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特開2024-72843医療用観察システム、制御装置、制御方法、および撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072843
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】医療用観察システム、制御装置、制御方法、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20240521BHJP
   G03B 13/36 20210101ALI20240521BHJP
   G02B 7/36 20210101ALI20240521BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20240521BHJP
   H04N 23/40 20230101ALI20240521BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20240521BHJP
   H04N 23/67 20230101ALI20240521BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
A61B1/00 735
G03B13/36
G02B7/36
G03B15/02 G
H04N23/40 300
H04N23/56
H04N23/67
A61B1/06 611
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024035156
(22)【出願日】2024-03-07
(62)【分割の表示】P 2020057664の分割
【原出願日】2020-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】鬼久保 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】川井 崇史
(57)【要約】
【課題】より精度の高いAFを実現する。
【解決手段】発光部は、手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射し、制御部は、手術領域を撮像する撮像部を制御する。また、制御部は、手術領域に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、第1の波長光と第2の波長光の発光タイミングに応じて、撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する。本開示は、例えば、内視鏡手術システムに適用することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、
前記手術領域を撮像する撮像部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する
医療用観察システム。
【請求項2】
前記制御部は、少なくとも前記第2の波長光の発光期間、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させる
請求項1に記載の医療用観察システム。
【請求項3】
前記制御部は、少なくとも前記第1の波長光を受光してAF評価値を算出するための画素の露光期間中、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させない
請求項2に記載の医療用観察システム。
【請求項4】
前記制御部は、少なくとも前記第1の波長光の発光期間、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させない
請求項2に記載の医療用観察システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の波長光に対応する露光期間の重心を基準に、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させる
請求項2に記載の医療用観察システム。
【請求項6】
前記制御部は、連続する2つの前記露光期間の重心の中間を、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動時間の中間に一致させる
請求項5に記載の医療用観察システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記フォーカスレンズのウォブリング動作とともに、前記フォーカスレンズの合焦位置への移動を制御する
請求項2に記載の医療用観察システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の波長光の発光期間において、前記フォーカスレンズの移動を完全に停止させる
請求項7に記載の医療用観察システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射される第1のモードと、前記手術領域に前記第1の波長光のみが照射される第2のモードとで、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量を異ならせる
請求項2に記載の医療用観察システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量を小さくする
請求項9に記載の医療用観察システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズをFAR側に移動させる
請求項9に記載の医療用観察システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射される第1のモードと、前記手術領域に前記第1の波長光のみが照射される第2のモードとで、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動速度を異ならせる
請求項2に記載の医療用観察システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動速度を大きくする
請求項12に記載の医療用観察システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記第2の波長光の照射時間に応じて、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量、前記フォーカスレンズの移動速度、および、前記フォーカスレンズの移動タイミングの少なくともいずれかを変更する
請求項2に記載の医療用観察システム。
【請求項15】
前記制御部は、撮像フレームレートに応じて、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量、前記フォーカスレンズの移動速度、および、前記フォーカスレンズの移動タイミングの少なくともいずれかを変更する
請求項2に記載の医療用観察システム。
【請求項16】
前記第1の波長光は、可視光であり、
前記第2の波長光は、IR光である
請求項1に記載の医療用観察システム。
【請求項17】
前記第1の波長光は、青色光であり、
前記第2の波長光は、緑色光である
請求項1に記載の医療用観察システム。
【請求項18】
手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、前記手術領域を撮像する撮像部とを制御する制御部
を備え、
前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する
制御装置。
【請求項19】
手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、前記手術領域を撮像する撮像部とを制御する制御部を備える制御装置が、
前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する
制御方法。
【請求項20】
被写体に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、
前記被写体を撮像する撮像部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作において、少なくとも前記発光部による前記第1の波長光の発光期間、前記フォーカスレンズを移動させない
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用観察システム、制御装置、制御方法、および撮像装置に関し、特に、より精度の高いAFを実現することができるようにした医療用観察システム、制御装置、制御方法、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、手術用内視鏡や手術用顕微鏡などの医療用観察装置においては、その被写界深度が浅いのに対して術野の奥行きがあるため、視認したい箇所に焦点が合わないことがある。
