞれ1つずつ)炭素-炭素二重結合を含みうる。例えば、当該コポリマーは、末端基の両方にスチレン基を含みうる。当該コポリマーの具体例は、以下の化学構造:
【0051】
【化10】
【0052】
(式中、nは、1~100の整数である)
を有するコポリマーである。
【0053】
一部の実施形態において、熱硬化性樹脂は、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量又は本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の少なくとも約5質量%(例えば、少なくとも約6質量%、少なくとも約8質量%、少なくとも約10質量%、少なくとも約12質量%、少なくとも約14質量%、少なくとも約15質量%、少なくとも約16質量%、少なくとも約18質量%、少なくとも約20質量%、少なくとも約25質量%、少なくとも約30質量%、少なくとも約40質量%、少なくとも約50質量%、少なくとも約60質量%、少なくとも約70質量%、又は少なくとも約80質量%)から最大で約95質量%(例えば、最大で約90質量%、最大で約85質量%、最大で約80質量%、最大で約75質量%、最大で約70質量%、最大で約65質量%、最大で約60質量%、最大で約55質量%、最大で約50質量%、最大で約45質量%、最大で約40質量%、最大で約35質量%、最大で約30質量%、最大で約25質量%、最大で約20質量%、最大で約15質量%、又は最大で約10質量%)の量で存在する。好ましくは、熱硬化性樹脂は、本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の約10質量%から約50質量%の量で存在する。理論に縛られることを望まないが、本明細書に記載の熱硬化性樹脂を含む硬化性組成物は、少なくとも一部には、熱硬化性樹脂が、主に炭化水素モノマーから構成されており、それ自体低Dk又はDfを有することにより、優れた電気特性(例えば、低Dk又はDf)を有すると考えられる。
【0054】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、本明細書に記載の熱硬化性樹脂と異なる少なくとも1種の(例えば、2種又は3種以上の)添加ポリマー(例えばエラストマー)を任意選択で含みうる。一部の実施形態において、本明細書に記載の添加ポリマーは、エチレンモノマー単位、プロピレンモノマー単位、ブチレンモノマー単位、イソブチレンモノマー単位、ブタジエンモノマー単位、イソプレンモノマー単位、シクロヘキセンモノマー単位、スチレンモノマー単位、又はそれらの組合せを含みうる。好適な添加ポリマーの例としては、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン-co-スチレン)コポリマー、ポリジビニルベンゼンコポリマー、ポリ(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン)(SEBS)コポリマー、ポリ(スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン)(SEPS)コポリマー、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)(SBS)コポリマー、ポリ(スチレン-イソプレン-スチレン)(SIS)コポリマー、及びポリ(エチレン-プロピレン-ジエン)(EPD)コポリマーを挙げることができる。
【0055】
一部の実施形態において、添加ポリマーは、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量又は本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の少なくとも約1質量%(例えば、少なくとも約2質量%、少なくとも約4質量%、少なくとも約5質量%、少なくとも約6質量%、少なくとも約8質量%、少なくとも約10質量%、少なくとも約15質量%、少なくとも約20質量%、少なくとも約25質量%、少なくとも約30質量%、少なくとも約35質量%、又は少なくとも約40質量%)から最大で約50質量%(例えば、最大で約45質量%、最大で約40質量%、最大で約35質量%、最大で約30質量%、最大で約25質量%、最大で約20質量%、最大で約15質量%、最大で約10質量%、最大で約8質量%、最大で約6質量%、最大で約5質量%、又は最大で約4質量%)の量で存在する。好ましくは、添加ポリマーは、本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の約1質量%から約10質量%の量で存在する。理論に縛られることを望まないが、添加ポリマーは、本明細書に記載の硬化性組成物の熱特性の向上(例えば、ガラス転移温度の上昇及び/又は熱膨張率の低下)、機械特性(例えば、銅剥離強度及び/又は内層接着強度)の向上、又は電気特性(例えば、Dk及び/又はDf)の向上を可能にすると考えられる。
【0056】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、上記の熱硬化性樹脂及び添加ポリマーと異なる少なくとも1種の(例えば、2種又は3種以上の)追加的ポリマーを任意選択で更に含みうる。当該追加的ポリマーの例としては、ポリフェニレンエーテル、ポリブタジエン、ポリスチレン(例えば、非置換のスチレンモノマー又は置換されたスチレンモノマー、例えば本明細書に記載のスチレンモノマーから構成されたポリスチレン)、ポリシロキサン(例えば、ポリビニルシロキサン、ポリアリルシロキサン、及びそれらのコポリマー)、並びにポリシルセスキオキサン(例えば、オープン若しくはクローズドケージ型のポリシルセスキオキサン)が挙げられる。理論に縛られることを望まないが、これらの追加的ポリマーは、本明細書に記載の硬化性組成物のコストの低減及び/又は加工性の向上(例えば、粘度の低減若しくは流動性の向上)、密着特性(例えば剥離強度)の向上、機械特性(例えば層間接着強度)の向上、及び燃焼性の向上を可能にすると考えられる。
【0057】
