(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007306
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ペットシーツ
(51)【国際特許分類】
A01K 1/015 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
A01K1/015 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169234
(22)【出願日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】111125173
(32)【優先日】2022-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】593026111
【氏名又は名称】康那香企業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】蘇 建仲
(72)【発明者】
【氏名】曾 禹▲シュアン▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 雲鵬
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101AA20
2B101GB01
(57)【要約】
【課題】両面共に液体を吸収できるペットシーツを提供する。
【解決手段】ペットの液体の排泄物を吸収できるシーツ本体1を備え、シーツ本体1は、液体が通過できる透液性表面層2と、液体が通過できると共に透液性表面層2と間隔をあけて設置されている透液性裏面層3と、液体を吸収できると共に透液性表面層2と透液性裏面層3との間に設置されている液体吸収ユニット4と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの液体の排泄物を吸収できるシーツ本体を備え、
前記シーツ本体は、液体が通過できる透液性表面層と、
液体が通過できると共に前記透液性表面層と間隔をあけて設置されている透液性裏面層と、
液体を吸収できると共に前記透液性表面層と前記透液性裏面層との間に設置されている液体吸収ユニットと、を含むことを特徴とするペットシーツ。
【請求項2】
前記透液性表面層と前記透液性裏面層とは、互いに接合されていて前記液体吸収ユニットを包んでいることを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項3】
前記液体吸収ユニットは、前記液体の排泄物を吸収することができる液体吸収体を有する液体吸収層を含むことを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項4】
前記液体吸収層は、前記液体吸収体を包んでいる吸水紙を更に有することを特徴とする請求項3に記載のペットシーツ。
【請求項5】
前記シーツ本体は、
液体が通過できないと共に前記液体吸収ユニットと前記透液性裏面層との間に設置されている不透液性漏れ防止層を更に含み、
前記透液性裏面層は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布及びスパンレース不織布の少なくとも1者を含むことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のペットシーツ。
【請求項6】
前記液体吸収ユニットは、互いに重なっている2つの液体吸収層を含み、
各前記液体吸収層は、前記液体の排泄物を吸収できる液体吸収体を有することを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項7】
各前記液体吸収層は、前記液体吸収体を包んでいる吸水紙を更に有することを特徴とする請求項6に記載のペットシーツ。
【請求項8】
前記シーツ本体は、液体が通過できないと共に前記2つの液体吸収層の間に設置されている不透液性漏れ防止層を更に含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のペットシーツ。
【請求項9】
前記透液性表面層は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布、スパンレース不織布及び多孔プラスチックフィルムの少なくとも1者を含むことを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項10】
前記透液性裏面層は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布、スパンレース不織布及び多孔プラスチックフィルムの少なくとも1者を含むことを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項11】