【0003】
これに対して、焦点を自動的に合わせるAF(Auto Focus)機能を有する医療用観察装置が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、フォーカス位置を変えながら撮影することで、ディープフォーカスの画像を、低遅延、かつ、高フレームレートで得るようにした医療用観察システムが開示されている。また、特許文献2には、ウォブリングによるフォーカス制御を行うフォーカス制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-6330号公報
【特許文献2】国際公開第2016/088187号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
AF機能を有する撮像装置においては、特許文献2に開示されているように、フォーカスレンズを合焦位置に移動させる方向を判断するため、フォーカスレンズを微小に前後させるウォブリングと呼ばれる動作を行うことがある。ウォブリング動作により、合焦状態を評価するためのAF評価値を得ることができる。
【0007】
一方、医療用観察装置では、被写体となる生体組織に、通常光と特殊光を交互に照射して観察することがある。
【0008】
しかしながら、ウォブリング動作の最中に、通常光と特殊光を交互に照射した場合、適切なAF評価値を得ることができないおそれがあった。結果として、精度の高いAFを実現することができない可能性があった。
【0009】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より精度の高いAFを実現することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の第1の側面の医療用観察システムは、手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、前記手術領域を撮像する撮像部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する医療用観察システムである。
【0011】
本開示の第1の側面の制御装置は、手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、前記手術領域を撮像する撮像部とを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御装置である。
【0012】
本開示の第1の側面の制御方法は、手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、前記手術領域を撮像する撮像部とを制御する制御部を備える制御装置が、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御方法である。
【0013】
本開示の第2の側面の撮像装置は、被写体に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、前記被写体を撮像する撮像部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作において、少なくとも前記発光部による前記第1の波長光の発光期間、前記フォーカスレンズを移動させない撮像装置である。
【0014】
本開示の第1の側面においては、手術領域に第1の波長光と第2の波長光が照射され、前記手術領域を撮像する撮像部が制御され、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作が制御される。
【0015】
本開示の第2の側面においては、被写体に第1の波長光と第2の波長光が照射され、前記被写体を撮像する撮像部が制御され、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作において、少なくとも前記発光部による前記第1の波長光の発光期間、前記フォーカスレンズが移動されない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施の形態に係る医療用観察システムの構成例を示す図である。
図2】カメラヘッドと制御装置の構成例を示すブロック図である。
図3】AF機能の制御方式について説明する図である。
図4】特殊光観察について説明する図である。
図5】ウォブリング動作の例について説明する図である。
図6】本実施の形態に係る医療用観察システムの他の構成例を示す図である。
図7】本実施の形態に係る撮像装置の構成例を示す図である。
図8】制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0017】
以下、本開示を実施するための形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
【0018】
1.システム構成
2.ウォブリング動作の例
3.変形例
4.適用例
5.ハードウェア構成
【0019】
<1.システム構成>
(医療用観察システムの構成例)
図1は、本実施の形態に係る医療用観察システムの構成例を示す図である。
【0020】
図1は、例えば、医療現場において従来の開腹手術に代わって行われる、腹部の内視鏡外科手術において用いられる内視鏡手術システムの一例を示している。
【0021】
医療用観察システム1は、挿入部11、光源装置12、ライトガイド13、カメラヘッド(撮像部)14、第1伝送ケーブル15、表示装置16、第2伝送ケーブル17、制御装置18、第3伝送ケーブル19、コネクタ20、およびコネクタ21を備える。
【0022】
挿入部11は、例えば、硬性鏡または軟性鏡(例えば、ファイバスコープ)により構成される。挿入部11は、硬質または少なくとも一部が軟質で、細長形状であり、生体内に挿入される部材である。挿入部11内には、1または複数のレンズを備え、被写体像を集光する光学系が設けられている。なお、挿入部11とカメラヘッド14は、一体型であってもよい。
【0023】
光源装置12には、ライトガイド13の一端が接続される。光源装置12は、制御装置18による制御の下、ライトガイド13の一端に、生体内を照らすための光を供給する。
【0024】
ライトガイド13は、一端が光源装置12に着脱自在に接続され、他端が挿入部11に着脱自在に接続される。ライトガイド13は、光源装置12から供給された光を一端から他端に伝達し、挿入部11に供給する。挿入部11に供給された光は、挿入部11の先端から出射され、生体内に照射される。生体内に照射され、生体内で反射された光(被写体像)は、挿入部11内の光学系により集光される。
【0025】
カメラヘッド14は、挿入部11の基端である接眼部11Aに着脱自在に接続される。
カメラヘッド14は、制御装置18による制御の下、挿入部11において集光された被写体像を撮像し、画像データ(RAWデータ)を出力する。画像データは、例えば、4K以上の画像データである。
【0026】
以下では、画像データに基づく画像を撮像画像ともいう。
【0027】
第1伝送ケーブル15は、一端がコネクタ20を介して制御装置18に着脱自在に接続され、他端がコネクタ21を介してカメラヘッド14に着脱自在に接続される。第1伝送ケーブル15は、カメラヘッド14から出力される画像データなどを制御装置18に伝送するとともに、制御装置18から出力される制御信号、同期信号、クロック信号、および電力などをカメラヘッド14にそれぞれ伝送する。
【0028】
なお、第1伝送ケーブル15を介したカメラヘッド14から制御装置18への画像データなどの伝送は、光信号および電気信号のいずれでも構わない。第1伝送ケーブル15を介した制御装置18からカメラヘッド14への制御信号、同期信号、クロック信号の伝送も同様である。
【0029】
表示装置16は、制御装置18による制御の下、制御装置18から出力される映像信号に基づく表示画像を表示する。
【0030】
第2伝送ケーブル17は、一端が表示装置16に着脱自在に接続され、他端が制御装置18に着脱自在に接続される。第2伝送ケーブル17は、制御装置18にて処理された映像信号、および制御装置18から出力される制御信号を表示装置16に伝送する。
【0031】
制御装置18は、例えば、カメラコントロールユニット(CCU)により構成され、CPU(Central Processing Unit)などを含む回路を備える。制御装置18は、光源装置12、カメラヘッド14、および表示装置16の動作を統括的に制御する。
【0032】
第3伝送ケーブル19は、一端が光源装置12に着脱自在に接続され、他端が制御装置18に着脱自在に接続される。第3伝送ケーブル19は、制御装置18からの制御信号を光源装置12に伝送する。
【0033】
(カメラヘッドと制御装置の構成例)
次に、図2を参照して、カメラヘッド14と制御装置18の構成例について説明する。
【0034】
カメラヘッド14は、レンズユニット31、レンズ駆動部32、および撮像処理部33を備える。
【0035】
レンズユニット31は、光軸に沿って移動可能な複数のレンズを備え、挿入部11において集光された被写体像を、撮像処理部33の撮像面に結像する。レンズユニット31は、フォーカスレンズ41とズームレンズ42を備える。
