IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クボタの特許一覧

<>
  • 特開-電動トラクタ 図1
  • 特開-電動トラクタ 図2
  • 特開-電動トラクタ 図3
  • 特開-電動トラクタ 図4
  • 特開-電動トラクタ 図5
  • 特開-電動トラクタ 図6
  • 特開-電動トラクタ 図7
  • 特開-電動トラクタ 図8
  • 特開-電動トラクタ 図9
  • 特開-電動トラクタ 図10
  • 特開-電動トラクタ 図11
  • 特開-電動トラクタ 図12
  • 特開-電動トラクタ 図13
  • 特開-電動トラクタ 図14
  • 特開-電動トラクタ 図15
  • 特開-電動トラクタ 図16
  • 特開-電動トラクタ 図17
  • 特開-電動トラクタ 図18
  • 特開-電動トラクタ 図19
  • 特開-電動トラクタ 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072868
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】電動トラクタ
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20240521BHJP
   B62D 49/00 20060101ALI20240521BHJP
   B62D 25/10 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B62D49/00 D
B62D49/00 N
B62D25/10 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024042601
(22)【出願日】2024-03-18
(62)【分割の表示】P 2020168258の分割
【原出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高木 剛
(72)【発明者】
【氏名】河端 真一
(57)【要約】
【課題】バッテリの充電を容易に行うことができる電動トラクタを提供する。
【解決手段】運転席及び操縦部が搭載された車体、走行装置、ボンネット、電動モータ、バッテリ及び充電用コネクタを備え、操縦部は、ステアリングハンドルを含む操作部材の下部側を覆うカバー体を有し、カバー体は、オペレータの足を置くフロアより上方に突出するようにボンネットの後方に配置され、ステアリングハンドルは、カバー体の背面上部に配置され、充電用コネクタは、ステアリングハンドルの中心よりも前方に配置され且つ接続端子部を有するコネクタ本体と、コネクタ本体の接続端子部側を開閉可能に塞ぐキャップと、配線端子部とを有し、キャップは、枢支部を有し該枢支部が軸回りに回動するようにコネクタ本体に取り付けられ、配線端子部は、充電用コネクタとバッテリとの間を接続する接続配線が接続され、コネクタ本体の背面に突出してカバー体内に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席及び前記運転席の周囲に設けられた操縦部を含む運転部と、
前記運転部が搭載された車体と、
前記車体を走行可能に支持する走行装置と、
前記走行装置を駆動する電動モータと、
前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリの充電を行うための充電用コネクタと、
前記運転席の前方且つ下方に設けられたフロアであってオペレータの足を置くためのフロアと、
前記運転席の前方であって前記フロアより前方に配置されたボンネットと、
を備え、
前記車体は、前記ボンネットの下方に位置する車体フレームを有し、
前記バッテリは、前記車体フレームの上方でかつ、前記ボンネットの下方に配置されており、
前記操縦部は、ステアリングハンドルを含む操作部材と、前記操作部材の下部側を覆うカバー体とを有し、
前記カバー体は、前記フロアより上方に突出するように、かつ、前記ボンネットの後方に配置され、
前記ステアリングハンドルは、前記カバー体の背面上部に配置され、
前記充電用コネクタは、前記ステアリングハンドルの中心よりも前方に配置され、さらに、前記充電用コネクタは、接続端子部を有するコネクタ本体と、該コネクタ本体の接続端子部側を開閉可能に塞ぐキャップと、配線端子部とを有し、
前記コネクタ本体は、前記ステアリングハンドルよりも車幅方向外方に配置され、
前記キャップは、枢支部を有し該枢支部が軸回りに回動するように前記コネクタ本体に取り付けられており、
前記配線端子部は、前記充電用コネクタと前記バッテリとの間を接続する接続配線が接続され、前記コネクタ本体の背面に突出して前記カバー体内に配置される電動トラクタ。
【請求項2】
前記カバー体の側方は、充電する際に前記充電用コネクタの下方の前記フロアに足を掛けることができるように開放状とされている請求項1に記載の電動トラクタ。
【請求項3】
前記充電用コネクタは、前記カバー体の外面側に前記操縦部の外方に露出して配置されている請求項1または2に記載の電動トラクタ。
【請求項4】
前記運転部は、前記操縦部として、前記運転席の前方に配置された前部操縦部及び前記運転席の側方に配置された側部操縦部を有しており、
前記充電用コネクタは、前記ステアリングハンドルを基準として、前記側部操縦部と車幅方向で同一方向に配置されている請求項1~3のいずれか1項に記載の電動トラクタ。
【請求項5】
前記フロアに配置されたペダルであって前記走行装置の変速を行うためのペダルを備え、
前記充電用コネクタは、前記ペダルよりも上方に配置され、かつ、車幅方向で前記フロアの最外部よりも内側に配置されている請求項1~4のいずれか1項に記載の電動トラクタ。
【請求項6】
前記充電用コネクタは、前記カバー体の側面側に車幅方向外方を向くように配置されている請求項1~5のいずれか1項に記載の電動トラクタ。
【請求項7】
前記充電用コネクタは、前記カバー体の外側面の上部に配置されている請求項1~6のいずれか1項に記載の電動トラクタ。
【請求項8】
前記充電用コネクタは、前記カバー体の外面における前記運転席の座部と略同じ高さ位置に配置されている請求項1~7のいずれか1項に記載の電動トラクタ。
【請求項9】
運転席及び前記運転席の周囲に設けられた操縦部を含む運転部と、
前記運転部が搭載された車体と、
前記車体を走行可能に支持する走行装置と、
前記走行装置を駆動する電動モータと、
前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリの充電を行うための充電用コネクタと、
前記充電用コネクタが取り付けられるコネクタブラケットと、
前記運転席の前方且つ下方に設けられたフロアであってオペレータの足を置くためのフロアと、
