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特開2024-72874人力駆動車用の報知装置、人力駆動車用の報知システム、および、人力駆動車用の制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072874
(43)【公開日】2024-05-28
(54)【発明の名称】人力駆動車用の報知装置、人力駆動車用の報知システム、および、人力駆動車用の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20240521BHJP
   B62J 45/41 20200101ALI20240521BHJP
   B62J 45/415 20200101ALI20240521BHJP
【FI】
B62M6/45
B62J45/41
B62J45/415
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043436
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2019085586の分割
【原出願日】2019-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 潤平
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 光
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(57)【要約】
【課題】人力駆動車の荷重を好適に用いることができる人力駆動車用の報知装置、人力駆動車用の報知システム、および、人力駆動車用の制御装置を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の報知装置は、前記人力駆動車の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重のバランスに関する第1情報を受信するように構成される受信部と、前記第1情報に応じて前記対象物の前後方向における荷重のバランスに関する報知情報を作成するように構成される作成部と、前記報知情報を報知するように構成される報知部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車は、第1モータが連結される第1車輪と、第2モータが連結される第2車輪と、を含み、前記第1車輪および前記第2車輪の少なくとも1つに人力駆動力が伝達されるように構成され、
前記制御装置は、
前記人力駆動車、および、前記人力駆動車の搭乗者の少なくとも1つを含む対象物の荷重に関する情報を検出するように構成される検出部の出力に応じて、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを制御するように構成される制御部、を備える、制御装置。
【請求項2】
前記検出部をさらに含み、
前記検出部は、前記人力駆動車の第1部分に設けられる第1検出部と、前記人力駆動車の前後方向において前記第1検出部とは異なる第2部分に設けられる第2検出部と、を含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1検出部は、前記第1部分にかかる第1荷重に関する情報を検出するように構成され、
前記第2検出部は、前記第2部分にかかる第2荷重に関する情報を検出するように構成され、
前記制御部は、前記第1荷重に関する情報と前記第2荷重に関する情報とに応じて、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを制御するように構成される、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記人力駆動車に推進力を付与するように前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1荷重が前記第2荷重よりも大きい場合、前記第1モータによるアシスト力が前記第2モータによるアシスト力よりも大きい第1アシスト状態になるように、前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1荷重が前記第2荷重よりも小さい場合、前記第1モータによるアシスト力が前記第2モータによるアシスト力よりも小さい第2アシスト状態になるように前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される、請求項4または5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを、回生制動させるように構成される、請求項3から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1荷重が前記第2荷重よりも大きい場合、前記第1モータの回生ブレーキ力が前記第2モータの回生ブレーキ力よりも大きくなるように、前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される、請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1荷重が前記第2荷重よりも小さい場合、前記第1モータの回生ブレーキ力が前記第2モータの回生ブレーキ力よりも小さくなるように前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される、請求項7または8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記人力駆動車のピッチ角度を検出するように構成されるピッチ角度検出部をさらに含み、
前記制御部は、前記人力駆動車の前記ピッチ角度が第1ピッチ角度未満の場合、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを回生状態にさせるように構成される、請求項7から9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記人力駆動車のピッチ角度を検出するように構成されるピッチ角度検出部をさらに含み、
前記制御部は、前記第1荷重と前記第2荷重との比率と、前記人力駆動車の前記ピッチ角度と、に応じて、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを制御するように構成される、請求項7から10のいずれか一項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用の報知装置、人力駆動車用の報知システム、および、人力駆動車用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車は、人力駆動車の車体の重心位置よりも後方に位置する部分にかかっている荷重を検出する荷重検出手段を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2013/069300号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、人力駆動車の荷重に関する情報を用いて、利便性を向上できる人力駆動車用の報知装置、人力駆動車用の報知システム、および、人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う報知装置は、人力駆動車用の報知装置であって、前記人力駆動車の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重のバランスに関する第1情報を受信するように構成される受信部と、前記第1情報に応じて前記対象物の前後方向における荷重のバランスに関する報知情報を作成するように構成される作成部と、前記報知情報を報知するように構成される報知部と、を備える。
第1側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが対象物の前後方向における荷重のバランスに関する報知情報を把握できる。このため、人力駆動車の荷重に関する情報を用いて、利便性を向上できる。第1側面の報知装置によれば、対象物が人力駆動車の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重に関する第1情報を用いて報知情報を作成できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の報知装置において、前記対象物の荷重のバランスに関する第2情報を記憶するように構成される記憶部と、をさらに備え、前記作成部は、前記第1情報と前記第2情報との比較情報を作成するように構成され、前記報知情報は、前記比較情報を含む。
第2側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが比較情報を把握できる。
【0007】
本開示の第3側面に従う報知装置は、人力駆動車用の報知装置であって、前記人力駆動車の少なくとも一部、および、前記人力駆動車の搭乗者の少なくとも一部の少なくとも1つを含む対象物の前後方向における荷重に関する第1情報を受信するように構成される受信部と、前記対象物の荷重に関する第2情報を記憶するように構成される記憶部と、報知情報を作成するように構成される作成部と、前記報知情報を報知するように構成される報知部と、を含み、前記報知情報は、前記第1情報と前記第2情報との比較情報を含む。
第3側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが比較情報を把握できる。このため、人力駆動車の荷重に関する情報を用いて、利便性を向上できる。
【0008】
本開示の第3側面に従う第4側面の報知装置において、前記対象物は、前記人力駆動車の少なくとも一部を含む。
第4側面の報知装置によれば、対象物が人力駆動車の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重に関する第1情報を用いて比較情報を作成できる。
【0009】
本開示の第3まだは第4側面に従う第5側面の報知装置において、前記比較情報は、前記対象物の前後方向における荷重のバランスに関する情報を含む。
第5側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが対象物の前後方向における荷重のバランスに関する情報を把握できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の報知装置において、前記比較情報は、前記対象物の前後方向における重心の位置を含む。
第6側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが対象物の前後方向における重心の位置を把握できる。
【0011】
本開示の第3または第4側面に従う第7側面の報知装置において、前記比較情報は、前記人力駆動車の前後方向における搭乗者の重心の位置を含む。
第7側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが人力駆動車の前後方向における搭乗者の重心の位置を把握できる。
【0012】
本開示の第2および第5から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の報知装置において、前記第2情報は、前記対象物の前後方向における荷重のバランスに関する情報を含み、前記比較情報は、前記対象物の前後方向における荷重のバランスを前記第2情報に含まれる前記対象物の前後方向における荷重のバランスに近付けるための示唆情報を含む。
第8側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが示唆情報を把握できる。このため、第2情報に含まれる対象物の前後方向における荷重のバランスに近付けるように、ユーザが人力駆動車を運転しやすくなる。
【0013】
本開示の第2および第5から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の報知装置において、前記記憶部は、前記人力駆動車のピッチ角度に対応付けられた複数の前記第2情報を記憶するように構成され、前記作成部は、前記第1情報と、前記人力駆動車のピッチ角度に応じた前記第2情報との前記比較情報を作成するように構成される。
第9側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが人力駆動車のピッチ角度に応じた第2情報の比較情報を把握できる。
【0014】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の報知装置において、前記報知部は、前記人力駆動車のピッチ角度に関する情報を報知するように構成される。
第10側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが人力駆動車のピッチ角度に関する情報を把握できる。
【0015】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の報知装置において、前記報知部は、表示装置、発音装置、および、振動装置の少なくとも1つを含む。
