(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073008
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022183965
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100184550
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 珠美
(74)【代理人】
【識別番号】100166785
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 智也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲崎▼ 潤也
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA12
2C088AA39
2C088AA42
2C088CA19
2C088EB15
2C333AA11
2C333CA16
2C333CA26
2C333CA76
2C333CA78
(57)【要約】
【課題】当たり判定がなされた時点における遊技状態を、その後の遊技の進行具合に応じて変化させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】主制御基板のCPUは、普通当たり判定が実行された場合、時短フラグの状態を参照して、時短状態が設定されているかを判断する(S51)。時短状態が設定されている場合(S51:YES)、CPUは、普図判定回数カウンタの値が「0」であるかを判断する(S53)。普図判定回数カウンタの値が「0」である場合(S53:YES)、CPUは、時短フラグを「OFF」にする(S56)。CPUは、時短状態において特別図柄の変動表示が実行される間において、上記の処理を実行する。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口と、
第一状態と、前記第一状態よりも遊技球が入賞容易な第二状態とに相互に作動可能に構成された大入賞口と、
所定条件の成立に応じて、前記始動口であって、第三状態と、前記第三状態よりも遊技球が入賞容易な第四状態とに相互に作動可能に構成された可変始動口を前記第四状態に作動する普通当たり遊技を実行するかを判定する普通判定を実行する普通判定手段と、
前記普通判定によって導出された判定結果に応じて、前記普通当たり遊技を実行する普通遊技実行手段と、
前記始動口へ遊技球が入賞することを契機として、前記大入賞口を前記第二状態に作動する特別遊技を実行するかを判定する特別判定を実行する特別判定手段と、
前記特別判定によって導出された判定結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、
前記特別判定によって導出された判定結果に応じて、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記可変始動口が前記第四状態にある状態が通常よりも高くなる時短状態を、所定の設定条件の成立に応じて設定する時短設定手段と、
所定の終了条件の成立に応じて、前記時短状態を終了する終了手段と
を備え、
前記終了手段は、
前記時短状態において前記普通判定が実行された回数である普通判定実行回数が第一規定回数に到達したことを少なくとも前記終了条件とし、
前記報知演出実行手段によって前記報知演出が実行される間において、前記普通判定実行回数が前記第一規定回数に到達した場合に前記時短状態を終了する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記大入賞口に入賞した遊技球が通過することができる特定領域を備え、
前記特別判定手段は、前記特別判定を実行することで、少なくとも小当たりの判定結果を導出し、
前記特別遊技は、小当たり遊技と大当たり遊技とを含み、
前記特別遊技実行手段は、前記特別判定によって前記小当たりの判定結果が導出された場合、当該小当たりの判定結果を報知する前記報知演出を実行した後に前記大入賞口を前記第四状態に作動する前記小当たり遊技を実行し、前記小当たり遊技において前記大入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過したことを少なくとも実行条件として、前記大入賞口を前記第四状態に作動する前記大当たり遊技を実行し、
前記終了手段は、前記報知演出実行手段によって前記小当たりの判定結果を報知する前記報知演出が実行される間において、前記普通判定実行回数が前記第一規定回数に到達した場合に、前記時短状態を終了することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記終了条件は、前記時短状態において前記特別判定が実行された回数である特別判定実行回数が第二規定回数に到達したことを含み、
前記時短設定手段は、前記大当たり遊技が終了することを前記設定条件として前記時短状態を設定し、
遊技球が前記特定領域を通過した場合に、当該通過したことを前記実行条件として実行される前記大当たり遊技の終了後に設定される前記時短状態の前記第二規定回数を決定する決定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記決定手段は、遊技球が前記特定領域を通過した場合において前記時短状態が設定されていないときには、遊技球が前記特定領域を通過した場合において前記時短状態が設定されているときよりも大きな値を前記第二規定回数として決定することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非時短状態と時短状態とを備える遊技機が知られている。特許文献1は、大当たり判定によって小当たりと判定された場合、時短回数を決定するためのテーブルを参照して、大当たり遊技の終了後に設定する時短状態の時短回数を決定する遊技機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の遊技機において、小当たりと判定された時点における遊技状態が同じである場合に決定される時短回数は、遊技状態に応じて予めテーブルに定められている範囲で決定される。すなわち、小当たりと判定された時点における遊技状態が同じ場合には、その遊技状態によって決定される範囲内の時短回数しか設定されない。時短回数は、設定される時短状態の価値を左右しうる。したがって、従来の遊技機は、当たり判定がなされた時点における遊技状態が同じである場合、当たり遊技の終了後に設定される時短状態も含めた当たり遊技の価値を、当たり判定の時点に設定されている遊技状態に応じた範囲でしか変化させることができない。
【0005】
本発明は、当たり判定がなされた時点における遊技状態を、その後の遊技の進行具合に応じて変化させることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、始動口と、第一状態と、前記第一状態よりも遊技球が入賞容易な第二状態とに相互に作動可能に構成された大入賞口と、所定条件の成立に応じて、前記始動口であって、第三状態と、前記第三状態よりも遊技球が入賞容易な第四状態とに相互に作動可能に構成された可変始動口を前記第四状態に作動する普通当たり遊技を実行するかを判定する普通判定を実行する普通判定手段と、前記普通判定によって導出された判定結果に応じて、前記普通当たり遊技を実行する普通遊技実行手段と、前記始動口へ遊技球が入賞することを契機として、前記大入賞口を前記第二状態に作動する特別遊技を実行するかを判定する特別判定を実行する特別判定手段と、前記特別判定によって導出された判定結果を報知する報知演出を実行する報知演出実行手段と、前記特別判定によって導出された判定結果に応じて、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記可変始動口が前記第四状態にある状態が通常よりも高くなる時短状態を、所定の設定条件の成立に応じて設定する時短設定手段と、所定の終了条件の成立に応じて、前記時短状態を終了する終了手段とを備え、前記終了手段は、前記時短状態において前記普通判定が実行された回数である普通判定実行回数が第一規定回数に到達したことを少なくとも前記終了条件とし、前記報知演出実行手段によって前記報知演出が実行される間において、前記普通判定実行回数が前記第一規定回数に到達した場合に前記時短状態を終了することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る遊技機は、時短状態における普通判定実行回数が第一規定回数に到達したことを、時短状態を終了する終了条件の1つとする。よって、本発明に係る遊技機は、特別判定が実行されて報知演出の実行が開始された場合において時短状態が設定されていた場合、その報知演出が実行される間において普通判定実行回数が第一規定回数に到達したことに応じて時短状態を終了することができる。すなわち、本発明に係る遊技機は、報知演出が実行される間に遊技者が所定条件の成立を繰り返し得て、普通判定実行回数が第一規定回数に到達した場合には、時短状態を終了させることができる。したがって、本発明に係る遊技機は、当たり判定がなされた時点における遊技状態を、その後の遊技の進行具合に応じて変化させることができる。
【0008】
前記遊技機は、前記大入賞口に入賞した遊技球が通過することができる特定領域を備え、前記特別判定手段は、前記特別判定を実行することで、少なくとも小当たりの判定結果を導出し、前記特別遊技は、小当たり遊技と大当たり遊技とを含み、前記特別遊技実行手段は、前記特別判定によって前記小当たりの判定結果が導出された場合、当該小当たりの判定結果を報知する前記報知演出を実行した後に前記大入賞口を前記第四状態に作動する前記小当たり遊技を実行し、前記小当たり遊技において前記大入賞口に入賞した遊技球が前記特定領域を通過したことを少なくとも実行条件として、前記大入賞口を前記第四状態に作動する前記大当たり遊技を実行し、前記終了手段は、前記報知演出実行手段によって前記小当たりの判定結果を報知する前記報知演出が実行される間において、前記普通判定実行回数が前記第一規定回数に到達した場合に、前記時短状態を終了してもよい。
【0009】
この場合、遊技機は、小当たりの判定結果を報知する報知演出が実行される間において、普通判定実行回数が第一規定回数に到達したことに応じて時短状態を終了することができる。よって、遊技機は、特別判定が実行された場合における遊技状態を、その後の遊技の進行具合に応じて遊技状態を変化させることができる。
【0010】
前記終了条件は、前記時短状態において前記特別判定が実行された回数である特別判定実行回数が第二規定回数に到達したことを含み、前記時短設定手段は、前記大当たり遊技が終了することを前記設定条件として前記時短状態を設定し、前記遊技機は、遊技球が前記特定領域を通過した場合に、当該通過したことを前記実行条件として実行される前記大当たり遊技の終了後に設定される前記時短状態の前記第二規定回数を決定する決定手段を備えてもよい。
【0011】
遊技機は、時短状態において特別判定によって小当たりの判定結果が導出された場合であっても、その後に実行される小当たり遊技において遊技球が特定領域を通過するまでの間に普通判定実行回数が第一規定回数に到達するときには、時短状態を終了させる。このため、小当たりの判定結果が導出された場合には時短状態が設定されていても、その後に決定手段によって第二規定回数が決定される場合には時短状態が終了していることがある。遊技機は、遊技球が特定領域を通過した場合に時短状態の第二規定回数を決定するので、特別判定が実行された場合と遊技球が特定領域を通過した場合とで、時短状態が設定されているか否かが変化していることがある。このように、遊技機は、第二規定回数が決定される場合における遊技状態を、遊技の進行具合に応じて変化させることができる、斬新な遊技仕様を実現できる。
【0012】
前記決定手段は、遊技球が前記特定領域を通過した場合において前記時短状態が設定されていないときには、遊技球が前記特定領域を通過した場合において前記時短状態が設定されているときよりも大きな値を前記第二規定回数として決定してもよい。
【0013】
この場合、遊技機は、時短状態に導出された小当たりの判定結果を報知する報知演出が実行される間に、普通判定実行回数が第一規定回数に到達することに応じて時短状態が終了した場合には、時短状態に決定されるよりも大きな値を第二規定回数として決定することができる。よって、遊技機は、報知演出の実行中に遊技者に所定条件の成立を繰り返させること等によって普通判定実行回数を第一規定回数に到達させることで、小当たり遊技の終了後に設定される時短状態の性能を変化させられるといった、従来にない遊技性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】RAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。
【
図4】ROM53に記憶されている第二始動口開放パターン定義テーブルを示す概念図である。
【
図5】ROM53に記憶されている普通図柄変動時間決定テーブルを示す概念図である。
【
図6】ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。
【
図7】ROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図8】ROM53に記憶されている特
図2特殊変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図9】主制御基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。
【
図10】メイン処理において行われる普通図柄処理のフローチャートである。
【
図11】普通図柄処理において行われる普図遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図12】メイン処理において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図15】特別図柄処理において行われる特図遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図16】メイン処理において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図19】パチンコ機1における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図20】パチンコ機1における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図21】パチンコ機1における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図22】パチンコ機1における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図23】変形例のROM53に記憶されている第二始動口開放パターン定義テーブルを示す概念図である。
【
図24】変形例のROM53に記憶されている普通図柄変動時間決定テーブルを示す概念図である。
【
図25】変形例のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。
【
図26】変形例のROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図27】変形例における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図28】変形例における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図29】変形例における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図30】変形例における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【
図31】変形例における時短状態における遊技の流れ及び遊技状態の遷移を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。パチンコ機1は、特別図柄を備え、小当たり遊技において遊技球が後述する特定領域を通過することに起因して大当たり遊技を行う、いわゆる旧2種タイプの遊技機である。本願が開示する技術は、普通図柄及び特別図柄を備える遊技機であれば、旧2種タイプ、1種2種混合タイプ等、様々な遊技仕様の遊技機に適用できる。
【0016】
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技機枠30と遊技盤2とを備える。遊技機枠30は、前面枠31と、図示しない本体枠及び外枠を備える。外枠は、パチンコ機1をホールの島設備に固定するための枠部材である。本体枠は、遊技盤2等を取り付けるための枠体である。本体枠は、外枠に対して開閉可能に装着されている。前面枠31は、本体枠に対して開閉可能に装着されている。前面枠31には、図示しない透明板が着脱可能に固定されている。透明板は、例えばガラス板である。前面枠31は、透明板とともに遊技盤2を前方から覆う。
【0017】
前面枠31は、発射ハンドル32、上皿33、下皿34、演出ボタン35、演出レバー36、枠ランプ38及びスピーカ39を備える。発射ハンドル32は、前面枠31の右下部に設けられている。発射ハンドル32は、遊技者が回転操作をできるように構成されている。遊技者が発射ハンドル32を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、
図2に示す遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。上皿33は、前面枠31の中央下部に設けられている。上皿33は、遊技球発射装置37に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。下皿34は、上皿33の下方に設けられている。下皿34は、賞球を受ける。演出ボタン35は、上皿33の上面に設けられている。演出ボタン35は、遊技者が押下操作をできるように構成されている。演出レバー36は、前面枠31の左下部に設けられている。演出レバー36は、遊技者が左右方向への回転操作及び後方への押込操作をできるように構成されている。枠ランプ38は、前面枠31の上部、左部及び右部等に設けられる装飾部である。枠ランプ38は、LED等の光源を内蔵し、光を用いた各種の演出を実行する。スピーカ39は、前面枠31の上部の左右の角部に設けられている。スピーカ39は、音楽、音声、効果音等の各種の音を出力する。
【0018】
遊技盤2は正面視略正方形の板状である。遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、センター飾り21が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り21の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り21の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り21の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り21の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0019】
センター飾り21は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り21の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成される画像表示手段であり、数字・文字、様々な動画等を表示可能である。表示画面28は、報知演出を実行可能である。報知演出は、
図19に示す演出用の図柄である演出図柄100を変動させた後に、後述する大当たり判定の結果を示す演出図柄100の組合せを確定表示させる図柄変動を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。また、センター飾り21は、LED等の光源を有して構成される、
図2に示す盤ランプ27を内蔵している。センター飾り21は、盤ランプ27によって、光を用いた各種の演出を実行する。
【0020】
センター飾り21の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14は、後述する第一特別図柄の始動口として機能する。第一始動口14の右下方には、第一大入賞口16が設けられている。第一大入賞口16は、いわゆる特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。第一大入賞口16は、左右方向に長手方向を有して延び、第一大入賞口16の入口を開閉可能に構成された開閉部材161を備える。遊技球は、開閉部材161が開放された場合にのみ、第一大入賞口16に入賞することができる。第一大入賞口16の開閉部材161は、
図2に示す第一大入賞口ソレノイド70によって電気的に開閉される。第一大入賞口16の開閉部材161は、後述する大当たり遊技において開放する。
【0021】
第一大入賞口16の右上方には、第二大入賞口17が設けられている。第二大入賞口17も、いわゆる特別電動役物に係る入賞口として構成されている。第二大入賞口17は、左右方向に長手方向を有して延び、第二大入賞口17の入口を開閉可能に構成された開閉部材171を備える。遊技球は、開閉部材171が開放された場合にのみ、第二大入賞口17に入賞することができる。第二大入賞口17の開閉部材171は、
図2に示す第二大入賞口ソレノイド71によって電気的に開閉される。第二大入賞口17の開閉部材171は、後述する小当たり遊技において開放する。以下では、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を総称する場合、単に大入賞口という。
【0022】
第二大入賞口17の内部には、図示しない特定領域、非特定領域及び振分部材が設けられている。特定領域、非特定領域は、第二大入賞口17に入賞した遊技球のみが通過できる領域である。振分部材は、第二大入賞口17に入賞した遊技球を、特定領域又は非特定領域に振り分ける部材である。振分部材は、
図2に示す振分部材ソレノイド72によって電気的に作動される。振分部材ソレノイド72は、後述する小当たり遊技において、特定の駆動パターンで駆動する。本実施形態では、小当たり遊技状態において右打ちが継続的に行われた場合、第二大入賞口17に10個程度の遊技球が入賞する。振分部材ソレノイド72の特定の駆動パターンは、第二大入賞口17に入賞した10個程度の遊技球のうち少なくとも1個が特定領域を通過し、特定領域を通過しなかった残りの9個程度の遊技球が非特定領域を通過するように構成されている。本実施形態では、振分部材ソレノイド72の特定の駆動パターンは1種類である。なお、特定の駆動パターンは、例えば、特定領域への遊技球の通過が容易である第一パターンと、特定領域への遊技球の通過が第一パターンよりも困難な第二パターンとを含んで構成されてもよい。
【0023】
センター飾り21の右方には、遊技球が通過可能なゲート12が設けられている。ゲート12は、普通図柄の作動ゲートである。ゲート12の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15は、後述する第二特別図柄の始動口として機能する。第二始動口15は、いわゆる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口として構成されている。第二始動口15は、片羽根状であり、第二始動口15の入口を開閉可能に構成された開閉部材151を備える。遊技球は、開閉部材151が開放された場合にのみ、第二始動口15に入賞することができる。第二始動口15の開閉部材151は、
図2に示す第二始動口ソレノイド69によって電気的に開閉される。第二始動口15の開閉部材151は、後述する普通当たり遊技において開放される。なお、第二始動口15は、開閉部材151が閉鎖された状態で遊技球が入賞可能であって、開閉部材151が開放された状態では、開閉部材151が閉鎖された状態よりも遊技球が入賞容易に構成されていてもよい。
【0024】
遊技盤2の右下部には、図柄表示部29が設けられている。図柄表示部29は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LED等を備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、それぞれ、7セグメントLEDを含む複数個のLEDからなる。第一特別図柄表示部は、LEDを点滅表示すること等による変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第一特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第一特別図柄という。以下、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特
図1大当たり判定」という。第二特別図柄表示部は、第一特別図柄表示部と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第二特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第二特別図柄という。以下、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特
図2大当たり判定」という。以下では、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、単に特別図柄という。
【0025】
