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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073069
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/847 20140101AFI20240522BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240522BHJP
   A63F 13/216 20140101ALI20240522BHJP
   A63F 13/48 20140101ALI20240522BHJP
【FI】
A63F13/847
A63F13/65
A63F13/216
A63F13/48
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184068
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】吉川 和希
(72)【発明者】
【氏名】向山 俊行
(57)【要約】
【課題】プレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与える。
【解決手段】プログラムがコンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段52、プレイヤの現在位置が敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段54、として機能させ、制御手段54は、所定時点において、対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、対戦可能範囲を拡大する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行するプログラムであって、
コンピュータを、
各プレイヤの現在位置を取得する取得手段、
前記プレイヤの現在位置が前記敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段、
として機能させ、
前記制御手段は、所定時点において、前記対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、前記対戦可能範囲を拡大する、
プログラム。
【請求項2】
前記所定時点は、単位時間が経過した時点であって、
前記制御手段は、単位時間が経過する毎に、当該単位時間あたりにおける前記回数が所定回数未満である場合に、前記対戦可能範囲を拡大する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記所定時点は、前記敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記対戦可能範囲を拡大する場合に、前記出現時間を延長する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行するプログラムであって、
コンピュータを、
各プレイヤの現在位置を取得する取得手段、
前記プレイヤの現在位置が前記敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段、
として機能させ、
前記制御手段は、所定時点において、前記対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、前記敵オブジェクトの出現時間を延長する、
プログラム。
【請求項6】
前記所定時点は、単位時間が経過した時点であって、
前記制御手段は、単位時間が経過する毎に、当該単位時間あたりにおける前記回数が所定回数未満である場合に、前記敵オブジェクトの出現時間を延長する、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記所定時点は、前記敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点である、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行する情報処理装置であって、
各プレイヤの現在位置を取得する取得手段と、
前記プレイヤの現在位置が前記敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、所定時点において、前記対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、前記対戦可能範囲を拡大する、
情報処理装置。
【請求項9】
各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行する情報処理装置であって、
各プレイヤの現在位置を取得する取得手段と、
前記プレイヤの現在位置が前記敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、所定時点において、前記対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、前記敵オブジェクトの出現時間を延長する、
情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレイヤの現実世界における位置情報に基づいて、仮想世界におけるプレイヤオブジェクト(例えばプレイヤキャラクタ)を移動させる位置情報ゲームが知られている。
【0003】
これに関して、特許文献1には、各プレイヤが共通する敵オブジェクト(レイドボス)と対戦することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6090495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような位置情報ゲームでは、プレイヤ数(プレイ人口)が多い地域でプレイするプレイヤは、共通する敵オブジェクト(レイドボス)を討伐しやすい。一方、プレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤは、共通する敵オブジェクトを討伐しにくく、当該プレイヤにゲームをプレイする動機づけを与えることができないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るプログラムは、各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行するプログラムであって、コンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段、前記プレイヤの現在位置が前記敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段、として機能させ、前記制御手段は、所定時点において、前記対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、前記対戦可能範囲を拡大する。
