(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007305
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 21/036 20060101AFI20240111BHJP
B65D 1/26 20060101ALI20240111BHJP
B65D 43/04 20060101ALI20240111BHJP
B65D 43/08 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
B65D21/036
B65D1/26 120
B65D43/04 200
B65D43/08 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168124
(22)【出願日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2022108165
(32)【優先日】2022-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日: 2022年8月8日 販売した場所: 吉野家東浦和店(埼玉県さいたま市緑区東浦和8丁目1-13) 吉野家4号線春日部緑町店(埼玉県春日部市緑町6丁目15-3)
(71)【出願人】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 正一
(72)【発明者】
【氏名】田中 潤
【テーマコード(参考)】
3E006
3E033
3E084
【Fターム(参考)】
3E006AA02
3E006BA08
3E006CA02
3E006DA03
3E006DB04
3E033AA08
3E033BA16
3E033BA18
3E033BA22
3E033BA30
3E033CA08
3E033DA04
3E033DA08
3E033DC03
3E033DD13
3E033FA04
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084AB10
3E084BA02
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC03
3E084FC04
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA01
3E084KB10
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】
安定して段積みできる包装用容器を提供する。
【解決手段】
底面310を有する本体300と、天面110を有する蓋体100とを備えた、包装用容器400であって、蓋体100の天面110には、通気口180と、上方へ突出する嵌合凸部170が設けられ、本体300の底面310には、嵌合凸部170に嵌合する嵌合凹部370が設けられ、嵌合凸部170の高さH1は、嵌合凹部370の深さD1よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面を有する本体と、天面を有する蓋体とを備えた、包装用容器であって、
前記蓋体の天面には、通気口と、上方へ突出する嵌合凸部が設けられ、
前記本体の底面には、前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部が設けられ、
前記嵌合凸部の高さは、前記嵌合凹部の深さよりも大きいことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
容器と、前記容器に嵌合する蓋体とを備えた、包装用容器であって、
前記容器は、前記容器のフランジ部から下方へ延びるハカマ部と、前記ハカマ部に形成されたリブとを備え、
前記蓋体は、前記蓋体のフランジ部から下方へ延びるハカマ部と、前記ハカマ部に形成されたリブとを備え、
前記蓋体が前記容器に嵌合した際に、前記蓋体のハカマ部が前記容器のハカマ部を覆うことを特徴とする包装用容器。
【請求項3】
蓋体と、中皿と、本体とを備えた、包装用容器であって、
前記蓋体と前記中皿と前記本体のいずれか2つ以上において、フランジ部から下方へ延びるハカマ部と、前記ハカマ部に形成されたリブとを備え、
前記蓋体と前記中皿と前記本体を嵌合させた際に、一方の前記ハカマ部が他方の前記ハカマ部を覆うことを特徴とする包装用容器。
【請求項4】
一方の前記ハカマ部のリブと他方の前記ハカマ部のリブとは、重ならないように互いにズレていることを特徴とする請求項2又は3に記載の包装用容器。
【請求項5】
一方の前記ハカマ部のリブと他方の前記ハカマ部のリブとは、延出する方向が異なることを特徴とする請求項2又は3に記載の包装用容器。
【請求項6】
一方の前記ハカマ部のリブと他方の前記ハカマ部のリブとは、延出する方向が異なることを特徴とする請求項4に記載の包装用容器。
【請求項7】
前記蓋体の天面から前記蓋体の側面まで連続する補強リブを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項8】
前記蓋体の天面には、当該天面の中心から放射線状に広がる基準線と直交する直交リブが設けられると共に、前記直交リブの外側に凸部が設けられ、
当該凸部の上面には、前記天面の中心から放射線状に広がる基準線に沿った補強リブが設けられ、
