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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007292
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108709
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 肇
(72)【発明者】
【氏名】新村 光則
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AA05
3B166AA11
3B166AD08
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE04
3B166AE05
3B166AE07
3B166BA32
3B166BA48
3B166BA52
3B166BA57
3B166BA58
3B166BA73
3B166CA01
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB02
3B166CB11
3B166CC02
3B166CD02
3B166CD05
3B166CD15
3B166DA04
3B166DA31
3B166DA35
3B166DB03
3B166DB18
3B166DC03
3B166DC12
3B166DC14
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE04
3B166FA01
3B166FA06
3B166FA12
3B166FB01
3B166FB04
3B166FB05
3B166FB08
3B166GA02
3B166GA14
3B166HA11
3B166HA31
3B166HA53
3B166HA54
3B166HA56
3B166JM01
3B166JM02
3B166JM03
(57)【要約】
【課題】洗濯運転などに先立って、ユーザが衣類の汚れ付着部分への洗剤の塗布を良好に行える洗濯機を提供する。
【解決手段】ドラム式洗濯機1は、筐体10内に配置された外槽20と、外槽20内に配置され、衣類が収容されるドラム23と、液体洗剤が貯められる液剤タンク220と、液剤タンク220から出された液体洗剤を発泡させることにより洗剤泡を生成する洗剤泡生成部310と、洗剤泡生成部310で生成された洗剤泡を、ドラム23の外において衣類の部分に塗布するために放出する洗剤泡放出部であるノズル320と、を備える。ノズル320は、パッキン24の上部に設けられ、パッキン24の下部に向けて洗剤泡を放出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に配置された外槽と、
前記外槽内に配置され、衣類が収容される内槽と、
液体洗剤が貯められる液剤タンクと、
前記液剤タンクから出された前記液体洗剤を発泡させることにより洗剤泡を生成する洗剤泡生成部と、
前記洗剤泡生成部で生成された前記洗剤泡を、前記内槽の外において衣類の部分に塗布するために放出する洗剤泡放出部と、
を備えることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記内槽は、横軸型のドラムを含み、
前記外槽は、前面に開口部を有し、
前記筐体は、前面に投入口を有し、
前記投入口は、ドアにより覆われ、
前記投入口と前記開口部との間に、弾性を有する環状のパッキンが設けられ、
前記洗剤泡放出部は、前記パッキンの上部に設けられ、前記パッキンの下部に向けて前記洗剤泡を放出するノズルとされる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項1に記載の洗濯機において、
前記内槽は、横軸型のドラムを含み、
前記筐体は、前面に投入口を有し、
前記投入口は、ドアにより覆われ、
前記洗剤泡放出部は、前記筐体の前面の前記ドアよりも上方に配置され、下方に向けて前記洗剤泡を放出するノズルとされ、
前記ノズルの下方には、衣類の部分が置かれる載置棚が設けられる、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の洗濯機において、
前記液剤タンクから出された前記液体洗剤を希釈するための水を供給する給水部と、
前記給水部から供給された水で希釈された前記液体洗剤が洗剤液として貯められる貯水槽と、をさらに備え、
前記洗剤泡生成部は、
前記貯水槽から前記洗剤液を取り込み、取り込んだ前記洗剤液に空気を混合させて前記洗剤泡放出部に向けて送り出すポンプと、
前記ポンプから送り出された、空気が混合された前記洗剤液が通過するメッシュ状のフィルタと、を含む、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
請求項4に記載の洗濯機において、
前記貯水槽は、規定容量以上の前記洗剤液が貯められたときに前記洗剤液が溢れる溢水口を有し、
前記溢水口から溢れた前記洗剤液を前記外槽内へ排出させる排出経路を、さらに備える、
ことを特徴とする洗濯機。
【請求項6】
請求項4に記載の洗濯機において、
前記給水部からの水が前記貯水槽へ向かって流れる水路と、
前記液剤タンク内の前記液体洗剤を前記水路内に送るための送液部と、をさらに備える、
ことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、衣類の襟や袖などの部分に皮脂汚れなどの頑固な汚れが付着している場合、当該汚れが付着した部分に液体洗剤を直接塗布した後に衣類を洗濯機に投入するということが、家庭内において良く行われている。ユーザは、液体洗剤の入った容器を手で持って衣類の汚れ付着部分まで運び、容器から液体洗剤を流し出して汚れ付着部分に塗布する。
【0003】
なお、洗濯機に投入する前に、洗剤が塗布された部分を、超音波を利用した部分洗い装置、たとえば、特許文献1に記載の携帯型の洗濯機器を用いて予洗いすることも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/225093号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような、汚れ付着部分に液体洗剤を塗布する作業が行われる場合、作業時に衣類を置く場所が必要であり、また、塗布した液体洗剤の液垂れによる周囲への洗剤の付着が懸念される。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、洗濯運転などに先立って、ユーザが衣類の汚れ付着部分への洗剤の塗布を良好に行える洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる態様に係る洗濯機は、筐体内に配置された外槽と、前記外槽内に配置され、衣類が収容される内槽と、液体洗剤が貯められる液剤タンクと、前記液剤タンクから出された前記液体洗剤を発泡させることにより洗剤泡を生成する洗剤泡生成部と、前記洗剤泡生成部で生成された前記洗剤泡を、前記内槽の外において衣類の部分に塗布するために放出する洗剤泡放出部と、を備える。
【0008】
本態様に係る洗濯機によれば、ユーザは、洗濯運転に先立って、内槽内に収容される前の衣類の汚れ付着部分に洗剤泡を塗布することができる。よって、その後、洗濯運転が行われたときに、衣類の汚れ落ちが良くなる。また、衣類の部分に液体洗剤が直接塗布される場合と違って、ユーザは、液垂れを懸念せずに済む。さらに、ユーザは、洗剤泡を塗布するために衣類の部分を洗剤泡放出部の近くに持っていくだけでよく、塗布作業のために衣類を置く場所が必要とならない。
