(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072815
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240521BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194621
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】63/425,813
(32)【優先日】2022-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/459,345
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(72)【発明者】
【氏名】西山 拓雄
(72)【発明者】
【氏名】霧生 亮行
(72)【発明者】
【氏名】今木 惠美
(72)【発明者】
【氏名】須藤 啓
(72)【発明者】
【氏名】鵜澤 健太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】電動移動体の充電に伴う環境価値を容易に管理すること。
【解決手段】情報処理システムは、所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得する取得部と、充電履歴により示されるグループの充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定する特定部と、グループおよび合算充電量を示す実績証明書を出力する提供部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得する取得部と、
前記充電履歴により示される前記グループの前記充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定する特定部と、
前記グループおよび前記合算充電量を示す実績証明書を出力する提供部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記提供部が、前記証明期間および前記合算充電量に対応し環境価値を取引するための環境価値証書に関連付けて前記実績証明書を出力する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
非化石エネルギによる発電設備を示す前記実績証明書を生成する生成部を更に備える請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記実績証明書によって示される前記合算充電量を特定するために用いられる対象充電量を前記グループから受け付ける受付部を更に備え、
前記特定部が、前記対象充電量に基づいて前記合算充電量を特定する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1以上のデータレコードのそれぞれが、環境価値を購入する意向があるか否かを示すフラグ情報を含み、
前記特定部が、前記購入する意向があることを示す1以上の前記データレコードによって示される前記グループの前記充電量を合算する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記特定部は、前記グループが所有あるいは管理する外部システムからの要求に応答して、前記外部システムに向けて前記合算充電量の情報を提供する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得するステップと、
前記充電履歴により示される前記グループの前記充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定するステップと、
前記グループおよび前記合算充電量を示す実績証明書を出力するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項8】
所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得するステップと、
前記充電履歴により示される前記グループの前記充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定するステップと、
前記グループおよび前記合算充電量を示す実績証明書を出力するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、情報処理システム、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