一部の実施形態において、追加的ポリマーは、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量又は本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の少なくとも約0.1質量%(例えば、少なくとも約0.2質量%、少なくとも約0.4質量%、少なくとも約0.5質量%、少なくとも約0.6質量%、少なくとも約0.8質量%、少なくとも約1質量%、少なくとも約2質量%、少なくとも約4質量%、少なくとも約5質量%、少なくとも約6質量%、少なくとも約8質量%、又は少なくとも約10質量%)から最大で約30質量%(例えば、最大で約28質量%、最大で約26質量%、最大で約25質量%、最大で約24質量%、最大で約22質量%、最大で約20質量%、最大で約18質量%、最大で約16質量%、最大で約15質量%、最大で約14質量%、最大で約12質量%、最大で約10質量%、最大で約8質量%、最大で約6質量%、又は最大で約5質量%)の量で存在する。好ましくは、追加的ポリマーは、本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の約1質量%から約20質量%の量で存在する。
【0058】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、少なくとも1種の(例えば、2種又は3種以上の)充填材(例えば、無機充填材)を含みうる。一部の実施形態において、充填材は、中空シリカ粒子(例えば、中空シリカビーズ)を含みうる。理論に縛られることを望まないが、中空粒子を充填材として使用すると、本明細書に記載の硬化性組成物の機械特性、伝熱性及び電気特性の向上及び/又は熱膨張率(CTE)及びコストの低減が可能になると考えられる。
【0059】
一部の実施形態において、本明細書に記載の中空シリカ粒子は、比較的低い誘電率(Dk)及び/又は比較的低い誘電正接(Df)を有しうる。例えば、本明細書に記載の中空シリカ粒子は、10GHzにおいて最大で約3.1(例えば、最大で約3、最大で約2.9、最大で約2.8、最大で約2.7、最大で約2.6、最大で約2.5、最大で約2.4、最大で約2.2、又は最大で約2)から少なくとも約1(例えば、少なくとも約1.5)の範囲のDkを有しうる。一部の実施形態において、本明細書に記載の中空シリカ粒子は、最大で約0.002(例えば、最大で約0.0018、最大で約0.0016、最大で約0.0015、最大で約0.0014、最大で約0.0012、最大で約0.001、又は最大で約0.0008)から少なくとも約0.0005(例えば、少なくとも約0.0006、少なくとも約0.0008、又は少なくとも約0.001)の範囲の誘電正接(Df)を有しうる。
【0060】
一部の実施形態において、本明細書に記載の中空シリカ粒子は、比較的高い純度を有しうる。例えば、中空シリカ粒子は、少なくとも約95質量%(例えば、少なくとも約96質量%、少なくとも約97質量%、少なくとも約98質量%、少なくとも約99質量%、又は少なくとも約99.5質量%)の二酸化ケイ素を含みうる。理論に縛られることを望まないが、高純度の中空シリカ粒子を使用すると、当該充填材から構成されるプレプレグ製品又は積層体のDfを低減することができ、信頼性の問題を生じさせうる金属汚染を小さくすることができると考えられる。
【0061】
一部の実施形態において、本明細書に記載の中空シリカ粒子は、比較的低密度でありうる。例えば、中空シリカ粒子は、最大で約1.5g/cm3(例えば、最大で約1.4g/cm3、最大で約1.2g/cm3、最大で約1g/cm3、最大で約0.8g/cm3、最大で約0.6g/cm3、最大で約0.5g/cm3、又は最大で約0.4g/cm3)の密度を有しうる。理論に縛られることを望まないが、低密度の中空シリカ粒子は、比較的高度な多孔性を有するため、低密度の中空シリカ粒子を使用すると、当該充填材から構成されるプレプレグ製品又は積層体のDf及び/又はDkを低下させることができると考えられる。
【0062】
一部の実施形態において、本明細書に記載の中空シリカ粒子は、比較的小さな粒径を有しうる。例えば、中空シリカ粒子は、粒径のD50値が最大で約20μm(例えば、最大で約15μm、最大で約10μm、最大で約5μm、最大で約2μm、又は最大で約1μm)でありうる。理論に縛られることを望まないが、比較的小さな粒径を有する中空シリカ粒子を使用することにより、当該充填材から構成されるプレプレグ製品又は積層体のPCB処理時における欠陥を低減できると考えられる。
【0063】
一部の実施形態において、中空シリカ粒子は、粒径のD50値が約0.1μmから約5.0μmであり、密度が約0.4g/cm3から約1.5g/cm3である。
【0064】
一部の実施形態において、少なくとも1種の充填材又は中空シリカ粒子は、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量又は本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の少なくとも約1質量%(例えば、少なくとも約2質量%、少なくとも約4質量%、少なくとも約5質量%、少なくとも約6質量%、少なくとも約8質量%、少なくとも約10質量%、少なくとも約15質量%、少なくとも約20質量%、少なくとも約25質量%、少なくとも約30質量%、少なくとも約35質量%、又は少なくとも約40質量%)から最大で約50質量%(例えば、最大で約45質量%、最大で約40質量%、最大で約35質量%、最大で約30質量%、最大で約25質量%、最大で約20質量%、最大で約15質量%、最大で約10質量%、又は最大で約5質量%)の量で存在する。
【0065】
一部の実施形態において、理論に縛られることを望まないが、中空ガラス微小球体は、中空シリカ粒子と比較して、一般に、(そのガラス組成により)Dfが比較的高く、サイズが比較的大きく(そのためプレプレグ製品又は積層体に欠陥を生じうる)、強度が比較的小さい(そのためプレス前後のプレプレグ製品又は積層体の電気特性が不安定になりうる)という理由から、プレプレグ製品及び/又は積層体の作製に使用される場合は、中空シリカ粒子の方が中空ガラス微小球体より優れると考えられる。
【0066】
一部の実施形態において、本明細書に記載の少なくとも1種の充填材は、上記中空シリカ粒子と異なる別の充填材、例えば、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムバリウム、酸化チタン、ガラス(例えば中空ガラス)、フルオロ含有ポリマー(例えばポリテトラフルオロエチレン)又はシリコーンを含む充填材を含みうる。一部の実施形態において、本明細書に記載の少なくとも1種の充填材は、1種又は複数の(例えば、2種又は3種の)非中空の固形充填材を含みうる。