【0009】
本態様に係る洗濯機において、前記内槽は、横軸型のドラムを含み、前記外槽は、前面に開口部を有し、前記筐体は、前面に投入口を有し、前記投入口は、ドアにより覆われ、前記投入口と前記開口部との間に、弾性を有する環状のパッキンが設けられるような構成が採られ得る。この場合、前記洗剤泡放出部は、前記パッキンの上部に設けられ、前記パッキンの下部に向けて前記洗剤泡を放出するノズルとされ得る。
【0010】
上記の構成によれば、ノズルの下に衣類がない状態でノズルから洗剤泡が出ても、洗剤泡をパッキンの下部で受けることができ、洗剤泡が洗濯機の外に出てしまうことを防止できる。
【0011】
本態様に係る洗濯機において、前記内槽は、横軸型のドラムを含み、前記筐体は、前面に投入口を有し、前記投入口は、ドアにより覆われるような構成が採られ得る。この場合、前記洗剤泡放出部は、前記筐体の前面の前記ドアよりも上方に配置され、下方に向けて前記洗剤泡を放出するノズルとされ、前記ノズルの下方には、衣類の部分が置かれる載置棚が設けられ得る。
【0012】
上記の構成によれば、筐体の前面にノズルが設けられているので、ユーザは、筐体の外の広い領域において、ノズルから放出された洗剤泡を衣類の部分に塗布する作業を行うことができ、当該塗布作業を行いやすい。さらに、ノズルは、ドアよりも高い位置に設けられているので、ユーザは、ノズルの下に衣類の部分を持っていきやすく、塗布作業を一層容易に行える。
【0013】
さらに、ユーザは、衣類の部分を載置棚に置くだけで、当該部分を、洗剤泡を塗布しやすい適度なノズルからの距離に位置させやすい。しかも、ノズルの下に衣類がない状態でノズルから洗剤泡が出ても、洗剤泡を載置棚で受けることができ、洗剤泡がドアに掛かったり床に落ちたりすることを防止できる。
【0014】
本態様に係る洗濯機において、前記液剤タンクから出された前記液体洗剤を希釈するための水を供給する給水部と、前記給水部から供給された水で希釈された前記液体洗剤が洗剤液として貯められる貯水槽と、をさらに備えるような構成が採られ得る。この場合、前記洗剤泡生成部は、前記貯水槽から前記洗剤液を取り込み、取り込んだ前記洗剤液に空気を混合させて前記洗剤泡放出部に向けて送り出すポンプと、前記ポンプから送り出された、空気が混合された前記洗剤液が通過するメッシュ状のフィルタと、を含むような構成とされ得る。
【0015】
上記の構成によれば、液体洗剤を水で希釈して洗剤液とすることにより、流動性が高まるとともに発泡しやすくなる。これにより、液体洗剤をポンプに取り込みやすくなり、また、ポンプにおいて空気を混合させた液体洗剤をフィルタに通過させたときに洗剤泡が生成されやすくなる。
【0016】
上記の構成とされた場合、前記貯水槽は、規定容量以上の前記洗剤液が貯められたときに前記洗剤液が溢れる溢水口を有するような構成とされ得る。この場合、前記溢水口から溢れた前記洗剤液を前記外槽内へ排出させる排出経路を、さらに備えるような構成が採られ得る。
【0017】
このような構成とされれば、給水部から供給される水の流量のばらつきによって、規定容量以上となる洗剤液が貯水槽内に供給されても、貯水槽内に規定容量の洗剤液を貯めることができる。
【0018】
上記の構成とされた場合、前記給水部からの水が前記貯水槽へ向かって流れる水路と、前記液剤タンク内の前記液体洗剤を前記水路内に送るための送液部と、をさらに備えるような構成が採られ得る。
【0019】
このような構成とされれば、液体洗剤は、水路内に送られた後、水路内に供給された水に押し流されて貯水槽へと向かい、水路を流れている間に水と混ぜられる。これにより、貯水槽内に貯められた洗剤液は、液体洗剤の濃度が均一になりやすい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、洗濯運転などに先立って、ユーザが衣類の汚れ付着部分への洗剤の塗布を良好に行える洗濯機を提供できる。
【0021】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明によりさらに明らかとなろう。ただし、以下の実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯機の構成を示す側面断面図である。
図2図2は、実施の形態に係る、給水装置および洗剤泡ディスペンサの平面図である。
図3図3は、実施の形態に係る、給水装置および洗剤泡ディスペンサの正面図である。
図4図4は、実施の形態に係る、貯水槽の位置で切断された給水装置の要部の側面断面図である。
図5図5は、実施の形態に係る、ドラム式洗濯機の構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施の形態に係る、洗剤泡塗布運転で実行される制御部の制御動作を示すフローチャートである。
図7図7は、変更例1に係る、ドラム式洗濯機の構成を示す側面断面図である。
図8図8(a)は、変更例1に係る、ノズルの周辺部の構成を示す側面断面図である。図8(b)は、変更例1に係る、ノズルの周辺部の構成を示す正面断面図である。
図9図9は、変更例2に係る、ドラム式洗濯機の構成を示す側面断面図である。
図10図10(a)および(b)は、変更例2に係る、ノズルの周辺部の構成を示す側面断面図である。
図11図11(a)および(b)は、その他の変更例に係る、ノズルの周辺部の構成を示す側面断面図である。
図12図12(a)および(b)は、その他の変更例に係る、ノズルの周辺部の構成を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の洗濯機の一実施形態であるドラム式洗濯機について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、ドラム式洗濯機1の構成を示す側面断面図である。
【0025】
ドラム式洗濯機1は、方形状の筐体10を備える。筐体10の前面には、洗濯物が投入される円形の投入口11が形成される。投入口11は、ほぼ円盤状を有する開閉自在なドア12により覆われる。
【0026】
筐体10内には、外槽20が配置される。外槽20は、複数のダンパー21とスプリング22とにより弾性的に支持される。外槽20内には、横軸型のドラム23が回転自在に配置される。ドラム23は、水平軸周りに回転する。ドラム23は、前面に円形の開口部23aを有する。ドラム23は、本発明の内槽に相当する。
【0027】
外槽20は、その前面であってドラム23の開口部23aの前方に、円形の開口部20aを有する。筐体10の投入口11と外槽20の開口部20aとの間には、弾性を有する環状のパッキン24が設けられる。パッキン24の前側の周縁部が投入口11の周縁部に接続され、パッキン24の後側の周縁部が開口部20aの周縁部に接続される。閉じられたドア12の周面がパッキン24に接触し、投入口11とドア12との間が水封される。
【0028】
ドラム23の内周面には、多数の脱水孔23bが形成される。また、ドラム23の内周面には、周方向に等しい間隔で、ほぼ三角柱形状を有する3つのバッフル25が設けられる。
【0029】
外槽20の後方には、ドラム23を回転させるためのトルクを発生させる駆動モータ30が配置される。駆動モータ30は、たとえば、アウターロータ型のDCブラシレスモータである。駆動モータ30は、洗い工程およびすすぎ工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力より小さく、洗濯物がタンブリングする回転数でドラム23を回転させる。一方、駆動モータ30は、脱水工程時には、ドラム23内の洗濯物に加わる遠心力が重力よりはるかに大きく、洗濯物がドラム23の内周面に張り付く回転数でドラム23を回転させる。