普通図柄表示部は、特別図柄の変動表示と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、遊技球がゲート12を通過することを契機として実行される普通当たり判定の結果を報知する。普通図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、普通図柄という。第一保留数表示LEDは、特
図1大当たり判定の実行が保留されている数である第一保留数を表示する。第二保留数表示LEDは、特
図2大当たり判定の実行が保留されている数である第二保留数を表示する。普通保留数表示LEDは、普通当たり判定の実行が保留されている数である普通保留数を表示する。
【0026】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、各種の装飾部材、その他の入賞口及び図示しない遊技くぎ等が設けられている。アウト口19は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口14、第二始動口15、第一大入賞口16、第二大入賞口17及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0027】
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一始動口14へ入賞しやすい。右打ちされた遊技球が第一始動口14へ入賞することは困難である。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、ゲート12、第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を通過又は入賞しやすい。左打ちされた遊技球がゲート12、第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を通過又は入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する時短状態、小当たり遊技状態及び大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
【0028】
図1を参照して、パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、小当たり遊技、大当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。小当たり遊技について説明する。小当たり遊技は、大当たり判定による判定結果が小当たりであることを示す特別図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に、第二大入賞口17の開閉部材171が所定時間開放状態にされることによって実行される。本実施形態において、第二大入賞口17は、小当たりであることを示す特別図柄が確定表示された場合に作動する大入賞口である。小当たり遊技は、大当たり遊技よりも大入賞口の開放時間が短く制限されており、一般に、大当たり遊技と比較して遊技者における有利度が小さい遊技である。大当たり判定によって小当たりであると判定された段階では、後述する条件装置は作動しない。条件装置が作動しない場合、後述する役物連続作動装置も作動しない。なお、小当たり遊技における第二大入賞口17の開閉部材171の1回の開放が、複数回の開放によって構成されることは妨げられない。
【0029】
本実施形態では、特
図1大当たり判定において小当たりであると判定される確率は、遊技状態に関わらず、約1/150である。特
図2大当たり判定において小当たりであると判定される確率は、遊技状態に関わらず、約1/10である。以下、大当たり判定において小当たりであると判定される確率を、「小当たり確率」という。小当たり確率は、任意に変更されてもよい。小当たり遊技が実行中である状態を、小当たり遊技状態という。大当たり判定の結果が小当たりであることを示す特別図柄を、小当たり図柄という。また、大当たり判定の結果がはずれであることを示す特別図柄を、はずれ図柄という。
【0030】
大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。役物連続作動装置とは、特別電動役物を連続して作動させるための装置である。本実施形態において、役物連続作動装置は、条件装置が作動した場合に作動する。小当たり遊技において開閉部材171が開放状態にされた第二大入賞口17に入賞した遊技球が、第二大入賞口17の内部の特定領域を通過すると、条件装置が作動する。条件装置の作動に伴い、役物連続作動装置が作動すると、小当たり遊技に引き続いて、特別電動役物に係る第一大入賞口16の開閉部材161が所定の開放パターンで開放されることが所定回数繰り返される、大当たり遊技が実行される。
【0031】
以下、大当たり遊技において第一大入賞口16の開閉部材161及び第二大入賞口17の開閉部材171が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。また、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、以下、「ラウンド数」という。また、条件装置及び役物連続作動装置が作動している状態、すなわち、大当たり遊技が実行中の状態を、大当たり遊技状態という。このように、大当たり判定において小当たりであると判定されたことに起因して小当たり遊技が実行され、遊技球が特定領域を通過して大当たり遊技が実行された場合には、先に実行された小当たり遊技が大当たり遊技の一部に含められる。この場合、小当たり遊技が1R目の大当たりラウンドとして遡って取り扱われ、1R分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。本実施形態では、ラウンド数は「4」又は「8」である。すなわち、パチンコ機1における大当たり遊技は、羽根物等のいわゆる旧2種タイプの遊技機における大当たり遊技と同様の大当たり遊技である。以下では、大当たり遊技及び小当たり遊技を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合に、「当たり遊技」という。
【0032】
パチンコ機1は、時短状態、小当たり遊技状態及び大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進行し、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進行することを遊技者に推奨する。通常状態において左打ちで遊技を進行し、第一始動口14へ遊技球が入賞することを契機として行われた特
図1大当たり判定によって小当たりであると判定されたことに起因して実行される大当たり遊技を、「初当たり遊技」ともいう。初当たり遊技が行われたことに応じて時短状態が設定され、その時短状態において右打ちで遊技を進行し、第二始動口15へ遊技球が入賞することを契機として行われた特
図2大当たり判定によって小当たりであると判定されたことに起因して実行される大当たり遊技を「連荘遊技」ともいう。
【0033】
普通当たり遊技について説明する。普通当たり遊技は、普通当たり判定の判定結果が当たりであることを示す普通図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に実行される。普通当たり判定は、ゲート12を遊技球が通過することを契機として行われる。普通当たり遊技は、普通電動役物に係る第二始動口15の開閉部材151が所定の開放パターンで開放されることによって実行される。
【0034】
パチンコ機1は、非時短状態及び時短状態のいずれかを設定する。非時短状態は、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が通常の頻度である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が高くなる遊技状態である。非時短状態及び時短状態における第二始動口15の開閉部材151の開放パターンの詳細については後述する。
【0035】
本実施形態では、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される。設定された時短状態は、所定の終了条件が満たされることで終了する。時短状態の終了条件の詳細については後述する。パチンコ機1は、これら非時短状態と時短状態との2種類の遊技状態を設定できる。以下では、非時短状態のことを「通常状態」ともいう。
【0036】
図2を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプ制御基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継端子板47及び電源基板42を主に備える。
【0037】
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41のCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。RAM52は、時短状態等の遊技状態を示すフラグ等の情報、大当たり判定の結果を示す情報、第一保留数、第二保留数等、遊技に関する処理のための遊技処理情報を記憶する。CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力する図示しないクロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
【0038】
また、主制御基板41には、RAMクリアスイッチ412が実装されている。RAMクリアスイッチ412は、RAMクリア処理を行う際に操作されるスイッチである。RAMクリア処理は、RAM52に記憶されている遊技処理情報を消去し、RAM52の初期設定を行うために行われる。なお、RAMクリアスイッチ412は、電源基板42に設けられても良い。RAMクリアスイッチ412は、主制御基板41、電源基板42等とは別に設けられる専用の基板に設けられてもよい。
【0039】
主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継端子板47、図柄表示部29、外部端子板55、第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62に接続している。図柄表示部29の表示制御は、CPU51によって行われる。外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。第一始動口スイッチ61は、第一始動口14に設けられており、第一始動口14への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口15に設けられており、第二始動口15への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0040】
サブ制御基板58は、各種の演算処理を行うCPU581、データを一時的に記憶するRAM582、制御プログラム等を記憶したROM583及びパチンコ機1における音出力を制御する音制御回路585を備える。サブ制御基板58は、ランプ制御基板46、演出制御基板43及びスピーカ39に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。
【0041】
ランプ制御基板46は、演出ボタン35、演出レバー36、枠ランプ38及び盤ランプ27に接続している。ランプ制御基板46は、図示しないLEDドライバ等を備える。ランプ制御基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、枠ランプ38及び盤ランプ27の発光動作等を制御する。演出ボタン35は押下操作をされた場合、押下操作をされたことを示す信号を出力する。演出レバー36は回転操作及び押込操作をされた場合、回転操作及び押込操作をされたことを示す信号を出力する。ランプ制御基板46は、演出ボタン35から受信した信号及び演出レバー36から受信した信号を、サブ制御基板58に中継する。
【0042】
演出制御基板43は、各種の演算処理を行うCPU431、表示画面28に対する画像出力を制御する画像制御回路435及び画像データを記憶するCGROM(図示略)等を備える。演出制御基板43は、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
【0043】
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
【0044】
中継端子板47は、第二始動口ソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、振分部材ソレノイド72、ゲートスイッチ74、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78及び非特定領域スイッチ79に接続している。第二始動口ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材151を開閉する。第一大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材161を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、小当たり遊技中に第二大入賞口17の開閉部材171を開閉する。振分部材ソレノイド72は、第二大入賞口17の内部の振分部材に設けられており、振分部材を特定の駆動パターンで駆動させる。ゲートスイッチ74は、ゲート12に設けられており、ゲート12への遊技球の通過を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に設けられており、第一大入賞口16への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。特定領域スイッチ78は、第二大入賞口17の内部の特定領域に設けられており、特定領域への遊技球の通過を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。非特定領域スイッチ79は、第二大入賞口17の内部の非特定領域に設けられており、非特定領域への遊技球の通過を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0045】
電源基板42は、主制御基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では約0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。電源基板42には、電源スイッチ421が設けられている。電源スイッチ421は、パチンコ機1の電源をON、OFFするために操作されるスイッチである。
【0046】
図3を参照して、RAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。特
図1大当たり関係情報記憶エリアは、
図12から
図14において後述するメイン処理の特別図柄処理において使用される。特
図1大当たり関係情報記憶エリアには、最大第一保留数に対応する複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態において、記憶可能な第一保留数の上限である最大第一保留数は「4」である。このため、特
図1大当たり関係情報記憶エリアには、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に第一保留数が4未満、すなわち0~3であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
【0047】
第一保留数は、第一始動口14へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、特
図1大当たり判定の実行、第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンの決定等が保留された状態で特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の個数である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数を、図示しない判定エリアにシフトする。判定エリアは、大当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアであり、特
図1大当たり判定と特
図2大当たり判定とで共通に用いられる。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について特
図1大当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数が、判定エリアにシフトされると、次の番号以降の記憶エリアに記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数が判定エリアに順次シフトされて、特
図1大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、特
図1大当たり判定の結果を報知する報知演出の決定、及び判定結果に応じて実行される大当たり遊技のラウンド数に関する処理等が含まれる。なお、判定エリアの乱数は、大当たり判定等の処理が終了した後に消去される。
【0048】
各記憶エリアには、大当たり乱数の値が記憶される特
図1大当たり乱数欄、特別図柄決定乱数の値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定乱数の値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。遊技球が第一始動口14へ入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。特
図1大当たり乱数欄に記憶される大当たり乱数は、特
図1大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数欄に記憶される特別図柄決定乱数は、第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数欄に記憶される変動パターン決定乱数は、図柄表示部29の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間等を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。特
図1大当たり乱数とともに取得されて特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。また、特
図1特別図柄の変動時間を、第一変動時間ともいう。この他、報知演出を後述するリーチ演出として行うか否かを決定するためのリーチ乱数等、上記以外の乱数が、遊技球が第一始動口14へ入賞することを契機として第一乱数として取得されてもよい。
【0049】
図示しないが、RAM52には、特
図2大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。特
図2大当たり関係情報記憶エリアも、メイン処理の特別図柄処理において使用される。本実施形態では、特
図2大当たり関係情報記憶エリアに、最大第二保留数に対応する4つの記憶エリアが設けられている。第二保留数は、第二始動口15へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、特
図2大当たり判定の実行、第二特別図柄の変動時間を示す第二変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている第二保留乱数の個数である。第二始動口15に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、特
図2大当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。特
図2大当たり関係情報記憶エリアには、特
図1大当たり関係情報記憶エリアと同様に、大当たり乱数の値が記憶される特
図2大当たり乱数欄、特別図柄決定乱数の値が記憶される第二特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定乱数の値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。
【0050】
CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、前述の判定エリアにシフトする。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について特
図2大当たり判定等の各種処理を行う。特
図2大当たり乱数とともに取得されて特
図2大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第二乱数ともいう。また、第二特別図柄の変動時間を、第二変動時間ともいう。
【0051】
以下の説明では、大当たり乱数のうち特
図1大当たり判定のために用いられるものを、特
図1大当たり乱数ともいう。大当たり乱数のうち特
図2大当たり判定のために用いられるものを、特
図2大当たり乱数ともいう。変動パターン決定乱数のうち第一変動パターンを決定するために用いられるものを、第一変動パターン決定乱数ともいう。変動パターン決定乱数のうち第二変動パターンを決定するために用いられるものを、第二変動パターン決定乱数ともいう。特別図柄決定乱数のうち第一特別図柄を決定するために用いられるものを、第一特別図柄決定乱数ともいう。特別図柄決定乱数のうち第二特別図柄を決定するために用いられるものを、第二特別図柄決定乱数ともいう。
【0052】
パチンコ機1において、第一変動時間及び第二変動時間は、特
図1大当たり判定及び特
図2大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主制御基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。主制御基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄100の図柄変動の開始を制御する。主制御基板41は、第一変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄を、所定の特別図柄確定表示時間の間、確定表示させる。本実施形態において、特別図柄確定表示時間は0.8秒である。また、主制御基板41は、第二特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第二特別図柄を、所定の特別図柄確定表示時間の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄確定表示時間に同期して、演出図柄100を所定の確定図柄で確定表示させることで、演出図柄100の図柄変動を終了させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄100による他、表示画面28、盤ランプ27、枠ランプ38、スピーカ39等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出の実行を制御する。以下では、第一特別図柄の変動時間と同期した報知演出を、第一報知演出という。第二特別図柄の変動時間と同期した報知演出を、第二報知演出という。
【0053】
なお、図示しないが、RAM52には、ゲート12を遊技球が通過することを契機として取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、特
図1大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアには、記憶可能な普通保留数の上限である最大普通保留数「4」に対応する4つの記憶エリアが設けられている。記憶エリアには、普通当たり乱数の値が記憶される普通当たり乱数欄、普通図柄決定乱数の値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。
【0054】
図4を参照して、ROM53に記憶されている第二始動口開放パターン定義テーブルについて説明する。第二始動口開放パターン定義テーブルは、普通当たり遊技における第二始動口15の開閉部材151の開放パターンを、通常状態及び時短状態のそれぞれについて定義する。
図4に示すように、通常状態における第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、0.060秒の1回の開放である。通常状態における第二始動口15の開放時間は非常に短い。よって、遊技者は、通常状態に実行される普通当たり遊技において、第二始動口15へ遊技球を入賞させることは困難である。この状態において遊技球の右打ちが継続された場合には、遊技球が第一始動口14へも第二始動口15へも入賞し難い状態が継続することとなる。したがって、通常状態は、遊技球が第一始動口14へ入賞するように、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。
【0055】
図4に示すように、時短状態における第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、0.50秒の1回の開放である。時短状態における開閉部材151の開放時間は、通常状態における開放時間よりも長い。したがって、遊技者は、時短状態において右打ちをすることによって、時短状態において第二始動口15に遊技球を非常に容易に入賞させることができる。すなわち、時短状態は、遊技球が第二始動口15へ入賞するように、右打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。通常状態及び時短状態のいずれにおいても、開閉部材151が開放している間に所定の個数(第一実施形態において、9個)の遊技球が第二始動口15へ入賞したときには、開閉部材151は閉鎖する。なお、普通当たり判定において当たりであると判定される確率を、以下では「普通当たり確率」という。普通当たり判定によって導出される当たりの判定結果を、大当たり判定によって導出される判定結果特別するため、「普通当たり」ともいう。パチンコ機1において、普通当たり確率は、通常状態及び時短状態のいずれにおいても約1/11である。
