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特開2024-72810プラスチックが成形された電子デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072810
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】プラスチックが成形された電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/519 20210101AFI20240521BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240521BHJP
   H01M 50/514 20210101ALI20240521BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20240521BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20240521BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240521BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240521BHJP
   H01M 10/6552 20140101ALI20240521BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20240521BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240521BHJP
   H01M 50/293 20210101ALN20240521BHJP
【FI】
H01M50/519
H01M50/507
H01M50/514
H01M50/291
H01M50/211
H01M50/204 401H
H01M50/284
H01M10/6552
H01M10/6555
H01M10/613
H01M50/293
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023194125
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】63/425,739
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】エルファリング ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】ファスベンダー カイル
(72)【発明者】
【氏名】ポラコウスキー マシュー
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031BB02
5H031KK01
5H040AA07
5H040AA28
5H040AS19
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040JJ05
5H040LL06
5H040NN03
5H043AA01
5H043AA09
5H043BA15
5H043BA19
5H043CA08
5H043FA04
5H043FA05
5H043KA22F
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題を解決する。
【解決手段】電気デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に配置されたプリント回路基板と、プリント回路基板の少なくとも一部分に成形されたプラスチックとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されるプリント回路基板と、
前記プリント回路基板の少なくとも一部分に成形されるプラスチックと、を含む、
電気デバイス。
【請求項2】
前記プリント回路基板は、
その上に取り付けられる電気コンポーネントと、
その中に画定される複数の開口と、を含む、
請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項3】
前記ハウジング内に配置される複数のバッテリセルと、
前記プリント回路基板に取り付けられる複数の端子と、
ストラップを有するセルタップアセンブリと、を含み、各ストラップは、前記プリント回路基板の前記複数の開口のそれぞれの開口を通じて延在するポストを含み、各ストラップは、前記複数のバッテリセルの1つ以上のバッテリセルに係合する少なくとも1つのタブを含み、前記セルタップアセンブリは、前記複数のバッテリセルを前記プリント回路基板上の前記電気コンポーネントの少なくとも1つの電気コンポーネントに電気的に接続するように構成される、
請求項2に記載の電気デバイス。
【請求項4】
前記プラスチックは、前記プリント回路基板上の前記電気コンポーネントの少なくとも一部を覆い、前記ポストおよび前記複数の開口の各々は、露出されたままである、請求項3に記載の電気デバイス。
【請求項5】
前記プラスチックは、前記プリント回路基板上の前記電気コンポーネントの少なくとも一部、前記複数の端子の少なくとも一部分、前記セルタップアセンブリの少なくとも一部分、および前記複数の開口の各開口を覆う、請求項3に記載の電気デバイス。
【請求項6】
当該電気デバイスは、バッテリパックを含む、請求項1に記載の電気デバイス。
【請求項7】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置される少なくとも1つのバッテリセルと、
前記少なくとも1つのバッテリセルの少なくとも一部分に成形されるプラスチックと、を含む、