【0030】
外槽20の底部には、排水口部20bが形成される。排水口部20bには、外槽20内から排水を行う排水部40が接続される。排水部40は、排水バルブ41、排水ホース42および排水フィルタ43により構成される。排水口部20bに、排水フィルタ43が接続される。排水バルブ41は、排水フィルタ43の下流に設けられ、たとえば、バルブと、バルブを開閉させるトルクモータとを含む。排水バルブ41に、排水ホース42が接続される。排水バルブ41が開放されると、外槽20内に溜められた水が排水口部20b、排水フィルタ43および排水ホース42を通じて機外に排出される。リント等の異物が排水フィルタ43により捕獲される。
【0031】
筐体10内の上部には、給水装置50と洗剤泡ディスペンサ60とが配置される。給水装置50は、主として、外槽20内に給水を行う機能と、液剤タンク220に貯められた液体洗剤および液体柔軟剤を外槽20内に自動投入する機能とを有する。洗剤泡ディスペンサ60は、液剤タンク220内の液体洗剤を利用して、当該液体洗剤が発泡した洗剤泡を生成する。そして、洗剤泡ディスペンサ60は、生成した洗剤泡を、ドラム23の外、即ちパッキン24の位置において、ドラム23内に収容される前の衣類の部分に塗布するために、ノズル320から放出する。
【0032】
図2および図3は、それぞれ、給水装置50および洗剤泡ディスペンサ60の平面図および正面図である。図4は、貯水槽240の位置で切断された給水装置50の要部の側面断面図である。図2では、給水装置50が、水路形成部材230の上部材230aが取り外された状態で示されている。図3では、注水ユニット52が貯水槽240の位置で切断された断面図で示されている。また、図3では、パッキン24の上部が、ノズル320の位置で切断された端面図で示されている。
【0033】
図1ないし図4を参照し、給水装置50と洗剤泡ディスペンサ60の詳細な構成について説明する。
【0034】
給水装置50は、給水バルブユニット51と、注水ユニット52と、を備える。給水バルブユニット51は、給水バルブ110と、第1給水ホース120と、第2給水ホース130と、を含む。給水バルブ110は、第1バルブ111および第2バルブ112を有する。給水バルブ110の給水口113は、図示しない接続ホースを介して水道栓に接続される。第1バルブ111の定格流量は、たとえば、5~10L/分とされる。第2バルブ112の定格流量は、第1バルブ111の定格流量より大幅に小さくされ、たとえば、0.5~1.0L/分とされる。
【0035】
第1給水ホース120の入口が第1バルブ111に接続され、第2給水ホース130の入口が第2バルブ112に接続される。第1バルブ111が開放されると、第1給水ホース120に水が流れ、第2バルブ112が開放されると、第2給水ホース130に水が流れる。
【0036】
なお、給水バルブユニット51は、本発明の給水部に相当する。
【0037】
注水ユニット52は、前面が開口する注水口部材210と、注水口部材210に引出可能に収容される液剤タンク220と、注水口部材210の上面に配置された水路形成部材230と、を含む。
【0038】
注水口部材210の底部には、注水口211が設けられる。注水口211から下方に延びる注水ホース53が外槽20に接続される。
【0039】
図3に示すように、液剤タンク220の内部は、液体洗剤が収容される洗剤室221と液体柔軟剤が収容される柔軟剤室222とに区画される。洗剤室221内に貯められた液体洗剤は、洗濯運転での洗い工程と洗剤泡塗布運転で使用される。柔軟剤室222内に貯められた液体柔軟剤は、洗濯運転でのすすぎ工程で使用される。
【0040】
洗剤室221の後面下部には、後方に開口する洗剤排出口223が形成される。また、柔軟剤室222の後面下部には、後方に開口する柔軟剤排出口224が形成される。注水口部材210の内部には液剤タンク220の下方に隙間が形成され、当該隙間が水路形成部材230から排出された水の流路212となる。
【0041】
液剤タンク220は、筐体10の前面に設けられた収容口13を通じて注水口部材210に収容される。液剤タンク220の前面には、収容口13を塞ぐ蓋220aが設けられる。ユーザは、液剤タンク220を前方に引き出して、洗剤室221内および柔軟剤室222内に、それぞれ、液体洗剤および液体柔軟剤を補充する。
【0042】
水路形成部材230は、上部材230aと下部材230bとを結合することにより形成され、注水口部材210よりも後方に張り出す。水路形成部材230の後端部に設けられた導入管231に、第1給水ホース120の出口と第2給水ホース130の出口が接続される。
【0043】
水路形成部材230の内部には、給水路232が形成される。給水路232は、その始端が水路形成部材230の左後端部に位置し、渦巻の迷路のような形に曲がりくねり、その終端が水路形成部材230の中央部右側に設けられた注水室233に繋がる。給水路232の始端に形成された流入口232aに導入管231が繋がる。注水室233の底面には、注水口部材210の内部に繋がる多数の円形や方形の注水孔234が形成される。液剤タンク220の洗剤室221は、注水室233の真下を避けるような形状を有しており、注水孔234から落下した水は、注水口部材210の底部の流路212へと流れる。
【0044】
水路形成部材230の内部には、給水路232の途中に貯水槽240が設けられる。貯水槽240は、左右方向に扁平な直方体の箱状を有し、水路形成部材230の右端部における注水室233の後方に位置する。貯水槽240の上端部には、後側に流入口241が形成され、前側に溢水口242が形成される。貯水槽240は、その底面部の中央部に、下方に凹む凹部243を有する。凹部243には、後方に突出する流出口244が形成される。
【0045】
給水路232は、始端から貯水槽240の流入口241まで延びる第1給水路235と、貯水槽240の溢水口242から注水室233まで延びる第2給水路236とに分かれる。第1給水路235には、右側に洗剤流入口237が形成され、左側に柔軟剤流入口238が形成される。第1給水路235は、本発明の水路に相当する。
【0046】
図2に示すように、注水口部材210の後方には、洗剤ポンプ250と柔軟剤ポンプ260が配置される。洗剤ポンプ250は、たとえば、ピストンポンプであり、その吸込口が洗剤室221の洗剤排出口223に接続され、その吐出口が第1給水路235の洗剤流入口237に接続される。柔軟剤ポンプ260は、たとえば、ピストンポンプであり、その吸込口が柔軟剤室222の柔軟剤排出口224に接続され、その吐出口が第1給水路235の柔軟剤流入口238に接続される。洗剤ポンプ250は、本発明の送液部に相当する。
【0047】
洗剤ポンプ250の動作により、洗剤室221内の液体洗剤が第1給水路235内に送られる。柔軟剤ポンプ260の動作により、柔軟剤室222内の液体柔軟剤が第1給水路235内に送られる。洗剤ポンプ250および柔軟剤ポンプ260には、それらの吐出口に逆止弁が設けられており、第1給水路235を流れる水が洗剤ポンプ250および柔軟剤ポンプ260を介して液剤タンク220内に侵入しないようになされている。
【0048】
