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▶ 篠田 静男の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007304
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】雲丹割器具
(51)【国際特許分類】
   A22C 29/00 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
A22C29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022118291
(22)【出願日】2022-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】504390702
【氏名又は名称】篠田 静男
(72)【発明者】
【氏名】篠田 静男
【テーマコード(参考)】
4B011
【Fターム(参考)】
4B011MA03
(57)【要約】
【課題】1雲丹本体の11生殖巣の採取において、従来の採取のために1雲丹本体の17外郭殻を割るとき、挿入した2雲丹割器によって11生殖巣を崩したり、10口とつがっている13腸を破壊してしまうという問題点があった。
【解決手段】1雲丹本体の11生殖巣の採取に当たって1雲丹本体の10口側の17外郭殻を21爪、20腕の動作によって10口とともに円形状に切除することで、1雲丹本体の11生殖巣を崩すことなく採取することができる。また、10口と繋がった13腸も破壊されずに10口と一緒に切除できることから、13腸が破壊されることがなく1雲丹本体から分離することができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雲丹本体の外郭殻に相似するように円形に配置された複数の腕を有し、腕の先端部には雲丹の外郭殻を破壊するための鋭利な刃が装着され、その刃が、口を上方に向けた雲丹本体の外郭殻の口の周辺の上部を円形状に切除するときに切除高さを調整するための調整ボルトにより構成される、雲丹外郭殻切除機能を有した作用部と、雲丹本体の外郭殻を円形状に切除するために先端部に鋭利な刃を装着した腕を、雲丹本体の外郭殻を円形状に切除するために開閉可動させるためのスライド機構を備え、スライド機構の上下動作により先端部に鋭利な刃を装着した腕が開閉し、先端部の鋭利な刃部により雲丹の外郭殻を円形状に切除すること特徴とする雲丹割器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雲丹本体の内部の生殖巣を崩れすることがなく、雲丹本体の内部の口と繋がっている腸を破壊することがなく、雲丹本体から生殖巣を取り出すことが容易な、ウニの殻割器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海産物処理器具械の中で、雲丹割器具は海より水揚げされた雲丹本体から生殖巣を取り出すために雲丹本体の外郭殻を壊し内部の生殖巣を取り出すために実用に供されている。実用の雲丹割器具は水揚げされた雲丹本体の外郭殻中心部に楔状の刃を打ち込み、捩じり割するものや、同じく楔状であって二枚刃からなるハサミ状の刃を雲丹の外郭殻中心部に打ち込みハサミ状の刃を雲丹本体の内部で開くことにより雲丹を二分割するものがある。
【0003】
しかし、実用の雲丹割器具は雲丹外郭殻の内部にまで楔状の雲丹割刃を差し込むため、雲丹を二分割するとき、雲丹本体の内部に5個配列している雲丹本体の生殖巣の1個を崩してしまうという欠点があった。また、楔状雲丹割刃を打ち込むときに、雲丹本体の口と繋がっている内臓の腸の一部を破壊してしまうという欠点があった
【0004】
実用の雲丹割器具で水揚げされた雲丹から生殖巣を取り出す作業において、この欠点は商品化に当たり、商品価値の低下、商品化コストの増加、労働力の増加、熟練作業者の必要性など、大きな障害となっている。具体的には、商品価値の少ない、くず生殖巣の発生、二分割された雲丹殻から生殖巣を取り出す高度な技術者、また楔状雲丹割器具の雲丹殻への打ち込み時に発生する雲丹本体の内臓の腸の破壊により生殖巣に付着した腸の内臓物の除去作業等の問題点があった。
【0005】
この改善策として、雲丹本体の内部構造から、生殖巣は口とは反対側の肛門部の近にある生殖孔の内壁に付着していること。また雲丹の内臓は口と繋がっていることから、雲丹外郭殻の口の部分を、口を中心に3cm程度の円形状に切除する方法がある。図9は雲丹本体の内臓物の配置状態を示すための説明図であって、雲丹の口を上向きにした時の断面図である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-152204号公報
【特許文献2】実開平06‐084878号公報
【特許文献3】実全昭59-008587号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】村の鍛冶屋 ウニ割りくん
【非特許文献2】火の鳥 ウニくん
【非特許文献3】工具のイーデンキ ウニ割パックリ
【非特許文献4】工具のイーデンキ ウニくんJAN
【非特許文献5】厨房・Byonho 雲丹割り職人
【非特許文献6】火の鳥 雲丹割り T字タイプ
【非特許文献7】火の鳥 雲丹割り 十字タイプ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、実用の雲丹割器具では、水揚げされた雲丹本体から生殖巣を取り出す作業において、生殖巣を崩したり、腸を破損することが多く、雲丹本体から生殖巣を取り出すときのこの欠点は生殖巣の商品化に当たり、商品価値の低下、商品化コストの増加、労働力の増加、熟練作業者の必要性など、大きな障害となっている。