前記運転席の前方且つ前記フロアより前方に配置されたボンネットと、
を備え、
前記車体は、前記ボンネットの下方に位置する車体フレームを有し、
前記バッテリは、前記車体フレームの上方でかつ、前記ボンネットの下方に配置されており、
前記操縦部は、前記運転席の前方に配置されたステアリング操作部材と、前記ステアリング操作部材の下部側を覆うフロントカバーとを含み、
前記フロントカバーは、前記フロアより上方に突出するように、かつ、前記ボンネットの後方に配置され、
前記ステアリング操作部材は、前記フロントカバーの背面上部に配置されたステアリングハンドルを含み、
前記充電用コネクタは、前記ステアリングハンドルの中心よりも前方に配置され、且つ接続端子部を有するコネクタ本体と、該コネクタ本体の接続端子部側を開閉可能に塞ぐキャップと、配線端子部とを有し、
前記コネクタ本体は、前記ステアリングハンドルよりも車幅方向外方に配置され、
前記キャップは、枢支部を有し該枢支部が軸回りに回動するように前記コネクタ本体に取り付けられており、
前記配線端子部は、前記充電用コネクタと前記バッテリとの間を接続する接続配線が接続され、前記コネクタ本体の背面に突出して前記フロントカバー内に配置される電動トラクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動トラクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された電動トラクタが知られている。
【0003】
特許文献1に開示された電動トラクタは、車体を走行可能に支持する走行装置を電動モータによって駆動するトラクタである。電動トラクタには、電動モータに電力を供給するバッテリと、このバッテリの充電を行うための充電用コネクタとが設けられる。充電用コネクタに、外部電源設備に装備された給電用コネクタを接続することでバッテリに充電することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-68177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の電動トラクタは、スタータキーが差し込まれるキーシリンダを有するシリンダホルダの奥に、充電用コネクタが設けられているので、バッテリの充電を行うのが面倒である。
【0006】
本発明は、前記問題点に鑑み、運転部に充電用コネクタが設けられた電動トラクタにおいて、バッテリの充電を容易に行うことができる電動トラクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る電動トラクタは、運転席及び前記運転席の周囲に設けられた操縦部を含む運転部と、前記運転部が搭載された車体と、前記車体を走行可能に支持する走行装置と、前記走行装置を駆動する電動モータと、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリの充電を行うための充電用コネクタと、前記運転席の前方且つ下方に設けられたフロアであってオペレータの足を置くためのフロアと、前記運転席の前方であって前記フロアより前方に配置されたボンネットと、を備え、前記車体は、前記ボンネットの下方に位置する車体フレームを有し、前記バッテリは、前記車体フレームの上方でかつ、前記ボンネットの下方に配置されており、前記操縦部は、ステアリングハンドルを含む操作部材と、前記操作部材の下部側を覆うカバー体とを有し、前記カバー体は、前記フロアより上方に突出するように、かつ、前記ボンネットの後方に配置され、前記ステアリングハンドルは、前記カバー体の背面上部に配置され、前記充電用コネクタは、前記ステアリングハンドルの中心よりも前方に配置され、さらに、前記充電用コネクタは、接続端子部を有するコネクタ本体と、該コネクタ本体の接続端子部側を開閉可能に塞ぐキャップと、配線端子部とを有し、前記コネクタ本体は、前記ステアリングハンドルよりも車幅方向外方に配置され、前記キャップは、枢支部を有し該枢支部が軸回りに回動するように前記コネクタ本体に取り付けられており、前記配線端子部は、前記充電用コネクタと前記バッテリとの間を接続する接続配線が接続され、前記コネクタ本体の背面に突出して前記カバー体内に配置される。
【0008】
前記カバー体の側方は、充電する際に前記充電用コネクタの下方の前記フロアに足を掛けることができるように開放状とされていてもよい。
【0009】
前記充電用コネクタは、前記カバー体の外面側に前記操縦部の外方に露出して配置されていてもよい。
【0010】
前記運転部は、前記操縦部として、前記運転席の前方に配置された前部操縦部及び前記運転席の側方に配置された側部操縦部を有しており、前記充電用コネクタは、前記ステアリングハンドルを基準として、前記側部操縦部と車幅方向で同一方向に配置されていてもよい。
【0011】
前記フロアに配置されたペダルであって前記走行装置の変速を行うためのペダルを備え、前記充電用コネクタは、前記ペダルよりも上方に配置され、かつ、車幅方向で前記フロアの最外部よりも内側に配置されていてもよい。
【0012】
前記充電用コネクタは、前記カバー体の側面側に車幅方向外方を向くように配置されていてもよい。
【0013】
前記充電用コネクタは、前記カバー体の外側面の上部に配置されていてもよい。
【0014】
前記充電用コネクタは、前記カバー体の外面における前記運転席の座部と略同じ高さ位置に配置されていてもよい。
【0015】
本発明の他の態様に係る電動トラクタは、運転席及び前記運転席の周囲に設けられた操縦部を含む運転部と、前記運転部が搭載された車体と、前記車体を走行可能に支持する走行装置と、前記走行装置を駆動する電動モータと、前記電動モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリの充電を行うための充電用コネクタと、前記充電用コネクタが取り付けられるコネクタブラケットと、前記運転席の前方且つ下方に設けられたフロアであってオペレータの足を置くためのフロアと、前記運転席の前方且つ前記フロアより前方に配置されたボンネットと、を備え、前記車体は、前記ボンネットの下方に位置する車体フレームを有し、前記バッテリは、前記車体フレームの上方でかつ、前記ボンネットの下方に配置されており、前記操縦部は、前記運転席の前方に配置されたステアリング操作部材と、前記ステアリング操作部材の下部側を覆うフロントカバーとを含み、前記フロントカバーは、前記フロアより上方に突出するように、かつ、前記ボンネットの後方に配置され、前記ステアリング操作部材は、前記フロントカバーの背面上部に配置されたステアリングハンドルを含み、前記充電用コネクタは、前記ステアリングハンドルの中心よりも前方に配置され、且つ接続端子部を有するコネクタ本体と、該コネクタ本体の接続端子部側を開閉可能に塞ぐキャップと、配線端子部とを有し、前記コネクタ本体は、前記ステアリングハンドルよりも車幅方向外方に配置され、前記キャップは、枢支部を有し該枢支部が軸回りに回動するように前記コネクタ本体に取り付けられており、前記配線端子部は、前記充電用コネクタと前記バッテリとの間を接続する接続配線が接続され、前記コネクタ本体の背面に突出して前記フロントカバー内に配置される。