前記直交リブと前記凸部は、接触することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項9】
前記蓋体の天面に、直線部がある凹凸部が設けられ、
この凹凸部の両端が蓋体天面の外周に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項10】
前記嵌合凸部の天部又は側壁部に、凹凸部を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、食品を収容可能な包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品等を収容した状態で、蓋体が本体に嵌合する包装用容器が知られており、特に近年では、料理宅配サービスやテイクアウトの利用が増えて、温かい総菜類の加熱調理された食品を収容するために包装用容器が利用されている。ただ、従来の包装用容器では、料理宅配サービスやテイクアウト時の移動の揺れや衝撃で、段積みされた包装用容器が崩れる可能性があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、安定して段積みできる包装用容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る包装用容器は、底面を有する本体と、天面を有する蓋体とを備えた、包装用容器であって、前記蓋体の天面には、通気口と、上方へ突出する嵌合凸部が設けられ、前記本体の底面には、前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部が設けられ、前記嵌合凸部の高さは、前記嵌合凹部の深さよりも大きいことを特徴とする。
【0005】
上記特徴によれば、嵌合凸部と嵌合凹部が嵌合しているので、段積みされた状態が安定するのである。
【0006】
さらに、本願発明の請求項2に係る包装用容器は、容器と、前記容器に嵌合する蓋体とを備えた、包装用容器であって、前記容器は、前記容器のフランジ部から下方へ延びるハカマ部と、前記ハカマ部に形成されたリブとを備え、前記蓋体は、前記蓋体のフランジ部から下方へ延びるハカマ部と、前記ハカマ部に形成されたリブとを備え、前記蓋体が前記容器に嵌合した際に、前記蓋体のハカマ部が前記容器のハカマ部を覆うことを特徴とする。
【0007】
上記特徴によれば、包装用容器の外縁側では、ハカマ部が二重に配置されているから、外部からの衝撃を、二重に配置されたハカマ部が効果的に吸収して、蓋体が外れにくいことから、包装用容器を安定して段積みできるのである。
【0008】
さらに、本願発明の請求項3に係る包装用容器は、蓋体と、中皿と、本体とを備えた、包装用容器であって、前記蓋体と前記中皿と前記本体のいずれか2つ以上において、フランジ部から下方へ延びるハカマ部と、前記ハカマ部に形成されたリブとを備え、前記蓋体と前記中皿と前記本体を嵌合させた際に、一方の前記ハカマ部が他方の前記ハカマ部を覆うことを特徴とする。
【0009】
上記特徴によれば、包装用容器の外縁側では、ハカマ部が二重に配置されているから、外部からの衝撃を、二重に配置されたハカマ部が効果的に吸収して、蓋体又は中皿が外れにくいことから、包装用容器を安定して段積みできるのである。
【0010】
さらに、本願発明の請求項4に係る包装用容器は、一方の前記ハカマ部のリブと他方の前記ハカマ部のリブとは、重ならないように互いにズレていることを特徴とする。
【0011】
上記特徴によれば、一方のハカマ部と他方のハカマ部の弱い箇所を、互いのリブが補強し合うため、ハカマ部が外力によって変形し難くなっている。
【0012】
さらに、本願発明の請求項5に係る包装用容器は、一方の前記ハカマ部のリブと他方の前記ハカマ部のリブとは、延出する方向が異なることを特徴とする。
【0013】
上記特徴によれば、一方のハカマ部のリブと他方のハカマ部のリブがより確実に重ならないため、一方のハカマ部と他方のハカマ部は完全に密着せず、互いの間に僅かな隙間がより確実に出来るため、その隙間が外力に対する緩衝空間となって外力を効果的に吸収できる。
【0014】
さらに、本願発明の請求項6に係る包装用容器は、一方の前記ハカマ部のリブと他方の前記ハカマ部のリブとは、延出する方向が異なることを特徴とする。
【0015】
上記特徴によれば、一方のハカマ部のリブと他方のハカマ部のリブがより確実に重ならないため、一方のハカマ部と他方のハカマ部は完全に密着せず、互いの間に僅かな隙間がより確実に出来るため、その隙間が外力に対する緩衝空間となって外力を効果的に吸収できる。
【0016】
さらに、本願発明の請求項7に係る包装用容器は、前記蓋体の天面から前記蓋体の側面まで連続する補強リブを備えたことを特徴とする。
【0017】
上記特徴によれば、天面から側壁周辺の剛性が高くなるので、蓋体と本体との嵌合時や段積時の外力により、天面が撓むことを効果的に防止出来る。
【0018】
さらに、本願発明の請求項8に係る包装用容器は、前記蓋体の天面には、当該天面の中心から放射線状に広がる基準線と直交する直交リブが設けられると共に、前記直交リブの外側に凸部が設けられ、当該凸部の上面には、前記天面の中心から放射線状に広がる基準線に沿った補強リブが設けられ、前記直交リブと前記凸部は、接触することを特徴とする。
【0019】
上記特徴によれば、嵌合凸部に本体が嵌合した際の応力を直交リブで受け止め、直交リブから凸部の補強リブへと分散させることで、天面が撓むことを効果的に防止している。
【0020】