【0056】
主制御基板41のCPU51は、
図9で後述する普通図柄処理において普通当たり判定を実行する。また、普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合には、
図9で後述する普通電動役物処理において第二始動口開放パターン定義テーブルを参照して第二始動口15の開閉部材151を開放させる。これによって、主制御基板41のCPU51は、各遊技状態に応じた開放パターンで普通当たり遊技を実行する。
【0057】
なお、パチンコ機1は、第二始動口15の開放パターン及び普通図柄の変動時間を、通常状態における第二始動口15の開放パターン及び普通図柄の変動時間から変更することによって時短状態を設けている。時短状態は、非時短状態に対して普通当たり確率を変更することによって設けられてもよい。すなわち、時短状態は、非時短状態に対して普通当たり確率、第二始動口15の開放パターン又は普通図柄の変動時間の少なくともいずれかを変更することによって設けられればよい。
【0058】
図5を参照して、ROM53に記憶されている普通図柄変動時間決定テーブルについて説明する。普通図柄変動時間決定テーブルは、普通当たり判定による判定結果と、普通当たり判定が実行される時点における遊技状態とに応じて、普通図柄の変動時間を定義する。通常状態においては、普通当たり判定による判定結果が普通当たり及びはずれのいずれも普通図柄の変動時間は20秒に定義されている。時短状態においては、普通当たりの場合の普通図柄の変動時間は0.5秒であり、はずれの場合の普通図柄の変動時間は1.0秒である。
【0059】
なお、前述したように、時短状態において普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合、第二始動口15の開閉部材151が0.50秒の1回の開放を行うことによって普通当たり遊技が行われる。よって、時短状態において普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合、0.5秒の普通図柄の変動が行われた後に第二始動口15の開閉部材151が0.50秒の1回の開放を行う。すなわち、普通図柄の変動とその後の普通当たり遊技との双方が行われる所要時間は約1.0秒である。また、時短状態において普通当たり判定によってはずれの判定結果が導出された場合の普通図柄の変動時間は1.0秒である。したがって、本実施形態では、時短状態において右打ちが継続される場合、普通図柄の変動が約1秒毎に繰り返される。
【0060】
図6を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、特
図1大当たり判定の結果を示す第一特別図柄と、特
図2大当たり判定の結果を示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄は、「特1小当たり」の図柄名称の1種類の小当たり図柄を備える。第二特別図柄は、「特2小当たり」の図柄名称の1種類の小当たり図柄を備える。なお、大当たり判定の結果がはずれである場合には、所定のはずれ図柄が決定される。また、第一特別図柄及び第二特別図柄が、複数種類の小当たり図柄を備えてもよい。
【0061】
特別図柄決定テーブルは、「特1小当たり」及び「特2小当たり」のそれぞれの小当たり図柄に、大入賞口開放パターンを対応付けている。大入賞口開放パターンは、小当たり遊技における第二大入賞口17の開放パターンを定義している。「特1小当たり」及び「特2小当たり」のいずれの小当たり図柄についても、小当たり遊技における第二大入賞口17の開放パターンは、1.5秒の1回の開放である。この開放パターンで行われる小当たり遊技において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が、第二大入賞口17の内部に設けられる特定領域を通過した場合、前述したように、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が行われる。大入賞口開放パターンは、この大当たり遊技における第一大入賞口16の開放パターンも定義している。「特1小当たり」及び「特2小当たり」のいずれの小当たり図柄についても、大当たり遊技における第一大入賞口16の開放パターンは、28.0秒の1回の開放である。
【0062】
また、特別図柄決定テーブルは、「特1小当たり」及び「特2小当たり」のそれぞれの小当たり図柄に、大当たりラウンドのラウンド数も対応付けている。小当たり図柄に対応付けられたラウンド数は、小当たり遊技の実行中に第二大入賞口17に入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過することで、大当たり遊技状態が生起された場合に実行される大当たり遊技のラウンド数である。なお、小当たり図柄に対応する小当たり遊技が実行されたが、第二大入賞口17へ入賞した遊技球が非特定領域のみを通過し、特定領域を通過せず大当たり遊技状態が生起されなかった場合には、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技は実行されない。「特1小当たり」に対応付けられるラウンド数は「4」であり、「特2小当たり」に対応付けられるラウンド数は「8」である。前述したように、小当たり遊技が実行されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合、小当たり遊技は、1R目の大当たりラウンドとして遡って取り扱われる。
【0063】
特別図柄決定テーブルは、「時短条件」欄を設け、小当たり図柄が決定され、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が行われた場合に、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態及び設定された遊技状態が終了する終了条件も、小当たり図柄に対応付けている。本実施形態では、「特1小当たり」及び「特2小当たり」のいずれが決定されて、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が行われた場合にも、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される。設定された時短状態は、小当たり図柄に応じて定義されている終了条件が満たされることによって終了し、その後は通常状態が設定される。なお、小当たり遊技が行われた場合に、その小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過しなかったときには、小当たり遊技の終了後に時短状態は設定されない。
【0064】
パチンコ機1では、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した場合に設定されている遊技状態に応じて、その小当たり遊技に引き続いて実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件が決定される。すなわち、パチンコ機1が時短状態を設定する場合に、その時短状態の終了条件をいずれに決定するかの判断時は、小当たり遊技において遊技球が特定領域を通過した時点である。終了条件は、「特図合計判定回数」、「特
図2判定回数」及び「普図判定回数」のいずれかが所定回数に到達することから構成されている。「特図合計判定回数」、「特
図2判定回数」及び「普図判定回数」のいずれかが所定回数に到達した場合、設定されている時短状態が終了する。
【0065】
「特図合計判定回数」は、時短状態における特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計である。「特
図2判定回数」は、時短状態における特
図2大当たり判定の実行回数である。時短状態は右打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態であるので、パチンコ機1は、特
図2大当たり判定の実行回数が所定回数に到達することを時短状態の終了条件として設けている。一方、「特
図2判定回数」が所定回数に到達することだけが時短状態の終了条件である場合、遊技者が時短状態において左打ちで遊技を進行したときには特
図2大当たり判定の実行回数が所定回数に到達せず、時短状態の終了契機が生じないこととなる。これを回避するため等の理由で、パチンコ機1は、特図合計判定回数が所定回数に到達することも、時短状態の終了条件として設けている。また、「普図判定回数」は、時短状態における普通当たり判定の実行回数である。
【0066】
「特1小当たり」については、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態及び時短状態のいずれであっても、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態は、「特図合計判定回数」が「15」回、「特
図2判定回数」が「10」回、「普図判定回数」が「100」回のいずれかに到達することによって終了することが対応付けられている。
【0067】
一方、「特2小当たり」については、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態の場合、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態は、「特図合計判定回数」が「25」回、「特
図2判定回数」が「20」回、「普図判定回数」が「100」回のいずれかに到達することによって終了することが対応付けられている。また、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が時短状態の場合、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態は、「特図合計判定回数」が「15」回、「特
図2判定回数」が「10」回、「普図判定回数」が「100」回のいずれかに到達することによって終了することが対応付けられている。
【0068】
すなわち、パチンコ機1は、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態の場合、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件となる「特
図2判定回数」を、時短状態の場合の「特
図2判定回数」よりも多い回数に定義していることが特徴である。時短状態の終了条件となる「特図合計判定回数」、「特
図2判定回数」及び「普図判定回数」の示す各回数は、遊技仕様の設計者の所望に応じて任意に変更されてよい。一方、任意に変更される「特
図2判定回数」の示す回数は、上記の特徴を有するように、時短状態において決定される回数よりも、通常状態において決定される回数の方が多い回数にされることが好ましい。本実施形態では、パチンコ機1は、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態の場合、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件となる「特図合計判定回数」を、時短状態の場合の「特図合計判定回数」よりも多い回数に定義している。パチンコ機1は、少なくとも、「特
図2判定回数」について、小当たり遊技において遊技球が特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態の場合に、小当たり遊技において遊技球が特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態の場合よりも多い回数に定義することが好ましい。
【0069】
なお、本実施形態において、時短状態において「特図合計判定回数」が15回に到達した場合、時短状態において15回目に実行された特
図1大当たり判定又は特
図2大当たり判定の結果を報知する第一特別図柄又は第二特別図柄の変動が終了したときに、設定されている時短状態が終了する。時短状態において「特
図2判定回数」が10回に到達した場合、時短状態において10回目に実行された特
図2大当たり判定の結果を報知する第二特別図柄の変動が終了したときに、設定されている時短状態が終了する。時短状態において「普図判定回数」が100回に到達した場合、時短状態において100回目に実行された普通当たり判定の結果を報知する普通図柄の変動が終了したときに、設定されている時短状態が終了する。
【0070】
上記した時短状態の終了条件が満たされた場合の時短状態の終了タイミングは一例である。したがって、この他、時短状態において「特図合計判定回数」が15回に到達した場合、15回目の大当たり判定が実行された時点に、設定されている時短状態が終了しても良い。又は、時短状態において「特図合計判定回数」が15回に到達した場合、時短状態において15回目に実行された大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されたときには、導出された判定結果に応じて実行される小当たり遊技が終了する時点に、設定されている時短状態が終了しても良い。時短状態において「特
図2判定回数」が15回に到達した場合についても同様である。また、時短状態において「普図判定回数」が100に到達した場合、100回目の普通当たり判定が実行された時点に、設定されている時短状態が終了しても良い。又は、「普図判定回数」が100回に到達した場合、時短状態において100回目に実行された普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出されたときには、導出された判定結果に応じて実行される普通当たり遊技が終了する時点に、設定されている時短状態が終了しても良い。
【0071】
図7及び
図8を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブル及び特
図2特殊変動パターン決定テーブルについて説明する。
図7に示す特別図柄変動パターン決定テーブルは、大当たり判定による判定結果及び変動パターンが決定される時点における遊技状態に応じて、テーブルを複数に区分して設けている。複数のテーブルのそれぞれには、1又は複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンに変動パターン決定乱数の値(0~511)及び特別図柄の変動時間が対応付けられている。本実施形態では、第一変動パターン及び第二変動パターンのいずれを決定する場合においても、特別図柄変動パターン決定テーブルが共通して参照される。
【0072】
大当たり判定が行われた場合、その時点の遊技状態と大当たり判定による判定結果とに応じたテーブル区分が参照され、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。通常状態における大当たり判定の判定結果が小当たりの場合、「リーチ演出A」から「リーチ演出D」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。本実施形態では、「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄100のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、小当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合、「リーチ演出A」から「リーチ演出D」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、特
図1大当たり判定の結果が小当たりとなる期待度は、「リーチ演出A」から「リーチ演出D」の順に高くなる。
【0073】
なお、本実施形態において、「非リーチ演出A」等の「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく終了する報知演出である。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。「非リーチ」の第一変動パターンは、第一特別図柄の変動開始時における第一保留数に応じて、第一変動時間が変動する。
図7において、保留数「0」は、第一保留数が「0」の状態において遊技球が第一始動口14へ入賞したことを契機として第一特別図柄が変動を開始する場合を示す。保留数「1」、「2」又は「3」は、第一保留数が「1」、「2」又は「3」である状態において、第一乱数に基づいて第一特別図柄が変動を開始する場合を示す。
【0074】
遊技状態が時短状態である場合においても、通常状態の場合と同様に、大当たり判定による判定結果に応じて、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。本実施形態では、時短状態における大当たり判定の判定結果が小当たりの場合、「小当たり変動A」、「小当たり変動B」又は「小当たり変動C」のうちいずれかの変動パターンが決定される。「小当たり変動A」には5秒、「小当たり変動B」には6秒、「小当たり変動C」には120秒の変動時間が対応付けられている。「小当たり変動C」の120秒の変動時間は、「小当たり変動C」の変動パターンに基づいて実行される特別図柄の変動中に、普通図柄が100回の変動を実行することが可能となるような時間として設けられている。時短状態における大当たり判定の判定結果が小当たりの場合に「小当たり変動A」、「小当たり変動B」又は「小当たり変動C」が決定される割合はそれぞれ約1/3であるが、この割合は任意に変更されてよい。また、時短状態における大当たり判定の判定結果がはずれの場合、「はずれ変動A」又は「はずれ変動B」のうちいずれかの変動パターンが決定される。「はずれ変動A」には5秒、「はずれ変動B」には6秒の変動時間が、それぞれ対応付けられている。
【0075】
主制御基板41は、決定した変動パターンに応じて定められている変動時間だけ、第一特別図柄又は第二特別図柄を変動させる。また、主制御基板41は、変動パターンが決定されると、変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じて、報知演出を制御する。
【0076】
図8に示す特
図2特殊変動パターン決定テーブルは、時短状態において記憶された第二保留乱数に対応する第二報知演出のための第二変動パターンを、時短状態が終了した後に設定される通常状態において決定するために設けられている。時短状態において記憶され、時短状態が終了した後に設定される通常状態において特
図2大当たり判定等が実行される第二保留乱数を、以下、「残保留」という。詳細は後述するが、本実施形態では、特
図2大当たり判定によって小当たりと判定されたことに応じて小当たり遊技が実行される時点が通常状態である場合には、小当たり遊技が実行される時点が時短状態である場合よりも、その後に時短状態が長く設定されやすい。通常状態に小当たりと判定される場合、その小当たりの判定結果に対応して実行される小当たり遊技も通常状態に行われる。パチンコ機1は、残保留に基づいて通常状態に実行される第二報知演出を特定の変動パターンに基づくものとするため、特
図2特殊変動パターン決定テーブルを設けている。残保留の最大数は、最大第二保留数と同じ「4」である。CPU51は、時短状態の終了後に残保留に対して特
図2大当たり判定が順次実行されることに伴って実行される最大4回の第二報知演出の変動パターンを、特
図2特殊変動パターン決定テーブルを参照して決定する。
【0077】
特
図2特殊変動パターン決定テーブルは、小当たりの判定結果には「復活成功演出」、はずれの判定結果には「復活失敗演出」のそれぞれの変動パターンを対応付けている。「復活成功演出」及び「復活失敗演出」のそれぞれに定義される変動時間は10秒である。「復活成功演出」に対応する第二報知演出は、小当たりの判定結果を報知し、その後に実行される小当たり遊技において遊技球が特定領域を通過した場合には再び時短状態に復帰できることを示す内容で構成される。「復活失敗演出」は、小当たりの判定結果が得られず、時短状態に復活できないことを報知する内容で構成される。なお、これらの第二報知演出の内容は一例であるので、その内容は任意に変更可能である。例えば、「復活成功演出」及び「復活失敗演出」のそれぞれに定義される変動時間は同じであっても異なってもよい。
【0078】
図9から
図18を参照して、パチンコ機1の主制御基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。
図9に示す制御プログラムのメイン処理は、電源スイッチ421がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONになると、CPU51において実行が開始される。その後は、CPU51は、
図2に示す割込信号発生回路57が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、メイン処理を実行する。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0079】
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。メイン処理では、稼働中フラグ、小当たり遊技状態フラグ、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ及び時短フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される遊技処理情報である。稼働中フラグは、パチンコ機1が稼働中であるかを示すフラグである。稼働中フラグは、電源スイッチ421がOFF状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がOFFにされるときに「OFF」になる。稼働中フラグは、電源スイッチ421がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONにされるときに実行される後述する電源投入時処理(S2)の実行に伴って「ON」になる。以下では、メイン処理のうち、稼働中フラグが「ON」の場合に実行されるS11からS20の処理を、稼働中処理ともいう。
【0080】
小当たり遊技状態フラグは、小当たり遊技状態であるかを示すフラグであり、小当たり遊技状態に「1」が記憶されて「ON」になり、小当たり遊技状態でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態に「ON」になり、大当たり遊技状態でない場合に「OFF」になる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が確定表示されている場合(確定表示中)に「2」、いずれも変動中でも確定表示中でもない場合に「0」が記憶される。確変フラグは、確変状態であるかを示すフラグであり、確変状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非確変状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。時短フラグは、時短状態であるかを示すフラグであり、時短状態が設定される場合に「1」が記憶されて「ON」になり、時短状態が終了する場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0081】
メイン処理が開始されると、CPU51は、稼働中フラグが「ON」であるかを判断する(S1)。パチンコ機1の電源がONにされた直後は稼働中フラグが「OFF」である。稼働中フラグが「OFF」の場合(S1:NO)、電源投入時処理が実行される(S2)。
【0082】
電源投入時処理では、CPU51は、電源投入に伴う初期化処理を実行する。具体的には、CPU51は、サブ制御基板58等が動作可能な状態になるのを待つためのウエイト処理、RAM52に対する遊技処理情報の書き込み及び読み出しを可能とするための、RAM52へのアクセス許可設定等を実行する。また、CPU51は、電源スイッチ421がON状態に操作されてパチンコ機1の電源がOFFからONに切り替わったときに、RAMクリアスイッチ412がON状態になっている場合には、RAMクリア処理を実行する。RAMクリア処理では、RAM52の使用領域に記憶されている遊技処理情報がクリアされ、所定の初期値がRAM52に記憶される等のRAM52の初期設定が行われる。RAMクリア処理が行われることによって、RAM52に記憶される小当たり遊技状態フラグ、大当たり遊技状態フラグ及び時短フラグ等の各種のフラグが「OFF」になる。
【0083】
RAM52には、普図時短回数カウンタ、特図合計判定回数カウンタ、特
図2判定回数カウンタ、時短終了後判定回数カウンタ等の各種のカウンタが設けられる。普通時短回数カウンタは、前述の普図判定回数を計数するカウンタである。特図合計判定回数カウンタは、前述の特図合計判定回数を計数するカウンタである。特
図2判定回数カウンタは、前述の特
図2判定回数を計数するカウンタである。時短終了後判定回数カウンタは、時短終了後判定回数を計数するカウンタである。時短終了後判定回数とは、特図合計判定回数、特
図2判定回数又は普図判定回数のいずれかが達成されたことに応じて時短状態が終了した後に設定される通常状態における特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計回数である。RAMクリア処理が行われることによって、これらのカウンタに記憶される値が「0」にクリアされる。CPU51は、電源投入時処理の終了時に稼働中フラグを「ON」にし、メイン処理を終了する。
【0084】
次の割込信号でメイン処理が開始されると、稼働中フラグが「ON」であるので(S1:YES)、CPU51は、スイッチ読込処理を実行する(S11)。スイッチ読込処理では、
