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特開2024-7298回答帳票処理システムおよびアンケート調査の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007298
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】回答帳票処理システムおよびアンケート調査の方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240111BHJP
   G06V 30/00 20220101ALI20240111BHJP
   G06V 30/14 20220101ALI20240111BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06V30/00 S
G06V30/14 340A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108720
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】502267659
【氏名又は名称】株式会社アイリックコーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】515179392
【氏名又は名称】株式会社インフォディオ
(74)【代理人】
【識別番号】100174643
【弁理士】
【氏名又は名称】豊永 健
(74)【代理人】
【識別番号】100220744
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 優輝
(72)【発明者】
【氏名】小池 隆司
(72)【発明者】
【氏名】畔柳 主税
(72)【発明者】
【氏名】諸吉 純一
【テーマコード(参考)】
5B029
5B064
5L049
【Fターム(参考)】
5B029AA01
5B029CC26
5B064AA01
5B064AB17
5L049EE04
5L049EE06
(57)【要約】
【課題】紙とデジタルを併用するアンケート調査において、質問の媒体の作成の手間を増大させず、かつ、自動認識の精度を向上する。
【解決手段】帳票処理システム10は、質問項目と回答記載欄とについての情報を質問者に入力させ、質問項目と回答記載欄とを紐づけた一組を一単位とするアンケート項目パーツ画像を用いて紙媒体用アンケート票の構成を調整し、質問項目と回答記載欄との間の論理的な距離および方向を示す項目論理ベクトルと回答記載欄の位置を記憶し、紙媒体用アンケート票の情報に基づいてデジタル媒体用アンケート票を自動的に作成するアンケート票作成装置12と、項目論理ベクトルと回答記載欄の位置に基づいて回答者が記入したアンケート票から手書きの回答情報を抽出するOCR読取装置14と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
質問者が設定する質問項目が記載されて回答者に回答させた紙媒体およびデジタル媒体の帳票から前記質問項目に対する回答を抽出する回答帳票処理システムにおいて、
前記質問項目とその質問項目に対する回答を記載する記載欄とについての情報を前記質問者に入力させるアンケート項目入力部と、前記アンケート項目入力部が作成した画像であって前記質問項目であるキー項目と前記回答であるバリュー項目の記載欄とを紐づけた一組を一単位とするアンケート項目パーツ画像を用いて紙媒体用アンケート票の構成を調整する紙媒体用アンケート票構成調整部と、前記アンケート票中の前記キー項目の位置と前記バリュー項目記載欄との間の論理的な距離および方向を示す項目論理ベクトルを記憶する項目論理ベクトル記憶部と、前記アンケート票から前記バリュー項目として読み取るべき位置を記憶するOCR読取位置記憶部と、前記紙媒体用アンケート票構成調整部が作成した前記紙媒体用アンケート票の情報に基づいてデジタル媒体用アンケート票を自動的に作成するデジタル媒体用アンケート票自動作成部と、を備えたアンケート票作成装置と、
前記項目論理ベクトル記憶部が記憶した前記項目論理ベクトルと前記OCR読取位置記憶部が記憶した前記アンケート票から前記バリュー項目として読み取るべき位置とに基づいて前記回答者が記入した前記アンケート票から手書きの回答情報を抽出するOCR読取装置と、
を有することを特徴とする帳票処理システム。
【請求項2】
前記OCR読取装置が読み取ったデータと前記項目論理ベクトル記憶部に記憶された前記項目論理ベクトルの情報とを照合する照合部と、
前記照合部が照合した情報に基づいて回答済みの前記アンケート票を種類別に選別するアンケート票選別部と、
を備えたアンケート票選別装置をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の帳票処理システム。
【請求項3】
前記OCR読取装置は、
前記項目論理ベクトルの情報や前記バリュー項目記載欄の情報に基づいて、チェックボックス形式を有する回答欄に手書きされたチェックマークをOCR読取装置が読み取る位置を特定する読取チェックマーク解析部と、
前記読取チェックマーク解析部が読み取り対象としたチェックマークを読み取るチェックマーク読取部と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の帳票処理システム。
【請求項4】
前記OCR読取装置は、
前記項目論理ベクトルの情報や前記バリュー項目記載欄の情報に基づいて、マークシート形式を有する回答欄に手書きされたマークをOCR読取装置が読み取る位置を特定する読取マークシートのマーク解析部と、
前記読取マークシートのマーク解析部が読み取り対象としたマークを読み取るマークシートのマーク読取部と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の帳票処理システム。
【請求項5】
帳票処理システムを用いてアンケート票を作成し、紙媒体およびデジタル媒体のアンケート調査を行う際のアンケート調査の方法において、
質問者に質問項目とその質問項目に対する回答を記載する記載欄とについての情報を入力させ、前記質問項目であるキー項目と前記回答であるバリュー項目の記載欄とを紐づけた一組を一単位とするアンケート項目パーツ画像を作成するステップと、前記アンケート項目パーツ画像を用いて質問者に紙媒体用アンケート票の構成を調整させるステップと、前記紙媒体用アンケート票中の前記キー項目の位置と前記バリュー項目記載欄との間の論理的な距離および方向を示す項目論理ベクトルを記憶するステップと、前記アンケート票から前記バリュー項目として読み取るべき位置を記憶するステップと、前記紙媒体用アンケート票の情報に基づいてデジタル媒体用アンケート票を作成するステップと、を有するアンケート票作成ステップと、
OCR読取位置の情報に基づいて、回答者が記入した前記紙媒体用アンケート票から手書きの回答情報を抽出するアンケート読取ステップと、
