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特開2024-72945小電力無線通信を使用した複数の分散型移動装置の遠隔管理システム
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  • 特開-小電力無線通信を使用した複数の分散型移動装置の遠隔管理システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072945
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】小電力無線通信を使用した複数の分散型移動装置の遠隔管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/22 20090101AFI20240522BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20240522BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20240522BHJP
【FI】
H04W84/22
H04W88/04
H04W84/10 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183850
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】522450004
【氏名又は名称】チャレンジャー・カンパニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】722013690
【氏名又は名称】永墓 正寿
(72)【発明者】
【氏名】永墓 正寿
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】インターネット等の広域ネットワークの無線アクセスポイントの圏外にいる移動装置の遠隔監視及び操作することを可能にする。
【解決手段】広域通信網接続装置14は,移動装置6,7,8,9,10,11,12,13に広域通信網15への接続を提供する。移動装置6,7,8,9,10,11,12,13は,小電力無線インタフェイス21と22を搭載している。小電力無線インタフェイス21と22に接続している別の移動装置間の通信を中継する移動装置同士が中継でつながり多段中継(6,7,8,12の接続及び10,9,8,12の接続)を構成する。広域通信網接続装置14の無線接続の圏外領域2にいる移動装置6,7,8,9,10は,多段中継を通して管理装置16と通信することが可能となり,広域通信網接続装置14の無線接続の圏内領域3にいる移動装置11,13を含むすべての移動装置を管理することが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小電力無線インタフェイスを2つ以上搭載して各インタフェイス間のデータ通信を中継する機能を備えた複数の移動装置を接続していき多段中継構造を構成し、構成する移動装置のうち1台以上がインターネット等の無線アクセスポイントの圏内にいることによって、圏外で移動する他の移動装置とインターネット等に接続されているコンピュータとの通信を可能とする小電力無線多段中継システム
【請求項2】
小電力無線インタフェイスを2つ以上搭載して各インタフェイス間のデータ通信を中継する機能を備えた複数の移動装置を接続していき多段中継構造を構成し、構成する移動装置が移動して既存の接続相手の移動装置との無線接続領域の範囲外に出ても、その移動装置がさらに別の移動装置の無線接続範囲内に入ることにより、動的に多段階中継構造を再構築して、すべての移動装置間の通信を維持することを可能とする小電力無線多段中継システム
【請求項3】
多段中継構造を構成する、小電力無線インタフェイスを2つ以上搭載して各インタフェイス間のデータ通信を中継する機能を備えた全ての移動装置に対して、インターネット等の広域通信網と接続する無線アクセスポイント機能を提供し、各移動装置とインターネット等に接続されているコンピュータの間において、中継されたすべて移動装置の通信を接続することを可能とする小電力無線多段中継用広域網接続装置
【請求項4】
多段中継構造を構成する、小電力無線インタフェイスを2つ以上搭載して各インタフェイス間のデータ通信を中継する機能を備えた全ての移動装置に対して、個別、グループ別、及び、一斉の通信を可能にする移動装置遠隔制御管理システム
【請求項5】
多段中継構造を構成する、小電力無線インタフェイスを2つ以上搭載して各インタフェイス間のデータ通信を中継する機能を備えた全ての移動装置に対して、各移動装置の移動位置、通信状態、搭載センサからの情報、および、多段中継の構造をリアルタイムに把握することを可能とする移動装置遠隔制御管理システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