脱炭素化を推進することを目的として環境価値を管理するコンピュータシステムが知られている。例えば特許文献1には、電力を消費する機器と該機器に電力供給を行う電源に関する情報を管理する環境価値管理支援装置が記載されている。この装置は、機器に関する機器側ログと、電源に関する電源側ログと、機器および電源の間で行われた電力供給を識別する機器電源接続情報とに基づいて、機器と電源の間で行われた電力供給において適用された環境価値を統合し電力供給統合ログを生成する。また、装置は、電力供給統合ログの中の電力供給量が不明な場合に電力供給量を推定する。装置は、電力供給統合ログおよび推定された電力供給量に基づく電力構成情報を、電力供給について割り当てられるべき環境価値の情報である環境価値割当目標と比較し、電力構成情報において目標に対して不足していた環境価値を割り当てる。特許文献1には、機器の一例としてEVが挙げられ、電源の一例としてEV充電器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な場所で充電され得る電動移動体についてその充電に関する環境価値を一元的に管理することは容易でない。そこで、電動移動体の充電に伴う環境価値を容易に管理できる仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面に係る情報処理システムは、所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得する取得部と、充電履歴により示されるグループの充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定する特定部と、グループおよび合算充電量を示す実績証明書を出力する提供部と、を備える。
【0006】
本発明の一側面に係る情報処理方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される。この方法は、所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得するステップと、充電履歴により示されるグループの充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定するステップと、グループおよび合算充電量を示す実績証明書を出力するステップと、を含む。
【0007】
本発明の一側面に係る情報処理プログラムは、所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得するステップと、充電履歴により示されるグループの充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定するステップと、グループおよび合算充電量を示す実績証明書を出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0008】
このような側面においては、グループに属する利用者による電動移動体の充電量が合算されて、そのグループおよび合算充電量を示す実績証明書が自動的に出力されるので、電動移動体の充電に伴う環境価値を容易に管理できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一側面によれば、電動移動体の充電に伴う環境価値を容易に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理システムによる環境価値の管理の一例を示す図である。
【
図2】情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】情報処理システムとして機能するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】充電履歴データベースに記憶される充電履歴の一例を示す図である。
【
図5】サマリデータベースに記憶されるサマリデータの一例を示す図である。
【
図6】環境価値を管理する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】情報処理システムの構成の別の例を示す図である。
【
図10】情報処理システムの構成の更に別の例を示す図である。
【
図11】環境価値を管理する処理の別の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本開示の様々な例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
[システムの構成]
本開示に係る情報処理システムは、電動移動体の充電に伴う環境価値を管理するコンピュータシステムである。環境価値とは、電力の付加価値をいい、需要家が電気を使用したことに伴うCO2排出量全体を低減させる効果を有する。再生可能エネルギ等の非化石エネルギによって作られた電力は環境価値を有する。電動移動体とは、少なくとも電力を動力源として用いて移動する移動体をいう。電動移動体は、例えば、電気自動車、電動バイク、電動自転車等の電動車両である。電気自動車の例として、バッテリ式電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、および燃料電池自動車(FCEV)が挙げられる。以下では電動移動体として電気自動車を例示する。
【0013】
情報処理システムは環境価値の管理として、グループに属する利用者による電動移動体の充電量を合算することで得られる合算充電量を、そのグループと共に示す実績証明書を出力する。グループとは1以上の人の集合であり、したがって、一個人でもよいし、複数の構成員により構成される組織でもよい。組織の例として、企業等の法人が挙げられる。利用者とは、グループに属し充電サービスを利用する者をいう。グループが法人である場合は、利用者は従業員であり得る。実績証明書とは、環境価値を有する電力によってグループが電動移動体を充電したことを示す書面である。環境価値に関する別の媒体として、環境価値証書がある。環境価値証書とは、環境価値を取引するための証書をいう。環境価値証書は電子データまたは紙面によって記録され得る。環境価値証書の例として、非化石証書、J-Credit、およびグリーン電力証明が挙げられる。以下では、環境価値証書として非化石証書を例として説明する。非化石証書には環境価値を有する電力の使用目的が記載されない。実績証明書はその使用目的を示すので、一例では非化石証書を補完する役割を担う。