を有することを特徴とするアンケート調査の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンケート票などの帳票を処理する回答帳票処理システムおよびアンケート調査の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンケート調査は、調査対象者や調査現場の実態に合わせて調査方法が選定される。調査方法には、紙媒体による調査とデジタル媒体による調査とがある。従来は、紙媒体による調査が一般的であった。紙媒体の調査は、現在でも、店頭やイベント会場など小規模な範囲で簡易的に行う場合に有効な方法の一つである。
【0003】
紙媒体の調査を行うためには、アンケート票の作成および印刷が必要である。従来、アンケート票の作成には一般的なデザイン用ソフトウェアが使用されることがある。
【0004】
一般的なデザイン用ソフトウェアを使用してアンケート票の構成をデザインする場合には、デザインの自由度が高い一方で、アンケート票作成機能が予め用意されていないことから、質問の内容、質問欄などの配置や大きさなどに合わせて、アンケート票の構成を一から創作する手間がある。たとえば、質問欄や回答欄の大きさの変更などの些細な変更の場合であっても、一般的なデザイン用ソフトウェアでは、当初割り当てた配置の維持が難しくなり、アンケート票全体の構成を変更する必要が生じる場合がある。この場合、アンケート票全体の構成変更に影響することから、修正や調整の作業が大がかりになることが多い。
【0005】
また、アンケート実施者(「質問者」という場合がある。)は、アンケート結果をデジタル化して管理し、解析することを所望する場合には、アンケート回答の手書きの文字情報をデジタル化する作業が必要となる。手書きの文字情報をデジタル化する方法としては、人がデータベースに手入力をする人的方法と、OCR(Optical Character Recognition)によって文字情報を抽出する機械的方法とがある。機械的方法において、アンケート回答を正しく把握するためには、OCRの文字情報の読み取り精度の高さが重要である。
【0006】
また、紙媒体による調査のアンケート票において、チェックボックス形式やマークシート形式の回答欄を設ける場合がある。チェックマークやマークシートのマークをOCRによって機械的に読み取る場合、アンケート結果を正しく把握するためには、OCRの読み取り精度の高さが重要である。
【0007】
また、紙媒体の調査において、回答済みアンケート票の回収方法には、アンケート回答者(紙媒体のアンケート回答者を「アナログアンケート回答者」という場合があり、デジタル媒体のアンケート回答者を「デジタルアンケート回答者」という場合があり、紙媒体およびデジタル媒体のアンケート回答者をまとめて「回答者」という場合がある。)が紙のアンケート票をアンケート票回収ボックスに投函する方法のほかに、アナログアンケート回答者が回答済みアンケート票をスマートフォンなどのカメラやスキャナーで撮像して、その画像データを質問者に電子的に送信する方法がある。カメラなどで撮像された画像には、撮影角度などの撮影条件によって歪んだ画像も多い。画像の歪みは、OCRによる読み取り精度の低下の原因となる。歪んだ画像に表示された文字情報を読み取る精度を向上させる方法には、台形補正や水平補正がある。しかし、台形補正や水平補正は、歪んだ画像に表示される罫線や文字を本来のアンケート票の状態にまで変換することはできないため、OCRの読み取り精度を向上させる程度には限度がある。
【0008】
手書きの文字情報、チェックマーク、マークシートのマークなどについて、OCRの読み取り精度を向上させる方法には、AI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)を用いる方法がある。この方法は、学習対象となる大量のサンプルを必要とする。また、OCRの読み取り精度を向上させる他の方法として、OCRエンジン学習装置を構成するAIに対して使用者が手動でOCRの読み取り箇所を設定する方法も取られている。
【0009】
紙媒体による調査の回答済みアンケート票の回収を、アナログアンケート回答者がアンケート票回収ボックスに投函する方法で行う場合、アンケート調査別に回収ボックスを分けて用意することが一般的である。そのため、複数種類のアンケート調査を同時に行う場合、調査の種類の数だけ回収ボックスを用意する必要がある。
【0010】
チェックボックスに書かれたチェックマークをOCRによって機械的に読み取る方法には、画像の変化を検出する差分検出という方法がある。差分検出の方法では、OCRエンジン学習装置を構成するAIが、回答前と回答後のチェックボックスの画像を比較し、チェックマークの有無を判断する。しかし、チェックマークが一のチェックボックスに収まらない態様で記載される場合がある。例えば、アナログアンケート回答者がチェックボックスの大きさに対して大きすぎるチェックマークを記載することで、隣り合う複数のチェックボックスに一のチェックマークが跨がる態様となる場合が考えられる。このような場合、差分検出の方法では、OCRエンジン学習装置は、チェックマークの線がかかった全てのチェックボックスにチェックマークが付されたものと誤認する可能性が高くなる。
【0011】
マークシート形式の回答欄を有するアンケート票を読み取るためには、マークシート専用の読み取り機を用意する必要がある。
【0012】
一方、近年では、インターネットの普及により、デジタル媒体で行うアンケート調査も普及している。デジタル媒体による調査は、大規模な調査を行う際に有効であり、デジタル化されたアンケート回答のデータを、OCRなどの技術に頼ることなく、直接入手することができる。アンケート回答の手書き文字情報などをデジタル化する作業の必要がないため、OCRエンジン学習装置の誤認の問題がなく、正確に、かつ、迅速にアンケート回答のデータを解析することができる。その一方で、デジタル媒体による調査の対象は、デジタル機器の操作に慣れている者に限られる。また、調査費用は、システムの構築が必要となるデジタル媒体の方が、紙媒体と比べて高額になることが多い。そのため、店頭やイベント会場などの小規模な範囲で簡易的に行う調査については、デジタル媒体による調査はシステムを構築する労力と費用の観点から現実的でないことが多く、質問者がデジタル化されたアンケート回答を直接入手することを所望する場合であっても、紙媒体の調査を選択せざるを得ない状況も存在する。
【0013】
デジタル媒体を主な調査方法とする場合であっても、デジタル媒体の調査に馴染まない層も含めた広範囲の対象者に対して効率的に調査を行うために、紙媒体の調査とデジタル媒体の調査を併用するアンケート調査が行われている。この場合、アンケート票は、媒体ごとに適切な表示が異なる場合が多いことから、媒体ごとに別々に作成されることが多く、一件の調査に対して紙媒体用とデジタル媒体用の二種類のアンケート票の作成や解析をするための時間と手間とコストがかかる。
【0014】
アンケート調査などの質問・回答の方法において、すべてをデジタル媒体で行うことができない場合、すなわち、少しでも質問・回答を紙媒体で行わなければならない場合、デジタル媒体で行う作業をいかに効率化しても、紙媒体での質問・回答に要する手間・コストが大きく、全体としての効率化が困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2018-92459