【0036】
フォーカスレンズ41は、1または複数のレンズにより構成され、光軸に沿って移動することにより、カメラヘッド14のフォーカスを調整する。
【0037】
ズームレンズ42は、1または複数のレンズにより構成され、光軸に沿って移動することにより、カメラヘッド14の画角を調整する。
【0038】
また、図示はしないが、レンズユニット31は、フォーカスレンズ41を光軸に沿って移動させるフォーカス機構や、ズームレンズ42を光軸に沿って移動させる光学ズーム機構を備える。
【0039】
レンズ駆動部32は、上述したフォーカス機構や光学ズーム機構を動作させるアクチュエータや、アクチュエータを駆動するドライバを備える。レンズ駆動部32は、制御装置18による制御の下、レンズユニット31の焦点や画角を調整する。
【0040】
また、レンズ駆動部32は、フォトインタラプタなどの位置センサを備える。レンズ駆動部32は、フォーカスレンズ41の位置やズームレンズ42の位置を検出し、それらの位置に応じた検出信号を制御装置18に出力する。
【0041】
撮像処理部33は、撮像素子や信号処理部などが一体形成されたセンサチップを備える。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などにより構成され、挿入部11において集光され、レンズユニット31が結像した被写体像を受光して電気信号に変換する。信号処理部は、撮像素子からの電気信号(アナログ信号)に対してA/D変換などの信号処理を行って画像データを出力する。撮像処理部33は、制御装置18による制御の下、生体内を撮像し、A/D変換後の画像データ(デジタルデータ)を出力する。
【0042】
なお、上述した信号処理部は、撮像素子と一体形成されずに別体としても構わない。また、撮像素子は、4K解像度(3840画素×2160画素)以上の画像データを出力できる画素数を有することが好ましい。
【0043】
制御装置18は、信号処理部51、制御部52、入力部53、出力部54、および記憶部55を備える。
【0044】
信号処理部51は、制御部52による制御の下、カメラヘッド14から出力された画像データ(RAWデータ)に対する各種の処理を行う。
【0045】
信号処理部51は、画像データ(RAWデータ)に対してオプティカルブラック減算処理、デモザイク処理などのRAW処理を施し、RGBデータに変換する。また、信号処理部51は、得られたRGBデータに対して、ホワイトバランス、RGBガンマ補正、およびYC変換などのRGB処理を施す。さらに、信号処理部51は、得られたY,Cb/Crデータに対して、色差補正およびノイズリダクションなどのYC処理を実行する。信号処理部51は、画像処理後の画像データを制御部52に供給する。
【0046】
また、信号処理部51は、画像処理後の画像データ(例えば、Y,Cb/Crデータ)に対して、カメラヘッド14を制御するための評価値を算出する。例えば、信号処理部51は、撮像処理部33において撮像された1フレームの撮像画像内の指定領域の画素毎の画素情報(輝度データ(Y))に基づいて、指定領域内の画像のコントラストや周波数成分を検出する。そして、信号処理部51は、検出したコントラストや周波数成分に基づいて、撮像画像(内の被写体像)の合焦状態を評価するための合焦評価値(AF評価値)を算出し、制御部52に供給する。
【0047】
制御部52は、例えば、CPUなどにより構成され、制御信号を出力することで、光源装置12、カメラヘッド14、および表示装置16の動作を制御するとともに、制御装置18全体の動作を制御する。制御部52は、フォーカス制御部61、発光制御部62、および表示制御部63を備える。
【0048】
フォーカス制御部61は、レンズ駆動部32を動作させることにより、レンズユニット31のフォーカスを調整(フォーカスレンズ41の位置を変更)する。例えば、フォーカス制御部61は、レンズ駆動部32にて検出されたフォーカスレンズ41の位置と、信号処理部51からのAF評価値に基づいて、評価処理を実行する。また、フォーカス制御部61は、入力部53からの操作情報に基づいて、フォーカスレンズ41のAF動作を制御する。
【0049】
発光制御部62は、光源装置12が備える発光部71の発光を制御する。発光部71は、被写体となる手術領域に、例えば、第1の波長帯域の光(第1波長光)として、WLI(White Light Imaging)光(例えば、波長帯域が360nm乃至760nmの光を含む可視光)などの通常光と、第2の波長帯域の光(第2波長光)として、IR(Infrared)光などの特殊光を照射するために発光する。ここでのIR光は、NIR(Near-infrared)光を含んでいてもよい。例えば、IR光は、波長帯域が760nm以上で、1000μm以下の光であってもよい。
【0050】
表示制御部63は、OSD(On Screen Display)処理などにより、信号処理部51にて処理された画像データ(Y,Cb/Crデータ)に基づいて、表示用の映像信号を生成し、表示装置16に出力する。
【0051】
入力部53は、ボタン、スイッチ、マウス、キーボード、タッチパネルなどの操作デバイスを備え、ユーザの操作を受け付ける。入力部53は、ユーザの操作により入力された入力信号を制御部52に供給する。
【0052】
出力部54は、スピーカやプリンタなどを備え、各種の情報を出力する。
【0053】
記憶部55は、制御部52が実行するプログラムや、制御部52の処理に必要な情報などを記憶する。
【0054】
表示装置16は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)などを用いた表示ディスプレイを備え、制御装置18から出力される映像信号に基づく表示画像を表示する。
【0055】
(AF機能の制御)
医療用観察システム1においては、フォーカス調整モードとして、例えば、ワンタッチAFモード、コンティニュアスAFモード、およびマニュアルモードの3つのモードが実現される。
【0056】
ワンタッチAFモードは、例えばカメラヘッド14に設けられた図示せぬ操作部に対する操作に応じて、単発的にAFを行うモードである。
【0057】
コンティニュアスAFモードは、基本的に常時(連続的に)AFを行うモードである。例えば、コンティニュアスAFモードは、撮像画像の評価を連続的に行い、得られた評価値が所定の条件を満たすときに、AFを行うモードである。コンティニュアスAFモードは、例えば入力部53に対する操作に応じて、そのオン/オフが切り替えられる。
【0058】
マニュアルモードは、例えば入力部53に対する操作に応じて、ユーザがフォーカスレンズ41を移動させるモードである。
【0059】
ワンタッチAFモードとコンティニュアスAFモードにおいては、フォーカスレンズ41の移動量の決定までは同様の処理が行われる。
【0060】
ここで、AF機能の制御方式について説明する。AF機能の制御方式としては、例えば、撮像画像のAF評価値を算出し、AF評価値が最も高くなるようにフォーカスレンズ41の位置を調整する方式(いわゆる、山登りAF方式)が主流である。
【0061】
フォーカスレンズ41の位置に対するAF評価値は、合焦位置で最大となる。したがって、AF評価値が最大値となるようにフォーカスレンズ41の位置を制御することにより、AFを実現することができる。さらに、フォーカスレンズ41を合焦位置に移動させる移動量と方向を決定するために、ウォブリング動作が行われる。
【0062】
図3に示されるように、フォーカスレンズ41に対しては、山登りAF方式による合焦位置への移動とウォブリング動作の制御が行われる。図3において、横軸は時間を示し、縦軸はフォーカスレンズ41の位置を示している。AF評価値を取得するタイミングやレンズの移動の制御、駆動の指示などは、垂直同期信号(例えば、1フィールドまたは1フレームに相当するタイミング)を基準として実行される。ここでは、1フレームに相当するタイミングを基準にして実行するものとして説明する。
【0063】
ウォブリング動作では、まず、第1の期間でフォーカスレンズ41を撮像素子から離隔する方向に一定距離移動させ、第2の期間でフォーカスレンズを一定時間停止させる。そして、第3の期間でフォーカスレンズを撮像素子に接近する方向に一定距離移動させ、第4の期間でフォーカスレンズを一定時間停止させる。これら第1の期間から第4の期間までの動作を一連の動作として、この一連の動作を繰り返し行う。第1の期間から第4の期間(その順序は問わない)までがウォブリングの1周期とされる。
【0064】
第2の期間および第4の期間のAF評価値を検出し、その差を算出することにより、ウォブリング動作によるAF評価値の変動成分を得ることができる。この変動成分の正負を判定することで、フォーカスレンズ41を合焦位置に移動させる方向と移動量が決定される。
【0065】
ところで、手術用内視鏡や手術用顕微鏡においては、特殊光観察と呼ばれる観察手法が知られている。特殊光観察では、WLI光などの通常光と、IR光などの特殊光を交互に照射し、通常光だけでは得られない画像を得る観察手法である。
【0066】