【0014】
以下では、本開示に係る情報処理システムを、環境価値の管理の中核として機能するクラウドシステム10に適用する。
図1は、クラウドシステム10による環境価値の管理の一例を示す図である。この例では、グループとして、1以上の従業員41が属する企業4と、個人5と、1以上の従業員61が属する企業6とを示す。従業員41、個人5、および従業員61はそれぞれ電気自動車を利用し、必要に応じて電気自動車を、充電サービス提供者7の管理下にある充電器30により充電する。充電サービス提供者7は、グループを識別するための識別カードを企業4、個人5、および企業6に提供する。従業員41、個人5、および従業員61は、自身が所属するグループの識別カードを充電器30にかざした上で電気自動車を充電する。識別カードは、磁気カードのような物理的なカードとして実現されてもよいし、スマートフォンにインストールされたアプリケーションによって実現されてもよい。個々の充電器30は、充電ステーションに設置されてもよいし、ショッピングセンター等の商業施設に設置されてもよいし、グループの敷地内(例えば企業4,6の敷地内)に設置されてもよい。電動自動車の充電の種類として、利用者が移動の途中で充電ステーション等の他者の施設に立ち寄って電気自動車を充電する経路充電という方式と、利用者が自グループの敷地内にある充電器で電気自動車を充電する基礎充電という方式とがある。
【0015】
クラウドシステム10は個々の充電器30から、グループに属する利用者による電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得する。ここで、「グループに属する利用者による電動移動体のバッテリの充電量」とは、電動移動体の充電作業を実際に誰が行ったかに関係なく充電された電動移動体の充電量をいう。本開示では、電動移動体の充電量とは、例えば電動移動体のバッテリの充電量を示す。充電作業を実際に行う人は、グループに属する利用者自身、充電ステーションのスタッフなどの様々な人であり得る。充電作業は、個々の充電器30からの充電に代えて、使用済のバッテリを充電済のバッテリに交換することで行われてもよい。本開示におけるバッテリの例として、リチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリ、および固体電解質バッテリが挙げられる。あるいは、本開示におけるバッテリは、キャパシタおよびコンデンサといった蓄電デバイスであってもよい。クラウドシステム10はグループごとに、所定の対象期間における充電量をその充電履歴に基づいて合算することで得られる合算充電量を特定する。充電サービス提供者7は各グループについて、その合算充電量に基づいて、環境価値を取引する価値取引市場8から1以上の非化石証書90を取得する。また、充電サービス提供者7は各グループについて、所定の証明期間における合算充電量を示す実績証明書92を生成する。充電サービス提供者7は各グループについて1以上の非化石証書90および実績証明書92をクラウドシステム10に送信する。クラウドシステム10は各グループに向けて1以上の非化石証書90および実績証明書92を出力する。企業4、個人5、および企業6は、その非化石証書90および実績証明書92を所望の目的で利用できる。
【0016】
本開示では、一つの非化石証書90により示される合算充電量の期間を対象期間といい、一つの実績証明書92により示される合算充電量の期間を証明期間という。証明期間は対象期間より長くてもよく、例えば、対象期間が3ヶ月であるのに対して証明期間は1年であってもよい。証明期間は対象期間と同じでもよく、この場合には、一つの実績証明書92に一つの非化石証書90が関連付けられる。一つの実績証明書92に関連付けられる1以上の非化石証書90は一つの書面として表されてもよく、本開示ではその書面を残高証明書ともいう。充電サービス提供者7は残高証明書を実績証明書92の添付書類としてクラウドシステム10に送信してもよい。
【0017】
図2はクラウドシステム10の構成の一例を示す図である。この例では、クラウドシステム10は通信ネットワークを介して、データベース群20と、複数の充電器30と、1以上のグループに対応する1以上のグループシステム40と、充電サービス提供者7の提供者システム70とに接続する。提供者システム70は通信ネットワークを介して、価値取引市場8の市場システム80に接続する。これらの通信ネットワークは、例えばインターネットおよびイントラネットにより構築され得る。グループシステム40は企業4、個人5、または企業6のコンピュータシステムであり、クラウドシステム10にとって外部システムである。グループシステム40は、グループにより排出されたCO
2排出量を管理するためのカーボンマネジメントシステムであり得る。グループシステム40は、クラウドシステム10から合算充電量のデータを受信し、そのデータに基づいてCO
2排出量を算出してもよい。
【0018】
