(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024072955
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240522BHJP
A63F 9/30 20060101ALI20240522BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20240522BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240522BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20240522BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240522BHJP
【FI】
G06Q50/10
A63F9/30 502C
A63F9/00 512Z
A63F9/00 513
A63F13/80 Z
A63F13/30
A63F13/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183865
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】大滝 忠信
(72)【発明者】
【氏名】芝宮 正和
(72)【発明者】
【氏名】千葉 大輔
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC18
5L050CC18
(57)【要約】
【課題】ゲームの提供者とは異なる所有者によって所有される特典候補をゲームにおける特典として活用することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】センターサーバ2は、センター施設6Bに設置されるクレーンゲーム機3Aを介して景品PZを付与するクレーンゲームを、ユーザ端末装置4を介して各ユーザUに提供する。また、センターサーバ2は、その運営者AEとは異なる店舗6Aの運営者ARによって所有される景品PZをその運営者AEに委託するための委託情報を設定する管理装置7にネットワーク5を介して接続され、その管理装置7から委託情報を取得するとともに、その委託情報に従って店舗6Aの景品PZを特典とするクレーンゲームを提供する。そして、センターサーバ2はそのクレーンゲームにおいて付与条件が満たされた場合に、それをプレイするユーザに、店舗6Aにおいて景品PZを引き渡すために用いられる引渡情報を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の付与条件が満たされた場合に特典を付与するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記ゲームの提供者とは異なる所有者によって所有される特典候補を前記特典として前記提供者に委託するための委託情報を設定する設定装置にネットワークを介して接続され、当該設定装置から前記委託情報を取得する情報取得手段と、
前記特典候補を前記特典とする前記ゲームとしての委託ゲームを前記委託情報に従って提供するプレイ提供手段と、
前記委託ゲームにおいて前記付与条件が満たされた場合に、当該付与条件を満たしたユーザとしての付与対象ユーザ、及び前記所有者の少なくともいずれか一方に、前記特典候補を前記特典として前記付与対象ユーザに引き渡すために用いられる引渡情報を提供する情報提供手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲームは、複数種類のゲームを含み、
前記委託情報は、前記複数種類のゲームのいずれかのゲームを指定するゲーム指定情報を含んでいる、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記複数種類のゲームは、物理的な遊技体の位置の変化に関与するように動作する動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるゲーム機によって提供される景品獲得ゲームを含み、
前記付与条件は、前記景品獲得ゲームにおいて前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置まで移動した場合に満たされる、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム機、及び各ユーザによって使用されるユーザ端末装置にネットワークを介して接続され、
前記複数種類のゲームは、前記ユーザ端末装置を介して各ユーザに提供される、請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記委託ゲームのプレイ実績に関する実績情報を前記設定装置に提供する実績提供手段を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記特典候補は、所定の条件が満たされた場合に景品を付与するタイプのゲームを提供するゲーム機が前記所有者によって運営される施設に設置される場合に、前記ゲーム機における前記景品として機能する、請求項1~4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記引渡情報は、前記特典候補が前記特典として前記所有者によって運営される施設において引き渡されるように当該施設の情報を含み、前記付与対象ユーザに提供される、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記引渡情報は、前記付与対象ユーザに前記特典候補を送付するための送付先情報が前記付与対象ユーザから提供される場合に当該送付先情報を含み、前記所有者に提供される、請求項1~4のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1~4のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項10】
所定の付与条件が満たされた場合に特典を付与するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記ゲームの提供者とは異なる所有者によって所有される特典候補を前記特典として前記提供者に委託するための委託情報を設定する設定装置にネットワークを介して接続され、当該設定装置から前記委託情報を取得する情報取得手順と、
前記特典候補を前記特典とする前記ゲームとしての委託ゲームを前記委託情報に従って提供するプレイ提供手順と、
前記委託ゲームにおいて前記付与条件が満たされた場合に、当該付与条件を満たしたユーザとしての付与対象ユーザ、及び前記所有者の少なくともいずれか一方に、前記特典候補を前記特典として前記付与対象ユーザに引き渡すために用いられる引渡情報を提供する情報提供手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の付与条件が満たされた場合に特典を付与するゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の付与条件が満たされた場合に特典を付与するゲームを提供するゲームシステムが存在する。例えば、このような特典としてクレーン形状の景品取得部を通じて取得された景品を付与する、いわゆるクレーンゲームを提供するゲーム装置が知られている(例えば特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6119943号公報
【特許文献2】特開2005-339159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、クレーンゲームがオンラインでプレイされ、景品が郵送にて送付される場合もある。この場合において、ゲーム装置を運営するゲーム運営会社が別組織の景品販売会社に景品を発注し、その景品販売会社から景品がユーザに郵送される場合もある。しかし、特許文献1の目的はゲーム運営会社が所有する景品の補充等のラニングコストの改善であり、景品が景品販売会社によって郵送される場合でもその景品の所有者はあくまでもゲーム運営会社である。つまり、景品が景品販売会社によって郵送される場合でも、それはゲーム運営会社が所有する景品の発送業務が委託されているに過ぎない。
【0005】
また、特許文献2のシステムでは、委託者の依頼によって代行者が福引きを実行し、その景品は委託者によって指定されるようである。しかし、このシステムでは、景品は代行者によって用意され、委託者が所有するものではない。
【0006】
一方で、自己が所有する各種の要素(各種物品等)を付与するためのサービスの運営を他者に委託したいというニーズが生じる可能性がある。例えば、景品を付与するタイプのゲームを提供するゲーム機が設置される施設において景品の在庫が大量に残っている場合、その在庫の所有者(一般的にはゲームを提供するゲーム機の所有者)は自己の施設だけでなく、出来れば他の施設でもその在庫を景品として利用して欲しいというニーズが生じる可能性がある。しかし、特許文献1のゲーム装置、及び特許文献2のシステムのいずれも、上述のとおりあくまでも自己(特許文献1の場合はゲーム運営会社、特許文献2の場合は福引きの代行者)の所有する景品を付与しているに過ぎず、このようなニーズに応えることができない。
【0007】
そこで、本発明は、ゲームの提供者とは異なる所有者によって所有される特典候補をゲームにおける特典として活用することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のゲームシステムは、所定の付与条件が満たされた場合に特典を付与するゲームを提供するゲームシステムであって、前記ゲームの提供者とは異なる所有者によって所有される特典候補を前記特典として前記提供者に委託するための委託情報を設定する設定装置にネットワークを介して接続され、当該設定装置から前記委託情報を取得する情報取得手段と、前記特典候補を前記特典とする前記ゲームとしての委託ゲームを前記委託情報に従って提供するプレイ提供手段と、前記委託ゲームにおいて前記付与条件が満たされた場合に、当該付与条件を満たしたユーザとしての付与対象ユーザ、及び前記所有者の少なくともいずれか一方に、前記特典候補を前記特典として前記付与対象ユーザに引き渡すために用いられる引渡情報を提供する情報提供手段と、を備える、ものである。