さらに、本願発明の請求項9に係る包装用容器は、前記蓋体の天面に、直線部がある凹凸部が設けられ、
この凹凸部の両端が蓋体天面の外周に位置することを特徴とする。
【0021】
上記特徴によれば、天面の剛性が高くなるので、蓋体と本体との嵌合時や段積時の外力により、天面が撓むことを効果的に防止出来る。
【0022】
さらに、本願発明の請求項10に係る包装用容器は、前記嵌合凸部の天部又は側壁部に、凹凸部を設けたことを特徴とする。
【0023】
上記特徴によれば、嵌合凸部の天部又は側壁部に設けられた凹凸部で嵌合凸部の強度が高まり、嵌合凸部と本体の嵌合凹部とを嵌合させた時の天面のたわみを抑制できる。
【発明の効果】
【0024】
上述したように、本願発明の包装用容器は、安定して段積みできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】(a)は、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器の蓋体の平面図、(b)は蓋体の側面図、(c)はA―A端面図である。
【
図2】(a)は、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器の中皿の平面図、(b)は中皿の側面図、(c)はB―B端面図である。
【
図3】(a)は、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器の本体の平面図、(b)は、本体の側面図、(c)はC―C端面図である。
【
図4】(a)は、本願発明の実施形態1にかかる包装用容器の平面図、(b)は包装用容器の側面図である。
【
図5】(a)は、
図4(a)のD―D端面図、(b)は、
図5(a)における、包装用容器の嵌合部分の拡大端面図である。
【
図6】(a)は包装用容器の平面図、(b)は包装用容器の側面図である。
【
図7】(a)は、
図6(a)のE―E端面図、(b)は、
図6(b)のF―F端面図である。
【
図8】(a)は包装用容器の平面図、(b)は包装用容器の側面図である。
【
図9】(a)は、
図8(a)のG―G端面図、(b)は、
図9(a)における、包装用容器の嵌合部分の拡大端面図である。
【
図12】本願発明の実施形態2にかかる包装用容器の蓋体の平面図である。
【
図13】(a)は、蓋体の側面図、(b)は、
図12のI―I断面図である。
【
図14】(a)は、中皿の平面図、(b)は、中皿の側面図、(c)はJ―J端面図である。
【
図15】(a)は、包装用容器の平面図、(b)は包装用容器の側面図である。
【符号の説明】
【0026】
100 蓋体
110 天面
170 嵌合凸部
180 通気口
300 本体
310 底面
370 嵌合凹部
H1 高さ
D1 深さ
400 包装用容器
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本願発明の各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、包装用容器の中皿又は本体の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0028】
<実施形態1>
まず、
図1には、本願発明の実施形態1に係る包装用容器400の蓋体100を示す。なお、
図1(a)は蓋体100の平面図、
図1(b)は蓋体100の側面図、
図1(c)はA―A端面図である。
【0029】
図1に示すように、蓋体100は下方に開口した浅皿型で、平面視略正方形状をしており、平坦な天面110と、当該天面110の縁部111から下方へ向けて連続する側壁120と、当該側壁120の下端から外側へ延びるフランジ部130とを備える。さらに、フランジ部130の外側には、下方へ延出するハカマ部140が設けられ、ハカマ部140には上下方向へ延出するリブ141が複数設けられている。このリブ141は、ハカマ部140の表面から内側へ凸状に形成されており、等間隔で互いに平行に配置されている。また、リブ141の上端142は、フランジ部130上に延出している。
【0030】
また、ハカマ部140の下端側には内側へ凸状の第一嵌合部150が設けられている。この第一嵌合部150は、後述する本体の第一嵌合部に嵌合する箇所である。また、側壁120の下端とフランジ部130の間には、外側へ凸状の第二嵌合部160が設けられている。この第二嵌合部160は、後述する中皿の第二嵌合部に嵌合する箇所である。そして、側壁120、フランジ部130、ハカマ部140、第一嵌合部150、及び第二嵌合部160は、蓋体100の周方向へ全周にわたり連続的に又は断続的に設けられている。
【0031】
また、天面110の四隅には、上方へ凸状の段部112が形成されている。この段部112の内側には、後述する本体の底面を載置できるようになっており、段積みされた包装用容器が横ズレしないようになっている。
【0032】
さらに、天面110の中央には、上方へ凸状の嵌合凸部170が設けられている。この嵌合凸部170は、平坦な天部171と、天部171から下方へ延びて天面110と連結している側壁部172とを備える。嵌合凸部170の高さ、つまり、天面110から天部171までの上下方向の高さはH1となっている。また、嵌合凸部170の高さは、段部112の高さよりも高くなっているので、
