(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072947
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】肩・腰痛緩和寝具
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20240522BHJP
A47G 9/10 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
A47C27/00 D
A47G9/10 V
A47C27/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183852
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】595116902
【氏名又は名称】大亦 絢一郎
(72)【発明者】
【氏名】大亦 絢一郎
【テーマコード(参考)】
3B096
3B102
【Fターム(参考)】
3B096AB05
3B096AB07
3B096AC11
3B102AA02
(57)【要約】
【課題】肩や腰に痛みを持つ人が、静かに睡眠している時のみならず、寝返りや横移動を行っている時も、布団の重みによる痛みを感じないような、肩・腰痛緩和寝具を提供する。
【解決手段】ベッド状の芯材の上にやや硬くて厚い弾性体を敷き、その上に寝た人の肩及び腰が当たる部分に、比較的軟らかく厚い弾性体で作られた肩と腰用の枕を固定し、加えて頭が当たる部分に頭部用枕を固定して成る、ベッド状の寝具を製作した。更に、このベッド状寝具の左右両側に布団支持板を取り付けて、布団の重みを支持できるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材の上にやや硬くて厚い弾性体を敷き、その上に寝た人の肩・腰が当たる部分に、比較的軟らかく厚い弾性体で作られた肩と腰用の枕を固定し、加えて頭が当たる部分に、適当な硬さの頭部用枕を固定したベッド状の寝具において、
芯材の左右両側に、布団の重さを支持するための、高さ調整可能な支持板を取り付けたことを特徴とする、肩・腰痛緩和寝具。
【請求項2】
請求項1に記載の肩・腰痛緩和寝具において、布団支持板の片方または両方を二つ折りに出来るようにして、寝ていた人が床に降り易くしたことを特徴とする、肩・腰痛緩和寝具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は肩痛及び腰痛の緩和寝具に係わり、肩や腰が痛い人であっても、痛みを伴うことなく容易に寝返りや横移動が出来、安眠が出来る寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
肩や腰に痛みを持つ人にとっても、睡眠は生きて行く上で非常に大切な毎日の行為であり、快適な睡眠を得るために、色々なタイプの肩・腰痛緩和寝具が考案され、一部実用化されている。
【0003】
肩や腰に痛みを持つ人が快適な睡眠を得るためには、肩や腰に加わる力を弱めて分散させ、痛みを軽減させるような寝具が必要となる。
【0004】
前項に加えて、快適な睡眠を得るためには、痛みを伴うことなく寝返りや横移動が出来るような工夫も必要である。
【0005】
就寝中、肩を動かした際に肩に加わる力を軽減させる肩当て枕としては、下記の特許文献1の枕が知られている。また、就寝時に、腰部に加わる力を分散させて腰痛を緩和させる腰当て枕としては、下記の特許文献2の枕が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-099047号公報
【特許文献2】特開2000-157371号公報
【0007】
上記特許文献1に記載の肩当て枕は、超高密度低弾性発泡体の芯材とハニカム状のプラスチック繊維シート等を用いることにより、就寝中に肩を動かした際の衝撃を軽減し、加えて肩関節を最適な位置に保持できる、とされている。
【0008】
また、上記特許文献2に記載の腰当て枕は、円柱状の袋にそば殻を入れた円柱状枕を複数本横につなげ、人が仰向けに寝た状態でこれを腰と布団の間に挿入し、腰部に加わる力を分散させることにより腰痛を緩和できる、とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載の肩当て枕及び特許文献2に記載の腰当て枕は、布団が軽い場合には、人が就寝中に寝返りを打ったり横移動したりした時も、肩や腰の痛みを和らげるものと思われる。しかし、冬場のように布団が重い場合には、布団の重みが体に作用し、肩や腰に痛みが生じるので、寝返りや横移動がしにくくなる。
【0010】
(発明の目的)
肩や腰に痛みを持つ人は、ほんの少しの力に対しても痛みを感じるものである。本発明は、冬場の重い布団を使用している場合においても、静かに睡眠している時のみならず、寝返りや横移動している間も肩や腰に加わる力を軽減し、快適な睡眠が得られるような肩・腰痛緩和寝具を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係わる寝具では、芯材の上にやや硬くて厚みのある弾性体を敷き、頭・肩・腰が接する部分には、適当な硬さの枕を取り付けた。また、そのベッド状寝具の左右両側に、布団の重さを支えるための支持板を取り付けた。