電気デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのバッテリセルは、複数のバッテリセルを含み、各バッテリセルは、外面と、前記バッテリセルのそれぞれの端部に配置される端子とを含む、請求項7に記載の電気デバイス。
【請求項9】
前記プラスチックは、各バッテリセルの前記外面を覆い、前記端子は、露出されたままであり、前記プラスチックは、前記複数のバッテリセルの隣接するバッテリセルの間に少なくとも部分的に配置され、前記プラスチックは、前記複数のバッテリセルを単一のバッテリユニットとして互いに結合する、請求項8に記載の電気デバイス。
【請求項10】
前記プラスチックは、各バッテリセルの前記外面の一部分および前記端子の各端子の一部分を覆い、前記プラスチックは、前記複数のバッテリセルの隣接するバッテリセルの間に少なくとも部分的に配置され、前記プラスチックは、前記複数のバッテリセルを単一のバッテリユニットとして互いに結合する、請求項8に記載の電気デバイス。
【請求項11】
前記プラスチックは、各バッテリセルの前記外面の一部分を覆い、前記端子は、露出されたままであり、前記プラスチックは、前記複数のバッテリセルの隣接するバッテリセルの間に少なくとも部分的に配置され、前記プラスチックは、前記複数のバッテリセルを単一のバッテリユニットとして互いに結合する、請求項8に記載の電気デバイス。
【請求項12】
前記プラスチックは、各バッテリセル上に個別に成形され、前記プラスチックは、各バッテリセルの前記外面の一部分を覆い、前記端子は、露出されたままである、請求項8に記載の電気デバイス。
【請求項13】
各バッテリセルに成形される前記プラスチックは、複数のタブと、複数の溝とを含み、各溝は、隣接するバッテリセルからそれぞれのタブを受け入れるように構成される、請求項12に記載の電気デバイス。
【請求項14】
当該電気デバイスは、少なくとも1つのヒートパイプをさらに含み、前記プラスチックは、前記少なくとも1つのヒートパイプを受け入れるように構成される開口を含み、前記プラスチックは、各バッテリセルの前記外面の一部分を覆い、前記複数のバッテリセルは、前記開口を囲むように配置される、請求項8に記載の電気デバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つのバッテリセルは、複数のバッテリセルを含み、前記複数のバッテリセルは、パウチセルを含み、各パウチセルは、本体と、前記本体から離れる方向に延びる少なくとも1つの端子タブとを含み、各パウチセルの前記本体の大部分は、前記プラスチックによって覆われる、請求項7に記載の電気デバイス。
【請求項16】
前記プラスチックは、第1のプラスチックであり、当該電気デバイスは、前記第1のプラスチックを覆い、バッテリコアを形成するように、前記パウチセルの少なくとも一部分に成形される第2のプラスチックをさらに含む、請求項15に記載の電気デバイス。
【請求項17】
当該電気デバイスは、
その上に形成された複数のタブによって前記第2のプラスチックに結合される第1のプリント回路基板と、
前記第1のプリント回路基板に取り付けられる第2のプリント回路基板と、
前記第2のプリント回路基板の少なくとも一部分に成形される第3のプラスチックと、をさらに含む、
請求項16に記載の電気デバイス。
【請求項18】
当該電気デバイスは、
前記第2のプリント回路基板に取り付けられる端子区画と、
前記端子区画の少なくとも一部分に成形される第4のプラスチックと、をさらに含み、
前記第4のプラスチックは、前記第3のプラスチックの少なくとも一部分を覆う、
請求項17に記載の電気デバイス。
【請求項19】
前記第1のプラスチック、前記第2のプラスチック、前記第3のプラスチック、および前記第4のプラスチックは、同じ材料である、請求項18に記載の電気デバイス。
【請求項20】
電気デバイスを製造する方法であって、
プリント回路基板を型のキャビティ内に取り付けることと、
溶融したプラスチックを前記キャビティ内に注入してプラスチック本体を形成することであって、前記プラスチック本体は、前記プリント回路基板の少なくとも一部分に成形される、前記プラスチック本体を形成することと、
前記キャビティから前記プラスチック本体を有する前記プリント回路基板を取り外すことと、を含み、
前記プラスチックは、少なくとも50psiの圧力で前記キャビティ内に注入される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2022年11月16日に出願された米国仮特許出願第63/425,739号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体を参照により本明細書に組み入れる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、電気デバイスに関する。より具体的には、本開示は、バッテリパックのような電気デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
バッテリパックのような電気デバイスは、プリント回路基板と、少なくとも1つのバッテリセルとを含む。プリント回路基板は、バッテリパックに入ることがある破片から保護される必要のある電気コンポーネントを含む。バッテリセルは、バッテリパックの内部容積内に配置される。バッテリパックは、バッテリセルをバッテリパック内に確実に配置する内部ハウジングをさらに含むことがある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、1つの態様において、ハウジングと、ハウジング内に配置されるプリント回路基板と、プリント回路基板の少なくとも一部分に成形されるプラスチックとを含む、電気デバイスを提供する。
【0005】
本開示は、別の態様において、ハウジングと、ハウジング内に配置される少なくとも1つのバッテリセルと、少なくとも1つのバッテリセルの少なくとも一部分に成形されるプラスチックとを含む、電気デバイスを提供する。
【0006】