広域無線通信が使用できない環境を含む範囲で移動する小電力無線通信インタフェイスを搭載した複数の移動装置を遠隔監視及び操作して一括管理するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や業務用無線などの広域無線通信を使用した場合は、広域無線通信システムが提供する広い圏内領域で移動装置は移動でき、かつ、これらの移動装置の遠隔監視と操作が可能となるが、土管など電波の遮蔽される場所に移動装置が移動すると通信が途切れて遠隔監視と操作はできなくなる。
【0003】
一方、移動装置および広域通信網との接続装置に小電力無線を用いた場合、移動装置の移動範囲は広域通信網との接続装置の圏内領域に限られてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信による遠隔操作ですべての移動装置を管理装置が管理するためには、いくつかの移動装置が広域通信網接続装置の電波の届かない圏外領域に移動しても、広域通信網接続装置の圏内領域を移動している他の移動装置と通信できるようにすることが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、小電力無線通信インタフェイスを2つ搭載した移動装置が、片方のインタフェイスに接続した別の移動装置の通信データをもう片方のインタフェイスに接続した他の移動装置に中継する機能を持たす。
【0006】
そして、複数の移動装置を無線接続により数珠繋ぎさせて(多段中継の構成)、各移動装置が両隣の通信を中継し合うようにする(多段中継)。
【0007】
さらに、広域通信網接続装置の圏内にいるすべての移動装置(多段中継を構成する移動装置のうち少なくとも一台の移動装置を含む)を広域通信網接続装置と接続させることにより管理装置とすべての移動装置とを通信させる。
【0008】
また、多段中継を構成する移動装置のいくつかが移動することにより、無線接続が途切れて多段中継の構造が崩れてしまった場合、すべての移動装置は動的に多段中継の構造を再構築する。
【0009】
上記の“0005”,“0006”,“0007”,“0008”により、各移動装置は小電力無線通信の無線範囲を超えた広い範囲の移動を移動しながらの通信、及び、管理装置と各移動装置の間の通信を維持することを主な特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本システムは、複数の移動装置、インターネット等の広域通信網(15)、各移動装置を15と接続する広域通信網接続装置(14)、及び、15と接続してすべての移動装置を遠隔監視・操作する管理装置(16)で構成し、各移動装置は移動領域(1)となる14の圏外(2)および圏内(3)を移動する。
図2】移動装置は2つ以上の無線インタフェイス(22)と(23)を有し、それぞれのインタフェイス間の通信を中継する機能を持つ。
図3】14は移動装置と通信するための無線インタフェイス(32)と、広域通信網と接続するための(33)として無線インタフェイス(34)と有線インタフェイス(35)を有し、移動装置と広域通信網との間の通信を取り持つ。
図4】16は広域通信網と接続するための無線インタフェイス(42)または有線インタフェイス(43)を有し、各移動装置との間の通信データに基づいて、すべての移動装置を監視し制御、管理するための、47、48、および、49の機能を持つ。
図5】移動装置間の無線接続と複数の移動装置による多段中継の構造および通信の状態を示す。12が14と7および14と8の間の通信を中継している。
図6】3で中継している移動装置が2に移動したときに圏内にいる別の移動装置が中継する場合、中継の構造を再構築する。
図7】3で中継している移動装置が2に移動したときに2にいる別の移動装置が3に移動して中継する場合、中継の構造を再構築する。
図8】移動装置が電波を通さない遮蔽物内に移動した場合の通信の維持を示す。
図9】8台の移動装置の場合の中継の段数が最長となる場合を示す。なお、本システムでは移動装置の数には制限が無いが、図1図5図6図7図8図9は例として8台の移動装置(6,7,8,9,10,11,12,13)の場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1において、6,7,8,9,10,11,12,13は1を移動しており、このうち6,7,8,9,10は2の領域を移動し、11,12,13は3の領域を移動している。
【0012】
16は事前に6,7,8,9,10,11,12、13の識別情報、及び、システムの動作開始時点での通信状態の情報を図4の47に持っている。
【0013】
16は3の領域内で移動する11,12,13は14と接続しているので直接の通信が可能であるが、2の領域内で移動する6,7,8,9,10は14と直接接続していない為、6,7,8,9,10が16と通信するためには12が中継する必要がある。
【0014】
6,7,8,9,10,11,12,13は図2の21と22を有し24による中継機能を持つ。
【0015】
14は図3の32と33を有し、37による移動装置側の無線接続と広域通信網側の接続を中継する機能を持つ。
【0016】
図1において、6と7、7と8、8と9、9と10、8と12、12と14がそれぞれ無線接続しており、7は6と8の間の通信を中継し、8は7と9、7と12、9と12の間の通信を中継し、9は8と10の間の通信を中継し、12は8と14の間の通信を中継し、14は15を通して16と接続していることから、2の領域にいる6,7,8,9,10は12を通して16と通信することが可能となる。