【特許文献2】特開2019-82814
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
デジタル媒体のアンケート調査に馴染まない層も含めた広範囲の対象者に対して効率的に調査を行うために、紙媒体とデジタル媒体を併用する調査の需要が増加している。しかし、紙媒体とデジタル媒体を併用する調査の場合、媒体ごとに別々に、アンケート票の作成、配布、回収および解析をしなければならない。そのため、紙媒体とデジタル媒体を併用する調査における作業の簡素化、効率化が望まれる。
【0017】
そこで、本発明は、紙媒体およびデジタル媒体を併用するアンケート調査において、質問の媒体の作成の手間を増大させず、かつ、自動認識の精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の目的を達成するため、本発明は、質問者が設定する質問項目が記載されて回答者に回答させた紙媒体およびデジタル媒体の帳票から前記質問項目に対する回答を抽出する回答帳票処理システムにおいて、前記質問項目とその質問項目に対する回答を記載する記載欄とについての情報を前記質問者に入力させるアンケート項目入力部と、前記アンケート項目入力部が作成した画像であって前記質問項目であるキー項目と前記回答であるバリュー項目の記載欄とを紐づけた一組を一単位とするアンケート項目パーツ画像を用いて紙媒体用アンケート票の構成を調整する紙媒体用アンケート票構成調整部と、前記アンケート票中の前記キー項目の位置と前記バリュー項目記載欄との間の論理的な距離および方向を示す項目論理ベクトルを記憶する項目論理ベクトル記憶部と、前記アンケート票から前記バリュー項目として読み取るべき位置を記憶するOCR読取位置記憶部と、前記紙媒体用アンケート票構成調整部が作成した前記紙媒体用アンケート票の情報に基づいてデジタル媒体用アンケート票を自動的に作成するデジタル媒体用アンケート票自動作成部と、を備えたアンケート票作成装置と、前記項目論理ベクトル記憶部が記憶した前記項目論理ベクトルと前記OCR読取位置記憶部が記憶した前記アンケート票から前記バリュー項目として読み取るべき位置とに基づいて前記回答者が記入した前記アンケート票から手書きの回答情報を抽出するOCR読取装置と、を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、帳票処理システムを用いてアンケート票を作成し、紙媒体およびデジタル媒体のアンケート調査を行う際のアンケート調査の方法において、質問者に質問項目とその質問項目に対する回答を記載する記載欄とについての情報を入力させ、前記質問項目であるキー項目と前記回答であるバリュー項目の記載欄とを紐づけた一組を一単位とするアンケート項目パーツ画像を作成するステップと、前記アンケート項目パーツ画像を用いて質問者に紙媒体用アンケート票の構成を調整させるステップと、前記紙媒体用アンケート票中の前記キー項目の位置と前記バリュー項目記載欄との間の論理的な距離および方向を示す項目論理ベクトルを記憶するステップと、前記アンケート票から前記バリュー項目として読み取るべき位置を記憶するステップと、前記紙媒体用アンケート票の情報に基づいてデジタル媒体用アンケート票を作成するステップと、を有するアンケート票作成ステップと、OCR読取位置の情報に基づいて、回答者が記入した前記紙媒体用アンケート票から手書きの回答情報を抽出するアンケート読取ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、紙媒体およびデジタル媒体を併用するアンケート調査において、質問の媒体の作成の手間を増大させず、かつ、自動認識の精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態におけるブロック図である。
図2】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態が作成した紙媒体用アンケート票の平面図である。
図3】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態で作成しデジタル調査用に構成を調整したデジタル媒体用アンケート票の平面図である。
図4】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態のアンケート項目入力画面の一部分の例である。
図5】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態のアンケート項目パーツ画像の例である。
図6】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態の紙媒体用アンケート票構成調整部によって表示される画面の一部分の例である。
図7】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法のフローチャートである。
図8】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート票作成ステップのフローチャートである。
図9】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート回答ステップのフローチャートである。
図10】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート回収ステップのフローチャートである。
図11】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート読取ステップのフローチャートである。
図12】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート回答記憶ステップのフローチャートである。
図13】本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート票選別ステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態におけるブロック図である。図2は、本実施の形態の帳票処理システムが作成した紙媒体用アンケート票の平面図である。図3は、本実施の形態の帳票処理システムで作成しデジタル調査用に構成を調整したデジタル媒体用アンケート票の平面図である。図4は、本実施の形態の帳票処理システムにおけるアンケート項目入力画面の一部分の例である。図5は、本実施の形態の帳票処理システムにおけるアンケート項目パーツ画像の例である。図6は、本実施の形態の帳票処理システムにおける紙媒体用アンケート票構成調整部によって表示される画面の一部分の例である。
【0024】