一例では、クラウドシステム10は機能要素として収集部11、取得部12、特定部13、および提供部14を備える。収集部11は複数の充電器30のそれぞれから充電履歴を収集する機能モジュールである。取得部12は収集された充電履歴を合算充電量の特定のために取得する機能モジュールである。特定部13は取得された充電履歴に基づいてグループの合算充電量を特定する機能モジュールである。提供部14は、グループおよび合算充電量を示す実績証明書92を出力する機能モジュールである。
【0019】
図3は、クラウドシステム10として機能するコンピュータ100のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、オペレーティングシステムおよびアプリケーション・プログラムを実行するプロセッサ101と、ROMおよびRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスク、フラッシュメモリ等で構成される補助記憶部103と、ネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される通信制御部104と、キーボード、マウス等の入力装置105と、モニタ等の出力装置106とを備える。補助記憶部103は、少なくとも一つのコンピュータをクラウドシステム10として機能させるための情報処理プログラムを記憶する。
【0020】
クラウドシステム10の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上に情報処理プログラムを読み込ませてそのプログラムを実行させることで実現される。プロセッサ101はそのプログラムに従って、通信制御部104、入力装置105、または出力装置106を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。処理に必要なデータまたはデータベースは、主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
【0021】
情報処理プログラムは、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等の有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、情報処理プログラムは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0022】
クラウドシステム10は、一つのコンピュータ100で構成されてもよいし、複数のコンピュータ100で構成されてもよい。複数のコンピュータ100を用いる場合には、これらのコンピュータ100がインターネット、イントラネット等の通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つのクラウドシステム10が構築される。
【0023】
データベース群20は1以上のデータベースの集合である。一例では、データベース群20は充電履歴データベース21およびサマリデータベース22を備える。データベース群20は、クラウドシステム10に含まれてもよいし、クラウドシステム10とは別のコンピュータシステムに属してもよい。
【0024】
充電履歴データベース21は充電履歴を記憶する装置である。
図4は、充電履歴データベース21に記憶される充電履歴の一例を示す図である。この例では、充電履歴の各レコードはデータ項目として、充電器ID、充電日、充電時間、グループID、充電量、およびメニューを含む。充電器IDは充電器を一意に特定する識別子である。充電日は充電が行われた日付であり、充電時間は充電が行われた時間幅である。グループIDはグループを一意に特定する識別子であり、充電器30のカードリーダが識別カードを読み取ることで得られる。充電量は電気自動車に充電された電力量である。メニューは、環境価値を購入する意向があるか否かを示すフラグ情報である。値「再生エネルギ」はその意向があることを示し、値「普通」はその意向がないことを示す。このフラグ情報は、識別カードに予め設定され、充電器がその識別カードを読み取ることで得られてもよいし、利用者が充電ごとに充電器に入力することで得られてもよい。
図4に示す充電履歴から、例えば、企業Eaの従業員が充電器Ca,Cbを2回ずつ、いずれも環境価値を購入する意向の下に利用したことがわかる。
【0025】
サマリデータベース22は各グループの合算充電量を示すサマリデータを記憶する装置である。
図5は、サマリデータベース22に記憶されるサマリデータの一例を示す図である。この例では、サマリデータベース22は、対象期間における各グループの合算充電量を記憶する第1サマリテーブル221と、証明期間における各グループの合算充電量を記憶する第2サマリテーブル222とを含む。第1サマリテーブル221の第1サマリデータの各レコードはデータ項目として、グループIDと、対象期間と、該対象期間における合算充電量とを含む。第2サマリテーブル222の第2サマリデータの各レコードはデータ項目として、グループIDと、証明期間と、該証明期間における合算充電量とを含む。
図5の例では、対象期間が3ヶ月であり、証明期間が1年である。
【0026】
[システムの動作]
図6を参照しながら、環境価値を管理する処理について説明する。
図6はその処理の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。以下では、或る一つのグループを「対象グループ」といった上で、その対象グループについての一連の処理を処理フローS1として説明する。処理フローS1は複数のグループのそれぞれについて個別に実行されてもよい。あるいは、処理フローS1の各ステップが複数のグループのそれぞれについて実行されながら処理フローS1が進んでもよい。