【0009】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0010】
また、本発明の制御方法は、所定の付与条件が満たされた場合に特典を付与するゲームを提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記ゲームの提供者とは異なる所有者によって所有される特典候補を前記特典として前記提供者に委託するための委託情報を設定する設定装置にネットワークを介して接続され、当該設定装置から前記委託情報を取得する情報取得手順と、前記特典候補を前記特典とする前記ゲームとしての委託ゲームを前記委託情報に従って提供するプレイ提供手順と、前記委託ゲームにおいて前記付与条件が満たされた場合に、当該付与条件を満たしたユーザとしての付与対象ユーザ、及び前記所有者の少なくともいずれか一方に、前記特典候補を前記特典として前記付与対象ユーザに引き渡すために用いられる引渡情報を提供する情報提供手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図3】景品委託サービスの詳細を説明するための説明図。
【
図4】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図7】データ生成処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図8】機会提供処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図9】景品付与処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図10】データ提供処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図11】非運営者によって景品委託サービスが利用される場合の手順の一例を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(ゲームシステムの全体構成)
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0013】
ゲーム機3は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。アーケードゲーム機はコンピュータ装置の一種であるが、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として構成される。ゲーム機3は、この目的のために所定の施設6に設置される。所定の施設6は各種の施設を適宜に含み得るが、
図1の例では店舗6A、及びセンター施設6Bが示されている。
【0014】
店舗6Aは、各ゲーム機3を主として来店させてプレイするために各ユーザに公開される施設6である。店舗6Aに設置されるゲーム機3は各種のゲームを適宜に提供してよいが、例えばそこには所定の付与条件を満たした場合に特典を付与するタイプのゲームが含まれる。このタイプのゲームは適宜に構成されてよく、例えばアクションゲーム、ロールプレイングゲーム、或いはシミュレーションゲームといった各種のビデオゲームであってもよいが、一例として物理的な遊技体を用いた、いわゆるプライズゲーム(景品獲得ゲーム)として構成される。
【0015】
景品獲得ゲーム(プライズゲーム)は、物理的な遊技体の位置の変化に関与するように動作する動作手段を、入力装置を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させ、その動作を通じて遊技体が所定位置まで移動した場合にユーザに各ゲーム機に対応する景品を特典として付与するタイプのゲームである。動作手段として開口の上部等の適宜の位置において遊技体の落下を指示する状態とそれを解除する状態との間で動作する支持体等の各種の手段が適宜に利用され、景品獲得ゲームはその動作手段の種類等に応じて適宜に分類される。店舗6Aのゲーム機3はそれらの各種のプライズゲームを適宜に提供し得るが、
図1の例ではゲーム機3はクレーンゲームを提供するクレーンゲーム機3Aとして構成されている。
【0016】
クレーンゲームは、動作手段としてクレーンを利用するタイプの景品獲得ゲームである。クレーンは、物理的な捕獲対象を捕獲(取得)するための装置(動作手段)の一種であり、捕獲対象を挟むための複数のアーム(多くの場合2つ)を有し、このアームで挟むことによって捕獲対象を掴む(捕獲する)ように構成される。また、このようなクレーンは捕獲対象を収容する収容部の上方に配置され、捕獲対象を掴むための捕獲動作をする位置が左右方向及び奥行方向の二軸方向に関するユーザの操作を通じて決定される。クレーンは、そのユーザの操作に基づく位置において下降し、捕獲動作を実行する。捕獲対象は、景品自体である場合が多いが、景品に関連付けられる代替物である場合もある。そして、このような捕獲対象がクレーンによって捕獲され、所定位置まで運搬された場合に景品がユーザに付与される。
【0017】
センター施設6Bは、遠隔的に各ユーザにゲームをプレイさせるためのゲーム機3が設置される施設6である。センター施設6Bは公開されてもよく、例えば店舗6Aがセンター施設6Bとして機能してもよい(この場合、例えば店舗6Aのゲーム機3が日中と夜間といった具合に時差的に来店者と遠隔地のユーザとの間で共用される)が、一例として店舗6Aとは別に用意され、非公開とされる。このため、センター施設6Bでは、各ゲーム機3は遠隔地からのプレイ(遠隔プレイ)専用に設置される。センター施設6Bに設置されるゲーム機3は景品獲得ゲームを提供するように構成される。この景品獲得ゲームは店舗6Aのゲーム機3と同種のゲームであっても、それとは異なっていてもよいが、
図1の例ではそれらの両方が示されている。具体的には、センター施設6Bのゲーム機3はクレーンゲーム機3A、及びベルトコンベア型のゲーム機3Bを含んでいる。ベルトコンベア型のゲーム機3Bは動作手段として遊技体を所定位置に向かって搬送するベルトコンベアを利用するタイプのゲーム機3である。
【0018】
店舗6A、及びセンター施設6Bにはいずれにも適宜の数のゲーム機3(クレーンゲーム等とは異なるゲームを提供するゲーム機3を含む)が設置され得るが、
図1の例ではいずれにも二台ずつ設置されている。また、各ゲーム機3は適宜の数の店舗6A、及びセンター施設6Bに設置され得るが、
図1の例では店舗6A、及びセンター施設6Bのいずれも一つずつ示されている。店舗6A、及びセンター施設6Bは、互いに異なる運営者によって運営される。また、各施設6において各ゲーム機3は無償でゲームを提供してもよい(施設の入場料が有料の場合、或いは遠隔プレイ用のソフトウエアが有料の場合を含む)が、一例として遠隔プレイも含め所定の対価と引き換えにゲームを提供する。
【0019】
また、ゲームシステム1には、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4が接続される。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエア(アプリケーション)を実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。このようなサービスにはセンター施設6Bのゲーム機3を遠隔的にプレイさせるためのサービスが含まれる。つまり、センター施設6Bのゲーム機3を利用した遠隔プレイは、所定のアプリケーションを実行するユーザ端末装置4を介して提供される。
【0020】
また、ゲームシステム1には、ネットワーク5を介して設定装置としての管理装置7が接続される。管理装置7は、ネットワーク接続が可能なコンピュータ装置である。管理装置7として各種のコンピュータ装置が適宜に利用されてよく、例えばユーザ端末装置4が利用されても、それとは別の専用のコンピュータ装置が利用されてもよいが、
図1の例では据置型のPCが利用されている。管理装置7は、センターサーバ2が提供する景品委託サービスに関する各種設定に使用される。景品委託サービスは、各店舗6Aの運営者が各店舗6Aに残るクレーンゲームの景品の在庫をセンター施設6Bのゲーム機3が提供する景品獲得ゲームの景品として委託するためのサービスである。景品委託サービスでは、遠隔プレイにて付与条件が満たされた場合にセンター施設6Bに用意された景品の代わりに委託を受けた(受託した)景品がユーザに付与される。管理装置7は適宜の場所に設置されてよく、例えば店舗6Aの運営者が使用する事務所等の店舗6Aとは別の場所に設置されてもよいが、
図1の例では店舗6A(複数の系列店が存在する場合のそれらの一つを含む)に設置されている。
【0021】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3、ユーザ端末装置4、及び管理装置7をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5C、5Bとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続され、管理装置7も同様であるが、
図1の例では管理装置7はゲーム機3と同様に店舗6Aのルータ5Dを介してLAN5Bに接続され、それを介してインターネット5Aに接続されている。なお、ゲーム機3と施設6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3等がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0022】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のクレーンの動作を制御するためのクレーン制御サービスを含んでいる。クレーン制御サービスは、ユーザ端末装置4と協働することにより遠隔地においてゲーム機3のクレーンの動作を制御するサービスである。換言すれば、クレーン制御サービスは、センターサーバ2を介して遠隔地のユーザ端末装置4のユーザにクレーンゲームをプレイさせるためのサービスである。なお、ゲーム機用サービスは、その他にもプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービス、若しくはゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。