本実施の形態の帳票処理システム10は、アンケート票作成装置12とOCR読取装置14とアンケート回答情報記憶装置16とアンケート票選別装置18とディスプレイ20とキーボード22とマウス24とスキャナー26とプリンター28と、を有している。アンケート票作成装置12は、アンケート項目入力部30と紙媒体用アンケート票構成調整部32と項目論理ベクトル記憶部34とOCR読取位置記憶部36とデジタル媒体用アンケート票自動作成部38と、を有している。OCR読取装置14は、読取文字情報解析部40と文字情報読取部42と読取チェックマーク解析部44とチェックマーク読取部46と読取マークシートのマーク解析部48とマークシートのマーク読取部50と、を有している。アンケート回答情報記憶装置16は、OCR読取前画像記憶部60と、OCR読取後画像記憶部61と、回答データ記憶部62と、を有している。アンケート票選別装置18は、照合部70とアンケート票選別部72と、を有している。
【0025】
この帳票処理システム10で、紙媒体およびデジタル媒体のアンケート票90,91を作成する。
【0026】
アンケート票作成装置12、OCR読取装置14、アンケート回答情報記憶装置16およびアンケート票選別装置18は、たとえば1台のコンピュータ上に構成される。アンケート票作成装置12、OCR読取装置14、アンケート回答情報記憶装置16およびアンケート票選別装置18を構成する部の一部または全部は、ネットワークで互いに接続された複数のコンピュータ上に分散して配置されていてもよい。
【0027】
帳票処理システム10は、紙媒体およびデジタル媒体のアンケート票90,91と呼ばれる帳票の作成、紙媒体のアンケート票90の印刷、回収した回答済みアンケート票90のOCRによる読み取りおよびデジタル化、紙媒体およびデジタル媒体のアンケート票90,91の選別、アンケート回答情報の表示を行う。
【0028】
アンケート票作成装置12は、紙媒体およびデジタル媒体のアンケート票90,91を作成する。
【0029】
OCR読取装置14は、アンケート票作成装置12が作成した紙媒体のアンケート票90にアナログアンケート回答者が記入した回答済みアンケート票90から手書きの回答情報を抽出する。
【0030】
アンケート回答情報記憶装置16は、OCR読取装置14が読み取った紙媒体のアンケート回答データ、および、デジタル媒体のアンケート回答データを記憶する。
【0031】
アンケート票選別装置18は、複数種類の紙媒体およびデジタル媒体のアンケート票90,91を種類別に分けることなくまとめて回収した回答済みアンケート票90,91を種類別に選別する。紙媒体の回答済みアンケート票90については、OCR読取後画像記憶部61に記憶されたアンケート回答の画像データに基づいてアンケート票90の種類を認識し、種類別に選別する。
【0032】
アンケート項目入力部30は、キー項目とバリュー項目を入力するための画面を表示し、質問者に対して、質問項目であるキー項目と回答項目であるバリュー項目とを入力させ、入力されたキー項目とバリュー項目の記載欄とを紐づけて一組のアンケート項目パーツ画像96を作成する。
【0033】
紙媒体用アンケート票構成調整部32は、アンケート項目入力部30が作成したアンケート項目パーツ画像96を用いてアンケート票90の構成調整用画面を表示し、画面に表示された紙媒体を模擬した枠内にパーツを配置し、アンケート票90に印刷される内容を作成する。
【0034】
項目論理ベクトル記憶部34は、紙媒体用アンケート票構成調整部32が作成したアンケート票90におけるキー項目記載欄中の一点とバリュー項目記載欄の一点を両端とする項目論理ベクトルを記憶する。また、項目論理ベクトル記憶部34は、紙媒体用アンケート票構成調整部32が作成したアンケート票90におけるキー項目記載欄中の一点とチェックボックス中の一点またはマークシートの回答欄の一点を両端とする項目論理ベクトルを記憶する。
【0035】
ここで、項目論理ベクトルとは、選択した2点間の論理距離と方向の情報である。論理距離とは、実際の記載位置間の距離に、文書上の語句の記載位置の制約を加味した仮想的な距離である。文書上の語句の記載位置の制約とは、日本語の横書きの場合には、文字は、左から右に向かって、上から下に向かって記載されること、罫線が存在する場合には罫線に沿って記載されること、枠線で囲まれている領域内に存在する文字は一群の意味を形成していること、などである。論理距離は、物理的距離(文字列間の距離)、文字列の位置および文字列周辺の画像の関数である。項目論理ベクトルを決める両端の点は、たとえば、キー項目記載欄を示す矩形の線の左上の角の点とバリュー項目記載欄の中心点である。
【0036】
OCR読取位置記憶部36は、項目論理ベクトル記憶部34が記憶した項目論理ベクトルの情報を基にOCR読取装置14が読み取るべき位置を記憶する。なお、OCR読取位置記憶部36は、バリュー項目記載欄の大きさや形状を項目論理ベクトルの情報と合わせて記憶させる設定としてもよい。
【0037】
デジタル媒体用アンケート票自動作成部38は、アンケート項目入力部30で入力されたキー項目およびバリュー項目の情報を用いて、質問者がデジタル媒体用アンケート票自動作成部38に予め記憶させた条件および構成に合わせてデジタル媒体用アンケート票91を自動で作成する。デジタル媒体用アンケート票自動作成部38は、紙媒体用アンケート票構成調整部32が作成した紙媒体用アンケート票90を、その構成を変更せずに、デジタル媒体用アンケート票91を自動的に作成してもよい。
【0038】
読取文字情報解析部40は、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定し、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべき文字情報を解析し、特定する。なお、回答済みアンケート票90の画像データが歪んでいたり、水平補正や台形補正などの補正を加えられたアンケート票作成時とは異なる状態であっても、OCR読取位置記憶部36が記憶した複数の項目論理ベクトルの情報に基づき、相対的な位置関係を特定することでOCR読取位置を特定することができる。
【0039】
文字情報読取部42は、読取文字情報解析部40が読み取り対象に特定した文字情報をOCRで読み取る。
【0040】
読取チェックマーク解析部44は、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定し、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべきチェックボックスのチェックマークを解析し、特定する。
【0041】
チェックマーク読取部46は、読取チェックマーク解析部44が読み取り対象として特定したチェックマークを、チェックマーク自体を検出する方法により、OCRで読み取る。ここで、チェックマークとは、「レ」点、「×」文字、黒塗りまたは白抜きの丸などである。
【0042】
読取マークシートのマーク解析部48は、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定し、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべきマークシートのマークを解析し、特定する。
【0043】
マークシートのマーク読取部50は、読取マークシートのマーク解析部48が読み取り対象として特定したマークシートのマークをOCRで読み取る。
【0044】
照合部70は、文字情報読取部42、チェックマーク読取部46もしくはマークシートのマーク読取部50が読み取ったデータと項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報とを照合する。