洗剤泡ディスペンサ60は、洗剤泡生成部310と、ノズル320と、第1ホース330と、第2ホース340とを備える。洗剤泡生成部310は、液剤タンク220から出され水で希釈された液体洗剤、即ち洗剤液を発泡させることにより洗剤泡を生成する。ノズル320は、洗剤泡生成部310で生成された洗剤泡を、ドラム23の外であるパッキン24の位置において、衣類の部分に塗布するために放出する洗剤泡放出部である。第1ホース330は、貯水槽240と洗剤泡生成部310との間を接続する。第2ホース340は、洗剤泡生成部310とノズル320との間を接続する。
【0049】
洗剤泡生成部310は、泡生成ポンプ350と、フィルタユニット360と、連結管370とを含む。泡生成ポンプ350は、たとえば、気液混合タイプのダイヤフラムポンプである。フィルタユニット360は、メッシュ状のフィルタ361と、当該フィルタ361が収容されるハウジング362とを含む。泡生成ポンプ350の吐出口351とハウジング362の入口363とが連結管370により連結される。泡生成ポンプ350は、本発明のポンプに相当する。
【0050】
ノズル320は、パッキン24の上部に設けられ、その先端側がパッキン24の内側に臨む。ノズル320は、先端の放出口321がほぼ真下を向いており、洗剤泡をパッキン24の下部に向けて放出する。ノズル320の基端側は、パッキン24の外側において上方に突出する。
【0051】
第1ホース330の入口が貯水槽240の流出口244に接続され、第1ホース330の出口が泡生成ポンプ350の吸込口352に接続される。第2ホース340の入口がハウジング362の出口364に接続され、第2ホース340の出口がノズル320の基端部に接続される。
【0052】
洗剤泡生成部310は、泡生成ポンプ350とフィルタユニット360とが注水ユニット52の横に並ぶように配置されている。このため、泡生成ポンプ350の位置が、水路形成部材230の給水路232の位置より少し低くなっている。しかしながら、第1ホース330の中間部分が給水路232よりも高い位置に持ち上げられており、さらに、泡生成ポンプ350の弁体およびフィルタ361による抵抗があるため、給水路232内を流れる水が泡生成ポンプ350へ流れることが防止される。
【0053】
図3に示すように、パッキン24の上部には、ノズル320に隣接するように、衣類がノズル320に対して下方向から規定距離まで近づいたことを検出する距離センサ400が配置される。距離センサ400は、たとえば、距離測定用の反射型光電センサである。距離センサ400は、超音波センサ等、対象物との距離を検出できる他のセンサであってもよい。
【0054】
衣類が規定距離まで近づいたときにノズル320から洗剤泡が放出される。規定距離は、ユーザが衣類の狙った部分にノズル320からの洗剤泡を塗布しやすくなるような距離に設定される。
【0055】
図5は、ドラム式洗濯機1の構成を示すブロック図である。
【0056】
ドラム式洗濯機1は、上述した構成に加え、制御部501と、記憶部502と、操作部503と、表示部504と、水位検出部505と、モータ駆動部506と、給水駆動部507と、排水駆動部508と、ポンプ駆動部509とを備える。
【0057】
操作部503は、機器に対する電源の投入および遮断を行う電源ボタンと、運転を開始させるためのスタートボタンと、洗濯運転に係る複数のコースの中から任意のコースを選択するためのコース選択ボタンとを含む。さらに、操作部503は、洗剤泡塗布運転を開始および終了させるための泡塗布ボタンを含む。操作部503は、ユーザに操作されたボタンに応じた入力信号を制御部501に出力する。
【0058】
表示部504は、LED等の発光素子や液晶パネル等のディスプレイを含み、制御部501からの制御信号に従って、選択されたコースの表示、洗濯運転の進行状況の表示、異常の報知などを行う。
【0059】
水位検出部505は、外槽20内の水位を検出し、水位に応じた水位信号を制御部501に出力する。
【0060】
距離センサ400は、洗剤泡ディスペンサ60のノズル320に対して衣類が下方向から規定距離まで近づくと、検出信号を制御部501に出力する。
【0061】
モータ駆動部506は、制御部501からの制御信号に従って、駆動モータ30を駆動する。モータ駆動部506は、駆動モータ30の回転数を検出する回転センサ、インバータ回路等を含み、制御部501により設定された回転数で駆動モータ30が回転するよう、駆動電力を調整する。
【0062】
給水駆動部507は、制御部501からの制御信号に従って、給水バルブ110の第1バルブ111および第2バルブ112を駆動する。排水駆動部508は、制御部501からの制御信号に従って、排水バルブ41を駆動する。ポンプ駆動部509は、制御部501からの制御信号に従って、洗剤ポンプ250、柔軟剤ポンプ260および泡生成ポンプ350を駆動する。
【0063】
記憶部502は、EEPROM、RAM等を含む。記憶部502には、各種コースの洗濯運転および洗剤泡塗布運転を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部502には、これらプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
【0064】
制御部501は、CPU等を含み、操作部503、水位検出部505、距離センサ400等からの各信号に基づいて、記憶部502に記憶されたプログラムに従い、表示部504、モータ駆動部506、給水駆動部507、排水駆動部508、ポンプ駆動部509等を制御する。
【0065】
さて、ドラム式洗濯機1では、ユーザによる操作部503の操作に基づき、各種運転コースの洗濯運転が行われる。洗濯運転では、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に行われる。運転コースによっては、すすぎ工程と中間脱水工程とが2回以上行われる場合がある。
【0066】
洗い工程では、ドラム23内に収容された洗濯物の負荷量に応じた洗い水位まで、外槽20内に洗剤を含む水が溜められ、その水の中に浸された洗濯物が、ドラム23の正回転および逆回転が繰り返されることによりタンブリングされる。洗濯物の内部まで洗剤を含む水が浸透し、洗剤の力とタンブリングによる機械力とにより洗濯物の表面や内部に付着した汚れが落とされる。
【0067】
すすぎ工程では、外槽20内に所定のすすぎ水位までの水が溜められた状態でドラム23が正回転および逆回転し、洗濯物がタンブリングされる。これにより、洗濯物に含まれた洗剤が水とともに排出され、洗濯物がすすがれる。
【0068】
中間脱水工程および最終脱水工程では、駆動モータ30が一方向に高速回転し、ドラム23が、ドラム23内の洗濯物に作用する遠心力が重力よりはるかに大きくなる回転数で一方向に回転する。遠心力の作用により、洗濯物が、ドラム23の内周面に押し付けられ、脱水される。最終脱水工程では、中間脱水工程での回転数よりも高い回転数でドラム23が回転する。
【0069】
洗い工程での給水時には、給水装置50が給水とともに洗剤の自動投入を行う。即ち、まず、洗剤ポンプ250が動作し、液剤タンク220の洗剤室221内の液体洗剤が、所定量だけ水路形成部材230の給水路232、即ち第1給水路235に導入される。次に、給水バルブ110の第1バルブ111が開放され、第1給水ホース120を介して給水路232内に水が供給される。給水路232内の液体洗剤は、給水路232に流れてきた水と混合され、水とともに、注水室233、注水口部材210の流路212、注水口211および注水ホース53を経由して、外槽20内へと至る。
【0070】