第11側面の報知装置によれば、表示装置、発音装置、および、振動装置の少なくとも1つによってユーザが好適に情報を把握できる。
【0016】
本開示の第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面の報知装置において、前記報知部は、表示装置を含み、前記表示装置は、前記人力駆動車を示す画像を表示するように構成される。
第12側面の報知装置によれば、画像によってユーザが好適に情報を把握できる。
【0017】
本開示の第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の報知装置において、前記受信部は、前記人力駆動車の少なくとも一部を含む対象物の左右方向における荷重のバランスに関する第2情報を受信するように構成され、前記作成部は、前記第2情報に応じて前記対象物の左右方向における荷重のバランスに関する情報を含む前記報知情報を作成するように構成される。
第13側面の報知装置によれば、報知部によってユーザが対象物の左右方向における荷重のバランスに関する情報を把握できる。
【0018】
本開示の第14側面に従う報知システムは、人力駆動車用の報知システムであって、第1から第14側面のいずれか1つに記載の人力駆動車用の報知装置と、前記第1情報を前記受信部に送信するように構成される検出部と、を含む。
第14側面の報知システムによれば、検出部によって第1情報を好適に検出できる。
【0019】
本開示の第15側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車は、第1モータが連結される第1車輪と、第2モータが連結される第2車輪と、を含み、前記第1車輪および前記第2車輪の少なくとも1つに人力駆動力が伝達されるように構成され、前記制御装置は、前記人力駆動車、および、前記人力駆動車の搭乗者の少なくとも1つを含む対象物の荷重に関する情報を検出するように構成される検出部の出力に応じて、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを制御するように構成される制御部、を備える。
第15側面の制御装置によれば、対象物の荷重に関する情報に応じて第1モータおよび第2モータを好適に制御できる。このため、人力駆動車の荷重に関する情報を用いて、利便性を向上できる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の制御装置において、前記検出部をさらに含み、前記検出部は、前記人力駆動車の第1部分に設けられる第1検出部と、前記人力駆動車の前後方向において前記第1検出部とは異なる第2部分に設けられる第2検出部と、を含む。
第16側面の制御装置によれば、第1検出部および第2検出部によって人力駆動車の前後方向における第1部分の荷重に関する情報と、第1部分とは異なる第2部分の荷重に関する情報とを好適に検出できる。
【0021】
本開示の第16側面に従う第17側面の制御装置において、前記第1検出部は、前記第1部分にかかる第1荷重に関する情報を検出するように構成され、前記第2検出部は、前記第2部分にかかる第2荷重に関する情報を検出するように構成され、前記制御部は、前記第1荷重に関する情報と前記第2荷重に関する情報とに応じて、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを制御するように構成される。
第17側面の制御装置によれば、第1モータおよび第2モータの少なくとも1つを第1荷重に関する情報および第2荷重に関する情報に応じて好適に制御できる。
【0022】
本開示の第17側面に従う第18側面の制御装置において、前記制御部は、前記人力駆動車に推進力を付与するように前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される。
第18側面の制御装置によれば、人力駆動車に推進力を付与可能な第1モータおよび第2モータの少なくとも1つを第1荷重に関する情報および第2荷重に関する情報に応じて好適に制御できる。
【0023】
本開示の第18側面に従う第19側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1荷重が前記第2荷重よりも大きい場合、前記第1モータによるアシスト力が前記第2モータによるアシスト力よりも大きい第1アシスト状態になるように前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される。
第19側面の制御装置によれば、第1荷重が第2荷重よりも大きい場合、第1モータによるアシスト力が第2モータによるアシスト力よりも大きい第1アシスト状態にできる。このため、第1モータによって付与される人力駆動車の推進力を大きくできる。このため、第1モータが連結される第1車輪の駆動力の不足を抑制できる。
【0024】
本開示の第18または第19側面に従う第20側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1荷重が前記第2荷重よりも小さい場合、前記第1モータによるアシスト力が前記第2モータによるアシスト力よりも小さい第2アシスト状態になるように、前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される。
第20側面の制御装置によれば、第1荷重が第2荷重よりも小さい場合、第1モータによるアシスト力が第2モータによるアシスト力よりも小さい第2アシスト状態にできる。このため、第2モータによって付与される人力駆動車の推進力を大きくできる。このため、第1モータが連結される第1車輪の駆動力を抑制できる。
【0025】
本開示の第17から第20側面のいずれか1つに従う第21側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを回生制動させるように構成される。
第21側面の制御装置によれば、回生制動できる第1モータおよび第2モータの少なくとも1つを、第1荷重に関する情報および第2荷重に関する情報に応じて好適に制御できる。
【0026】
本開示の第21側面に従う第22側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1荷重が前記第2荷重よりも大きい場合、前記第1モータの回生ブレーキ力が前記第2モータの回生ブレーキ力よりも大きくなるように、前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される。
第22側面の制御装置によれば、第1荷重が第2荷重よりも大きい場合、第1モータの回生ブレーキ力を第2モータの回生ブレーキ力よりも大きくできる。このため、第1モータが連結される第1車輪を好適に制動できる。
【0027】
本開示の第21または第22側面に従う第23側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1荷重が前記第2荷重よりも小さい場合、前記第1モータの回生ブレーキ力が前記第2モータの回生ブレーキ力よりも小さくなるように前記第1モータおよび前記第2モータを制御可能に構成される。
第23側面の制御装置によれば、第1荷重が第2荷重よりも小さい場合、第1モータの回生ブレーキ力を第2モータの回生ブレーキ力よりも小さくできる。このため、第2モータが連結される第2車輪を好適に制動できる。
【0028】
本開示の第21から第23側面のいずれか1つに従う第24側面の制御装置において、前記人力駆動車のピッチ角度を検出するように構成されるピッチ角度検出部をさらに含み、前記制御部は、前記人力駆動車の前記ピッチ角度が第1ピッチ角度未満の場合、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを回生状態にさせるように構成される。
第24側面の制御装置によれば、人力駆動車のピッチ角度が第1ピッチ角度未満の場合、第1モータおよび第2モータの少なくとも1つを回生状態にさせるため、人力駆動車が第1ピッチ角度未満になるような状態の場合に、第1モータに連結される第1車輪および第2モータに連結される第2車輪の少なくとも1つを制動できる。
【0029】
本開示の第17から第23側面のいずれか1つに従う第25側面の制御装置において、前記人力駆動車のピッチ角度を検出するように構成されるピッチ角度検出部をさらに含み、前記制御部は、前記第1荷重と前記第2荷重との比率と、前記人力駆動車の前記ピッチ角度と、に応じて、前記第1モータおよび前記第2モータの少なくとも1つを制御するように構成される。
第25側面の制御装置によれば、第1荷重と第2荷重との比率と、人力駆動車のピッチ角度と、に応じて、第1モータおよび第2モータの少なくとも1つを好適に制御できる。
【発明の効果】
【0030】
本開示の人力駆動車用の報知装置、人力駆動車用の報知システム、および、人力駆動車用の制御装置は、人力駆動車の荷重を好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1実施形態の人力駆動車用の報知システムを含む人力駆動車の側面図。
図2】第1実施形態の報知システムの電気的な構成を示すブロック図。
図3図2の第1制御部によって実行される報知情報を報知する処理のフローチャート。
図4図2の報知部によって報知される画像の第1例を示す模式図。
図5図2の報知部によって報知される画像の第2例を示す模式図。
図6】第2実施形態の第1制御部によって実行される報知情報を報知する処理のフローチャート。
図7】第2実施形態の報知部によって報知される画像の第1例を示す模式図。
図8】第2実施形態の報知部によって報知される画像の第2例を示す模式図。
図9】第3実施形態の報知システムの電気的な構成を示すブロック図。
図10図9の制御部によって実行される第1モータおよび第2モータを制御する処理のフローチャート。
図11】第3実施形態の報知部によって報知される画像の第3例を示す模式図。
図12】第4実施形態の報知システムの電気的な構成を示すブロック図。
図13図9の制御部によって実行される第1モータおよび第2モータの回生状態を変更する処理のフローチャート。
図14】第1実施形態の変形例の報知システムの電気的な構成を示すブロック図。
図15】第1実施形態の変形例の第1制御部によって実行される報知情報を報知する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施形態)
図1から図5を参照して、第1実施形態の人力駆動車用の報知システム40および人力駆動車用の制御装置70について説明する。以下、人力駆動車用の報知システム40を、単に報知システム40と記載する。人力駆動車10は、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車、ならびに、電動自転車(E-bike)を含む。人力駆動車10は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車も含む。電動自転車は、電気モータによって車両の推進を補助する電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
【0033】
人力駆動車10は、第1車輪12Aと第2車輪12Bと、を含む。本実施形態では、第1車輪12Aは前輪を含み、第2車輪12Bは後輪を含む。人力駆動車10は、クランク14をさらに含む。人力駆動車10は、フレーム16をさらに備える。クランク14には、人力駆動力が入力される。クランク14は、フレーム16に対して回転可能なクランク軸14Aと、クランク軸14Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられるクランクアーム14Bとを含む。各クランクアーム14Bには、ペダル18がそれぞれ連結される。本実施形態では、後輪が、駆動輪である。駆動輪は、クランク14が回転することによって駆動される。駆動輪は、フレーム16に支持される。クランク14と駆動輪とは、駆動機構20によって連結される。駆動機構20は、クランク軸14Aに結合される第1回転体22を含む。クランク軸14Aと第1回転体22とは、第1ワンウェイクラッチを介して結合されていてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク14が前転した場合に、第1回転体22を前転させ、クランク14が後転した場合に、第1回転体22を後転させないように構成される。第1回転体22は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構20は、第2回転体24と、連結部材26とをさらに含む。連結部材26は、第1回転体22の回転力を第2回転体24に伝達する。連結部材26は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0034】