図4は、通常光観察により得られた画像と、特殊光観察により得られた画像を比較する図である。
【0067】
図4のA図には、WLI光のみを照射して得られたWLI画像が示されており、B図には、IR光を照射して得られたIR画像が、WLI画像に重畳された重畳画像が示されている。IR画像は、輝度データからなる輝度画像であるため、擬似色でハイライトされたIR画像が、WLI画像に重畳される。
【0068】
図4に示されるように、IR光を用いた特殊光観察においては、被写体となる生体組織に投与されたICG(インドシアングリーン)がIR光により励起されて生じた蛍光を受光して得られた輝度画像により、血管深部が強調表示される。
【0069】
特殊光観察において、WLI光とIR光が交互に照射されている場合、上述したAF機能により、WLI画像のAF評価値に加え、IR画像のAF評価値も算出される。
【0070】
しかしながら、IR画像は、不鮮明な輝度画像となる傾向があることから、IR画像のAF評価値を、ウォブリング動作によりフォーカスレンズ41を移動させる方向と移動量を決定するために用いることは適切ではなかった。
【0071】
そこで、本実施の形態に係る医療用観察システムにおいては、通常光(WLI光)と特殊光(IR光)の発光タイミングに応じて、フォーカスレンズ41のウォブリング動作を制御することを実現する。
【0072】
<2.ウォブリング動作の例>
図5を参照して、医療用観察システム1における、WLI光とIR光の発光タイミングに応じたフォーカスレンズ41のウォブリング動作の例について説明する。
【0073】
図5には、垂直同期信号、IR光の発光(IR発光)、WLI光の発光(WLI発光)、露光、および、フォーカスレンズ41のウォブリング動作のタイミングが示されている。なお、図3においては、ウォブリング動作以外にも、山登りAF方式によるフォーカスレンズ41の移動が図示されていたが、図5においては、ウォブリング動作のみが図示される。
【0074】
図5に示されるように、制御部52(発光制御部62)は、発光部71を制御することで、垂直同期信号に同期して、WLI光とIR光を交互に発光させる。図5の例では、発光部71は、垂直同期信号の1周期の後半0.5周期の期間で、WLI光またはIR光を照射する。
【0075】
また、図5に示されるように、WLI光の発光期間に対応する露光(読み出し)と、IR光の発光期間に対応する露光(読み出し)が交互に行われる。これにより、WLI画像とIR画像が交互に撮像される。
【0076】
さらに、図5に示されるように、WLI光の発光期間に対応する露光とIR光の発光期間に対応する露光の切り替えタイミングは、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズ41の移動期間と停止期間の切り替えタイミングと同期している。
【0077】
言い換えると、WLI光の発光期間とIR光の発光期間は、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズ41の移動期間と停止期間と同期している。このとき、制御部52(フォーカス制御部61)は、WLI光とWLI光の発光タイミングに応じて、フォーカスレンズ41のウォブリング動作を制御する。より具体的には、フォーカス制御部61は、少なくともWLI光の発光期間、ウォブリング動作においてフォーカスレンズ41を移動させず、少なくともIR光の発光期間、ウォブリング動作においてフォーカスレンズ41を移動させる。
【0078】
また、AF評価値を用いた評価処理(フォーカスレンズ41の移動量と方向の決定)は、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズ41の停止期間(WLI画像の露光期間)に行われ、その結果がフォーカスレンズ41の次の移動に用いられる。評価処理においては、ウォブリング動作における1つ前の停止期間に撮像されたWLI画像から算出されたAF評価値と、2つ前の停止期間に撮像されたWLI画像から算出されたAF評価値が取得される。なお、AF評価値を用いた評価処理では、少なくとも2つのWLI画像から算出されたAF評価値が取得されればよい。なお、フォーカス制御部61は、少なくともWLI光を受光してAF評価値を算出するための画素の露光期間中、ウォブリング動作においてフォーカスレンズ41の移動がなされないように制御してもよい。例えば、ウォブリング動作において使用されるAF評価値を算出するための画素が、撮像素子の中央周辺に位置する画素の場合、その中央周辺に位置する画素がWLI光を露光している期間においてはフォーカスレンズ41を移動させず、それ以外の画像がWLI光を露光している期間においてはフォーカスレンズ41を移動させるようにする。これにより、例えば内視鏡画像において、スコープによるケラレによって暗くなる無効領域の露光期間中にフォーカスレンズを移動させることで、フォーカスレンズの移動時間をより長く確保することができる。
【0079】
以上の動作によれば、AF評価値の算出に用いられないIR画像の露光期間(IR光の発光期間)に、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズ41の移動がなされる。すなわち、ウォブリング動作において、WLI画像の撮像時にはフォーカスレンズ41が移動しないため、ピント揺れを低減することができる上、鮮明な2つのWLI画像から算出されたAF評価値を用いた評価処理(フォーカスレンズ41の移動量と方向の決定)を行うことができる。
【0080】
このように、WLI光などの通常光とIR光などの特殊光を交互に照射する特殊光観察においてウォブリング動作を行う場合であっても、適切なAF評価値を得ることができ、より精度の高いAFを実現することが可能となる。
【0081】
なお、上述したように、IR光の発光期間に対応してIR画像が撮像されるが、そのIR画像からもAF評価値は算出される。しかしながら、IR画像から算出されたAF評価値は、制御装置18の記憶部55に記憶されないか、または、記憶部55に記憶されたとしても、評価処理には用いられないようにする。
【0082】
本実施の形態に係る医療用観察システム1によるウォブリング動作においては、図5に示されるように、WLI光に対応する露光期間の重心を基準に、ウォブリング動作においてフォーカスレンズ41が移動するようになされる。具体的には、連続する2つのWLI光に対応する露光期間(AF評価値の算出に用いる露光期間)の重心の中間(IR光に対応する露光期間の重心)が、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズ41の移動時間の中間に一致するようになされる。露光期間の重心は、撮像素子の中央に位置する画素の露光時間とされてもよい。
【0083】
これにより、ウォブリング動作の評価処理において、2つのWLI画像から算出されたAF評価値を比較するにあたり、それぞれのAF評価値を均等にすることができる。
【0084】
なお、図3を参照して説明したように、フォーカスレンズ41のウォブリング動作とともに、山登りAF方式によるフォーカスレンズ41の合焦位置への移動が制御されるが、WLI光の発光期間において、フォーカスレンズ41の移動を完全に停止させてもよい。これにより、WLI画像におけるローリングシャッタ歪みを低減することができる。
【0085】
<3.変形例>
(特殊光観察モードと通常光観察モード)
本実施の形態に係る医療用観察システムは、被写体となる手術領域に、上述したような、通常光と特殊光を交互に照射する特殊光観察モードの他、通常光のみを照射する通常光観察モードで動作することができる。通常光観察モードにおいては、発光タイミングなどによらずにウォブリング動作が行われる。
【0086】
この場合、特殊光観察モードと通常光観察モードとで、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量を異ならせるようにしてもよい。また、特殊光観察モードと通常光観察モードとで、山登りAF動作におけるフォーカスレンズの移動量を異ならせるようにしてもよい。ここで、移動量を異ならせるとは、フォーカスレンズを移動させる距離を異ならせることをいう。
【0087】
例えば、特殊光観察モードにおいては、通常光観察モードより、ウォブリング動作におけるIR光の発光期間でのフォーカスレンズの移動量を小さくしてもよい。ユーザは、フォーカスを合わせたい箇所に既にフォーカスが合っているときに、通常光観察モードから特殊光観察モードに切り替えることが多い。そのため、特殊光観察モードにおいては、さほど大きくフォーカスレンズを移動させる必要はない。さらに、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量を小さくすることで、ウォブリング動作による画像の乱れの影響を低減することができる。また、例えば、特殊光観察モードにおいては、通常光観察モードより、山登りAF動作の移動量を小さくしてもよい。さらに、特殊光観察モードにおいては、第2の波長光の発光期間の山登りAF動作における移動量を、第1の波長光の発光期間の山登りAF動作における移動量より小さくしてもよい。これにより、第2の波長光の照射時間や、第2の波長光における撮像フレームレートを柔軟に設定することができる。また、特殊光観察モードにおいては、通常光観察モードより、ウォブリング動作におけるIR光の発光期間でのフォーカスレンズの移動量を大きくしてもよい。通常光観察モードと特殊光観察モードとでは、術者が観察したい観察対象が異なる可能性がある。そこで、特殊光観察モードにおいて、フォーカスレンズの移動量を通常光観察モードより大きくすることで、通常光観察モードとは異なる観察対象にフォーカスを合わせることができる。