【0008】
また、本発明の第二態様では、前記所定時点は、単位時間が経過した時点であって、前記制御手段は、単位時間が経過する毎に、当該単位時間あたりにおける前記回数が所定回数未満である場合に、前記対戦可能範囲を拡大する。
【0009】
また、本発明の第三態様では、前記所定時点は、前記敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点である。
【0010】
また、本発明の第四態様では、前記制御手段は、前記対戦可能範囲を拡大する場合に、前記出現時間を延長する。
【0011】
また、本発明の第五態様に係るプログラムは、各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行するプログラムであって、コンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段、前記プレイヤの現在位置が前記敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段、として機能させ、前記制御手段は、所定時点において、前記対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、前記敵オブジェクトの出現時間を延長する。
【0012】
また、本発明の第六態様では、前記所定時点は、単位時間が経過した時点であって、前記制御手段は、単位時間が経過する毎に、当該単位時間あたりにおける前記回数が所定回数未満である場合に、前記敵オブジェクトの出現時間を延長する。
【0013】
また、本発明の第七態様では、前記所定時点は、前記敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
図3図1に示す端末装置としてスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】サーバ装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5】第一実施形態に係るゲームシステムにおいて、プレイヤがレイドボスモンスターとの対戦ゲームを行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第一実施形態に係るゲーム画面の一例を示す図である。
図7】第一実施形態に係るゲームシステムにおいて、対戦可能範囲を拡大および出現時間を延長する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】第二実施形態に係るゲームシステムにおいて、対戦可能範囲を拡大および出現時間を延長する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の複数の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0017】
---第一実施形態---
まず、第一実施形態について説明する。
【0018】
<全体構成>
図1は、第一実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置10と、一又は複数の端末装置12と、を備える。これらのサーバ装置10と端末装置12とは、インターネットや電話回線、イントラネット等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続されている。
【0020】
サーバ装置10は、ゲームプログラム14を実行して得られるゲームの実行結果、又はゲームプログラム14そのものを、通信ネットワークNTを介して各端末装置12のプレイヤに提供する情報処理装置である。
【0021】
各端末装置12は、各プレイヤが操作可能で持ち運び可能な可搬型通信端末装置である。各端末装置12としては、スマートフォンや携帯電話、タブレット、ノートパソコン等が挙げられる。各端末装置12は、プレイヤの操作情報をサーバ装置10に送信し、当該サーバ装置10から受信したゲームプログラム14の実行結果を出力することで、又は、プレイヤの操作情報に基づいてゲームプログラム14を実行することで、プレイヤにゲームを提供する情報処理装置である。なお、ゲームプログラム14は、端末装置12とサーバ装置10により協働して実行されてもよい。
【0022】
<ハードウェア構成>
図2は、図1に示すサーバ装置10のハードウェア構成の一例を概略的に示す図である。
【0023】
図2に示すように、サーバ装置10は、制御装置20と、通信装置26と、記憶装置28と、を備える。制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22及びメモリ24を主に備えて構成される。
【0024】
制御装置20では、CPU22がメモリ24或いは記憶装置28等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0025】
通信装置26は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。
通信装置26は、例えば、端末装置12との間で各種の情報を送受信する。
【0026】
記憶装置28は、ハードディスク等で構成される。この記憶装置28は、ゲームプログラム14を含む、制御装置20における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0027】
なお、サーバ装置10は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置10は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、図2は、サーバ装置10が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置10は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。
【0028】
図3は、図1に示す端末装置12としてスマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0029】
図3に示すように、端末装置12は、主制御部30と、タッチパネル32と、加速度センサ33と、角速度センサ34と、移動体通信部36と、無線LAN通信部38と、GPS受信部39と、記憶部40と、スピーカ42と、を備える。