第2回転体24は、駆動輪に連結される。第2回転体24は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体24と駆動輪との間には、好ましくは、第2ワンウェイクラッチが設けられている。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体24が前転した場合に、駆動輪を前転させ、第2回転体24が後転した場合に、駆動輪を後転させないように構成される。
【0035】
第2車輪12Bが前輪を含み、第1車輪12Aが後輪を含んでいてもよい。フレーム16には、フロントフォーク28を介して前輪が取り付けられている。フロントフォーク28には、ハンドルバー30がステム32を介して連結されている。以下の実施形態では、後輪を駆動輪として説明するが、前輪が駆動輪であってもよく、前輪および後輪の両方が駆動輪であってもよい。
【0036】
人力駆動車10は、人力駆動車用のバッテリ34を含む。バッテリ34は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ34は、報知システム40に電力を供給するように構成される。バッテリ34は、報知システム40を構成する各構成要素に電力を供給するように構成される。バッテリ34は、報知装置50の第1制御部54と電線または無線通信ユニットを介して通信可能に接続されてもよい。バッテリ34は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)によって第1制御部54と通信可能に構成されてもよい。バッテリ34は、報知装置50に設けられてもよい。
【0037】
報知システム40は、人力駆動車用の報知装置50と、検出部42と、を含む。
検出部42は、第1情報を受信部52に送信するように構成される。第1情報は、人力駆動車10の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重のバランスに関する。検出部42は、人力駆動車10の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重のバランスに関するパラメータを検出するように構成される。人力駆動車10の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重のバランスは、人力駆動車10の水平面または路面に対する姿勢、および、搭乗者の搭乗姿勢によって変化する。検出部42は、好ましくは、人力駆動車10の第1部分に設けられる第1検出部44と、人力駆動車10の前後方向において第1検出部44とは異なる第2部分に設けられる第2検出部46と、を含む。一例では、人力駆動車10の前後方向において、第1部分は、第2部分よりも前方の部分を含む。
【0038】
前後方向における荷重のバランスに関するパラメータは、第1部分にかかる第1荷重G1および第2部分にかかる第2荷重G2を含む。第1検出部44は、人力駆動車10の第1部分にかかる第1荷重G1に関する情報を検出するように構成される。第2検出部46は、人力駆動車10の第2部分にかかる第2荷重G2に関する情報を検出するように構成される。第1検出部44は、例えば、歪センサ、空気圧センサ、および、圧力センサの少なくとも1つを含む。第2検出部46は、例えば、歪センサ、空気圧センサ、および、圧力センサの少なくとも1つを含む。第1検出部44および第2検出部46は、それぞれ荷重に応じた信号を出力するように構成される。歪センサは、例えば、金属ひずみゲージ、および、半導体ひずみゲージの少なくとも1つを含む。
【0039】
第1検出部44は、例えば第1車輪12Aの車軸に設けられてもよい。第1検出部44が、第1車輪12Aの車軸に設けられる場合、第1検出部44は、歪センサまたは圧力センサを含む。第1検出部44は、第1車輪12Aの車軸に設けられて、第1車輪12Aの車軸にかかる荷重によって生じる歪または圧力に応じた信号を出力するように構成される。第1検出部44が第1車輪12Aの車軸に設けられる場合、人力駆動車10の第1部分は、第1車輪12Aの車軸に対応する。第1車輪12Aの車軸にかかる荷重は、第1荷重G1に対応する。第1検出部44または報知装置50の第1制御部54は、第1車輪12Aの車軸にかかる荷重によって生じる歪または圧力に応じた信号に基づいて、第1荷重G1を算出するように構成される。荷重センサが第1車輪12Aの車軸に設けられる場合、第1荷重G1は、第1車輪12Aを除く人力駆動車10の重量および搭乗者の体重に応じた全荷重のうちの人力駆動車10の第1部分にかかる荷重に対応する。
【0040】
第1検出部44は、例えば第1車輪12Aのタイヤまたはリムに設けられてもよい。第1検出部44が、第1車輪12Aのタイヤまたはリムに設けられる場合、第1検出部44は、空気圧センサを含む。第1検出部44は、例えば、第1車輪12Aのタイヤまたはリムに設けられて、タイヤの空気圧に応じた信号を出力するように構成される。第1検出部44が第1車輪12Aに設けられる場合、人力駆動車10の第1部分は、第1車輪12Aに対応する。第1検出部44または報知装置50の第1制御部54は、第1車輪12Aのタイヤの空気圧に応じた信号に基づいて、第1荷重G1を算出するように構成される。空気圧センサが第1車輪12Aに設けられる場合、第1荷重G1は、人力駆動車10の重量および搭乗者の体重に応じた全荷重のうちの人力駆動車10の第1部分にかかる荷重に対応する。
【0041】
第1検出部44は、例えばフレーム16に設けられてもよい。第1検出部44が、フレーム16に設けられる場合、第1検出部44は、歪センサまたは圧力センサを含む。第1検出部44は、フレーム16にかかる荷重よって生じる歪または圧力に応じた信号を出力するように構成される。第1検出部44がフレーム16に設けられる含む場合、第1部分は、第1検出部44が設けられるフレーム16の一部分に対応する。第1検出部44または報知装置50の第1制御部54は、フレーム16にかかる荷重よって生じる歪または圧力に応じた信号に基づいて、第1荷重G1を算出するように構成される。第1検出部44が歪センサを含む場合、第1荷重G1は、第1車輪12Aおよび第2車輪12Bを除く人力駆動車10の重量および搭乗者の体重に応じた全荷重のうちの第1部分にかかる荷重に対応する。
【0042】
第2検出部46は、例えば第2車輪12Bの車軸に設けられてもよい。第2検出部46が、第2車輪12Bの車軸に設けられる場合、第2検出部46は、歪センサまたは圧力センサを含む。第2検出部46は、第2車輪12Bの車軸に設けられて、第2車輪12Bの車軸にかかる荷重によって生じる歪または圧力に応じた信号を出力するように構成される。第2検出部46が第2車輪12Bの車軸に設けられる場合、人力駆動車10の第2部分は、第2車輪12Bの車軸に対応する。第2車輪12Bの車軸にかかる荷重は、第2荷重G2に対応する。第2検出部46または報知装置50の第1制御部54は、第2車輪12Bの車軸にかかる荷重によって生じる歪または圧力に応じた信号に基づいて、第2荷重G2を算出するように構成される。荷重センサが第2車輪12Bの車軸に設けられる場合、第2荷重G2は、第2車輪12Bを除く人力駆動車10の重量および搭乗者の体重に応じた全荷重のうちの人力駆動車10の第2部分にかかる荷重に対応する。
【0043】
第2検出部46は、例えば第2車輪12Bのタイヤまたはリムに設けられてもよい。第2検出部46が、第2車輪12Bのタイヤまたはリムに設けられる場合、第2検出部46は、空気圧センサを含む。第2検出部46は、例えば、第2車輪12Bのタイヤまたはリムに設けられて、タイヤの空気圧に応じた信号を出力するように構成される。第2検出部46が第2車輪12Bに設けられる場合、人力駆動車10の第2部分は、第2車輪12Bに対応する。第2検出部46または報知装置50の第1制御部54は、第2車輪12Bのタイヤの空気圧に応じた信号に基づいて、第2荷重G2を算出するように構成される。空気圧センサが第2車輪12Bに設けられる場合、第2荷重G2は、人力駆動車10の重量および搭乗者の体重に応じた全荷重のうちの人力駆動車10の第2部分にかかる荷重に対応する。
【0044】
第2検出部46は、例えばフレーム16に設けられてもよい。第2検出部46が、フレーム16に設けられる場合、第2検出部46は、歪センサまたは圧力センサを含む。第2検出部46は、フレーム16にかかる荷重よって生じる歪または圧力に応じた信号を出力するように構成される。第2検出部46がフレーム16に設けられる含む場合、第2部分は、第2検出部46が設けられるフレーム16の一部分に対応する。第2検出部46または報知装置50の第1制御部54は、フレーム16にかかる荷重よって生じる歪または圧力に応じた信号に基づいて、第2荷重G2を算出するように構成される。第2検出部46が歪センサを含む場合、第2荷重G2は、第1車輪12Aおよび第2車輪12Bを除く人力駆動車10の重量および搭乗者の体重に応じた全荷重のうちの第2部分にかかる荷重に対応する。
【0045】
第1検出部44および第2検出部46の一方は、クランク14、ペダル18、サドル36、シートポスト38、および、ハンドルバー30の少なくとも1つに設けられてもよい。第1検出部44および第2検出部46の一方が、クランク14、ペダル18、サドル36、シートポスト38、および、ハンドルバー30の少なくとも1つに設けられる場合、第1検出部44および第2検出部46の一方は、歪センサまたは圧力センサを含む。第1検出部44および第2検出部46の一方が、クランク14、ペダル18、サドル36、および、シートポスト38、ハンドルバー30の少なくとも1つに設けられる場合、第1検出部44および第2検出部46の一方は、クランク14、ペダル18、サドル36、シートポスト38、および、ハンドルバー30の少なくとも1つにかかる搭乗者の体重に応じた荷重を検出するように構成される。この場合、第1検出部44が検出する第1荷重G1および第2検出部46が検出する第2荷重G2の一方は、搭乗者の体重に応じた荷重のうちの第1部分および第2部分の一方にかかる荷重に対応し、第1検出部44が検出する第1荷重G1および第2検出部46が検出する第2荷重G2の他方は、人力駆動車10の少なくとも一部を含む対象物の第1部分および第2部分の一方にかかる荷重に対応する。
【0046】
報知装置50は、受信部52と、作成部54Aと、報知部56と、を備える。受信部52は、第1情報を受信するように構成される。作成部54Aは、第1情報に応じて対象物の前後方向における荷重のバランスに関する報知情報を作成するように構成される。報知部56は、報知情報を報知するように構成される。
【0047】
報知部56は、表示装置56A、発音装置56B、および、振動装置56Cの少なくとも1つを含む。報知部56は、好ましくは、表示装置56Aを含む。表示装置56Aは、人力駆動車10を示す画像56Pを表示するように構成される。報知部56は、例えば、ハンドルバー30に設けられる。報知装置50は、サイクルコンピュータを含んでいてもよく、スマートフォンを含んでいてもよい。
【0048】
報知装置50は、好ましくは、第1制御部54を備える。第1制御部54は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。第1制御部54は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。第1制御部54の少なくとも一部は、報知部56が設けられるハウジングに設けられてもよく、報知部56とは別体に設けられてもよい。本実施形態では、作成部54Aは、第1制御部54に含まれる。作成部54Aは、例えば、第1制御部54に含まれる演算処理装置によって構成される。作成部54Aは、第1制御部54とは別体に設けられてもよい。作成部54Aが、第1制御部54とは別体に設けられる場合、作成部54Aは、第1制御部54に含まれる演算処理装置とは別の演算処理装置を含む。
【0049】
報知装置50は、好ましくは、記憶部58をさらに備える。記憶部58には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部58は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部58の少なくとも一部は、報知部56が設けられるハウジングに設けられてもよく、報知部56とは別体に設けられてもよい。
【0050】
受信部52は、検出部42からの信号を受信するように構成される。受信部52は、検出部42と接続されて検出部42から第1情報を受信するように構成されてもよく、他の装置を介して検出部42の検出結果に関する第1情報を受信するように構成されてもよい。受信部52は、有線通信部を含んでいてもよく、無線通信部を含んでいてもよい。無線通信部は、第1情報を無線によって受信するように構成される。無線通信部が行う無線通信の規格の一例は、ANT+(登録商標)またはBluetooth(登録商標)である。報知装置50は、情報を送信するように構成される送信部を備えてもよい。受信部52は、報知部56が設けられるハウジングに設けられてもよく、報知部56とは別体に設けられてもよい。
【0051】