【0067】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、少なくとも1種の(例えば2種又は3種以上の)カップリング剤を任意選択で更に含みうる。一部の実施形態において、カップリング剤は、シラン、チタネート又はジルコネートを含みうる。好適なカップリング剤の例としては、メタクリロキシプロピル-トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、加水分解ビニルベンジルアミノエチルアミノ-プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、又はテトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)ジルコネートが挙げられる。一部の実施形態において、カップリング剤は、ビニル基、メタクリレート基又はトリメチル基の少なくとも1つを有する。
【0068】
理論に縛られることを望まないが、カップリング剤は、硬化性組成物における無機充填材の分散性を向上させ、充填材と硬化性組成物のポリマーとの密着性及びプレプレグ製品のガラス布と硬化性組成物のポリマーとの密着性を向上させ、硬化性組成物の耐湿及び耐溶媒性を向上させ、硬化性組成物における空隙の数を減少させることができると考えられる。
【0069】
一部の実施形態において、カップリング剤は、充填材を本明細書に記載の硬化性組成物に含める前に、充填材の表面上に(例えば表面処理剤として)塗布することができる。一部の実施形態において、カップリング剤を、充填材から独立した成分として、本明細書に記載の硬化性組成物に含めることができる。好適なカップリング剤の例としては、メタクリロキシプロピル-トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、加水分解ビニルベンジルアミノエチルアミノ-プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、又はテトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)ジルコネートが挙げられる。
【0070】
一部の実施形態において、中空シリカ粒子の表面が、カップリング剤によって処理される。
【0071】
一部の実施形態において、カップリング剤は、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量又は本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の少なくとも約0.1質量%(例えば、少なくとも約0.2質量%、少なくとも約0.3質量%、少なくとも約0.4質量%、少なくとも約0.5質量%、少なくとも約0.6質量%、少なくとも約0.7質量%、少なくとも約0.8質量%、又は少なくとも約0.9質量%)から最大で約1質量%(例えば、最大で約0.9質量%、最大で約0.8質量%、最大で約0.7質量%、最大で約0.6質量%、最大で約0.5質量%、最大で約0.4質量%、最大で約0.3質量%、又は最大で約0.2質量%)の量で存在する。
【0072】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、少なくとも1種の(例えば、2種又は3種以上の)ラジカル開始剤を任意選択で更に含みうる。一部の実施形態において、ラジカル開始剤は、過酸化物(例えば、ジ-(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン若しくはジクミルペルオキシド)、芳香族炭化水素(例えば、3,4-ジメチル3,4-ジフェニルヘキサン若しくは2,3-ジメチル2,3-ジフェニルブタン)、又はアゾ化合物を含みうる。理論に縛られることを望まないが、ラジカル開始剤は、硬化性組成物がプレプレグ製品又は積層体を形成するために使用される場合に、組成物の硬化を容易にすることができると考えられる。本明細書に記載の硬化性組成物がラジカル開始剤を含まない場合の実施形態では、組成物を加熱により硬化させることができる。
【0073】
一部の実施形態において、ラジカル開始剤は、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量又は本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の少なくとも約0.05質量%(例えば、少なくとも約0.06質量%、少なくとも約0.08質量%、少なくとも約0.1質量%、少なくとも約0.2質量%、少なくとも約0.4質量%、少なくとも約0.5質量%、少なくとも約0.6質量%、少なくとも約0.8質量%、又は少なくとも約1質量%)から最大で約3質量%(例えば、最大で約2.5質量%、最大で約2質量%、最大で約1.5質量%、最大で約1質量%、最大で約0.8質量%、最大で約0.6質量%、最大で約0.5質量%、最大で約0.4質量%、又は最大で約0.2質量%)の量で存在する。
【0074】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、少なくとも1種の(例えば、2種又は3種以上の)架橋剤を任意選択で更に含みうる。一部の実施形態において、架橋剤は、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビス(ビニルフェニル)エーテル、ブロモスチレン(例えばジブロモスチレン)、ポリブタジエン、ポリ(ブタジエン-co-スチレン)コポリマー、ジビニルベンゼン、ジ(メタ)アクリレート、マレイミド化合物(例えばビスマレイミド)、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、アリルベンゾキサジン、アリルホスファゼン、アリルシクロホスファゼン(例えば、トリス(2-アリルフェノキシ)トリフェノキシシクロトリホスファゼン)、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、トランス-スチルベン、5-ビニル-2-ノルボルネン、トリシクロペンタジエン、ジメタノ-1H-ベンズ[フィ]ンデン、1,1-ジフェニルエチレン、4-ベンズヒドリルスチレン、ジイソプロペニルベンゼン、ジアリルイソフタレート、アルファメチルスチレン、ビス(ビニルフェニル)エタン化合物(例えば、1,2-ビス(4-ビニルフェニル)エタン、1,2-ビス(3-ビニルフェニル-4-ビニルフェニル)エタン、1,2-ビス(3-ビニルフェニル)エタン)、シラン(例えば、ビニルシラン若しくはアリルシラン)、シロキサン(例えば、ビニルシロキサン若しくはアリルシロキサン)、又はシルセスキオキサン(例えば、ビニルシルセスキオキサン若しくはアリルシルセスキオキサン)を含みうる。理論に縛られることを望まないが、架橋剤は、硬化性組成物がプレプレグ製品又は積層体を形成するために使用される場合に、組成物の硬化を容易にすることができると考えられる。