前記液体吸収体は、非再生材料または再生材料により製造された高吸水性高分子シート、吸水性高分子粉末、パルプ、綿及びポリウレタンフォームの少なくとも1者を含むことを特徴とする請求項3に記載のペットシーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットシーツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、床がペットの排泄物で汚れることを防止するためにペットシーツを使用する場合が多い。一般のペットシーツは、
図1に示されるように、シーツ本体9を含む。シーツ本体9は、透液性表面層91と、透液性表面層91と間隔をあけて設置されている不透液性裏面層92と、透液性表面層91と不透液性裏面層92との間に設置されている液体吸収ユニット93と、を含む。
【0003】
そのようなペットシーツの使い方は、ペットが確実にシーツ本体9の中央エリアで排泄するであろうことを前提としており、その場合に、全ての液体の排泄物が透液性表面層2を通過して液体吸収ユニット93に進入して吸収され、そして、不透液性裏面層92により液体吸収ユニット93が吸収し切れない過量の液体の排泄物がシーツ本体9外へ漏れることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、ペットが排泄する際、ペットシーツの中央エリアで排泄するとは限らず、むしろペットシーツの辺縁エリアで排泄することがよくあることに気づいた。ペットがペットシーツの辺縁エリアで排泄すると、ペットの排泄物は、一部が透液性表面層91に落ち、一部がペットシーツの外縁に落ちて液体の排泄物がペットシーツの下に流れ込むことになる。不透液性裏面層92によりペットシーツの下にある液体の排泄物は吸収されないので、床が汚れて、更に布や大量のティッシュペーパーなどで掃除することが必要になる。
【0006】
また、特許文献1に開示されているペットシーツは、一部を壁に固定することにより一辺では液体の排泄物が漏れることを防止できるが、ペットが他の三辺で排泄した時には依然として上記の問題が起こる。
【0007】
本開示の目的は、ペットの行動による上記の問題点を解消するために、両面のいずれの面からでも液体を吸収できるペットシーツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ペットの液体の排泄物を吸収できるシーツ本体を備え、前記シーツ本体は、液体が通過できる透液性表面層と、液体が通過できると共に前記透液性表面層と間隔をあけて設置されている透液性裏面層と、液体を吸収できると共に前記透液性表面層と前記透液性裏面層との間に設置されている液体吸収ユニットと、を含むことを特徴とするペットシーツを提供する。
【発明の効果】
【0009】
上記のように、本発明のペットシーツは、液体吸収ユニットの反対する両面に透液性表面層と透液性裏面層とが設置されていることにより、ペットの液体の排泄物を透液性表面層または透液性裏面層のどちら側からでも吸収することができるので、ペットの液体の排泄物をより有効に吸収できて、従来のペットシーツの問題点を解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明のペットシーツの第1の実施形態を示す断面図である。
【
図4】該実施形態の他の変化例を示す断面図である。
【
図5】本発明のペットシーツの第2の実施形態を示す断面図である。
【
図6】本発明のペットシーツの第3の実施形態を示す断面図である。
【
図7】本発明のペットシーツの第4の実施形態を示す断面図である。
【
図8】本発明のペットシーツの第5の実施形態を示す断面図である。
【
図9】本発明のペットシーツの第6の実施形態を示す断面図である。
【
図10】本発明のペットシーツの具体例1~4及び従来のペットシーツの比較例1の液体吸収具合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2に示されるように、本発明のペットシーツは、ペットの液体の排泄物を吸収できるシーツ本体1を備え、該シーツ本体1は、液体が通過できる透液性表面層2と、液体が通過できると共に透液性表面層2と間隔をあけて設置されている透液性裏面層3と、液体を吸収できると共に透液性表面層2と透液性裏面層3との間に設置されている液体吸収ユニット4とを含む。液体吸収ユニット4は、液体の排泄物を吸収することができて液体の排泄物を吸収することに使用する液体吸収体411を有する液体吸収層41を含む。
【0012】
本発明のペットシーツの第1の実施形態において、透液性表面層2と透液性裏面層3とは、互いに接合されていて液体吸収ユニット4を包んでいるが、その接合の具体的な形態は特に限らず、例えば、