記憶部58は、対象物の荷重のバランスに関する第2情報を記憶するように構成される。作成部54Aは、第1情報と第2情報との比較情報を作成するように構成される。報知情報は、比較情報を含む。好ましくは、第1情報は、人力駆動車10に搭乗者が搭乗している場合、人力駆動車10の少なくとも一部と、搭乗者の少なくとも一部と、を含む対象物の前後方向における荷重のバランスに関する。本実施形態では、人力駆動車10の少なくとも一部と、搭乗者と、を含む対象物の前後方向における荷重のバランスに関する場合、比較情報は、人力駆動車10の少なくとも一部と、搭乗者とを含む対象物の前後方向における重心の位置GXに関する情報を含む。好ましくは、第2情報は、対象物の前後方向における荷重のバランスに関する情報を含み、比較情報は、好ましくは、対象物の前後方向における荷重のバランスを第2情報に含まれる対象物の前後方向における荷重のバランスに近付けるための示唆情報を含む。第2情報は、例えば、人力駆動車10の前後方向において、人力駆動車10の走行に好適な重心の位置GXに関する情報を含む。第2情報は、好ましくは、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに対して、人力駆動車10の前後方向において好適な重心の位置GXに関する情報を含む。第2情報は、例えば、上級者のライダの走行データを用いて予め作成される。第2情報は、人力駆動車10の前後方向における重心の位置GXと対応付けられる数値V2を含み、記憶部58には、数値V2が記憶されていてもよい。
【0052】
人力駆動車10の前後方向における重心の位置GXは、例えば、第1荷重G1と第2荷重G2との比率によって示される。例えば、第1荷重G1と第2荷重G2とが等しい場合、重心の位置GXは、人力駆動車10の前後方向における第1部分と第2部分との中央の位置と対応する。例えば、第2荷重G2が0(ゼロ)かつ第1荷重G1が0(ゼロ)よりも大きい場合、重心の位置GXは、人力駆動車10の前後方向における第1部分を含む位置と対応する。例えば、第1荷重G1が0(ゼロ)かつ第2荷重G2が0(ゼロ)よりも大きい場合、重心の位置GXは、人力駆動車10の前後方向における第2部分を含む位置と対応する。第2情報が数値V2を含む場合、数値V2は、第1荷重G1と第2荷重G2との和に対する第1荷重G1の割合であってもよい。
【0053】
作成部54Aは、好ましくは、第1情報から第2情報と比較可能なバランス情報を作成し、第2情報とバランス情報とを比較した比較情報を作成するように構成される。例えば、第2情報が数値V2を含む場合、作成部54Aは、第1情報に含まれる第1荷重G1および第2荷重G2から数値V2と比較するための数値V1を算出するように構成される。バランス情報は、数値V1を含む。作成部54Aは、第2情報とバランス情報とを比較した結果によって比較情報を作成するように構成される。第2情報が数値V2を含む場合、比較情報は、数値V1と数値V2との差Dを含んでいてもよく、数値V1と数値V2との差Dをユーザが把握可能な画像56P、音声、および、振動の少なくとも1つを作成するための情報を含んでいてもよい。示唆情報は、ユーザが数値V1を数値V2に近付けるための運転操作を把握可能な画像56P、音声、および、振動の少なくとも1つを作成するための情報を含んでいてもよい。ユーザが数値V1を数値V2に近付けるための運転操作を把握可能な情報を比較情報が含む場合、報知部56は比較情報を報知することによって示唆情報も報知できる。
【0054】
報知部56が発音装置56Bを含む場合、発音装置56Bは、例えば、“重心の位置を後方に移動させてください”、および“重心が理想位置とずれています”等の音声によって、比較情報または示唆情報を報知するように構成される。報知部56が振動装置56Cを含む場合、複数の振動装置56Cが、例えば、人力駆動車10の2か所以上にそれぞれ設けられ、比較情報に応じて振動するように構成される。複数の振動装置56Cが設けられる場所の組み合わせの例は、ハンドルバー30とペダル18との組み合わせ、ハンドルバー30とサドル36またはシートポスト38との組み合わせ、および、ハンドルバー30とペダル18とサドル36またはシートポスト38との組み合わせである。例えば荷重の位置GXが前方に移動すると、複数の振動装置56Cのうちハンドルバー30に設けられる振動装置56Cが振動し、他の振動装置56Cは振動しないように構成される。例えば荷重の位置GXが後方に移動すると、ペダル18と、サドル36またはシートポスト38との少なくとも1つに設けられる振動装置56Cが振動し、他の振動装置56Cは振動しないように構成される。振動装置56Cは、例えば電動モータと、電動モータの回転軸に設けられる重りと、を含む。
【0055】
振動装置56Cは、ハンドルバー30のみに設けられてもよい。振動装置56Cをハンドルバー30のみに設ける場合、振動装置56Cは、振動の大きさおよび振動の周期の少なくとも1つによって報知情報を報知するように構成されてもよい。例えば、振動装置56Cは、荷重の位置GXが前方に移動すると振動が小さくなり、荷重の位置GXが後方に移動すると振動が大きくなり、差Dが予め定める値D以下になると振動が停止するように構成されてもよい。例えば、振動装置56Cは、荷重の位置GXが前方に移動すると振動が大きくなり、荷重の位置GXが後方に移動すると振動が小さくなり、差Dが予め定める値D以下になると振動が停止するように構成されてもよい。例えば、振動装置56Cは、荷重の位置GXが前方に移動すると振動の周期が小さくなり、荷重の位置GXが後方に移動すると振動の周期が大きくなり、差Dが予め定める値D以下になると振動が停止するように構成されてもよい。例えば、振動装置56Cは、荷重の位置GXが前方に移動すると振動の周期が大きくなり、荷重の位置GXが後方に移動すると振動の周期が小さくなり、差Dが予め定める値D以下になると振動が停止するように構成されてもよい。振動装置56Cをハンドルバー30のみに設ける場合、ハンドルバー30の右側のグリップおよび左側のグリップのそれぞれに振動装置56Cを設け、荷重の位置GXが前方にずれた場合、ハンドルバー30の右側のグリップおよび左側のグリップの一方に設けられる振動装置56Cが振動し、荷重の位置GXが後方にずれた場合、ハンドルバー30の右側のグリップおよび左側のグリップの他方に設けられる振動装置56Cが振動するように構成されてもよい。例えば、荷重の位置GXが前方に移動すると右側のグリップの振動装置56Cが振動し、荷重の位置GXが後方に移動すると左側のグリップの振動装置56Cが振動し、差Dが予め定める値D以下になると右側のグリップおよび左側のグリップの両方の振動装置56Cが振動を停止するように構成されてもよい。
【0056】
報知システム40は、好ましくは、ピッチ角度検出部48をさらに含む。ピッチ角度検出部48は、人力駆動車10のピッチ角度に関する情報を出力するように構成される。ピッチ角度検出部48は、例えば、傾斜センサを含む。傾斜センサは、例えば、ジャイロセンサおよび加速度センサの少なくとも一方を含む。ジャイロセンサは、好ましくは、3軸ジャイロセンサを含む。ジャイロセンサは、好ましくは、人力駆動車10のヨー角度、人力駆動車10のロール角度、および、人力駆動車10のピッチ角度DAを検出可能に構成される。ジャイロセンサの3軸は、好ましくは、人力駆動車10を水平面に前輪および後輪を接地させて直立させた状態における人力駆動車10の前後方向、左右方向、および、上下方向に沿うように人力駆動車10に設けられる。ジャイロセンサは、1軸ジャイロセンサ、または2軸ジャイロセンサを含んでいてもよい。報知システム40がピッチ角度検出部48を含む場合、受信部52は、好ましくは、ピッチ角度検出部48からのピッチ角度に関する情報を受信可能に構成される。ピッチ角度検出部48は、GPS(Global Positioning System)受信装置と、道路の傾斜情報を含む地図データが記憶される記憶部と、を含み、GPS受信装置によって取得した位置情報と、地図データに含まれる道路の傾斜情報とから、ピッチ角度に関する情報を出力するように構成されてもよい。
【0057】
記憶部58は、好ましくは、人力駆動車10のピッチ角度DAに対応付けられた複数の第2情報を記憶するように構成され、作成部54Aは、好ましくは、第1情報と、人力駆動車10のピッチ角度DAに応じた第2情報の比較情報を作成するように構成される。例えば、記憶部58には、ピッチ角度DAと第2情報とを対応付けた関係情報が記憶される。関係情報は、例えば、ピッチ角度DAと第2情報とを対応付けたテーブルを含む。関係情報は、関数、グラフ、および、マップの少なくとも1つを含んでもよい。報知部56は、好ましくは、人力駆動車10のピッチ角度DAに関する情報を報知するように構成される。
【0058】
図3を参照して、報知情報を報知する処理について説明する。第1制御部54は、第1制御部54に電力が供給されると、処理を開始して図3に示すフローチャートのステップS11に移行する。第1制御部54は、図3のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0059】
第1制御部54は、ステップS11において、ピッチ角度DAに関する情報を取得し、ステップS12に移行する。具体的には、第1制御部54は、受信部52がピッチ角度検出部48から受信したピッチ角度DAに関する情報を取得する。第1制御部54は、ピッチ角度検出部48から受信部52に送信されてくるピッチ角度DAに関する情報を記憶部58に記憶させ、記憶部58に記憶されたピッチ角度DAに関する情報を取得してもよい。第1制御部54は、ピッチ角度検出部48にピッチ角度DAに関する情報を送信させるための指令信号を送信し、受信部52を介してピッチ角度検出部48から送信されたピッチ角度DAに関する情報を取得してもよい。
【0060】
第1制御部54は、ステップS12において、ピッチ角度DA関する情報に応じた第2情報を取得し、ステップS13に移行する。具体的には、第1制御部54は、ステップS12において、記憶部58に記憶されるピッチ角度DAに関する情報と第2情報とを対応付けた関係情報に基づいて、ステップS12において取得したピッチ角度DAに関する情報に対応する第2情報を取得する。
【0061】
第1制御部54は、ステップS13において、第1情報を取得し、ステップS14に移行する。具体的には、第1制御部54は、ステップS13において、受信部52が第1検出部44および第2検出部46から受信した第1荷重G1に関する情報および第2荷重G2に関する情報を取得する。第1制御部54は、第1検出部44および第2検出部46から受信部52に送信される第1荷重G1に関する情報および第2荷重G2に関する情報を記憶部58に記憶し、記憶部58に記憶された第1荷重G1に関する情報および第2荷重G2に関する情報を取得してもよい。第1制御部54は、第1検出部44および第2検出部46に第1荷重G1に関する情報および第2荷重G2に関する情報を送信させるための指令信号を送信し、受信部52を介して第1検出部44および第2検出部46から送信された第1荷重G1に関する情報および第2荷重G2に関する情報を取得してもよい。
【0062】
第1制御部54は、ステップS14において、バランス情報および比較情報を作成し、ステップS15に移行する。例えば、第1制御部54は、ステップS13において取得した第1荷重G1に関する情報と第2荷重G2に関する情報とから数値V1を作成することによってバランス情報を作成する。例えば、第1制御部54は、作成したバランス情報に含まれる数値V1と、ステップS12において取得した第2情報に含まれる数値V2と、の差Dを算出することによって比較情報を作成する。
【0063】
第1制御部54は、ステップS15において、比較情報に含まれる数値V1と第2情報に含まれる数値V2との差Dが予め定める値DX以上か否かを判定する。第1制御部54は、比較情報に含まれる数値V1と第2情報に含まれる数値V2との差Dが予め定める値DX以上の場合、ステップS16に移行する。第1制御部54は、ステップS16において、ピッチ角度DAに関する情報、および、比較情報を報知部56に報知させ、処理を終了する。例えば、第1制御部54は、ステップS16において、数値V1と数値V2との差Dを表す画像情報を作成させるための信号を報知部56に送信することによって、報知部56に比較情報を報知させる。第1制御部54は、ステップS16において、数値V1と数値V2との差Dを表す画像情報を作成して、作成した画像情報を報知部56に送信することによって、報知部56に比較情報を報知させてもよい。第1制御部54は、ステップS16において、示唆情報を表す画像情報を作成させるための信号を、報知部56に送信することによって、報知部56に示唆情報を報知させるようにしてもよい。第1制御部54は、ステップS16において、示唆情報を表す画像情報を作成し、作成した画像情報を報知部56に送信することによって、報知部56に示唆情報を報知させるようにしてもよい。
【0064】
第1制御部54は、ステップS15において、比較情報に含まれる数値V1と第2情報に含まれる数値V2との差Dが予め定める値DX未満の場合、ステップS17に移行する。第1制御部54は、ステップS17において、ピッチ角度DAに関する情報、および、バランス情報を報知部56に報知させ、処理を終了する。例えば、第1制御部54は、ステップS17において、少なくとも数値V1を表す画像情報を作成させるための信号を、報知部56に送信することによって、報知部56にバランス情報を報知させる。第1制御部54は、ステップS17において、少なくとも数値V1を表す画像情報を作成し、作成した画像情報を報知部56に送信することによって、報知部56にバランス情報を報知させてもよい。
【0065】