【0045】
OCR読取前画像記憶部60は、質問者が回収したアナログアンケート回答を撮像した画像データを記憶する。
【0046】
OCR読取後画像記憶部61は、OCR読取装置14が読み取った紙媒体のアンケート回答データを記憶する。
【0047】
回答データ記憶部62は、デジタル媒体のアンケート回答データを記憶する。
【0048】
アンケート票選別部72は、照合部70が照合した情報に基づいて回答済みアンケート票90,91を種類別に選別する。
【0049】
本実施の形態の帳票処理システム10は、コンピュータ80にアンケート票作成機能とOCR読取機能とアンケート回答情報記憶機能とアンケート票選別機能とディスプレイ機能とキーボード入力機能とマウス操作機能とスキャン機能とプリント機能を実現させるコンピュータプログラムによって実現することができる。アンケート票作成機能は、アンケート項目入力機能と紙媒体用アンケート票構成調整機能と項目論理ベクトル記憶機能とOCR読取位置記憶機能とデジタル媒体用アンケート票自動作成機能とによって実現する。OCR読取機能は、読取文字情報解析機能と文字情報読取機能と読取チェックマーク解析機能とチェックマーク読取機能と読取マークシートのマーク解析機能とマークシートのマーク読取機能とによって実現する。アンケート回答情報記憶機能は、画像記憶機能と回答データ記憶機能とによって実現する。アンケート票選別機能は、照合機能とアンケート票選別機能とによって実現する。
【0050】
アンケート票作成機能は、紙媒体およびデジタル媒体のアンケート票90,91を作成する機能である。
【0051】
OCR読取機能は、アンケート票作成機能で作成したアンケート票90にアナログアンケート回答者が記入した記入済みアンケート票90から情報を抽出する機能である。
【0052】
アンケート回答情報記憶機能は、回収した紙媒体およびデジタル媒体の回答済みアンケート票90,91の回答情報を記憶する機能である。
【0053】
アンケート票選別機能は、複数種類のアンケート票90,91を種類別に分けることなくまとめて回収した回答済みアンケート票90,91を種類別に選別する機能である。紙媒体の回答済みアンケート票90については、OCR読取装置14が読み取ったデータに基づいてアンケート票90の種類を認識し、種類別に選別する機能である。
【0054】
アンケート項目入力機能は、キー項目とバリュー項目を入力するための画面を表示し、質問者にキー項目とバリュー項目を入力させ、入力されたキー項目とバリュー項目とを紐づけて一組のアンケート項目パーツ画像96を作成する機能である。
【0055】
紙媒体用アンケート票構成調整機能は、アンケート項目入力機能によって作成されたアンケート項目パーツ画像96を用いてアンケート票90の構成調整用画面を表示し、アンケート票90の構成および作成をする機能である。
【0056】
項目論理ベクトル記憶機能は、紙媒体用アンケート票構成調整機能によって作成されたアンケート票90におけるキー項目記載欄中の一点とバリュー項目記載欄の一点を両端とする項目論理ベクトルを記憶する機能である。また、項目論理ベクトル記憶機能は、紙媒体用アンケート票構成調整部32が作成したアンケート票90におけるキー項目記載欄中の一点とチェックボックス中の一点またはマークシートの回答欄の一点を両端とする項目論理ベクトルを記憶する機能である。
【0057】
OCR読取位置記憶機能は、項目論理ベクトル記憶部34が記憶した項目論理ベクトルの情報を基にOCR読取装置14が読み取るべき位置を記憶する機能である。
【0058】
デジタル媒体用アンケート票自動作成機能は、アンケート項目入力部30において入力したキー項目およびバリュー項目の情報を用いて、質問者がデジタル媒体用アンケート票自動作成部38に予め記憶させた条件および構成に合わせてデジタル媒体用アンケート票91を自動で作成する機能である。デジタル媒体用アンケート票自動作成機能は、紙媒体用アンケート票構成調整部32が作成した紙媒体用アンケート票90を、その構成を変更せずに、デジタル媒体用アンケート票91を自動的に作成する機能も有する。
【0059】
読取文字情報解析機能は、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定し、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべき文字情報を解析し、特定する機能である。
【0060】
文字情報読取機能は、読取文字情報解析部40が読み取り対象に特定した文字情報をOCRで読み取る機能である。
【0061】
読取チェックマーク解析機能は、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定し、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべきチェックボックスのチェックマークを解析し、特定する機能である。
【0062】
チェックマーク読取機能は、読取チェックマーク解析部44が読み取り対象として特定したチェックマークを、チェックマーク自体を検出する方法により、OCRで読み取る機能である。
【0063】
読取マークシートのマーク解析機能は、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定し、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべきマークシートのマークを解析し、特定する機能である。
【0064】
マークシートのマーク読取機能は、読取マークシートのマーク解析部48が読み取り対象として特定したマークシートのマークをOCRで読み取る機能である。
【0065】
照合部70は、文字情報読取機能、チェックマーク読取部46もしくはマークシートのマーク読取部50が読み取ったデータと項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報とを照合する機能である。
【0066】
画像記憶機能は、OCR読取装置14が読み取った紙媒体のアンケート回答データを記憶する機能である。
【0067】
回答データ記憶機能は、デジタル媒体のアンケート回答データを記憶する機能である。
【0068】
アンケート票選別機能は、照合部70が照合した情報に基づいて回答済みアンケート票90,91を種類別に選別する機能である。
【0069】
本実施の形態のアンケート票90は、アンケート票作成装置12により作成される。アナログアンケート回答者は、回答欄92に鉛筆などの筆記具を用いて手書きで回答を記載する。回答欄92に記載された内容は、文字情報の読み取り時には、バリュー項目として取り扱われる。紙媒体による調査の回答済みアンケート票90を回収する方法には、アナログアンケート回答者が紙のアンケート票90をアンケート票回収ボックスに投函する方法のほかに、アナログアンケート回答者が回答済みアンケート票90をスマートフォンなどのカメラやスキャナーで撮像して、その画像データを質問者に電子的に送信する方法がある。回収した紙媒体のアンケート票90は、質問者がスキャナー、カメラなどを用いて回答済みアンケート票90を撮像する。解析する回答済みアンケート票90は、アンケート回答情報記憶装置16のOCR読取前画像記憶部60に記憶される。カメラで撮像した画像は、OCR読取装置14で読み取る前に、台形補正や水平補正を施すなどしてもよい。