【0030】
主制御部30は、CPUやメモリ等を含んで構成される。この主制御部30には、表示入力装置としてのタッチパネル32と、加速度センサ33と、角速度センサ34と、移動体通信部36と、無線LAN通信部38と、GPS受信部39と、記憶部40と、スピーカ42と、に接続されている。そして、主制御部30は、これら接続先を制御する機能を有する。
【0031】
タッチパネル32は、表示機能及び入力機能の両方の機能を有し、表示機能を担うディスプレイ32Aと、入力機能を担うタッチセンサ32Bとで構成される。第一実施形態では、ディスプレイ32Aは、ボタン画像、十字キー画像やジョイスティック画像などの操作入力画像を含むゲーム画像を表示可能である。タッチセンサ32Bは、ゲーム画像に対するプレイヤの入力位置を検出可能である。
【0032】
加速度センサ33は、端末装置12、言い換えればプレイヤの加速度を測定することが可能である。具体的には、加速度センサ33は、プレイヤの動きや振動を検知することができる。
【0033】
角速度センサ34は、端末装置12の向きや傾きを測定することが可能である。
【0034】
移動体通信部36は、アンテナ36Aを介して、移動体通信網と接続し、当該移動体通信網に接続されている他の通信装置と通信する機能を有する。
【0035】
無線LAN通信部38は、アンテナ38Aを介して、通信ネットワークNTと接続し、当該通信ネットワークNTに接続されているサーバ装置10等の他の装置と通信する機能を有する。
【0036】
GPS受信部39は、アンテナ39Aを介して、GPS衛星から電波を受信し、プレイヤの現在位置を表す位置情報を取得する機能を有する。この位置情報は、例えば緯度及び経度である。
【0037】
記憶部40には、ゲームプログラム14の全部又は一部を含む各種プログラムや各種データが記憶されている。
【0038】
スピーカ42は、ゲーム音等を出力する機能を有する。
【0039】
<ゲーム概要>
第一実施形態に係るゲームは、プレイヤの現実世界における位置や移動をゲーム内容に反映させる位置情報ゲームである。このゲームでは、例えばプレイヤが現実世界で移動することにより、ゲームフィールド(仮想世界)に配置されたプレイヤオブジェクトも移動する。このプレイヤオブジェクトは、プレイヤがゲーム内で利用可能な1又は複数のキャラクタである。プレイヤは、タッチパネル32に入力操作等を行うことにより、プレイヤオブジェクトに対して指示を行う。なお、プレイヤオブジェクトは、キャラクタ以外にも、ロボットや車、飛行機、船等であってもよい。
【0040】
また、第一実施形態に係るゲームでは、フィールドモードと、イベントモードとが存在する。
【0041】
フィールドモードは、プレイヤオブジェクトがゲームフィールドを移動するモードである。このフィールドモードでは、プレイヤは、所有している装備アイテムの装備(着脱)や、所有している消費アイテム等の使用(消費)をプレイヤオブジェクトに対して指示することができる。装備アイテムは、例えば武器や防具、アクセサリー等を含む。消費アイテムは、例えばプレイヤオブジェクトのヒットポイントを回復する道具や、プレイヤオブジェクトのステータス異常(麻痺、混乱等)を回復させる道具、装備アイテムを強化する道具等を含む。
【0042】
また、イベントモードは、プレイヤが現実世界を移動すること、すなわちプレイヤオブジェクトがゲームフィールドを移動することに応じて発生したイベントを実行するモードである。このイベントは、例えば、敵オブジェクトとの対戦ゲームである。この敵オブジェクトとしては、例えば、通常モンスターや、ボスモンスター、レイドボスモンスター等が挙げられる。
例えば、通常モンスターとの対戦ゲームは、ゲームフィールドにおいてプレイヤオブジェクトの周囲に通常モンスターが出現したことを条件として実行される。この通常モンスターは、ゲームフィールドの各領域に応じて、無作為(ランダム)に出現する。例えば、プレイヤは、ゲームフィールドに出現した通常モンスターを指定(例えばタッチ)することによって、当該通常モンスターとの対戦ゲームを実行することができる。
また、ボスモンスターとの対戦ゲームは、プレイヤの現在位置がクエストの目的地に到達したことを条件として実行される。
また、レイドボスモンスターとの対戦ゲームは、プレイヤの現在位置がレイドボスモンスターの発生地点の周囲(対戦可能範囲)に到達したことを条件として実行される。このレイドボスモンスターとの対戦ゲームは、例えば、各プレイヤが共通して参加可能な共通イベントであって、各プレイヤが互いに協力して当該レイドボスモンスターを討伐するゲームである。具体的には、各プレイヤは、共通(同一)のレイドボスモンスターと対戦し、互いに協力して当該レイドボスモンスターのヒットポイントを徐々に減らして、当該レイドボスモンスターを討伐する。
これらの対戦ゲームでは、プレイヤは、攻撃やスキルの使用、防御、アイテムの使用(消費)等をプレイヤオブジェクトに対して指示する。プレイヤが各種モンスターを討伐した場合、報酬をプレイヤに付与する。この討伐とは、例えばモンスターのヒットポイントを0以下にすることである。報酬は、例えば、プレイヤオブジェクトを成長(レベルアップ)させる経験値や、ゲーム内で利用可能な通貨(例えばメダルやコイン)、ドロップアイテム(例えば装備アイテムや消費アイテム)等である。例えば、モンスターの能力が高い場合や出現頻度が低い場合、多くの経験値や通貨等が報酬として付与される。
【0043】
また、第一実施形態に係るゲームは、複数種類のクエストが存在し、それぞれ異なる名称(タイトル)が付けられている。各クエストは、クエストのメニュー画面等において、プレイヤによって選択可能となっている。プレイヤは、クエストの目的地(ゴール地点)で遭遇したボスモンスターを討伐することにより、当該クエストをクリアすることができる。このクエストは、ノーマルクエストと、期間限定クエストを含む。ノーマルクエストは、プレイヤが選択可能な一のクエストをクリアすることによって次のクエストがプレイ可能となる(開放される)。この次のクエストは、例えば、当該一のクエストよりも高い難易度が設定されており、モンスターやボスモンスターの能力等が高くなる。期間限定クエストは、時間帯や期間によって選択可能なクエストが入れ替わる形式のクエストである。これらのクエストでは、ゲームフィールドで出現する通常モンスターや、クエストの目的地で出現するボスモンスターが対応付けられている。
【0044】