図4および図5は、ピッチ角度DAに関する情報、比較情報、および、示唆情報を含み、表示装置56Aによって報知される画像56Pの一例を示す。図4および図5に示す表示装置56Aによって報知される画像56Pは、ピッチ角度DAに関する情報、比較情報、および、示唆情報の全てを含むが、表示装置56Aによって報知される画像56Pは、ピッチ角度DAに関する情報、比較情報、および、示唆情報の1つまたは2つのみを含んでいてもよい。
【0066】
画像56Pは、例えば、人力駆動車10を右方から見た場合における人力駆動車10の模式図56Wと、第1情報と対応する重心の位置GXを示す第1画像部分56Xと、第2情報と対応する重心の位置GXを示す第2画像部分56Yと、示唆情報を示す第3画像部分56Zと、を含む。模式図56Wは、ピッチ角度DAと対応する傾斜角度を有するように表示される。第1画像部分56Xは、模式図56Wにおける数値V1と対応する重心の位置GXを表すように、模式図56Wに重ねられて表示される。第1画像部分56Xは、例えば、実線によって表示される。実線は、例えば画像56Pの上下方向に延びるように配置される。第2画像部分56Yは、模式図56Wにおける数値V2と対応する重心の位置GXを表すように、模式図56Wに重ねられて表示される。第2画像部分56Yは、例えば、仮想線によって表示される。仮想線は、例えば画像56Pの上下方向に延びるように配置される。第1画像部分56Xと第2画像部分56Yとは、好ましくは、色および形状の少なくとも1つが異なる。第3画像部分56Zは、例えば、第1画像部分56Xから第2画像部分56Yに向かう矢印を含む。第3画像部分56Zは、数値V1と数値V2との差Dが大きいほど、大きくなるように表示されてもよい。
【0067】
表示装置56Aは、数値V1と数値V2との差Dが予め定める値DX未満の場合、画像56Pに、模式図56Wおよび第1画像部分56Xが含まれ、第2画像部分56Yおよび第3画像部分56Zが含まれないように表示してもよい。表示装置56Aは、数値V1と数値V2との差Dが予め定める値DX未満の場合における第1画像部分56Xおよび第2画像部分56Yを、数値V1と数値V2との差Dが予め定める値DX以上の場合における第1画像部分56Xおよび第2画像部分56Yとは異なる色および異なる形状の少なくとも一方を含む線によって表すことによって、数値V1と数値V2との差Dが予め定める値DX未満の旨を報知してもよい。例えば、表示装置56Aは、数値V1と数値V2との差Dが予め定める値DX以上の場合、第1画像部分56Xおよび第2画像部分56Yを第1色で表示し、数値V1と数値V2との差Dが予め定める値DX未満の場合、第1画像部分56Xおよび第2画像部分56Yを第1色とは異なる第2色で表示する。
【0068】
報知情報が人力駆動車10の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重のバランスに関する第1情報に応じて作成される場合、ライダが人力駆動車10の重量を含む荷重のバランスを把握できるため、報知情報がライダの荷重のバランスのみに応じて作成される場合よりも人力駆動車10を好適に運転しやすい。
【0069】
(第2実施形態)
図6から図8を参照して、第2実施形態の報知システム40について説明する。第2実施形態の報知システム40は、ピッチ角度DAに関する情報、比較情報、および、示唆情報を報知しない点以外は、第1実施形態の報知システム40と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0070】
図6を参照して、報知情報を報知する処理について説明する。第1制御部54は、第1制御部54に電力が供給されると、処理を開始して図6に示すフローチャートのステップS21に移行する。第1制御部54は、図6のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0071】
第1制御部54は、ステップS21において、第1情報を取得し、ステップS22に移行する。第1情報の取得は、図3のフローチャートのステップS13と同様に処理される。第1制御部54は、ステップS22において、報知情報を作成し、ステップS23に移行する。ステップS22において作成される報知情報は、バランス情報を含む。第1制御部54は、少なくとも数値V1を表す画像57Pを作成させるための信号を、報知部56に送信することによって、報知部56にバランス情報を報知させる。第1制御部54は、少なくとも数値V1を表す画像情報を作成し、作成した画像情報を報知部56に送信することによって、報知部56にバランス情報を報知させてもよい。
【0072】
図7は、バランス情報を含み、表示装置56Aによって報知される画像57Pの一例を示す。図7において、バランス情報は、重心の位置GXに関する情報を含む。画像57Pは、例えば、人力駆動車10を右方から見た場合の人力駆動車10の模式図57Wと、重心の位置GXを示す第4画像部分57Xとを含む。第4画像部分57Xは、例えば、実線で表示される。実線は、例えば画像57Pの上下方向に延びるように配置される。画像57Pは、第1指標部57A、第2指標部57Bおよび第3指標部57Cの少なくとも1つを含む。第1指標部57Aは、重心の位置GXが人力駆動車10の前後方向における第1部分と第2部分との中央の位置と対応する場合に、第4画像部分57Xが表示される位置に表示される。第2指標部57Bは、重心の位置GXが人力駆動車10の前後方向における第1部分と対応する場合に、第4画像部分57Xが表示される位置に表示される。第3指標部57Cは、重心の位置GXが人力駆動車10の前後方向における第2部分と対応する場合に、第4画像部分57Xが表示される位置に表示される。第1指標部57A、第2指標部57Bおよび第3指標部57Cは、数字を含んでいてもよい。例えば、第1指標部57Aは、数字の0(ゼロ)を表す画像を含み、第2指標部57Bは、数字の100を表す画像を含み、第3指標部57Cは、数字の-100を表す画像を含んでいてもよい。第1指標部57A、第2指標部57B、および、第3指標部57Cは、例えば、鎖線によって表示される。第4画像部分57Xと、第1指標部57A、第2指標部57B、および、第3指標部57Cとは、好ましくは、色および形状の少なくとも1つが異なる。鎖線は、例えば画像57Pの上下方向に延びるように配置される。
【0073】
図8は、バランス情報を含み、表示装置56Aによって報知される画像57Pの別例を示す。図8において、バランス情報は、第1荷重G1に関する情報と第2荷重G2に関する情報とを含む。
【0074】
画像57Pは、例えば、人力駆動車10を右方から見た場合の人力駆動車10の模式図57Wと、第1荷重G1を示す第5画像部分57Yと、第2荷重G2を示す第6画像部分57Zと、を含む。第5画像部分57Yは、模式図57Wの第1部分に対応する部分から下方に向かう矢印を含む。第5画像部分57Yの矢印は、例えば、第1荷重G1が大きくなるほど大きくなるように表示される。第5画像部分57Yの矢印の大きさが、第1荷重G1の大きさに連動して変化することによって、搭乗者は、第1荷重G1の変化を直感的に把握できる。第6画像部分57Zは、模式図57Wの第2部分に対応する部分から下方に向かう矢印を含む。第6画像部分57Zの矢印は、例えば、第2荷重G2が大きくなるほど大きくなるように表示される。第6画像部分57Zの矢印の大きさが、第2荷重G2の大きさに連動して変化することによって、搭乗者は、第2荷重G2の変化を直感的に把握できる。
【0075】
(第3実施形態)
図1、および、図9から図11を参照して、第3実施形態の人力駆動車用の制御装置70について説明する。第1実施形態の報知システム40と同様の構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0076】
第3実施形態の人力駆動車10は、人力駆動車用の駆動システム60を含む。駆動システム60は、第1モータ62および第2モータ64を含む。人力駆動車10は、第1モータ62が連結される第1車輪12Aと、第2モータ64が連結される第2車輪12Bと、を含み、第1車輪12Aおよび第2車輪12Bの少なくとも1つに人力駆動力が伝達されるように構成される。本実施形態では、第1車輪12Aは前輪を含み、第2車輪12Bは後輪を含む。
【0077】
第1モータ62は、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。第1モータ62は、電気モータを含む。第1モータ62は、例えば第1車輪12Aの車軸に設けられる。第1モータ62は、好ましくは、インホイールモータである。第1モータ62と第1車輪12Aとの間の動力伝達経路には、第1車輪12Aを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に第1車輪12Aの回転力によって第1モータ62が回転しないように第1ワンウェイクラッチが設けられてもよい。第1モータ62と第1車輪12Aとの間には、例えば第1モータ62の回転を減速して出力するように構成される減速機が設けられてもよい。
【0078】
第2モータ64は、人力駆動車10に推進力を付与するように構成される。第2モータ64は、電気モータを含む。第2モータ64は、例えば第2車輪12Bの車軸に設けられる。第2モータ64は、例えば、インホイールモータである。第2モータ64と第2車輪12Bとの間の動力伝達経路には、第2車輪12Bを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合に第2車輪12Bの回転力によって第2モータ64が回転しないように第2ワンウェイクラッチが設けられてもよい。第2モータ64と第2車輪12Bとの間には、例えば第2モータ64の回転を減速して出力するように構成される減速機が設けられてもよい。
【0079】
制御装置70は、制御部72を備える。制御部72は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。制御部72は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部72の少なくとも一部は、第1モータ62が設けられるハウジングおよび第2モータ64が設けられるハウジングの少なくとも1つに設けられてもよく、第1モータ62が設けられるハウジングおよび第2モータ64が設けられるハウジングとは別体に設けられてもよい。
【0080】
制御装置70は、好ましくは、記憶部74をさらに備える。記憶部74には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部74は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。記憶部74の少なくとも一部は、第1モータ62が設けられるハウジングおよび第2モータ64が設けられるハウジングの少なくとも1つに設けられてもよく、第1モータ62が設けられるハウジングおよび第2モータ64が設けられるハウジングとは別体に設けられてもよい。
【0081】
制御装置70は、好ましくは、第1駆動回路76Aを備える。第1駆動回路76Aは、第1モータ62が設けられるハウジングに設けられることが好ましい。第1モータ62と第1駆動回路76Aとは、第1ドライブユニットを構成する。第1駆動回路76Aと、制御部72のうちの第1モータ62を制御するための制御回路とは、同一の回路基板に設けられてもよい。第1駆動回路76Aは、インバータ回路を含む。第1駆動回路76Aは、バッテリ34から第1モータ62に供給される電力を制御するように構成される。第1駆動回路76Aは、制御部72のうちの第1モータ62を制御するための制御回路と、電線または無線通信装置によって通信可能に接続されている。第1駆動回路76Aは、制御部72からの制御信号に応じて第1モータ62を駆動させる。
【0082】
制御装置70は、好ましくは、第2駆動回路76Bを備える。第2駆動回路76Bは、第2モータ64が設けられるハウジングに設けられることが好ましい。第2モータ64と第2駆動回路76Bとは、第2ドライブユニットを構成する。第2駆動回路76Bと、制御部72のうちの第2モータ64を制御するための制御回路とは、同一の回路基板に設けられてもよい。第2駆動回路76Bは、インバータ回路を含む。第2駆動回路76Bは、バッテリ34から第2モータ64に供給される電力を制御するように構成される。第2駆動回路76Bは、制御部72のうちの第2モータ64を制御するための制御回路と電線または無線通信装置によって通信可能に接続されている。第2駆動回路76Bは、制御部72からの制御信号に応じて第2モータ64を駆動させる。
【0083】
制御部72は、人力駆動車10に推進力を付与するように第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御装置70は、人力駆動車10の車速、クランク14の回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つに応じて第1モータ62および第2モータ64を制御するように構成される。人力駆動力は、トルクによって表されてもよいし、仕事率によって表されてもよい。制御装置70は、好ましくは、車速センサ80、クランク回転センサ78、および、トルクセンサ82をさらに備える。車速センサ80、クランク回転センサ78、および、トルクセンサ82は、電線または無線通信装置を介して制御部72に接続される。