【0075】
一部の実施形態において、本明細書に記載の架橋剤は、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量又は本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の少なくとも約1質量%(例えば、少なくとも約2質量%、少なくとも約3質量%、少なくとも約4質量%、少なくとも約5質量%、少なくとも約6質量%、少なくとも約8質量%、少なくとも約10質量%、少なくとも約12質量%、少なくとも約14質量%、少なくとも約15質量%、少なくとも約16質量%、少なくとも約18質量%、又は少なくとも約20質量%)から最大で約50質量%(例えば、最大で約40質量%、最大で約30質量%、最大で約20質量%、最大で約15質量%、最大で約10質量%、最大で約8質量%、最大で約6質量%、最大で約5質量%、又は最大で約4質量%)の量で存在する。
【0076】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、少なくとも1種の(例えば2種又は3種以上の)難燃剤を任意選択で更に含みうる。好適な難燃剤としては、リン酸エステル難燃剤、ブロモベンゼン難燃剤、ホスフィネート難燃剤、及びホスファゼン難燃剤を挙げることができる。一部の実施形態において、難燃剤は、1,1'-(エタン-1,2-ジイル)ビス(ペンタブロモベンゼン)(例えば、アルベマール社から市販されているサイテックス8010)、N,N-エチレン-ビス(テトラブロモフタルイミド)(例えば、アルベマール社から市販されているBT-93)、アルミニウムジエチルホスフィネート(例えば、クラリアントスペシャルティケミカルズ社から市販されているOP930及びOP935)、アリルホスファゼン(例えば、大塚化学株式会社から市販されているSPV-100(トリス(2-アリルフェノキシ)トリフェノキシシクロトリホスファゼン)、ベンジルフェノキシシクロトリホスファゼン、フェノキシフェノキシシクロトリホスファゼン、ヘキサフェノキシシクロトリホスファゼン(例えば、大塚化学株式会社から市販されているSPB-100)、レゾルシノールビス(ジ-2,6-ジメチルフェニルホスフェート)(例えば、第八化学工業株式会社から市販されているPX-200)、6H-ジベンズ[c,e][1,2]オキサホスホリン-6,6'-(1,4-エタンジイル)ビス-6,6'-ジオキシド(例えば、アルベマール社から市販されているアルテキシア製品)、BP-PZ、又はPQ-60を挙げることができる。BP-PZは、大塚化学株式会社から市販されているホスファゼン難燃剤である。PQ-60は、レジナエレクトロニックマテリアルズ社(上海)から市販されているBES5-1150としても知られる、晉一化工股扮有限公司(Chin Yee Chemical Industries Co., Ltd.)社から市販されている難燃剤である。理論に縛られることを望まないが、難燃剤は、本明細書に記載の硬化性組成物から形成される製品(例えば積層体)の燃焼性を著しく低下させることができると考えられる。
【0077】
一部の実施形態において、難燃剤は、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量又は本明細書に記載の硬化性組成物の固形分の少なくとも約5質量%(例えば、少なくとも約6質量%、少なくとも約8質量%、少なくとも約10質量%、少なくとも約12質量%、少なくとも約14質量%、少なくとも約15質量%、少なくとも約16質量%、少なくとも約18質量%、又は少なくとも約20質量%)から最大で約45質量%(例えば、最大で約43質量%、最大で約41質量%、最大で約39質量%、最大で約35質量%、最大で約30質量%、最大で約28質量%、最大で約26質量%、最大で約25質量%、最大で約24質量%、最大で約22質量%、最大で約20質量%、最大で約18質量%、最大で約16質量%、最大で約15質量%、最大で約14質量%、最大で約12質量%、又は最大で約10質量%)の量で存在する。理論に縛られることを望まないが、難燃剤が硬化性組成物の約5質量%未満であると、硬化性組成物は、難燃性が十分でない場合があると考えられる。更に、理論に縛られることを望まないが、難燃剤が硬化性組成物の約45質量%超であると、硬化性組成物は、機械特性が低下しうると考えられる。
【0078】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、少なくとも1種の(例えば、2種又は3種以上の)有機溶媒を任意選択で更に含みうる。一部の実施形態において、有機溶媒は、2-ヘプタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn-アミルケトン、メチルイソアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ベンゼン、アニソール、トルエン、1,3,5-トリメチルベンゼン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、又はそれらの組合せを含む。
【0079】