【0023】
同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4、或いは管理装置7のユーザに各種のWebサービスを提供する。このようなWebサービスは、クレーンサービス、及び上述の景品委託サービスを含んでいる。クレーンサービスは、上述のクレーン制御サービスとの組み合わせにより遠隔地からクレーンゲームをユーザ端末装置4のユーザにプレイさせるためのサービスである。つまり、クレーンサービスとクレーン制御サービスとの組合せにより遠隔プレイが実現される。景品委託サービスは上述のとおりであるが、その詳細は後述する。なお、Webサービスは、例えばその他にもゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4等に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、各ユーザ端末装置4のユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
【0024】
(ゲーム機の構成)
次に、
図2を参照してゲーム機3の構成を説明する。
図2の例は一台のゲーム機3の一例としてクレーンゲーム機3Aを示している。
図2に示すように、クレーンゲーム機3Aは筐体10を有している。筐体10には、収容部11と、排出口12と、が設けられている。排出口12は、捕獲対象PSを排出するための開口である。収容部11は、捕獲対象PSを収容するための空間である。収容部11は、アクリル或いはガラス等の内部を視認可能な透明な素材によって外部と内部とが仕切られ、外部から内部が視認可能なように構成される。また、収容部11は、多くの捕獲対象PSを収容可能に構成される。
【0025】
収容部11の内部には、クレーン13、及び解放口14が設けられる。クレーン13は、収容部11の内部に収容される捕獲対象PSを捕獲するための装置である。クレーン13は、左右方向XD及び奥行方向YDをそれぞれX軸及びY軸とした場合のXY平面において各座標位置に配置されるように左右方向XD及び奥行方向YDの二軸方向に移動可能に構成される。そして、クレーン13は、このような各座標位置において所定の高さ(所定の下降位置)まで下降する下降動作を実行するとともに、その所定の高さにおいて捕獲対象PSを掴む捕獲動作、及び掴んだ捕獲対象PS(実際には掴んでいなくてもよい)を所定位置まで運搬する運搬動作を順に実行可能に構成される。また、運搬動作は、所定位置において掴んだ捕獲対象PSを解放する解放動作を含んでいる。つまり、クレーン13は、下降動作の位置まで移動する移動動作、下降動作、捕獲動作、上昇動作、運搬動作、及び解放動作の一連の動作を順に実行する。
【0026】
入力装置IPは、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置である。入力装置IPには各種のプレイ行為が適宜に実行されてよいが、
図2の例ではプレイ行為として操作が実行される場合を示している。また、入力装置IPにはプレイ行為としての操作の種類に応じて適宜の操作部が設けられ得るが、
図2の例では方向操作部IP1、及び決定操作部IP2が設けられている。方向操作部IP1は、クレーン13の移動動作における方向を指示するための操作が実行される操作部である。つまり、方向操作部IP1への操作を通じて、XY平面におけるクレーン13の移動方向が指定される。一方、決定操作部IP2は、XY平面においてクレーン13が下降動作を実行すべき位置を決定するための操作が実行される操作部である。具体的には、方向操作部IP1への操作を通じて配置されたXY平面上の位置において決定操作部IP2が操作された場合に、その位置においてクレーン13は下降動作を実行し、所定の高さにおいて更に捕獲動作を実行する。所定の高さは、一般的にクレーン13と捕獲対象PS等との接触(いわゆる底付きが)が検出された高さに設定される。そして、その捕獲動作の後、上昇動作、運搬動作、及び解放動作といった一連の動作の残りを順に実行する。
【0027】
解放口14は、解放口14と排出口12とを接続する接続通路15に開口している。つまり、収容部11の内部は、解放口14を介して排出口12と接続されている。そして、解放口14は、クレーン13によって解放動作が実行されるべき所定位置として機能する。このため、実際にクレーン13によって捕獲対象PSが掴まれていた場合には、解放動作に伴いその捕獲対象PSは解放口14の上方で解放されて落下し、解放口14を介して排出口12から排出される。捕獲対象PSは上述のとおり景品自体であってもよいが、一例としてカプセルが利用される。カプセルは各景品に対応付けられる代替物であり、遊技体として使用される。このため、捕獲対象PSが排出口12から排出された場合、その捕獲対象PS(カプセル)に関連付けられる景品が、所定の引渡方法にてユーザに付与される。カプセルと景品との関連付けは適宜に実現されてよく、例えばカプセルに内包される景品の種類を示す情報を通じて実現されてもよいが、一例としてプレイ時のユーザによる指定を通じて実現される。
【0028】
なお、センター施設6Bのクレーンゲーム機3Aは、店舗6Aのクレーンゲーム機3Aと適宜の相違を有してよい。例えば、遠隔プレイではユーザ端末装置4が入力装置として利用されるため、センター施設6Bのゲーム機3では入力装置IPが省略されてもよい。同様に、例えば、店舗6Aのクレーンゲーム機3Aでは捕獲対象PSとして景品自体が使用され、捕獲対象PSの排出を通じて直接的に景品が付与されてもよい。つまり、センター施設6Bのクレーンゲーム機3Aと、店舗6Aのクレーンゲーム機3Aとの間において捕獲対象PS(遊技体)が相違していてもよい。
【0029】
(景品委託サービス)
次に、
図3を参照して、景品委託サービスの詳細について説明する。
図3は、景品委託サービスの詳細を説明するための説明図である。
図3の例では、景品委託サービスに含まれる手順が役割(登場者)毎に示されている。また、景品委託サービスでは郵送(宅配等の各種配送を含む)等を含む適宜の方法で景品の引渡が実行され得るが、
図3の例は景品の付与を委託した各店舗6Aに遠隔プレイのユーザが来店して直接的に景品の引渡を受ける場合を示している。この場合、
図3に示すように、景品委託サービスには、委託者AR、受託者AE、及び引渡対象者UGの役割が含まれる。委託者ARは管理装置7を介して店舗6Aに残る景品PZの在庫PZGをセンター施設6Bの運営者に委託する店舗6Aの運営者が担う。委託者ARは一名(法人等の一つの組織を含む)であってもよいが、
図3の例では複数の店舗6Aが委託者ARとして存在している。受託者AEはセンターサーバ2を介してその委託を受託するセンターサーバ2の運営者が担う。一方、引渡対象者UGはユーザ端末装置4を介して遠隔プレイにてセンター施設6Bのゲーム機3をプレイするユーザ群が担う。そして、景品委託サービスは、その準備のための手順と、管理装置7等を介してそれらの役割間で実行される手順としてF1~F5の五つの手順と、含んでいる。
【0030】
まず景品委託サービスの準備のための手順では、景品PZの仕入れが実行される。つまり、各店舗6Aの運営者は、景品委託サービスの利用前に景品PZを仕入れる。景品PZはクレーンゲーム機3A等の店舗6Aとは無関係に遠隔プレイ専用の特典として仕入れられてもよいが、一例としてクレーンゲーム機3A用の景品PZとして仕入れられる。仕入れ先は適宜であってよく、センターサーバ2の運営者とは別であってもよいが、一例としてセンターサーバ2の運営者が仕入れ先として利用される。換言すれば、センターサーバ2の運営者は、まず店舗6Aの運営者に景品PZを販売する(F0)。
【0031】
店舗6Aの運営者は景品PZを仕入れると在庫PZGとして店舗6Aに保管する。店舗6Aではクレーンゲーム機3Aを通じてそのユーザに景品PZが付与される。クレーンゲーム機3Aにて捕獲対象PSとして景品PZが使用されている場合、その付与状況に応じて在庫PZGからクレーンゲーム機3Aに景品PZが補充され、その数が減少する。また、店舗6Aの運営者はクレーンゲーム機3Aを通じた付与だけでなく、景品委託サービスを利用して在庫PZGの消化を図ることができる。景品委託サービスの利用を希望する場合、店舗6Aの運営者(在庫PZGの所有者)は、管理装置7を介して委託申請を実行する(F1)。
図3の例では、運営者(所有者)の代表としてオペレータOPが、委託申請を実行している。この申請は適宜に実現されてよいが、一例として専用のソフトウエアを介して実行される。
【0032】
委託申請では各種の情報が適宜に要求されてよいが、例えば委託情報が要求される。委託情報は景品PZの委託に必要な情報である。委託情報は各種の情報を適宜に含んでいてよいが、例えば委託元情報、景品関連情報、及び条件系情報を含んでいる。委託元情報は、各委託者AR(店舗6A)に関する情報である。各委託者ARは適宜に判別されてよいが、一例として各施設6を識別するために施設6毎にユニークに付与される施設IDを介して実行される。委託元情報は、この施設IDの情報を含んでいる。施設IDは例えば専用のソフトウエアを介して付与される。また、付与後には、そのソフトウエアの使用時に入力が要求され、その入力結果から取得される。また、委託元情報は、例えばその他にも各店舗6Aの名称、住所、連絡先、或いは責任者といった各種の情報を適宜に含み得る。
【0033】
景品関連情報は委託される景品PZに関する情報であるが、例えば景品PZの種類の情報を含んでいる。条件系情報は景品PZを付与するための各種条件に関する情報である。条件系情報は目標となるペイアウト率(所定期間において付与された景品PZの費用とその期間において徴収された対価との割合)、クレーン13のアームを閉じる強さ(掴む力)、景品PZが載置される収容部11のレイアウト、捕獲対象PSの内容(種類等)といった条件の情報を適宜に含み得るが、例えばプレイ対象のゲーム機3を指定する情報、及びそのプレイの対価の情報を含んでいる。委託申請では、これらの情報が管理装置7を介して設定(登録)される。また、景品委託サービス、換言すれば委託申請の機会はセンターサーバ2を介して提供されるため、委託申請はセンターサーバ2に対して実行され、そこでの設定結果(設定された委託情報)はセンターサーバ2に提供される。この例において、プレイ対象のゲーム機3を指定する情報を含む条件系情報が、本発明のゲーム指定情報として機能する。