【0027】
処理フローS1は、収集部11が複数の充電器30のそれぞれから充電履歴を収集してその充電履歴を充電履歴データベース21に格納したことを前提とする。収集部11は、充電器30による充電が完了したことに応答して、リアルタイムに充電履歴を収集および格納してもよい。あるいは、収集部11は日次または週次のバッチ処理によって所定の周期で各充電器30から充電履歴を収集し、その充電履歴を充電履歴データベース21に格納する。あるいは、収集部11はクラウドシステム10のオペレータからの指示に基づいて充電履歴の収集および格納を実行してもよい。収集部11は充電器30から直接に充電履歴を収集してもよいし、他のコンピュータシステムまたは装置を介して充電器30の充電履歴を収集してもよい。
【0028】
ステップS11では、取得部12が充電履歴データベース21から充電履歴のレコードを取得する。この処理は対象期間ごとに実行され得る。対象期間は、例えば価値取引市場8から非化石証書を購入できる時期に合わせて設定されてもよい。取得部12は、対象グループのグループIDを含み、充電日が対象期間に該当し、かつメニューが「再生エネルギ」を示すレコードを充電履歴データベース21から取得する。取得部12は、取得したレコードを特定部13に出力する。
【0029】
ステップS12では、特定部13が対象期間に亘る対象グループの合算充電量を算出する。この処理は対象期間ごとに実行され得る。特定部13は、取得部12によって取得された1以上のレコードで示される充電量を合算する。特定部13はこの計算に基づいて第1サマリデータのレコードを生成し、そのレコードをサマリデータベース22の第1サマリテーブル221に格納する。
【0030】
ステップS13では、提供者システム70が市場システム80から、対象期間に亘る合算充電量に対応する非化石証書90を取得する。この処理は、対象期間ごとに実行されてもよいし、証明期間ごとに実行されてもよい。提供者システム70は対象グループおよび対象期間に対応する合算充電量を第1サマリテーブル221から取得する。提供者システム70は、市場システム80により管理される非化石証書90の購入サイトを通じて、その合算充電量に対応する非化石証書90を取得する。非化石証書90は、発電設備名、対象期間、合算充電量等のデータ項目を示す。発電設備は、非化石エネルギを発電した設備を示す。したがって、発電設備名は、非化石エネルギの発電元を特定するためのトラッキング情報である。ステップS13が証明期間ごとに実行される場合には、提供者システム70はその証明期間に対応する1以上の対象期間のそれぞれについて非化石証書90を取得してもよい。発電設備による発電の時期と利用者が充電器30によって充電する時期とは、一致していてもよいし、異なってもよい。
【0031】
ステップS14では、提供部14が、証明期間における1以上の非化石証書90を集計した残高証明書を取得する。この処理は証明期間ごとに実行され得る。一例では、提供者システム70が、市場システム80により管理される購入サイト上で権利確定処理を実行して残高証明書を取得し、その残高証明書をクラウドシステム10に送信する。提供部14はその残高証明書を受信する。
図7は、残高証明書の一例を示す図である。この例に示す残高証明書94は、グループ名、権利確定日、および証明期間における合算充電量を含む概要欄941と、1以上の非化石証書90に対応する明細欄942とを含む。明細欄942の各行が一つの非化石証書90に対応する。
図7の例では、4つの非化石証書90の合算充電量の合計が、概要欄941における合算充電量として記載されている。明細欄942には、非化石証書90の発電設備が示されている。非化石証書の発電設備は、一例として、電気自動車の充電に用いられた充電器に電力を供給する発電設備を示す。充電器に供給される電力は、非化石エネルギを用いた発電設備と、化石エネルギを用いた発電設備との双方から提供されてもよい。発電設備による発電の時期と利用者が充電器30によって充電する時期とがずれている場合は、利用者が充電器30によって充電する際に、発電設備は、他の充電器を充電してもよい。
【0032】
ステップS15では、特定部13が、証明期間に亘る対象グループの合算充電量を特定する。この処理は証明期間ごとに実行され得る。一例では、特定部13は、対象グループのグループIDと、証明期間に対応する対象期間とを含む第1サマリデータのレコードを第1サマリテーブル221から抽出し、抽出された合算合計量の合計を算出する。特定部13はその合計値をそのまま、証明期間における合算充電量として特定する。このような処理は、充電履歴データベース21に記憶されている充電履歴により示される対象グループの充電量を証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定する処理に対応する。あるいは、特定部13は提供者システム70、ユーザ端末などの他のシステムまたは装置によって算出された合算充電量を該他のシステムまたは装置から受信することで、その合算充電量を特定してもよい。以下では、証明期間における合算充電量を「最終合算充電量」ともいう。特定部13は、対象グループのグループID、証明期間、および最終合算充電量を示す第2サマリデータのレコードを生成し、そのレコードをサマリデータベース22の第2サマリテーブル222に格納する。