一部の実施形態において、有機溶媒は、本明細書に記載の硬化性組成物の全質量の少なくとも約20質量%(例えば、少なくとも約22質量%、少なくとも約24質量%、少なくとも約25質量%、少なくとも約26質量%、少なくとも約28質量%、少なくとも約30質量%、少なくとも約32質量%、少なくとも約34質量%、少なくとも約35質量%、少なくとも約36質量%、少なくとも約38質量%、又は少なくとも約40質量%)から最大で約50質量%(例えば、最大で約48質量%、最大で約46質量%、最大で約45質量%、最大で約44質量%、最大で約42質量%、最大で約40質量%、最大で約38質量%、最大で約36質量%、最大で約35質量%、最大で約34質量%、最大で約32質量%、最大で約30質量%、最大で約28質量%、最大で約26質量%、又は最大で約25質量%)の量で存在する。理論に縛られることを望まないが、有機溶媒が硬化性組成物の約20質量%未満であれば、硬化性組成物の粘度が、硬化性組成物を容易に処理できないほど高くなりうると考えられる。また、理論に縛られることを望まないが、有機溶媒が、硬化性組成物の約50質量%より多くなると、硬化性組成物の粘度が低くなりすぎて、基板表面上に被覆組成物を維持することができなくなるため、コーティングの均一性及びコーティングの効率が低下しうると考えられる。
【0080】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、組成物をフィルムとして鋳造する場合に、10GHzにおいて最大で約3.1(例えば、最大で約3、最大で約2.9、最大で約2.8、最大で約2.7、最大で約2.6、最大で約2.5、最大で約2.4、最大で約2.2、又は最大で約2)から少なくとも約1.5の誘電率(Dk)を有する。一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物は、組成物をフィルムとして鋳造する場合に、最大で約0.002(例えば、最大で約0.0018、最大で約0.0016、最大で約0.0015、最大で約0.0014、最大で約0.0012、最大で約0.001、又は最大で約0.0008)から少なくとも約0.0005(例えば、少なくとも約0.0006、少なくとも約0.0008、又は少なくとも約0.001)の誘電正接(Df)を有する。
【0081】
本明細書に記載の硬化性組成物は、当該技術分野で周知の方法によって調製できる。例えば、硬化性組成物は、成分を混ぜ合わせることによって調製できる。
【0082】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物を金属基板(例えば銅箔)の表面に塗布して、樹脂被覆金属基板(例えば樹脂被覆銅箔)を形成することができる。当該樹脂被覆金属基板において、硬化性組成物は、(例えば部分的又は完全に)硬化されたもの、又は未硬化のものでありうる。樹脂被覆金属基板は、印刷回路板(PCB)又は配線板における多層回路を形成するための誘電体として使用できる。
【0083】
一部の実施形態において、本開示は、基材(例えば、(織物又は繊維性材料等の)織布又は不織布基板)を使用せずに本明細書に記載の硬化性組成物から調製される非強化フィルム(例えば、自立型フィルム又は支持フィルム)を特徴とする。例えば、支持フィルムは、硬化性組成物の基板へのコーティングを行って基板に支持されたフィルムを形成することによって調製できる。別の例として、自立型フィルムは、硬化性組成物を基板にコーティングして層(例えばポリマー層)を形成し、層を基板から除去(例えば剥離)して自立型フィルムを形成することによって調製できる。一部の実施形態において、フィルム(例えば、自立型又は支持フィルム)は、部分的に硬化される。一部の実施形態において、フィルム(例えば、自立型又は支持フィルム)は、硬化されない。
【0084】
一部の実施形態において、非強化フィルム(例えば、自立型フィルム又は支持フィルム)は、厚みをより薄くするためのビルドアップ材料として使用される。
【0085】
一部の実施形態において、非強化フィルム(例えば、自立型フィルム又は支持フィルム)は、最大で約150μm(例えば、最大で約100μm、最大で約90μm、最大で約80μm、最大で約70μm、最大で約60μm、又は最大で約40μm)から少なくとも約10μmの厚みを有する。
【0086】
一部の実施形態において、本明細書に記載のフィルムは、10GHzにおいて最大で約3.1(例えば、最大で約3、最大で約2.9、最大で約2.8、最大で約2.7、最大で約2.6、最大で約2.5、最大で約2.4、最大で約2.2、又は最大で約2)から少なくとも約1.5の誘電率(Dk)を有しうる。一部の実施形態において、本明細書に記載のフィルムは、最大で約0.002(例えば、最大で約0.0018、最大で約0.0016、最大で約0.0015、最大で約0.0014、最大で約0.0012、最大で約0.001、又は最大で約0.0008)から少なくとも約0.0005(例えば、少なくとも約0.0006、少なくとも約0.0008、又は少なくとも約0.001)の誘電正接(Df)を有する。
【0087】
一部の実施形態において、本開示は、本明細書に記載の硬化性組成物から調製されるプレプレグ製品を特徴とする。一部の実施形態において、プレプレグ製品は、本明細書に記載の硬化性組成物が含浸された基材(例えば織布又は不織布基板(例えば織物又は繊維状材料))を含む。基材は、支持又は強化材料としても知られている。本明細書に記載のプレプレグ製品は、例えば印刷配線又は回路板を製造するために、エレクトロニクス業界で使用されうる。
【0088】
一般に、本明細書に記載のプレプレグ製品は、本明細書に記載の硬化性組成物を基材(通常はガラス繊維をベースとする基材、織布若しくは不織布基板としての基材、又は一方向に配向した平行フィラメントのクロスプライ積層体の形態の基材)に含浸させた後、硬化性組成物全体又はその一部を(例えば約150℃から約250℃の範囲の温度で)硬化させることによって製造できる。部分的に硬化した組成物が含浸された基材は、通常、「プレプレグ」と称する。本明細書に言及されるように、「プレプレグ」又は「プレプレグ製品」という用語は、区別なく使用される。プレプレグから印刷配線板を作製するために、例えば、1つ又は複数のプレプレグの層が、1つ又は複数の銅の層とラミネートされる。
【0089】
一部の実施形態において、本明細書に記載のプレプレグに使用される(例えば、織布又は不織布基板を含む)基材は、ガラス及びアスベスト等の無機繊維基材を含みうる。難燃性の観点からガラス繊維基材が好ましい。ガラス繊維基材の例としては、Eガラス、NEガラス(日東紡績株式会社、日本)、Cガラス、Dガラス、Sガラス、Tガラス、石英ガラス、Lガラス、L2ガラス又はNERガラス、短繊維が有機バインダーによりシート状材料に接着されたガラス不織布、及びガラス繊維及び他の繊維型が混合され織物状になったものを使用する織布が挙げられるが、それらに限定されない。