本開示は、別の態様では、電気デバイスを製造する方法を提供する。本方法は、プリント回路基板を型(モールド)のキャビティに取り付けることと、溶融したプラスチックをキャビティ内に注入してプラスチック本体を形成することと、を含む。プラスチック本体は、プリント回路基板の少なくとも一部分に成形される。本方法は、プラスチック本体を有するプリント回路基板をキャビティから除去することをさらに含む。プラスチックは、少なくとも50psiの圧力でキャビティ内に注入される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】バッテリパックの斜視図である。
【0008】
図2A図1のバッテリパック内に配置された様々なコンポーネントの頂面斜視図である。
【0009】
図2B図2Aのコンポーネントの底面斜視図である。
【0010】
図2C図2Aのコンポーネントの頂面図である。
【0011】
図2D図2Aのコンポーネントの底面図である。
【0012】
図2E図2Aのコンポーネントの拡大図である。
【0013】
図3A】プラスチック本体によって覆われた回路基板の斜視図である。
【0014】
図3B図3Aの回路基板の頂面図である。
【0015】
図3C図3Aの回路基板の底面図である。
【0016】
図4A】プラスチック本体のない回路基板の頂面図である。
【0017】
図4B図4Aの回路基板の底面図である。
【0018】
図5】端子区画の斜視図である。
【0019】
図6】本開示の別の実施形態による、図1のバッテリパック内に配置された様々なコンポーネントの斜視図である。
【0020】
図7A】部分が除去された図6のコンポーネントの頂面図である。
【0021】
図7B図6のコンポーネントの底面図である。
【0022】
図8A】第1のプラスチック本体によって覆われたUSBバッテリの斜視図である。
【0023】
図8B図8AのUSBバッテリの斜視図であり、USBバッテリは、第2のプラスチック本体によって覆われている。
【0024】
図9A】第1のプラスチック本体によって覆われた複数のバッテリセルの斜視図である。
【0025】
図9B図9Aの複数のバッテリセルの斜視図である。
【0026】
図9C】第2のプラスチック本体によって覆われた複数のバッテリセルの斜視図である。
【0027】
図9D】外部ハウジングによって覆われた図9Aの複数のバッテリセルの斜視図である。
【0028】
図10A】別の実施形態による、プラスチック本体によって部分的に覆われた複数のバッテリセルの斜視図である。
【0029】
図10B図10Aの複数のバッテリセルの斜視図である。
【0030】
図11A】別の実施形態による、バッテリパックの断面図である。
【0031】
図11B図11Aのバッテリパック内に配置された一対のバッテリセルの斜視図である。
【0032】
図12A】別の実施形態による、バッテリパックの断面図である。
【0033】
図12B図12Aのバッテリパック内に配置された複数のバッテリセルの斜視図である。
【0034】
図13A】別の実施形態による、バッテリパックの断面図である。
【0035】
図13B図13Aのバッテリパック内に配置された複数のバッテリセルの斜視図である。
【0036】
図14A】別の実施形態による、複数のバッテリセルの斜視図である。
【0037】
図14B図14Aの複数のバッテリセルの頂面図である。
【0038】
図15A】別の実施形態による、複数のバッテリセルの斜視図である。
【0039】
図15B図15Aの複数のバッテリセルの断面図である
【0040】
図16A】内部バッテリハウジングの斜視図である。
【0041】
図16B図16Aの内部バッテリハウジングの部分図である。
【0042】
図17A図16Aの内部バッテリハウジング内に配置された第1のセットのバッテリセルの斜視図である。
【0043】
図17B図17Aの第1のセットのバッテリセルの頂面図である。
【0044】
図18A図16Aの内部バッテリハウジング内に配置された第2のセットのバッテリセルの斜視図である。
【0045】
図18B図18Aの第2のセットのバッテリセルの頂面図である。
【0046】
図19】別の実施形態による、部分が除去されたバッテリパックの斜視図である。
【0047】
図20A】パウチセルの斜視図である。
【0048】
図20B図20Aのパウチセルの断面図である。
【0049】
図21図19のバッテリパック内に配置されたバッテリコアの斜視図である。
【0050】
図22図21のバッテリコアに取り付けられた様々なコンポーネントの斜視図である。
【0051】
図23】プラスチック本体によって覆われた端子区画の斜視図である。
【0052】
図24】別の実施形態による、回路基板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本開示の如何なる実施形態も詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の記述に示される或いは以下の図面に図示されるコンポーネントの構造および配置の詳細に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行されることができる。本明細書で使用される語法および用語は、記述の目的のためのものであり、限定的であるとみなされるべきでないことも理解されるべきである。
【0054】
図1は、バッテリパック10を示している。バッテリパック10は、底部ハウジング18と、底部ハウジング18に結合された頂部ハウジング22とによって形成された、ハウジング14を含む。底部ハウジング18は、バッテリパック10の様々な内部コンポーネントを受け入れて支持するように構成される。頂部ハウジング22は、電気デバイス(例えば、動力工具)によって受け入れられ、それによって、バッテリパック10を電気デバイスに結合して動力を供給するように構成された、出力ポート26を含む。頂部ハウジング22は、複数のファスナ(図示せず)によって底部ハウジング18に固定されることがある。バッテリパック10は、底部ハウジング18内に配置された複数のバッテリセル(図示せず)も含む。複数のバッテリセルは、バッテリパック10が電気デバイスに結合されるときに、電気デバイスに動力を供給するように構成される。各バッテリセルは、正の端子および負の端子を含む。複数のバッテリセルは、多数の異なる公称電圧(例えば、12V、18Vなど)のいずれかを含んでよく、多数の異なる化学特性(例えば、リチウムイオン、ニッケルカドミウムなど)のいずれかを有するように構成されてよい。バッテリセルは、円筒形、パウチ(pouch)、プリズム状などであってよい。