また、第一実施形態に係るゲームでは、現実世界における地点に、レイドボスモンスターの発生地点や、各クエストの目的地が設定される。この地点としては、商業施設や公共施設、観光スポット等が挙げられる。これらの地点は、ゲームフィールドにおける仮想地点と対応付けられており、当該仮想地点がレイドボスモンスターやボスモンスターの出現地点となり得る。また、例えば、クエストを実行中のプレイヤは、当該クエストの目的地に向かう途中(移動経路上)において、ゲームフィールドに出現した通常モンスターや、レイドボスモンスターと対戦することができる。
例えば、プレイヤは、レイドボスモンスターの発生地点の近傍(対戦可能範囲)まで到達(移動)することによって、別のプレイヤと協力しながら、レイドボスモンスターと対戦することができる。
また、プレイヤは、クエストの目的地が設定された地点の近傍(例えば半径20m以内)まで移動することによって、ゲームフィールドにおいて当該クエストに対応するボスモンスターと対戦することができる。なお、各クエストの目的地(ゴール地点)を設定するのは、プレイヤであってもよいし、ゲーム運営者であってもよい。
【0045】
また、第一実施形態に係るゲームは、ゲーム通貨が使用可能である。このゲーム通貨は、有償通貨や無償通貨を含む。有償通貨は、金銭やプリペイドカード、クレジットカード、電子マネー、暗号資産等の購入手続(支払い)によって獲得可能な有償コンテンツである。有償通貨としては、例えば、課金アイテム(有償アイテム)や、課金コイン(有償コイン)、課金ポイント(有償ポイント)等が挙げられる。例えば、第一実施形態に係るゲームでは、課金アイテムは、100円で1個購入することができる。一方、無償通貨は、ゲーム実行によって獲得可能な無償コンテンツである。無償通貨としては、例えば、非課金アイテム(無償アイテム)、非課金コイン(無償コイン)、非課金ポイント(無償ポイント)等が挙げられる。このゲーム実行としては、プレイヤによるゲームのログインや、クエストの初回クリア、ミッション達成等が挙げられる。無償通貨は、各種ゲームにおいて、有償通貨と区別なく消費することが可能である。
【0046】
<機能的構成>
図4は、サーバ装置10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0047】
図4に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、取得手段52と、制御手段54と、を備える。記憶手段50は、1又は複数の記憶装置28で実現される。記憶手段50以外の機能手段は、記憶装置28等に格納されたゲームプログラム14を制御装置20が実行することにより実現される。なお、これらの機能的構成の全部又は一部は、端末装置12に設けられてもよい。
【0048】
記憶手段50は、プレイヤ情報50Aや、プレイヤオブジェクト情報50B、敵オブジェクト情報50C等を記憶する機能手段である。
【0049】
プレイヤ情報50Aは、プレイヤ毎に、当該プレイヤのプレイヤIDと対応付けて記憶されている。このプレイヤ情報50Aは、例えば、プレイヤの名前や、利用キャラクタ情報、所有アイテム情報、クエスト進捗情報を含む。
利用キャラクタ情報は、プレイヤが利用可能なプレイヤオブジェクトそれぞれのキャラクタIDに対応付けて、能力情報を含む。能力情報は、能力値やスキル情報を含む。能力値は、例えばレベルや、ヒットポイント、攻撃力、防御力等を含む。スキル情報は、習得済み(利用可能)であるスキルのスキルIDを含む。このスキルとしては、例えばヒットポイントを回復させる魔法や、火属性で攻撃する特技等が挙げられる。
所有アイテム情報は、プレイヤが所有しているアイテム(装備アイテムや消費アイテム)のアイテムIDと個数を含む。
【0050】
プレイヤオブジェクト情報50Bは、プレイヤオブジェクト毎に、当該プレイヤオブジェクトのキャラクタIDに対応付けて記憶されている。このプレイヤオブジェクト情報50Bは、例えば、プレイヤオブジェクトの名前や画像、レベル毎の必要経験値、レベル毎の能力情報、装備可能アイテム等を含む。
必要経験値は、各レベルに到達するために必要な総経験値を含む。
能力情報は、各レベルにおける習得スキルや、ヒットポイント、攻撃力、防御力等を含む。
装備可能アイテムは、装備可能な装備アイテムのアイテムIDを含む。
【0051】
敵オブジェクト情報50Cは、敵オブジェクト毎に、当該敵オブジェクトのオブジェクトIDに対応付けて記憶されている。この敵オブジェクトは、レイドボスモンスターを含む。この敵オブジェクト情報50Cは、名前や画像、出現情報、対戦可能範囲、対戦情報、能力情報、報酬情報等を含む。
出現情報は、対戦可能時間と対戦可能範囲を含む。この対戦可能時間は、プレイヤが敵オブジェクト(レイドボスモンスター)と対戦可能な時間帯である。対戦可能時間は、出現開始日時や出現時間を含む。出現開始日時は、敵オブジェクトが現実世界に対応するゲームフィールドに出現を開始する日時と、出現時間を含む。例えば、或るレイドボスモンスターの出現開始日時は、毎週月曜日の午後5時である。また、例えば、或るレイドボスモンスターの出現時間は、2時間である。言い換えれば、或るレイドボスモンスターの対戦可能時間は、毎週月曜日の午後5時~午後7時である。この出現時間は、出現開始日時になったタイミングから減少する。なお、この出現時間は、制御手段54によって更新(増減)される場合がある。対戦可能範囲は、現実世界に対応するゲームフィールドにおいて、敵オブジェクトと対戦可能な範囲(領域)を含む。この対戦可能範囲は、例えば、現実世界における緯度及び経度によって示されるレイドボスモンスターの発生地点と、当該発生地点を中心点とした円領域の半径を含む。この半径の初期値は、例えば20mである。なお、この対戦可能範囲は、ゲームフィールドにおけるレイドボスモンスターの発生地点と、当該発生地点を中心点とした円領域によって示されてもよい。
対戦情報は、敵オブジェクトとの対戦ゲームが実行された対戦回数や、各対戦ゲームが実行された日時、敵オブジェクト(レイドボスモンスター)と対戦ゲームを実行したプレイヤのプレイヤIDを含む。この対戦回数としては、一又は複数のプレイヤによって実行された対戦ゲームの回数の合計数(累積数)や、単位時間あたりに実行された対戦ゲームの回数等が挙げられる。
能力情報は、能力値(レベルやヒットポイント、攻撃力、防御力等)やスキル情報を含む。例えば、レイドボスモンスターのヒットポイントは、一又は複数のプレイヤによって対戦ゲームが実行される毎に、減少する(0に近づく)。
報酬情報は、経験値や通貨量、ドロップアイテム情報を含む。ドロップアイテム情報は、ドロップアイテムのアイテムIDやドロップ率を含む。ドロップ率は、報酬としてドロップアイテムをプレイヤに付与する確率である。
【0052】
取得手段52は、各プレイヤの現在位置を取得する機能手段である。例えば、取得手段52は、端末装置12を介して、GPS受信部39が受信した現実世界における位置情報(緯度及び経度)を取得する。なお、取得手段52は、ゲームフィールドにおけるプレイヤオブジェクトの位置(例えばゲームフィールド上の座標)を取得してもよい。