【0070】
本実施の形態のアンケート項目入力画面は、アンケートの質問内容であるキー項目を入力する画面である。キー項目を入力する方法は、たとえばキーボードなどを用いて直接打ち込む方法と、アンケート項目入力画面を処理するシステムに予め記憶させたものをプルダウンメニューで選択する方法とがある。
【0071】
内容を入力したキー項目に対応するバリュー項目の形式や記載欄の大きさを決める方法は、たとえばアンケート票作成者が自由に設定する方法と、アンケート票作成者が入力したキー項目の内容に合わせてアンケート項目入力画像を処理するシステムが予め記憶させた条件に従って自動的に設定する方法とがある。アンケート項目入力画像を処理するシステムは、決定したキー項目とバリュー項目とを紐づけた一組のアンケート項目パーツ画像96を作成する。
【0072】
アンケート項目であるキー項目およびバリュー項目は、必ずしも一対一の関係になくてもよく、一のキー項目に対して複数のバリュー項目が存在してもよい。この場合にも、アンケート項目入力画像を処理するシステムは、一のキー項目と複数のバリュー項目とを紐づけて、一組のアンケート項目パーツ画像96を作成する。
【0073】
本実施の形態のアンケート項目パーツ画像96は、決定したキー項目とバリュー項目とを紐づけた一組のアンケート項目の画像であって、アンケート票90を構成するパーツの役割を果たす画像である。
【0074】
本実施の形態の紙媒体用アンケート票構成調整部32によって表示される画面は、アンケート票90の構成を調整するための画面である。紙媒体用アンケート票構成調整部32によって表示される画面は、たとえばアンケート項目パーツ画像96、アンケート票90の表題、アンケート票90の実施者などの情報を表示する画像を含む。
【0075】
紙媒体用アンケート票構成調整部32によって表示される画面中において、アンケート項目パーツ画像96は、ドラッグアンドロップなどの方法により、マウスなどを使用して自由に位置を移動させることができる。紙媒体用アンケート票構成調整部32によって表示される画面の背景には、マス目93を表示させてもよい。マス目93の代わりに罫線94や等間隔で並んだドット95などを表示させてもよい。マス目93などを表示させる場合には、アンケート項目パーツ画像96を配置する位置は、マス目93などと揃う位置でなければ配置できないようにして、複数のアンケート項目パーツ画像96同士の位置をマス目93などに合わせて簡単に揃えることができる態様としてもよい。マス目93などを利用することで、アンケート項目パーツ画像96の位置の変更などの修正が容易になる。
【0076】
質問者の会社名や会社ロゴ99などの質問者情報は、紙媒体用アンケート票構成調整部32によって表示される画面中に自動的に表示されるように予め質問者が設定しておいてもよい。表示された会社ロゴ99などの質問者情報は、質問者の選択により削除することも可能である。
【0077】
図7は、本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法のフローチャートである。
【0078】
本実施の形態のアンケート調査方法は、アンケート票作成ステップ(S10)と、アンケート回答ステップ(S20)と、アンケート回収ステップ(S30)と、アンケート読取ステップ(S40)と、アンケート回答記憶ステップ(S50)と、アンケート票選別ステップ(S60)と、を順次行う。
【0079】
アンケート票作成ステップ(S10)では、質問者が帳票処理システム10を用いてアンケート票90,91を作成する。
【0080】
アンケート回答ステップ(S20)では、回答者がアンケートに回答する。
【0081】
アンケート回収ステップ(S30)では、回答者が質問者に回答済みアンケート票90,91を提出する。
【0082】
アンケート読取ステップ(S40)では、OCR読取装置14が紙媒体の回答済みアンケート票90を読み取る。
【0083】
アンケート回答記憶ステップ(S50)では、アンケート回答情報記憶装置16が紙媒体およびデジタル媒体のアンケート回答情報を記憶する。
【0084】
アンケート票選別ステップ(S60)では、アンケート回答情報記憶装置16が記憶したアンケート回答情報をアンケート票選別装置18が選別する。
【0085】
図8は、本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート票作成ステップのフローチャートである。
【0086】
アンケート票作成ステップ(S10)は、アンケート項目パーツ画像作成ステップ(S11)と、アンケート票構成確定ステップ(S12)と、項目論理ベクトル記憶ステップ(S13)と、OCR読取位置記憶ステップ(S14)と、デジタル媒体用アンケート票自動作成ステップ(S15)と、を順次行う。
【0087】
アンケート項目パーツ画像作成ステップ(S11)において、アンケート項目入力部30によって表示されるアンケート項目入力画面に質問者がキー項目およびバリュー項目の入力および決定をすると、アンケート項目入力部30はキー項目とバリュー項目とを紐づける。キー項目とバリュー項目とが紐づいたら、アンケート項目入力部30は、紐づけた一組のキー項目とバリュー項目とを表示する画像としてアンケート項目パーツ画像96を作成する。
【0088】
アンケート項目パーツ画像作成ステップ(S11)の終了後、アンケート票構成確定ステップ(S12)において、アンケート項目入力部30が作成した全てのアンケート項目パーツ画像96が紙媒体用アンケート票構成調整部32の画面上に表示される。質問者が紙媒体用アンケート票構成調整部32の画面上に表示されたアンケート項目パーツ画像96をドラッグアンドドロップなどの方法により所望の位置に移動させてアンケート票90全体の構成を調整すると、アンケート票90の構成が確定する。
【0089】
アンケート票構成確定ステップ(S12)の終了後、項目論理ベクトル記憶ステップ(S13)において、紙媒体用アンケート票構成調整部32がアンケート票90を作成すると、アンケート票90におけるキー項目記載欄中の一点とバリュー項目記載欄の一点を両端とする項目論理ベクトルが項目論理ベクトル記憶部34に記憶される。この記憶作業は、アンケート項目入力部30がアンケート項目パーツ画像96を作成した後に行われてもよい。
【0090】
項目論理ベクトル記憶ステップ(S13)の終了後、OCR読取位置記憶ステップ(S14)において、項目論理ベクトルが項目論理ベクトル記憶部34に記憶されると、項目論理ベクトル記憶部34が記憶した項目論理ベクトルなどの情報を基に、OCRが読み取るべきバリュー項目記載欄内の位置がOCR読取位置記憶部36に記憶される。
【0091】