【0055】
図2A図3Cを参照すると、バッテリパック10は、バッテリパック10のハウジング14内に配置される、セルタップアセンブリ30、プリント回路基板(PCB)34、および端子区画38をさらに含む。PCB34は、バッテリセルの上方に配置されるように構成され、接着剤または他の締結方法によってPCB34の頂部側および底部側に取り付けられた(破線で示された)複数の電気コンポーネント42を含む。電気コンポーネント42は、バッテリセルの放電および充電動作を制御するように構成される。また、電気コンポーネント42は、バッテリセルの温度をモニタリング(監視)するように構成される。頂部ハウジング22は、出力ポート26が端子区画38を取り囲むように、端子区画38のプロファイルに適合する。端子区画38は、端子ハウジング39と、端子ハウジング39によって囲まれた複数の端子40とを有する。端子区画38は、バッテリセルから電気デバイスに動力を提供するために、PCB34に取り付けられ、PCT34に電気的に接続される。
【0056】
セルタップアセンブリ30(cell tap assembly)は、複数のストラップ46を含む。各ストラップ46は、ポスト50と、タブ54と、ポスト50をタブ54に接続するように構成された接続部分56とを含む。各ストラップ46のポスト50は、PCB34内に画定されたそれぞれの開口58(図2E図3C)を通じて延在するように構成される。タブ54は、バッテリセル上に形成されたそれぞれの端子と係合するように構成される。よって、セルタップアセンブリ30は、PCB34を複数のバッテリセルに電気的に接続するように構成される。
【0057】
ひとたび電気コンポーネント42がPCB34に取り付けられると、プラスチック本体62がPCB34の少なくとも一部分に成形される。幾つかの実施態様において、プラスチック本体62は、低圧オーバーモールディング(LPOM)によって形成される。本明細書中の実施形態は、インサート成形、オーバーモールド成形、または液体プラスチックを既存の物体に付加する任意の他のプロセスを想定する。成形プロセスの間に、PCB34は、型(図示せず)内に形成されたキャビティ内に固定される。キャビティは、プラスチック本体62の形状を形成する構成(features)/輪郭(contours)を含む。キャビティの構成/輪郭は、プラスチック本体62がPCB34の特定のエリアを覆うように特別に設計される。プラスチックは、溶融されるまでプラスチックを加熱するように構成された加熱機構によって囲まれた注入ユニット(図示せず)内で輸送される。加熱機構は、華氏350~450度の間の温度でプラスチックを暖めることがある。次いで、溶融されたプラスチックは、型のキャビティ内に注入され、プラスチックが硬化してプラスチック本体62を形成するまで、型内に留まる。幾つかの実施態様において、プラスチックは、50~200psi(345~1379kPa)の間の低圧でキャビティ内に注入される。次いで、PCB34は、型のキャビティから除去される。ポリアミドおよびポリオレフィンのようなプラスチック材料を使用することができる。他の実施形態において、材料は、バッテリパック10の熱性能を向上させるために熱伝導性材料を含んでよい。
【0058】
他の実施形態において、PCB34は、少なくとも2つのプラスチック材料によって作られたプラスチック本体を形成するために、マルチショット成形(multi-shot molding)を受けてよい。マルチショット成形の間に、第1のプラスチック材料を第1の型の第1のキャビティ内に注入して、PCB34の一部分を覆う第1のプラスチック本体を形成する。次いで、PCB34および第1のプラスチック本体を第2の型の第2のキャビティに移す。次いで、第2のプラスチック材料を第2のキャビティ内に注入して、第2のプラスチック本体を形成してよい。1つの実施形態において、第2のプラスチック本体は、第1のプラスチック本体およびPCB34を完全に覆ってよい。別の実施形態において、第2のプラスチック本体は、第1のプラスチック本体の一部分を覆ってよい。追加の実施形態において、第1のプラスチック本体は、PCB34の一部分を覆ってよい。第2のプラスチック本体は、第1のプラスチック本体と同様に、PCB34の残りの部分を覆ってよい。幾つかの実施態様において、第2のプラスチック本体は、第1のプラスチック本体と同じ材料で作られる。マルチショット成形を使用することは、高温になることがある電気コンポーネント42の周囲の相変化を助け、それによって、熱暴走の発生を減らすことがある。よって、プラスチック本体62は、PCB34によって生成される熱を拡散して、PCB34が低温で動作することを可能にし、それによって、信頼性を向上させることができる。
【0059】
型のキャビティは、PCB34がプラスチック本体62によって完全に覆われないように、特別に設計される。例えば、図2Eにおいて、開口58は、周囲の環境に曝されたままである。各ストラップ46のポスト50は、プラスチック本体62が干渉することなく、開口58を通じて延在することができる。端子区画38が取り付けられるPCB34の部分も、プラスチック本体62によって覆われない。プラスチック本体62は、PCB34の頂部分および底部分を覆う。具体的には、プラスチック本体62は、電気コンポーネント42が取り付けられるエリアを覆う。加えて、複数の電気コンポーネント42a~42eが、プラスチック本体62を通じて延在してよい。
【0060】