【0090】
一部の実施形態において、本明細書に記載の硬化性組成物を基材(例えば織布又は不織布基板)に含浸した後、乾燥することによってプレプレグを製造することができる。一部の実施形態において、本明細書に記載のプレプレグは、本明細書の定義による樹脂含有量が少なくとも約50質量%(例えば、少なくとも約52質量%、少なくとも約54質量%、少なくとも約55質量%、少なくとも約56質量%、少なくとも約58質量%、少なくとも約60質量%、少なくとも約62質量%、少なくとも約64質量%、又は少なくとも約65質量%)から最大で約80質量%(例えば、最大で約78質量%、最大で約76質量%、最大で約75質量%、最大で約74質量%、最大で約72質量%、最大で約70質量%、最大で約68質量%、最大で約66質量%、又は最大で約65質量%)でありうる。理論に縛られることを望まないが、樹脂含有量が比較的高いプレプレグは、電気特性が向上しているのに対して、樹脂含有量が比較的低いプレプレグは、熱特性が向上していると考えられる。
【0091】
一部の実施形態において、そのようにして形成されたプレプレグの表面の一方又は両方に金属基板が貼付されて、積層体を形成することができる。一部の実施形態において、以上のように形成されたプレプレグを必要に応じて1つ又は複数のプレプレグの層と任意選択でラミネートして複合構造体を作製することができ、金属箔(例えば銅又はアルミニウム箔)を複合構造体の表面の一方又は両方に貼付して積層体(例えば金属クラッド積層体)を得ることができる。そのようにして形成された積層体に、加圧及びホットプレス等のさらなる処理を任意選択で施すことで、プレプレグ層を少なくとも部分的に(又は完全に)硬化させることができる。積層体(例えば、銅クラッド積層体)を、さらなるプレプレグ層と更に積層し、硬化させて、多層印刷回路板を作製することができる。
【0092】
一部の実施形態において、本開示は、本明細書に記載のプレプレグ製品から調製される少なくとも1つの(例えば2つ又は3つ以上の)層を含む積層体を特徴とする。一部の実施形態において、積層体は、(1)銅基板(例えば銅箔)及び(2)銅基板上にラミネートされた少なくとも1つのプレプレグ層を含みうる。一部の実施形態において、プレプレグ層の一方又は両方の表面を銅基板とラミネートすることができる。一部の実施形態において、本開示は、本明細書に記載の多数の銅クラッド積層体が、任意選択で1つ又は複数のプレプレグ層を2つの銅クラッド積層体の間にして、互いの上部に積層された多層積層体を特徴とする。そのようにして形成された多層積層体をプレスし、硬化させて多層印刷回路板を形成することができる。
【0093】
一部の実施形態において、プレプレグ層(即ち、本明細書に記載のプレプレグ製品から調製される層)又は積層体は、10GHzにおいて最大で約3.1(例えば、最大で約3、最大で約2.9、最大で約2.8、最大で約2.7、最大で約2.6、又は最大で約2.5)から少なくとも約2.2の誘電率(Dk)を有する。
【0094】
一部の実施形態において、プレプレグ層(即ち、本明細書に記載のプレプレグ製品から調製される層)又は積層体は、最大で約0.002(例えば、最大で約0.0019、最大で約0.0018、最大で約0.0017、最大で約0.0016、最大で約0.0015、最大で約0.0014、最大で約0.0013、最大で約0.0012、最大で約0.0011、又は最大で約0.001)から少なくとも約0.0005(例えば、少なくとも約0.0006、少なくとも約0.0008、又は少なくとも約0.001)の誘電正接(Df)を有する。理論に縛られることを望まないが、比較的低いDk及び/又はDfを有するプレプレグ層又は積層体は、総誘電損失を低減させ、シグナル損失を低下させることができると考えられる。
【0095】
一部の実施形態において、本開示は、本明細書に記載の積層体から得られる印刷回路又は配線板を特徴とする。例えば、銅箔クラッド積層板の銅箔に対して回路処理を実施することによって印刷回路又は配線板を得ることができる。回路処理は、例えば、銅箔の表面にレジストパターンを形成し、箔の不要な部分をエッチングにより除去し、レジストパターンを除去し、必要な貫通穴を穿孔により形成し、再度レジストパターンを形成し、めっきにより貫通穴を接続し、最後にレジストパターンを除去することによって実施されうる。更に上記銅箔クラッド積層板を、上記と同様の条件下で上記のようにして得られた印刷配線板の表面にラミネートした後で、上記と同様にして回路処理を実施することによって、多層印刷回路又は配線板を得ることができる。この場合、必ずしも貫通穴を形成する必要はなく、ビア穴を所定位置に形成してもよく、両者を形成することもできる。例えば、印刷回路板(PCB)において、回路板の異なる層上の対応する位置における2つのパッドを、電解めっきによって導電性にすることができる、回路板を貫通するビア穴によって電気的に接続することができる。次いで、これらの積層板を必要な回数だけラミネートして印刷回路又は配線板を形成する。
【0096】
上記のようにして製造された印刷回路又は配線板を内層回路板の形態で一方又は両方の面上の銅基板とラミネートすることができる。このラミネーション成形は、通常、加熱及び加圧下で実施される。次いで、得られた金属箔クラッド積層板に対して、上記と同様にして回路処理を実施することにより多層印刷回路板を得ることができる。
【実施例0097】
以下の実施例を参照しながら本開示をより詳細に説明するが、これらの実施例は、例示を目的としたもので、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0098】
材料