OCR読取位置記憶ステップ(S14)の終了後、デジタル媒体用アンケート票自動作成ステップ(S15)において、項目論理ベクトル記憶部34がアンケート票90におけるキー項目記載欄中の一点とバリュー項目記載欄の一点を両端とする項目論理ベクトルを記憶すると、デジタル媒体用アンケート票自動作成部38は、アンケート項目入力部30に入力されたキー項目およびバリュー項目の情報を用いて、質問者が予め設定した構成に合わせてデジタル調査用のアンケート票91を自動的に作成する。このデジタル調査用のアンケート票の自動作成作業は、デジタル媒体用アンケート票自動作成部38が、紙媒体用アンケート票構成調整部32が作成した紙媒体用アンケート票90から、アンケート票90の構成を変えずに、デジタル媒体用のアンケート票91を自動的に作成する設定としてもよい。
【0092】
図9は、本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート回答ステップのフローチャートである。
【0093】
アンケート回答ステップ(S20)は、紙媒体のアンケート回答ステップ(S21)と、デジタル媒体のアンケート回答ステップ(S22)と、を順次行う。
【0094】
紙媒体のアンケート回答ステップ(S21)では、アナログアンケート回答者は、紙媒体のアンケート票90に手書きで回答を記入する。チェックボックスが設けられたアンケート票90については、チェックボックスにチェックマークを記載する。マークシート形式の回答欄が設けられたアンケート票90については、マークする。
【0095】
デジタル媒体のアンケート回答ステップ(S22)では、デジタルアンケート回答者は、アンケート票表示画面に直接回答を入力する。
【0096】
図10は、本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート回収ステップのフローチャートである。
【0097】
アンケート回収ステップ(S30)は、回答者がアナログアンケート票回収ボックス投函ステップ(S31)と、アナログアンケート回答画像送信ステップ(S32)と、デジタルアンケート回答送信ステップ(S33)のいずれかを行う。
【0098】
紙媒体のアンケート調査において、アナログアンケート票回収ボックス投函ステップ(S31)では、アナログアンケート回答者は、回答済みアンケート票90をアンケート票回収ボックスに投函する。投函された回答済みアンケート票90は質問者などが回収する。アナログアンケート回答者は、回答済みアンケート票90をアンケート票回収ボックスに投函する代わりに、質問者に回答済みアンケート票90を郵送するなどの方法で提出してもよい。
【0099】
紙媒体のアンケート調査において、アナログアンケート回答画像送信ステップ(S32)では、アナログアンケート回答者がスマートフォンなどのカメラを用いて回答済みアンケート票90を撮像して、撮像された画像データを電子的に質問者に送信する。
【0100】
デジタル媒体のアンケート調査において、デジタルアンケート回答送信ステップ(S33)では、デジタルアンケート回答者が回答後に送信ボタンを押すことで入力データを質問者に送信する。
【0101】
図11は、本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート読取ステップのフローチャートである。
【0102】
アンケート読取ステップ(S40)は、紙媒体の回答済みアンケート票撮像ステップ(S41)と、読取文字情報特定ステップ(S42)と、文字情報読取ステップ(S43)と、を順次行う。チェックボックス形式の回答欄を設けた場合には文字情報読取ステップ(S43)の次にチェックマーク読取ステップ(S44)を行う。マークシート形式の回答欄を設けた場合には文字情報読取ステップ(S43)あるいはチェックマーク読取ステップ(S44)の次にマークシートのマーク読取ステップ(S45)を行う。チェックマーク読取ステップ(S44)とマークシートのマーク読取ステップ(S45)の順番は入れ替わってもよい。
【0103】
本実施の形態のアンケート読取ステップ(S40)において、紙媒体の回答済みアンケート票撮像ステップ(S41)では、質問者がアンケート票回収ボックスなどで回収した回答済みアンケート票90をスキャナー26などで撮像する。撮像された画像データは、OCR読取前画像記憶部60に記憶される。
【0104】
読取文字情報特定ステップ(S42)では、読取文字情報解析部40が、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定すると、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべき文字情報が特定される。
【0105】
文字情報読取ステップ(S43)では、読取文字情報解析部40によって読み取るべき文字情報が特定されると、文字情報読取部42は、読み取り対象とされた文字情報を読み取る。
【0106】
チェックボックスが設けられたアンケート票90については、チェックマーク読取ステップ(S44)において、読取チェックマーク解析部44が、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定すると、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべきチェックボックスのチェックマークが特定される。
【0107】
読取チェックマーク解析部44が読み取るべきチェックマークを特定すると、チェックマーク読取部46は、読取チェックマーク解析部44によって読み取り対象としたチェックマークを、チェックマーク自体を検出する方法により読み取る。
【0108】
マークシート形式の回答欄が設けられたアンケート票90については、マークシートのマーク読取ステップ(S45)において、読取マークシートのマーク解析部48が、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90の項目論理ベクトルの情報やOCR読取位置記憶部36に記憶されたバリュー項目記載欄の大きさや形状の情報に基づいてOCR読取位置を特定すると、撮像された回答済みアンケート票90の画像から読み取るべきマークが特定される。
【0109】
読取マークシートのマーク解析部48が読み取るべきマークを特定すると、マークシートのマーク読取部50は、読取マークシートのマーク解析部48によって読み取り対象としたマークを読み取る。
【0110】
図12は、本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート回答記憶ステップのフローチャートである。
【0111】
アンケート回答記憶ステップ(S50)は、紙媒体のアンケート票90の場合には、OCR読取後画像記憶ステップ(S51)を行い、デジタル媒体のアンケート票91の場合には、デジタルアンケート回答記憶ステップ(S52)を行う。
【0112】
OCR読取後画像記憶ステップ(S51)では、OCR読取装置14が読み取った紙媒体のアンケート回答情報は、OCR読取後画像記憶部61に記憶される。
【0113】
デジタルアンケート回答記憶ステップ(S52)では、デジタル媒体のアンケート回答情報のデータは、質問者が回答データを受信すると、回答データ記憶部62に記憶される。
【0114】
図13は、本発明に係る帳票処理システムの一実施の形態を用いたアンケート調査方法におけるアンケート票選別ステップのフローチャートである。
【0115】