【0033】
ステップS16では、提供者システム70が最終合算充電量を示す実績証明書92を生成する。この処理は証明期間ごとに実行され得る。提供者システム70は、グループIDおよび証明期間に対応するレコードを第2サマリテーブル222から読み出して最終合算充電量を取得する。そして、提供者システム70は対象グループおよび最終合算充電量を少なくとも示す実績証明書92を生成する。
【0034】
図8は実績証明書92の一例を示す図である。この例では、実績証明書92には、グループ名「企業Ea」と、グループの契約メニューと、証明期間と、最終合算充電量と、CO
2排出係数とが示されている。CO
2排出係数とは、充電量に基づいてCO
2排出量を概算するために用いられる係数である。
【0035】
ステップS17では、提供者システム70および提供部14が協働して、残高証明書(1以上の非化石証書90)が関連付けられた実績証明書92を対象グループのグループシステム40に出力する。この処理は証明期間ごとに実行され得る。提供者システム70は生成された実績証明書92をクラウドシステム10に送信し、提供部14はその実績証明書92を受信する。提供部14は、同じ証明期間を示す残高証明書をその実績証明書92に関連付けた上で、その実績証明書92をグループシステム40に出力する。つまり、提供部14は、証明期間および最終合算充電量に対応する1以上の非化石証書90に関連付けて実績証明書92を出力する。提供部14は残高証明書(1以上の非化石証書90)と実績証明書92とのセットを、対象グループのグループシステム40からの要求に応答してグループシステム40に出力してもよい。この仕組みにより、グループシステム40はそのセットをダウンロードできる。あるいは、提供部14はそのセットをプッシュ型配信によってグループシステム40に出力してもよい。なお、
図8の例では、実績証明書92には発電設備が示されていないが、グループシステム40は、実績証明書92の添付書類である残高証明書において、発電設備を確認することができる。あるいは、実績証明書92に発電設備が示されてもよい。
【0036】
対象グループはそのセットを用いて、環境価値を有する電力をどの期間にどのくらいの量だけ電動移動体の充電のために用いたかを他者に提示できる。また、対象グループは実績証明書92によって示されるCO2排出係数を用いて、自身のCO2排出の削減効果を算出できる。このように、実績証明書92と1以上の非化石証書90(残高証明書)とのセットが提供されることで、非化石証書90のみが提供される場合に比べ、対象グループは環境価値をより容易に管理できる。
【0037】
提供部14は、グループシステム40からの要求に応答して、第1サマリテーブル221または第2サマリテーブル222に記憶された合算充電量を該グループシステム40に送信してもよい。グループシステム40はその合算充電量に基づいて、対象グループにおけるCO2排出の削減効果を算出するなどの処理を実行し得る。あるいは、提供部14がグループシステム40からの要求に応答してその削減効果を算出して、その計算結果をグループシステム40に送信してもよい。
【0038】
対象グループは、取得された残高証明書(1以上の非化石証書90)および実績証明書92、あるいは算出されたCO2排出の削減効果を外部団体に報告してもよい。外部団体の例としては、RE100(Renewable Energy 100%)、CDP(Carbon Disclosure Project)、SBTi(Science Based Targets initiative)等が挙げられる。
【0039】
[変形例]
以上、本開示の様々な例を詳細に説明した。しかし、本開示は上記の例に限定されるものではない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0040】
[第1変形例]
情報処理システムは、各グループについて、所定の証明期間における合算充電量を示す実績証明書92を生成してもよい。また、情報処理システムは、提供者システム70に代わって、各グループについて、市場システム80から1以上の非化石証書90を取得してもよい。
図9は、このような変形例に係る情報処理システムをクラウドシステム10Aとして示す図である。クラウドシステム10Aは、生成部15を備える点においてクラウドシステム10と相違する。生成部15は実績証明書92を生成する機能モジュールである。
【0041】
処理フローS1においてクラウドシステム10と異なる点について説明する。ステップS13では、生成部15が市場システム80から、対象期間に亘る合算充電量に対応する非化石証書90を取得する。生成部15は対象グループおよび対象期間に対応する合算充電量を第1サマリテーブル221から取得する。生成部15は、市場システム80により管理される非化石証書の購入サイトを通じて、その合算充電量に対応する非化石証書90を取得する。ステップS13が証明期間ごとに実行される場合には、生成部15はその証明期間に対応する1以上の対象期間のそれぞれについて非化石証書90を取得してもよい。
【0042】
ステップS14では、提供部14が、証明期間における1以上の非化石証書90を集計した残高証明書を取得する。提供部14は市場システム80にアクセスし、市場システム80により管理される購入サイト上で権利確定処理を実行して残高証明書を取得する。
【0043】