同様に、すすぎ工程では、給水装置50が給水とともに柔軟剤の自動投入を行う。即ち、柔軟剤ポンプ260が動作し、液剤タンク220の柔軟剤室222内の液体柔軟剤が、所定量だけ給水路232に導入される。次に、第1バルブ111が開放されると、給水路232内の液体柔軟剤が、給水路232に流れてきた水と混合され、水とともに外槽20内へ送られる。なお、すすぎ工程が2回行われる場合、柔軟剤の投入は、最後のすすぎ工程となる。
【0071】
ドラム式洗濯機1では、ユーザは、衣類の襟や袖などの部分に皮脂汚れなどの頑固な汚れが付着している場合、洗濯運転に先立って、洗剤泡塗布運転を行うことができる。これにより、ユーザは、汚れが付着した部分に、洗剤泡ディスペンサ60により生成された洗剤泡を塗布した上で、衣類をドラム式洗濯機1のドラム23内に投入することができる。洗剤泡は、洗い工程で使用される洗剤を含む水よりも大幅に洗剤濃度が高い。よって、衣類の汚れ付着部分には、高濃度の洗剤泡が塗布されることになり、洗濯運転が行われたときに、当該汚れ付着部分の汚れ落ちが良くなる。
【0072】
図6は、洗剤泡塗布運転で実行される制御部501の制御動作を示すフローチャートである。
【0073】
ユーザが、開始操作として、操作部503の泡塗布ボタンを押すと、洗剤泡塗布運転が開始される。
【0074】
図6を参照して、洗剤泡塗布運転が開始されると、制御部501は、洗剤ポンプ250を動作させて規定量の液体洗剤を第1給水路235内に導入した後、給水バルブ110の第2バルブ112を規定時間開放して第1給水路235に水を供給する。これにより、制御部501は、液体洗剤が水で希釈された、規定容量の洗剤液を貯水槽240内に貯める(S1)。このとき、液体洗剤は、第1給水路235内に供給された水に押し流されて貯水槽240へと向かい、第1給水路235を流れている間に水と混ぜられる。
【0075】
規定容量は、たとえば、数十mL程度であり、それほど大きな容量でない。ここでは、定格流量が小さな第2バルブ112が開放されることにより、大量の水が一気に第1給水路235に流れないので、貯水槽240内に規定容量の水を貯めやすい。
【0076】
なお、水道圧のばらつきにより、第2バルブ112を開放したときの流量にばらつきが生じ得る。このため、第2バルブ112を開放する規定時間は、流量が少ない場合でも貯水槽240内に規定容量の洗剤液が貯められるように設定され得る。
【0077】
よって、流量によっては、貯水槽240内の洗剤液が規定容量以上になり得る。この場合、貯水槽240内の水位が溢水口242に達し、溢水口242から洗剤液が溢れる。溢れた洗剤液は、第2給水路236を流れ、注水室233、注水口部材210の流路212、注水口211および注水ホース53を経由して、外槽20内へ排出される。第2給水路236、注水室233、流路212、注水口211および注水ホース53は、溢水口242から溢れた洗剤液を外槽20内に排出させる排出経路DRとなる。
【0078】
こうして、規定容量の洗剤液が貯水槽240に溜められることにより洗剤泡を生成する準備が完了する。
【0079】
なお、洗剤泡を生成する準備が完了すると、制御部501は、表示部504に、準備完了を知らせる表示を行わせる。
【0080】
次に、制御部501は、距離センサ400により、衣類がノズル320に対して規定距離まで接近したか否かを監視する(S2)。
【0081】
ユーザは、ドア12を開放し、手で持った衣類を投入口11からパッキン24の位置へ差し入れ、図3のように、汚れが付着した衣類の部分を、下方からノズル320に規定距離まで近づける。
【0082】
制御部501は、衣類がノズル320に規定距離まで接近したと判定すると(S2:YES)、泡生成ポンプ350を所定の泡放出時間、たとえば数秒間だけ動作させて、ノズル320から一定量の洗剤泡を放出させる(S3)。
【0083】
即ち、泡生成ポンプ350が動作すると、貯水槽240内の洗剤液が第1ホース330を介して泡生成ポンプ350内に取り込まれる。このとき、泡生成ポンプ350では、外部から空気が取り込まれ、取り込まれた空気が洗剤液に混合される。空気が混合された洗剤液は、泡生成ポンプ350からノズル320に向けて送り出される。泡生成ポンプ350から送り出された、空気が混合された洗剤液は、フィルタユニット360のメッシュ状のフィルタ361を通過する。
【0084】
空気が混合されるとともにフィルタ361を通過することにより、洗剤液に含まれた液体洗剤が発泡し、きめの細かな洗剤泡が生成される。洗剤泡は、第2ホース340を通ってノズル320に至り、ノズル320の放出口321からほぼ真下に放出される。
【0085】
こうして、図3のように、汚れが付着した衣類の部分に高濃度の洗剤泡が塗布される。
【0086】
なお、洗剤泡は、距離センサ400による衣類の自動検出によりノズル320から放出されるので、ユーザは、衣類の部分を両手でしっかりと保持できる。
【0087】
制御部501は、洗剤泡塗布運転の終了操作がなされたか否かを判定する(S4)。
【0088】
ユーザは、続けて衣類の他の部分に洗剤泡を塗布する場合、一旦、衣類をノズル320から遠ざけた後に再びノズル320に近づける。
【0089】
制御部501は、終了操作がなされることなく、再び、衣類がノズル320に規定距離まで接近すると(S4:NO→S2:YES)、泡生成ポンプ350を動作させてノズル320から洗剤泡を放出させる(S3)。
【0090】
こうして、衣類の部分がノズル320に近づけられる度に、当該部分に一定量の洗剤泡が塗布される。
【0091】
ユーザは、衣類への洗剤泡の塗布を完了すると、終了操作として、操作部503の泡塗布ボタンを押す。これにより、制御部501は、終了操作がなされたと判定すると(S4:YES)、洗剤泡塗布運転を終了する。
【0092】
ここで、洗剤泡が放出される前に衣類の部分がノズル320の下から動かされた場合、放出された洗剤泡がそのまま落下し得る。また、洗剤泡塗布運転中や運転後に、ノズル320の放出口321の部分に残った洗剤泡が垂れ落ちることも想定される。このような場合、洗剤泡は、パッキン24の下部に落ちる。よって、洗剤泡がドラム式洗濯機1の外に出てしまうことが防止される。なお、パッキン24に残った洗剤泡は、洗濯運転により洗い流される。
【0093】
洗剤泡塗布運転後に貯水槽240内に残った洗剤液は、その後、洗濯運転が行われた場合、洗い工程での給水時に貯水槽240内から排出されて外槽20内に送られ、洗い工程に利用される。
【0094】
また、洗剤泡ディスペンサ60内に残った洗剤泡や洗剤液を排出し、洗剤泡ディスペンサ60内を洗浄するため、洗い工程の給水終盤において、制御部501は、泡生成ポンプ350を動作させる。貯水槽240内の水が、第1ホース330、洗剤泡生成部310および第2ホース340を流れ、洗剤泡や洗剤液とともにノズル320から排出される。排出された水等は、外槽20内へ流れる。
【0095】
このような洗剤泡ディスペンサ60内の洗浄が行われることにより、洗剤泡ディスペンサ60内に残った洗剤液が空気に触れて凝固することで洗剤泡ディスペンサ60内に詰まりが生じる、ということが防止される。
【0096】
なお、泡生成ポンプ350の動作は、給水終了後、貯水槽240内の水が無くなっても、しばらくの間、継続される。貯水槽240内に水が無くなると、貯水槽240内の空気が洗剤泡ディスペンサ60内に送られてノズル320から排出される。このため、洗剤泡ディスペンサ60内に水等の液体が残らない。
【0097】
さらに、すすぎ工程、複数回の場合は最後のすすぎ工程において、外槽20への給水後に、制御部501は、泡生成ポンプ350を動作させる。これにより、貯水槽240内から水を、ノズル320を介して排出でき、柔軟剤を含み得る水が貯水槽240内に残ることが防止される。
【0098】