雲丹割器具において、生殖巣を崩すことなく、また口から肛門に繋がる腸を破壊すことがなく、容易に雲丹本体の外郭殻から生殖巣を取り出すことのできる雲丹割器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、雲丹割器具において、雲丹の外郭殻を割って生殖巣を取り出す場合、生殖巣を崩すことなく、また口から肛門に繋がる腸を破壊すことがなく、容易にウニの殻内部から生殖巣を取り出すことのできることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の雲丹割器具は、生殖巣の位置していない、雲丹の口側の外郭殻を口とともに円形に切除することにより生殖巣を傷つけることなく、また生殖巣の生殖孔とのつながりを切断することがなく、さらに、口と繋がっている腸が円形に切除された口とともに破壊されずに除去されることから、崩れ生殖巣の発生の減少や、また雲丹本体の内部を占める腸が破壊されることによる腸内の汚物が生殖巣へ付着することが無く、さらには動作後には雲丹外郭殻の内部には生殖巣だけ残っていることから、生殖巣の取り出しが容易であり、商品としての生殖巣の品質の向上が期待できるととともに、労働力の軽減によるコストの抑制が図れ、さらには口の周辺が円形状に切除された雲丹本体の外郭殻は料理を提供するときの器として使用できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】雲丹本体の内部の状況を示した説明図である。
図2】雲丹本体を置き台の上に置き、雲丹割器具が待機の状態を示す説明図(正面図)である。(実施例1)
図3】待機状態時の開いた腕と爪の状態を示す説明図(平面図)である。
図4】雲丹割器具が下降し、高さ調整ボルトにより切削位置で停止した状態を示す説明図である
図5】切削位置で停止した時の腕と爪の位置を示した説明図(平面図)である。
図6】切除ホイストシャフトの上昇によりスライド機構が腕に沿って上昇し、支点上方側の腕が開く動きとともに支点下方の腕と爪が閉まり雲丹本体を破壊する状況を示した説明図である。
図7】雲丹本体を破壊したときの腕と爪の状況を示した説明図である。
図8】雲丹割器具が上昇し雲丹本体と、破壊された殻と口と腸の分離状況を示した説明図である。
図9】雲丹割器具が上昇し雲丹本体と、破壊された外郭殻と口と腸の分離状況時の腕と爪の状況を示した説明図である。
図10】2雲丹割器具及び3作業台の配置図を示した説明図である。
図11】1雲丹本体を29置き台に乗せた状況を示した説明図である。
図12図11で台に乗せられた1雲丹本体が、31スプロケット及び30チェーンの動作によって2雲丹割器具の下に移動した状況及び2雲丹割器具が28昇降ホイストの稼働により1雲丹本体に下降し、26高さ調整ボルトの作用により雲丹の外郭殻の上部で停止した状況を示した説明図である。
図13】2雲丹割器具が18切除ホイストの動作によって閉じられた20腕と21爪によって1雲丹の17外郭殻が10口を中心として円形状に破壊された状況を示した説明図である。
図14】20腕と21爪によって破壊された雲丹の17外郭殻を28昇降ホイストの動作によって1雲丹本体から上方に分離されたことを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
雲丹本体の植生巣を取り出すにあたって、雲丹本体の生殖巣を可能な限り、崩すことなく、また腸を破壊しないように雲丹の外郭殻を破壊するという目的を雲丹の口側から口の周辺を円形状に切除し、口と腸を雲丹本体から一緒に分離する方法で実現した。
【実施例0013】
図2は、本発明装置の1実施例の断面図であって、雲丹本体を台に乗せ、雲丹割器具の下降を待機している状態である。この時、26切除ホイストシャフトは下降しているため20腕及び21爪は開いている状態にある。
【0014】
図4は2雲丹割器具が下降し26高さ調整ボルトが雲丹本体に接触し所定の位置で停止している。この時21爪の停止位置が1雲丹本体の高さの3分の1程度の位置で停止することにより、1雲丹本体の17外郭殻の破壊時に雲丹本体内部の植生巣や腸を崩したり、破壊することが防止される。
【0015】
図6は切除ホイストシャフトが上昇することにより22スライド機構が腕に沿って上昇するため力点側の20腕は開くとともに作用点側の20腕と21爪は閉じようとするため21爪により17雲丹外郭殻は10口を中心として円形に破壊される。
【0016】
図8では破壊された10口と17外郭殻は2雲丹割器具の上昇によって2雲丹本体に11植生巣を残して分離される。
【0017】
図2から図8の工程を連続することによって2雲丹の11植生巣の取り出しが容易となり、崩れ植生巣の発生の防止、13腸の破壊による11植生巣に付着した汚物の処理の軽減、労働力の削減などが図れ、さらには雲丹の外郭殻を料理の器で使用が可能になるなど利便性の向上に資するものである。
【産業上の利用可能性】
【0018】
切削刃群の中央に位置する切削高さを調整するための調節ボルトにより、雲丹の形の大小にかかわらず雲丹本体内部の生殖巣を崩すことなく、また腸を破壊することなく一定に口周辺の外郭殻を円形に切除することによって、雲丹本体の加工における生殖巣の取り出しが容易となり、口に接続されている腸は破壊されることなく切除された口と一緒に取り出されるため、従来生殖巣を商品化するときの腸の破壊によって生殖巣に付着した腸内の汚物の取り除く手間も軽減される。さらには生殖巣を取り除いた外郭殻は料理の提供時の器にも使用できる。
【符号の説明】
【0019】
図で、1は雲丹本体、2は雲丹割器具、3は作業台、8は開閉補助ばね、10は口、11は生殖巣、12は生殖孔、13は腸、14は肛門、15はとげ、16は管足、17は外郭殻、18は切除ホイスト、19はホイストシャフト、20は腕、21は爪、22はスライド機構、23はスライドベアリング、24は支点シャフト、25は支点リング、26は高さ調整ボルト、27は昇降台、28は昇降ホイスト、29は置き台、30は移動チェーン、31は移動スプロケット、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14