【0053】
制御手段54は、ゲーム全体を制御する機能手段である。第一実施形態では、制御手段54は、各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクト(レイドボスモンスター)との対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの対戦可能時間において実行する。また、制御手段54は、プレイヤの現在位置が敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する。例えば、制御手段54は、敵オブジェクト情報50Cにおける出現情報を参照して、敵オブジェクト(例えばレイドボスモンスター)との対戦可能時間において、プレイヤの位置情報が当該出現情報の対戦可能範囲に含まれる場合、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームの実行を許可する。例えば、制御手段54は、プレイヤによって当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する指示(対戦指示)が行われた場合に、当該対戦ゲームを実行する。
【0054】
また、制御手段54は、所定時点において、対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、対戦可能範囲を拡大する。この所定時点は、例えば、単位時間が経過した時点である。この単位時間としては、例えば、10分や30分、1時間等が挙げられる。なお、単位時間は、敵オブジェクトの出現時間を所定数(例えば2や5)で除算した値であってもよい。例えば、制御手段54は、単位時間が経過する毎に、当該単位時間あたりにおける対戦回数が所定回数未満である場合に、対戦可能範囲を拡大する。具体的には、制御手段54は、レイドボスモンスターの出現開始日時から単位時間(例えば30分)が経過する毎に、敵オブジェクト情報50Cの対戦情報を参照して、当該単位時間あたりにおける当該レイドボスモンスターの対戦回数を取得する。続いて、制御手段54は、取得した対戦回数が所定回数(例えば5回)未満である場合、当該レイドボスモンスターの出現情報に含まれる対戦可能範囲を所定領域だけ拡大する。この所定領域としては、例えば、レイドボスモンスターの発生地点を中心とした円領域の半径を50m増加することや、当該半径を100m増加させること等が挙げられる。なお、所定回数は、単位時間が経過する毎に、徐々に増加してもよいし、徐々に減少してもよい。
【0055】
また、所定時点は、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点であってもよい。この一定時間としては、例えば、5分や10分、30分等が挙げられる。例えば、制御手段54は、レイドボスモンスターの出現時間が一定時間未満となった場合、敵オブジェクト情報50Cの対戦情報を参照して、レイドボスモンスターの対戦回数(合計数)を取得する。続いて、制御手段54は、取得した対戦回数が所定回数(例えば15回)未満である場合、当該レイドボスモンスターの出現情報に含まれる対戦可能範囲を所定領域だけ拡大する。なお、一定時間は、敵オブジェクトの出現時間を所定数(例えば2や5)で除算した値であってもよい。なお、この所定時点は、敵オブジェクトの出現時間において、複数回存在してもよい。
【0056】
また、制御手段54は、対戦可能範囲を拡大する場合に、敵オブジェクト(レイドボスモンスター)の出現時間を延長する。また、制御手段54は、所定時点において、対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。例えば、制御手段54は、対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、敵オブジェクト情報50Cの出現情報におけるレイドボスモンスターの出現時間を30分延長する。
【0057】
また、制御手段54は、単位時間が経過する毎に、当該単位時間あたりにおける回数が所定回数未満である場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。例えば、制御手段54は、レイドボスモンスターの出現開始日時から単位時間(例えば30分)が経過する毎に、敵オブジェクト情報50Cの対戦情報を参照して、当該単位時間あたりにおける当該レイドボスモンスターの対戦回数を取得する。続いて、制御手段54は、取得した対戦回数が所定回数(例えば5回)未満である場合、出現情報におけるレイドボスモンスターの出現時間を10分延長する。
【0058】
<対戦処理の流れ>
図5は、第一実施形態に係るゲームシステム1において、プレイヤがレイドボスモンスターとの対戦ゲームを行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、或るレイドボスモンスターの出現開始日時が到来したタイミングで開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0059】
(ステップSP10)
制御手段54は、敵オブジェクト情報50Cの出現情報を参照して、或るレイドボスモンスターの出現時間が0(0秒)よりも大きいか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP12の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、図5に示す一連の処理を終了する。
【0060】
(ステップSP12)
取得手段52は、プレイヤの現在位置(緯度及び経度)を取得する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP14)
制御手段54は、ステップSP12において取得されたプレイヤの現在位置に基づいて、タッチパネル32に表示するゲーム画面を更新する。すなわち、制御手段54は、プレイヤの現在位置に対応するゲームフィールド上の位置(座標)にプレイヤオブジェクトを移動させる。
【0062】
図6は、第一実施形態に係るゲーム画面60の一例を示す図である。
【0063】
図6に示すように、ゲーム画面60は、ゲームフィールド62と、メニューボタン64と、対戦ボタン66と、が設けられている。
ゲームフィールド62は、例えば現実世界におけるプレイヤの現在位置周辺の風景に似せて表現されている。ゲームフィールド62には、プレイヤオブジェクトPと、通常モンスターEと、レイドボスモンスターRが表されている。プレイヤオブジェクトPは、プレイヤのプレイヤオブジェクト情報50Bに基づいて表示される。通常モンスターEやレイドボスモンスターRは、敵オブジェクト情報50Cに基づいて表示される。ゲームフィールド62には、このレイドボスモンスターRの出現地点を中心に対戦可能範囲Aが設定されている。例えば、この対戦可能範囲Aの内側にプレイヤオブジェクトPが到達した場合、プレイヤは、レイドボスモンスターRとの対戦ゲームを実行することができる。