【0034】
管理装置7から委託申請が実行されると、センターサーバ2はその申請結果(設定結果)を取得する。センターサーバ2は申請結果を取得すると、適宜の承認プロセス(必要に応じて省略されてもよい)を経て申請を受託し、景品PZの委託付与を開始する。委託付与は適宜に実現され得るが、例えば遠隔プレイにおいて付与対象の景品PZを選択するための選択機会が提供される場合、その選択機会における選択対象(選択肢)に委託された景品PZを追加することにより実現される。
【0035】
具体的には、ユーザUはユーザ端末装置4を介してセンターサーバ2に遠隔プレイを要求する(F2)。この要求は所定のアプリケーションを通じて実行される。遠隔プレイが要求されると、センターサーバ2はその要求を取得し、ユーザ端末装置4に遠隔プレイを提供する(F2)。遠隔プレイでは、プレイの開始前に選択画面50を介して付与対象の景品PZを選択するための選択機会が提供される。選択画面50はユーザ端末装置4に表示されるゲーム画面の一種である。選択画面50(選択機会)は適宜に構成されてよく、例えば単に付与対象の景品PZのみを選択する(例えば郵送にて景品PZが引き渡される場合)ように構成されてもよいが、一例として景品PZの引渡を受ける店舗6A(以下、受取店と呼ぶ場合がある)の選択を含むように構成される。選択画面50は遠隔プレイの対象のゲーム機3(例えばクレーンゲーム機3A、或いはベルトコンベア型のゲーム機3B等)を選択するための選択肢等を適宜に含み得るが、例えば施設選択領域51、及び景品選択領域52を含んでいる。
【0036】
施設選択領域51は、遠隔プレイにて選択可能な各施設6に対応する施設選択肢53を表示するための領域である。各施設選択肢53はユーザUによって選択される対象である。景品委託サービスを介して景品PZの委託申請が実行されると、その委託申請をした店舗6Aも受取店の候補として選択可能な施設6になる。そして、その店舗6Aに対応する施設選択肢53が施設選択領域51に表示される。つまり、各施設選択肢53は、受取店を選択するための選択肢として機能する。また、遠隔プレイにおいてセンター施設6Bは選択可能な施設6に含まれていなくてもよい(換言すれば遠隔プレイ用にセンター施設6Bは独自の景品PZを持っていなくてもよい)が、一例として選択可能な施設6に含まれる(換言すれば遠隔プレイ用にセンター施設6Bは独自の景品PZを持っている)。センター施設6Bに対応する施設選択肢53が選択された場合、例えば景品PZの引渡は郵送にて実行される。
【0037】
図3の例では、施設選択領域51にセンター施設6B、A店舗6A、及びB店舗6Aにそれぞれ対応する“センター”、“A店舗”、及び“B店舗”の三つの施設選択肢53が表示されている。この場合、センター施設6B、A店舗6A、及びB店舗6Aの三つの施設6が選択可能な施設6である。また、それらのうちA店舗6A、及びB店舗6Aの少なくとも二つの店舗6Aが景品委託サービスを介して委託者ARとして機能し、受取店として選択可能な施設6となる。
【0038】
景品選択領域52は、遠隔プレイにて選択可能な各景品PZに対応する景品選択肢54を表示するための領域である。各景品選択肢54はユーザUによって選択される対象である。例えば受取店の選択が省略される場合(例えば郵送等で景品PZが引き渡される場合)、景品選択領域52には全施設6(センター施設6B、A店舗6A、及びB店舗6A)において選択可能な各景品PZに対応する景品選択肢54が表示されるが、受取店等の引渡元の施設6が選択されている場合、その施設6において付与可能な景品PZ(店舗6Aの場合は委託されている景品PZ)に対応する各景品選択肢54が景品選択領域52に表示される。
【0039】
図3の例では、景品選択領域52に四種類の景品PZにそれぞれ対応する四つの景品選択肢54が表示されている。この場合、引渡元の施設6において四種類の景品PZが選択可能な景品PZであり、その施設6が店舗6Aの場合、その店舗6Aから景品委託サービスを通じて四種類の景品PZが遠隔プレイ用に委託されていることを意味する。そして、ユーザ端末装置4を介して各景品選択肢54が選択された場合、その選択された景品選択肢54に対応する景品PZが付与対象の景品PZとして設定される。また、選択画面50は適宜にプレイ対象のゲーム機3を選択する機会を付与してよいが、例えば景品PZに応じて対象のゲーム機3が設定されていてもよく、この場合は景品PZの選択がゲーム機3の選択としても機能する。以下では、説明の便宜のため、景品PZ毎に対象のゲーム機3が設定される場合について説明する。
【0040】
なお、同一の景品PZに複数のゲーム機3が関連付けられる場合、それらのうちプレイ対象のゲーム機3は適宜に決定されてよいが、例えば景品選択肢54は景品PZ毎、かつゲーム機3毎に表示されてもよい。つまり同じ景品PZに二つのゲーム機3が関連付けられる場合、景品選択領域52には同じ景品PZに対応しつつ対象のゲーム機3の相違する二つの景品選択肢54が表示され、各景品選択肢54の選択を通じて景品PZ、及びゲーム機3の選択が実現されてもよい。
【0041】
センターサーバ2は選択画面50における選択結果を取得すると、その選択結果にて実際に遠隔プレイを開始する。具体的には、所定のアプリケーションにおいて入力されるプレイ行為に応じた信号をユーザ端末装置4から取得し、その信号に応じて遠隔プレイの対象のゲーム機3(例えば選択画面50を介して選択される)の動作を制御する。また、センターサーバ2はその動作状況等をカメラで撮影し、プレイ状況として表示されるようにその撮影結果をユーザ端末装置4に提供する。そして、その遠隔プレイにおいて付与条件が満たされた場合、付与対象として選択されていた景品PZをその遠隔プレイのユーザUに所定の引渡方法にて付与する。引渡は適宜の方法にて実現されてよいが、例えばユーザUと景品PZを委託していた店舗6Aとの間で景品PZの引渡を実現するための引渡情報を介して実現される。このため、センターサーバ2は、ユーザ端末装置4に引渡情報を提供する(F3)。
【0042】
引渡情報は引渡を実現するための各種の情報を適宜に含み得るが、例えばユーザ用情報及び店舗用情報を含んでいる。ユーザ用情報は、引渡においてユーザUのために必要な情報である。ユーザ用情報は、例えば受取店(引渡が実行される店舗6A)、つまり今回付与されるべき景品PZをセンターサーバ2に委託した店舗6Aの情報を含んでいる。このような情報には、例えば店舗6Aの名称、住所、連絡先といった情報が含まれる。一方、店舗用情報は、引渡において景品PZを引き渡す店舗6A(委託元)のために必要な情報である。店舗用情報は、引渡元の店舗6Aにて景品PZの引渡に用いられる各種の情報を適宜に含み得るが、例えば引渡対象の景品PZの情報を含んでいる。引渡対象の景品PZの情報は、受取店が引渡対象の景品PZを特定するために使用する情報である。店舗用情報は引渡対象の景品PZの情報を直接表示するように提供されてもよいが、一例としてその情報を含むように所定の規格に準拠して生成されたコード(例えば二次元コード)を介して提供される。つまり、受取店は、そのコードの読み取りを通じて引渡対象の景品PZを特定し、引渡を実行する。一方で、受取店の名称等のユーザ用情報は直接表示されるように提供される。ユーザ用情報及び店舗用情報はいずれも同様の形態で提供されてもよいが、一例としてこのように異なる形態にて提供される。この例においてユーザ用情報が、本発明の施設の情報として機能する。
【0043】
センターサーバ2から引渡情報が提供されると、ユーザ端末装置4はその引渡情報を取得する。ユーザUはユーザ端末装置4を介して引渡情報を取得すると、その引渡情報を表示するユーザ端末装置4とともに対象の店舗6Aに来店し、そこで引渡情報を店舗6Aの運営者に見せて景品PZと引き換える(F4)。つまり、景品PZは、引渡情報に基づいて各店舗6AにおいてユーザUに引き渡される。この例においてユーザUが、本発明の付与対象のユーザとして機能する。また、受託者AE(遠隔プレイによるクレーンゲームの提供者)が、本発明の提供者として機能する。同様に、店舗6Aに保管される景品PZが、本発明の特典候補として機能する。さらに、受託者AEとは異なる委託者AR(景品PZの所有者)が、本発明の所有者として機能する。
【0044】
一方、センターサーバ2は、委託を受けた景品PZのプレイ実績に関する実績情報を、委託を受けた店舗6Aの管理装置7に提供する(F5)。この提供は適宜の時期に実行されてよく、例えば店舗6Aにおいて引渡情報と比較され、引渡の可否に使用される場合、ユーザ端末装置4への引渡情報の提供と同時期に実行されても、在庫PZGの管理のために所定の周期で定期的に実行されてもよいが、一例として管理装置7からの要求に基づいて提供される。プレイ実績は、例えば委託した景品PZが獲得された数、景品PZを対象にしたプレイの回数、或いは景品PZを対象にしたプレイの売上げ金額(所定期間における対価の累計額)といった実績を含んでいる。一例としてこのような手順で景品委託サービスは提供され、それを通じて各店舗6Aによる受託者AEへの景品の委託が実現される。
【0045】
(制御系の要部の構成)
次に、
図4を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。
図4の例では、ゲーム機3の一例として、遠隔プレイ用にセンター施設6Bに設置されるクレーンゲーム機3Aが示されている。この場合、
図4に示すように、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0046】
記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部23には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。
【0047】
サーバ用データSDは、例えば、各ユーザの過去のプレイ実績(ここに引渡情報が含まれてもよい)に関する情報が記述されたプレイデータ等のクレーンゲーム用の各種のデータを含み得るが、