図3に示されるように、透液性裏面層3は、液体吸収ユニット4を収容しながら開口がある袋状空間を画成するように構成されていると共に、透液性表面層2は、該開口を閉じるように透液性裏面層3と接合されている形態、或いは、
図4に示されるように、透液性表面層2の縁部及び透液性裏面層3の縁部が、液体吸収ユニット4の縁部を超えるように延伸してから互いに接合されている形態が挙げられる。
【0013】
本発明のペットシーツは、ペットの行為に着眼してペットのために設計されたペット用液体吸収シーツであり、床などに配置してペットが排泄する際にペットの液体の排泄物(例えば尿液など)を吸収するように使用されることに適する。
【0014】
本発明のペットシーツの第1の実施形態の特徴は、一面が透液性表面層2であり且つ該一面の反対面が透液性裏面層3である構造設計により、透液性表面層2及び透液性裏面層3の両方ともが排泄物に接触した場合に液体の排泄物を通すように使用することができ、それにより、ペットの液体の排泄物が透液性表面層2または透液性裏面層3どちらに接触しても通過して液体吸収ユニット4に進入して吸収されることができるので、ペットが本発明のペットシーツで排泄時に、シーツ本体1の辺縁エリアで排泄した場合、即ちすべての排泄物がシーツ本体1に落ちるのではなく、液体の排泄物の一部がシーツ本体1に落ち、一部がシーツ本体1外に落ちて液体の排泄物がシーツ本体1の下に流れ込んで、全ての液体の排泄物が透液性表面層2を通過して液体吸収ユニット4に進入して吸収されることができない場合にも、液体の排泄物が透液性裏面層3を通過して液体吸収ユニット4に進入して吸収されることができるようになる。
【0015】
また、透液性表面層2及び透液性裏面層3の両方とも液体の排泄物が通過できるように構成されていることにより、ペットの液体の排泄物を透液性表面層2または透液性裏面層3のどちら側からでも、即ち両面のいずれの面からでも吸収することができるので、このような実施形態のペットシーツを配置する際に、透液性表面層2及び透液性裏面層3のどちらを床に接触させるかに留意する必要がなく、使用上より便利である。
【0016】
透液性表面層2及び透液性裏面層3の構成材料の種類及び性質は、液体が通過できる透液性があれば、特に制限する必要がない。
【0017】
本発明の一部に実施形態において、透液性表面層2は、非再生材料(バージン材)または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布(hydrophilic spunbonded nonwoven fabric)、親水性熱接合不織布(hydrophilic thermal bonding nonwoven fabric)、熱風接着不織布(air-through bonding nonwoven fabric)、スパンレース不織布(spunlace nonwoven fabric)及び多孔プラスチックフィルム(porous plastic film)の少なくとも1者を含む。
【0018】
該再生材料としては、例えば、リサイクル繊維または再生プラスチックが挙げられるが、それらに限らない。
【0019】
本発明の一部に実施形態において、透液性裏面層3は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布、スパンレース不織布及び多孔プラスチックフィルムの少なくとも1者を含む。該再生材料としては、例えば、リサイクル繊維または再生プラスチックが挙げられるが、それらに限らない。
【0020】
透液性表面層2及び透液性裏面層3の構成材料の種類は、同じでもよく、相異してもよい。
透液性表面層2及び透液性裏面層3のそれぞれが、親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布及びスパンレース不織布の少なくとも1者を含む場合、透液性表面層2及び透液性裏面層3は液体を吸収する機能を更に有するので、ペットの液体の排泄物は透液性表面層2または透液性裏面層3により吸収されることができる。
【0021】
本発明の一部に実施形態において、透液性表面層2及び透液性裏面層3の一方は、親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布及びスパンレース不織布の少なくとも1者を含む。
【0022】
液体吸収ユニット4の構成材料の種類及び性質は、液体を吸収できる吸水性があれば、特に制限する必要がない。
【0023】
本発明の一部に実施形態において、液体吸収ユニット4は、非再生材料または再生材料により製造された高吸水性高分子シート(superabsorbent polymers sheet、略称SAP sheet)、吸水性高分子粉末、パルプ、綿及びポリウレタンフォーム(polyurethane foam)の少なくとも1者を含む。
【0024】