図1(b)に示すように、嵌合凸部170が段部112よりも上方へ突出している。さらに、側壁部172には、内側へ凹状の補助嵌合凹部173が設けられている。この嵌合凸部170は、後述する本体の嵌合凹部に嵌合できるように構成されており、さらに、補助嵌合凹部173は、本体の嵌合凹部の補助嵌合凸部が嵌合できるように構成されている。なお、嵌合凸部170は、補助嵌合凹部173を備えているが、これに限定されず、補助嵌合凹部173を備えなくてもよい。また、嵌合凸部170は、平面視略正方形となっているが、これに限定されず、本体の嵌合凹部に嵌合できるのであれば、平面視円形状など任意の形状であってもよい。
【0033】
また、天面110には、通気口180が形成されている。この通気口180は、天面110の一部に略U字状の切り込みを入れて弁体としたもので、開閉可能になっている。そして、後述するように、通気口180は、包装用容器内部の食品から出る蒸気を、外部へ排出することができる。なお、通気口180は、天面110の一部に切り込みを入れて開閉可能な弁体の態様をしているが、これに限定されず、蒸気を外部へ排出できるのであれば、孔やスリットなど任意の態様であってもよい。
【0034】
次に、
図2に本願発明の包装用容器400の中皿200を示す。なお、
図2(a)は中皿200の平面図、
図2(b)は中皿200の側面図、
図2(c)はB―B端面図である。なお、後述するように、包装用容器400が蓋体100と中皿200から構成される2点式の内嵌合容器として利用される場合は、中皿200は、食品を収容する容器となる。
【0035】
図2に示すように、中皿200は上方に開口した浅皿型で、平面視略正方形状をしており、平坦な底面210と、当該底面210の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁220と、当該側壁220の上端から外側へ延びるフランジ部230とを備える。さらに、フランジ部230の外側には、下方へ延出するハカマ部240が設けられ、ハカマ部240には上下方向へ延出するリブ241が複数設けられている。このリブ241は、ハカマ部240の表面から外側へ凸状に形成されており、等間隔で互いに平行に配置されている。また、リブ241の上端242は、フランジ部230まで延出している。
【0036】
また、ハカマ部240の下端側には内側へ凸状の第一嵌合部250が設けられている。この第一嵌合部250は、後述する本体の第一嵌合部に嵌合する箇所である。また、側壁220の上端とフランジ部230の間には、外側へ凸状の第二嵌合部260が設けられている。この第二嵌合部260は、蓋体100の第二嵌合部160が内嵌合できるように構成されている。そして、側壁220、フランジ部230、ハカマ部240、第一嵌合部250、及び第二嵌合部260は、中皿200の周方向へ全周にわたり連続的に又は断続的に設けられている。なお、中皿200の底面210に、蓋体100の嵌合凸部170と嵌合する嵌合凹部を設けてもよく、後述する蓋体100と中皿200とを備える包装用容器400を、より安定して段積みすることができる。
【0037】
次に、
図3には、本願発明の包装用容器400の本体300を示す。なお、
図3(a)は、本体300の平面図、
図3(b)は、本体300の側面図、
図3(c)はC―C端面図である。
【0038】
図3に示すように、本体300は上方に開口した深皿型で、平面視略正方形状をしており、平坦な底面310と、当該底面310の縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁320と、当該側壁320の上端から外側へ延びるフランジ部330とを備える。
【0039】
また、フランジ部330の外側には外側へ凸状の第一嵌合部350が設けられている。この第一嵌合部350は、蓋体100の第一嵌合部150が外嵌合できるように構成されていると共に、中皿200の第一嵌合部250も外嵌合できるように構成されている。また、側壁320の上端とフランジ部330の間には、外側へ凹状の第二嵌合部360が設けられている。この第二嵌合部360は、蓋体100以外の蓋体の嵌合部や、中皿200以外の中皿の嵌合部でも内嵌合できるように、任意に設けている。そして、側壁320、フランジ部330、及び第一嵌合部350は、本体300の周方向へ全周にわたり連続的に又は断続的に設けられている。
【0040】
また、底面310の中央には、上方へ凹状の嵌合凹部370が設けられている。この嵌合凹部370は、蓋体100の嵌合凸部170を嵌合できるように構成されている。また、嵌合凹部370は、平坦な底部371と、底部371から下方へ延びて底面310と連結している側壁部372とを備える。嵌合凹部370の深さ、つまり、底面310から底部371までの上下方向の深さはD1となっている。そして、蓋体100の嵌合凸部170の高さH1は、本体300の嵌合凹部370の深さD1よりも大きくなっている(H1>D1)。さらに、側壁部372には、内側へ凸状の補助嵌合凸部373が設けられている。この補助嵌合凸部373は、蓋体100の嵌合凸部170の補助嵌合凹部173に外嵌合できるように構成されている。なお、嵌合凸部370は、補助嵌合凹部373を備えているが、これに限定されず、補助嵌合凹部373を備えなくてもよい。また、嵌合凹部370は、平面視略正方形となっているが、これに限定されず、蓋体100の嵌合凸部170と嵌合できるのであれば、平面視円形状など任意の形状であってもよい。
【0041】
なお、本実施形態に係る蓋体100(
図1参照)、中皿200(
図2参照)、及び本体300(