図4の例では景品データPD、及び委託データADが示されている。景品データPDは、クレーンゲーム用の各景品PZを管理するためのデータである。クレーンゲームの特典として複数種類の景品PZが用意され、それらの景品PZが景品データPDによって管理される。このため、委託された景品PZが存在する場合、その景品PZも景品データPDによって管理される。委託データADは、委託された各景品PZの委託情報を管理するためのデータである。景品データPD、及び委託データADの詳細は後述する。
【0048】
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム機サービス管理部24、及びWebサービス管理部25が設けられる。ゲーム機サービス管理部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。同様に、Webサービス管理部25は、ユーザ端末装置4に対して上述のWebサービスを実現するための各種の処理を実行する。このような各種の処理には、クレーン制御サービス、及びクレーンサービスを実現するためのカメラ制御処理、及びクレーン制御処理が含まれる。カメラ制御処理、及びクレーン制御処理は、ユーザ端末装置4の制御ユニット41、センターサーバ2の制御ユニット21、及びゲーム機3の制御ユニット31の協働により実現される処理である。
【0049】
また、Webサービス管理部25が実行する処理には、景品委託サービスを実現するための各種処理が含まれる。例えば、この処理には、管理装置7に委託申請の機会を提供したり、そこで申請された情報を管理するデータを生成したり、そのデータに基づいて各種選択機会を提供したり、引渡情報をユーザ端末装置4に提供したり、景品PZに関するプレイ実績を集計したり、その結果を管理装置7に提供したりする処理が含まれる。具体的には、Webサービス管理部25は、このような処理の一例として、データ生成処理、機会提供処理、景品付与処理、及びデータ提供処理を実行する。データ生成処理、機会提供処理、景品付与処理、及びデータ提供処理の手順の詳細は後述する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0050】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32と、上述のクレーン13と、撮影装置としてのカメラCAと、が設けられる。記憶部32、クレーン13、及びカメラCAはいずれも制御ユニット31に接続される。そして、クレーン13及びカメラCAは、制御ユニット31によってその動作が制御される。具体的には、クレーン13には、モータDSが設けられる。モータDSは、クレーン13に収容部11の各位置に移動させるための移動動作、上述の捕獲動作、運搬動作、及び解放動作といった各種の動作を実行させるための駆動源である。モータDSは、制御ユニット31からの出力信号に従って動作する。つまり、クレーン13は、制御ユニット31によるモータDSの制御を介して各種の動作を実行する。
【0051】
一方、カメラCAは制御ユニット31からの出力信号に従って動作するとともに、撮影結果に従った信号を制御ユニット31に入力する。カメラCAは各種の撮影に適宜に使用され得るが、例えばプレイ中の収容部11に対応する映像を遠隔プレイのゲーム画面としてユーザ端末装置4に提供するように、クレーン13の動作等を含む収容部11の内部を撮影する位置に配置される。なお、モータDSの動作やカメラCAの動作といった各種の制御のためにゲーム機3には適宜の検出装置(センサ)が設けられるが、
図4の例ではその図示は省略されている。
【0052】
制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、クレーン制御部33及びカメラ制御部34が設けられる。クレーン制御部33はクレーン13の動作を、カメラ制御部34はカメラの動作を、それぞれ制御するための各種の処理を実行する。このような処理には、上述のクレーン制御サービスを享受するための処理も含まれる。つまり、このような処理には、センターサーバ2を介したユーザ端末装置4からの指示に従ってクレーン13及びカメラCAを動作させる処理を含む。クレーン制御部33は、このような処理の一例として、上述のとおりクレーン制御処理、及びカメラ制御処理を実行する。
【0053】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、
図4の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPG2に従ってユーザにクレーンゲームをプレイさせるためのデータである。ゲームデータGDは、BGMを含む各種の音声データ、クレーン13の掴む力等の各種設定を管理するための設定データといったクレーンゲームの提供に必要な各種のデータを適宜に含む。このようなデータは適宜の手法で記憶部32に記録されてよく、例えば必要な部分を含むように適宜に配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供されてもよいが、一例としてプレインストールやゲーム機3への各種設定等に基づく生成といった手法により記録される。なお、ゲーム機3には、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられいてよく、例えばそこには上述の入力装置IPも含まれる。しかし、
図4の例では、それらの図示は省略されている。
【0054】
一方、ユーザ端末装置4には、制御ユニット41と、記憶部42と、タッチセンサ43と、モニタ44と、が設けられている。記憶部42、タッチセンサ43、及びモニタ44は、いずれも制御ユニット41に接続される。制御ユニット41は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成される。なお、制御ユニット41には、例えば、その他にもネットワーク接続が可能な公知のコンピュータ装置が備える各種の入力装置及びモニタ等の各種の出力装置が接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0055】
モニタ44は、各種の画面を表示する周知の表示装置である。このような画面には、例えば、上述の選択画面50等、遠隔プレイ(クレーンサービスの提供)のためのゲーム画面が含まれる。タッチセンサ43は、指等によるタッチ操作の位置を検出する周知の入力装置である。タッチセンサ43は、モニタ44が表示するゲーム画面の各位置へのタッチ操作を検出可能なように配置される。そして、各位置に応じた出力信号を制御ユニット41に出力することにより、各種情報の入力に使用される。遠隔プレイの場合、クレーン制御サービス、及びクレーンサービスにおいて、モニタ44へのタッチ操作がタッチセンサ43によって検出され、そのタッチ操作がプレイ行為としてゲーム機3におけるクレーン13の動作の制御に使用される。選択画面50における選択も同様である。選択画面50へのタッチ操作がタッチセンサ43によって検出され、そのタッチ操作に基づいて選択対象が判別される。このため、遠隔プレイでは、ユーザ端末装置4(あるいはそこに設けられるタッチセンサ43)が、本発明の入力装置として機能する。
【0056】
記憶部42は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部42には、各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット41に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG3が記憶される。また、記憶部42には、上述のクレーンサービスを含む各種のサービスの提供に必要な端末データTDが記録される。端末データTDは、例えば遠隔プレイにおけるBGM等の各種音声を再生するための音声データ、或いは遠隔プレイ用のゲーム画面を表示するための画像データといった各種データを適宜に含み得る。このような端末データTDは、例えば必要な部分を含むように配信サービス等を通じて適宜にセンターサーバ2から提供される。
【0057】
制御ユニット41には、制御ユニット41のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG3との組合せによって実現される論理的装置として、Webサービス処理部45が設けられる。Webサービス処理部45は、ユーザ端末装置4用の各種のサービスの提供に必要な各種の処理を実行するとともに、センターサーバ2のWebサービス管理部25が提供するWebサービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。このような処理には、Webサービスを享受するために必要な処理も含まれる。例えば、このような処理は、上述のとおりクレーン制御処理、及びカメラ制御処理を含んでいる。また、このような処理には、センターサーバ2からの出力信号に応じて選択画面50を含む各種のゲーム画面を表示するための処理も含まれる。
【0058】
(各種データの詳細)
次に、
図5、及び
図6を参照して、景品データPD、及び委託データADの詳細について説明する。
図5は、景品データPDの構成の一例を示す図である。
図5に示すように、景品データPDは、景品PZ毎にそれに関する情報を管理する景品レコードPDRを含んでいる。また、景品レコードPDRは、そのような管理を実現するために、“景品ID”、及び“施設ID”の情報を含んでいる。景品レコードPDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0059】
“景品ID”は、各景品PZを識別するための景品PZの種類毎にユニークに付与される情報である。“施設ID”は、各施設を識別するための情報である。センター施設6Bにはセンター施設6Bを識別するための施設IDが、各店舗6AにはA店舗6A、或いはB店舗6Aといった各店舗6Aを識別するための施設IDが、それぞれ使用され、それらの情報が“施設ID”に記述される。具体的には、“施設ID”には各景品PZの所有者に対応する施設6の情報が記述される。つまり、センター施設6Bの独自の景品PZにはセンター施設6Bを示す施設IDが、各店舗6Aの運営者が所有する景品PZ(所有者によって委託された景品PZ)には各店舗6A(所有者)を示す施設IDが、それぞれ記述される。このため、“施設ID”の情報は、所有者を示す情報(あるいは委託された景品PZを判別する情報)としても機能する。なお、景品レコードPDRは、これらの情報に限定されず、各景品PZに関連する適宜の情報を管理してよい。あるいは、