【発明の効果】
【0016】
上記の電動トラクタによれば、走行用の電動モータに電力を供給するバッテリの充電を行うための充電用コネクタが操縦部のカバー体の外面側に該操縦部の外方に露出して配置されているので、バッテリの充電を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】電動トラクタの概略側面図である。
図2】電動トラクタの概略平面図である。
図3】バッテリ支持部及びインバータ支持部の構成を示す側面図である。
図4】バッテリ支持部及びインバータ支持部の構成を示す斜視図である。
図5】車体フレーム及び支持フレームの斜視図である。
図6】車体フレーム及びリヤフレーム部の斜視図である。
図7】リヤフレーム部の背面斜視図である。
図8】バッテリ支持部を上からみた斜視図である。
図9】バッテリ支持部を下からみた斜視図である。
図10】インバータ支持部を上からみた斜視図である。
図11】インバータ支持部を下からみた斜視図である。
図12】電動モータとインバータの配置関係を示す側面図である。
図13】電動モータから油圧ポンプへ動力を伝達する構造を示す斜視図である。
図14】車体フレームの前部に装備された搭載部品を右斜め前方からみた斜視図である。
図15】車体フレームの前部に装備された搭載部品を左斜め後方からみた斜視図である。
図16】運転部前部を右斜め後方からみた斜視図である。
図17】運転部前部の側面図である。
図18】運転部前部の平面図である。
図19】運転部前部の背面図である。
図20】充電用コネクタの取付構造を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る電動トラクタ1の全体構成を示す概略側面図である。図2は、電動トラクタ1の概略平面図である。電動トラクタ1は、車体2を走行可能に支持する走行装置3を電動モータ4によって駆動するトラクタである。
【0020】
本実施形態においては、図1図2の矢印A1方向(電動トラクタ1の前進方向)を前方、図1図2の矢印A2方向(電動トラクタ1の後進方向)を後方、図1図2の矢印A3方向を前後方向として説明する。したがって、図1の奥側(図2の矢印B1方向)が左方であり、図1の手前側(図2の矢印B2方向)が右方である。また、図2の矢印B3方向を車幅方向(電動トラクタ1の幅方向)として説明する。電動トラクタ1における車幅方向の中央部から左方或いは右方に向かう方向を車幅方向外方として説明する。つまり、車幅方向外方とは、電動トラクタ1の中心から車幅方向に離れる方向である。また、車幅方向外方とは反対の方向を車幅方向内方として説明する。つまり、車幅方向内方とは、車幅方向において電動トラクタ1の中心に近づく方向である。
【0021】
図1図2に示すように、電動トラクタ1は、運転者保護装置として、ロプス5を有している。つまり、電動トラクタ1は、運転席6を包囲するキャビンを有していないタイプの電動トラクタ1である。
【0022】
図1図2に示すように、電動トラクタ1は、走行装置3によって走行可能に支持される車体2を有している。走行装置3は、電動トラクタ1の前部に配置された左及び右の前輪3A、電動トラクタ1の後部に配置された左及び右の後輪3Bを有して構成されている。前輪3Aは、操向輪(操舵輪)とされている。後輪3Bは、フェンダ7によって覆われている。なお、走行装置3としては、車輪型の走行装置3に限定されることはなく、クローラ型の走行装置3であってもよい。
【0023】
図1に示すように、車体2は、電動モータ4と、車体フレーム8と、伝動ケース9とを有している。電動モータ4は、走行装置3を駆動する動力源である。電動モータ4は、運転席6及び後述する前部操縦部11Aの前方で電動トラクタ1の車幅方向中央部に配置されている。車体フレーム8は、電動モータ4から前方に突出しており、左及び右の前輪3Aによって支持されている。伝動ケース9は、電動モータ4の後方に間隔をあけて配置されていて、左及び右の後輪3Bによって支持されている。伝動ケース9は、例えば、ミッションケース、デフケース等を有して構成される。伝動ケース9内には、電動モータ4から伝動軸15を介して伝達される回転動力を変速する変速装置や、該変速装置によって変速された動力を後輪3Bに伝達する伝動機構及び該変速された動力を前輪3Aへ伝達すべく取り出す動力取出し機構等が収容されている。電動モータ4、車体フレーム8及び伝動ケース9は、図示省略の連結フレームによって相互に連結されている。
【0024】
なお、伝動ケース9の後部には、作業機を着脱可能に連結する三点リンク機構等の装着機構(図示省略)や、該装着機構(作業機)を上げ下げする油圧機構が装備される。
【0025】
車体2には、運転席6及び運転席6の周囲を含む運転部10が搭載されている。運転部10の周囲は開放されている。運転席6は、伝動ケース9の上方に配置され、該伝動ケース9に支持されている。運転席6は、オペレータが着座する座部6Aと、座部6Aの後部から上方に突出していてオペレータの背中を支持する背もたれ部6Bとを有している。運転部10は、運転席6の前方に配置された操縦部(前部操縦部)11A及び運転席6の左方及び右方に配置された操縦部(側部操縦部)11Bを有している。
【0026】
前部操縦部11Aは、左及び右の前輪3Aを操向操作するステアリングハンドル12を含む。側部操縦部11Bは、操作レバー(操作部材)13と、該操作レバー13の下部側を覆うカバー体14とを有している。操作レバー13としては、例えば、変速装置の副変速機構を変速する副変速レバー、電動トラクタ1の後方に装着される作業機に動力を伝達するPTO軸を操作するPTOレバー、上記作業機の上下方向の位置を設定するポジションレバー、上記作業機を操作するホジョコントロールレバー等である。
【0027】
運転席6の前方且つ下方には、オペレータの足を置くフロア16が設けられている。フロア16の右部には、走行装置3の変速を行うための変速ペダル17が配置されている。
【0028】
図1図2に示すように、電動トラクタ1は、電動モータ4に電力を供給するバッテリ18と、バッテリ18からの直流電力を交流電力に変換して電動モータ4へ供給するインバータ19とを備えている。バッテリ18は、走行用のバッテリ18である。
【0029】