プラスチック本体62は、接着剤の支持なしにPCB34に結合される。何故ならば、プラスチック本体62は、PCB34に結合されたときに、それ自体が接着剤として作用するからである。また、プラスチック本体62は、電気コンポーネント42を覆い、バッテリパック10に入ることがある破片および水から電気コンポーネント42を保護するように構成される。よって、プラスチック本体62は、入口保護(ingress protection)を提供する耐水性バリアとして機能し、それによって、破片および水が電気コンポーネント42に接触し、電気コンポーネント損傷を引き起こすのを防止する。プラスチック本体62は、PCB34に腐食が発生するのも防止する。従って、幾つかの実施態様において、プラスチック本体62は、PCB34をコンフォーマル(共形)コーティング(conformal coatings)で覆う必要をなくす。これはバッテリパック10が製造されるタイミングおよび一貫性を向上させる。幾つかの実施形態において、バッテリパック10の製造プロセスは、もはや、コンフォーマルコーティングでPCB34を手動でマスキングすることを含まない。
【0061】
開口58が位置するエリアは、PCB34のこれらのエリアでコンフォーマルコーティングを手動でマスキング(masking)およびマスキング除去(demasking)することの故に、共通の腐食場所として識別されることがある。よって、コンフォーマルコーティングは、PCB34を適切に保護しないことがある。何故ならば、コンフォーマルコーティングは、PCB34の正確な幾何学的形状を適切に覆うことができないからである。プラスチック本体62は、コンフォーマルコーティングの必要性を排除する。何故ならば、プラスチック本体62は、均一な保護を提供するように精密に構成されるからである。図示の実施形態において、プラスチック本体62は、開口58を囲むように意図的に構成され、それによって、PCB34全体の入口保護を向上させる。
【0062】
図4Aおよび図4Bを参照すると、PCB63の別の実施形態が示されている。PCB63は、その上に取り付けられた複数の電気コンポーネント64と、複数の開口65と、電極69を備えた一対の溶接部分67とを含む。図示の実施形態において、プラスチック本体(図示せず)は、電気コンポーネント64の一部分が覆われるように、PCB63の少なくとも一部分に成形される。複数の開口65は、溶接部67と同様に、周囲の環境に曝されたままである。溶接部分67に沿ってプラスチック本体を成形することは、電極69を汚れさせ、溶接上の問題を生じさせることがある。
【0063】
図5を参照すると、端子区画70が示されている。端子区画70は、PCB63に取り付けられることがある。よって、プラスチック本体は、端子区画70を覆うように構成されない。また、プラスチック本体は、端子区画70がPCB63上に配置されるエリアを覆わない。
【0064】
図6図7Bを参照すると、バッテリパック100の別の実施形態が示されている。バッテリパック100は、図1図3Cのバッテリパック10と同様であり、従って、同様の構造は、同様の参照番号に「100」を加えた番号によって識別される。
【0065】
PCB134は、バッテリパック100の底部ハウジング内に配置されるバッテリコア190の頂部に取り付けられる。プラスチック本体162は、PCB134およびセルタップアセンブリ130を部分的に覆う。具体的には、プラスチック本体162は、各ストラップ146のポスト150および接続部分156の一部分を覆う。何故ならば、タブ154は、露出されたままであるからである。各ストラップ146のポスト150は、セルタップアセンブリ130およびPCB134上にプラスチック本体162を成形する前に、レーザ溶接によってPCB134に結合されてよい。これは半田付けの必要性をなくし、PCB134とセルタップアセンブリ130との間の溶接強度を向上させることがある。バッテリパック100を製造するのにかかる時間も短縮される。加えて、プラスチック本体162は、隣接するストラップ146間により多くの隔離を提供して、入口保護を向上させる。
【0066】
図8Aおよび図8Bを参照すると、USBバッテリ200が示されている。USBバッテリ200は、内部ハウジング204と、内部ハウジング204内に配置される少なくとも1つのバッテリセル(図示せず)と、内部ハウジング204を囲むセルタップストラップ208とを含む。内部ハウジング204およびセルタップストラップ208は、図8Aに破線で示されている。USBバッテリ200は、マルチショット成形によって形成された第1のプラスチック本体212および第2のプラスチック本体216によって覆われる。具体的には、第1のプラスチック本体212は、内部ハウジング204およびセルタップストラップ208を覆って、内部ハウジング204およびセルタップストラップ208を所定の場所に適切に固定する。第2のプラスチック本体216は、USBバッテリ200の外部ハウジングとして機能するように、第1のプラスチック本体212上に成形される。よって、少なくとも1つのバッテリセルは、5AHの容量を有する21700バッテリセルであることができる。他の実施形態において、USBバッテリ200は、単一のプラスチック本体によって覆われてよい。
【0067】
図9A図9Dを参照すると、複数のバッテリセル300が示されている。図示の実施形態において、複数のバッテリセル300は、3つのバッテリセル300a、300b、300cによって形成される。幾つかの実施態様において、複数のバッテリセル300は、3つよりも多くのバッテリセルによって形成されることができる。各バッテリセル300a、300b、300cは、各バッテリセル300a、300b、300cの内部コンポーネントのためのハウジングとして機能する外面308a、308b、308cを有する。バッテリセル300a、300b、300cは、成形によって形成される第1のプラスチック本体310によって互いに結合される。第1のプラスチック本体310は、バッテリセル300a、300b、300cを互いに結合して、単一のバッテリユニットを形成する。第1のプラスチック本体310は、隣接するバッテリセル300a、300b、300cの接触外面308a、308b、308cの部分に成形される。よって、第1のプラスチック本体310は、複数のバッテリセル300の間に配置される。