なお、本実施の形態では、柔軟剤流入口238が貯水槽240の上流の第1給水路235に設けられている。しかしながら、柔軟剤流入口238が貯水槽240の下流の第2給水路236に設けられてもよい。この構成では、すすぎ工程の給水時に、柔軟剤を含む水が貯水槽240を経由することが無くなり、柔軟剤を含み得る水が貯水槽240内に残ることが無くなる。この場合も、給水後に貯水槽240内の水が、ノズルを介して排出されることが望ましい。
【0099】
一方、洗剤泡が塗布された衣類が、ドラム式洗濯機1には投入されず、手洗いなどにより洗われる場合も起こり得る。この場合、貯水槽240内に高濃度の洗剤液が残ったままとなる。よって、このような場合に、貯水槽240内から洗剤液を廃棄して貯水槽240内の清掃が行えるよう、セルフクリーニングの機能が備えられてもよい。たとえば、所定の開始操作が行われたり、洗剤泡塗布運転後に洗濯運転が行われることなく所定時間が経過したりした場合、セルフクリーニング機能が開始され、第1バルブ111および/または第2バルブ112が開かれて、適度な時間、給水路232に給水が行われる。これにより、残った洗剤液が貯水槽240内から排出されて外槽20内に送られる。このとき、排水バルブ41が開放され、外槽20内に送られた洗剤液が機外へ排出される。このセルフクリーニング機能の給水終盤にも泡生成ポンプ350が動作し、上記と同様に、洗剤泡ディスペンサ60内の洗浄が行われる。
【0100】
なお、本実施の形態のドラム式洗濯機1は、洗濯物を乾燥させる乾燥装置を備えていてもよい。この場合、乾燥装置は、たとえば、外槽20に接続される循環路を備える。循環路内には、送風ファン、冷却器および加熱器が配置される。加熱器で加熱された空気が送風ファンの動作により外槽20と循環路との間で循環し、ドラム23内の洗濯物が乾燥する。外槽20内から循環路に戻ってきた空気は、加熱器で加熱される前に冷却器で冷却され除湿される。
【0101】
<実施の形態の効果>
本実施の形態によれば、ドラム式洗濯機1は、液剤タンク220から出された液体洗剤を発泡させることにより洗剤泡を生成する洗剤泡生成部310と、洗剤泡生成部310で生成された洗剤泡を、ドラム23の外において衣類の部分に塗布するために放出するノズル320と、を備えている。
【0102】
この構成によれば、ユーザは、洗濯運転に先立って、ドラム23内に収容される前の衣類の汚れが付着した部分に洗剤泡を塗布することができる。よって、その後、洗濯運転が行われたときに、衣類の汚れ落ちが良くなる。また、衣類の部分に液体洗剤が直接塗布される場合と違って、ユーザは、液垂れを懸念せずに済む。さらに、ユーザは、洗剤泡を塗布するために衣類の部分をノズル320の近くに持っていくだけでよく、塗布作業のために衣類を置く場所が必要とならない。
【0103】
さらに、本実施の形態によれば、ノズル320は、パッキン24の上部に設けられ、パッキン24の下部に向けて洗剤泡を放出する構成とされている。
【0104】
この構成によれば、ノズル320の下に衣類がない状態でノズル320から洗剤泡が出ても、洗剤泡をパッキン24の下部で受けることができ、洗剤泡がドラム式洗濯機1の外に出てしまうことを防止できる。
【0105】
さらに、本実施の形態によれば、ドラム式洗濯機1は、給水バルブユニット51から供給された水で希釈された液体洗剤が洗剤液として貯められる貯水槽240をさらに備え、洗剤泡生成部310が、貯水槽240から洗剤液を取り込み、取り込んだ洗剤液に空気を混合させてノズル320に向けて送り出す泡生成ポンプ350と、泡生成ポンプ350から送り出された、空気が混合された洗剤液が通過するメッシュ状のフィルタ361と、を含むような構成とされている。
【0106】
この構成によれば、液体洗剤を水で希釈して洗剤液とすることにより、流動性が高まるとともに発泡しやすくなる。これにより、液体洗剤を泡生成ポンプ350に取り込みやすくなり、また、泡生成ポンプ350において空気を混合させた液体洗剤をフィルタ361に通過させたときに洗剤泡が生成されやすくなる。
【0107】
さらに、本実施の形態によれば、ドラム式洗濯機1は、貯水槽240が、規定容量以上の洗剤液が貯められたときに洗剤液が溢れる溢水口242を有し、溢水口242から溢れた洗剤液を外槽20内へ排出させる排出経路DRを備えるような構成とされている。
【0108】
この構成によれば、給水バルブユニット51から供給される水の流量のばらつきによって、規定容量以上となる洗剤液が貯水槽240内に供給されても、貯水槽240内に規定容量の洗剤液を貯めることができる。
【0109】
さらに、本実施の形態によれば、ドラム式洗濯機1は、給水バルブユニット51からの水が貯水槽240へ向かって流れる第1給水路235と、液剤タンク220内の液体洗剤を第1給水路235内に送るための洗剤ポンプ250と、を備えるような構成とされている。
【0110】
この構成によれば、液体洗剤は、洗剤ポンプ250により第1給水路235内に送られた後、第1給水路235内に供給された水に押し流されて貯水槽240へと向かい、第1給水路235を流れている間に水と混ぜられる。これにより、貯水槽240内に貯められた洗剤液は、液体洗剤の濃度が均一になりやすい。
【0111】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0112】
<変更例1>
図7は、変更例1に係る、ドラム式洗濯機1の構成を示す側面断面図である。図8(a)は、変更例1に係る、ノズル380の周辺部の構成を示す側面断面図である。図8(b)は、変更例1に係る、ノズル380の周辺部の構成を示す正面断面図である。なお、図8(b)では、載置棚610とフード640とが断面図で示されている。
【0113】
上記実施の形態では、洗剤泡ディスペンサ60が、パッキン24の上部に配置されたノズル320を備える。これに対し、本変更例では、洗剤泡ディスペンサ60が、筐体10の前面に配置されたノズル380を備える。
【0114】
ノズル380は、筐体10の前面のドア12よりも上方に設けられる。ノズル380の先端側は、筐体10の前面から前方に延びた後にほぼ垂直に屈曲し下方に延びる。ノズル380は、先端の放出口381から下方に向けて洗剤泡を放出する。ノズル380の基端側は、筐体10内において後方に突出する。ノズル380の基端部に第2ホース340の出口が接続される。
【0115】
ノズル380の下方には、衣類の部分が置かれる載置棚610が設けられる。載置棚610は、左右方向に長いほぼ長方形のトレイ形状を有する。載置棚610は、筐体10の前面に固定された保持部材620により、筐体10の前面に沿って垂直に立てられた非使用位置と、水平に寝かされた使用位置との間で回動可能に保持される。図8(a)には、使用位置の載置棚610が実線で示されており、非使用位置の載置棚610が破線で示されている。
【0116】
保持部材620は、左右方向に延びるストッパ部621と、ストッパ部621の左右両端から立ち上がる軸受部622とで構成される。各軸受部622には、軸孔623が形成される。
【0117】
載置棚610の後端部には、左右方向に貫通する軸孔611が形成されており、この軸孔611と、左右の軸受部622の軸孔623との間に回動軸630が挿入される。これにより、載置棚610は、回動軸630を中心に回動する。載置棚610が非使用位置から使用位置まで回動すると、載置棚610の後端部の下面がストッパ部621に当接し、それ以上の回動が阻止される。
【0118】
ノズル380の放出口381の中心と筐体10の前面との距離は、たとえば30~50mm程度とされる。これにより、衣類の袖や襟をノズル380の真下に十分に位置させることができる。載置棚610の左右方向の幅は、衣類の袖や襟を安定して載せられるような幅とされることが望ましい。