アンケート票選別ステップ(S60)は、紙媒体のアンケート票90の場合には、アナログアンケート回答選別ステップ(S61)と、デジタル媒体のアンケート票91の場合には、デジタルアンケート回答選別ステップ(S62)を行う。
【0116】
アナログアンケート回答選別ステップ(S61)では、照合部70がOCR読取後画像記憶部61に記憶されたアンケート回答画像データ中の文字情報などのデータとアンケート票作成時に項目論理ベクトル記憶部34に記憶された項目論理ベクトルの情報とを照合すると、アンケート票選別部72は、照合部70が照合した情報に基づいて回答済みアンケート票90を種類別に選別する。
【0117】
アナログアンケート回答選別ステップ(S61)において、OCR読取後画像記憶部61に記憶されたアンケート回答画像データ中の文字情報などと項目論理ベクトル記憶部34に記憶された項目論理ベクトルの情報とを照合する方法に加えて、質問者がアンケート票90の種類ごとに特有のキーワードを用いたキーワード検索を併用することにより、回答済みアンケート票90を種類別に選別する方法としてもよい。
【0118】
デジタルアンケート回答選別ステップ(S62)では、回答データ記憶部に記憶されたアンケート票91の種類ごとに特有のキーワードを用いたキーワード検索や、予めデジタル媒体のアンケート票91に付加させた識別情報をもとに選別する。
【0119】
本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、質問者が設定する質問項目が記載された紙媒体のアンケート票90とデジタル媒体のアンケート票91を同時に設計することができる。さらに、デジタル媒体のアンケート票91については、紙媒体のアンケート票90の構成を変更してデジタル調査用に最適化することを質問者が所望する場合であっても、紙媒体用アンケート票90の作成時に入力したキー項目およびバリュー項目の情報および質問者が予め入力した構成設定情報に基づいてデジタル媒体アンケート票自動作成部38がデジタル媒体用アンケート票91を自動で作成することができる。よって、質問の媒体の作成の手間は2種類の媒体を作成したとしても変わらない。また、自動認識の際にも、キーとバリューの関係が明確であり、項目論理ベクトルの情報を用いてOCRの読取位置を正確に特定することができるため、アンケート票90を撮像した画像から手書きの文字情報をOCRで読み取る精度が高い。
【0120】
また、本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、項目論理ベクトルの情報を用いてOCRの読取位置を正確に特定することができ、チェックマーク読取部46がチェックマーク自体を読み取るので、チェックボックスのチェックマークの認識精度が高い。
【0121】
また、本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、アンケート票選別装置18がアンケート票90を選別するため、アナログアンケート票90に選別用のIDコードを付す必要はなく、複数種類のアンケート票90を種類別に分けることなくまとめて回収することが可能となる。
【0122】
また、本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、マークシートのマーク読取部50がマークシートのマークを読み取る機能を有するため、マークシート専用の読み取り機がなくてもマークシート形式の回答内容をデジタル化することができる。
【0123】
また、本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、紙媒体用アンケート票構成調整部32によって表示される画面中でアンケート項目パーツ画像96をドラッグアンドドロップなどの方法によってアンケート票90全体の構成の作成および修正が容易となる。
【0124】
また、本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90におけるキー項目記載欄中の一点とバリュー項目記載欄の一点を両端とする項目論理ベクトルと、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたOCR読取位置記憶部36が読み取るべき位置情報を正確に特定して、OCR読取装置14が手書きアンケート回答の文字情報、チェックマークおよびマークシートのマークを読み取るため、OCRエンジン学習装置のAIにディープラーニングの技術を用いて大量のサンプルを学習させる必要がなく、また、OCRの読み取り位置を質問者が事前に手動で設定する必要がない。
【0125】
また、本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたアンケート票90におけるキー項目記載欄中の一点とバリュー項目記載欄の一点を両端とする項目論理ベクトルと、項目論理ベクトル記憶部34に記憶されたOCR読取位置記憶部36が読み取るべき位置情報を正確に特定して、OCR読取装置14が手書きアンケート回答の文字情報、チェックマークおよびマークシートのマークを読み取るため、撮影角度などの撮影条件によって歪んだ画像についても、読み取る精度を向上させることができる。
【0126】
また、本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、チェックボックス形式の回答欄を有するアンケート票90の回答内容をデジタル化する方法として、チェックマーク読取部46がチェックマーク自体を認識して読み取るため、OCRによる対象画像の差分検出をする方法とは異なり、OCRの読取精度がチェックマークの記載の仕方に影響されない。
【0127】
また、本実施の形態の帳票処理システム10を用いると、複数種類のアンケート調査を行う場合でも、アンケート票選別装置18がアンケート回答情報記憶装置16に記憶された回答済みアンケート票90を選別することができるため、アンケート調査の種類別にアンケート票回収ボックスを設ける必要はなく、複数種類の調査のアンケート票90について一の回収ボックスで回収することができる。
【符号の説明】
【0128】
10…帳票処理システム、12…アンケート票作成装置、14…OCR読取装置、16…アンケート回答情報記憶装置、18…アンケート票選別装置、20…ディスプレイ、22…キーボード、24…マウス、26…スキャナー、28…プリンター、30…アンケート項目入力部、32…紙媒体用アンケート票構成調整部、34…項目論理ベクトル記憶部、36…OCR読取位置記憶部、38…デジタル媒体用アンケート票自動作成部、40…読取文字情報解析部、42…文字情報読取部、44…読取チェックマーク解析部、46…チェックマーク読取部、48…読取マークシートのマーク解析部、50…マークシートのマーク読取部、60…OCR読取前画像記憶部、61…OCR読取後画像記憶部、62…回答データ記憶部、70…照合部、72…アンケート票選別部、90…紙媒体用アンケート票、91…デジタル媒体用に構成を調整したアンケート票、93…マス目、94…罫線、95…等間隔で並んだドット、96…アンケート項目パーツ画像、99…会社ロゴ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13