図1図4に示すように、バッテリ18は、電動モータ4の上方且つ車体フレーム8の上方に配置されている。詳しくは、バッテリ18は、電動モータ4及び車体フレーム8の上方に、電動モータ4及び車体フレーム8と上下方向で(平面視で)オーバーラップするように配置されている。バッテリ18は、運転席6の前方に配置された開閉可能なボンネット20によって覆われている。ボンネット20の下方に車体フレーム8が配置されている。
【0030】
図2に示すように、電動モータ4は、バッテリ18の後部側の下方に配置され、後部がバッテリ18よりも後方に突出している。図3に示すように、電動モータ4の前部側には、コネクタ(モータ側コネクタ)4Aが設けられている。モータ側コネクタ4Aは、本実施形態では、三相コネクタである。モータ側コネクタ4Aは、電動モータ4の前下部(前面側下部)に設けられている。
【0031】
図3に示すように、インバータ19は、バッテリ18(後述するバッテリ支持部24)と車体フレーム8との間で且つ電動モータ4の前方に配置されている。インバータ19は、電動モータ4と前後方向でオーバーラップするように配置されている。詳しくは、インバータ19は、インバータ本体19Aが電動モータ4の上部と前後方向でオーバーラップするように配置されている。また、インバータ19は、バッテリ18の前部の下方にバッテリ18と上下方向でオーバーラップするように配置されている。インバータ19の下部側には、モータ側コネクタ4Aに配線(三相配線、図12参照)21によって接続されるコネクタ(インバータ側コネクタ)19Bが設けられている。インバータ側コネクタ19Bは、本実施形態では、三相コネクタである。インバータ側コネクタ19Bは、インバータ19の後部の下面側に設けられ、インバータ本体19Aから下方に突出している。
【0032】
図3図4図5に示すように、電動トラクタ1は、前記車体フレーム8に取り付けられた支持フレーム22を有している。この支持フレーム22にバッテリ18及びインバータ19が取り付けられて支持されている。
【0033】
図6に示すように、車体フレーム8は、第1サイドプレート8Aと、第2サイドプレート8Bと、フロントプレート8Cとを有して主構成されている。第1サイドプレート8A及び第2サイドプレート8Bは、板面が車幅方向を向くように配置され、車幅方向で間隔をあけて並べて配置されている。
【0034】
図4に示すように、第1サイドプレート8Aは、電動モータ4の車幅方向の一側から前方に突出している。第2サイドプレート8Bは、電動モータ4の車幅方向の他側から前方に延出されていて第1サイドプレート8Aに車幅方向で対向している。
【0035】
フロントプレート8Cは、板面が前後方向を向くように配置され、第1サイドプレート8A及び第2サイドプレート8Bの前部に固定されている。詳しくは、フロントプレート8Cは、第1サイドプレート8Aの前端から第2サイドプレート8Bの前端にわたって設けられ、第1サイドプレート8Aと第2サイドプレート8Bの前端側同士を連結している。
【0036】
また、車体フレーム8は、連結プレート8D,8Eと、補強プレート8F,8Gを有している。連結プレート8D,8Eは、複数枚設けられ、複数枚の連結プレートは、前連結プレート8Dと、後連結プレート8Eとを含む。前連結プレート8Dは、板面が上下方向を向くように配置されて、フロントプレート8Cの後方で第1サイドプレート8Aと第2サイドプレート8Bの前部の下端側同士を連結している。後連結プレート8Eは、板面が上下方向を向くように配置されて、前連結プレート8Dの後方で、第1サイドプレート8Aと第2サイドプレート8Bの上下方向中途部同士を連結している。後連結プレート8Eの後部には、電動モータ4のモータ側コネクタ4Aとの干渉を防止するために、後方に開放状の切り欠き部8Eaが形成されている。補強プレート8Fは、後連結プレート8Eの一端側で且つ後連結プレート8Eよりも上方に配置され、第1サイドプレート8Aの内側に固定されている。補強プレート8Gは、後連結プレート8Eの他端側で且つ後連結プレート8Eよりも上方に配置され、第2サイドプレート8Bの内側に固定されている。
【0037】
図5に示すように、支持フレーム22は、リヤフレーム部(フレーム部材)23と、バッテリ支持部24と、インバータ支持部25とを有している。
【0038】
図6図7に示すように、リヤフレーム部23は、メインフレーム26と、上部フレーム27と、サポート部28とを有している。
【0039】
メインフレーム26は、第1支柱部材29、第2支柱部材30及び連結枠体31を有している。第1支柱部材29は、メインフレーム26の車幅方向の一側を構成する。第2支柱部材30は、メインフレーム26の車幅方向の他側を構成する。連結枠体31は、第1支柱部材29と第2支柱部材30とを連結する。連結枠体31は、第1支柱部材29の前面側に固定された第1縦部材31Aと、第2支柱部材30の前面側に固定された第2縦部材31Bと、第1縦部材31Aと第2縦部材31Bの上部同士を連結する第1横部材31Cと、第1縦部材31Aと第2縦部材31Bの中途部同士を連結する第2横部材31Dとを有している。図5に示すように、第2支柱部材30の上部には、第2支柱部材30から前方に突出する規制部32aを含む規制板32が固定されている。
【0040】
図7に示すように、第1支柱部材29の後面上部及び第2支柱部材30の後面上部には、取付プレート33が後方突出状に固定されている。取付プレート33は、板面が車幅方向を向くように配置された縦板部33aと、縦板部33aの上端から車幅方向内方に延びる延出板部33bとを有している。
【0041】
図6図7に示すように、上部フレーム27は、第1横部材31C上に取り付けられている。上部フレーム27には、ボンネット20の背面側上部が車幅方向に延伸する軸心回りに回動可能に支持される支持ピン34が設けられている。
【0042】
サポート部28は、メインフレーム26の下部から前方に突出するサポートプレート35と、サポートプレート35の下面側に設けられた支持脚36とを有している。サポートプレート35は、板面が上下方向を向くように配置される主板部35aと、主板部35aの前端から下方に延びる延出板部35bとを有している。図3に示すように、サポートプレート35は、電動モータ4の上方に配置されている。主板部35aの下面の左及び右には、補強板37が固定されている。支持脚36は、サポートプレート35の前部の下面側の左及び右に夫々設けられている。支持脚36は、車体フレーム8に固定されている。詳しくは、左の支持脚36Lは、第1サイドプレート8Aの後部上端側に固定され、右の支持脚36Rは、第2サイドプレート8Bの後部上端側に固定されている。
【0043】
なお、サポート部28(サポートプレート35)の後部は、支持部材を介して車体2側に支持される。
【0044】