図3参照)は、厚さが約0.1mmから1.00mm(ミリメートル)程度のシート状の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体100の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものを用いることができる。また、中皿200や本体300は、温かい揚げ物やご飯類の食材を収容するのに適した、例えば、保温性、耐熱性や、耐水性を備える、耐熱PSP、耐熱発泡PETやポリプロピレン等によって成形されている。また、蓋体100、中皿200、及び本体300は、平面視略正方形状であるが、この他にも平面視略円形や、平面視多角形など、適宜形状を変更することができる。
【0042】
では次に、
図4及び
図5を参照して、本願発明の包装用容器400について説明する。なお、
図4(a)は包装用容器400の平面図、
図4(b)は包装用容器400の側面図、
図5(a)は、
図4(a)のD―D端面図、
図5(b)は、
図5(a)における、包装用容器400の嵌合部分の拡大端面図である。
【0043】
まず、本願発明の包装用容器400は、蓋体100と中皿200から構成される2点式の内嵌合容器として、又は、蓋体100と本体300から構成される2点式の外嵌合容器として、又は、蓋体100と中皿200と本体300から構成される3点式の容器として利用できる。具体的には、
図4及び
図5では、包装用容器400は、中皿200を備えず、蓋体100と本体300から構成される2点式の外嵌合容器となっている。そして、本体300の内部に食品等を収容した状態で、蓋体100によって本体300を密閉し、包装用容器400を店頭等で陳列したり、包装用容器400を使用して料理の配達を行うのである。
図5(b)に示すように、蓋体100の第一嵌合部150が本体300の第一嵌合部350に外嵌合して、蓋体100は本体300にしっかりと取り付けられている。
【0044】
そして、蓋体100の通気口180は、包装用容器400内に収容された食品から出る蒸気を、外部へ排出することができる。また、後述するように、包装用容器400を段積みした際に、上側の包装用容器400の本体300の嵌合凹部370が、下側の包装用容器400の蓋体100の嵌合凸部170に嵌合するので、段積みした状態が崩れにくいのである。また、段積みした際に、上側の包装用容器400の本体300によって通気口180が塞がれないので、段積みした状態でも、食品から出る蒸気を外部へ確実に排出できる。
【0045】
では次に、
図6及び
図7を参照して、本願発明の包装用容器400を、蓋体100と中皿200から構成される2点式の内嵌合容器として利用した態様について説明する。なお、
図6(a)は包装用容器400の平面図、
図6(b)は包装用容器400の側面図、
図7(a)は、
図6(a)のE―E端面図、
図7(b)は、
図6(b)のF―F端面図である。
【0046】
まず、
図6及び
図7では、包装用容器400は、蓋体100と中皿200から構成される2点式の内嵌合容器となっている。そして、中皿200の内部に食品等を収容した状態で、蓋体100によって中皿200を密閉し、包装用容器400を店頭等で陳列したり、包装用容器400を使用して料理の配達を行うのである。
図7(a)に示すように、蓋体100の第二嵌合部160が中皿200の第二嵌合部260に内嵌合して、蓋体100は中皿200にしっかりと取り付けられている。そして、蓋体100の通気口180は、中皿200内に収容された食品から出る蒸気を、外部へ排出することができる。なお、包装用容器400は、蓋体100と中皿200から構成される2点式の内嵌合容器であり、中皿200に食品を収容することから、中皿200は、食品を収容する「容器」となる。
【0047】
また、蓋体100の第二嵌合部160が中皿200の第二嵌合部260に内嵌合した状態では、蓋体100のフランジ部130が中皿200のフランジ部230に上下に重なっているので、内部にゴミ等が侵入することを防ぐことができる。また、包装用容器400の外縁側は、例えば、包装用容器400の運搬時などに外部から衝撃を一番受けやすい部分となるので、その衝撃により、包装用容器400の外縁側の嵌合箇所、つまり、蓋体100の第二嵌合部160と中皿200の第二嵌合部260との嵌合が外れる虞がある。蓋体100が外れると、上側に段積みされた包装用容器400が不安定になるため、安定して包装用容器400が段積みできない。しかしながら、包装用容器400では、外側に位置する蓋体100のハカマ部140が、内側に位置する中皿200のハカマ部240を覆っている。つまり、蓋体100のハカマ部140が、容器となる中皿200のハカマ部240を覆っている。そのため、包装用容器400の外縁側では、ハカマ部が二重に配置されているから、外部からの衝撃を、二重に配置されたハカマ部(140、240)が効果的に吸収できる。その結果、蓋体と容器との嵌合箇所に外力が集中しにくく、嵌合が外れにくい。そして、蓋体100が外れにくいことから、包装用容器400を安定して段積みできるのである。
【0048】
さらに、ハカマ部140にはリブ141が、ハカマ部240にはリブ241が、それぞれ設けられているので、外部からの衝撃を受けても、各ハカマ部(140、240)は変形し難い。そのため、蓋体と容器の嵌合箇所に外力が集中しにくく、蓋体100が外れにくいことから、更に包装用容器400を安定して段積みできるのである。
【0049】
さらに、