【0084】
クランク回転センサ78は、クランク14の回転速度に関する情報を検出するように構成される。クランク回転センサ78は、例えば、人力駆動車10のフレーム16に、直接または間接的に取り付けられる。クランク回転センサ78は、例えば磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸14A、クランク軸14Aに連動して回転する部材、または、クランク軸14Aから第1回転体22までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク回転センサ78は、クランク14の回転速度に応じた信号を出力するように構成される。磁石は、クランク軸14Aから第1回転体22までの人力駆動力の動力伝達経路において、クランク軸14Aと一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、磁石は、クランク軸14Aと第1回転体22との間に第1ワンウェイクラッチが設けられない場合、第1回転体22に設けられてもよい。クランク回転センサ78は、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。制御部72は、クランク14の回転速度に関する情報に基づいて、クランク14の回転速度を算出できる。
【0085】
車速センサ80は、人力駆動車10の車速に関する情報を検出するように構成される。車速センサ80は、例えば、車輪の回転速度に応じた信号を出力するように構成される。制御部72は、車輪の回転速度に基づいて人力駆動車10の車速を算出できる。車速センサ80は、好ましくは、リードスイッチを構成する磁性体リード、または、ホール素子を含む。車速センサ80は、人力駆動車10のフレーム16のチェーンステイに取り付けられ、後輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク28に設けられ、前輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。車速センサ80は、GPS受信装置を含んでいてもよい。
【0086】
トルクセンサ82は、クランク14に入力される人力駆動力に関する情報を検出するように構成される。トルクセンサ82は、クランク14に入力される人力駆動力のトルクに応じた信号を出力するように構成される。トルクセンサ82は、例えば、動力伝達経路に第1ワンウェイクラッチが設けられる場合、第1ワンウェイクラッチよりも動力伝達経路の上流側に設けられる。トルクセンサ82は、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、金属歪ゲージおよび半導体歪ゲージの少なくとも1つを含む。トルクセンサ82は、動力伝達経路、または、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられる。動力伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸14A、クランク軸14Aと第1回転体22との間において人力駆動力を伝達する部材、クランクアーム14B、または、ペダル18である。人力駆動力を仕事率によって表す場合、人力駆動力は、トルクセンサ82によって検出されたトルクとクランク回転センサ78によって検出されたクランク14の回転速度とを乗算して算出される。
【0087】
制御部72は、例えば、第1モータ62について、人力駆動力に対する第1モータ62によるアシスト力の第1アシスト比率、または、第1モータ62によるアシスト力の大きさを、複数の段階に制御可能に構成される。制御部72は、例えば、第1アシスト比率、または、第1モータ62によるアシスト力の大きさが、第1段階A1、第2段階A2、および、第3段階A3のいずれかになるように、第1モータ62を制御可能に構成される。第1段階A1の第1アシスト比率または第1モータ62によるアシスト力の大きさは、第2段階A2よりも小さい。第2段階A2の第1アシスト比率、または、第1モータ62によるアシスト力の大きさは、第3段階A3よりも小さい。制御部72は、第1モータ62を、第1アシスト比率または第1モータ62によるアシスト力の大きさが、2段階または4段階以上になるように制御可能に構成されてもよい。
【0088】
制御部72は、例えば、第2モータ64について、人力駆動力に対する第2モータ64によるアシスト力の第2アシスト比率、または、第2モータ64によるアシスト力の大きさを複数の段階に制御可能に構成される。制御部72は、例えば、第2アシスト比率または第2モータ64によるアシスト力の大きさが、第1段階B1、第2段階B2、および、第3段階B3のいずれかになるように、第2モータ64を制御可能に構成される。第1段階B1の第2アシスト比率、または、第2モータ64によるアシスト力の大きさは、第2段階B2よりも小さい。第2段階B2の第2アシスト比率、または、第2モータ64によるアシスト力の大きさは、第3段階B3よりも小さい。制御部72は、第2モータ64を、第2アシスト比率または第2モータ64によるアシスト力の大きさが、2段階または4段階以上になるように制御可能に構成されてもよい。
【0089】
第1モータ62の第1段階A1における第1アシスト比率または第1モータ62によるアシスト力の大きさは、例えば、第2モータ64の第1段階B1における第2アシスト比率または第2モータ64によるアシスト力の大きさと等しい。第1モータ62の第2段階A2における第1アシスト比率または第1モータ62によるアシスト力の大きさは、例えば、第2モータ64の第2段階B2における第2アシスト比率または第2モータ64によるアシスト力の大きさと等しい。第1モータ62の第3段階A3における第1アシスト比率または第1モータ62によるアシスト力の大きさは、例えば、第2モータ64の第3段階B3における第2アシスト比率または第2モータ64によるアシスト力の大きさと等しい。
【0090】
制御部72は、人力駆動車10、および、人力駆動車10の搭乗者の少なくとも1つを含む対象物の荷重に関する情報を検出するように構成される検出部84の出力に応じて、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを制御するように構成される。
【0091】
制御装置70は、好ましくは、検出部84をさらに含む。検出部84は、人力駆動車10の第1部分に設けられる第1検出部86と、人力駆動車10の前後方向において第1検出部86とは異なる第2部分に設けられる第2検出部88と、を含む。第1検出部86は、第1実施形態の第1検出部44と同様に構成される。第2検出部88は、第1実施形態の第2検出部46と同様に構成される。
【0092】
第1検出部86は、第1部分にかかる第1荷重G1に関する情報を検出するように構成される。第2検出部88は、第2部分にかかる第2荷重G2に関する情報を検出するように構成される。制御部72は、第1荷重G1に関する情報と第2荷重G2に関する情報とに応じて、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを制御するように構成される。
【0093】
制御部72は、第1モータ62によるアシスト力が第2モータ64によるアシスト力よりも大きい第1アシスト状態になるように、第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御部72は、第1モータ62によるアシスト力が第2モータ64によるアシスト力よりも小さい第2アシスト状態になるように第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御部72は、好ましくは、第1モータ62によるアシスト力と第2モータ64によるアシスト力とが等しい第3アシスト状態になるように第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御部72は、第1荷重G1が第2荷重G2よりも大きい場合、第1アシスト状態になるように第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御部72は、第1荷重G1が第2荷重G2よりも小さい場合、第2アシスト状態になるように第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御部72は、好ましくは、第1モータ62と第2モータ64とにアシスト力を発生させない非アシスト状態になるように、第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。
【0094】
制御部72は、好ましくは、重心の位置GXに応じてアシスト状態が異なるように第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御部72は、好ましくは、第1荷重G1と第2荷重G2との比率に応じて、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを制御するように構成される。制御部72は、例えば、第1荷重G1および第2荷重G2に対する第1荷重G1の比率Rに応じて、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを制御するように構成される。
【0095】
制御部72は、例えば、予め定める複数の範囲のうちのいずれに比率Rが含まれるのかに応じて、第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。予め定める複数の範囲は、例えば、第1範囲、第2範囲、第3範囲、第4範囲、および、第5範囲を含む。第1範囲、第2範囲、第3範囲、第4範囲、および、第5範囲は、人力駆動車10の前から後ろに向かって順番に並ぶように設定される。重心の位置GXが、人力駆動車10の前後方向において第1部分と第2部分との中央と対応する位置および中央と対応する位置付近にある場合は、比率Rが第3範囲に含まれる。重心の位置GXが、人力駆動車10の前後方向において第1部分と対応する位置および第1部分と対応する位置付近にある場合は、比率Rが第1範囲に含まれる。重心の位置GXが、人力駆動車10の前後方向において第1範囲と第3範囲との間の範囲にある場合は、比率Rが第2範囲に含まれる。重心の位置GXが、人力駆動車10の前後方向において第2部分と対応する位置および第2部分と対応する位置付近にある場合は、比率Rが第5範囲に含まれる。重心の位置GXが、人力駆動車10の前後方向において第3範囲と第5範囲との間の範囲にある場合、比率Rが第4範囲に含まれる。第1範囲、第2範囲、第3範囲、第4範囲、および、第5範囲の大きさは、等しくてもよく、少なくとも1つが異なっていてもよい。例えば、第1範囲、第3範囲、および、第5範囲は、第2範囲および第4範囲よりも小さくなっていてもよい。
【0096】
制御装置70は、好ましくは、人力駆動車10のピッチ角度DAを検出するように構成されるピッチ角度検出部90をさらに含む。制御部72は、好ましくは、第1荷重G1と第2荷重G2との比率と、人力駆動車10のピッチ角度DAと、に応じて、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを制御するように構成される。ピッチ角度検出部90は、第1実施形態のピッチ角度検出部48と同様に構成される。
【0097】
制御部72は、好ましくは、予め定める複数の角度範囲のうちのいずれにピッチ角度DAが含まれるのかに応じて、第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。予め定める複数の角度範囲は、例えば、第1角度範囲、第2角度範囲および第3角度範囲を含む。第1角度範囲は、例えば、人力駆動車10が上り坂を走行している場合のピッチ角度DAが含まれる範囲である。第2角度範囲は、人力駆動車10が平道を走行している場合のピッチ角度DAが含まれる範囲である。第3角度範囲は、人力駆動車10が下り坂を走行している場合のピッチ角度DAが含まれる範囲である。
【0098】
制御部72は、好ましくは、比率Rが第1範囲にある場合、第1モータ62および第2モータ64を駆動させない。制御部72は、好ましくは、比率Rが第5範囲にある場合、第1モータ62および第2モータ64を駆動させない。
【0099】
記憶部74には、好ましくは、ピッチ角度DAおよび比率Rに第1モータ62の制御状態および第2モータ64の制御状態を関連付けた情報が記憶される。表1は、ピッチ角度DA、重心の位置GX、第1モータ62の制御状態、および、第2モータ64の制御状態の組み合わせの一例を示す。
【0100】
【表1】
【0101】
記憶部74は、ピッチ角度DAおよび比率Rに第1モータ62の制御状態および第2モータ64の制御状態を関連付けた情報を変更可能に記憶してもよい。制御部72は、例えば、人力駆動車10に設けられる操作入力装置と、制御装置70に電線および無線通信装置の少なくとも1つを介して通信可能に接続される外部装置と、の少なくとも1つからの指示に応じて、ピッチ角度DA、重心の位置GX、第1モータ62の制御状態、および、第2モータ64の制御状態の組み合わせに関して、記憶部74に記憶される情報を、変更可能に構成されてもよい。外部装置は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータまたはパーソナルコンピュータを含む。
【0102】
図10を参照して、第1モータ62および第2モータ64を制御する処理について説明する。制御部72は、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図10に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部72は、図10のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0103】
制御部72は、ステップS31において、ピッチ角度DAを取得し、ステップS32に移行する。具体的には、制御部72は、ピッチ角度検出部90からピッチ角度DAに関する情報を取得する。制御部72は、ピッチ角度検出部90から制御部72に送信されてくるピッチ角度DAに関する情報を記憶部74に記憶し、記憶部74に記憶されたピッチ角度DAに関する情報を取得してもよく、ピッチ角度検出部90にピッチ角度DAに関する情報を送信させるための指令信号を送信し、ピッチ角度検出部90から送信されたピッチ角度DAに関する情報を取得してもよい。
【0104】
制御部72は、ステップS32において、第1荷重G1に関する情報および第2荷重G2に関する情報を取得し、比率Rを算出して、ステップS33に移行する。具体的には、制御部72は、第1検出部86から第1荷重G1に関する情報を取得し、第2検出部88から第2荷重G2に関する情報を取得する。制御部72は、第1検出部86から送信されてくる第1荷重G1に関する情報および第2検出部88から送信されてくる第2荷重G2に関する情報を記憶部74に記憶し、記憶部74に記憶された第1荷重G1に関する情報および第2荷重G2に関する情報を取得してもよい。制御部72は、第1検出部86に第1荷重G1に関する情報を送信させるための指令信号を送信し、第1検出部86から送信された第1荷重G1に関する情報を取得し、第2検出部88に第2荷重G2に関する情報を送信させるための指令信号を送信し、第2検出部88から送信された第2荷重G2に関する情報を取得してもよい。制御部72は、例えば、第1荷重G1を第1荷重G1と第2荷重G2との和で除算することによって、比率Rを算出する。
【0105】
制御部72は、ステップS33において、ピッチ角度DAおよび比率Rに応じて、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを制御し、処理を終了する。制御部72は、例えば、ステップS31で取得したピッチ角度DAに関する情報と、ステップS32で算出した比率Rと、ピッチ角度DAおよび比率Rに第1モータ62の制御状態および第2モータ64の制御状態を関連付けて記憶部74に記憶される情報と用いて、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを制御するように構成される。
【0106】
制御装置70は、第1実施形態および第2実施形態と同様の報知部56を含み、報知部56に比率Rを報知させるようにしてもよい。比率Rは、第1および第2実施形態のバランス情報と対応する。例えば、図11は、バランス情報を含み、表示装置56Aによって報知される画像59Pの一例を示す。画像59Pは、例えば、人力駆動車10を右方から見た場合の人力駆動車10の模式図59Wと、第1情報と対応する重心の位置GXが含まれる範囲を示す第7画像部分59Xとを含む。画像59Pは、第1範囲から第5範囲に対応する複数の領域を含む。制御部72は、第1範囲から第5範囲のいずれか1つに対応する画像59Pの領域のうち、第1情報と対応する重心の位置GXが含まれる領域の色を、その他の領域の色と異なる色にして画像59Pを作成する。第7画像部分59Xは、第1情報と対応する重心の位置GXが含まれる領域に対応する。図11の画像59Pでは、第3範囲に対応する領域の色が、その他の領域の色と異なる場合について示している。
【0107】
(第4実施形態)
図12および図13を参照して、第4実施形態の制御装置70について説明する。第4実施形態の制御装置70は、制御部72が第1モータ62および第2モータ64を回生状態にさせるように構成されている点以外は、第3実施形態の制御装置70と同様であるので、第1実施形態および第3実施形態と共通する構成については、第1実施形態および第3実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0108】
制御部72は、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを回生制動させるように構成される。第1モータ62は、回生制動可能に構成される。第1モータ62と、第1車輪12Aとの間には、第1クラッチ92が設けられる。制御部72は、第1クラッチ92を制御することによって、第1モータ62を回生制動可能な回生状態と、回生制動を行わない非回生状態との間で切り替える。制御部72は、第1モータ62を非回生状態に切り替える場合、第1モータ62を停止するように構成される。第2モータ64は、回生可能に構成される。第2モータ64と、第2車輪12Bとの間には、第2クラッチ94が設けられる。制御部72は、第2クラッチ94を制御することによって、第2モータ64を回生制動可能な回生状態と、回生制動を行わない非回生状態との間で切り替える。制御部72は、第2モータ64を非回生状態に切り替える場合、第2モータ64を停止するように構成される。第1クラッチ92および第2クラッチ94は、例えば、ツーウェイクラッチ、または、電磁クラッチなどを含む。制御部72は、第1クラッチ92および第2クラッチ94にそれぞれ接続される電気アクチュエータを制御することによって、第1クラッチ92および第2クラッチ94を制御してもよい。
【0109】
制御部72は、第1クラッチ92および第2クラッチ94の少なくとも1つを制御することによって、第1モータ62および第2モータ64を、複数の回生状態のいずれか1つとなるように制御可能に構成される。複数の回生状態は、第1回生状態、第2回生状態、第3回生状態、および、非回生状態を含む。第1回生状態では、第1モータ62の回生ブレーキ力が、第2モータ64の回生ブレーキ力よりも大きい。第2回生状態では、第1モータ62の回生ブレーキ力が、第2モータ64の回生ブレーキ力よりも小さい。第3回生状態では、第1モータ62の回生ブレーキ力が、第2モータ64の回生ブレーキ力と等しい。非回生状態では、第1モータ62が非回生状態であり、かつ、第2モータ64が非回生状態である。
【0110】
制御部72は、第1荷重G1が第2荷重G2よりも大きい場合、第1モータ62の回生ブレーキ力が第2モータ64の回生ブレーキ力よりも大きくなるように、第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御部72は、例えば、第1クラッチ92によって第1モータ62を回生状態にし、第2クラッチ94によって第2モータ64を非回生状態にすることによって、第1モータ62および第2モータ64を第1回生状態にする。制御部72は、例えば、第1クラッチ92によって第1モータ62を回生状態にし、第2クラッチ94によって第2モータ64を回生状態にし、かつ、第1モータ62による回生ブレーキ力を、第2モータ64による回生ブレーキ力よりも大きくなるように、第1モータ62および第2モータ64を制御することによって、第1モータ62および第2モータ64を第1回生状態にしてもよい。
【0111】
制御部72は、第1荷重G1が第2荷重G2よりも小さい場合、第1モータ62の回生ブレーキ力が第2モータ64の回生ブレーキ力よりも小さくなるように第1モータ62および第2モータ64を制御可能に構成される。制御部72は、例えば、第1クラッチ92によって第1モータ62を非回生状態にし、第2クラッチ94によって第2モータ64を回生状態にすることによって、第1モータ62および第2モータ64を第2回生状態に形成する。制御部72は、例えば、第1クラッチ92によって第1モータ62を回生状態にし、第2クラッチ94によって第2モータ64を回生状態にし、かつ、第2モータ64による回生ブレーキ力を、第1モータ62による回生ブレーキ力よりも大きくなるように、第1モータ62および第2モータ64を制御することによって、第1モータ62および第2モータ64を第2回生状態にしてもよい。
【0112】
制御装置70は、人力駆動車10のピッチ角度DAを検出するように構成されるピッチ角度検出部90をさらに含み、制御部72は、好ましくは、人力駆動車10のピッチ角度DAが第1ピッチ角度DA1未満の場合、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを回生状態にさせるように構成される。人力駆動車10が下り坂を走行する場合のピッチ角度DAは、第1ピッチ角度DA1未満である。
【0113】
制御部72は、例えば予め定める複数の角度範囲のうちのいずれにピッチ角度DAが含まれるのかに応じて、第1クラッチ92および第2クラッチ94を制御可能に構成される。制御部72は、例えば、予め定める複数の角度範囲のうちのいずれにピッチ角度DAが含まれるのかに応じて、第1クラッチ92および第2クラッチ94と、第1モータ62および第2モータ64とを、を制御可能に構成される。予め定める複数の角度範囲は、例えば、第1角度範囲、第2角度範囲および第3角度範囲を含む。第1角度範囲、第2角度範囲および第3角度範囲は、第1実施形態と同様である。制御部72は、例えば、ピッチ角度DAが、第1角度範囲にある場合と、第2角度範囲にある場合と、第3角度範囲にある場合と、において、回生状態を異ならせるように、第1クラッチ92および第2クラッチ94を制御可能に構成される。制御部72は、例えば、ピッチ角度DAが、第1角度範囲にある場合と、第2角度範囲にある場合と、第3角度範囲にある場合と、において、回生状態を異ならせるように、第1クラッチ92および第2クラッチ94と、第1モータ62および第2モータ64とを制御可能に構成されてもよい。
【0114】
制御部72は、好ましくは、比率Rが第1範囲にある場合、第1モータ62および第2モータ64を非回生状態にするように構成される。制御部72は、好ましくは、比率Rが第5範囲にある場合、第1モータ62および第2モータ64を非回生状態にするように構成される。
【0115】
記憶部74には、好ましくは、ピッチ角度DAおよび比率Rに第1モータ62および第2モータ64の回生状態を関連付けた情報が記憶される。表2は、ピッチ角度DA、重心の位置GX、第1モータ62の回生状態、および、第2モータ64の回生状態の組み合わせの一例を示す。
【0116】
【表2】
【0117】
記憶部74は、ピッチ角度DAおよび比率Rに第1モータ62および第2モータ64の回生状態を関連付けた情報を変更可能に記憶してもよい。制御部72は、例えば、人力駆動車10に設けられる操作入力装置と、制御装置70に電線および無線通信装置の少なくとも1つを介して通信可能に接続される外部装置と、の少なくとも1つからの指示に応じて、ピッチ角度DA、重心の位置GX、第1モータ62の回生状態、および、第2モータ64の回生状態の組み合わせに関して、記憶部74に記憶される情報を、変更可能に構成されてもよい。
【0118】
表2の第2角度範囲における、第3範囲および第4範囲の少なくとも1つにおいて、第1モータ62を非回生状態にしてもよい。表2の第2角度範囲におおける、第2範囲および第3範囲の少なくとも1つにおいて、第2モータ64を非回生状態にしてもよい。
【0119】
図13を参照して、回生状態を変更する処理について説明する。制御部72は、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図13に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部72は、図13のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS41からの処理を繰り返す。
【0120】
制御部72は、ステップS41において、ピッチ角度DAに関する情報を取得し、ステップS42に移行する。具体的には、制御部72は、ピッチ角度検出部90からピッチ角度DAに関する情報を取得する。制御部72は、ピッチ角度検出部90から制御部72に送信されてくるピッチ角度DAに関する情報を記憶部74に記憶し、記憶部74に記憶されたピッチ角度DAに関する情報を取得してもよい。制御部72は、ピッチ角度検出部90にピッチ角度DAに関する情報を送信させるための指令信号を送信し、ピッチ角度検出部90から送信されたピッチ角度DAに関する情報を取得してもよい。
【0121】
制御部72は、ステップS42において、第1荷重G1に関する情報および第2荷重G2に関する情報を取得し、比率Rを算出して、ステップS43に移行する。例えば、制御部72は、ステップS42において、図10のステップS32と同様の処理を行う。
【0122】