液体吸収ユニット4の液体吸収量は、特に制限する必要なく、ペットの排泄物の液体量に応じて調整するよう設計でき、例えば、液体吸収ユニット4の液体吸収量がペットの排泄物の液体量よりはるかに大きくなるように設計することができる。
【0025】
本発明のペットシーツの第2の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0026】
本発明のペットシーツの第2の実施形態において、
図5に示されるように、液体吸収層41は、液体吸収体411を包んでいる吸水紙412を更に有する。
【0027】
吸水紙412はペットの液体の排泄物を吸収し且つペットの液体の排泄物を通す機能を有するので、液体の排泄物は先ず吸水紙412に初期的に吸収されてから液体吸収体411に進入して吸収されるので、吸水紙412により液体吸収ユニット4の液体吸収量が更に多くなる。
【0028】
本発明のペットシーツの第3の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0029】
本発明のペットシーツの第3の実施形態において、
図6に示されるように、シーツ本体1は、液体が通過できない不透液性を有すると共に液体吸収ユニット4と透液性裏面層3との間に設置されている不透液性漏れ防止層5を更に含み、且つ、透液性裏面層3は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布及びスパンレース不織布の少なくとも1者を含み、該再生材料としては、例えば、リサイクル繊維が挙げられるが、それらに限らない。
【0030】
シーツ本体1に落ちる液体の排泄物が多すぎる際に、不透液性漏れ防止層5は、液体吸収量の負荷を超えた液体吸収ユニット4から滲み出す液体の排泄物の漏れを防止できる。透液性裏面層3は、液体を吸収できる材料により構成されたので、シーツ本体1外に落ちてシーツ本体1の下に流れ込んだ液体の排泄物を吸収できる。
【0031】
ペットの液体の排泄物を透液性表面層2または透液性裏面層3のどちら側からでも吸収することができるので、このような実施形態のペットシーツを配置する際に、透液性表面層2及び透液性裏面層3のどちらを床に接触させるかに留意する必要がない。
【0032】
不透液性漏れ防止層5の構成材料の種類及び性質は、液体を通さず漏れを防止できれば、特に制限する必要がない。本発明の一部に実施形態において、不透液性漏れ防止層5としては、例えば防水プラスチック膜が挙げられるが、それに限らない。
【0033】
本発明のペットシーツの第4の実施形態は、第2の実施形態と類似し、ここでは第2の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第2の実施形態との相違点を説明する。
【0034】
本発明のペットシーツの第4の実施形態において、
図7に示されるように、シーツ本体1は、液体が通過できない不透液性を有すると共に液体吸収ユニット4と透液性裏面層3との間に設置されている不透液性漏れ防止層5を更に含み、且つ、透液性裏面層3は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布及びスパンレース不織布の少なくとも1者を含み、該再生材料としては、例えば、リサイクル繊維が挙げられるが、それに限らない。
【0035】
シーツ本体1に落ちる液体の排泄物が多すぎる際に、不透液性漏れ防止層5は、液体吸収量の負荷を超えた液体吸収ユニット4から滲み出す液体の排泄物の漏れを防止できる。透液性裏面層3は、液体を吸収できる材料により構成されたので、シーツ本体1外に落ちてシーツ本体1の下に流れ込んだ液体の排泄物を吸収できる。
【0036】
不透液性漏れ防止層5の構成材料の種類及び性質は、液体を通さず漏れを防止できれば、特に制限する必要がない。本発明の一部に実施形態において、不透液性漏れ防止層5としては、例えば防水プラスチック膜が挙げられるが、それに限らない。
【0037】
本発明のペットシーツの第5の実施形態は、第1の実施形態と類似し、ここでは第1の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第1の実施形態との相違点を説明する。
【0038】
本発明のペットシーツの第5の実施形態において、
図8に示されるように、液体吸収ユニット4は、互いに重なっている2つの液体吸収層41を含み、且つ、シーツ本体1は、液体が通過できない不透液性を有すると共に2つの液体吸収層41の間に設置されている不透液性漏れ防止層5を更に含む。
2つの液体吸収層41を含むことにより、シーツ本体1における液体の排泄物の吸収効果が更に向上する。
【0039】
不透液性漏れ防止層5の構成材料の種類及び性質は、液体を通さず漏れを防止できれば、特に制限する必要がない。本発明の一部に実施形態において、不透液性漏れ防止層5としては、例えば防水プラスチック膜が挙げられるが、それに限らない。