図2で示したゲートスイッチ74,第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78、非特定領域スイッチ79及びその他の入賞口に設けられた各スイッチの検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。RAM52は、各スイッチに対応するフラグを記憶する。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」になる。
【0085】
次いで、CPU51は、カウンタ更新処理を実行する(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタ及び特別図柄確定表示時間を計測するための特別図柄確定表示時間カウンタの値が減算される。
【0086】
次いで、CPU51は、特別電動役物処理を実行する(S13)。詳細は
図16を参照して後述するが、特別電動役物処理では、小当たり遊技及び大当たり遊技の動作を制御するための処理、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態に関する処理等が行われる。小当たり遊技とは、主に、小当たり遊技における第二大入賞口17の開閉部材171の開閉動作である。大当たり遊技の動作とは、主に、大当たり遊技における第一大入賞口16の開閉部材161の開閉動作である。
【0087】
次いで、特別図柄処理が行われる(S15)。詳細は
図12から
図14を参照して後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定及び特図遊技状態移行処理等が行われる。
【0088】
次いで、CPU51は、普通電動役物処理を実行する(S16)。普通電動役物処理では、普通当たり判定の結果が当たりとなった場合に、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる。前述したように、CPU51は、時短状態が設定されている場合、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度を非時短状態よりも高くする。
【0089】
次いで、CPU51は、普通図柄処理を実行する(S17)。詳細は
図10を参照して後述するが、普通図柄処理では、ゲートスイッチ74が遊技球の通過を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの生成等の処理が行われる。
【0090】
次いで、CPU51は、払出処理(S18)、エラーチェック(S19)及び情報出力処理(S20)を実行し、メイン処理を終了する。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」にされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ39等を用いてエラーを報知するためのコマンドが、サブ制御基板58に送信される。情報出力処理では、外部端子板55を介して、前述の遊技場管理用コンピュータに対して各種の情報が出力される。
【0091】
図10を参照して、
図9のS17で示した普通図柄処理の詳細について説明する。普通図柄処理で使用されるフラグについて説明する。普通図柄処理では、普通当たり遊技中フラグ、普通図柄変動フラグ等が使用される。普通当たり遊技中フラグは、普通当たり遊技中であるかを示すフラグであり、普通当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」になり、普通当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。普通図柄変動中フラグは、普通図柄が変動中であるかを示すフラグであり、普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」になり、普通図柄の非変動中に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0092】
普通図柄処理が開始されると、CPU51は、遊技球がゲート12を通過したかを判断する(S21)。ゲートスイッチ74が遊技球の通過を検知すると、
図9のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理においてゲートスイッチ74に対応するフラグが「ON」にされる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、遊技球がゲート12を通過していないと判断し(S21:NO)、処理をS26の判断へ移行する。
【0093】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、遊技球がゲート12を通過したと判断し(S21:YES)、普通保留数が「4」であるかを判断する(S22)。RAM52は、普通保留数を記憶する普通保留数記憶エリアを備える。普通保留数記憶エリアに記憶されている普通保留数が「4」である場合(S22:YES)、普通保留数が最大普通保留数に達しているため、CPU51は、処理をS26の判断へ移行する。普通保留数記憶エリアに記憶されている普通保留数が「4」でない場合(S22:NO)、CPU51は、普通保留数記憶エリアに記憶されている普通保留数に「1」を加算する(S23)。CPU51は、普通当たり乱数等を取得し、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリアのうち番号が最も小さい記憶エリアに、取得した普通当たり乱数等の各乱数値を記憶する(S25)。
【0094】
CPU51は、普通当たり遊技中であるかを判断する(S26)。普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合、CPU51は、普通当たり遊技中であると判断し(S26:YES)、処理をメイン処理へ戻す。普通当たり遊技フラグが「OFF」である場合、CPU51は、普通当たり遊技中でないと判断し(S26:NO)、普通図柄が変動中であるかを判断する(S28)。普通図柄変動中フラグが「OFF」である場合、CPU51は、普通図柄が変動中でないと判断し(S28:NO)、普通保留数が「1」以上であるかを判断する(S29)。RAM52の普通保留数記憶エリアに記憶されている普通保留数が「0」である場合(S29:NO)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0095】
普通保留数が「1」以上である場合(S29:YES)、CPU51は、普通保留数記憶エリアに記憶されている普通保留数を「1」減算する(S31)。CPU51は、普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている普通当たり乱数等の各乱数値を、普通当たり判定を行う乱数を格納するためにRAM52に設けられている普通判定エリアにシフトする(S32)。また、CPU51は、普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている普通当たり乱数等の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0096】
CPU51は、普通当たり判定処理を実行する(S33)。図示しないが、ROM53は、普通当たり判定を行うための普通当たり判定テーブルを記憶している。普通当たり判定テーブルは、「普通当たり」及び「はずれ」にそれぞれ対応する普通当たり乱数の乱数値が定義されている。本実施形態では、普通当たりに対応する乱数値は、普通当たり確率が約1/11となるように定義されている。CPU51は、普通当たり判定テーブルを参照して、S32で普通判定エリアにシフトされた普通当たり乱数が「普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の普通当たり乱数に基づく普通当たり判定が、普通当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0097】
CPU51は、S33で導出された普通当たり判定の結果に応じた普通図柄を決定する(S35)。S35の処理では、CPU51は、S32で判定エリアにシフトされた普通図柄決定乱数の値に応じて、普通当たり又ははずれの判定結果を示す普通図柄を決定する。決定された普通図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。
【0098】
CPU51は、
図6で示した普通図柄変動時間決定テーブルを参照して、現時点に通常状態又は時短状態のいずれが設定されているかと、普通当たり判定結果とに応じて、普通図柄の変動時間を決定する。CPU51は、時短フラグの状態を参照して、現時点に時短状態が設定されているかを把握する。CPU51は、決定した普通図柄の変動時間を指定するための変動時間指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S36)。RAM52のコマンドバッファにセットされたコマンドは、コマンドバッファにセットされた順に、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継端子板47等に送信される。なお、前回実施されたメイン処理においてコマンドバッファにセットされたコマンドをサブ制御基板58等へ送信するコマンド送信処理が、メイン処理に設けられていてもよい。この場合、コマンド送信処理によって、コマンドバッファにセットされたコマンドがコマンドバッファにセットされた順に、メイン処理の1割込毎にサブ制御基板58等へ送信されてもよい。
【0099】
CPU51は、S36で決定された普通図柄の変動時間を、普通図柄変動時間カウンタに記憶する(S38)。CPU51は、普通図柄変動フラグを「ON」にして(S39)、処理をメイン処理へ戻す。
【0100】
また、CPU51は、S28において普通図柄が変動中であると判断した場合(S28:NO)、普通図柄の変動時間が経過したかを判断する(S41)。この判断は、S38において記憶された普通図柄変動時間カウンタの値に応じて行われる。CPU51は、普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断して(S41:NO)、処理をメイン処理へ戻す。
【0101】
CPU51は、普通図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には普通図柄の変動時間が経過したと判断し(S41:YES)、普通図柄停止コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S42)。普通図柄停止コマンドは、普通図柄の変動を停止することを図柄表示部29及びサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた普通図柄停止コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信され、図柄表示部29における普通図柄の変動停止を指示し、また、サブ制御基板58のCPU581に普通図柄の変動停止を通知する。CPU51は、普通図柄変動フラグを「OFF」にする(S43)。
【0102】
CPU51は、S33で行った普通当たり判定の結果が普通当たりであるかを判断する(S45)。この判断は、S35においてRAM52に記憶された普通図柄の内容を示す情報を参照することによって行われる。普通当たり判定の結果が普通当たりである場合(S45:YES)、CPU51は、普通当たり遊技中フラグを「ON」にして(S46)、処理をS48へ移行する。普通当たり判定の結果がはずれである場合(S45:NO)、CPU51は、処理をS48へ移行する。CPU51は、普図遊技状態移行処理を実行して(S48)、処理をメイン処理へ戻す。
【0103】
図11を参照して、
図10のS48で示した普図遊技状態移行処理の詳細について説明する。普図遊技状態移行処理では、時短状態において普通当たり判定が実行された回数、すなわち普図判定回数が所定の回数に到達した場合に、時短状態を終了させるための処理が行われる。本実施形態において、所定の回数は、前述したように100回である。普図遊技状態移行処理では、計数中フラグ等が使用される。計数中フラグは、時短終了後判定回数カウンタによって前述の時短終了後判定回数の計数が行われていることを示すためのフラグである。計数中フラグは、計数が行われている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、計数が行われていない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0104】
普図遊技状態移行処理が開始されると、CPU51は、時短状態が設定されているかを判断する(S51)。CPU51は、時短フラグが「OFF」である場合には時短状態ではなく通常状態が設定されていると判断して(S51:NO)、処理を普通図柄処理へ戻す。CPU51は、時短フラグが「ON」である場合には時短状態が設定されていると判断して(S51:YES)、普図判定回数カウンタの値を「1」減算する(S52)。詳細は後述するが、普図判定回数カウンタには、特別電動役物処理において大当たり遊技状態を終了させるための処理が行われる際に、時短状態の終了条件である普図判定回数の「100」がセットされる。
【0105】
CPU51は、普図判定回数カウンタの値が「0」であるかを判断する(S53)。普図判定回数カウンタの値が「0」でない場合(S53:NO)、CPU51は、処理を普通図柄処理へ戻す。CPU51は、遊技の状態をサブ制御基板58に通知するための遊技状態コマンドを生成する。時短状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、時短状態終了通知という。普図判定回数カウンタの値が「0」である場合(S53:YES)、CPU51は、時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S55)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、時短フラグを「OFF」にする(S56)。
【0106】
CPU51は、時短状態の終了に伴い、時短終了後判定回数カウンタに、残保留の最大個数に対応する「4」をセットする(S58)。CPU51は、計数中フラグを「ON」にして(S59)、処理を普通図柄処理へ戻す。
【0107】
図12から
図14を参照して、
図9のS15で示した特別図柄処理の詳細について説明する。特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。特別図柄処理では、前述の小当たり遊技状態フラグ、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ及び時短フラグ等が使用される。
【0108】
図12に示すように、特別図柄処理が開始されると、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞したかを判断する(S61)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検知すると、
図9のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」にされる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞していないと判断し(S61:NO)、処理をS71の判断へ移行する。
【0109】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞したと判断し(S61:YES)、第一保留数が「4」であるかを判断する(S63)。RAM52は、第一保留数を記憶する第一保留数記憶エリアを備える。第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「4」である場合(S63:YES)、第一保留数が最大第一保留数に達しているため、CPU51は、処理をS71の判断へ移行する。第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「4」でない場合(S63:NO)、CPU51は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に「1」を加算する(S65)。CPU51は、第一乱数を取得し、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち番号が最も小さい記憶エリアに、取得した第一乱数の各乱数値を記憶する(S66)。具体的には、特
図1大当たり乱数欄には大当たり乱数の乱数値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一図柄決定乱数の乱数値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数の乱数値が、それぞれ記憶される。
【0110】
次いで、CPU51は、S66で取得された第一乱数に関する情報である第一保留情報を参照する(S68)。CPU51は、参照した情報をサブ制御基板58へ通知するための第一保留情報コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S69)。第一保留情報は、S66で取得及び記憶された第一乱数について大当たり判定等の処理がなされる前に、その第一乱数を参照することによって得られる情報であり、いわゆる先読み情報である。本実施形態において、第一保留情報は、第一保留乱数に含まれる特
図1大当たり乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数に基づく情報である。第一乱数が前述のリーチ乱数等を含む場合には、第一保留情報は、それらの乱数を参照して得られる情報も含む。第一保留情報コマンドは、第一乱数に関する先読み情報に加えて、第一保留数を示す情報を含んで生成される。第一保留数を示す情報は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に基づく。
【0111】
CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞したかを判断する(S71)。第二始動口スイッチ62が遊技球の入賞を検知すると、
図9のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第二始動口スイッチ62に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞していないと判断し(S71:NO)、処理を
図13に示すS81の判断へ移行する。
【0112】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞したと判断し(S71:YES)、第二保留数が「4」であるかを判断する(S72)。RAM52は、第二保留数を記憶する第二保留数記憶エリアを備える。第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「4」である場合(S72:YES)、第二保留数が最大第二保留数に達しているため、CPU51は、処理をS81の判断へ移行する。第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「4」でない場合(S72:NO)、CPU51は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数に「1」を加算する(S75)。CPU51は、第二乱数を取得し、第二大当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに、取得した第二乱数の各乱数値を記憶する(S76)。具体的には、特
図2大当たり乱数欄には特
図2大当たり乱数の乱数値が、第二特別図柄決定乱数欄には第二特別図柄決定乱数の乱数値が、第二変動パターン決定乱数欄には第二変動パターン決定乱数の乱数値が、それぞれ記憶される。
【0113】
次いで、CPU51は、S76で取得された第二乱数に関する情報である第二保留情報を参照する(S78)。CPU51は、参照した情報をサブ制御基板58へ通知するための第二保留情報コマンドを生成し、RAM52に設けられるコマンドバッファにセットする(S79)。第二保留情報コマンドは、S76で取得及び記憶された第二保留乱数に関する情報である第二保留情報(いわゆる先読み情報)をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。第二保留情報コマンドは、第二乱数(特
図2大当たり乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数)に関する情報に加えて、第二保留数を示す情報を含んで生成される。第二保留数を示す情報は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数に基づく。コマンドバッファにセットされた第二保留情報コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、処理をS81の判断へ移行する。以下では、第一保留情報コマンドと、第二保留情報コマンドとを総称する場合、単に保留情報コマンドという。
【0114】
図13に示すように、CPU51は、小当たり遊技状態又は大当たり遊技状態であるか、を判断する(S81)。小当たり遊技状態又は大当たり遊技状態が設定されている状態を、当たり遊技状態という。小当たり遊技状態フラグ又は大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、CPU51は、当たり遊技状態であると判断し(S81:YES)、処理をメイン処理へ戻す。小当たり遊技状態フラグ及び大当たり遊技状態フラグがいずれも「OFF」である場合、CPU51は、当たり遊技状態でないと判断し(S81:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄が変動中であるか否かを判断する(S82)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合、CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも変動中でないと判断し(S82:NO)、第一特別図柄又は第二特別図柄が停止状態中であるか否かを判断する(S83)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合、CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも確定表示中でないと判断し(S83:NO)、処理を
図14に示すS91へ移行し、大当たり判定等の処理を実行する。
【0115】
本実施形態では、大当たり判定において、特
図2大当たり判定が特
図1大当たり判定よりも優先して行われる。
図14に示すように、CPU51は、第二保留数が「1」以上であるかを判断する(S91)。RAM52の第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「1」以上である場合(S91:YES)、特
図2大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留数が「0」である場合(S91:NO)、CPU51は、第一保留数が「1」以上であるかを判断する(S92)。RAM52の第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「0」である場合(S92:NO)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0116】
第一保留数が「1」以上である場合(S92:YES)、CPU51は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数を「1」減算する(S93)。CPU51は、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の各乱数値を、判定エリアにシフトする(S95)。また、CPU51は、特
図1大当たり関係情報エリアに記憶されている第一保留乱数の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0117】
CPU51は、特
図1大当たり判定処理を実行する(S96)。図示しないが、ROM53は、大当たり判定を行うための大当たり判定テーブルを記憶している。大当たり判定テーブルは、特
図1大当たり判定テーブルと、特
図2大当たり判定テーブルとによって構成されている。特
図1大当たり判定テーブルは、「小当たり」及び「はずれ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。本実施形態では、小当たりに対応する大当たり乱数の乱数値は、小当たり確率が約1/150となるように定義されている。特
図2大当たり判定テーブルも特
図1大当たり判定テーブルと同様に構成されており、小当たり確率が約1/10となるように小当たりに対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。CPU51は、特
図1大当たり判定テーブルを参照して、S95で判定エリアにシフトされた特
図1大当たり乱数が「小当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の特
図1大当たり乱数に基づく特
図1大当たり判定が、特
図1大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0118】
CPU51は、S96で導出された特
図1大当たり判定の結果に応じた第一特別図柄を決定する(S98)。S98の処理では、CPU51は、