【0068】
ひとたび第1のプラスチック本体310が複数のバッテリセル300上に成形されると、複数のバッテリセル300は、次いで、バッテリパックを製造する残りのプロセスのために互いに永久的に結合される。PCB312および端子316は、複数のバッテリセル300に電気的に結合される。複数のバッテリセル300は、バッテリセル300、PCB312、および端子316を、単一ユニットとして結合するために、マルチショット成形を受ける。その上、バッテリセル300およびPCB312は、第2のプラスチック本体314によって覆われる一方で、端子316は、露出されたままである。次いで、ハウジング324が、第2のプラスチック本体314および端子316の周りに配置されて、バッテリパックを形成する。
【0069】
図10Aおよび図10Bを参照すると、複数のバッテリセル400の別の実施形態が示されている。図示の実施形態において、複数のバッテリセル400は、5つのバッテリセル400a~400eによって形成される。幾つかの実施態様において、複数のバッテリセル400は、5未満のバッテリセルによって形成されることができる。他の実施形態において、複数のバッテリセル400は、5つを超えるバッテリセルによって形成されることができる。各バッテリセル400a~400eは、各バッテリセル400a~400eの内部コンポーネントのためのハウジングとして機能する外面404a~404eと、バッテリセル400a~400eのそれぞれの端部に形成される端子406a~406eとを有する。バッテリセル400a~400eは、成形によって形成されるプラスチック本体408によって互いに結合される。プラスチック本体408は、複数のバッテリセル400上に成形されて、単一の電池ユニットを形成する。プラスチック本体408は、隣接するバッテリセル400a~400eの外面404a~404eの間に成形される。プラスチック本体408は、複数のバッテリセル400の下にも配置され、バッテリセル400が水平に横たわる位置に配置される単一のバッテリユニットを形成するように、平坦な表面を形成する。また、端子406a~406eの一部分が、プラスチック本体408によって覆われる。
【0070】
ひとたび複数のバッテリセル400が成形を受けると、複数のバッテリセル400は、次いで、バッテリパックを製造する残りのプロセスのために互いに永久的に結合される。次いで、バッテリコア412、PCB416、および端子420を、複数のバッテリセル400の頂部に位置付けることができる。複数のバッテリセルをPCB416に電気的に接続するために、セルタップアセンブリ424も設けられる。
【0071】
図11Aおよび図11Bを参照すると、バッテリパック500の別の実施形態が示されている。バッテリパック500は、ハウジング504と、PCB508と、バッテリコア512と、端子区画514と、バッテリコア512によって収容された複数のバッテリセル516とを含む。PCB508およびバッテリコア512は、バッテリパック500のハウジング504内に配置される。複数のバッテリセル516は、バッテリコア512内にペアで配置される。バッテリセル516a、516bの各ペアは、成形によって形成されたプラスチック本体524によって互いに結合される。プラスチック本体524は、一対のバッテリセル516a、516bの間に配置され、隣接するバッテリセル516、516bに面する外面524a、524bの一部分を覆う。プラスチック本体524は、各バッテリセル516a、516bのそれぞれの端部に形成された各端子528a、528bの一部分も覆う。
【0072】
図12Aおよび図12Bを参照すると、バッテリパック600の別の実施形態が示されている。バッテリパック600は、ハウジング604と、PCB608と、PCB608に取り付けられた端子区画610と、バッテリコア612と、バッテリコア612によって収容された複数のバッテリセル618とを含む。図示の実施形態において、複数のバッテリセル618は、15のバッテリセルによって形成される。幾つかの実施態様において、複数のバッテリセル618は、15を超えるバッテリセルによって形成されることができる。他の実施形態において、複数のバッテリセル618は、15未満のバッテリセルによって形成されることができる。複数のバッテリセル618は、成形によって形成されたプラスチック本体622によって互いに永久的に結合される。プラスチック本体622は、隣接するバッテリセル618の間に配置され、最も外側に面するバッテリセルとして配置されたバッテリセル618の外面626の周りに配置される。よって、プラスチック本体622は、バッテリパック600の熱性能を向上させるために、隣接するバッテリセル618の間に形成されることがある任意の空気ギャップを除去する。
【0073】
図13Aおよび図13Bを参照すると、バッテリパック700の別の実施形態が示されている。バッテリパック700は、図12Aおよび図12Bのバッテリパック600と同様であり、従って、同様の構造は、同様の参照番号に「100」を加えた番号によって識別される。
【0074】
バッテリコア712は、成形によって生成されたプラスチック本体として形成される。よって、複数のバッテリセル718は、マルチショット成形プロセスを受けて、バッテリコア712およびプラスチック本体722を形成する。マルチショット成形プロセスでは、第1の材料が、複数のバッテリセル718上に成形され、第2の材料が、第1の材料上に成形されて、バッテリコア712を形成する。成形プロセスの間に、バッテリパック700の他の内部コンポーネントが、PCB708および端子710のようなコンポーネントを適切に固定するために、第2の材料によって覆われてもよい。他の実施形態において、第2の材料は、PCB708および端子710をバッテリコア712に固定するように構成された固定コンポーネント(例えば、タブ)を形成してよい。