図5の例の情報が適宜に省略されてもよい。
【0060】
図6は、委託データADの構成の一例を示す図である。
図6に示すように、委託データADは、委託された景品PZ毎に委託情報を管理する委託レコードADRを含んでいる。また、委託レコードADRは、そのような管理を実現するために、“景品ID”、“委託元”、“条件”、及び“実績”の情報を含んでいる。委託レコードADRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0061】
“景品ID”は、委託された各景品PZに対応する情報である。景品IDは一例として景品PZの種類毎に付与されるため、景品IDは景品PZの種類を示す情報としても機能する。つまり、“景品ID”は委託情報のうち景品関連情報に対応する情報である。“委託元”は、委託情報のうち各景品PZの委託元情報に対応する情報である。例えば、委託元情報に委託元に対応する施設IDが含まれる場合、“委託元”にはその施設IDの情報が記述される。また、委託元情報に店舗6Aの名称や住所等が含まれる場合、“委託元”にはそれらの情報も記述される。“条件”は、委託情報のうち条件系情報に対応する情報である。例えば、条件系情報にプレイ対象のゲーム機3、及びそのプレイの対価の情報が含まれる場合、“条件”にはそれらのゲーム機3(例えば各ゲーム機3、或いは各ゲームの種類を識別するためにゲーム機3毎、或いはゲーム毎に付与される筐体IDの情報)、及び対価の情報が含まれる。
【0062】
“実績”は、遠隔ゲームにおける各景品PZのプレイ実績を示す情報である。この実績は遠隔プレイのプレイに関する各種の実績を適宜に含んでいてよいが、例えば委託した景品PZが獲得された数、景品PZを対象にプレイされた回数、或いは景品PZを対象にしたプレイの売上げ金額といった情報が含まれる。なお、委託レコードADRは、これらの情報に限定されず、各景品PZの委託を実現するための適宜の情報を管理してよい。あるいは、
図6の例の情報が適宜に省略されてもよい。この例において、“実績”の情報が、本発明の実績情報として機能する。
【0063】
(ゲームシステムの処理)
次に、
図7~
図10を参照して、データ生成処理、機会提供処理、景品付与処理、及びデータ提供処理について説明する。データ生成処理は、委託情報の設定に基づいてその委託情報を管理するためのデータを生成するための処理である。委託情報は適宜に管理され得るが、一例として委託データADによって管理される。また、委託情報の一部は景品データPDにも反映される。
図7の例は、これらの委託データAD、及び景品データPDを生成する場合のデータ生成処理を示している。この場合、Webサービス管理部25は、委託申請を取得する(承認プロセスが介在する場合に委託申請が承認される)毎に
図7のデータ生成処理を開始し、まずその委託申請に含まれる委託情報を取得する(ステップS101)。
【0064】
続いてWebサービス管理部25は、ステップS101で取得した委託情報に基づいて委託データADを生成する(ステップS102)。例えば、Webサービス管理部25は、委託情報に含まれる景品関連情報、委託元情報、及び条件系情報に対応する情報が、“景品ID”、“委託元”、及び“条件”にそれぞれ反映された委託レコードADRを含む委託データADを生成する。既に委託データADが存在する場合等、この生成は該当の委託レコードADRを追加するための更新を適宜に含む。なお、新規に委託レコードADRが生成される場合、“実績”についてはブランク、或いはゼロとして記述されてよい。
【0065】
次にWebサービス管理部25は、ステップS101で取得した委託情報、或いはステップS102で生成した委託データADに基づいて景品データPDを生成する(ステップS103)。景品データPDは、委託された景品IDに対応する“景品ID”、及び“施設ID”の情報を含んでいる。このため、Webサービス管理部25は、それらに委託された景品PZに対応する景品ID、及び委託した店舗6Aに対応する施設IDの情報が記述された景品レコードPDRを含む景品データPDを生成する。既に景品データPDが存在する場合等、この生成は該当の景品レコードPDRを追加するための更新を適宜に含む。そして、この生成の後にWebサービス管理部25は、今回のデータ生成処理を終了する。これにより、委託申請にて設定された委託情報を管理するためのデータとして委託データAD、及び景品データPDが生成(更新)される。換言すれば、
図4の例のF1の手順が実現される。
【0066】
機会提供処理は、遠隔プレイにおいて付与対象の景品PZを選択するための選択機会を提供するための処理である。Webサービス管理部25は、ユーザ端末装置4を介して遠隔プレイが要求される毎に
図8の機会付与処理を開始し、まず選択機会を付与する(ステップS201)。選択機会には委託情報が反映される。このため、Webサービス管理部25は、委託データAD、及び景品データPDを適宜に参照しつつ選択機会を付与する。例えば、選択機会は、委託元の店舗6Aに対応する施設選択肢53、及び委託された景品PZに対応する景品選択肢54を含む選択画面50を介して付与される。このため、Webサービス管理部25は、このような選択画面50をモニタ44に表示させるようにユーザ端末装置4に信号を送付する。つまり、Webサービス管理部25は、ユーザ端末装置4を介して選択機会を間接的に提供する。
【0067】
なお、選択画面50には条件系情報も適宜に反映される。例えば、委託された景品PZが付与対象として選択された場合、条件系情報においてプレイ対象として指定されたゲーム機3、及び対価が選択画面50にて通知される。あるいは、プレイ対象の指定がゲーム機3の種類に対して実行され、複数の同種のゲーム機3が存在する場合、それらのゲーム機3から遠隔プレイの対象のゲーム機3を選択する機会が選択画面50を介して付与されてもよい。
【0068】
続いてWebサービス管理部25は、選択機会(選択画面50)における選択結果が開始条件を満たすか否か判別する(ステップS202)。開始条件は、遠隔プレイの開始の可否を判別するための条件である。例えば、開始条件は、選択画面50において所定時間内に受取店(引渡元の店舗6A)、及び景品PZといったプレイに必要な選択が実行された場合に満たされる。開始条件が満たされない場合(ステップS202:No)、例えば所定時間内に必要な選択が実行されなかった場合、Webサービス管理部25は以降の処理をスキップして今回の機会提供処理を終了する。
【0069】
一方、開始条件が満たされる場合(ステップS202:Yes)、つまり所定時間内に必要な選択が実行された場合、Webサービス管理部25はその選択結果に従って遠隔プレイを開始する(ステップS203)。例えば、Webサービス管理部25は、対象のゲーム機3のカメラCAから撮影結果を取得し、ゲーム画面としてユーザ端末装置4に提供するとともに、クレーンサービス、及びクレーン制御サービスの提供を開始する。これらのサービスは選択機会において選択された施設6の景品PZを対象に提供される。つまり、Webサービス管理部25は、選択機会において選択された内容(委託された景品PZが選択されている場合は、その景品PZに対応する委託申請にて設定された委託情報に合致する内容)に従って遠隔プレイにてゲームを提供する。そして、この開始の後にWebサービス管理部25は今回の機会提供処理を終了する。これにより、付与対象の景品PZ等を選択する選択機会が提供され、そこで必要な選択が実行された場合に実際の遠隔プレイがユーザ端末装置4を介して開始される。換言すれば、
図4の例のF2の手順が実現される。
【0070】
景品付与処理は、遠隔プレイにおいて景品PZを付与するための処理である。景品PZは付与条件が満たされた場合に付与される。また、クレーンゲームでは、解放口14まで捕獲対象PSが運搬され、排出口12から排出された場合に付与条件が満たされる。
図9の例は、このようなクレーンゲームが遠隔プレイで提供される場合の景品付与処理を示している。この場合、遠隔プレイにおいて排出口12から捕獲対象PSが排出され(付与条件が満たされ)、それを示す信号をクレーンゲーム機3Aから取得すると、Webサービス管理部25は
図9の景品付与処理を開始し、まず排出された捕獲対象PSに対応する景品PZを判別する(ステップS301)。Webサービス管理部25は、この判別を選択画面50において選択された選択結果に基づいて実行する。
【0071】
続いてWebサービス管理部25は、ステップS301で判別した景品PZ、つまり今回付与すべき景品PZが委託された景品PZに該当するか否か判別する(ステップS302)。センター施設6Bは独自の景品PZを持たず、もっぱら店舗6Aから委託された景品PZを付与するための施設6として機能してもよいが、一例として独自の景品PZを持つ。このため、Webサービス管理部25は、景品データPDの“施設ID”の情報に基づいて委託された景品PZか否か(換言すれば独自の景品PZか否か)判別される。具体的には、Webサービス管理部25は、“施設ID”の情報を参照し、その景品PZがセンター施設6Bに属する場合は委託された景品PZではないと、店舗6Aに属する場合は委託された景品PZと、それぞれ判別する。
【0072】
今回付与されるべき景品PZが委託された景品PZでない場合(ステップS302:No)、Webサービス管理部25はステップS301で判別した景品PZ(独自の景品PZ)を遠隔プレイのユーザUに付与する(ステップS303)。センター施設6Bでは各種の特典が独自の景品PZとして利用されてよく、例えば各種ビデオゲーム用のアイテム等、電子的な特典(つまり、委託される景品PZとは別のもの)が付与されてもよいが、一例として店舗6Aのクレーンゲームと同様の景品PZが付与される。この付与は適宜に実現され得るが、一例として郵送によって実現される。この場合、ユーザUには適宜に郵送先を示す送付先情報の提供が要求される。このため、Webサービス管理部25は、ステップS304において景品PZを郵送するための所定の処理を通じて、この付与を実現する。そして、この付与の後にWebサービス管理部25は今回の景品付与処理を終了する。
【0073】