ステップS16では、生成部15が最終合算充電量を示す実績証明書92を生成する。生成部15は、グループIDおよび証明期間に対応するレコードを第2サマリテーブル222から読み出して最終合算充電量を取得する。そして、生成部15は対象グループおよび最終合算充電量を少なくとも示す実績証明書92を生成する。一例では、生成部15は、対象グループおよび最終合算充電量に加えて、残高証明書(1以上の非化石証書90)に示される発電設備を示す実績証明書92を生成する。
【0044】
ステップS17では、提供部14が、残高証明書(1以上の非化石証書90)が関連付けられた実績証明書92を対象グループのグループシステム40に出力する。提供部14は取得された残高証明書を生成された実績証明書92に関連付け、その実績証明書および残高証明書94のセットをグループシステム40に出力する。
【0045】
[第2変形例]
情報処理システムは、実績証明書により示される合算充電量、すなわち最終合算充電量を特定するために用いられる対象充電量をグループから受け付けてもよい。一例では、実績証明書によって示される合算充電量は、特定部により計算された合計値を上限として、その対象充電量によって最終的に特定される。
図10は、このような変形例に係る情報処理システムをクラウドシステム10Bとして示す図である。クラウドシステム10Bは、受付部16を備える点においてクラウドシステム10Aと相違する。受付部16は、対象グループのグループシステム40から対象充電量を受け付ける機能モジュールである。
【0046】
図11は、クラウドシステム10Bによって実行される処理の一例を処理フローS2として示すフローチャートである。
【0047】
ステップS21,S22は、クラウドシステム10Aによって実行されるステップS11,S12と同じである。
【0048】
ステップS23では、受付部16が対象グループのグループシステム40から、証明期間における対象充電量を受け付ける。例えば、グループシステム40は実績証明書92を得ようとする前に対象充電量の情報をクラウドシステム10Bに送信する。受付部16はその情報を受信し、対象グループの対象充電量を補助記憶部103等の所定の記憶装置に格納する。
【0049】
ステップS24,S25は、クラウドシステム10Aによって実行されるステップS13,S14と同じである。
【0050】
ステップS26では、特定部13が、対象充電量に基づいて証明期間に亘る対象グループの合算充電量を特定する。一例では、特定部13は、対象グループのグループIDと、証明期間に対応する対象期間とを含む第1サマリデータのレコードを第1サマリテーブル221から抽出し、抽出された合算合計量の合計を算出する。特定部13はその合計値と対象実績量とのうち低い方の値を、証明期間における合算充電量(最終合算充電量)として特定する。このような処理も、充電履歴データベース21に記憶されている充電履歴により示される対象グループの充電量を証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定する処理に対応する。あるいは、特定部13は提供者システム70、ユーザ端末などの他のシステムまたは装置によって算出された合算充電量を該他のシステムまたは装置から受信することで、その合算充電量を特定してもよい。特定部13は、対象グループのグループID、証明期間、および最終合算充電量を示す第2サマリデータのレコードを生成し、そのレコードをサマリデータベース22の第2サマリテーブル222に格納する。
【0051】
ステップS27,S28は、クラウドシステム10Aによって実行されるステップS16,S17と同じである。
【0052】
[他の変形例]
クラウドシステム10Bは生成部15を備えなくてもよい。この場合、ステップS23では受付部16が対象充電量を提供者システム70に提供する。提供者システム70は、市場システム80により管理される購入サイト上で、対象充電量に基づいて権利確定処理を実行して残高証明書を取得し、その残高証明書をクラウドシステム10Bに送信する。
【0053】
充電履歴の各レコードはメニューを含まなくてもよい。つまり、充電履歴の各レコードは、環境価値を購入する意向があるか否かを示すフラグ情報を含まなくてもよい。この場合、取得部は、対象グループのグループIDを含み、充電日が対象期間に該当するレコードを充電履歴データベースから取得する。
【0054】
取得部が充電履歴を取得する経路は上記の例に限定されない。例えば、取得部は充電履歴を充電履歴データベースからではなく個々の充電器から直接に取得してもよい。
【0055】
情報処理システムは、実績証明書に非化石証書を関連付けることなく実績証明書を出力してもよい。
【0056】
ステップS11およびステップS21において、取得部12は、メニュー(「再生エネルギ」および「普通」)を区別せずに充電履歴データベース21からレコードを取得してもよい。この場合、最終合算充電量は、「再生エネルギ」に対応する充電量と「普通」に対応する充電量との合計でもよい。例えば、グループシステム40は、最終合算充電量のうち一部の充電量を再生エネルギとして改めて指定してもよい。そして、ステップS16およびステップS27において、提供者システム70または生成部15が、再生エネルギとして指定された充電量を示す実績証明書92を生成してもよい。
【0057】