図6で示した特別図柄決定テーブルを参照して、S95で判定エリアにシフトされた第一特別図柄決定乱数の値に応じて、小当たり又ははずれの判定結果を示す第一特別図柄を決定する。決定された第一特別図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。CPU51は、処理をS111へ移行する。
【0119】
一方、第二保留数が「1」以上である場合(S91:YES)、CPU51は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数を「1」減算する(S101)。CPU51は、特
図2大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二保留乱数の各乱数値を、判定エリアにシフトする(S102)。また、CPU51は、特
図2大当たり関係情報エリアに記憶されている第二保留乱数の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0120】
CPU51は、特
図2大当たり判定処理を実行する(S103)。CPU51は、前述の特
図2大当たり判定テーブルを参照して、S102で判定エリアにシフトされた特
図2大当たり乱数が「小当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0121】
CPU51は、S103で導出された特
図2大当たり判定の結果に応じた第二特別図柄を決定する(S105)。S105の処理では、CPU51は、S102で判定エリアにシフトされた第二特別図柄決定乱数の値に応じて、小当たり又ははずれの判定結果を示す第二特別図柄を決定する。決定された第二特別図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。CPU51は、処理をS111へ移行する。
【0122】
CPU51は、停止図柄指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S111)。停止図柄指定コマンドは、S98又はS105の処理で特別図柄として決定された小当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。以下、第一特別図柄として決定された小当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドを、第一停止図柄指定コマンドという。第二特別図柄として決定された小当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドを、第二停止図柄指定コマンドという。コマンドバッファにセットされた第一停止図柄指定コマンド及び第二停止図柄指定コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。
【0123】
CPU51は、変動パターンを決定する(S112)。S112では、CPU51は、時短フラグの状態を参照し、現時点において通常状態又は時短状態のいずれの遊技状態が設定されているかを特定する。そして、CPU51は、
図7で示した特別図柄変動パターン決定テーブル又は
図8で示した特
図2特殊変動パターン決定テーブルを参照して、特定した遊技状態と、大当たり判定による判定結果にと応じて、変動パターン決定乱数に対応する変動パターンを決定する。詳細には、CPU51は、原則として、特別図柄変動パターン決定テーブルを参照して変動パターンを決定する。CPU51は、計数中フラグが「ON」である場合において第二変動パターンを決定するとき、すなわち残保留について変動パターンを決定するときには、特
図2特殊変動パターン決定テーブルを参照して変動パターンを決定する。
【0124】
CPU51は、S112で決定した変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S113)。以下、S112で決定された変動パターンが第一変動パターンである場合において、第一変動パターンを指定するコマンドを第一変動パターン指定コマンドという。S111で決定された変動パターンが第二変動パターンである場合において、第二変動パターンを指定するコマンドを第二変動パターン指定コマンドという。第一変動パターン指定コマンドと、第二変動パターン指定コマンドとを総称する場合、単に変動パターン指定コマンドという。変動パターン指定コマンドは、決定された変動パターンの種類及び変動パターンに対応する特別図柄の変動時間の情報を含む。コマンドバッファにセットされた変動パターン指定コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信される。中継端子板47を介して第一変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部29は、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動を開始する。第二変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部29は、第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を開始する。第一変動パターン指定コマンド及び第二変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板58は、表示画面28の演出図柄100の変動開始を指示する。
【0125】
CPU51は、S112で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を、特別図柄変動時間カウンタに記憶する(S115)。CPU51は、特別図柄が変動中であることを示す「1」を特別図柄表示状態フラグに記憶し(S116)、処理をメイン処理へ戻す。
【0126】
また、
図13に示すS82の判断において、特別図柄表示フラグに「1」が記憶されている場合には、CPU51は、特別図柄が変動中であると判断し(S82:YES)、第一変動時間又は第二変動時間が経過したかを判断する(S121)。この判断は、S115において記憶された特別図柄変動時間カウンタの値に応じて行われる。CPU51は、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には第一変動時間又は第二変動時間がまだ経過していないと判断し(S121:NO)、処理をメイン処理へ戻す。
【0127】
CPU51は、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には第一変動時間又は第二変動時間が経過したと判断し(S121:YES)、特別図柄停止コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S122)。特別図柄停止コマンドは、特別図柄の変動を停止することを図柄表示部29及びサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた特別図柄停止コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信され、図柄表示部29における第一特別図柄又は第二特別図柄の変動停止及び表示画面28の演出図柄100の変動停止を指示する。以下、第一特別図柄の変動停止を指定するコマンドを第一特別図柄停止コマンドという。第二特別図柄の変動停止を指定するコマンドを第二特別図柄停止コマンドという。第一特別図柄停止コマンドと、第二特別図柄停止コマンドとを総称する場合、単に特別図柄停止コマンドという。
【0128】
CPU51は、特別図柄確定表示時間を、RAM52の特別図柄確定表示時間カウンタに記憶する(S123)。CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが確定表示中であることを示す「2」を特別図柄表示状態フラグに記憶する(S124)。CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0129】
また、S83の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S83:YES)、CPU51は、S113において記憶された特別図柄確定表示時間カウンタの値に応じて、特別図柄確定表示時間が経過したかを判断する(S126)。CPU51は、特別図柄確定表示時間カウンタの値が「0」でない場合には特別図柄確定表示時間が経過していないと判断し(S126:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、特別図柄確定表示時間カウンタの値が「0」の場合には特別図柄確定表示時間が経過したと判断し(S126:YES)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも変動中でも確定表示中でもないことを示す「0」を、特別図柄表示状態フラグに記憶する(S127)。その後、CPU51は、特図遊技状態移行処理を実行し(S128)、処理をメイン処理へ戻す。
【0130】
図15を参照して、
図13のS128で示した特図遊技状態移行処理の詳細について説明する。特図遊技状態移行処理では、特
図2判定回数又は特図合計判定回数が所定の回数に到達した場合に時短状態を終了するための処理が行われる。特
図2判定回数は、時短状態における特
図2大当たり判定の実行回数である。特図合計判定回数は、時短状態における特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計である。特図遊技状態移行処理では、時短フラグ及び計数中フラグの制御も適宜行われる。
【0131】
特図遊技状態移行処理が開始されると、CPU51は、計数中フラグが「ON」であるかを判断する(S131)。計数中フラグが「OFF」である場合(S131:NO)、CPU51は、処理をS136の判断へ移行する。計数中フラグが「ON」である場合(S131:YES)、CPU51は、時短終了後判定回数カウンタの値を「1」減算する(S132)。CPU51は、時短終了後判定回数カウンタの値が「0」であるかを判断する(S133)。時短終了後判定回数カウンタの値が「0」でない場合(S133:NO)、CPU51は、処理をS136の判断へ移行する。時短終了後判定回数カウンタの値が「0」である場合(S133:YES)、CPU51は、計数中フラグを「OFF」にして(S135)、処理をS136の判断へ移行する。
【0132】
CPU51は、特別図柄が小当たり図柄で確定表示したかを判断する(S136)。この判断は、S98及びS105においてRAM52に記憶された特別図柄の内容を示す情報を参照することによって行われる。特別図柄が小当たり図柄ではなくはずれ図柄で確定表示した場合(S136:NO)、CPU51は、処理をS141の判断へ移行する。特別図柄が小当たり図柄で確定表示した場合(S136:YES)、CPU51は、小当たり種別に対応するラウンド数を、Rカウンタにセットする(S137)。Rカウンタは、ラウンド数を記憶するカウンタとしてRAM52に設けられている。本実施形態において、S137においてRカウンタにセットされるラウンド数は、小当たり図柄が「特1小当たり」の場合には「4」、「特2小当たり」の場合には「8」である。
【0133】
CPU51は、小当たり遊技状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S138)。小当たり遊技状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、小当たり遊技状態開始通知という。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、小当たり遊技状態フラグを「ON」にする(S139)。
【0134】
CPU51は、時短状態が設定されているかを判断する(S141)。CPU51は、時短フラグが「OFF」である場合には時短状態が設定されていないと判断して(S141:NO)、処理を特別図柄処理へ戻す。CPU51は、時短フラグが「ON」である場合には時短状態が設定されていると判断して(S141:YES)、確定表示した特別図柄が第二特別図柄であるかを判断する(S142)。この判断は、S98及びS105においてRAM52に記憶された特別図柄の内容を示す情報を参照することによって行われる。確定表示したのが第二特別図柄ではなく第一特別図柄である場合(S142:NO)、CPU51は、処理をS145へ移行する。確定表示したのが第二特別図柄である場合(S142:YES)、CPU51は、特
図2判定回数カウンタの値を「1」減算する(S143)。CPU51は、処理をS145へ移行する。
【0135】
CPU51は、特図合計判定回数カウンタの値を「1」減算する(S143)。CPU51は、特
図2判定回数カウンタの値又は特図合計判定回数カウンタの値が「0」であるかを判断する(S146)。特
図2判定回数カウンタの値及び特図合計判定回数カウンタの値がいずれも「0」でない場合(S146:NO)、CPU51は、処理を特別図柄処理へ戻す。特
図2判定回数カウンタの値又は特図合計判定回数カウンタの値が「0」である場合(S146:YES)、CPU51は、時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S148)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、時短フラグを「OFF」にする(S151)。CPU51は、時短状態の終了に伴い、時短終了後判定回数カウンタに、残保留の最大個数に対応する「4」をセットする(S152)。CPU51は、計数中フラグを「ON」にして(S153)、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0136】
図16から
図18を参照して、
図9のS13で示した特別電動役物処理の詳細について説明する。特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ、特定領域フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される遊技処理情報である。開放中フラグは、第一大入賞口16及び第二大入賞口17が開放状態であるか否かを示すフラグである。開放中フラグは、第一大入賞口16の開閉部材161が開放状態にある場合に「1」、第二大入賞口17の開閉部材171が開放状態にある場合に「2」、いずれも開放状態にない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。なお、本実施形態において、第一大入賞口16と第二大入賞口17とが同時に開放することはない。特定領域フラグは、小当たり遊技状態において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過したことを示すフラグである。特定領域フラグは、小当たり遊技状態において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0137】
図16に示すように、特別電動役物処理が開始されると、CPU51は、大当たり遊技状態であるかを判断する(S211)。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合には大当たり遊技状態でないと判断して(S211:NO)、
図17に示すように、小当たり遊技状態であるかを判断する(S251)。この判断は、小当たり遊技状態フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、小当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合には小当たり遊技状態でないと判断して(S251:NO)、処理をメイン処理へ戻す。
【0138】
CPU51は、小当たり遊技状態フラグが「ON」の場合には小当たり遊技状態であると判断して(S251:YES)、第二大入賞口17が開放中であるかを判断する(S252)。この判断は、開放中フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、開放中フラグが「2」を示す場合には第二大入賞口17が開放中であると判断して(S252:YES)、処理をS261の判断へ移行する。
【0139】
CPU51は、開放中フラグが「0」を示す場合には第二大入賞口17が開放中でないと判断して(S252:NO)、第二大入賞口17を開放させるための第二開放コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S253)。セットされた第二開放コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して第二開放コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を開放させる。CPU51は、小当たり遊技における第二大入賞口17の開放時間である第二開放時間を、RAM52の第二開放時間カウンタに記憶する(S255)。本実施形態において、第二開放時間は、
図6で示した特別図柄決定テーブルに定義される1.5秒である。CPU51は、開放中フラグに「2」を記憶する(S256)。
【0140】
CPU51は、第二大入賞口17の内部に設けられる振分部材を特定の駆動パターンで作動させるための振分部材作動コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S258)。セットされた振分部材作動コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して振分部材作動コマンドを受信した振分部材ソレノイド72は、振分部材を作動させる。CPU51は、処理をS261の判断へ移行する。
【0141】
CPU51は、第二大入賞口17へ遊技球が入賞したかを判断する(S261)。第二大入賞口スイッチ77が遊技球の入賞を検知すると、
図9のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」にされる。CPU51は、このフラグが「OFF」である場合には第二大入賞口17へ遊技球が入賞していないと判断し(S261:NO)、処理をS263の判断へ移行する。CPU51は、このフラグが「ON」である場合には第二大入賞口17へ遊技球が入賞したと判断し(S261:YES)、第二大入賞口17へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の第二入賞球数カウンタに「1」を加算する(S262)。CPU51は、処理をS263の判断へ移行する。第二入賞球数カウンタによって計数される第二大入賞口17へ入賞した遊技球の個数を、第二入賞球数という。
【0142】
CPU51は、特定領域フラグが「OFF」であるかを判断する(S263)。特定領域フラグが「ON」である場合(S263:YES)、小当たり遊技において遊技球が既に特定領域を通過しているので、CPU51は、処理を
図18に示すS271の判断へ移行する。特定領域フラグが「OFF」である場合(S263:NO)、CPU51は、遊技球が特定領域を通過したかを判断する(S265)。特定領域スイッチ78が遊技球の入賞を検知すると、
図9のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において特定領域スイッチ78に対応するフラグが「ON」にされる。CPU51は、このフラグが「OFF」である場合には遊技球が特定領域を通過していないと判断し(S265:NO)、処理をS271の判断へ移行する。CPU51は、このフラグが「ON」である場合には遊技球が特定領域を通過したと判断し(S265:YES)、特定領域通過コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S266)。特定領域通過コマンドは、小当たり遊技状態において遊技球が特定領域を通過したことを通知するためのコマンドである。セットされた特定領域通過コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、特定領域フラグを「ON」にする(S268)。
【0143】
CPU51は、時短状態が設定されているかに応じて、実行中の小当たり遊技の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件を決定する(S269)。前述したように、
図6で示した特別図柄決定テーブルは、小当たり図柄の種類と、小当たり遊技状態において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が特定領域を通過した場合に時短状態が設定されているかとに応じて、時短状態の終了条件を定義している。S269において、CPU51は、時短フラグの状態を参照して、現時点に時短状態が設定されているかを判断する。また、S269において、CPU51は、実行中の小当たり遊技の実行契機となった小当たり図柄がいずれであるかを判断する。この判断は、S98及びS105においてRAM52に記憶された特別図柄の内容を示す情報を参照することによって行われる。そして、CPU51は、小当たり図柄の種類の判断結果と、時短状態が設定されているかの判断結果とに応じて、特別図柄決定テーブルに基づいて時短状態の終了状態を決定する。
【0144】
S269の処理において、CPU51は、通常状態及び時短状態のいずれが設定されている場合にも、第一特別図柄の小当たり図柄である「特1小当たり」に対応する時短状態の終了条件として「特図合計判定回数」を「15」回、「特
図2判定回数」を「10」回、「普図判定回数」を「100」回と決定する。また、CPU51は、時短状態が設定されている場合には、第二特別図柄の小当たり図柄である「特2小当たり」に対応する時短状態の終了条件として、「特図合計判定回数」を「15」回、「特
図2判定回数」を「10」回、「普図判定回数」を「100」回と決定する。一方、CPU51は、通常状態が設定されている場合には、「特2小当たり」に対応する時短状態の終了条件として「特図合計判定回数」を「25」回、「特
図2判定回数」を「20」回、「普図判定回数」を「100」回と決定する。すなわち、CPU51は、小当たり遊技が主に初当たり遊技の契機を与える場合には、遊技球が特定領域を通過した場合に時短状態が設定されているかに関わらず、「特図合計判定回数」を「15」回、「特
図2判定回数」を「10」回、「普図判定回数」を「100」回とする時短状態の終了条件を決定する。一方、CPU51は、小当たり遊技が連荘遊技の契機を与える場合には、遊技球が特定領域を通過した場合に通常状態が設定されているときには、時短状態が設定されているときよりも、時短状態の終了条件のうち「特
図2判定回数」を多い回数に決定する。CPU51は、時短状態の終了条件として決定した「特図合計判定回数」、「特
図2判定回数」及び「普図判定回数」のそれぞれの回数をRAM52に記憶する。
【0145】
図18に示すように、CPU51は、第二入賞球数が、「10」以上であるかを判断する(S271)。第二入賞球数が「10」未満の場合(S271:NO)、CPU51は、第二開放時間が経過したかを、第二開放時間カウンタの値に基づいて判断する(S272)。第二開放時間が経過していない場合(S272:NO)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。以降に行われる特別電動役物処理において、小当たり遊技状態である場合(S251:YES)、第二大入賞口17に10個以上の遊技球が入賞するか、又は第二開放時間が経過するまで、S271及びS272の判断が繰り返して実行される。
【0146】
第二大入賞口17へ10個以上の遊技球が入賞するか(S271:YES)、又は第二開放時間が経過した場合(S272:YES)、CPU51は、第二閉鎖コマンドを生成し、生成した第二閉鎖コマンドをコマンドバッファにセットする(S273)。第二閉鎖コマンドは、開放している第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させるためのコマンドである。セットされた第二閉鎖コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して第二閉鎖コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させる。CPU51は、開放中フラグに「0」を記憶する(S275)。
【0147】
CPU51は、小当たり遊技状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S276)。小当たり遊技状態が終了することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、小当たり遊技状態終了通知という。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、小当たり遊技状態フラグを「OFF」にする(S278)。
【0148】
CPU51は、特定領域フラグが「ON」であるかを判断する(S279)。すなわち、CPU51は、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過したかを判断する。特定領域フラグが「ON」である場合(S279:YES)、CPU51は、時短状態が設定されているかを判断する(S281)。CPU51は、時短フラグが「OFF」である場合には通常状態が設定されていると判断し(S281:NO)、処理をS283に移行する。CPU51は、時短フラグが「ON」である場合には時短状態が設定されていると判断し(S281:YES)、時短フラグを「OFF」にする。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が通常状態に設定される。
【0149】