【0119】
ノズル380は、フード640により覆われる。フード640は、ほぼ直方体形状を有し、筐体10の前面に固定される。フード640内には、ノズル380に隣接するように、距離センサ410が配置される。距離センサ410は、ノズル380から規定距離に位置する衣類の部分を検出することにより、衣類の部分が載置棚610に置かれたことを検出する。距離センサ410は、距離センサ400と同様、たとえば、距離測定用の反射型光電センサや超音波センサである。
【0120】
洗剤泡塗布運転が行われないとき、載置棚610は、非使用位置に、即ち筐体10の前面に沿った状態に片付けられている。これにより、衣類を投入口11からドラム23内に投入する際などに、載置棚610が邪魔になりにくい。
【0121】
ユーザは、洗剤泡塗布運転を行う際、載置棚610を非使用位置から使用位置まで回動させる。その後、ユーザは、操作部503の泡塗布ボタンを押して洗剤泡塗布運転を開始させる。制御部501が、図6の洗剤泡塗布運転の制御動作と同様の制御動作を行う。ただし、ステップS2では、載置棚610に衣類が置かれたか否かの判定が行われる。
【0122】
洗剤泡を生成する準備が完了すると、ユーザは、図8(b)のように、汚れが付着した衣類の部分を、載置棚610に置くことにより、ノズル380のほぼ真下に位置させる。ノズル380から洗剤泡が放出されて、汚れが付着した衣類の部分に高濃度の洗剤泡が塗布される。
【0123】
本変更例によれば、筐体10の前面にノズル320が配置されているので、ユーザは、筐体10の外の広い領域において、ノズル380から放出された洗剤泡を衣類の部分に塗布する作業を行うことができ、当該塗布作業を行いやすい。
【0124】
また、ドア12を閉めた状態で洗剤泡の塗布作業が行えるので、ドラム式洗濯機1で洗濯運転が行われているときにも、当該塗布作業が可能となる。
【0125】
さらに、ノズル380は、ドア12よりも高い位置に配置されているので、ユーザは、ノズル380の下に衣類の部分を持っていきやすく、洗剤泡の塗布作業を一層容易に行える。
【0126】
さらに、ノズル380の下方には載置棚610が設けられているので、ユーザは、衣類の部分を載置棚610に置くだけで、当該部分を、洗剤泡を塗布しやすい適度なノズル380からの距離に位置させやすい。
【0127】
さらに、ノズル380の下に衣類がない状態でノズル380から洗剤泡が出ても、洗剤泡を載置棚610で受けることができ、洗剤泡がドア12に掛かったり床に落ちたりすることを防止できる。特に、載置棚610は、トレイ形状を有しているので、受けた洗剤泡を保持しやすい。
【0128】
<変更例2>
図9は、変更例2に係る、ドラム式洗濯機1の構成を示す側面断面図である。図10(a)および(b)は、変更例2に係る、ノズル380の周辺部の構成を示す側面断面図である。図8(a)は、載置棚610が非使用位置にある状態を示し、図8(b)は、載置棚610が使用位置にある状態を示す。
【0129】
本変更例では、ドラム式洗濯機1において、筐体10の前面に、投入口11を有する投入口部材70が設けられる。投入口部材70には、投入口11の前方に、ドア12が収容される円形のドア収容凹部71が設けられる。投入口部材70は、ドア収容凹部71の周囲の環状の周縁部72が中空となっている。
【0130】
本変更例では、上記変更例1と同様、洗剤泡ディスペンサ60のノズル380が、筐体10の前面に配置される。しかしながら、上記変更例1と異なり、ノズル380は、その先端側が投入口部材70の周縁部72の上部内部に収容される。ドア収容凹部71の周面の上部には、ノズル380の位置に開口部73が設けられる。開口部73には、ノズル380に隣接するように、距離センサ410が配置される。
【0131】
図10(a)に示すように、載置棚610は、ノズル380の下方において、投入口部材70のドア収容凹部71の底面上部に設けられた棚収容部74に収容される。載置棚610の後端部を貫通する回動軸630の両端が棚収容部74の左右両側面の下部に固定される。これにより、載置棚610は、回動軸630を中心に回動可能であり、図10(b)に示すように、ドア12が開いている状態において、載置棚610を、棚収容部74に収容された非使用位置から回動させて水平に寝た使用位置に移動できる。
【0132】
洗剤泡塗布運転が行われないとき、載置棚610は、非使用位置に、即ち投入口部材70の棚収容部74内に片付けられている。これにより、衣類を投入口11からドラム23内に投入する際などに、載置棚610が邪魔になりにくい。また、ドア12が閉じられた状態では、ドア12に隠れて載置棚610が見えず、見栄えが良い。
【0133】
ユーザは、洗剤泡塗布運転を行う際、ドア12を開いて、載置棚610を非使用位置から使用位置まで回動させる。その後は、上記変更例1と同様に、洗剤泡塗布運転が開始され、載置棚610に置かれた衣類の部分にノズル380から放出された高濃度の洗剤泡が塗布される。
【0134】
本変更例においても、上記変更例1と同様な効果が奏され得る。さらに、本変更例では、フード640の代わりに投入口部材70の周縁部72の内部にノズル380が収容されるので、筐体10の前面がすっきりとした状態となり、見栄えが良い。
【0135】
ただし、本変更例では、ドア12を閉めた状態で洗剤泡の塗布作業が行えないので、上記変更例1と違って、ドラム式洗濯機1で洗濯運転が行われているときには、当該塗布作業が行えない。
【0136】
<その他の変更例>
上記実施の形態では、洗剤泡ディスペンサ60のノズル320が、パッキン24の上部に設けられている。また、上記変更例1,2では、洗剤泡ディスペンサ60のノズル380が、筐体10の前面のドア12よりも上に設けられている。しかしながら、洗剤泡放出部であるノズルは、洗剤泡を、ドラム23の外において衣類の部分に塗布するために放出できれば、上記以外の位置に設けられてもよい。たとえば、ノズルが筐体10の前面のドア12より低い位置や筐体10の左右の側面や天面に設けられてもよい。
【0137】
さらに、上記実施の形態では、洗剤泡生成部310は、泡生成ポンプ350とメッシュ状のフィルタ361とを含むような構成とされている。しかしながら、洗剤泡生成部310は、液剤タンク220から出された液体洗剤を発泡させることにより洗剤泡を生成することができれば、如何なる構成とされてもよい。
【0138】
さらに、上記実施の形態では、液剤タンク220が第1給水路235より低い位置に設けられ、液剤タンク220内の液体洗剤が洗剤ポンプ250により第1給水路235に送られる。しかしながら、液剤タンク220が第1給水路235よりも高い位置に設けられ、液剤タンク220内の液体洗剤がバルブの開閉により第1給水路235に送られるようにしてもよい。この場合、バルブが本発明の送液部に相当する。
【0139】
さらに、液剤タンク220内の液体洗剤が、第1給水路235に送られるのではなく、直接、貯水槽240内に送られ、貯水槽240内で液体洗剤と水とが混合されるような構成とされてもよい。
【0140】
さらに、上記実施の形態では、貯水槽240が給水路232の途中に設けられている。しかしながら、貯水槽240が給水路232の途中に設けられなくてもよい。この場合、たとえば、第2給水ホース130が、直接、あるいは、所定の水路を介して、貯水槽240に接続される。また、この場合、貯水槽240内に溢水口242が設けられなくてもよい。溢水口242が設けられない場合、貯水槽240内に水位を検出する水位検出器が設けられるとよい。
【0141】