メニューボタン64は、装備アイテムの装備(着脱)や、消費アイテムを使用する各種メニューを表示する指示を行うためのボタンである。
対戦ボタン66は、レイドボスモンスターRとの対戦ゲームの実行を指示するためのボタンである。この対戦ボタン66は、プレイヤオブジェクトPが対戦可能範囲Aの内側に到達した場合に押下することが可能となる。
【0064】
図5に戻って、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP16)
制御手段54は、ステップSP12において取得されたプレイヤの現在位置が或るレイドボスモンスターの対戦可能範囲に含まれるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP18の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP10の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP18)
制御手段54は、或るレイドボスモンスターとの対戦ゲームの実行を許可する。具体的には、制御手段54は、対戦ボタンの押下を可能とする。続いて、制御手段54は、プレイヤから或るレイドボスモンスターとの対戦ゲームの実行が要求されたか否かを判定する。例えば、制御手段54は、プレイヤによって対戦ボタンが押下されたか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP20の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP10の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP20)
制御手段54は、プレイヤに対応付けられたプレイヤオブジェクトと或るレイドボスモンスターとの対戦ゲームを実行する。続いて、制御手段54は、この対戦ゲームによって、或るレイドボスモンスターに対応する敵オブジェクト情報50Cの各種情報を更新する。例えば、制御手段54は、或るレイドボスモンスターの対戦情報に含まれる対戦回数をインクリメント(+1)する。また、制御手段54は、或るレイドボスモンスターの能力情報に含まれるヒットポイントを減少させる。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0068】
(ステップSP22)
制御手段54は、或るレイドボスモンスターが討伐されたか否かを判定する。例えば、制御手段54は、或るレイドボスモンスターのヒットポイントが0以下になったか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP24の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、ステップSP10の処理に移行する。
【0069】
(ステップSP24)
制御手段54は、敵オブジェクト情報50Cの対戦情報を参照して、或るレイドボスモンスターと対戦ゲームを実行した各プレイヤに報酬を付与する。そして、処理は、図5に示す一連の処理を終了する。
【0070】
<拡大/延長処理の流れ>
図7は、第一実施形態に係るゲームシステム1において、対戦可能範囲を拡大および出現時間を延長する処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、或るレイドボスモンスターの対戦可能時間内の所定時点(例えば、単位時間が経過した時点等)で開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0071】
(ステップSP30)
制御手段54は、敵オブジェクト情報50Cの対戦情報を参照して、或るレイドボスモンスターの対戦回数が所定回数(例えば5回)未満であるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP32の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、図7に示す一連の処理を終了する。
【0072】
(ステップSP32)
制御手段54は、或るレイドボスモンスターの対戦可能範囲を所定領域だけ拡大する。例えば、制御手段54は、敵オブジェクト情報50Cの対戦可能範囲における円領域の半径を100m増加させる。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP34)
制御手段54は、或るレイドボスモンスターの出現時間を延長する。例えば、制御手段54は、敵オブジェクト情報50Cの出現情報におけるレイドボスモンスターの出現時間を30分延長する(増加させる)。そして、処理は、図7に示す一連の処理を終了する。
【0074】
<効果>
以上、第一実施形態では、各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行するプログラムであって、コンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段52、プレイヤの現在位置が敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段54、として機能させ、制御手段54は、所定時点において、対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、対戦可能範囲を拡大する。
【0075】
この構成によれば、敵オブジェクトとの対戦ゲームが実行された回数が少ない場合に対戦可能範囲を拡大するため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0076】
また、第一実施形態では、所定時点は、単位時間が経過した時点であって、制御手段54は、単位時間が経過する毎に、当該単位時間あたりにおける回数が所定回数未満である場合に、対戦可能範囲を拡大する。
【0077】
この構成によれば、単位時間が経過する毎に対戦可能範囲が拡大されるため、敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0078】
また、第一実施形態では、所定時点は、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点である。
【0079】