以下の実施例において、リコン100は、クレイバレー社(ペンシルベニア州Exton)から市販されている低分子量ポリ(ブタジエン-co-スチレン)コポリマーである。SA9000は、SABIC社から市販されているポリフェニレンエーテルである。CVD50106は、クレイバレー社(ペンシルベニア州Exton)から市販されているトリアリルイソシアヌレートである。OFS-6030は、ダウ社から市販されているメタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。サイテックス-8010は、アルベマール社から市販されている1,1'(エタン-1,2-ジイル)ビス[ペンタブロモ-ベンゼン]である。VulCup Rは、アルケマ社から市販されているα,α-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼンである。BES5-7100は、レジナエレクトロニックマテリアルズ社から市販されているビス(4-ビニルフェニル)エタン(BVPE)である。Tuftec M1913は、旭化成株式会社から市販されている、約30質量%のスチレンモノマー単位又は30質量%のポリスチレンを含有し、無水マレイン酸により変性されたSEBSエラストマーである。Tuftec M1943は、旭化成株式会社から市販されている、約20質量%のスチレンモノマー単位又は20質量%のポリスチレンを含有し、無水マレイン酸により変性されたSEBSエラストマーである。セプトン2104は、株式会社クラレから市販されている、約65質量%のスチレンモノマー単位又は65質量%のポリスチレンを含むSEPSエラストマーである。コポリマーAは、米国特許第11,130,861号の実施例1に記載されているコポリマーAを指す。SBS-Aは、ニッソーアメリカ社から市販されているスチレン-ブタジエンコポリマーである。クロックス(Curox)CC-DC(CCDFB)及びクロックスCC-P3は、それぞれユナイテッドイニシエーターズ社から市販されている2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン及びポリ-1,4-ジイソプロピルベンゼンである。HC-G0021、HC-G0030及びHC-G0024は、日本合成ゴム株式会社から市販されているスチレン終端ピリミジンアリールエーテルコポリマーである。トリシクロペンタジエンは、ENEOS株式会社から市販されている。ジビニルベンゼン及びジシクロペンタジエンは、シグマアルドリッチ社から市販されている。クレイトン1536、クレイトン1648及びクレイトンD1623は、クレイトン社から市販されているSEBSエラストマーである。ベクター4411は、デクスコポリマーズ社から市販されているSISエラストマーである。アラルダイトMT35610は、ハンツマン社から市販されているビスフェノールAベンゾキサジンである。BMI-TMHは、ダイワ化成株式会社から市販されている1,6-ビスマレイミド(2,2,4-トリメチル)ヘキサンである。P-dベンゾキサジン及びLDAICは、四国化成社から市販されている。NE-X-9470Sは、DIC株式会社から市販されている。LME11613は、ハンツマン社から市販されている。SS-15Vは、シベルコ社から市販されている球状シリカである。
【0099】
以下の実施例では、AGC Si-Tech社から市販されているHS-200-TM(トリメチルシリル結合型)、HS-200-MT(メタクリルシリル結合型)、HS-200-VN(ビニルシリル結合型)及びHS-200(未処理)等の中空シリカ材料が使用されている。
【0100】
iM16Kは、表面改質されていない中空シリカであり、3M社から市販されている。SC2500-SVJは、表面改質された固形シリカであり、アドマテックス社から市販されている。EQ1010-SMCは、表面改質された固形シリカであり、サードエージテクノロジー(Third Age Technology)社から市販されている。EQ2410-SMCは、表面改質された固形シリカであり、サードエージテクノロジー社から市販されている。L250550は、表面改質された固形シリカであり、3M社から市販されている。上記シリカ材料の特徴を以下のTable 1(表1)にまとめる。
【0101】
【表1】
【0102】
基本手順1
プレプレグ及び積層体の調製
硬化性組成物を、金属型に注ぎ込み、硬化性組成物をガラス布(1078NEガラス)に含浸させた。8~9ミルの間隙幅の金属棒の間隙を介して含浸ガラス布にコーティングを施した。試料を室温にて空気流で10分間乾燥させ、次いで4分間かけて130℃まで加熱して、乾燥プレプレグを形成した。乾燥プレプレグを12×12インチ片に裁断し、2つのプレプレグの層をCuの両側にラミネートして積層体を形成した。積層体を以下のように硬化させた。積層体をプレス機にセットした後、2層プレプレグに350psiの圧力を加え、次いで2層プレプレグを以下のサイクルA又はBにより硬化させた。
サイクルA:積層体を6°F/分の加熱速度で室温から420°Fに加熱し、420°Fに2時間維持し、10°F/分の冷却速度で室温まで冷却した。
サイクルB:積層体を6°F/分の加熱速度で室温から310°Fに加熱し、310°Fに30分間維持し、6°F/分の加熱速度で310°Fから420°Fに加熱し、420°Fに80分間維持し、10°F/分の冷却速度で室温まで冷却した。
【0103】
非強化積層体の調製
可溶性樹脂成分をトルエンに溶解させることによって硬化性組成物を調製した。不溶性シリカ及び難燃性成分を添加し、ロータ-ステータミキサーを使用して樹脂ワニスに分散させた。次いで、巻線ラップアイロンメーヤー湿式フィルムアプリケータロッド(wire-wound wrapped iron Mayer wet film applicator rod)を使用して樹脂組成物をポリマー剥離剤被覆紙に一定の厚さにコーティングした。次いで、紙キャリア上の樹脂組成物を150℃で10分間、又はトルエンが全て蒸発するまで加熱した。次いで、固化した樹脂組成物を剥離剤被覆紙から分離して、自立型フィルムを得た。
【0104】
次いで、上記自立型フィルムを、以下のサイクルCにより、2枚の0.5オンスHS1 VSP銅箔の間にラミネートして、両面銅クラッド積層体を得た。試料のある部分をエッチングして誘電特性測定用及び吸湿試験用の銅を除去し、銅の他の部分は、銅剥離強度測定用に保持した。
【0105】
サイクルC:積層体を6°F/分の加熱速度で室温から450°Fまで加熱し、450°Fに2時間維持し、10°F/分の冷却速度で室温まで冷却した。ラミネーション圧力は50psi付近であった。
【0106】
基本手順2
特性測定
樹脂含有量(RC)
ガラス布の質量を、それに硬化性組成物がコーティングされる前に測定した。コーティング及び乾燥後に、形成されたプレプレグの全質量を測定した。RCは、以下の式に基づいて算出した。
RC=(全プレプレグ質量-ガラス布質量)/(全プレプレグ質量)
【0107】
Dk及びDf試験