【0088】
さらに、特殊光観察における焦点は、通常光観察における焦点より奥側にあることから、特殊光観察モードにおいては、通常光観察モードより、ウォブリング動作においてフォーカスレンズをFAR側に移動させてもよい。同様に、特殊光観察モードにおいては、通常光観察モードより、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの基準位置をFAR側に移動させてもよい。
【0089】
また、特殊光観察モードと通常光観察モードとで、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動速度を異ならせるようにしてもよい。また、特殊光観察モードと通常光観察モードとで、山登りAF動作におけるフォーカスレンズの移動速度を異ならせるようにしてもよい。
【0090】
例えば、特殊光観察モードにおいては、通常光観察モードより、ウォブリング動作におけるIR光の発光期間でのフォーカスレンズの移動速度を高くしてもよい。これにより、IR光の発光期間を短くする必要が生じた場合に、十分なウォブリング動作を行うことが可能となる。また、例えば、特殊光観察モードにおいては、通常光観察モードより、山登りAF動作の移動速度を大きくしてもよい。これにより、評価値への影響を抑えながら、フォーカスレンズをより早く合焦位置に移動させることができる。また、通常光の発光時の移動量を少なくし、IR光の発光時の移動量を大きくすることで、合焦時間の増大を抑えつつ、ローリングシャッタの影響を抑えて、より正確な評価値を取得することも可能となる。さらに、特殊光観察モードにおいては、第2の波長光の発光期間の山登りAF動作における移動速度を、第1の波長光の発光期間の山登りAF動作における移動速度より大きくしてもよい。これにより、第2の波長光の照射時間や、第2の波長光における撮像のフレームレートを柔軟に設定することができる。
【0091】
上述したように、特殊光観察モードと通常光観察モードとで、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量や移動速度を異ならせるようにした場合、特殊光観察モードでは、IR光の照射時間に応じて移動量や移動速度を変化させて、ウォブリング動作においてフォーカスレンズを移動させてもよい。同様に、特殊光観察モードでは、撮像フレームレートに応じて移動量や移動速度を変化させて、ウォブリング動作においてフォーカスレンズを移動させてもよい。これにより、特殊光観察モードにおいて、第1の波長光と第2の波長光の照射時間を異ならせたり、フレームレートを異ならせたりすることが容易となり、設計自由度を向上させることができる。
【0092】
また、画像認識により、術部となる臓器にフォーカスが合っていると判定された場合に、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量を小さくしてもよい。画像認識には、例えば、ニューラルネットワークを用いた機械学習による画像認識を用いることができる。さらに、上述した例では、少なくとも2つのAF評価値に基づいてフォーカスレンズの移動量が決定されるものとしたが、機械学習を用いてウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量が決定されるようにしてもよい。これら機械学習のパラメータは、術式によって変更されるようにしてもよい。
【0093】
(トラブル発生時の動作)
・IR光の発光が停止した場合
ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動時に、IR光の発光が停止した場合、その場でフォーカスレンズを停止させるのではなく、定められた移動量だけ移動し終えた後、基準位置に戻すようにしてもよい。特殊光観察モードから通常光観察モードに切り替わると、得られる撮像画像が若干乱れるため、フォーカスレンズを基準位置に戻してからしばらくの間停止させる。
【0094】
・AF評価値の変動成分が小さい場合
ウォブリング動作によるAF評価値の変動成分が小さい場合、評価処理が行えない可能性があるので、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量を大きくしてもよい。この場合、IR光の発光期間だけでなく、WLI光の発光期間にも、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動がなされるようにしてもよい。
【0095】
(内視鏡手術システムに特化した動作)
・機種に応じたウォブリング動作
接続される挿入部(スコープ)やカメラヘッドによって、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量を変更してもよい。例えば、耳鼻科などで用いられる口径の小さいスコープでは、腹腔鏡手術などで使用される口径の大きいスコープと比べて、被写界深度が深い。そのため、高精度のAF評価値を得るには、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量を大きくするようにする。また、制御装置が、術式に合わせた複数のモードを記憶している場合、その制御装置が、ユーザにより選択された術式のモードに合わせて、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量を変更してもよい。例えば、「関節鏡検査モード」、「膀胱鏡検査モード」、「耳鼻咽喉/頭蓋骨検査モード」、「子宮鏡検査モード」、「腹腔鏡検査モード」を備え、それぞれのモードに対してウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動量を変更してもよい。
【0096】
・挿入部の口径に応じたウォブリング動作
接続される挿入部(スコープ)の口径やカメラヘッドによって、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動回数を変更してもよい。例えば、耳鼻科などで用いられる口径の小さいスコープでは、腹腔鏡手術などで使用される口径の大きいスコープと比べて、被写界深度が深い。そのため、高精度のAF評価値を得るには、ウォブリング動作におけるフォーカスレンズの移動回数を増やすようにする。
【0097】
・挿入部の挿入/抜去に応じたウォブリング動作
挿入部(スコープ)の挿入/抜去が検出されるようにし、ウォブリング動作中にスコープの抜去が検出された場合、ウォブリング動作を停止させるようにしてもよい。これにより、抜去の動きによりアクチュエータが破損することを防ぐことができる。また、スコープが抜去されている間も、ウォブリング動作を行わせないことが好ましい。
【0098】
・挿入部の接続状態に応じたウォブリング動作
挿入部(スコープ)とカメラヘッドとの接続が検出されるようにし、スコープの交換などによりスコープの接続が検出されていない場合、ウォブリング動作を行わせないようにしてもよい。
【0099】
(発光部が照射する光の波長帯域)
以上においては、第1の波長光としてWLI光(通常光)が照射され、第2の波長光としてIR光(特殊光)が照射されるものとした。これに限らず、例えば、第1の波長光として青色光が照射され、第2の波長光として緑色光や紫外光が照射されるようにしてもよい。また、第2の波長光の照射時間に、IR光と紫外光が同時に照射されるようにしてもよいし、IR光と紫外光が順番に照射されるようにしてもよい。
【0100】
<4.適用例>
(手術用ビデオ顕微鏡装置)
次に、図6を参照して、本実施の形態に係る医療用観察システムの他の適用例として、アームを備えた手術用ビデオ顕微鏡装置が用いられる場合の一例について説明する。
【0101】
図6は、患者の体内を観察する観察用医療機器としての手術用ビデオ顕微鏡装置を用いた顕微鏡手術システムの一例を示している。
【0102】
図6には、施術者(ユーザ)220である医師が、例えばメス、鑷子、鉗子などの手術用の器具221を使用して、施術台230上の施術対象(患者)240に対して手術を行っている様子が示されている。
【0103】
なお、以下の説明において、施術とは、手術や検査など、ユーザ220である医師が施術対象240である患者に対して行う各種の医療的な処置の総称であるものとする。また、図6の例では、施術の一例として手術の様子が示されているが、手術用ビデオ顕微鏡装置210が用いられる施術は手術に限定されず、他の各種の施術であってもよい。
【0104】
施術台230の脇には、本実施の形態に係る手術用ビデオ顕微鏡装置210が設けられる。
【0105】