制御部72は、ステップS43において、ピッチ角度DAおよび比率Rに応じて回生状態を変更し、処理を終了する。制御部72は、例えば、ステップS41で取得したピッチ角度DAに関する情報と、ステップS42で算出した比率Rと、記憶部74に記憶されるピッチ角度DAおよび比率Rに回生状態を関連付けた情報と用いて、第1クラッチ92および第2クラッチ94の少なくとも1つを制御するように構成される。
【0123】
(変形例)
実施形態に関する説明は、本発明に従う人力駆動車用の報知装置、人力駆動車用の報知システム、および、人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う人力駆動車用の報知装置、人力駆動車用の報知システム、および、人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0124】
・第1実施形態または第1実施形態の変形例と、第3実施形態または第3実施形態の変形例とを組み合わせてもよい。第1実施形態または第1実施形態の変形例と、第4実施形態または第4実施形態の変形例とを組み合わせてもよい。第2実施形態または第2実施形態の変形例と、第3実施形態または第3実施形態の変形例とを組み合わせてもよい。第2実施形態または第2実施形態の変形例と、第4実施形態または第4実施形態の変形例とを組み合わせてもよい。例えば、第3実施形態または第4実施形態の人力駆動車10に、第1実施形態または第2実施形態の報知システム40を設けてもよい。この変形例では、報知システム40の少なくとも一部は、制御装置70に含まれていてもよい。例えば、第1制御部54の少なくとも一部は、制御部72に含まれていてもよく、検出部42は、検出部84に含まれていてもよく、ピッチ角度検出部48は、ピッチ角度検出部90に含まれていてもよい。
【0125】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、または、第2実施形態の変形例を含む実施形態において、受信部52は、人力駆動車10の少なくとも一部を含む対象物の左右方向における荷重のバランスに関する第2情報を受信するように構成され、作成部54Aは、第2情報に応じて対象物の左右方向における荷重のバランスに関する情報を含む報知情報を作成するように構成されてもよい。例えば、図14に示すように、報知システム40は、ロール角度検出部96を含む。ロール角度検出部96は、例えば、傾斜センサを含む。ロール角度検出部96の傾斜センサは、ピッチ角度検出部48の傾斜センサと同様に構成される。報知システム40がロール角度検出部96を含む場合、受信部52は、好ましくは、ロール角度検出部96からの信号を受信可能に構成される。記憶部58には、ロール角度と第2情報とを対応付けた関係情報が記憶される。第1制御部54は、例えば、ロール角度と、比率Rと、ロール角度と第2情報とを対応付けた関係情報とから、比較情報を作成するように構成される。
【0126】
・第1実施形態または第1実施形態の変形例を含む実施形態において、作成部54Aは、ピッチ角度DAを用いずに、報知情報を作成してもよい。この変形例では、ピッチ角度検出部48は、省略してもよい。記憶部58には、ピッチ角度DAを含まない第2情報が記憶される。この変形例では、第2情報は、予め定める比率Rであってもよい。
図15を参照して、ピッチ角度DAを用いずに報知情報を報知する処理について説明する。第1制御部54は、第1制御部54に電力が供給されると、処理を開始して図15に示すフローチャートのステップS51に移行する。第1制御部54は、図15のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、予め定める周期後にステップS51からの処理を繰り返す。
第1制御部54は、ステップS51において、第2情報を取得し、ステップS52に移行する。第1制御部54は、ステップS52において、第1情報を取得し、ステップS14に移行する。第1制御部54は、ステップS53において、バランス情報および比較情報を作成し、ステップS54に移行する。第1制御部54は、ステップS54において、比較情報に含まれる数値V1と数値V2との差Dが予め定める値DX以上か否かを判定する。第1制御部54は、比較情報に含まれる数値V1と数値V2との差Dが予め定める値DX以上の場合、ステップS55に移行する。第1制御部54は、ステップS55において、比較情報を報知部56に報知させ、処理を終了する。
第1制御部54は、ステップS54において、比較情報に含まれる数値V1と数値V2との差Dが予め定める値未満の場合、ステップS56に移行する。第1制御部54は、ステップS17において、バランス情報を報知部56に報知させ、処理を終了する。
【0127】
・第2実施形態または第2実施形態の変形例を含む実施形態において、作成部54Aは、ピッチ角度DAに応じた報知情報を作成してもよい。この変形例では、画像56Pは、ピッチ角度DAに応じて変更されるようにしてもよい。
【0128】
・第1実施形態、第2実施形態、第1実施形態の変形例、または、第2実施形態の変形例を含む実施形態において、第1情報は、人力駆動車10の少なくとも一部、および、人力駆動車10の搭乗者の少なくとも一部の少なくとも1つを含む対象物の前後方向における荷重に関していてもよい。報知装置50は、対象物の荷重に関する第2情報を記憶するように構成される記憶部と、報知情報を作成するように構成される作成部54Aと、報知情報を報知するように構成される報知部56と、を含み、報知情報は、第1情報と第2情報との比較情報を含む。第2情報を記憶するように構成される記憶部は、記憶部58と同様に構成される。対象物は、好ましくは、人力駆動車10の少なくとも一部を含む。比較情報は、対象物の前後方向における荷重のバランスに関する情報を含んでもよく、含まなくてもよい。比較情報は、好ましくは、対象物の前後方向における重心の位置GXを含む。第1情報が、搭乗者の少なくとも一部を含む対象物の前後方向における荷重に関する場合、比較情報は、人力駆動車10の搭乗者の前後方向における重心の位置GXに関する情報を含んでもよい。例えば、第1情報が、人力駆動車10の搭乗者のみの前後方向における重心の位置GXに関する情報を含む場合、比較情報は、人力駆動車10の搭乗者の前後方向における重心の位置GXに関する情報を含む。第1情報が、人力駆動車10の搭乗者のみの前後方向における重心の位置GXに関する情報を含む場合、人力駆動車10の第1部分または第2部分にかかる荷重は、クランク14およびペダル18の一方にかかる荷重と、サドル36およびシートポスト38の一方にかかる荷重とを含む。第1情報が、人力駆動車10の搭乗者のみの前後方向における重心の位置GXに関する情報を含む場合、例えば、第1検出部44は、ハンドルバー30に設けられ、第2検出部46は、クランク14およびペダル18の一方と、サドル36およびシートポスト38の一方と、に設けられる。第1情報が、人力駆動車10の搭乗者のみの前後方向における重心の位置GXに関する情報を含む場合、例えば、第1検出部44は、クランク14およびペダル18の一方と、サドル36およびシートポスト38の一方と、に設けられ、第2検出部46はハンドルバー30に設けられてもよい。第2情報は、対象物の前後方向における荷重のバランスに関する情報を含み、比較情報は、対象物の前後方向における荷重のバランスを第2情報に含まれる対象物の前後方向における荷重のバランスに近付けるための示唆情報を含んでもよく、含まなくてもよい。比較情報が対象物の前後方向における荷重のバランスに関する情報を含まず、かつ、重心の位置GXを含まない場合、例えば、比較情報は、第1荷重G1および第2荷重G2の一方と、第1荷重G1および第2荷重G2の一方と対応する予め定める値との比較結果を含み、第2情報は、第1荷重G1および第2荷重G2の一方と対応する予め定める値を含む。
【0129】
・第3実施形態または第3実施形態の変形例を含む実施形態において、制御部72は、ピッチ角度DAを用いずに、第1モータ62および第2モータ64を制御してもよい。この変形例では、ピッチ角度検出部90は、省略してもよい。表3は、重心の位置GX、第1モータ62の制御状態、および、第2モータ64の制御状態の組み合わせの一例を示す。
【0130】
【表3】
【0131】
・第4実施形態または第4実施形態の変形例を含む実施形態において、制御部72は、ピッチ角度DAを用いずに、第1モータ62および第2モータ64の回生状態を変更してもよい。この変形例では、ピッチ角度検出部90は、省略してもよく、制御部72は、図13のフローチャートのステップS41を省略する。表4は、重心の位置GX、第1モータ62の回生状態、および、第2モータ64の回生状態の組み合わせの一例を示す。
【0132】
【表4】
【0133】
・第4実施形態または第4実施形態の変形例を含む実施形態において、第1モータ62は、人力駆動車10に推進力を付与しなくてもよい。この変形例では、第1モータ62は、制動装置として用いられる。
【0134】
・第4実施形態または第4実施形態の変形例を含む実施形態において、第2モータ64は、人力駆動車10に推進力を付与しなくてもよい。この変形例では、第2モータ64は、制動装置として用いられる。
【0135】
・第3実施形態または第3実施形態の変形例を含む実施形態において、制御部72は、ピッチ角度DAおよび比率Rに応じて、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つを回生状態にさせるように構成されてもよい。この変形例では、例えば、表1において、第1モータ62および第2モータ64の少なくとも1つの制御状態が、回生状態いずれかとなる。表5は、ピッチ角度DA、重心の位置GX、第1モータ62の制御状態、および、第2モータ64の制御状態の組み合わせの一例を示す。表5において、“非回生状態/オフ”は、モータが回生状態ではなく、かつ、人力駆動車10に推進力を付与していない状態である。
【0136】
【表5】
【0137】
・第4実施形態または第4実施形態の変形例を含む実施形態において、第1クラッチおよび第2クラッチの少なくとも一方を省略してもよい。
【0138】
・第4実施形態または第4実施形態の変形例を含む実施形態において、制御部72は、第1モータ62の回生ブレーキ力と、第2モータ64の回生ブレーキ力との1つを変更するように、第1駆動回路76Aおよび第2駆動回路76Bを制御可能に構成されてもよい。例えば、第1モータ62の回生状態は、第1モータ62に伝達される回転力の大きさの異なる複数の回生状態を含む。第1モータ62の複数の回生状態は、例えば、弱回生状態、中回生状態、および、強回生状態を含む。例えば、第2モータ64の回生状態は、第2モータ64に伝達される回転力の大きさの異なる複数の回生状態を含む。第2モータ64の複数の回生状態は、例えば、弱回生状態、中回生状態、および、強回生状態を含む。弱回生状態の回生ブレーキ力は、中回生状態の回生ブレーキ力よりも大きい。中回生状態の回生ブレーキ力は、強回生状態の回生ブレーキ力よりも大きい。第1モータ62および第2モータ64の回生ブレーキ力を変更可能な場合、例えば、制御部72は、表6に示される回生状態になるように第1駆動回路76Aおよび第2駆動回路76Bを制御するように構成される。第1モータ62の複数の回生状態の数と、第2モータ64の複数の回生状態の数とは、異なっていてもよい。制御部72は、例えば、4段階の回生ブレーキ力が発生するように第1モータ62を制御し、2段階の回生ブレーキ力が発生するように第2モータ64を制御するように構成されてもよい。制御部72は、例えば、第1モータ62の弱回生状態における回生ブレーキ力と、第2モータ64の弱回生状態における回生ブレーキ力と、が異なるように第1モータ62および第2モータ64を制御するように構成されてもよい。
【0139】
【表6】
【0140】
記憶部74は、記憶部74に記憶されるピッチ角度DAおよび比率Rに第1モータ62および第2モータ64の回生状態を関連付けた情報を変更可能に構成されてもよい。制御部72は、例えば、人力駆動車10に設けられる操作入力装置と、制御装置70に電線および無線通信装置の少なくとも1つを介して通信可能に接続される外部装置と、の少なくとも1つからの指示に応じて、ピッチ角度DA、重心の位置GX、第1モータ62の回生状態、および、第2モータ64の回生状態の組み合わせに関して、記憶部74に記憶される情報を、変更可能に構成されてもよい。
【0141】
・第3実施形態、第3実施形態の変形例、第4実施形態、または、第4実施形態の変形例を含む実施形態において、第2モータ64を、クランク軸14Aの付近に設け、駆動機構20を介して第2車輪12Bと連結されるようにしてもよい。
【0142】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0143】
10…人力駆動車、12A…第1車輪、12B…第2車輪、40…報知システム、42…検出部、44…第1検出部、46…第2検出部、48…ピッチ角度検出部、50…報知装置、52…受信部、54A…作成部、56…報知部、56A…表示装置、56B…発音装置、56C…振動装置、58…記憶部、62…第1モータ、64…第2モータ、70…制御装置、72…制御部、74…記憶部、84…検出部、86…第1検出部、88…第2検出部、90…ピッチ角度検出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15