図8図9に示すように、バッテリ支持部24は、バッテリ18が載置される載置プレート38と、載置プレート38から下方に突出する取付ブラケット39とを有している。図3に示すように、載置プレート38は、板面が上下方向を向き且つ電動モータ4及び車体フレーム8の上方に配置され、後部がサポートプレート35上に重ね合わされて載置されている。したがって、載置プレート38の後部(バッテリ支持部24の後部)がサポート部28に支持されている。載置プレート38の後端側は、サポートプレート35にボルト等によって取り付けられている。
【0045】
図8図9に示すように、載置プレート38の車幅方向一側には前後方向に延びる第1側板41が固定され、載置プレート38の車幅方向他側には前後方向に延びる第2側板42が固定され、載置プレート38の前部には車幅方向に延びる前板43が固定され、載置プレート38の後部には車幅方向に延びる後板44が固定されている。第1側板41、第2側板42及び前板43は、板面の上下方向の中途部が載置プレート38の端部に固定されていて載置プレート38から上下に突出している。後板44は、載置プレート38の上面に固定されている。載置プレート38に載置されたバッテリ18は、後板44によって後方移動が規制され、第1側板41、第2側板42及び前板43にボルト等によって着脱可能に取り付けられる。また、バッテリ18は、第2支柱部材30上部の規制板32の規制部32aにもボルト等によって固定される(図3参照)。
【0046】
図8図9に示すように、本実施形態では、取付ブラケット39は複数設けられていて、載置プレート38の下方側に配置されている。具体的には、複数の取付ブラケット39は、第1側板41の内側の前後方向中途部に配置された第1ブラケット39Aと、第2側板42の内側の前後方向中途部に配置された第2ブラケット39Bと、前板43の内側の左部に配置された第3ブラケット39Cと、前板43の内側の右部に配置された第4ブラケット39Dとを含む。本実施形態では、第1ブラケット39A及び第2ブラケット39Bは、溝形鋼によって形成され、第3ブラケット39C及び第4ブラケット39Dは、山形鋼によって形成されている。これに限定されることはない。
【0047】
第1ブラケット39A~第4ブラケット39Dは、取付枠45を介して第1側板41、第2側板42及び前板43に取り付けられている。取付枠45は、第1側板41の内側にボルト等によって取り付けられる第1板材45Aと、第2側板42の内側にボルト等によって取り付けられる第2板材45Bと、前板43の内側にボルト等によって取り付けられる第3板材45Cとを有している。第1ブラケット39Aは第1板材45Aの後部に固定され、第2ブラケット39Bは第2板材45Bの後部に固定され、第3ブラケット39Cは第3板材45Cの左部に固定され、第4ブラケット39Dは第3板材45Cの右部に固定されている。
【0048】
図3図5に示すように、インバータ支持部25は、載置プレート38の前部の下方に配置され且つ車体フレーム8に固定されていて、載置プレート38の前部を支持する。
【0049】
図10図11に示すように、インバータ支持部25は、支持プレート46と、支持プレート46から上方に突出する支持ステー47とを有している。支持プレート46は、載置プレート38の下方に間隔をあけて配置される(図3参照)。また、支持プレート46は、板面が上下方向を向くように配置され、第1サイドプレート8Aの上端と第2サイドプレート8Bの上端とにわたって設けられている。支持プレート46の前部には、前方に開放状の切り欠き部46aが形成されている。支持プレート46の後部には、後方に開放状の切り欠き部46bが形成されている。支持プレート46の左部は第1サイドプレート8Aから左方に突出している。支持プレート46の右部は、第2サイドプレート8Bから右方に突出している。該支持プレート46の右部の突出部分の下面側の前部及び後部に取付具48が固定されている。支持プレート46の左部の突出部分の下面側にも同様の取付具48が固定されている。支持プレート46の左部の取付具48は第1サイドプレート8Aにボルト等によって取り付けられ、支持プレート46の右部の取付具48は第2サイドプレート8Bにボルト等によって取り付けられている。これによって、インバータ支持部25が車体フレーム8に取り付けられる。
【0050】
支持ステー47は、複数設けられている。複数の支持ステー47は、第1ステー47Aと、第2ステー47Bと、第3ステー47Cと、第4ステー47Dとを含む。本実施形態では、第1ステー47A及び第2ステー47Bは、溝形鋼によって形成され、第3ステー47C及び第4ステー47Dは、山形鋼によって形成されている。これに限定されることはない。第1ステー47Aは、支持プレート46の左部の後部であって取付具48に対応する位置に固定されている。第2ステー47Bは、支持プレート46の右部の後部であって取付具48に対応する位置に固定されている。第3ステー47Cは、支持プレート46の左部の前部であって取付具48に対応する位置に固定されている。第4ステー47Dは、支持プレート46の右部の前部であって取付具48に対応する位置に固定されている。
【0051】
第1ステー47Aに第1ブラケット39Aが取り付けられ、第2ステー47Bに第2ブラケット39Bが取り付けられ、第3ステー47Cに第3ブラケット39Cが取り付けられ、第4ステー47Dに第4ブラケット39Dが取り付けられる(図3図4図5参照)。これにより、載置プレート38と支持プレート46との間にインバータ19が配置可能な空間が形成されるように、インバータ支持部25にバッテリ支持部24が取り付けられる。
【0052】
インバータ本体19Aは、支持プレート46に載置されると共に該支持プレート46に前後方向位置調節可能に取り付けられる。インバータ側コネクタ19Bは、インバータ19の前部の下面側に設けられ、インバータ本体19Aから下方に突出すると共に、切り欠き部46aを介して支持プレート46(インバータ支持部25)から下方に突出している。
【0053】
図3図12に示すように、モータ側コネクタ4Aとインバータ側コネクタ19Bとは、第1サイドプレート8Aと第2サイドプレート8Bとの間に配置されている。この構成によれば、第1サイドプレート8Aと前記第2サイドプレート8Bとによって、モータ側コネクタ4Aとインバータ側コネクタ19Bと配線21とを保護することができる。また、モータ側コネクタ4A、インバータ側コネクタ19B及び配線21が傷つくのを防止することができると共に信頼性の向上を図ることができる。
【0054】