一方、今回付与されるべき景品PZが委託された景品PZである場合(ステップS302:Yes)、Webサービス管理部25はステップS301で判別した景品PZを引き渡すための引渡情報を遠隔プレイのユーザUに付与する(ステップS304)。引渡情報は店舗6Aにおいて実際の景品PZと引き換える権利として機能する。このため、委託された景品PZの場合、引渡情報の付与が景品PZの付与と同等に機能する。そして、この付与の後、Webサービス管理部25は今回の景品付与処理を終了する。
【0074】
図9の手順により、遠隔プレイのクレーンゲームにおいて排出口12から捕獲対象PSが排出された(付与条件が満たされた)場合に、選択画面50において選択された景品PZがユーザUに付与される。具体的には、選択画面50において選択された景品PZがセンター施設6Bの独自の景品PZである場合、郵送を通じて景品PZが付与される。一方、選択画面50において選択された景品PZが店舗6Aから委託された景品PZである場合、その店舗6A(受取店)で実際の景品PZと引き換えるための引渡情報の付与を通じて景品PZが付与される。換言すれば、
図3の例のF3の手順が実現される。
【0075】
データ提供処理は、委託された景品PZのプレイ実績の情報を、その景品PZを委託した店舗6Aに提供するための処理である。プレイ実績の提供は適宜に実現され得るが、
図10の例は委託データADの“実績”の情報を介して実現される場合を示している。また、
図10の例は、管理装置7を介して店舗6Aからプレイ実績のリクエストがあった場合にその管理装置7にプレイ実績の情報が提供される場合を示している。同様に、プレイ実績は店舗6Aの単位(対象の店舗6Aが委託する全景品PZ)でリクエストされてもよいが、一例として景品PZの単位で実行される。この場合、Webサービス管理部25は、管理装置7からプレイ実績がリクエストされる毎に
図10のデータ提供処理を開始し、まず委託データADを取得する(ステップS401)。なお、委託データADの“実績”は適宜に更新されてよいが、例えば周知の処理を介して遠隔プレイの終了毎にそのプレイの実績が“実績”が反映され、最新の情報に更新される。
【0076】
続いてWebサービス管理部25は、委託データADを参照し、今回のリクエスト対象の景品PZに対応するプレイ実績(“実績”)の情報を特定する(ステップS402)。なお、リクエストが店舗6Aの単位で実行される場合、Webサービス管理部25は委託データADの“施設ID”を参照しつつ、対象の店舗6Aに対応する全景品PZのプレイ実績を特定する。
【0077】
次にWebサービス管理部25は、ステップS402で特定した景品PZのプレイ実績(委託データADの少なくとも“実績”に対応する部分)を対象の管理装置7(店舗6A)に提供する(ステップS403)。そして、この提供の後にWebサービス管理部25は今回のデータ提供処理を終了する。これにより、店舗6Aからのリクエストに応じて委託された景品PZのプレイ実績がその店舗6Aに提供される。換言すれば、
図3の例のF5の手順が実現される。
【0078】
以上に説明したように、この形態によれば、各店舗6Aの運営者によって所有される景品PZを遠隔プレイの特典としてセンターサーバ2の運営者に委託するための委託情報が、ネットワーク5を介して接続される管理装置7から取得され、その委託情報に沿って各店舗6Aの景品PZを特典とするゲームが提供される。また、そのゲームにおいて付与条件が満たされた場合、そのゲームにおける特典として景品PZをその景品PZを委託した店舗6Aにて引き渡すための引渡情報がユーザUに提供される。つまり、引渡情報を介して景品PZが店舗6Aにて実際に特典として付与される。このため、センターサーバ2の運営者(遠隔プレにおけるゲームの提供者)とは異なる店舗6Aによって所有される景品PZを遠隔プレイにおける特典として活用することができる。つまり、店舗6Aの在庫PZGの所有者は、その付与をセンターサーバ2の運営者に委託することができる。これにより、各店舗6Aにおける自己が所有する景品PZの付与を他者に委託したいというニーズに応えることができる。
【0079】
また、店舗6Aにて各景品PZは単なる在庫PZGとして保管されていてもよい(例えば店舗6Aのクレーンゲーム機3Aが撤去され、景品PZを付与するゲーム機3が存在しなくなった場合等)が、一例として景品PZがクレーンゲーム機3Aの景品PZとしても機能している。この場合、店舗6Aのゲーム機のために用意された各景品PZを委託申請に基づくゲームにおける景品PZとしても活用することができる。これにより、例えば各店舗6Aにおいてゲーム機用に大量の在庫PZGが残っている場合等、在庫PZGを減少させたい場合においてそれを実現するための選択肢を提供することができる。このため、選択肢が一つ(例えば店舗6Aでのクレーンゲーム機3Aによる付与)しかない場合に比べて、在庫PZGが残ってしまう在庫リスクを低減することができる。結果として、例えば遠隔プレイの提供者が景品PZの販売も行っている場合、在庫リスク低減という付加価値を提供できることになり、ひいては景品PZの販売を促進することができる。
【0080】
同様に、委託申請に基づくゲームにおける景品PZの引渡がユーザUに付与される引渡情報を介して店舗6Aにて実行される場合、景品PZの引渡を通じてユーザUを店舗6Aに来店させることができる。これより、その店舗6Aの利用、例えばその店舗6Aに設置されているクレーンゲーム機3Aの利用を促進することができる。さらに、委託申請に基づくゲームのプレイに関する実績情報が各店舗6A(委託者AR)に提供される場合、その実績情報を通じて委託に関するプレイ実績の詳細を委託者ARに把握させることができる。これにより、在庫PZGの管理を比較的容易にすることができる。
【0081】
以上の形態において、センターサーバ2のWebサービス管理部25が、
図7の手順のステップS101を実行することにより本発明の情報取得手段として機能する。また、センターサーバ2のWebサービス管理部25が、
図8の手順のステップS203を実行することにより本発明のプレイ提供手段として機能する。同様に、センターサーバ2のWebサービス管理部25が、
図9の手順のステップS304を実行することにより本発明の情報提供手段として機能する。さらに、センターサーバ2のWebサービス管理部25が、
図10の手順のステップS403を実行することにより本発明の実績提供手段として機能する。
【0082】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。例えば、上述の形態では、店舗6Aの運営者が委託者ARとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、委託者ARは、景品PZを製造する製造者(メーカー)、或いはそこから購入した景品PZを販売する販売者(ゲーム機3の運営とは関係のない非運営者)であってもよい。このため、景品PZには、製造者が製造した製品、或いは販売者が販売する商品といった要素が含まれる。
【0083】
図11は、非運営者によって景品委託サービスが利用される場合の手順の一例を説明するための説明図である。非運営者による委託の場合も引渡情報を介して所定の場所において景品PZとの引き換えが実行されてもよいが、
図11の例は郵送にて景品PZがユーザUに付与される場合を示している。この場合、
図11の例では
図3の例と比較して、非運営者(製造者、或いは販売者等)が委託者ARに変わり、景品委託サービスはF6~F8の手順を含んでいる。具体的には、
図11に示すように、ユーザUへの引渡情報の付与(F3)の代わりにユーザUから送付先情報がユーザ端末装置4からセンターサーバ2に提供され(F6)、その送付先情報は更にセンターサーバ2を介して委託者ARの管理装置7に提供される(F7)。そして、委託者ARは、その送付先情報に基づいて郵送にて景品PZをユーザUに送付する(F8)。一例として、景品委託サービスは、このような手順で提供されてもよい。この場合、委託者ARに提供される送付先情報が、本発明の引渡情報として機能する。
【0084】
上述の形態では、ゲーム機3の一例として、クレーンゲーム機3A、或いはベルトコンベア型のゲーム機3Bを示している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。各ゲーム機3は、各種のゲームを提供する適宜のゲーム装置であってよい。このため、各ゲーム機3は、動作手段を介して遊技体の位置を変化させるタイプのゲームに限定されない。例えば、メダルゲーム、競馬ゲームといった各種のゲームを提供してよく、付与条件もゲームの内容に応じて適宜に設定されてよい。さらに、ゲーム機3は、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、シューティングゲーム、或いはロールプレイングゲームといった各種のビデオゲームを提供してもよい。
【0085】
また、上述の形態では、
図7~
図10の処理を実行することによりセンターサーバ2の単体(複数のサーバによって構成される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、センターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3が実行してもよい。このため、例えば、センターサーバ2の役割(各種処理等)の全部をゲーム機3が担ってもよい(換言すれば、ゲーム機3がセンターサーバ2として機能してもよい)。この場合、センターサーバ2は省略されてもよい。そして、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。
【0086】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0087】
本発明のゲームシステムは、所定の付与条件が満たされた場合に特典を付与するゲームを提供するゲームシステム(2)であって、前記ゲームの提供者(AE)とは異なる所有者(AR)によって所有される特典候補(PZ)を前記特典として前記提供者に委託するための委託情報を設定する設定装置(7)にネットワーク(5)を介して接続され、当該設定装置から前記委託情報を取得する情報取得手段(25)と、前記特典候補を前記特典とする前記ゲームとしての委託ゲームを前記委託情報に従って提供するプレイ提供手段(25)と、前記委託ゲームにおいて前記付与条件が満たされた場合に、当該付与条件を満たしたユーザとしての付与対象ユーザ(U)、及び前記所有者の少なくともいずれか一方に、前記特典候補を前記特典として前記付与対象ユーザに引き渡すために用いられる引渡情報を提供する情報提供手段(25)と、を備える、ものである。