さらに、上記実施の形態において、給水バルブユニット51からの水の流量がばらついても貯水槽240に規定容量の洗剤液が溜まりやすいように、給水バルブユニット51からの水の流量を検出する流量センサを第1給水路235等に設け、流量に応じて貯水槽240へ給水を行う時間を変えるようにしてもよい。
【0142】
さらに、上記実施の形態では、液体洗剤が水で希釈された洗剤液が貯水槽240に貯められ、当該洗剤液が洗剤泡生成部310の泡生成ポンプ350に取り込まれて、洗剤泡が生成される。しかしながら、たとえば、液体洗剤を水で希釈しなくても適度な流動性と発泡性とが得られるような場合、貯水槽240が設けられず、洗剤泡生成部310により、希釈されていない液体洗剤から洗剤泡が生成されるようにしてもよい。
【0143】
さらに、上記実施の形態および上記変更例1,2において、衣類の検出に基づいてノズル320,380からの洗剤泡の放出が開始されるのではなく、開始を指示するための操作ボタンの押下や音声の入力を受け付けることにより、ノズル320,380からの洗剤泡の放出が開始されるようにしてもよい。
【0144】
さらに、上記変更例1では、載置棚610が、筐体10の前面に沿って垂直に立てられた非使用位置と、水平に寝かされた使用位置との間で回動可能である。しかしながら、載置棚610は、回動可能でなく、使用位置に固定された構成であってもよい。
【0145】
さらに、上記変更例1の構成、即ち、洗剤泡ディスペンサ60のノズル380が筐体10の前面に設けられる構成において、上記実施の形態と同様、洗い工程の給水終盤やクリーニング機能の給水終盤に、洗剤泡ディスペンサ60の洗浄を行うことができる。この場合、ノズル380から排出された水や洗剤液を廃棄できる構成が必要となる。そこで、ドラム式洗濯機1には、上記変更例1の載置棚610および保持部材620に替えて、図11(a)および(b)に示す載置棚610Aおよび保持部材620Aが設けられる。
【0146】
載置棚610Aは、トレイ状に形成され、その凹部612の底面が後方に向かって低くなっている。凹部612には、後面下部に排水孔613が形成される。排水孔613は、後方下方に延びる。
【0147】
保持部材620Aは、ストッパ部621Aが筐体10の前面を貫通する。ストッパ部621Aには、左右方向の中央部に排水路624が形成されており、排水路624の出口部624aがストッパ部621Aの後面から後方に突出し、排水パイプ650に接続される。排水パイプ650は、パッキン24の上部に設けられた排水口24aに接続される。
【0148】
図11(a)に示すように、載置棚610Aが水平に寝かされた使用位置にあるとき、載置棚610Aの排水孔613がストッパ部621Aの排水路624に繋がる。洗剤泡ディスペンサ60の洗浄を行われたとき、ノズル380から排出された水等は、載置棚610Aの凹部612で受けられ、排水孔613、排水路624および排水パイプ650を通って、排水口24aからパッキン24の内部へ排出され、外槽20内へと流れる。
【0149】
図11(b)に示すように、載置棚610Aが筐体10の前面に沿って垂直に立てられた非使用位置に移動されると、ストッパ部621Aの排水路624の入口が載置棚610Aの後端部で塞がれる。これにより、ドラム式洗濯機1が乾燥機能を有する場合に、乾燥工程において、外槽20内に導入された温風が排水パイプ650および排水路624を介してドラム式洗濯機1の外部へ漏れることが防止される。なお、乾燥工程の開始時に、距離センサ410を用いて載置棚610Aが使用位置にあるか否かが検出され、載置棚610Aが使用位置にあるため排水路624が載置棚610Aで塞がれていない場合に、乾燥工程が開始されず、載置棚610Aを非使用位置に移動することを促す報知が表示部504等で行われるようにされてもよい。
【0150】
上記変更例2の構成においても、上記と同様、載置棚610から排水が行えるような変更を加えることができる。
【0151】
さらに、洗剤泡ディスペンサ60内の洗浄時にノズル380から排出された水や洗剤液を廃棄できる構成として、図12(a)および(b)に示す構成を採ることができる。
【0152】
図12(a)および(b)の構成では、筐体10の前面に、フード640が出し入れされる開口部14が形成される。開口部14の下端には、フード640の左右の端部の下に、前後方向に延びるレール660が設けられる。フード640は、レール660に沿って、筐体10の前面から前方に露出する使用位置と、筐体10内に収容される非使用位置との間を前後方向に移動可能である。ノズル380は、連結部材641を介してフード640に連結され、フード640とともに前後方向に移動できる。なお、フード640の前面には、フード640を移動するときにユーザが把持する、図示しない取手部が設けられる。
【0153】
筐体10内には、筐体10内に収容されたノズル380の放出口381の下方に、排水槽670が設けられる。排水槽670の排水口671が、排水パイプ650を介してパッキン24の上部に設けられた排水口24aに接続される。
【0154】
ノズル380には、排水槽670の開口を上方から覆う蓋680が固定されており、ノズル380が使用位置にあるときに、排水槽670が蓋680で覆われる。
【0155】
図12(a)のように、洗剤塗布運転が行われるとき、ノズル380およびフード640が使用位置に引き出される。一方、図12(b)のように、洗剤塗布運転が終了し、洗濯運転が行われるとき、ノズル380およびフード640が非使用位置に移動される。この状態で、洗い工程の給水終盤に洗剤泡ディスペンサ60内の洗浄が行われる。ノズル380から排出された水等は、排水槽670で受けられ、排水パイプ650を通って、排水口24aからパッキン24の内部へ排出され、外槽20内へと流れる。
【0156】
ドラム式洗濯機1が洗濯乾燥運転を行う場合、乾燥工程の前に、ノズル380およびフード640が使用位置に引き出される。これにより、排水槽670の開口が蓋680で覆われる。よって、乾燥工程時、外槽20内に導入された温風が排水パイプ650および排水槽670を介して外槽20と筐体10との間に漏れることが防止される。
【0157】
なお、フード640が筐体10の前面に固定され、ノズル380と蓋680が前後方向に移動できるような構成が採られてもよい。
【0158】
図11(a)および(b)、図12(a)および(b)の構成を採ることにより、すすぎ工程の給水後に貯水槽240内からノズル380を介して排出された水も外槽20内に流すことができる。
【0159】
さらに、上記実施の形態では、ドラム式洗濯機1が示された。しかしながら、本発明は、ドラム式洗濯機1以外の洗濯機、たとえば、外槽内に、内槽として縦軸型の洗濯脱水槽を有する全自動洗濯機にも適用できる。全自動洗濯機は、乾燥機能を有する全自動洗濯乾燥機であってもよい。
【0160】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0161】
1 ドラム式洗濯機(洗濯機)
10 筐体
11 投入口
12 ドア
20 外槽
20a 開口部
23 ドラム(内槽)
24 パッキン
50 給水装置
51 給水バルブユニット(給水部)
220 液剤タンク
235 第1給水路(水路)
240 貯水槽
242 溢水口
250 洗剤ポンプ(送液部)
310 洗剤泡生成部
320 ノズル(洗剤泡放出部)
350 泡生成ポンプ(ポンプ)
361 フィルタ
380 ノズル(洗剤泡放出部)
610 載置棚
DR 排出経路
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
図12