図12に示すように、モータ側コネクタ4Aの配線接続口は前方を向いており、インバータ側コネクタ19Bの配線接続口は後方を向いている。つまり、モータ側コネクタ4Aとインバータ側コネクタ19Bとは前後方向で向き合っている。また、モータ側コネクタ4Aとインバータ側コネクタ19Bとは前後方向でオーバーラップするように配置されている。したがって、モータ側コネクタ4Aとインバータ側コネクタ19Bとを短い経路で接続することができ、配線21の発熱を抑えることができると共にシステムの効率向上につながる。また、配線21を短くすることにより、コスト低減も図れる。また、配線21が短く、屈曲を極力なくすことができるので、外的要因で配線21が傷つく可能性を減らすことができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0055】
図12に示すように、車体フレーム8の前連結プレート8D,8Eにウォータポンプ94が取り付けられている。ウォータポンプ94は、電動モータ4、インバータ19及び後述する電圧コンバータ等を冷却する冷却水を循環させるポンプである。
【0056】
図3図4に示すように、電動モータ4の側方には、該電動モータ4で駆動される油圧ポンプP1が配置されている。油圧ポンプP1は、例えば、伝動ケース9内のオイルを吸い込んで該オイルを作動油として各油圧駆動部に供給する。図13に示すように、電動モータ4及び油圧ポンプP1の後面側に動力伝達機構49が設けられ、この動力伝達機構49によって電動モータ4から油圧ポンプP1に動力が伝達される。図4に示すように、動力伝達機構49は、カバーケース61によって覆われている。カバーケース61は、前方開放状に形成されている。
【0057】
図13に示すように、動力伝達機構49は、ギヤ伝動機構によって構成されている。動力伝達機構49は、電動モータ4の出力軸に連結されて回転する出力ギヤ51と、油圧ポンプP1の入力軸に連結された入力ギヤ52と、出力ギヤ51と入力ギヤ52との間に配置されて出力ギヤ51から入力ギヤ52へ動力を伝達する1または複数の伝動ギヤ53とを有している。出力ギヤ51と入力ギヤ52と伝動ギヤ53は、平歯車によって形成され、前後方向に延伸する軸心回りに回転する。これに限定されることはない。本実施形態では、伝動ギヤ53は、複数設けられ、複数の伝動ギヤ53は、出力ギヤ51に噛み合う第1ギヤ53Aと、第1ギヤ53Aに噛み合う第2ギヤ53Bと、第2ギヤ53B及び入力ギヤ52に噛み合う第3ギヤ53Cとの3つのギヤを有して構成される。
【0058】
図14図15に示すように、バッテリ支持部24の前方であって、車体フレーム8の前部には、ラジエータR1、電圧コンバータ(DCDCコンバータ)C1、補機用ハッテリBT、リザーブタンクR2、冷却ファン装置F1、オイルクーラO1等が取り付けられて支持されている。
【0059】
図14に示すように、ラジエータR1、電圧コンバータC1、補機用ハッテリBTは、左から順に車幅方向で並べて配置されている。リザーブタンクR2は、補機用ハッテリBTの上方に配置されている。図15に示すように、冷却ファン装置F1は、ラジエータR1の後方に配置され、オイルクーラO1は、冷却ファン装置F1の後方に配置されている。
【0060】
ラジエータR1は、ウォータポンプ94で循環される冷却水を冷却ファン装置F1によって発生する冷却風によって冷却する放熱器である。電圧コンバータC1は、バッテリ18から送られてくる電力を降圧して補機用ハッテリBTへ供給する装置である。補機用ハッテリB1は、冷却ファン装置F1、インバータ19や電動モータ4等の電気機器を制御する制御装置、ランプ等の各種電気機器に電力を供給する蓄電池である。リザーブタンクR2は、高温時にラジエータR1から逃げる冷却水を貯留するタンクである。オイルクーラO1は、油圧機器等を作動させる作動油を冷却ファン装置F1によって発生する冷却風によって冷却する放熱器である。
【0061】
図16図19に示すように、運転部10の前部操縦部11Aにバッテリ18の充電を行うための充電用コネクタ90が設けられている。図17に示すように、前部操縦部11Aは、ステアリングハンドル12を含むステアリング操作装置91と、ステアリング操作装置91の下部側を覆うフロントカバー(カバー体)92とを有している。フロントカバー(前部操縦部11A)92は、車体2上方に配置され、車体に搭載されている。つまり、フロントカバー92は、車体2に立設されている。また、フロントカバー92は、フロア16より上方に突出するように設けられている。ステアリングハンドル12は、フロントカバー92の背面上部に配置されている。フロントカバー92の上部には、モニタや、各種メータや、各種スイッチ等を有するインストルメントパネル54が設けられている。インストルメントパネル54には、バッテリ18の充電量を表示するバッテリ残量計が設けられる。フロントカバー92は、ボンネット20の後方に該ボンネット20に近接して配置され、前方に開放状に形成されている。また、ボンネット20の後端は後方に開放状である。したがって、フロントカバー92とボンネット20とは連通している。また、支持フレーム22のリヤフレーム部23(メインフレーム26)は、ボンネット20の後端側に配置されていて、リヤフレーム部23に設けられた取付プレート33は、フロントカバー92内に挿入状とされている。
【0062】
図17に示すように、ステアリング操作装置91は、ステアリングハンドル12及びステアリングシャフト56を含むステアリング操作部材(操作部材)86と、ステアリングシャフト56を支持するステアリングポスト57と、ステアリングシャフト56にユニバーサルジョイント62を介して接続されたステアリングバルブ58と、ステアリングポスト57及びステアリングバルブ58等を支持するフレーム部材59とを含む。したがって、フロントカバー92は、ステアリング操作部材86の下部側を覆う。フレーム部材59は、リヤフレーム部23等の車体2側に取り付けられた部材に取り付けられて支持される。
【0063】
上記ステアリング操作装置91にあっては、ステアリングハンドル12を回転操作すると、ステアリングシャフト56及びユニバーサルジョイント62を介してステアリングバルブ58が操作され、該ステアリングバルブ58が油圧ポンプP1から供給される作動油を前輪3Aを操舵するステアリングシリンダ(図示省略)に供給する。
【0064】
図16図19に示すように、充電用コネクタ90は、フロントカバー92(カバー体)の外面側に配置され、且つフロントカバー92(前部操縦部11A)の外方に露出して設けられている。また、充電用コネクタ90は、フロントカバー92の側面側(右側面側)に車幅方向外方(右方)を向くように配置されている。さらに、充電用コネクタ90は、図17に示すように、ステアリングハンドル12よりも前方且つ下方に配置されている。さらにまた、充電用コネクタ90は、図1に示すように、フロントカバー92の外側面上部であって、運転席6の座部6Aと略同じ高さ位置に配置されている。フロントカバー92の右側方は、開放状とされていて、充電する際に充電用コネクタ90の下方のフロア16に足を掛けることができる。フロントカバー92とフェンダ7との間は、通行可能なスペースが形成されている。