CPU51は、大当たり遊技状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S283)。大当たり遊技状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、大当たり遊技状態開始通知という。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。大当たり遊技状態開始通知を受信したサブ制御基板58のCPU581は、大当たり遊技状態のための大当たり遊技演出の実行開始を制御する。CPU51は、大当たり遊技状態フラグを「ON」にする(S285)。CPU51は、CPU51は、Rカウンタの値を「1」減算する(S286)。CPU51は、特定領域フラグを「OFF」にする(S288)。CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0150】
一方、CPU51は、特定領域スイッチ78に対応するフラグが「OFF」である場合には小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過しなかったと判断し(S279:NO)、Rカウンタを「0」にクリアする(S291)。CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0151】
図16の説明に戻る。CPU51は、大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合には大当たり遊技状態であると判断して(S211:YES)、大当たりラウンドが全て終了しているか、すなわち、Rカウンタの値が「0」であるかを判断する(S212)。Rカウンタの値は、後述のS229の処理で、大当たりラウンドが1回終了する毎に「1」減算される。すなわち、Rカウンタの値が「0」であれば、大当たり遊技における最終ラウンドが終了していることとなる。
【0152】
Rカウンタの値が「0」でない場合(S212:NO)、CPU51は、第一大入賞口16が開放中であるかを判断する(S213)。この判断は、開放中フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、開放中フラグが「1」である場合には第一大入賞口16が開放中であると判断して(S213:YES)、処理をS221の判断へ移行する。CPU51は、開放中フラグが「1」でない場合には第一大入賞口16が開放中でないと判断して(S213:NO)、第一大入賞口16を開放させるための第一開放コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S215)。コマンドバッファにセットされた第一開放コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して第一開放コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させる。CPU51は、大当たり遊技における第一大入賞口16の開放時間である第一開放時間を、RAM52の第一開放時間カウンタに記憶する(S216)。本実施形態において、第一開放時間は28.0秒である。CPU51は、開放中フラグに「1」を記憶する(S218)。CPU51は、処理をS221の判断へ移行する。
【0153】
CPU51は、第一大入賞口16へ遊技球が入賞したかを判断する(S221)。第一大入賞口スイッチ76が遊技球の入賞を検知すると、
図9のS11で示したメイン処理のスイッチ読のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」にされる。CPU51は、このフラグが「OFF」である場合には第一大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断し(S221:NO)、処理をS223の判断へ移行する。CPU51は、このフラグが「ON」である場合には第一大入賞口16へ遊技球が入賞したと判断し(S221:YES)、第一大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の第一入賞球数カウンタに「1」を加算する(S222)。CPU51は、処理をS223の判断へ移行する。
【0154】
CPU51は、第一入賞球数カウンタに記憶されている第一入賞球数が、「10」以上であるかを判断する(S223)。第一入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S223:NO)、CPU51は、第一開放時間が経過したかを、第一開放時間カウンタの値に基づいて判断する(S225)。第一開放時間が経過していない場合(S225:NO)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。以降に行われる特別電動役物処理において、大当たり遊技状態であり(S211:YES)、Rカウンタの値が「0」でない場合(S212:NO)、第一大入賞口16に10個以上の遊技球が入賞するか、又は第一開放時間が経過するまで、S223及びS225の判断が繰り返して実行される。
【0155】
第一大入賞口16へ10個以上の遊技球が入賞するか(S223:YES)、又は第一開放時間が経過した場合(S225:YES)、CPU51は、第一閉鎖コマンドを生成し、生成した第一閉鎖コマンドをコマンドバッファにセットする(S226)。第一閉鎖コマンドは、開放している第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させるためのコマンドである。セットされた第一閉鎖コマンドは、中継端子板47に順次送信される。CPU51は、開放中フラグに「0」を記憶する(S228)。CPU51は、Rカウンタの値を「1」減算し(S229)、処理をメイン処理へ戻す。
【0156】
一方、Rカウンタの値が「0」である場合(S212:YES)、大当たり遊技が終了するので、CPU51は、大当たり遊技状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S231)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。大当たり遊技状態終了通知を受信したサブ制御基板58のCPU581は、大当たり遊技演出の実行終了を制御する。CPU51は、大当たり遊技状態フラグを「OFF」にする(S232)。
【0157】
CPU51は、時短状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S241)。時短状態が開始することを通知する内容の遊技状態コマンドがサブ制御基板58に送信されることを、時短状態開始通知という。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、大当たり遊技状態フラグを「OFF」にする(S232)。
【0158】
CPU51は、特図合計判定回数カウンタに、S269の処理で決定した回数をセットする(S242)。CPU51は、特
図2判定回数カウンタに、S269の処理で決定した回数をセットする(S243)。CPU51は、普図判定回数カウンタに、S269の処理で決定した回数をセットする(S244)。
【0159】
CPU51は、計数中フラグが「ON」であるかを判断する(S245)。計数中フラグが「OFF」である場合(S245:NO)、CPU51は、処理をS249へ移行する。計数中フラグが「ON」である場合(S245:YES)、CPU51は、時短終了後判定回数カウンタの値を「0」にクリアする(S246)。CPU51は、計数中フラグを「OFF」にする(S248)。CPU51は、時短フラグを「ON」にして(S249)、処理をメイン処理へ戻す。
【0160】
図19から
図22を参照して、パチンコ機1における遊技の流れ、特に、時短状態における遊技の流れについて説明する。前述したように、通常状態は非時短状態であり、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態である。パチンコ機1において、通常状態における演出モードを、通常モードという。通常状態から遊技が開始された場合、左打ちで遊技が進行し、遊技球が第一始動口14へ入賞することを契機として、特
図1大当たり判定が行われる。特
図1大当たり判定では、所定の小当たり確率で小当たりの判定結果が導出される。これに伴い遊技は小当たり遊技状態となり、小当たりの判定結果が導出されたことに応じて、第二大入賞口17の開閉部材171が第二開放時間の開放を1回行う小当たり遊技が行われる。小当たり遊技状態には、第二大入賞口17に遊技球を入賞させるべく、右打ちで遊技を進行することが推奨される。
【0161】
小当たり遊技において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が、第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した場合、条件装置及び役物連続作動装置が作動し、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態には、第一大入賞口16に遊技球を入賞させるべく、小当たり遊技状態に引き続いて右打ちで遊技を進行することが推奨される。大当たり遊技状態には、第一大入賞口16の開閉部材161が第一開放時間の開放を3ラウンド行う大当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技に先立って行われた小当たり遊技は、大当たり遊技の1R目として遡って取り扱われる。初当たり遊技においては、小当たり遊技が行われる場合には通常状態が設定されている。また、第一特別図柄が特1小当たりの図柄で確定表示することによって初当たり遊技が行われる。したがって、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、「特図合計判定回数」が「15」回、「特
図2判定回数」が「10」回、「普図判定回数」が「100」回のいずれかに到達することである。
【0162】
図19から
図21は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の遊技について説明する。時短状態には、遊技球をゲート12に通過させて普通当たり判定の実行契機を得て、普通当たり遊技によって開放する第二始動口15に遊技球を入賞させるべく、大当たり遊技状態に引き続いて右打ちで遊技を進行することが推奨される。
図19は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態において実行される特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されず、第二特別図柄がはずれ変動だけを行う場合の例を示す。
【0163】
パチンコ機1において、時短状態における演出モードを、RUSHモードという。
図19に示すように、パチンコ機1は、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄100の変動表示を行った後、特別図柄の確定表示に同期して演出図柄100を確定表示することで、報知演出に係る演出図柄100の図柄変動を実行する。演出図柄100は、左図柄101、中図柄102及び右図柄103を備える。左図柄101は、表示画面28の左部の変動ラインに主に表示される。中図柄102は、表示画面28の中央部の変動ラインに主に表示される。右図柄103は、表示画面28の右部の変動ラインに主に表示される。左図柄101、中図柄102及び右図柄103をそれぞれの変動ラインにおいて「1」図柄から「8」図柄が上方から下方に順にスクロールされることによって、演出図柄100の図柄変動が行われる。矢印Y1は、演出図柄100のそれぞれがスクロールを継続していることを模式的に示す。また、図示を省略するが、左図柄101、中図柄102及び右図柄103をそれぞれの変動ラインの中央部において停止表示させることによって、演出図柄100の確定表示が行われる。本実施形態では、大当たり判定の結果が小当たりの場合、演出図柄100がゾロ目の組合せで確定表示する。大当たり判定の結果がはずれの場合、演出図柄100がバラケ目等ゾロ目以外の組合せで確定表示する。なお、大当たり判定の結果が小当たりであることを示す演出図柄100の組合せは、順目等、ゾロ目以外であってもよい。
【0164】
時短状態、すなわちRUSHモードの演出モードにおいては、遊技が右打ちで進行し、遊技球がゲート12を通過することを契機として普通乱数が取得及び記憶されることが主に行われる。普通乱数に基づいて普通当たり判定が繰り返し行われ、普通当たりの判定結果が導出された場合には、第二始動口15の開閉部材151が開放する普通当たり遊技が行われる。遊技者が右打ちを継続することによって、開放した第二始動口15に遊技球が入賞することができる。したがって、時短状態には、第二始動口15へ遊技球が入賞することを契機として第二保留乱数が取得及び記憶されることが主に行われる。表示画面28には、演出モードのモード名を示すモード名表示部110が設けられている。時短状態が設定されている場合、モード名表示部110には「RUSHモード」の文字が表示される。時短状態には、遊技を右打ちで進行することを遊技者に促すための右打ち表示119も、表示画面28に表示される。右打ち表示119は、右打ちで遊技を進行することが推奨される小当たり遊技状態及び大当たり遊技状態においても表示画面28に表示される。
【0165】
パチンコ機1は、表示画面28に、第二保留乱数を示す第二保留表示NH2を表示する。本実施形態では、第二保留表示NH2は、
図19に示すように、三角形のシンボルで構成される。第二保留表示NH2は、三角形以外の各種の形状等を有していてもよい。第二保留表示NH2は、その表示色の違い、形状の違い等によって、第二保留乱数の期待度の高低を示すものであってもよい。第二保留乱数の期待度は、第二保留情報に基づくものである。具体的には、第一保留乱数に係る特
図2大当たり乱数が小当たりであるか否かを示す情報、第二変動パターン決定乱数がいずれの変動パターンに対応するかを示す情報等に基づいて、第二保留乱数の期待度が定まる。表示画面28の右下部には、第二保留表示NH2を表示する位置を示す位置H5~位置H8が設けられている。位置H5,H6,H7,H8のそれぞれには、特
図2大当たり関係情報記憶エリアのNo.1,2,3,4のそれぞれに記憶されている第二保留乱数に対応する第二保留表示NH2が表示される。
図19において、第二特別図柄の変動時間と同期して第二報知演出が実行中であり、第二保留数が「3」であり、3個の第二保留表示NH2が、位置H5~位置H7に表示されている。
【0166】
なお、通常状態、すなわち通常モードの演出モードにおいては、遊技が左打ちで進行し、第一始動口14へ遊技球が入賞することを契機として第一保留乱数が取得及び記憶されることが主に行われる。
図19に示すように、通常モードのうちRUSHモードの終了直後においては、残保留に対応する第二報知演出が実行される。残保留に対応する第二報知演出の実行が全て終了した後に、第一報知演出が行われうる。通常状態が設定されている場合、モード名表示部110には「通常モード」の文字が表示される。
【0167】
図示しないが、パチンコ機1は、表示画面28に、第一保留乱数を示す第一保留表示を表示する。本実施形態では、第一保留表示は、円形のシンボルで構成される。第一保留表示は、円形以外の各種の形状等を有していてもよい。第一保留表示は、その表示色の違い、形状の違い等によって、第一保留乱数の期待度の高低を示すものであってもよい。第一保留乱数の期待度は、第二保留乱数の期待度と同様に、第一保留情報に基づくものである。表示画面28の左下部には、第一保留表示を表示する位置を示す位置H1~位置H4が設けられている。位置H1,H2,H3,H4のそれぞれには、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアのNo.1,2,3,4のそれぞれに記憶されている第一保留乱数に対応する第一保留表示が表示される。
【0168】
時短状態は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短いため通常状態よりも普通当たり判定の実行頻度が高くなり、普通当たり遊技における第二大入賞口17の開閉部材171の開放時間も長くなる。すなわち、時短状態は、通常状態よりも第二大入賞口17の開閉部材171が開放状態にされる頻度が高い遊技状態である。また、特
図2大当たり判定における小当たり確率は、特
図1大当たり判定における小当たり確率よりも高い。よって、時短状態は、通常状態よりも小当たり遊技が行われやすい点において、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態である。したがって、遊技者は、時短状態において小当たりの判定結果が導出されて、小当たり遊技及び小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の特定領域を通過することによって実行される大当たり遊技が実行されることを願って遊技を進行させる。しかしながら、時短状態において最大で10回実行される特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されない場合には、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することに応じて時短状態が終了する。
【0169】
なお、時短状態においては、右打ちで遊技が進行することによって、主に特
図2大当たり判定が繰り返して行われる。特
図2大当たり判定によってはずれの判定結果が導出された場合、はずれ変動A又ははずれ変動Bの第二変動パターンが決定され、決定された第二変動パターンに応じた第二報知演出が行われる。本実施形態において、はずれ変動Aに対応する第二報知演出の演出時間は5秒であり、はずれ変動Bに対応する第二報知演出の演出時間は6秒である。また、時短状態においては、普通当たりの場合の普通図柄の変動時間は0.5秒であり、はずれの場合の普通図柄の変動時間は1.0秒である。前述したように、普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合、第二始動口15の開閉部材151が0.50秒の1回の開放を行うことで、普通当たり遊技が行われる。したがって、本実施形態では、時短状態において右打ちが継続される場合、普通図柄の変動が約1秒毎に繰り返される。
【0170】
「特
図2判定回数」が「10」回に到達することが時短状態の終了条件である場合、時短状態において右打ちが継続されるときには、時短状態において第二特別図柄が10回のはずれ変動を実行する間に、普通図柄の変動が約50回から60回実行される。したがって、
図19の場合のように、時短状態においてはずれ変動A又ははずれ変動Bの第二変動パターンに基づく第二報知演出だけが行われるときには、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することによって時短状態が終了するよりも先に、「普図判定回数」が「100」回に到達することがない。このため、時短状態において特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されず、はずれの判定結果のみが導出された場合、「普図判定回数」が「100」回に到達することによっては時短状態が終了しない。この場合、時短状態は、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することによって終了する。
【0171】
図20は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態において実行される特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出され、小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づく第二報知演出が行われる場合の例を示す。前述したように、本実施形態において、小当たり変動Aに対応する第二報知演出の演出時間は、はずれ変動Aと同様の5秒であり、はずれ変動Bに対応する第二報知演出の演出時間は、はずれ変動Bと同様の6秒である。
【0172】
「特
図2判定回数」が「10」回に到達することが時短状態の終了条件の1つである場合において、時短状態において小当たりの判定結果が導出され、小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づく第二報知演出が行われる場合を想定する。この場合、時短状態において右打ちが継続されるときには、時短状態において第二特別図柄が最大9回のはずれ変動と、小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づく1回の小当たり変動とを実行する間に、普通図柄の変動が最大で約50回から60回実行される。したがって、この場合には、
図19で示した場合と同様に、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することによって時短状態が終了するよりも先に、「普図判定回数」が「100」回に到達することがない。このため、時短状態において特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されず、はずれの判定結果のみが導出された場合、「普図判定回数」が「100」回に到達することによっては時短状態が終了しない。
【0173】
図20は、時短状態において6回目に行われた特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出され、この判定結果を報知する第二報知演出が、小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づいて行われた場合を示す。すなわち、時短状態の終了条件の1つが「特
図2判定回数」が「10」回に到達することである時短状態において、6回目に行われた第二報知演出が小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づく小当たり変動である場合に相当する。小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づく小当たり変動の変動時間は、5秒又は6秒である。この場合において、時短状態において6回目に行われた小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づく第二報知演出の実行が終了するまでの間に、「普図判定回数」が「100」回に到達することがない。このため、小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づく第二報知演出の実行が終了し、対応する小当たり遊技が行われる場合においても時短状態が継続する。したがって、小当たり遊技によって開閉部材171を開放した第二大入賞口17へ入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過する場合、時短状態が設定されている。小当たり遊技によって開放した第二大入賞口17へ入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過すると、これに起因して小当たり遊技状態の終了後に大当たり遊技状態が設定される。
【0174】
図17のS269で示したように、主制御基板41のCPU51は、小当たり遊技状態において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が特定領域を通過した場合、その時点に時短状態が設定されているかに応じて、実行中の小当たり遊技の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件を決定する。
図20の場合には、遊技球が特定領域を通過する時点において時短状態が設定されている。よって、CPU51は、時短状態の終了条件を、
図6で示した特別図柄決定テーブルに基づいて、「特図合計判定回数」を「15」回、「特
図2判定回数」を「10」回、「普図判定回数」を「100」回と決定する。したがって、
図20の場合において実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態と同様の終了条件を備えることとなる。
【0175】
図20において、時短状態における第二報知演出は、
図19で示したRUSHモードの演出モードに即した内容で行われてよい。小当たり変動の終了後に小当たり遊技状態が設定される。サブ制御基板58のCPU581は、小当たり遊技状態開始通知に応じて、小当たり遊技中の演出である小当たり遊技演出の実行を開始する。本実施形態において、小当たり遊技演出は、
図20に示すように、小当たりの判定結果を示す演出図柄100の組合せを表示画面28に表示した状態で、小当たりとなったことを祝福しつつ、右打ち表示119も表示して遊技者に右打ちを促す態様で行われる。CPU581は、特定領域通過コマンドを受信した場合、小当たり遊技演出を実行中の表示画面28に、遊技球が特定領域を通過したことを遊技者に報知する特定領域通過画像111を表示する。特定領域は遊技者からVゾーン等とも呼ばれることから、パチンコ機1は、特定領域通過画像111を「V」の文字を模したものとしている。パチンコ機1は、特定領域通過画像111を表示することによって、実行中の小当たり遊技において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が特定領域を通過したこと及び小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されることを、遊技者に報知することができる。
【0176】
CPU581は、大当たり遊技状態開始通知に応じて、大当たり遊技中の演出である大当たり遊技演出の実行を開始する。本実施形態において、大当たり遊技演出は、
図20に示すように、小当たり遊技演出に引き続いて演出図柄100の組合せを表示画面28に表示した状態で、遊技球が特定領域を通過したことによって大当たりとなったことを祝福しつつ、右打ち表示119も表示して遊技者に右打ちを促す態様で行われる。
【0177】