【0075】
図14Aおよび図14Bを参照すると、複数のバッテリセル800の別の実施形態が示されている。各バッテリセル800は、外面804と、各バッテリセル800のそれぞれの端部に形成された端子808とを含む。各バッテリセル800は、成形によって形成されたそれぞれのプラスチック本体812によって覆われる。各プラスチック本体812は、各バッテリセル800の外面804の一部分を覆う。具体的には、プラスチック本体812は、バッテリセル800の各端部まで延びない。また、プラスチック本体812は、特定の幾何学的形状をとる。図示の実施形態において、プラスチック本体812は、六角形の形状を有する。他の実施形態において、プラスチック本体812は、円形、直線形、または三角形の形状を有してよいが、これらに限定されない。各バッテリセル800がそれぞれのプラスチック本体812によって覆われると、複数のバッテリセル800は、バッテリパックのハウジング内に容易に積み重ねられて、配置されることができる。また、各プラスチック本体812は、バッテリパック内に配置されるときに、バッテリセル800を所定の場所に保持し、それによって、バッテリセル800の回転を防止して、溶接故障を減少させる。
【0076】
図15Aおよび図15Bを参照すると、複数のバッテリセル900の別の実施形態が示されている。複数のバッテリセル900は、図14Aおよび図14Bの複数のバッテリセル800と同様であり、従って、同様の構造は、同様の参照番号に「100」を加えた番号によって識別される。
【0077】
各プラスチック本体912は、複数の溝916と、複数のタブ920とを含む。各プラスチック本体912の複数の溝916は、隣接するバッテリセル900からそれぞれのタブを受け入れるように構成される。よって、複数のバッテリセル900は、バッテリパックのハウジング内に配置されるときに、互いに物理的に接続されることができる。
【0078】
図16Aおよび図16Bを参照すると、バッテリパック用の内部バッテリハウジング1000が示されている。内部バッテリハウジング1000は、ハウジング1004と、第1のセットのバッテリセル1008、第2のセットのバッテリセル1012と、ヒートパイプ1016とを含む。それぞれのヒートパイプ1016は、第1および第2のセットのバッテリセル1008、1012の間に延在する。第1のセットのバッテリセル1008は、第1のプラスチック本体1018によって互いに永久的に結合される。第2のセットのバッテリセル1012は、第2のプラスチック本体1020によって互いに永久的に結合される。第1および第2のプラスチック本体1018、1020は、それぞれ、プラスチック本体1018、1020の中心を通じて延在する開口1024、1026(図17A図18B)を有する。開口1024、1026は、それぞれのヒートパイプ1016を受け入れるように構成される。第1および第2のセットのバッテリセル1008、1012は、各ヒートパイプ1016がバッテリセル1008、1012から熱を奪うように、ヒートパイプ1016の周りに配置される。また、第1および第2のプラスチック本体1018、1020は、ヒートパイプ1016がバッテリセル1008a~1008d、1012a~1012d(図17A図18B)から電気的に絶縁されることを可能にする。
【0079】
図17Aおよび図17Bを参照すると、第1のセットのバッテリセル1008が示されている。第1のセットのバッテリセル1008の各バッテリセル1008a~1008dは、各バッテリセル1008a~1008dのそれぞれの端部上に形成される外面1028a~1028dおよび端子1032a~1032dを含む。第1のプラスチック本体1018は、各バッテリセル1008a~1008dの外面1028a~1028d全体を覆う一方で、端子1032a~1032dは、覆われないままである。
【0080】
図18Aおよび図18Bを参照すると、第2のセットのバッテリセル1012が示されている。第2のセットのバッテリセル1012の各バッテリセル1012a~1012dは、各バッテリセル1012a~1012dのそれぞれの端部上に形成される外面1034b~1034dおよび端子1035a~1035dを含む。第2のプラスチック本体1020は、各バッテリセル1012a~1012dの外面1034a~1034dの一部分を覆うだけである。具体的には、第2のプラスチック本体1020は、隣接するバッテリセル1012a~1012dに面する各外面1034a~1034dの一部分を覆う。第1および第2のセットのバッテリセル1008、1012を製造するときに、バッテリセルの各セット1008、1012は、第1および第2のプラスチック本体1018、1020をそれぞれ形成するように、先ず一緒に成形される。次いで、それぞれのヒートパイプ1016を、第1および第2のセットのバッテリ1008、1012に圧入することができる。
【0081】
図8A~18Bのバッテリセルにプラスチック本体を適用することは、バッテリパックの熱性能およびバッテリパックの外側ハウジングへの熱伝導を向上させる。プラスチック本体は、隣接するバッテリセルの間の空気ギャップを除去する。また、バッテリパックが落下したときに或いは振動を受けたときに、バッテリパック内のバッテリセルの移動は、プラスチック本体によって最小限に抑えられることがある。マルチショット成形を使用する図8A図18Bの実施形態において、バッテリパック内の熱暴走が防止されることがある。マルチショット成形は、バッテリセルの周りの場所における位相変化を助けることがある。
【0082】
図19図23を参照すると、バッテリパック2000の別の実施形態が示されている。バッテリパック2000の部分は、明確にするために取り外されている。バッテリパック2000は、ハウジング2004と、ハウジング2004内に積み重ねられた複数のバッテリセル2012と、各バッテリセル2012の間にそれぞれ配置された複数のパッド2014とを含む。複数のバッテリセル2012は、バッテリパック2000に結合された電気デバイスに動力を提供するように構成される。図示の実施形態において、バッテリセル2012は、パウチセルである。