【0065】
図18に示すように、充電用コネクタ90は、接続端子部96aを有するコネクタ本体96と、該コネクタ本体96の接続端子部96a側を開閉可能に塞ぐキャップ97と、配線端子部96bとを有している。
【0066】
接続端子部96aは、例えば、充電スタンドや充電ステーションと称される充電施設、或いは家屋に設置された充電設備などの外部電源設備に装備された給電用コネクタ64が接続される部位である。
【0067】
コネクタ本体96は、ステアリングハンドル12よりも車幅方向外方(右方)で且つ運転席6よりも車幅方向外方に配置されている。
【0068】
キャップ97は、図17に示すように、前部に設けられた枢支部97aが縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに回動するようにコネクタ本体96に取り付けられている。キャップ97の後方には、該キャップ97に係脱自在に係合して該キャップ97の開き動作を規制する係止具98が設けられている。係止具98は、コネクタ本体96に枢支されていて、縦軸回りに回動させることでキャップ97の開き動作の規制を解除することができる。キャップ97を縦軸回りに前方側に開き動作することで、コネクタ本体96の接続端子部96aを車幅方向外方側に露出させることができる。
【0069】
配線端子部96bは、図18に示すように、コネクタ本体96の背面に突出してフロントカバー92内に挿入される。配線端子部96bは、充電用コネクタ90とバッテリ18とを接続する接続配線が接続される部分である。外部電源側の給電用コネクタ64を接続端子部96aに接続すると、配線端子部96bから接続配線を介してバッテリ18に電気が充電される。
【0070】
図16図17に示すように、充電用コネクタ90の前方側には、表示ランプ101と、サイドミラー100とが配置されている。表示ランプ101は、例えば、複数のランプを組み合わせて構成されたコンビネーションランプである。コンビネーションランプを構成するランプは、ポジションランプ、ウインカーランプ、ハザードランプ等である。サイドミラー100は、車体2の後方側を視認するミラーである。表示ランプ101及びサイドミラー100のミラー本体100aは、充電用コネクタ90の前方で、且つ充電用コネクタ90よりも車幅方向外方に位置している。
【0071】
図20に示すように、充電用コネクタ90は、コネクタブラケット93に取り付けられている。コネクタブラケット93は、第1ブラケット部材66と、第2ブラケット部材67とを有している。第1ブラケット部材66は、リヤフレーム部23に設けられた取付プレート(取付部)33の縦板部33aに重ね合わされて取り付けられる取付壁部66aと、取付壁部66aの前端から車幅方向外方に延びる延出壁部66bと、延出壁部66bの延出端(車幅方向外方側の端部)から後方に延びるランプ取付部66cと、取付壁部66aとランプ取付部66cとを連結するパイプ材等からなる補強部材69とを有している。延出壁部66bは、フロントカバー92の内部側から車幅方向外方に突出しており、延出壁部66bの該突出した部分に取付穴68が形成されている。
【0072】
第2ブラケット部材67は、第1ブラケット部材66に取り付けられる第1部材71と、第1部材71に固定された第2部材72とを有している。第1部材71は、板面が車幅方向を向くように形成された第1壁部71aと、第1壁部71aの前端下部から車幅方向外方に延出されていて延出壁部66bの取付穴68が形成された部分に取り付けられる第2壁部71bとを有している。第2部材72は、第1部材71の第1壁部71aから後方に突出するように固定されている。本実施形態では、第2部材72は、後方に向かうにつれて車幅方向内方(左方)に移行する傾斜方向に延びている。第2部材72に充電用コネクタ90が車幅方向外方側から取り付けられる。つまり、第2部材72は、充電用コネクタ90が取り付けられるコネクタ取付部である。
【0073】
以上のように、コネクタブラケット93は、フロントカバー92の外部で充電用コネクタ90が取り付けられるコネクタ取付部(第2部材72)と、フロントカバー92の内部側に設けられた取付部(取付プレート33)に取り付けられる取付壁部66aとを有している。
【0074】
図20に示すように、第2ブラケット部材67の第1部材71の上部にサイドミラー100の支柱部材73が取付具74を介して取り付けられる。したがって、第1部材71の上部がサイドミラー100が取り付けられるミラー取付部75とされている。また、第1ブラケット部材66のランプ取付部66cには、表示ランプ101のランプステー76が取り付けられる。
【0075】
以上のように、コネクタブラケット93は、サイドミラー100が取り付けられるミラー取付部75と、表示ランプ101が取り付けられるランプ取付部66cとを有している。
【0076】
充電用コネクタ90は、側部操縦部11Bのカバー体14の外面側に配置することもできる。つまり、充電用コネクタ90は、運転席6の周囲に設けられたカバー体であって、操作部材の下部側を覆うカバー体に設けられる。
【0077】
上記の電動トラクタ1にあっては、走行装置3を駆動する電動モータ4と、バッテリ18と、バッテリ18からの電力を電動モータ4へ供給するインバータ19と、運転席6の前方に配置されてバッテリ18を覆うボンネット20の下方に配置された車体フレーム8と、車体フレーム8に取り付けられた支持フレーム22と、を備え、支持フレーム22は、電動モータ4の上方且つ車体フレーム8の上方に配置されたバッテリ18を支持するバッテリ支持部24と、バッテリ支持部24と車体フレーム8との間で且つ電動モータ4の前方に配置されたインバータ19を支持するインバータ支持部25とを有している。
【0078】
この構成によれば、電動モータ4の上方且つ車体フレーム8の上方に配置されたバッテリ18を支持するバッテリ支持部24と、バッテリ支持部24と車体フレーム8との間で且つ電動モータ4の前方に配置されたインバータ19を支持するインバータ支持部25とを設けることで、電動モータ4とインバータ19とを近い位置に配置でき、電動モータ4とインバータ19とを短い経路で繋ぐことができる。
【0079】
また、バッテリ支持部24は、バッテリ18が載置される載置プレート38と、載置プレート38から下方に突出する取付ブラケット39とを有し、インバータ支持部25は、インバータ19が載置される支持プレート46であって載置プレート38の下方に間隔をあけて配置され且つ車体フレーム8に取り付けられる支持プレート46と、支持プレート46から上方に突出すると共に取付ブラケット39が取り付けられる支持ステー47とを有している。