【0040】
本発明のペットシーツの第6の実施形態は、第5の実施形態と類似し、ここでは第5の実施形態と同じ構成の説明を省略し、第5の実施形態との相違点を説明する。
【0041】
本発明のペットシーツの第6の実施形態において、
図9に示されるように、各液体吸収層41は、液体吸収体411を包んでいる吸水紙412を更に有する点が第5の実施形態との差異点である。
【0042】
以下、本発明のペットシーツの具体例について説明する。これらの具体例は、例示的かつ説明的なものであり、且つ、本発明を限定するものと解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0043】
<具体例1>
具体例1のペットシーツの構造は、上記の第1の実施形態と同じであり、且つ、具体例1において、透液性表面層は、坪量が18gsmである親水性スパンボンド不織布により構成され、液体吸収ユニットは、坪量が190gsmである高吸水性高分子シートにより構成され、透液性裏面層は、坪量が18gsmである親水性スパンボンド不織布により構成された。
【0044】
<具体例2>
具体例2のペットシーツの構造は、上記の具体例1と同じであり、且つ、具体例1との相違点は、具体例2において、透液性裏面層は、坪量が22.5gsmである多孔プラスチックフィルムにより構成された。
【0045】
<具体例3>
具体例3のペットシーツの構造は、上記の第3の実施形態と同じであり、且つ、具体例3において、透液性表面層は、坪量が18gsmである親水性スパンボンド不織布により構成され、液体吸収ユニットは、坪量が190gsmである高吸水性高分子シートにより構成され、不透液性漏れ防止層は、坪量が22gsmである防水プラスチック膜により構成され、透液性裏面層は、坪量が35gsmである熱風接着不織布により構成された。
【0046】
<具体例4>
具体例4のペットシーツの構造は、上記の具体例3と同じであり、且つ、具体例3との相違点は、具体例4において、透液性裏面層は、坪量が30gsmであるスパンレース不織布により構成された。
【0047】
<比較例1>
比較例1のペットシーツの構造は、
図1に示される構造と同じであり、且つ、比較例1において、透液性表面層は、坪量が18gsmである親水性スパンボンド不織布により構成され、液体吸収ユニットは、坪量が190gsmである高吸水性高分子シートにより構成され、不透液性裏面層は、坪量が22gsmである防水プラスチック膜により構成された。
【0048】
具体例1~具体例4及び比較例1のペットシーツに対してそれぞれ液体吸収テストを行った。液体吸収テストは、具体例1~具体例4及び比較例1のペットシーツを透液性表面層を上向きにして床に配置し、そして、それぞれのシーツ本体の辺縁エリアに体積が20mLの赤色に染めた水を、一部がシーツ本体に落ち一部がシーツ本体外に落ちてシーツ本体の下に流れ込むようにかけた後、1分間静置し、具体例1~具体例4及び比較例1のペットシーツを元の位置から離れるように移動してから透液性表面層が床に接触するように返して放置した。そして、元の位置の床における水の残留具合を観察すると共に、具体例1~具体例4及び比較例1のペットシーツの水の吸収具合を観察した。その結果は
図10に示される。
【0049】
【0050】
表1及び
図10に示されるように、具体例1~具体例4のペットシーツが配置された位置の床にほとんど水が残留していないので、具体例1~具体例4のペットシーツは、床にある水を有効に吸収できることが示された。また、比較例1のペットシーツと比べて、具体例1~具体例4のペットシーツは床にある水に対する吸収が明らかに改善された。
【0051】
より詳しく言うと、
図10に示されるように、具体例1及び具体例2のペットシーツにおいて、液体吸収ユニットは、染色された水を吸収して染色されたことにより、透液性裏面層の設計は、床にある水が確実に透液性裏面層を通過して液体吸収ユニットに進入して吸収されることを示した。
【0052】
具体例3及び具体例4のペットシーツにおいて、透液性裏面層の構成材料は、液体を吸収する機能を有する不織布であるので、液体吸収ユニット及び透液性裏面層は、染色された水を吸収して染色された。このことにより、不透液性漏れ防止層を有しても、透液性裏面層の構成材料が液体を吸収する機能を有する不織布であることで、具体例3及び具体例4のペットシーツは、両面のいずれの面からでも確実に水を有効に吸収できることを示した。
【0053】
上記の内容によれば、本発明のペットシーツは、液体吸収ユニットの反対する両面に透液性表面層と透液性裏面層とが設置されていることにより、ペットの液体の排泄物が透液性表面層または透液性裏面層のどちらを通過しても液体吸収ユニットに進入して吸収されることができるので、ペットの液体の排泄物をより有効に吸収できて、従来のペットシーツの問題点を解消できる。透液性表面層と透液性裏面層との構成材料は、液体を吸収する機能を有する場合、透液性表面層も透液性裏面層も液体の排泄物を吸収できて、吸収効果が向上する。