手術用ビデオ顕微鏡装置210は、基台であるベース部211、ベース部211から延伸するアーム部212、そして、アーム部212の先端に先端ユニットとして接続される撮像ユニット215を備える。
【0106】
アーム部212は、複数の関節部213a,213b,213c、関節部213a,213bによって連結される複数のリンク214a,214b、そして、アーム部212の先端に設けられる撮像ユニット215を有する。
【0107】
図6の例では、簡単のため、アーム部212は3つの関節部213a乃至213cと2つのリンク214a,214bを有している。実際には、アーム部212と撮像ユニット215の位置および姿勢の自由度を考慮して、所望の自由度を実現するように関節部213a乃至213cとリンク214a,214bの数や形状、関節部213a乃至213cの駆動軸の方向などが適宜設定されてもよい。
【0108】
関節部213a乃至213cは、リンク214a,214bを互いに回動可能に連結する機能を有し、関節部213a乃至213cの回転が駆動されることにより、アーム部212の駆動が制御される。
【0109】
アーム部212の先端には、先端ユニットとして撮像ユニット215が接続されている。
【0110】
撮像ユニット215は、被写体の光学像を取得する光学系を含むことで、撮像対象の画像を取得するユニットであり、例えば動画像や静止画像を撮像できるカメラなどとして構成される。図6に示されるように、アーム部212の先端に設けられた撮像ユニット215が、施術対象240の施術部位の様子を撮像するように、手術用ビデオ顕微鏡装置210によってアーム部212と撮像ユニット215の姿勢や位置が制御される。
【0111】
なお、アーム部212の先端に先端ユニットとして接続される撮像ユニット215の構成は特に限定されず、例えば、撮像ユニット215は、内視鏡や顕微鏡として構成されてもよい。また、撮像ユニット215は、アーム部212に対して着脱可能に構成されてもよい。
【0112】
このような構成により、例えば、利用用途に応じた撮像ユニット215が、アーム部212の先端に先端ユニットとして適宜接続されてもよい。なお、ここでは、先端ユニットとして撮像ユニット215が適用されている場合に着目して説明するが、アーム部212の先端に接続される先端ユニットは、必ずしも撮像ユニット215に限定されないことは言うまでもない。
【0113】
また、ユーザ220と対向する位置には、モニタやディスプレイなどの表示装置250が設置される。撮像ユニット215により取得された施術部位の画像は、例えば、手術用ビデオ顕微鏡装置210に内蔵または外付けされた画像処理装置により、各種画像処理が施されたうえで、表示装置250の表示画面に電子画像として表示される。
【0114】
このような構成により、ユーザ220は、表示装置250の表示画面に表示される施術部位の電子画像を見ながら各種の処置(例えば手術など)を行うことが可能となる。
【0115】
ここで、図6の例では、撮像ユニット215が、例えば、図2を参照して説明したカメラヘッド14と光源装置12(発光部71)を含む。また、撮像ユニット215により取得された施術部位の画像に対して、各種画像処理を施す画像処理装置が、図2を参照して説明した制御装置の一例に相当する。同様に、表示装置250が、図2を参照して説明した表示装置16の一例に相当する。
【0116】
(一般的な撮像システム)
本開示に係る技術は、医療用観察システムに限らず、一般的な撮像システムに適用することもできる。
【0117】
図7は、一般的な撮像システムの一例である撮像装置の構成例を示している。図7の撮像装置310は、例えば民生用カメラとして構成される。
【0118】
撮像装置310は、レンズユニット331、レンズ駆動部332、撮像処理部333、信号処理部351、制御部352、入力部353、出力部354、記憶部355、および発光部356を備える。
【0119】
レンズユニット331、レンズ駆動部332、および撮像処理部333は、図2のカメラヘッド14が備えるレンズユニット31、レンズ駆動部32、および撮像処理部33にそれぞれ対応する。すなわち、レンズユニット331が備えるフォーカスレンズ341とズームレンズ342もまた、図2のレンズユニット31が備えるフォーカスレンズ41とズームレンズ42にそれぞれ対応する。
【0120】
信号処理部351、制御部352、入力部353、出力部354、および記憶部355は、図2の制御装置18が備える信号処理部51、制御部52、入力部53、出力部54、および記憶部55それぞれに対応する。すなわち、制御部352が備えるフォーカス制御部361、発光制御部362、および表示制御部363もまた、図2の制御部52が備えるフォーカス制御部61、発光制御部62、および表示制御部63にそれぞれ対応する。
【0121】
発光部356は、図2の光源装置12が備える発光部71に対応する。
【0122】
以上の構成においても、第1の波長光(通常光)と第2の波長光(特殊光)を交互に照射する観察モードにおいてウォブリング動作を行う場合であっても、適切なAF評価値を得ることができ、より精度の高いAFを実現することが可能となる。
【0123】
<5.ハードウェア構成>
次に、図8を参照して、本実施の形態に係る医療用観察システムを構成する制御装置のハードウェア構成の一例について、詳細に説明する。
【0124】
図8は、本実施の形態に係る医療用観察システムを構成する制御装置500のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0125】
図8に示されるように、制御装置500は、CPU501,ROM503,およびRAM505を備えている。さらに、制御装置500は、ホストバス507、ブリッジ509、外部バス511、インタフェース513、入力装置515、出力装置517、およびストレージ装置519を備えている。なお、制御装置500は、ドライブ521、接続ポート523、通信装置525を備えてもよい。
【0126】
CPU501は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM503,RAM505、ストレージ装置519、またはリムーバブル記録媒体527に記録された各種プログラムに従って、制御装置500内の動作全般またはその一部を制御する。
【0127】
ROM503は、CPU501が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM505は、CPU501が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。これらは、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス507により相互に接続されている。なお、図2を参照して説明した制御装置18の制御部52の各構成は、例えばCPU501により実現される。
【0128】
ホストバス507は、ブリッジ509を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス511に接続されている。外部バス511には、インタフェース513を介して、入力装置515、出力装置517、ストレージ装置519、ドライブ521、接続ポート523、および通信装置525が接続される。
【0129】
入力装置515は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー、およびペダルなど、ユーザが操作する操作手段である。また、入力装置515は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、制御装置500の操作に対応した携帯電話やPDAなどの外部接続機器529であってもよい。
【0130】
入力装置515は、例えば、上述した操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU501に出力する入力制御回路などから構成されている。
【0131】
ユーザは、入力装置515を操作することにより、制御装置500に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0132】
出力装置517は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。具体的には、出力装置517は、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置、およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置、プリンタ装置などとして構成される。
【0133】
出力装置517は、例えば、制御装置500が行った各種の処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、制御装置500が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データなどからなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。なお、図2を参照して説明した光源装置12および表示装置16は、例えば、出力装置517により実現される。