本開示に係る情報処理システムは、充電器30以外の方法で電動移動体が充電される場合にも適用され得る。例えば、クラウドシステム10は、使用済のバッテリを充電済のバッテリに交換することで電動自動車を充電する充電サービスに対して、適用されてもよい。この例では、電動自動車のバッテリがサービスステーション等において交換された際に、使用済のバッテリの残量と充電済のバッテリの充電量とが電動自動車または充電サービスシステムからクラウドシステム10に送信される。収集部11は、その残量と充電量との差分を算出し、この差分を示すデータレコードを充電履歴として充電履歴データベース21に格納する。あるいは、クラウドシステム10は、走行中の電動自動車のバッテリを、路面に設置されたコイルからワイヤレスで充電する充電サービスに対して適用されてもよい。この例では、その充電量が電動自動車または充電サービスシステムからクラウドシステム10に送信される。収集部11は、その充電量を示すデータレコードを充電履歴として充電履歴データベース21に格納する。
【0058】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される情報処理方法の処理手順は上記の例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0059】
[付記]
上記の様々な例から把握されるとおり、本開示は以下に示す態様を含む。
<項目1>
所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得する取得部と、
前記充電履歴により示される前記グループの前記充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定する特定部と、
前記グループおよび前記合算充電量を示す実績証明書を出力する提供部と、
を備える情報処理システム。
<項目2>
前記提供部が、前記証明期間および前記合算充電量に対応し環境価値を取引するための環境価値証書に関連付けて前記実績証明書を出力する、
項目1に記載の情報処理システム。
<項目3>
非化石エネルギによる発電設備を示す前記実績証明書を生成する生成部を更に備える項目1または2に記載の情報処理システム。
<項目4>
前記実績証明書によって示される前記合算充電量を特定するために用いられる対象充電量を前記グループから受け付ける受付部を更に備え、
前記特定部が、前記対象充電量に基づいて前記合算充電量を特定する、
項目1~3のいずれか一つに記載の情報処理システム。
<項目5>
前記1以上のデータレコードのそれぞれが、環境価値を購入する意向があるか否かを示すフラグ情報を含み、
前記特定部が、前記購入する意向があることを示す1以上の前記データレコードによって示される前記グループの前記充電量を合算する、
項目1~4のいずれか一つに記載の情報処理システム。
<項目6>
前記特定部は、前記グループが所有あるいは管理する外部システムからの要求に応答して、前記外部システムに向けて前記合算充電量の情報を提供する、
項目1~5のいずれか一つに記載の情報処理システム。
<項目7>
少なくとも一つのプロセッサを備える情報処理システムにより実行される情報処理方法であって、
所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得するステップと、
前記充電履歴により示される前記グループの前記充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定するステップと、
前記グループおよび前記合算充電量を示す実績証明書を出力するステップと、
を含む情報処理方法。
<項目8>
所定のグループに属する1以上の利用者による1以上の電動移動体のバッテリの充電量を示す1以上のデータレコードを含む充電履歴を取得するステップと、
前記充電履歴により示される前記グループの前記充電量を所定の証明期間に亘って合算することで得られる合算充電量を特定するステップと、
前記グループおよび前記合算充電量を示す実績証明書を出力するステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【0060】
項目1,7,8においては、グループに属する利用者による電動移動体のバッテリの充電量が合算されて、そのグループおよび合算充電量を示す実績証明書が自動的に出力されるので、電動移動体の充電に伴う環境価値を容易に管理できる。
【0061】
項目2によれば、実績証明書が環境価値証書に関連付けられたかたちで出力されるので、電動移動体の充電に伴う環境価値をより容易に管理できる。
【0062】
項目3によれば、実績証明書において発電設備を確認できるので、電動移動体の充電に伴う環境価値をより容易に管理できる。
【0063】
項目4によれば、実績証明書により示される合算充電量の基準をグループが設定できるので、電動移動体の充電に伴う環境価値の運用の自由度を高めることができる。
【0064】
項目5によれば、環境価値を購入する意向があった充電のみを対象に充電量が合算されるため、その意向を反映した合算充電量をより正確に算出できる。
【0065】
項目6によれば、外部システムが合算充電量の情報を利用できるので、電動移動体の充電に伴う環境価値の汎用性を高めることができる。
【符号の説明】
【0066】
10,10A,10B…クラウドシステム(情報処理システム)、11…収集部、12…取得部、13…特定部、14…提供部、15…生成部、16…受付部、30…充電器、90…非化石証書、92…実績証明書。