図21は、時短状態において6回目に行われた特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出され、この判定結果を報知する第二報知演出が、小当たり変動Cの第二変動パターンに基づいて行われた場合を示す。すなわち、時短状態の終了条件の1つが「特
図2判定回数」が「10」回に到達することである時短状態において、6回目に行われた第二報知演出が小当たり変動Cの第二変動パターンに基づく小当たり変動である場合に相当する。本実施形態では、右打ちが継続されて普通当たり判定が連続的に実行されることによって「普図判定回数」が「100」回に到達するため、すなわち普通図柄の変動が連続して100回実行されるためには、100秒以上の時間が必要である。前述したように、パチンコ機1は、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に「普図判定回数」が「100」回に到達できるようにするため、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の演出時間を上記の100秒以上の時間である120秒に設定している。
【0178】
図21に示すように、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に右打ちが継続されて遊技球がゲート12を繰り返して通過することによって、普通当たり判定及び普通当たり判定の結果を報知する普通図柄の変動が繰り返して実行される。この場合、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に「普図判定回数」が「100」回に到達することに応じて、時短状態が終了する。その後に小当たり変動Cに対応する第二報知演出の演出時間が経過することによって、小当たり変動Cに対応する第二報知演出が終了する。これに応じて小当たり遊技状態が設定され、第二大入賞口17の開閉部材171が開放状態になる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技が実行される時点において、時短状態が終了し、遊技状態は非時短状態である通常状態に移行している。よって、小当たり遊技において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過する場合には、通常状態が設定されている。
【0179】
図17のS269で示したように、主制御基板41のCPU51は、小当たり遊技状態において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が特定領域を通過した場合、その時点に時短状態が設定されているかに応じて、実行中の小当たり遊技の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件を決定する。
図21の場合には、遊技球が特定領域を通過する時点において通常状態が設定されている。よって、CPU51は、時短状態の終了条件を、
図6で示した特別図柄決定テーブルに基づいて、「特図合計判定回数」を「25」回、「特
図2判定回数」を「20」回、「普図判定回数」を「100」回と決定する。したがって、
図21の場合において実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件よりも、「特
図2判定回数」が多い回数となる。
【0180】
時短状態は、通常状態よりも小当たり遊技が行われやすい点において、遊技者にとって通常状態よりも有利な遊技状態であるので、時短状態が初当たり遊技の終了後の場合よりも長く継続することは、遊技者にとってより有利となる。パチンコ機1は、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の演出時間を、「普図判定回数」が「100」回に到達するために必要な時間よりも長くすることによって、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に時短状態を終了させることができる。これによって、パチンコ機1は、より有利な終了条件を有する時短状態を遊技者に付与するチャンスを設けることができる。すなわち、パチンコ機1は、その実行中に「普図判定回数」を「100」回に到達させることが可能な第二報知演出を設けることによって、連荘遊技の終了後に、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態よりも有利な「特
図2判定回数」が「20」回となる時短状態を設けることができる。
【0181】
なお、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することが時短状態の終了条件の1つである場合において、その時短状態において小当たり変動Cに対応する第二報知演出が実行されたときであっても、その第二報知演出の実行中に右打ちが継続して行われないこともある。例えば、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に、遊技者が発射ハンドル32から手を離す等によって右打ちも左打ちも行われないような場合が、これに該当する。
【0182】
このような場合、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に遊技球がゲート12を通過せず、普通当たり判定及び普通当たり判定の結果を報知する普通図柄の変動が行われない。よって、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に「普図判定回数」が「100」回に到達しない。したがって、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に遊技状態が時短状態から通常状態に移行することも生じない。小当たり変動Cに対応する第二報知演出の終了後に小当たり遊技が実行されるが、小当たり遊技が実行される時点においても時短状態が設定されているので、その小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過する場合における遊技状態も時短状態となる。この場合には、この小当たり遊技の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態と同様の終了条件を備えることとなる。言い換えると、パチンコ機1は、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に右打ちが継続されるか否かによって、その報知演出の終了後に実行される小当たり遊技及び大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件を変化させることができる。
【0183】
つまり、パチンコ機1は、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中における遊技者の遊技内容に応じて、時短状態の性能を変化させられるといった、従来にない遊技仕様を実現できる。遊技者は、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に右打ちを継続するといった自身の行為によって、第二報知演出の実行中の遊技状態を時短状態から通常状態に変更させ、変更させたことに応じてより有利な時短状態を手に入れることができる。このため、パチンコ機1は、時短状態に小当たりの判定結果が導出されるかだけではなく、小当たりの判定結果が導出された場合に小当たり変動Cに対応する第二報知演出が実行されるかに対しても、遊技者の注目を集めることができる。時短状態において比較的長い演出時間の報知演出が実行される場合、遊技者は発射ハンドル32の操作を中断する等の止め打ちを行うことも多い。パチンコ機1は、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中において、右打ちする意欲を遊技者に抱かせることができるので、時短状態における遊技機の稼働状況の向上を図ることもできる。
【0184】
サブ制御基板58のCPU581は、時短状態において小当たり変動Cに対応する第二報知演出を実行する場合、その内容を、普図消化促進演出とすることができる。普図消化促進演出は、
図21に示すように、
図19で示したRUSHモードの演出モードに即した内容に加えて、第二報知演出の実行中に右打ちを継続することを遊技者に促すための誘導表示113を表示画面28に表示することによって行われる。本実施形態では、誘導表示113は、「右打ちを続けて普図を回せ!」の文字をスクロール表示するものである。誘導表示113の内容は一例であるので、第二報知演出の実行中に右打ちを継続することを遊技者に促すことのできる内容であれば、その内容は任意に変更されてもよい。CPU581は、小当たり変動Cを示す変動パターン指定コマンドを受信した場合に普図消化促進演出を実行することとすることで、上記の構成を実現できる。
【0185】
また、
図21に示すように、本実施形態の普図消化促進演出では、「普図判定回数」が「100」回に到達するまでに必要な普通当たり判定の回数を表示する残り回数表示112も表示画面28に表示される。パチンコ機1は、残り回数表示112を用いることで、小当たり変動Cに対応する第二報知演出において右打ちをいつまで継続させればよいかの目安を、遊技者に示唆することができる。CPU581は、変動時間指定コマンドを受信した回数を計数することによって、残り回数表示112に表示する「普図判定回数」が「100」回に到達するまでに必要な普通当たり判定の回数をカウントダウンすること等ができる。本実施形態では、小当たり変動Cに対応する第二報知演出の実行中に「普図判定回数」が「100」回に到達した場合、
図21に示すように、残り回数表示112の表示内容が、「普図判定回数」が「100」回に到達したことを示す「達成」の文字を示す内容に変化する。これにより、パチンコ機1は、「普図判定回数」が「100」回に到達したことによって時短状態が終了し、より有利な終了条件を有する時短状態が小当たり遊技及び大当たり遊技の終了後に得られることを、遊技者に報知することができる。
【0186】
図22は、
図21に示したようにして「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態が設定された場合において、その時短状態の終盤において特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出され、この判定結果を報知する第二報知演出が、小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づいて行われた場合を示す。
図22の例では、この時短状態において19回のはずれ変動が連続して行われた後に、20回目の第二報知演出として小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づく小当たり変動が行われたとする。この場合、19回のはずれ変動が連続して行われる間に「普図判定回数」が「100」回近くまで到達する。そして、20回目に実行される小当たり変動の実行中に、「普図判定回数」が「100」回に到達したとする。
【0187】
この場合、実行中の小当たり変動の途中で時短状態が終了し、遊技状態が通常状態に移行する。その後に小当たり変動A又は小当たり変動Bに対応する第二報知演出の演出時間が経過することによって、小当たり変動A又は小当たり変動Bに対応する第二報知演出が終了する。これに応じて、小当たり遊技状態が設定され、第二大入賞口17の開閉部材171が開放状態になる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技が実行される時点において、時短状態が終了し、遊技状態は非時短状態である通常状態に移行している。よって、小当たり遊技において第二大入賞口17へ入賞した遊技球がその内部の特定領域を通過する場合には、通常状態が設定されている。したがって、CPU51は、時短状態の終了条件を、
図6で示した特別図柄決定テーブルに基づいて、「特図合計判定回数」を「25」回、「特
図2判定回数」を「20」回、「普図判定回数」を「100」回と決定する。つまり、
図22の場合において実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件よりも、「特
図2判定回数」が多い回数となる。
【0188】
「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態が設定された場合には、その時短状態において右打ちが継続されることによって普通当たり判定が繰り返して実行される。したがって、その時短状態の終盤には、それまでに実行された普通当たり判定の回数が、「普図判定回数」が「100」回に到達するために必要な回数近くまでに至っている。したがって、その時短状態の終盤に小当たり変動が行われる場合、その小当たり変動が小当たり変動Cの第二変動パターンに基づいて行われるときに限られず、小当たり変動Cよりも演出時間が短い小当たり変動A又は小当たり変動Bの第二変動パターンに基づいて行われるときでも、その小当たり変動の途中で「普図判定回数」が「100」回に到達することによって、遊技状態が時短状態から通常状態に移行する。すなわち、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態が設定された場合には、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態が設定された場合よりも、小当たり変動の途中で遊技状態が時短状態から通常状態に移行する機会が増加する。この点においても、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態が設定されることは、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態が設定されることよりも遊技者にとって有利となる。
【0189】
時短状態等、遊技者にとって有利な状態において、大当たり判定によって遊技者にとって有利な判定結果が導出されない状態が続くことを、「ハマる」ともいう。一般的な遊技では、ハマりが生ずることは、遊技者にネガティブな印象を与えがちである。しかしながら、パチンコ機1は、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態を設定した場合、その時短状態においてハマりが生じ、その時短状態の終盤になって小当たりの判定結果を導出するときには、その後に設定する時短状態の終了条件を、遊技者にとってより有利なものに決定することができる。すなわち、パチンコ機1は、時短状態においてハマりが生じた場合に、かえって遊技者の期待感を向上させることができる。パチンコ機1は、このような従来にない遊技感覚を、遊技の進行具合に応じて遊技者に与え、新規な遊技性を遊技者に楽しませることができる。
【0190】
図22に示すように、サブ制御基板58のCPU581は、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態において、「普図判定回数」が「100」回に到達間近となった場合に小当たり変動の第二報知演出を実行する場合、その第二報知演出を普図消化促進演出とすることができる。これにより、パチンコ機1は、実行中の小当たり変動の途中で遊技状態が時短状態から通常状態に移行し、小当たり変動の後に実行される小当たり遊技及び大当たり遊技の終了後に、より有利な時短状態が設定されることを遊技者に報知することができる。CPU581は、小当たり変動の第二報知演出の実行開始時点における普図判定回数に応じて、その第二報知演出を普図消化促進演出とするか否かを決定することで、上記の構成を実現できる。
【0191】
なお、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件の1つとする時短状態においては、その時短状態において特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されないまま、「特
図2判定回数」が「20」回に到達するよりも先に、「普図判定回数」が「100」回に到達した場合には、「普図判定回数」が「100」回に到達したことによって設定されている時短状態が終了し、遊技状態は通常状態に移行する。
【0192】
以上説明したように、パチンコ機1は、時短状態において「普図判定回数」が「100」回に到達したことを、その時短状態の終了条件の1つとする。パチンコ機1は、大当たり判定による判定結果が導出され、その判定結果を報知する報知演出の実行が開始された場合において時短状態が開始されていた場合、その報知演出の実行中に「普図判定回数」が第一規定回数である「100」回に到達したときには時短状態を終了し、遊技状態を通常状態に移行する。すなわち、パチンコ機1は、報知演出の実行中に遊技者に右打ちを継続させて普通当たり判定を繰り返して実行することによって、その報知演出の実行中に時短状態を終了させて遊技状態を通常状態に移行させることができる。パチンコ機1は、このような新規な遊技仕様を提供することができる。
【0193】
具体的には、パチンコ機1は、
図21で示したように、時短状態において小当たりの判定結果が導出され、この判定結果を報知する第二報知演出が小当たり変動Cの第二変動パターンに基づいて行われた場合、その小当たり変動の実行中に「普図判定回数」が「100」回に到達したときには、小当たり変動の実行中に時短状態を終了し、遊技状態を通常状態に移行する。したがって、パチンコ機1は、小当たり変動の開始時点に時短状態が設定されていても、その小当たり変動の実行中に遊技者に右打ちを継続させて普通当たり判定を繰り返して実行することによって、その小当たり変動の実行中に時短状態を終了させて遊技状態を通常状態に移行させることができる。
【0194】
パチンコ機1は、「特
図2判定回数」が「10」回又は「20」回の第二規定回数に到達することも、時短状態の終了条件として含む。パチンコ機1は、小当たり遊技によって開放した第二大入賞口17に入賞した遊技球が、第二大入賞口17の内部の特定領域を通過することに応じて、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技を実行する。パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に、時短状態を設定する。この時短状態において小当たりの判定結果が導出された場合、その小当り変動の実行中に「普図判定回数」が「100」回に到達したときには、時短状態が終了する。すなわち、小当たりの判定結果が導出された場合には時短状態が設定されているが、対応する小当り変動の実行中に時短状態が終了して遊技状態が通常状態に移行する。この場合、小当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過するときには、通常状態が設定されていることとなる。このように、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に設定する時短状態の終了条件を、遊技球が特定領域を通過する場合に決定する。したがって、パチンコ機1は、大当たり判定が実行される場合と、その後に遊技球が特定領域を通過する場合とのそれぞれに設定される遊技状態を変化させる、斬新な遊技性を実現できる。
【0195】
パチンコ機1は、小当たり遊技中に遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過する場合に、時短状態が設定されているか否かによって、その後に設定する時短状態の終了条件を変化させることができる。具体的には、パチンコ機1は、遊技球が特定領域を通過する場合に通常状態が設定されている場合には「特
図2判定回数」を「20」回と決定し、時短状態が設定されている場合には「特
図2判定回数」を「10」回と決定する。すなわち、パチンコ機1は、時短状態の終了条件を決定する場合に通常状態が設定されているときには、時短状態が設定されている場合よりも、終了条件である「特
図2判定回数」を多い回数に決定する。遊技者は、時短状態において実行される小当たり変動の実行中に右打ちを継続することによって、「普図判定回数」を「100」回に到達させて時短状態を終了させることによって、その後に設定される時短状態の終了条件を、自身にとってより有利なものにできる。このように、パチンコ機1は、遊技者が右打ちを継続するか否か、すなわち遊技の進行具合に応じて、その後に設定される時短状態の性能を変化させられるといった、従来にない遊技性を実現できる。
【0196】
上記実施形態において、第一始動口14及び第二始動口15が、「始動口」の一例である。第二始動口15が、「可変始動口」の一例である。第二始動口15が閉鎖した状態が、「第三状態」の一例である。第二始動口15が開放した状態が、「第四状態」の一例である。第一大入賞口16及び第二大入賞口17が、「大入賞口」の一例である。大入賞口が閉鎖した状態が、「第一状態」の一例である。大入賞口が開放した状態が、「第二状態」の一例である。普通当たり判定が、「普通判定」の一例である。
図10のS33で普通当たり判定を実行する主制御基板41のCPU51が、「普通判定手段」の一例である。
図9のS16で普通当たり遊技を制御する主制御基板41のCPU51が、「普通遊技実行手段」の一例である。小当たり遊技及び大当たり遊技が、「特別遊技」の一例である。大当たり判定が、「特別判定」の一例である。
図14のS96及びS103で大当たり判定を実行する主制御基板41のCPU51が、「特別判定手段」の一例である。特別図柄の変動表示及び演出図柄100の図柄変動が、「報知演出」の一例である。
図14のS113で特別図柄の変動表示を開始する主制御基板41のCPU51及び特別図柄の変動表示に同期して報知演出の実行を制御するサブ制御基板58のCPU581が、「報知演出実行手段」の一例である。
図16のS215、S226、
図17のS253、
図18のS273の各処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「特別遊技実行手段」の一例である。
図16のS249の処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「時短設定手段」の一例である。
図11のS56、
図15のS151の各処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「終了手段」の一例である。普図判定回数が、「普通判定実行回数」の一例である。普図判定回数についての「100」回が、「第一規定回数」の一例である。特図合計判定回数及び特
図2判定回数が、「特別判定実行回数」の一例である。「特図合計判定回数」についての「15」回又は「25」回及び「特
図2判定回数」についての「10」回又は「20」回が、「第二規定回数」の一例である。第二大入賞口17の内部の特定領域が、「特定領域」の一例である。
図17のS269の処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「決定手段」の一例である。
【0197】
次いで、
図23から
図31を参照して、本発明に係る遊技機の変形例について説明する。なお、変形例のパチンコ機1において、以下で説明する構成以外の構成については、第一実施形態のパチンコ機1と共通する。したがって、変形例における第一実施形態と共通する構成については、説明を適宜省略する。
【0198】
図23を参照して、ROM53に記憶されている変形例の第二始動口開放パターン定義テーブルについて説明する。変形例の第二始動口開放パターン定義テーブルは、通常状態の第二始動口15の開閉部材151の開放パターンを、第一実施形態と同様に0.060秒の1回の開放と定義している。一方、変形例の第二始動口開放パターン定義テーブルは、時短状態における第二始動口15の開閉部材151の開放パターンを、第一実施形態の場合よりも開放時間が長い4.50秒の1回の開放と定義している。時短状態における開閉部材151の開放時間が通常状態における開放時間よりも長い点において、変形例は第一実施形態と共通している。
【0199】
図24を参照して、ROM53に記憶されている変形例の普通図柄変動時間決定テーブルについて説明する。変形例の普通図柄変動時間決定テーブルは、通常状態においては、普通当たり判定による判定結果が普通当たり及びはずれのいずれも、第一実施形態の場合と同様に、普通図柄の変動時間を20秒に定義している。変形例の普通図柄変動時間決定テーブルは、時短状態においては、普通当たりの場合の普通図柄の変動時間を第一実施形態の場合と同様の0.5秒に、はずれの場合の普通図柄の変動時間を第一実施形態の場合よりも長い5.0秒に、それぞれ定義している。
【0200】
なお、前述したように、変形例において、時短状態に普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合、第二始動口15の開閉部材151が4.50秒の1回の開放を行うことによって普通当たり遊技が行われる。よって、変形例において時短状態に普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合、0.5秒の普通図柄の変動が行われた後に第二始動口15の開閉部材151が4.50秒の1回の開放を行う。すなわち、変形例において、普通図柄の変動とその後の普通当たり遊技との双方が行われる所要時間は約5.0秒である。また、変形例において、時短状態に普通当たり判定によってはずれの判定結果が導出された場合の普通図柄の変動時間は5.0秒である。したがって、変形例では、時短状態において右打ちが継続される場合、普通図柄の変動が約5秒毎に繰り返されることとなる。
【0201】
図25を参照して、ROM53に記憶されている変形例の特別図柄決定テーブルについて説明する。第一特別図柄は、「特1小当たり」の図柄名称の1種類の小当たり図柄を備える。第二特別図柄は、「特2小当たり」の図柄名称の1種類の小当たり図柄を備える。なお、大当たり判定の結果がはずれである場合には、所定のはずれ図柄が決定される。
【0202】