【0080】
この構成によれば、バッテリ18の下方で且つ電動モータ4の前方にインバータ19を配置するスペースを形成することができる。
【0081】
また、インバータ支持部25は、インバータ19が電動モータ4と前後方向でオーバーラップして配置されるようにインバータ19を支持する。
【0082】
この構成によれば、電動モータ4及びインバータ19をコンパクトに配置することができる。
【0083】
また、支持フレーム22は、載置プレート38の後部下方に配置されたサポート部28であって車体フレーム8に固定されて載置プレート38の後部を支持するサポート部28を有し、インバータ支持部25は、載置プレート38の前部を支持する。
【0084】
この構成によれば、サポート部28及びインバータ支持部25でバッテリ18を十分に支持することができる。
【0085】
また、サポート部28は、載置プレート38の後部が載置されるサポートプレート35であって電動モータ4の上方に配置されたサポートプレート35と、サポートプレート35の下面側に設けられていて車体フレーム8に固定された支持脚36とを有している。
【0086】
電動モータ4の上方にサポートプレート35を配置することで、サポート部28及び電動モータ4をコンパクトに配置することができる。
【0087】
また、電動モータ4は、当該電動モータ4の前部側に設けられたモータ側コネクタ4Aを有し、インバータ19は、モータ側コネクタ4Aに接続されるインバータ側コネクタ19Bであってモータ側コネクタ4Aの前方に配置されたインバータ側コネクタ19Bを有している。
【0088】
この構成によれば、モータ側コネクタ4Aとインバータ側コネクタ19Bとを短い経路で接続することができる。
【0089】
また、モータ側コネクタ4Aは、電動モータ4の前下部に設けられ、インバータ19は、インバータ支持部25に載置されて支持されるインバータ本体19Aが電動モータ4の上部の後方に前後方向でオーバーラップするように配置され、インバータ側コネクタ19Bは、インバータ本体19Aの下部側に設けられていてインバータ支持部25から下方に突出している。
【0090】
この構成によっても、モータ側コネクタ4Aとインバータ側コネクタ19Bとをさらに短い経路で接続することができる。
【0091】
また、インバータ支持部25は、インバータ側コネクタ19Bをインバータ支持部25から下方に突出させる切り欠き部46aを有している。
【0092】
この構成によれば、インバータ19をインバータ支持部25で良好に支持しながらインバータ側コネクタ19Bをインバータ支持部25から下方に突出させることができる。
【0093】
また、車体フレーム8は、車幅方向で間隔をあけて並べて配置された第1サイドプレート8A及び第2サイドプレート8Bを有し、モータ側コネクタ4A及びインバータ側コネクタ19Bは、第1サイドプレート8Aと第2サイドプレート8Bとの間に配置されている。
【0094】
この構成によれば、モータ側コネクタ4A及びインバータ側コネクタ19Bを保護することができる。
【0095】
また、電動トラクタ1は、運転席6及び運転席6の周囲に設けられた操縦部(前部操縦部11A)を含む運転部10と、運転部10が搭載された車体2と、車体2を走行可能に支持する走行装置3と、走行装置3を駆動する電動モータ4と、電動モータ4に電力を供給するバッテリ18と、バッテリ18の充電を行うための充電用コネクタ90と、を備え、操縦部11Aは、操作部材(ステアリング操作部材86)と、操作部材86の下部側を覆うカバー体(フロントカバー92)とを含み、充電用コネクタ90は、カバー体92の外面側に操縦部の外方に露出して配置されている。
【0096】
この構成によれば、バッテリ18の充電を容易に行うことができる。
【0097】
また、充電用コネクタ90は、カバー体92の側面側に車幅方向外方を向くように配置されている。
【0098】
この構成によれば、さらに、バッテリ18の充電を容易に行うことができる。
【0099】
また、操縦部11Aは、運転席6の前方に配置された操作部材としてのステアリング操作部材86と、ステアリング操作部材86の下部側を覆うカバー体としてのフロントカバー92とを含み、充電用コネクタ90は、フロントカバー92の外側面の上部に配置されている。
【0100】
この構成によれば、外部電源側の給電用コネクタを接続しやすい位置に充電用コネクタ90を配置することができる。
【0101】
また、ステアリング操作部材86は、ステアリングハンドル12を含み、充電用コネクタ90は、ステアリングハンドル12よりも前方に配置されている。
【0102】
この構成によれば、充電用コネクタ90に外部電源側のコネクタを接続する際にステアリングハンドル12が邪魔になるのを抑制することができる。
【0103】
また、充電用コネクタ90は、フロントカバー92の外側面における運転席6の座部6Aと略同じ高さ位置に配置されている。
【0104】
この構成によっても、外部電源側の給電用コネクタを接続しやすい位置に充電用コネクタ90を配置することができる。
【0105】
また、充電用コネクタ90が取り付けられるコネクタブラケット93を備え、コネクタブラケット93は、フロントカバー92の外部で充電用コネクタ90が取り付けられるコネクタ取付部(第2部材72)と、フロントカバー92の内部側に設けられた取付部(取付プレート33)に取り付けられる取付壁部66aとを有している。
【0106】
この構成によれば、コネクタブラケット93を十分に支持することができると共に充電用コネクタ90の取付を容易に行うことができる。
【0107】
また、コネクタブラケット93は、サイドミラー100が取り付けられるミラー取付部75を有している。
【0108】
この構成によれば、部材の兼用化によるコスト低減を図ることができる。
【0109】
また、コネクタブラケット93は、表示ランプ101が取り付けられるランプ取付部66cを有している。
【0110】
この構成によっても、部材の兼用化によるコスト低減を図ることができる。
【0111】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0112】
2 車体
3 走行装置
4 電動モータ
6 運転席
6A 座部
10 運転部
11A 操縦部(前部操縦部)
12 ステアリングハンドル
18 バッテリ
33 取付部(取付プレート)
66a 取付壁部
66c ランプ取付部
72 コネクタ取付部(第2部材)
75 ミラー取付部
86 操作部材(ステアリング操作部材)
90 充電用コネクタ
92 カバー体(フロントカバー)
93 コネクタブラケット
100 サイドミラー
101 表示ランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20