【0088】
本発明によれば、異なる所有者によって所有される特典候補をゲームの特典としてゲームの提供者に委託するための委託情報が、ネットワークを介して接続される設定装置から取得され、その委託情報に沿って特典候補を特典とする委託ゲームが提供される。また、その委託ゲームにおいて付与条件が満たされた場合、その委託ゲームの特典として特典候補を引き渡すための引渡情報がユーザ、若しくは特典候補の所有者に提供される。つまり、引渡情報を介して特典候補が実際に特典として付与される。このため、ゲームの提供者とは異なる所有者によって所有される特典候補をゲームにおける特典として活用することができる。つまり、特典候補の所有者は、その付与をゲームの提供者(他者)に委託することができる。これにより、自己が所有する景品の付与を他者に委託したいというニーズに応えることができる。
【0089】
委託ゲームは一種類であっても、複数種類であってもよい。また、委託ゲームは、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、或いはシミュレーションゲームといった各種のビデオゲームであってもよい。あるいは、委託ゲームは、物理的な遊技体の位置の変化に関与するように動作する動作手段(クレーンやベルトコンベア等の遊技体の位置を変化させることができる各種の手段を含む)をユーザが動作ささせて遊技体を所定位置に移動させるタイプの各種の物理的なゲームであってもよい。例えば、このような物理的なゲームには、クレーンゲームやメダルゲーム等が含まれる。さらに、これらのゲームは適宜に提供されてよく、例えばゲームシステムがゲーム機として構成される場合、ゲームシステムによって直接的に提供されてもよい。あるいは、ユーザ端末装置を介して間接的に提供されてもよい。また、ゲームシステムは例えば各種のビデオゲームを提供する場合等、ユーザ端末装置に直接的にゲームを提供してもよいし、各種の物理的なゲームを提供する場合等、動作手段等の動作を制御する物理的なゲーム機を介して間接的にユーザ端末装置にゲームを提供してもよい。つまり、ゲームシステムは、ゲーム機とユーザ端末装置との間に介在してユーザ端末装置を介して入力されるプレイ行為をゲーム機に反映することにより、ゲーム機3のゲームを間接的にユーザ端末装置に提供してもよい。そして、付与条件は、これらのゲームの内容に応じて適宜に設定されてよい。
【0090】
また、委託情報は、特典候補の委託に必要な各種の情報を適宜に含んでいてよい。例えば、複数種類のゲームが委託対象のゲームとして存在する場合、委託情報はそれらのいずれをプレイの対象として指定する情報を含んでいてもよい。例えば、複数種類のゲームが複数種類のゲーム機によって提供される場合、その指定は個別のゲーム機、或いはゲーム機の種類を指定する情報であってもよい。あるいは、その指定は、例えば所定期間におけるプレイ回数に基づく人気のゲーム機、所定期間における特典の付与状況に基づく特典が付与されやすい(或いはその反対に付与されにくい)ゲーム機、或いはゲームのプレイに対価が要求される場合におけるその対価の所定期間の累計とその所定期間における特典の費用の合計値との割合が一定以上(或いは一定以下)のゲーム機といった具合に各種の実績に基づいて実行されてよい。そして、人気のゲーム機、特典が付与されやすいゲーム機、一定以上の割合のゲーム機といった指定された実績に対応するゲーム機(複数存在する場合は適宜に選択されてよい)によって提供されるゲームが委託ゲームとして機能してよい。
【0091】
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記ゲームは、複数種類のゲームを含み、前記委託情報は、前記複数種類のゲームのいずれかのゲームを指定するゲーム指定情報を含んでいてもよい。また、この態様において、前記複数種類のゲームは、物理的な遊技体(PS)の位置の変化に関与するように動作する動作手段(13)を、入力装置(4)を介して入力されるプレイ行為に応じて動作させるゲーム機(3A)によって提供される景品獲得ゲームを含み、前記付与条件は、前記景品獲得ゲームにおいて前記動作手段の動作を通じて前記遊技体が所定位置(14)まで移動した場合に満たされてもよい。さらに、この態様において、前記ゲーム機、及び各ユーザによって使用されるユーザ端末装置(4)にネットワーク(5)を介して接続され、前記複数種類のゲームは、前記ユーザ端末装置を介して各ユーザに提供されてもよい。
【0092】
委託ゲームのプレイ実績は、特典候補の所有者に提供されなくてもよい。例えば委託ゲームのプレイ実績が提供されない場合でも、所有者は特典候補の引渡状況を通じて委託ゲームにおける特典候補の付与状況を把握することができる。あるいは、委託ゲームのプレイ実績は、特典候補の所有者に提供されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記委託ゲームのプレイ実績に関する実績情報を前記設定装置に提供する実績提供手段(25)を備える態様が採用されてもよい。この場合、実績情報を通じて委託ゲームにおけるプレイ実績の詳細を所有者に把握させることができる。これにより、特典候補の管理を比較的容易にすることができる。
【0093】
特典候補として各種の要素が適宜に利用されてよい。例えば、NFT(Non-Fungible Token)技術等によって実現される代替不可の電子的要素等、適宜に電子的要素が特典候補として採用されてもよい。あるいは、特典候補は各種の物理的な景品であってもよい。この場合、その景品は委託ゲームの専用品として機能してもよいし、他のゲーム機においても景品として機能していてもよい。また、特典候補が他のゲーム機において景品として機能する場合、そのゲーム機は所定の条件が満たされた場合に景品を付与するタイプの各種のゲームを適宜に提供してよい。例えば、他のゲーム機は、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、或いはロールプレイングゲームを提供してもよい。そして、所定の条件は所定のスコアを獲得した場合やミッションをクリアした場合等、ゲームの内容に応じて適宜に満たされてよい。他のゲーム機は、委託ゲームとは異なるゲームを提供しても、同様のゲームを提供してもよい。
【0094】
具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記特典候補は、所定の条件が満たされた場合に景品を付与するタイプのゲームを提供するゲーム機(3A)が前記所有者によって運営される施設(6A)に設置される場合に、前記ゲーム機における前記景品(PZ)として機能してもよい。この場合、所有者が運営する施設におけるゲーム機のために用意された各景品を委託ゲームにおける景品としても活用することができる。これにより、例えばゲーム機用に大量の景品の在庫が残っている場合等、景品の在庫を減少させたい場合においてそれを実現するための選択肢を提供することができる。
【0095】
特典候補のユーザへの引渡は適宜に実現されてよい。例えば、その引渡は郵送等を通じて間接的に実行されてもよい。あるいは、その引渡は、ユーザから所有者への申告等を通じて直接的に実行されてもよい。引渡情報は、それらの各種の引渡方法に応じた適宜の情報を含んでいてよい。例えば、特典候補として電子的要素が利用される場合、引渡情報はその電子的要素自体を含んでいてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記引渡情報は、前記特典候補が前記特典として前記所有者によって運営される施設(6A)において引き渡されるように当該施設の情報を含み、前記付与対象ユーザに提供されてもよい。あるいは、本発明のゲームシステムの一態様において、前記引渡情報は、前記付与対象ユーザに前記特典候補を郵送するための送付先情報が前記付与対象ユーザから提供される場合に、前記特典候補が郵送にて前記付与対象ユーザに引き渡されるように前記送付先情報を含み、前記所有者に提供されてもよい。例えば、特典候補が所有者の施設において引き渡される場合、特典候補の引渡を通じてユーザを所有者の施設に来訪させることができる。これより、その施設の利用を促進することができる。例えば、その施設にゲーム機が設置されている場合には、そのゲーム機の利用を促進することができる。
【0096】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG1)は、コンピュータ(21)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0097】
また、本発明の制御方法は、所定の付与条件が満たされた場合に特典を付与するゲームを提供するゲームシステム(2)に組み込まれるコンピュータ(21)に、前記ゲームの提供者(AE)とは異なる所有者(AR)によって所有される特典候補(PZ)を前記特典として前記提供者に委託するための委託情報を設定する設定装置(7)にネットワーク(5)を介して接続され、当該設定装置から前記委託情報を取得する情報取得手順と、前記特典候補を前記特典とする前記ゲームとしての委託ゲームを前記委託情報に従って提供するプレイ提供手順と、前記委託ゲームにおいて前記付与条件が満たされた場合に、当該付与条件を満たしたユーザとしての付与対象ユーザ(U)、及び前記所有者の少なくともいずれか一方に、前記特典候補を前記特典として前記付与対象ユーザに引き渡すために用いられる引渡情報を提供する情報提供手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0098】
2 センターサーバ(ゲームシステム)
3 ゲーム機
4 ユーザ端末装置(入力装置)
5 ネットワーク
7 管理装置(設定装置)
13 クレーン(動作手段)
14 解放口(所定位置)
25 Webサービス管理部(コンピュータ、情報取得手段、プレイ提供手段、情報提供手段、実績提供手段)
50 選択画面(選択機会)
6A 店舗(施設)
U ユーザ(付与対象ユーザ)
AR 委託者(所有者)
AE 受託者(提供者)
PZ 景品(特典候補、特典)
PG1 プログラム(コンピュータプログラム)