【0054】
また、液体吸収ユニットと透液性裏面層との間に不透液性漏れ防止層が設置されている場合、透液性裏面層の構成材料を液体を吸収する機能を有するものにすることにより、透液性裏面層で液体の排泄物を吸収できるので、従来のペットシーツの問題点を解消できる。
【0055】
以上、本発明の実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のペットシーツは、ペットの液体の排泄物の吸収に適用できる。
【符号の説明】
【0057】
1 シーツ本体
2 透液性表面層
3 透液性裏面層
4 液体吸収ユニット
41 液体吸収層
411 液体吸収体
412 吸水紙
5 不透液性漏れ防止
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの液体の排泄物を吸収できるシーツ本体を備え、
前記シーツ本体は、液体が通過できる透液性表面層と、
液体が通過できると共に前記透液性表面層と間隔をあけて設置されている透液性裏面層と、
液体を吸収できると共に前記透液性表面層と前記透液性裏面層との間に設置されている液体吸収ユニットと、を含み、
前記透液性裏面層は、前記液体吸収ユニットを収容しながら開口がある袋状空間を画成するように構成されていると共に、前記透液性表面層は、前記開口を閉じるように前記透液性裏面層と接合されている、ことを特徴とするペットシーツ。
【請求項2】
前記液体吸収ユニットは、前記液体の排泄物を吸収することができる液体吸収体を有する液体吸収層を含むことを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項3】
前記液体吸収層は、前記液体吸収体を包んでいる吸水紙を更に有することを特徴とする請求項2に記載のペットシーツ。
【請求項4】
前記シーツ本体は、
液体が通過できないと共に前記液体吸収ユニットと前記透液性裏面層との間に設置されている不透液性漏れ防止層を更に含み、
前記透液性裏面層は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布及びスパンレース不織布の少なくとも1者を含むことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のペットシーツ。
【請求項5】
前記液体吸収ユニットは、互いに重なっている2つの液体吸収層を含み、
各前記液体吸収層は、前記液体の排泄物を吸収できる液体吸収体を有することを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項6】
各前記液体吸収層は、前記液体吸収体を包んでいる吸水紙を更に有することを特徴とする請求項5に記載のペットシーツ。
【請求項7】
前記シーツ本体は、液体が通過できないと共に前記2つの液体吸収層の間に設置されている不透液性漏れ防止層を更に含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のペットシーツ。
【請求項8】
前記透液性表面層は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布、スパンレース不織布及び多孔プラスチックフィルムの少なくとも1者を含むことを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項9】
前記透液性裏面層は、非再生材料または再生材料により製造された親水性織布、親水性スパンボンド不織布、親水性熱接合不織布、熱風接着不織布、スパンレース不織布及び多孔プラスチックフィルムの少なくとも1者を含むことを特徴とする請求項1に記載のペットシーツ。
【請求項10】
前記液体吸収体は、非再生材料または再生材料により製造された高吸水性高分子シート、吸水性高分子粉末、パルプ、綿及びポリウレタンフォームの少なくとも1者を含むことを特徴とする請求項2に記載のペットシーツ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明は、ペットの液体の排泄物を吸収できるシーツ本体を備え、前記シーツ本体は、液体が通過できる透液性表面層と、液体が通過できると共に前記透液性表面層と間隔をあけて設置されている透液性裏面層と、液体を吸収できると共に前記透液性表面層と前記透液性裏面層との間に設置されている液体吸収ユニットと、を含み、前記透液性裏面層は、前記液体吸収ユニットを収容しながら開口がある袋状空間を画成するように構成されていると共に、前記透液性表面層は、前記開口を閉じるように前記透液性裏面層と接合されている、ことを特徴とするペットシーツを提供する。