【発明の効果】
【0012】
芯材の上に敷かれたやや硬く厚みのある弾性体によって、首、背中、手、足等の痛みのない部分が分散して支持され、これとは別に芯材の上に置かれた比較的軟らかく厚い弾性体によって、頭、肩、腰が柔らかく支持されるので、頭、肩、腰に働く力は小さく分散され、痛みを感じることなく安眠できる。更に、寝返りや横移動を行う時も、芯材の両側に取り付けた布団支持板が布団の重みを支えてくれるので、痛みを感じることなく寝返りや横移動が出来る。従って、本発明の寝具により、肩痛や腰痛を持つ人も快適な睡眠を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態で用いられる、肩・腰痛緩和寝具の斜視図を示す。
【
図2】本発明の肩・腰痛緩和寝具の上で、人が仰臥している場合を示す。
【
図3】本発明の肩・腰痛緩和寝具の上で、人が横臥している場合を示す。
【
図4】本発明の第2実施形態で用いられる、肩・腰痛緩和寝具の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係わる肩・腰痛緩和寝具100を、
図1乃至
図3を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の肩・腰痛緩和寝具の第1実施形態を示す斜視図である。この肩・腰痛緩和寝具100は、床の上に置かれた芯材1と、芯材1の上に敷かれたやや硬くて厚みのある弾性体2と、寝ている人の頭をささえる枕3と、肩と腰が接触する部分に置かれた比較的軟らかく厚みのある弾性体4及び5と、布団11の重みを支えるために芯材1の左右両側に取り付けられた布団支持板6と、から成っている。布団支持板6の前後には、寝ている人が起き上がる時に手助けとなる持ち手7が取り付けられている。
【0016】
芯材1は、比較的硬いプラスチックであっても良いし、木材であっても良い。或いは、金属や木材を用いた枠組みであっても良いし、既製のやや硬いシングルベッドであっても良い。
【0017】
図2は、本発明の肩・腰痛緩和寝具100及び200の上で、人12aが仰臥している状態を示す。人12aの体重は、主としてやや硬く厚みのある弾性体2によって、分散して支えられている。痛みが生じ易い肩と腰は、比較的軟らかく厚みが大きい弾性体4と5によって支えられているので、力が弱く分散されて痛みを感じにくくなっている。また、眠り易くするために、頭は適当な硬さを持つ枕3によって支持されている。
布団11の重みは、主として芯材1の両側に取り付けた布団支持板6によって支えられているので、人12aが寝返りを打つ時も横移動する時も、布団11の重みが肩や腰に作用することは少なく、痛みが緩和される。
【0018】
頭と肩と腰を支える枕3、4、5は、弾性体2を突き抜けて芯材1に作られた溝の中に置かれているので、寝ている人12aが寝返りや横移動しても、動くことはない。
【0019】
頭を支える枕3は、細長い布袋にそば殻を封入したような物であっても良い。
【0020】
布団支持板6は、芯材1に取り付けるために、縦方向に複数の孔が開けられており(図示せず)、寝る人12aの体形に応じて高さを変えられるようになっている。
【0021】
図3は、本発明の肩・腰痛緩和寝具100及び200の上で、人12bが横臥している状態を表す。横臥時も、仰臥時と同様に、肩や腰に加わる力は小さく、また、人12bが寝返りや横移動をしても、布団支持板6によって、肩や腰に痛みを与えるような力が作用することはない。
【0022】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態に係わる肩・腰痛緩和寝具200を、
図4を参照して説明する。
【0023】
図4は、本発明の肩・腰痛緩和寝具の第2実施形態を示す正面図である。第1実施形態の寝具100と異なる点は、布団支持板6を、蝶番9を用いて、上下に二つ折りに出来る板8A、8Bにしたことである。これにより、本寝具200で寝ていた人が目覚めて床に下りる時、布団支持板を二つ折りにして降りれば、降りるのが楽になる。
布団支持板は、一方を二つ折り板8A(または8B)にし、他方を1枚板6にしても良い。
【0024】
図4では、手前の布団支持板8Aが二つ折り状態になっており、後方の布団支持板8Bは固定金具10を用いて立った状態になっている。
図4の固定金具10は、金属板10Aとボルト10Bを用いており、布団支持板8Bの側面を固定しているが、布団支持板8Bの正面を固定しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0025】
我々の周囲には、肩や腰に痛みやしびれを感じている人(特に高齢者)が多い。これらの人達は、肩や腰にちょっとした力を受けても痛みを感じてしまう。本発明の肩・腰痛緩和寝具を用いれば、就寝中に寝返りや横移動を行っても痛みを感じることがなく、快適な睡眠を得ることが出来るので、肩や腰に痛みを持つ人々に広く利用される可能性を有する。
【符号の説明】
【0026】
1・・・・芯材
2・・・・やや硬い弾性体
3・・・・頭部用枕
4・・・・肩当て枕
5・・・・腰当て枕
6・・・・布団支持板
7・・・・持ち手
8(8A、8B)・・・・布団支持板
9・・・・蝶番
10・・・・固定金具
11・・・・布団
12a・・・・仰臥している人
12b・・・・横臥している人