図7(b)に示すように、蓋体100のハカマ部140のリブ141は、中皿200のハカマ部240のリブ241と、重ならないように互いにズラされて配置されている。つまり、蓋体100のリブ141と中皿200のリブ241は、内外方向に重ならないようにズラされている。そして、リブ141が設けられてない箇所、つまり、リブ141の間のハカマ部140は、リブ141と比べて外力に対して弱い箇所となるが、ズラされて配置された中皿200のリブ241が相対している。そのため、蓋体100のハカマ部140の弱い箇所は、相対するリブ241によって補強されて、外力によって変形し難くなっているのである。反対に、リブ241が設けられてない箇所、つまり、リブ241の間のハカマ部240は、リブ241と比べて外力に対して弱い箇所となるが、ズラされて配置された蓋体100のリブ141が相対している。そのため、中皿200のハカマ部240の弱い箇所は、相対するリブ141によって補強されて、外力によって変形し難くなっているのである。
【0050】
このように、蓋体100のハカマ部140のリブ141は、中皿200のハカマ部240のリブ241と、重ならないように互いにズラされて配置されているので、一方のハカマ部と他方のハカマ部の弱い箇所を、互いのリブが補強し合うことから、ハカマ部が外力によって変形し難くなっている。また、蓋体100のハカマ部140のリブ141は、中皿200のハカマ部240のリブ241と、重ならないように互いにズラされて配置されているので、蓋体100のハカマ部140と中皿200のハカマ部240は完全に密着せず、互いの間に僅かな隙間ができる。そのため、その隙間が外力に対する緩衝空間となって外力を効果的に吸収できる。
【0051】
なお、蓋体100のリブ141と中皿200のリブ241は、上下方向に延出しており、共に延出方向が一致しているが、これに限定されない。蓋体100のリブ141の延出方向と中皿200のリブ241の延出方向は、異なってもよい。例えば、蓋体100のリブ141が左斜めに向けて延出しており、中皿200のリブ241が右斜めに向けて延出するなど、蓋体100のリブ141の延出方向と中皿200のリブ241の延出方向が異なるのであれば、任意の方向へ延出してもよい。そして、蓋体100のリブ141の延出方向と、中皿200のリブ241の延出方向とが異なるため、蓋体100のリブ141と中皿200のリブ241は、互いにより確実に重ならないのである。そのため、蓋体100のハカマ部140と中皿200のハカマ部240は完全に密着せず、互いの間に僅かな隙間がより確実に出来るため、その隙間が外力に対する緩衝空間となって外力を効果的に吸収できる。なお、蓋体100のリブ141は内側へ凸状に、中皿200のリブ241は外側へ凸状に形成されているが、これに限定されず、蓋体100のリブ141と中皿200のリブ241が互いに重ならないようズラされて配置されるのであれば、蓋体100のリブ141と中皿200のリブ241の突出方向は、内側又は外側のいずれであってもよい。
【0052】
では次に、
図8及び
図9を参照して、本願発明の包装用容器400を、蓋体100と中皿200と本体300から構成される3点式の容器として利用した態様について説明する。なお、
図8(a)は包装用容器400の平面図、
図8(b)は包装用容器400の側面図、
図9(a)は、
図8(a)のG―G端面図、
図9(b)は、
図9(a)における、包装用容器400の嵌合部分の拡大端面図である。
【0053】
図8及び
図9に示すように、中皿200の内部に唐揚げなどの食品を収容した状態で、蓋体100によって中皿200を密閉する。蓋体100を中皿200に取り付ける態様は、
図6及び
図7で示した蓋体100と中皿200の取付態様と同じであり、蓋体100の第二嵌合部160が中皿200の第二嵌合部260に内嵌合する。さらに、本体300の内部にご飯などの食品を収容した状態で、中皿200によって本体300を密閉する。具体的には、
図9(b)に示すように、中皿200の第一嵌合部250が本体300の第一嵌合部350に外嵌合して、中皿200は本体300にしっかりと取り付けられている。このようにして、包装用容器400全体は密閉された状態となり、包装用容器400を店頭等で陳列したり、包装用容器400を使用して料理の配達を行うのである。
【0054】
また、包装用容器400では、外側に位置する蓋体100のハカマ部140が、内側に位置する中皿200のハカマ部240を覆っている。そのため、包装用容器400の外縁側では、ハカマ部が二重に配置されているから、外部からの衝撃を、二重に配置されたハカマ部(140、240)が効果的に吸収できる。その結果、蓋体100と中皿200との嵌合箇所、及び、中皿200と本体300との嵌合箇所に外力が集中しにくく、嵌合が外れにくい。そして、蓋体100及び中皿200が外れにくいことから、包装用容器400を安定して段積みできるのである。
【0055】
なお、
図9では、蓋体100と中皿200にハカマ部が設けられているが、これに限定されず、本体300にもハカマ部を設けてもよい。その場合は、本体300のフランジ部330から第一嵌合部350へ向けて延出するハカマ部が設けられる。そして、本体300のハカマ部は、蓋体100のハカマ部140、又は、中皿200のハカマ部240に覆われることになる。また、本体300のハカマ部にもリブが設けられる。そして、本体300のハカマ部のリブは、蓋体100のリブ141又は中皿200のリブ241と、重ならないようにズレて配置されることになる。このように、本体300にもハカマ部を設けると、包装用容器400の外縁側では、ハカマ部が三重に配置されているから、外部からの衝撃を、三重に配置されたハカマ部が効果的に吸収できる。