【0134】
ストレージ装置519は、制御装置500の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置519は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。ストレージ装置519は、CPU501が実行するプログラムや各種データなどを格納する。
【0135】
ドライブ521は、記録媒体用リーダライタであり、制御装置500に内蔵されるか、または外付けされる。ドライブ521は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体527に記録されている情報を読み出して、RAM505に出力する。また、ドライブ521は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体527に記録を書き込むことも可能である。
【0136】
リムーバブル記録媒体527は、例えば、DVDメディア、HD-DVDメディア、またはBlu-ray(登録商標)メディアなどである。また、リムーバブル記録媒体527は、コンパクトフラッシュ(登録商標)、フラッシュメモリ、またはSD(Secure Digital)メモリカードなどであってもよい。さらに、リムーバブル記録媒体527は、例えば、非接触型ICチップを搭載したIC(Integrated Circuit)カード、または電子機器などであってもよい。
【0137】
接続ポート523は、外部接続機器529を制御装置500に直接接続するためのポートである。接続ポート523の一例としては、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどがある。接続ポート523の別の例としては、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどがある。接続ポート523に外部接続機器529を接続することで、制御装置500は、外部接続機器529から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器529に各種のデータを提供したりする。
【0138】
通信装置525は、例えば、通信網(ネットワーク)531に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置525は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどである。また、通信装置525は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または各種通信用のモデムなどであってもよい。
【0139】
通信装置525は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IPなどの所定のプロトコルに則して信号を送受信することができる。また、通信装置525に接続される通信網531は、有線または無線によって接続されたネットワークなどにより構成されるようにしてもよい。通信網531は、例えば、インターネットや家庭内LANであってもよいし、赤外線通信、ラジオ波通信、または衛星通信が行われる通信網であってもよい。
【0140】
上述した制御装置500の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。したがって、本実施の形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0141】
さらに、本実施の形態に係る医療用観察システムを構成する制御装置500の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータなどに実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することも可能である。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、コンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0142】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0143】
例えば、本開示は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0144】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0145】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0146】
また、本開示は以下のような構成をとることができる。
(1)
手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、
前記手術領域を撮像する撮像部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する
医療用観察システム。
(2)
前記制御部は、少なくとも前記第2の波長光の発光期間、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させる
(1)に記載の医療用観察システム。
(3)
前記制御部は、少なくとも前記第1の波長光を受光してAF評価値を算出するための画素の露光期間中、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させない
(2)に記載の医療用観察システム。
(4)
前記制御部は、少なくとも前記第1の波長光の発光期間、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させない
(2)に記載の医療用観察システム。
(5)
前記制御部は、前記第1の波長光に対応する露光期間の重心を基準に、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させる
(2)に記載の医療用観察システム。
(6)
前記制御部は、連続する2つの前記露光期間の重心の中間を、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動時間の中間に一致させる
(5)に記載の医療用観察システム。
(7)
前記制御部は、前記フォーカスレンズのウォブリング動作とともに、前記フォーカスレンズの合焦位置への移動を制御する
(2)乃至(6)のいずれかに記載の医療用観察システム。
(8)
前記制御部は、前記第1の波長光の発光期間において、前記フォーカスレンズの移動を完全に停止させる
(7)に記載の医療用観察システム。
(9)
前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射される第1のモードと、前記手術領域に前記第1の波長光のみが照射される第2のモードとで、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量を異ならせる
(2)乃至(8)のいずれかに記載の医療用観察システム。
(10)
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量を小さくする
(9)に記載の医療用観察システム。
(11)
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズをFAR側に移動させる
(9)に記載の医療用観察システム。
(12)
前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射される第1のモードと、前記手術領域に前記第1の波長光のみが照射される第2のモードとで、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動速度を異ならせる
(2)乃至(8)のいずれかに記載の医療用観察システム。
(13)
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動速度を大きくする
(12)に記載の医療用観察システム。
(14)
前記制御部は、前記第2の波長光の照射時間に応じて、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量、前記フォーカスレンズの移動速度、および、前記フォーカスレンズの移動タイミングの少なくともいずれかを変更する
(2)乃至(8)のいずれかに記載の医療用観察システム。
(15)
前記制御部は、撮像フレームレートに応じて、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量、前記フォーカスレンズの移動速度、および、前記フォーカスレンズの移動タイミングの少なくともいずれかを変更する
(2)乃至(8)のいずれかに記載の医療用観察システム。