変形例の特別図柄決定テーブルは、「特1小当たり」及び「特2小当たり」のそれぞれの小当たり図柄に、大入賞口開放パターン及び大当たりラウンドのラウンド数を対応付けている。変形例の大入賞口開放パターンは、第一実施形態の場合と同様である。
【0203】
変形例の特別図柄決定テーブルは「時短条件」欄を設け、小当たり図柄が決定され、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が行われた場合に、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態及び設定された遊技状態が終了する終了条件も、第一実施形態の場合と同様に小当たり図柄に対応付けている。変形例において、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態は、第一実施形態の場合と同様に時短状態である。
【0204】
変形例では、「特1小当たり」については、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態及び時短状態のいずれであっても、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態は、「特図合計判定回数」が「15」回、「特
図2判定回数」が「10」回、「普図判定回数」が「12」回のいずれかに到達することによって終了することが対応付けられている。
【0205】
一方、変形例では、「特2小当たり」については、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態の場合、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態は、「特図合計判定回数」が「25」回、「特
図2判定回数」が「20」回、「普図判定回数」が「22」回のいずれかに到達することによって終了することが対応付けられている。また、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が時短状態の場合、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態は、「特図合計判定回数」が「15」回、「特
図2判定回数」が「10」回、「普図判定回数」が「12」回のいずれかに到達することによって終了することが対応付けられている。
【0206】
このように、変形例は、第一実施形態と同様に、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態の場合、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件となる「特
図2判定回数」を、時短状態の場合の「特
図2判定回数」よりも多い回数に定義している。
【0207】
図26を参照して、ROM53に記憶されている変形例の特別図柄変動パターン決定テーブルについて説明する。変形例の特別図柄変動パターン決定テーブルは、通常状態の変動パターンについては、第一実施形態の場合と同様の変動パターンを定義している。変形例の特別図柄変動パターン決定テーブルは、時短状態の変動パターンについては、第一実施形態の場合とは異なる変動パターンを定義している。具体的には、変形例では、時短状態における大当たり判定の判定結果が小当たりの場合、「小当たり変動D」の変動パターンが決定される。「小当たり変動D」には10秒の変動時間が対応付けられている。前述したように、本変形例では、時短状態において右打ちが継続される場合、普通図柄の変動が約5秒毎に繰り返されることとなる。本変形例では、この約5秒間の時間の2倍の時間を、「小当たり変動D」に対応付けられる変動時間としている。
【0208】
また、変形例では、時短状態における大当たり判定の判定結果がはずれの場合、「はずれ変動A」又は「はずれ変動C」の変動パターンが決定される。「はずれ変動A」は第一実施形態の場合と同じ変動パターンであり、5秒の変動時間が対応付けられている。「はずれ変動C」の変動パターンは第一実施形態には設けられず変形例にのみ設けられ、10秒の変動時間が対応付けられている。「はずれ変動C」の変動パターンに対応付けられる10秒の変動時間も、「小当たり変動D」に対応付けられる変動時間と同様に、本変形例において時短状態に普通図柄の変動が繰り返される約5秒の2倍の時間として設けられている。
【0209】
変形例において、「はずれ変動A」の変動パターンには「0~459」の変動パターンが対応付けられている。「はずれ変動C」の変動パターンには「460~511」の変動パターンが対応付けられている。したがって、時短状態における大当たり判定の判定結果がはずれの場合、約10%の確率で「はずれ変動C」の変動パターンが決定され、残りの場合に「はずれ変動A」の変動パターンが決定される。
【0210】
図27から
図31を参照して、変形例における遊技の流れ、特に、時短状態における遊技の流れについて説明する。
図27から
図31において、第一実施形態の場合と同様に、通常状態における演出モードを、通常モードといい、時短状態における演出モードをRUSHモードという。
図27から
図31は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の遊技について説明する。
【0211】
図27は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態において実行される特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されず、第二特別図柄がはずれ変動だけを行う場合の例を示す。また、
図27は、はずれ変動の変動パターンとして「はずれ変動C」が決定されず、「はずれ変動A」だけが決定された場合の例を示す。この場合、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、「特図合計判定回数」が「15」回、「特
図2判定回数」が「10」回、「普図判定回数」が「12」回のいずれかに到達することである。第一実施形態の場合と同様に、変形例において、時短状態、すなわちRUSHモードの演出モードでは、遊技が右打ちで進行し、第二始動口15へ遊技球が入賞することを契機として第二保留乱数が取得及び記憶されることが主に行われる。
【0212】
遊技者は、時短状態において小当たりの判定結果が導出されて、小当たり遊技及び小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の特定領域を通過することによって実行される大当たり遊技が実行されることを願って遊技を進行させる。しかしながら、時短状態において最大で10回実行される特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されない場合には、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することに応じて時短状態が終了する。
【0213】
なお、時短状態においては、右打ちで遊技が進行することによって、主に特
図2大当たり判定が繰り返して行われる。特
図2大当たり判定によってはずれの判定結果が導出された場合、はずれ変動A又ははずれ変動Bの第二変動パターンが決定され、決定された第二変動パターンに応じた第二報知演出が行われる。はずれ変動Aに対応する第二報知演出の演出時間は5秒である。また、前述したように、時短状態においては、普通当たりの場合の普通図柄の変動時間は0.5秒であり、はずれの場合の普通図柄の変動時間は5.0秒である。前述したように、普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合、第二始動口15の開閉部材151が4.50秒の1回の開放を行うことで、普通当たり遊技が行われる。したがって、時短状態において右打ちが継続される場合、普通図柄の変動が約5秒毎に繰り返される。
【0214】
「特
図2判定回数」が「10」回に到達することが時短状態の終了条件である場合、時短状態において右打ちが継続されるときには、時短状態において第二特別図柄が10回のはずれ変動を実行する間に、普通図柄の変動が約10~11回実行される。したがって、
図27の場合のように、時短状態においてはずれ変動Aの第二変動パターンに基づく第二報知演出だけが行われるときには、「特
図2判定回数」が「10」回に到達するよりも先に、「普図判定回数」が「12」回に到達することがない。このため、時短状態において特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されず、はずれの判定結果のみが導出された場合、「普図判定回数」が「12」回に到達することによっては時短状態が終了しない。この場合、時短状態は、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することによって終了する。その後は、通常状態が設定される。
【0215】
図28は、時短状態において5回目に行われた特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出され、この判定結果を報知する第二報知演出が、小当たり変動Dの第二変動パターンに基づいて行われた場合を示す。なお、時短状態において1~4回目に行われた特
図2大当たり判定によってはずれの判定結果が導出され、時短状態において1~4回目に行われたはずれ変動は、全てはずれ変動Aの第二変動パターンによって行われたとする。すなわち、時短状態の終了条件の1つが「特
図2判定回数」が「10」回に到達することである時短状態において、はずれ変動Aの第二変動パターンによるはずれ変動が4回連続して行われた後、5回目に小当たり変動Dの第二変動パターンによる小当たり変動が行われた場合に相当する。この場合において、時短状態において5回目に行われた小当たり変動Dの第二変動パターンによる小当たり変動が終了するまでの間に、「普図判定回数」が「12」回に到達することがない。このため、小当たり変動が終了し、対応する小当たり遊技が行われる場合においても時短状態が継続する。したがって、小当たり遊技によって開閉部材171を開放した第二大入賞口17へ入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過する場合、時短状態が設定されている。小当たり遊技によって開放した第二大入賞口17へ入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過すると、これに起因して小当たり遊技状態の終了後に大当たり遊技状態が設定される。
【0216】
図17のS269で示したように、主制御基板41のCPU51は、小当たり遊技状態において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が特定領域を通過した場合、その時点に時短状態が設定されているかに応じて、実行中の小当たり遊技の終了後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件を決定する。
図28の場合には、遊技球が特定領域を通過する時点において時短状態が設定されている。よって、CPU51は、時短状態の終了条件を、
図25で示した特別図柄決定テーブルに基づいて、「特図合計判定回数」を「15」回、「特
図2判定回数」を「10」回、「普図判定回数」を「12」回と決定する。したがって、
図28の場合において実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態と同様の終了条件を備えることとなる。
【0217】
図29は、時短状態において10回目に行われた特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出され、この判定結果を報知する第二報知演出が、小当たり変動Dの第二変動パターンに基づいて行われた場合を示す。なお、
図28の場合と同様に、時短状態において1~9回目に行われた特
図2大当たり判定によってはずれの判定結果が導出され、時短状態において1~9回目に行われたはずれ変動は、全てはずれ変動Aの第二変動パターンによって行われたとする。すなわち、時短状態の終了条件の1つが「特
図2判定回数」が「10」回に到達することである時短状態において、はずれ変動Aの第二変動パターンによるはずれ変動が9回連続して行われた後、10回目に小当たり変動Dの第二変動パターンによる小当たり変動が行われた場合に相当する。この場合、この小当たり変動の実行中に、「普図判定回数」が「12」回に到達することに応じて、時短状態が終了する。その後に小当たり変動Dによる小当たり変動の演出時間が経過することによって、小当たり変動が終了する。これに応じて小当たり遊技状態が設定され、第二大入賞口17の開閉部材171が開放状態になる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技が実行される時点において、時短状態が終了し、遊技状態は非時短状態である通常状態に移行している。よって、小当たり遊技において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過する場合には、通常状態が設定されている。
【0218】
図29の場合には、遊技球が特定領域を通過する時点において通常状態が設定されている。よって、CPU51は、時短状態の終了条件を、
図25で示した特別図柄決定テーブルに基づいて、「特図合計判定回数」を「25」回、「特
図2判定回数」を「20」回、「普図判定回数」を「12」回と決定する。つまり、
図28の場合において実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件よりも、「特
図2判定回数」が多い回数となる。
【0219】
このように、変形例のパチンコ機1は、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することが時短状態の終了条件である場合であって、はずれ変動が全てはずれ変動Aの第二変動パターンによって行われるとき、その時短状態の1~9回目に実行される大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されても、対応する小当たり遊技及び大当たり遊技の後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の場合の時短状態の終了条件と同じである。一方、この条件において、その時短状態における最後の1回である10回目に実行される大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出された場合には、対応する小当たり遊技及び大当たり遊技の後には、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件とする、遊技者にとってより有利な時短状態が設定される。
【0220】
このように、変形例のパチンコ機1は、時短状態において最終回に実行される大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されることによって、その後に設定される時短状態の有利度を高くできるといった、従来にない遊技性を発揮できる。したがって、変形例のパチンコ機1は、時短状態に小当たりの判定結果を得られるかだけでなく、時短状態のどの段階で小当たりの判定結果が導出されるかについても、遊技者の注目を集めることができる。すなわち、変形例のパチンコ機1は、時短状態においてハマりが生ずるほど、遊技者の期待感を向上させられるといった従来にない遊技感覚を遊技者に与え、新規な遊技性を遊技者に楽しませることができる。
【0221】
図30は、時短状態において第二変動パターンに基づいてはずれ変動が複数回行われた後に、第二変動パターンに基づいて小当たり変動が行われる場合の例を示す。特に
図30は、複数回のはずれ変動のうちの1回が、はずれ変動Cの第二変動パターンによって行われる場合の例を示す。はずれ変動Cの第二変動パターンによって行われるはずれ変動の演出時間は、小当たり変動Dの第二変動パターンによって行われる小当たり変動の変動時間と同様に10秒である。この変動時間は、普通図柄の変動が繰り返されるために必要な時間の約2倍の時間である。
【0222】
図30は、時短状態において9回目に実行された特
図2大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出された場合、すなわち、時短状態の9回目に小当たり変動Dの第二変動パターンによって小当たり変動が行われた場合を示す。この場合、この小当たり変動の実行中に、「普図判定回数」が「12」回に到達することに応じて、時短状態が終了する。その後に小当たり変動Dによる小当たり変動の演出時間が経過することによって、小当たり変動が終了する。これに応じて小当たり遊技状態が設定され、第二大入賞口17の開閉部材171が開放状態になる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技が実行される時点において、時短状態が終了し、遊技状態は非時短状態である通常状態に移行している。よって、小当たり遊技において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過する場合には、通常状態が設定されている。したがって、
図30の場合において実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件よりも、「特
図2判定回数」が多い回数となる。
【0223】
図31は、
図30と同様に初当たり遊技後の時短状態における遊技が進行し、時短状態において複数回のはずれ変動のうちの1回がはずれ変動Cの第二変動パターンによって行われた後、時短状態の10回目に小当たり変動Dの第二変動パターンによって小当たり変動が行われた場合を示す。この場合にも、この小当たり変動の実行中に、「普図判定回数」が「12」回に到達することに応じて、時短状態が終了する。その後に小当たり変動Dによる小当たり変動の演出時間が経過することによって、小当たり変動が終了する。これに応じて小当たり遊技状態が設定され、第二大入賞口17の開閉部材171が開放状態になる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技が実行される時点において、時短状態が終了し、遊技状態は非時短状態である通常状態に移行している。よって、小当たり遊技において第二大入賞口17へ入賞した遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過する場合には、通常状態が設定されている。したがって、
図31の場合において実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件は、初当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件よりも、「特
図2判定回数」が多い回数となる。
【0224】
図30及び
図31で示したように、時短状態において実行される複数回のはずれ変動のうちの1回が、はずれ変動Cの第二変動パターンによって行われる場合、その時短状態の9回目又は10回目に小当たり変動が行われれば、対応する小当たり遊技及び大当たり遊技の終了後には、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件とする、遊技者にとってより有利な時短状態が設定される。すなわち、変形例のパチンコ機1は、時短状態が設定された場合に、その時短状態のどのタイミングで小当たりの判定結果が得られるかによって、その後に設定される時短状態の有利度を変化させることができる。
【0225】
このように、変形例のパチンコ機1は、時短状態において小当たり変動Dの第二変動パターンによるはずれ変動を1回行った場合には、その時短状態における最後の1回である10回目に実行される大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出された場合に加えて、その前の9回目に実行される大当たり判定によって小当たりの判定結果が導出されたときにも、対応する小当たり遊技及び大当たり遊技の後に、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件とする、遊技者にとってより有利な時短状態を設定することができる。すなわち、変形例のパチンコ機1は、時短状態において特定のはずれ変動が行われた場合には、より有利な終了条件を備える時短状態が設定されるチャンスを、時短状態における最終回の10回目だけでなく、最終回の1回前の9回目の特
図2大当たり判定にも付与することができる。変形例のパチンコ機1は、特定のはずれ変動が行われることによって、その後により有利な時短状態が設定される可能性が高まるといった、従来にない遊技性を実現できる。
【0226】
なお、本変形例では、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することを終了条件とする時短状態を備えることに応じて、特
図2大当たり判定によってはずれの判定結果が導出された場合、約10%の確率ではずれ変動Cの第二変動パターンが決定されるようにしている。これにより、初当たり遊技の終了後等、「特
図2判定回数」が「10」回に到達することを終了条件とする時短状態において10回の特
図2大当たり判定が実行されることによって、はずれ変動Cの第二変動パターンが1回程度決定される可能性がある。なお、はずれ変動Cの第二変動パターンが決定される確率は、任意に変更されてもよい。
【0227】
変形例のパチンコ機1は、
図25で示したように、「特2小当たり」の小当たり図柄については、小当たり遊技において遊技球が第二大入賞口17の内部の特定領域を通過した時点の遊技状態が通常状態の場合、その後に実行される大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の終了条件を、「特図合計判定回数」が「25」回、「特
図2判定回数」が「20」回、「普図判定回数」が「22」回としている。これにより、変形例のパチンコ機1は、「特
図2判定回数」が「20」回に到達することを終了条件とする時短状態が設定された場合にも、その設定された時短状態の終盤に小当たり変動が行われた場合に、その後に遊技者に有利な終了条件を有する時短状態が設定されるようにしている。
【0228】
本発明は、以上詳述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態及び変形例は、大当たり判定によって大当たりの判定結果を導出することはなく、少なくとも小当たりの判定結果を導出するように構成されている。この点、パチンコ機1は、特
図1大当たり判定、特
図2大当たり判定のいずれにおいても、大当たりの判定結果を導出してもよい。パチンコ機1は、大当たりの判定結果が導出されたことに応じて、判定結果が大当たりを示す特別図柄を確定表示させた後、条件装置及び役物連続作動装置を作動させて、大当たり遊技状態を設定してもよい。すなわち、パチンコ機1は、大当たりの判定結果に応じて大当たり遊技を実行し、小当たりの判定結果に応じて小当たり遊技の実行に起因して大当たり遊技を実行する、いわゆる1種2種タイプの遊技機であってもよい。例えば、パチンコ機1は、特
図1大当たり判定によっては大当たり又ははずれの判定結果が導出されるように構成され、特
図2大当たり判定によっては小当たり又ははずれの判定結果が導出されるが大当たりの判定結果が導出されないように構成されてもよい。また、この場合において、特
図2大当たり判定によっても大当たりの判定結果が導出されるようにパチンコ機1が構成されてもよい。
【0229】
上記実施形態では、第二大入賞口17に入賞した遊技球は、第二大入賞口17の内部に設けられる振分部材によって、特定領域又は非特定領域に振り分けられる。振分部材は、
図2に示す振分部材ソレノイド72が特定の駆動パターンで駆動することによって作動する。上記実施形態及び変形例において、特定の駆動パターンは、第二大入賞口17に入賞した10個程度の遊技球のうち少なくとも1個が特定領域を通過し、特定領域を通過しなかった残りの9個程度の遊技球が非特定領域を通過するように構成されている。この点、パチンコ機1は、第二大入賞口17に遊技球が10個程度入賞しても、入賞した遊技球のいずれも特定領域を通過しない駆動パターンを有してもよい。この場合、パチンコ機1は、大当たり判定によって小当たりの判定結果だけが導出され、はずれの判定結果が導出されないように構成されていてもよい。すなわち、パチンコ機1は、大当たり判定において、少なくとも小当たりの判定結果を導出するように構成されていてもよい。
【0230】
上記実施形態では、「小当たり変動C」の変動パターンには120秒の変動時間が対応付けられている。パチンコ機1は、これに加えて、普通図柄が100回の変動を実行するには少し時間が足りない80秒程度の小当たり変動の変動パターンを設けてもよい。この場合、パチンコ機1は、小当たり変動の実行中に「普図判定回数」が「100」回に到達するか否かに対して遊技者の注目を集めて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0231】
上記実施形態では、「特図合計判定回数」が「15」回又は「25」回であること及び「特
図2判定回数」が「10」回又は「20」回であることを、時短状態の終了条件として含む。パチンコ機1は、「特図合計判定回数」又は「特
図2判定回数」のうち少なくともいずれかを時短状態の終了条件としてもよい。例えば、パチンコ機1は、「特
図2判定回数」が所定の回数に到達することによって時短状態が終了することを定義している場合には、「特図合計判定回数」が所定の回数に到達することによって時短状態が終了することを定義していなくてもよい。逆に、パチンコ機1は、「特図合計判定回数」が所定の回数に到達することによって時短状態が終了することを定義している場合には、「特
図2判定回数」が所定の回数に到達することによって時短状態が終了することを定義していなくてもよい。
【符号の説明】
【0232】
1 パチンコ機
14 第一始動口
15 第二始動口
16 第一大入賞口
17 第二大入賞口
41 主制御基板
51,581 CPU
52,582 RAM
53,583 ROM