【0056】
また、蓋体100と中皿200と本体300の全てにハカマ部を設けることに限定されず、蓋体100と中皿200と本体300のいずれか2つに、ハカマ部を設けてもよい。つまり、蓋体100と中皿200にハカマ部を設け、本体300にハカマ部を設けない態様、又は、中皿200と本体300にハカマ部を設け、蓋体100にハカマ部を設けない態様、又は、蓋体100と本体300にハカマ部を設け、中皿200にハカマ部を設けない態様であってもよい。いずれの態様であっても、包装用容器400の外縁側では、ハカマ部が二重に配置されているから、外部からの衝撃を、二重に配置されたハカマ部が効果的に吸収して、蓋体100又は中皿200が外れにくいことから、包装用容器400を安定して段積みできるのである。なお、
図9に示す包装用容器400は、蓋体100と中皿200と本体300から構成される3点式の容器となっているが、これに限定されず、中皿200を個別に密閉する中皿用の蓋を追加で設けるなど、任意の蓋や容器などを追加で設けてもよい。
【0057】
では次に、
図10及び
図11を参照して、
図9に示す包装用容器400を、段積みした状態について説明する。なお、
図10は、段積みされた包装用容器400の側面図、
図11は、
図10のH―H端面図である。
【0058】
図10及び
図11に示すように、上側の包装用容器400を下側の包装用容器400の上に重ねて段積みする。具体的には、上側の包装用容器400の本体300の嵌合凹部370を、下側の包装用容器400の蓋体100の嵌合凸部170に嵌合させる。このように、嵌合凸部170と嵌合凹部370が嵌合しているので、段積みされた状態が安定するのである。さらに、嵌合凸部170の高さH1は、嵌合凹部370の深さD1よりも大きいので、包装用容器400を段積みした際に、上側の本体300の底面310が、下側の蓋体100の天面110から浮いた状態となっている。そのため、下側の蓋体100の天面110に設けられた通気口180が、上側の本体300の底面310によって塞がれず、外部に連通しているので、包装用容器400内に収容された食品の蒸気を、外部へ確実に排出できるのである。
【0059】
なお、嵌合凸部170は天面110の中央に設けられているので、天面110の中央から外側では本体300が浮いた状態となり、より広い範囲が外部に連通している。そのため、通気口を設ける位置の制限が少なくより広い範囲で、包装用容器400内に収容された食品の蒸気を、通気口180を介してより効果的に外部へ排出できる。
【0060】
<実施形態2>
次に、
図12及び
図13には、本願発明の実施形態2にかかる包装用容器400Aの蓋体100Aを示す。なお、
図12は、蓋体100Aの平面図、
図13(a)は、蓋体100Aの側面図、
図13(b)は、
図12のI―I断面図である。また、本実施形態2にかかる包装用容器400Aは、
図1から
図11に示す実施形態1にかかる包装用容器400と、蓋体100Aの第二嵌合部160Aの構成、及び、中皿200Aの第二嵌合部260Aの構成が異なるだけで、他の構成は実施形態1にかかる包装用容器400と同一なので、詳細な説明は省略する。
【0061】
図1に示すように、蓋体100Aは下方に開口した浅皿型で、平面視略正方形状をしており、平坦な天面110Aと、当該天面110Aの縁部111Aから下方へ向けて連続する側壁120Aと、当該側壁120Aの下端から外側へ延びるフランジ部130Aとを備える。さらに、フランジ部130Aの外側には、下方へ延出するハカマ部140Aが設けられ、ハカマ部140Aには上下方向へ延出するリブ141Aが複数設けられている。このリブ141Aは、ハカマ部140Aの表面から内側へ凸状に形成されている。
【0062】
また、ハカマ部140Aの下端側には内側へ凸状の第一嵌合部150Aが設けられている。この第一嵌合部150Aは、本体の第一嵌合部に嵌合する箇所である。また、ハカマ部140Aの上端側には内側へ凸状の第二嵌合部160Aが設けられている。この第二嵌合部160Aは、中皿の第二嵌合部に嵌合する箇所である。
【0063】
また、天面110Aの外周の四隅には、段部112Aが形成されており、この段部112Aは、天面110Aから上方へ突出した凸部となっている。さらに、この凸部である段部112Aの上面には、上方に凸状の補強リブ113Aが複数設けられている。各補強リブ113Aは、天面110Aの中心OAから放射線状に広がる基準線OPに沿って直線状に延出している。さらに、天面110Aには、基準線OPと直交する直交リブ114Aが設けられている。この直交リブ114Aは、天面110Aから上方へ突出している。そして、直交リブ114Aの外側には段部112Aが配置されており、直交リブ114Aと段部112Aは互いに接触している。このような、凸部である段部112Aが補強リブ113Aを備えると共に、凸部と直交リブ114Aとが接触する構造により、天面110Aの剛性が高くなるので、蓋体100Aと本体との嵌合時や段積時の外力により、天面110Aが撓むことを効果的に防止出来る。また、嵌合凸部170Aに本体が嵌合した際の応力を直交リブ114Aで受け止め、直交リブ114Aから凸部の補強リブ113Aへと分散させることで、天面110Aが撓むことを効果的に防止している。
【0064】