(16)
前記第1の波長光は、可視光であり、
前記第2の波長光は、IR光である
(1)乃至(15)のいずれかに記載の医療用観察システム。
(17)
前記第1の波長光は、青色光であり、
前記第2の波長光は、緑色光である
(1)乃至(15)のいずれかに記載の医療用観察システム。
(18)
手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、前記手術領域を撮像する撮像部とを制御する制御部
を備え、
前記制御部は、前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する
制御装置。
(19)
手術領域に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、前記手術領域を撮像する撮像部とを制御する制御部を備える制御装置が、
前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する
制御方法。
(20)
被写体に第1の波長光と第2の波長光を照射する発光部と、
前記被写体を撮像する撮像部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作において、少なくとも前記発光部による前記第1の波長光の発光期間、前記フォーカスレンズを移動させない
撮像装置。
【符号の説明】
【0147】
1 医療用観察システム, 11 挿入部, 12 光源装置, 14 カメラヘッド, 16 表示装置, 18 制御装置, 31 レンズユニット, 41 フォーカスレンズ, 52 制御部, 61 フォーカス制御部, 62 発光制御部, 71 発光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織を撮像する撮像部を制御し、前記生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させる
医療用観察システム。
【請求項2】
前記制御部は、少なくとも前記第1の波長光を受光してAF評価値を算出するための画素の露光期間中、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズを移動させない
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項3】
前記手術領域に前記第1の波長光と前記第2の波長光を照射する発光部をさらに備える
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項4】
前記制御部は、連続する2つの前記露光期間の重心の中間を、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動時間の中間に一致させる
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記フォーカスレンズのウォブリング動作とともに、前記フォーカスレンズの合焦位置への移動を制御する
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の波長光の発光期間において、前記フォーカスレンズの移動を完全に停止させる
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記生体組織に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射される第1のモードと、前記生体組織に前記第1の波長光のみが照射される第2のモードとで、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量を異ならせる
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量を小さくする
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作において前記フォーカスレンズをFAR側に移動させる
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記生体組織に前記第1の波長光と前記第2の波長光が交互に照射される第1のモードと、前記生体組織に前記第1の波長光のみが照射される第2のモードとで、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動速度を異ならせる
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記第1のモードにおいて、前記第2のモードより、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動速度を大きくする
請求項10に記載の医療用観察システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記第2の波長光の照射時間に応じて、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量、前記フォーカスレンズの移動速度、および、前記フォーカスレンズの移動タイミングの少なくともいずれかを変更する
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項13】
前記制御部は、撮像フレームレートに応じて、前記ウォブリング動作における前記フォーカスレンズの移動量、前記フォーカスレンズの移動速度、および、前記フォーカスレンズの移動タイミングの少なくともいずれかを変更する
請求項に記載の医療用観察システム。
【請求項14】
前記第1の波長光は、可視光であり、
前記第2の波長光は、IR光である
請求項1に記載の医療用観察システム。
【請求項15】
前記第1の波長光は、青色光であり、
前記第2の波長光は、緑色光である
請求項1に記載の医療用観察システム。
【請求項16】
生体組織を撮像する撮像部制御し、前記生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御部
を備え、
前記制御部は、前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させる
制御装置。
【請求項17】
生体組織を撮像する撮像部制御し、前記生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御部を備える制御装置が、
前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させる
制御方法。
【請求項18】
生体組織を撮像する撮像部を制御し、生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させる
撮像装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本開示の医療用観察システムは、生体組織を撮像する撮像部を制御し、前記生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させる医療用観察システムである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本開示の制御装置は、生体組織を撮像する撮像部制御し、生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させる制御装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本開示の制御方法は、生体組織を撮像する撮像部制御し、前記生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御部を備える制御装置が、前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させる制御方法である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本開示の撮像装置は、生体組織を撮像する撮像部を制御し、生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズを移動させる撮像装置である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本開示おいては、生体組織を撮像する撮像部が制御され、前記生体組織に第1の波長光と第2の波長光が交互に照射されているとき、前記第1の波長光と前記第2の波長光の発光タイミングに応じて、前記撮像部が有するフォーカスレンズのウォブリング動作が制御され、前記ウォブリング動作の同一周期内において、前記第1の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズが移動させられず、前記第2の波長光の発光期間に前記フォーカスレンズが移動させられる
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】