スプリットポスト誘電体共振器(SPDR)法を使用することによってDf及びDk値を分析した。アジレント・テクノロジー社のネットワークアナライザN5230Aにより、10GHzにおけるDf及びDk値を測定した。「AB」は、試料を120℃で2時間維持した後の測定値を指す。「RT」は、試料を45~55%の湿度下にて室温で16時間維持した後の測定値を指す。
【0108】
Cu剥離強度試験
IPC-TM-650試験法マニュアル2.4.8.剥離強度を用いることにより、非強化積層体を使用して銅剥離強度を測定した。ユナイテッドSSTM-1モデルをCu剥離強度測定に使用した。
【0109】
吸湿試験
IPC-TM-650試験法マニュアル2.6.2.1.吸水、金属クラッドプラスチック積層体を用いることにより、非強化積層体を使用して吸湿を測定した。
【0110】
(実施例1)
硬化性組成物及び比較硬化性組成物の調製及び特徴付け
成分を有機溶媒に溶解させることによって硬化性組成物1~7(CC-1~CC-7)及び比較硬化性組成物1~5(CCC-1~CCC-5)を調製した。これらの組成物の成分、及びこれらの組成物から形成した積層体の特性を以下のTables 2-4(表2~4)にまとめる。積層体は、1078NEガラス布から作製され、積層体の銅層は、2層の積層体として約200μmの厚みを有していた。
【0111】
【表2】
【0112】
Table 2(表2)に示されるように、(高純度の中空シリカ粒子を含む)本発明の組成物CC-1は、意外にも、(中空シリカ粒子を全く含まない)比較組成物CCC-1及び(比較的低純度の中空ガラスを含む)比較組成物CCC-2及びCCC-3と比較して、優れた電気特性(例えば、Dk及びDf)を示した。
【0113】
【表3】
【0114】
Table 3(表3)に示されるように、(中空シリカ粒子を含む)本発明の組成物CC-2~CC-4は、意外にも、(中空シリカ粒子を全く含まない)比較組成物CCC-4と比較して、比較的低いDk及び同等のDfを示した。
【0115】
【表4A】
【0116】
【表4B】
【0117】
Table 4(表4)に示されるように、(中空シリカ粒子を含む)本発明の組成物CC-5~CC-11は、意外にも、(中空シリカ粒子を全く含まない)比較組成物CCC-5と比較して、比較的低いDk及びDfを示した。
【0118】
硬化性組成物12~19(CC-12~CC-19)を基本手順1の非強化積層体の調製のセクションに従って調製した。これらの組成物の成分、及びこれらの組成物から形成した積層体の特性を以下のTable 5(表5)及びTable 6(表6)にまとめる。
【0119】
【表5】
【0120】
Table 5(表5)に示されるように、本発明の組成物CC-12~CC-15は、比較的低いDk及びDf、低い吸湿及び高い剥離強度を示した。
【0121】
【表6】
【0122】
Table 6(表6)に示されるように、本発明の組成物CC-16~CC-19は、低いDk及びDf並びに高い剥離強度を示した。
【0123】
他の実施形態は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
材料
以下の実施例において、リコン100は、クレイバレー社(ペンシルベニア州Exton)から市販されている低分子量ポリ(ブタジエン-co-スチレン)コポリマーである。SA9000は、SABIC社から市販されているポリフェニレンエーテルである。CVD50106は、クレイバレー社(ペンシルベニア州Exton)から市販されているトリアリルイソシアヌレートである。OFS-6030は、ダウ社から市販されているメタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。サイテックス-8010は、アルベマール社から市販されている1,1'(エタン-1,2-ジイル)ビス[ペンタブロモ-ベンゼン]である。VulCup Rは、アルケマ社から市販されているα,α-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼンである。BES5-7100は、レジナエレクトロニックマテリアルズ社から市販されているビス(4-ビニルフェニル)エタン(BVPE)である。Tuftec M1913は、旭化成株式会社から市販されている、約30質量%のスチレンモノマー単位又は30質量%のポリスチレンを含有し、無水マレイン酸により変性されたSEBSエラストマーである。Tuftec M1943は、旭化成株式会社から市販されている、約20質量%のスチレンモノマー単位又は20質量%のポリスチレンを含有し、無水マレイン酸により変性されたSEBSエラストマーである。セプトン2104は、株式会社クラレから市販されている、約65質量%のスチレンモノマー単位又は65質量%のポリスチレンを含むSEPSエラストマーである。コポリマーAは、米国特許第11,130,861号の実施例1に記載されているコポリマーAを指す。SBS-Aは、ニッソーアメリカ社から市販されているスチレン-ブタジエンコポリマーである。クロックス(Curox)CC-DC(CCDFB)及びクロックスCC-P3は、それぞれユナイテッドイニシエーターズ社から市販されている2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン及びポリ-1,4-ジイソプロピルベンゼンである。HC-G0021、HC-G0030及びHC-G0024は、日本合成ゴム株式会社から市販されているスチレン終端ピリミジンアリールエーテルコポリマーである。トリシクロペンタジエンは、ENEOS株式会社から市販されている。ジビニルベンゼン及びジシクロペンタジエンは、シグマアルドリッチ社から市販されている。クレイトン1536、クレイトン1648及びクレイトンD1623は、クレイトン社から市販されているSEBSエラストマーである。ベクター4411は、デクスコポリマーズ社から市販されているSISエラストマーである。アラルダイトMT35610は、ハンツマン社から市販されているビスフェノールAベンゾキサジンである。BMI-TMHは、ダイワ化成株式会社から市販されている1,6-ビスマレイミド(2,2,4-トリメチル)ヘキサンである。P-dベンゾキサジン及びLDAICは、四国化成社から市販されている。NE-X-9470Sは、DIC株式会社から市販されている。SS-15Vは、シベルコ社から市販されている球状シリカである。
【外国語明細書】