また、天面110Aの外周の四隅に凸部である段部112Aを設けているが、これに限定されず、天面110Aの外周の任意の箇所、又は、天面110Aの外周の全周にわたり凸部を設けてもよい。そして、天面110Aの外周に、直線状に延出する補強リブ113Aを備えた凸部を設けることで、天面110Aの外周付近の剛性が高くなるので、蓋体100Aと本体との嵌合時や段積時の外力により、天面110Aが撓むことを効果的に防止出来る。また、天面110Aに、直線状に延出した直線部がある凹凸部を設け、この凹凸部の両端が天面110Aの外周に位置するように構成してもよい。これにより、天面110Aの剛性が高くなるので、蓋体100Aと本体との嵌合時や段積時の外力により、天面110Aが撓むことを効果的に防止出来る。なお、凹凸部の両端が天面110Aの外周に位置するとは、凹凸部の両端のそれぞれが、天面110Aの外周の任意の場所に配置されていればよく、例えば、凹凸部の両端のそれぞれが天面110Aの相対する辺部の外縁に位置する場合や、凹凸部の両端のそれぞれが天面110Aの隣接する辺部の外縁に位置する場合を含む。
【0065】
さらに、補強リブ113Aは、天面110Aから側壁120Aまで連続している。そのため、天面110Aから側壁120A周辺の剛性が高くなるので、蓋体100Aと本体との嵌合時や段積時の外力により、天面110Aが撓むことを効果的に防止出来る。
【0066】
さらに、天面110Aの中央には、上方へ凸状の嵌合凸部170Aが設けられている。この嵌合凸部170Aの側壁部172Aには、内側へ凹状の補助嵌合凹部173Aが設けられている。この嵌合凸部170Aは、側壁部172Aにおいて凹凸部を形成しており、本体の嵌合凹部の補助嵌合凸部が嵌合できるように構成されている。さらに、補助嵌合凹部173Aと共に、嵌合凸部170Aの天部171Aまたは側壁に凹凸部を設けてもよい。天部171Aまたは側壁に設けられた凹凸部は、嵌合凸部の強度を高め、嵌合凸部と本体の嵌合凹部とを嵌合させた時の天面のたわみを抑制できる。
【0067】
次に、
図14に本願発明の実施形態2にかかる包装用容器400Aの中皿200Aを示す。なお、
図14(a)は中皿200Aの平面図、
図14(b)は中皿200Aの側面図、
図14(c)はJ―J端面図である。
【0068】
図14に示すように、中皿200Aは上方に開口した浅皿型で、平面視略正方形状をしており、平坦な底面210Aと、当該底面210Aの縁部から上方へ立ち上がるように連続する側壁220Aと、当該側壁220Aの上端から外側へ延びるフランジ部230Aとを備える。さらに、フランジ部230Aの外側には、下方へ延出するハカマ部240Aが設けられ、ハカマ部240Aには上下方向へ延出するリブ241Aが複数設けられている。
【0069】
また、ハカマ部240Aの下端側には内側へ凸状の第一嵌合部250Aが設けられている。この第一嵌合部250Aは、本体の第一嵌合部に嵌合する箇所である。また、ハカマ部240Aの上端側には内側へ凸状の第二嵌合部260Aが設けられている。この第二嵌合部260Aは、蓋体100Aの第二嵌合部160Aが外嵌合できるように構成されている。
【0070】
では次に、
図15及び
図16を参照して、本願発明の実施形態2にかかる包装用容器400Aを、蓋体100Aと中皿200Aから構成される2点式の外嵌合容器として利用した態様について説明する。なお、
図15(a)は包装用容器400Aの平面図、
図15(b)は包装用容器400Aの側面図、
図16(a)は、
図15(a)のK―K端面図、
図16(b)は、
図15(b)のL―L端面図である。
【0071】
まず、
図15及び
図16に示すように、包装用容器400Aは、蓋体100Aと中皿200Aから構成される2点式の外嵌合容器となっている。そして、中皿200Aの内部に食品等を収容した状態で、蓋体100Aによって中皿200Aを密閉し、包装用容器400Aを店頭等で陳列したり、包装用容器400Aを使用して料理の配達を行うのである。
図16(a)に示すように、蓋体100Aの第二嵌合部160Aが中皿200Aの第二嵌合部260Aに外嵌合して、蓋体100Aは中皿200Aにしっかりと取り付けられている。なお、包装用容器400Aは、蓋体100Aと中皿200Aから構成される2点式の外嵌合容器であり、中皿200Aに食品を収容することから、中皿200Aは、食品を収容する「容器」となる。
【0072】
また、蓋体100Aの第二嵌合部160Aが中皿200Aの第二嵌合部260Aに外嵌合した状態では、蓋体100Aのフランジ部130Aが中皿200Aのフランジ部230Aに上下に重なっているので、内部にゴミ等が侵入することを防ぐことができる。
【0073】
また、
図16(b)に示すように、蓋体100Aのハカマ部140Aのリブ141Aは、中皿200Aのハカマ部240Aのリブ241Aと、重ならないように互いにズラされて配置されているので、一方のハカマ部と他方のハカマ部の弱い箇所を、互いのリブが補強し合うことから、ハカマ部が外力によって変形し難くなっている。また、蓋体100Aのハカマ部140Aのリブ141Aは、中皿200Aのハカマ部240Aのリブ241Aと、重ならないように互いにズラされて配置されているので、蓋体100Aのハカマ部140Aと中皿200Aのハカマ部240Aは完全に密着せず、互いの間に僅かな隙間ができる。そのため、その隙間が外力に対する緩衝空間となって外力を効果的に吸収できる。
【0074】
なお、本願発明の包装用容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。