【0083】
幾つかの実施形態において、各バッテリセル2012は、成形プロセスを受けてよい。具体的には、バッテリセル2012aは、本体2016aと、正および負のセルタブによって画定される一対のセルタブ2020a、2020b(すなわち、端末タブ)とを含む。一対のセルタブ2020aは、本体2016aから離れて延在する。バッテリセル2012aの本体2016aは、成形によって形成される第1のプラスチック本体2028によって覆われる。第1のプラスチック本体2028は、振動および落下作用によって生じる外力が、バッテリセル2012aの本体2016aを損傷することを防止する。また、第1のプラスチック本体2028は、プラスチック本体のないバッテリセルと比較して、改良された寸法公差を提供する。加えて、第1のプラスチック本体2028は、バッテリパック2000に入ることがある水および破片から本体2016aを取り囲んで保護することによって、入口保護を提供する。
【0084】
ひとたび各バッテリセル2012が第1のプラスチック本体2028によって覆われると、バッテリセル2012は、成形によって形成される第2のプラスチック本体2032によって覆われる。第2のプラスチック本体2032は、内部ハウジングとして機能し、それによって、バッテリセル2012を単一のバッテリユニットとして互いに永久的に結合する。第2のプラスチック本体2032は、バッテリパック2000のハウジング2004の内部容積内に適合し、各バッテリセル2012のセルタブ2020a、2020bと係合する前方プレート2034を受け入れるように構成された開口(図示せず)を画定する、矩形のベースとして形成される。また、第2のプラスチック本体2032は、バッテリセル2012から離れて延在する複数のタブ2036a、2036bを含む。
【0085】
バッテリパック2000は、さらに、第2のプラスチック本体2032に取り付けられた第1のPCB2040と、第1のPCB2040に取り付けられた第2のPCB2044と、第2のPCB2044に取り付けられた端子2048とを含む。端子2048は、バッテリセル2012から電気デバイスに動力を供給するように構成される。具体的には、第2のプラスチック本体2032の端部に形成されたタブ2036aは、第1のPCB2040内に画定された開口(図示せず)に挿入され、それによって、第1のPCB2040を第2のプラスチック本体2032に結合する。第2のプラスチック本体2032の側面に形成されたタブ2036bは、第1のPCB2040の側面にラッチして、第1のPCB2040を第2のプラスチック本体2032にさらに結合するように構成される。
【0086】
第2のPCB2044は、第3のプラスチック本体2052によって覆われる。よって、第2のPCB2044上に取り付けられた電気コンポーネント2054の一部分が、第3のプラスチック本体2042によって覆われる。幾つかの実施態様において、端子2048は、第4のプラスチック本体2056によって覆われる。第4のプラスチック本体2056は、各端子2048の間に配置されて、端子2048の周りに壁を形成し、隣接する端子2048の分離を向上させる。第3のプラスチック本体2052および第4のプラスチック本体2056は、両方とも、第3のプラスチック本体2052が第4のプラスチック本体2056と一体であるように、マルチショット成形プロセスによって形成される。他の実施形態において、第1のプラスチック本体2028、第2のプラスチック本体2032、第3のプラスチック本体2052、および第4のプラスチック本体2056は、同じ材料で作られる。よって、第3のプラスチック本体2052は、第2のPCB2044を第1のPCB2040に結合するように形成され、セルタップ2060は、第2のプラスチック本体2032の側面に配置される。
【0087】
図24を参照すると、PCB3000が図示されている。PCB3000は、その上に取り付けられた複数の電気コンポーネント3004を含む。PCB3000は、バッテリパック内のバッテリセル(図示せず)の充電および放電を制御するために、バッテリパック(図示せず)内に配置されるように構成される。バッテリパックは、端子区画3008およびセルタップアセンブリ3012も含む。端子区画3008は、バッテリパックを電気デバイスに電気的に結合するように構成される。セルタップアセンブリ3012は、複数のストラップ3016を含み、バッテリセルをPCB3000に電気的に結合するように構成される。各ストラップ3016は、PCB3000内に画定された開口(図示せず)を通じて延在するように構成されたポスト3018と、バッテリセルと係合するように構成されたタブ(図示せず)と、ポスト3018とタブとを相互接続するように構成された接続部分3020とを含む。端子区画3008の一部分およびセルタップアセンブリ3012の一部分は、プラスチック本体3022によって覆われる。よって、セルタップアセンブリ3012は、PCB3000からさらに離れて隔離されることがある。また、プラスチック本体3022は、端子区画3008をPCB3000に物理的に取り付けることなく、端子区画3008をPCB3000の上方に配置するために、端子区画3008の端部分3024に配置される。端子区画3008の端子3028は、端部分3024から延び、自由に移動することが可能にされる。何故ならば、端子3028は、プラスチック本体3022によって覆われないからである。
【0088】
本開示は、特定の好ましい実施形態を参照して詳細に記載されたが、変形および修正が、記載された本開示の1つ以上の独立した態様の範囲および精神内に存在する。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
【外国語明細書】