この構成によれば、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった際に、対戦可能範囲を拡大することができるため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0080】
また、第一実施形態では、制御手段54は、対戦可能範囲を拡大する場合に、出現時間を延長する。
【0081】
この構成によれば、対戦可能範囲を拡大するとともに、敵オブジェクトの出現時間が延長されるため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0082】
また、第一実施形態では、各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行するプログラムであって、コンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段52、プレイヤの現在位置が敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段54、として機能させ、制御手段54は、所定時点において、対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。
【0083】
この構成によれば、対戦ゲームが実行された回数が少ない場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長するため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0084】
また、第一実施形態では、所定時点は、単位時間が経過した時点であって、制御手段54は、単位時間が経過する毎に、当該単位時間あたりにおける回数が所定回数未満である場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。
【0085】
この構成によれば、単位時間が経過する毎に敵オブジェクトの出現時間を延長することができるため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0086】
また、第一実施形態では、所定時点は、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点である。
【0087】
この構成によれば、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった際に、当該出現時間を延長することができるため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0088】
---第二実施形態---
次に、第二実施形態について説明する。
【0089】
第二実施形態では、制御手段54が敵オブジェクトの所定パラメータに応じて対戦可能範囲を拡大したり、敵オブジェクトの出現時間を延長したりする点で第一実施形態と異なる。なお、以下で説明しない第二実施形態に係るゲームシステム1の構成及び機能は、第一実施形態に係るゲームシステム1の構成及び機能と同様である。
【0090】
制御手段54は、所定時点において、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、対戦可能範囲を拡大する。この所定パラメータは、例えば、所定パラメータは、値が少ない場合に、対戦ゲーム(討伐)が進捗していることを示すパラメータである。言い換えれば、所定パラメータは、値が少ない場合に、敵オブジェクトの討伐が近いことを示すパラメータである。第二実施形態において、所定パラメータは、敵オブジェクトのヒットポイント(体力)である。例えば、制御手段54は、単位時間が経過する毎に、敵オブジェクトのヒットポイントが所定値以上である場合に、対戦可能範囲を拡大する。具体的には、制御手段54は、レイドボスモンスターの出現開始日時から単位時間(例えば50分)が経過する毎に、敵オブジェクト情報50Cの能力情報を参照して、当該レイドボスモンスターのヒットポイントを取得する。続いて、制御手段54は、取得したヒットポイントが所定値(例えば10000)以上である場合、当該レイドボスモンスターの出現情報に含まれる対戦可能範囲を所定領域だけ拡大する。この所定領域としては、例えば、レイドボスモンスターの発生地点を中心とした円領域の半径を50m増加することや、当該半径を100m増加させること等が挙げられる。なお、所定パラメータは、単位時間が経過する毎に、徐々に増加してもよいし、徐々に減少してもよい。
【0091】
また、制御手段54は、対戦可能範囲を拡大する場合に、敵オブジェクト(レイドボスモンスター)の出現時間を延長する。また、制御手段54は、所定時点において、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。また、制御手段54は、単位時間が経過する毎に、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。例えば、制御手段54は、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、敵オブジェクト情報50Cの出現情報におけるレイドボスモンスターの出現時間を30分延長する。
【0092】
<拡大/延長処理>
図8は、第二実施形態に係るゲームシステム1において、対戦可能範囲を拡大および出現時間を延長する処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、以下のステップの処理は、例えば、或るレイドボスモンスターの対戦可能時間内の所定時点(例えば、或るレイドボスモンスターの出現時間が一定時間未満となった時点等)で開始される。なお、以下のステップの順番及び内容は、適宜、変更することができる。
【0093】
(ステップSP40)
制御手段54は、敵オブジェクト情報50Cの能力情報を参照して、或るレイドボスモンスターのヒットポイントが所定値(例えば10000)以上であるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には、処理は、ステップSP42の処理に移行する。一方、当該判定が否定判定された場合には、処理は、図8に示す一連の処理を終了する。
【0094】
(ステップSP42~ステップSP44)
ステップSP42~ステップSP44の処理は、上述したステップSP32~ステップSP34における処理と同様であるため、説明を省略する。そして、処理は、図7に示す一連の処理を終了する。
【0095】
<効果>