【0017】
図5において、6は7の53にいるので7と無線接続する。10は9の55にいるので9と無線接続する。9は8の54にいるので8と無線接続する。7と8は12の52にいるのでそれぞれ12と無線接続する。12は3にいるので14と無線接続する。
【0018】
図5において、中継構造は14からみて、12と7の間、12と8の間を一段目とすると、7と6の間、8と9の間は、それぞれ二段目、9と10の間は三段目となり、多段中継構造となり、例えば14と6の間は12,7を経て通信を行い、14と10の間は12、8,9を経て通信を行う。
【0019】
中継構造の再構築と通信の維持について、別の圏内の移動装置が中継する場合を説明する。図6において、12が3から2に移動した時、13が3の中を移動して12と新規に無線接続する。このとき、12は14との接続を切断するが7との接続は維持する。また、13は14との接続を維持する。一方、6と7、8と12、8と9、9と10の間の接続は維持されるため、例えば14と6の間は13,12,7を経て通信し、14と10の間は13,12,8,9を経て通信する中継構造に再構築してすべての通信を維持する。
【0020】
中継構造の再構築と通信の維持について、圏外の移動装置が圏内へ移動して中継する場合を説明する。図7において、12が3から2に移動した時、8が2から3へ移動して14と新規に無線接続する。このとき、12は14との接続を切断するが7との接続は維持する。また、8は9との接続を維持する。一方、6と7、8と12、8と9、9と10の間の接続は維持されるため、例えば14と6の間は8,12,7を経て通信し、14と10の間は8,9,10を経て通信する中継構造に再構築してすべての通信を維持する。
【0021】
通信の維持について、移動装置が電波の遮蔽物内に移動した場合を説明する。図8において、9と10が移動して56の中に入った場合、9と10はどちらも56にいることから10は9の55なので10と9は接続を維持する。8は56の入り口付近に移動しているため9は8の54にいるので9と8の接続は維持する。よって、9と8の中継機能により、56内の10と9は8と12を経て14と通信することが可能となる。
【0022】
最長多段中継になる場合について説明する。図9において、3に12がいて2に残り全ての移動装置6,7,8,9,10,11,13がいるとき、11と6、6と7、7と8、9と10、10と13、13と12がそれぞれ接続しているとき、14からみた11までの通信は八段階の中継を経ことになり、最長の多段中継となる。このとき、(12からみた11までの通信可能な物理的な最大距離)は(2つの移動装置が接続できる最長の直線距離)x8となる。なお、移動装置の台数に比例して通信可能な物理的な最大距離は大きくなる。よって、小電力無線通信の範囲を超えた移動通信が可能となる。
【符号の説明】
【0023】
1 移動装置の移動領域
2 広域通信網接続装置の無線接続の圏外領域
3 広域通信網接続装置の無線接続の圏内領域
4 通信ネットワーク
5 管理装置の設置場所
6、7、8、9、10、11、12、13 移動装置
14 広域通信網接続装置(広域通信網のアクセスポイント)
15 インターネット等の広域通信網
16 管理装置
17 6,7,8,9,10,11,12,13の通信部
18 6,7,8,9,10,11,12,13の移動制御部
19 6,7,8,9,10,11,12,13の無線通信部
20 6,7,8,9,10,11,12,13の通信制御部
21、22 6,7,8,9,10,11,12,13の無線インタフェイス
23 6,7,8,9,10,11,12,13の通信プロトコルスタック部
24 6,7,8,9,10,11,12,13の中継機能部
25 6,7,8,9,10,11,12,13のアプリケーション通信部
26 6,7,8,9,10,11,12,13のセンサ部
27 6,7,8,9,10,11,12,13の駆動部
28 14の通信部
29 14の無線通信部
30 14の有線通信部
31 14の通信制御部
32 14の移動装置側の無線インタフェイス
33 14の広域通信網側のインタフェイス
34 14の広域通信網側無線インタフェイス
35 14の広域通信網側無線インタフェイス
36 14の通信プロトコルスタック
37 14の中継機能
38 16の通信部
39 16のアプリケーション部
40 16の広域通信網との通信インタフェイス
41 16の通信制御部
42 16の無線インタフェイス
43 16の有線インタフェイス
44 16の通信プロトコルスタック
45 16の移動装置管理部
46 16のアプリケーション通信部
47 16における移動装置の接続状態管理部
48 16における移動装置との操作応答制御部
49 16における移動装置の中継構造管理部
50 16のグラフィックユーザインタフェイス部
51 16のデータ処理部
52 12の圏内領域
53 7の圏内領域
54 8の圏内領域
55 9の圏内領域
56 電波の遮蔽物
57 11の圏内領域
58 13の圏内領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9