以上、第二実施形態では、各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行するプログラムであって、コンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段52、プレイヤの現在位置が敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段54、として機能させ、制御手段54は、所定時点において、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、対戦可能範囲を拡大する。
【0096】
この構成によれば、敵オブジェクトの所定パラメータが多い場合に対戦可能範囲を拡大するため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0097】
また、第二実施形態では、所定時点は、単位時間が経過した時点であって、制御手段54は、単位時間が経過する毎に、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、対戦可能範囲を拡大する。
【0098】
この構成によれば、単位時間が経過する毎に対戦可能範囲が拡大されるため、敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0099】
また、第二実施形態では、所定時点は、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点である。
【0100】
この構成によれば、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった際に、対戦可能範囲を拡大することができるため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0101】
また、第二実施形態では、制御手段54は、対戦可能範囲を拡大する場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。
【0102】
この構成によれば、対戦可能範囲を拡大するとともに、敵オブジェクトの出現時間が延長されるため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0103】
また、第二実施形態では、各プレイヤが共通して対戦可能な敵オブジェクトとの対戦ゲームを、当該敵オブジェクトの出現時間において実行するプログラムであって、コンピュータを、各プレイヤの現在位置を取得する取得手段52、プレイヤの現在位置が敵オブジェクトとの対戦可能範囲に到達したことを条件として、当該敵オブジェクトとの対戦ゲームを実行する制御手段54、として機能させ、制御手段54は、所定時点において、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。
【0104】
この構成によれば、敵オブジェクトの所定パラメータが多い場合に当該敵オブジェクトの出現時間を延長するため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0105】
また、第二実施形態では、所定時点は、単位時間が経過した時点であって、制御手段54は、単位時間が経過する毎に、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、敵オブジェクトの出現時間を延長する。
【0106】
この構成によれば、単位時間が経過する毎に敵オブジェクトの出現時間を延長することができるため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0107】
また、第二実施形態では、所定時点は、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった時点である。
【0108】
この構成によれば、敵オブジェクトの出現時間が一定時間未満となった際に、当該出現時間を延長することができるため、当該敵オブジェクトを討伐しやすくすることができ、もってプレイヤ数が少ない地域でプレイするプレイヤに位置情報ゲームをプレイする動機づけを与えることができる。
【0109】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0110】
例えば、第一実施形態では、制御手段54は、所定時点において、対戦ゲームが実行された回数が所定回数未満である場合に、レイドボスモンスターの対戦可能範囲を拡大したり、出現時間を延長したりする場合を説明したが、この所定回数は、レイドボスモンスター毎に変更してもよい。例えば、所定回数は、レイドボスモンスターの能力値(レベルやヒットポイント、攻撃力、防御力等)の少なくとも1つに応じて多くしてもよいし、少なくしてもよい。
【0111】
また、第二実施形態では、制御手段54は、所定時点において、敵オブジェクトの所定パラメータが所定値以上である場合に、レイドボスモンスターの対戦可能範囲を拡大したり、出現時間を延長したりする場合を説明したが、この所定パラメータは、レイドボスモンスター毎に変更してもよい。例えば、所定値は、レイドボスモンスターの能力値(レベルやヒットポイント、攻撃力、防御力等)の少なくとも1つに応じて多くしてもよいし、少なくしてもよい。
【0112】
また、第二実施形態では、制御手段54は、単位時間あたりにレイドボスモンスターの所定パラメータが減少した量が所定値未満である場合に、レイドボスモンスターの対戦可能範囲を拡大したり、レイドボスモンスターの出現時間を延長したりしてもよい。例えば、制御手段54は、10分間あたりにレイドボスモンスターのヒットポイントが減少した量が1000未満である場合に、レイドボスモンスターの対戦可能範囲を拡大したり、出現時間を延長したりする。
【0113】
また、第二実施形態では、所定パラメータは、ヒットポイントである場合を説明したが、エネルギー量や、防御力等であってもよい。
また、所定パラメータは、値が大きい場合に、対戦ゲーム(討伐)が進捗していることを示すパラメータであってもよい。例えば、所定パラメータは、各プレイヤによって発見された敵オブジェクトの弱点の数であってもよい。この場合、制御手段54は、所定時点において、敵オブジェクトの所定パラメータ(発見された弱点の数)が所定値未満である場合に、対戦可能範囲を拡大する。
【0114】
また、第一実施形態及び第二実施形態では、敵オブジェクトは、モンスターである場合を主に説明したが、キャラクタや、ロボット、車、飛行機、船等であってもよい。
【符号の説明】
【0115】
10…サーバ装置(コンピュータ、情報処理装置)
12…端末装置(コンピュータ、情報処理装置)
50…記憶手段
52…取得手段
54…制御手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8