(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073112
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】ペット用ブラシ
(51)【国際特許分類】
A01K 13/00 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
A01K13/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184144
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】517103290
【氏名又は名称】株式会社wash-plus
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】高梨健太郎
(57)【要約】
【課題】ペットの毛繕い及びペットシャンプーなどに係る手間を減らし、ペットケアをより簡便に行う。
【解決手段】ペット用ブラシ(10)は、アルカリイオン水を貯留する貯留部(21)と、ブラシ部(30)と、を備え、ブラシ部(30)には、アルカリイオン水をブラシ部(30)の外部に流出させる流出口(41)が形成され、貯留部(21)から流出口(41)に連通するアルカリイオン水の管路(40)が形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペット用ブラシであって、
アルカリイオン水を貯留する貯留部と、
ブラシ部と、を備え、
前記ブラシ部には、前記アルカリイオン水を前記ブラシ部の外部に流出させる流出口が形成され、
前記貯留部から前記流出口に連通する前記アルカリイオン水の管路が形成される、
ことを特徴とするペット用ブラシ。
【請求項2】
請求項1に記載のペット用ブラシであって、
前記ブラシ部は、
基部と、
前記基部から突出する櫛歯を複数有する櫛歯体と、を含み、
前記流出口は、前記櫛歯の周面に形成され、前記櫛歯の先端には形成されない、
ことを特徴とするペット用ブラシ。
【請求項3】
請求項1に記載のペット用ブラシであって、
前記貯留部から前記アルカリイオン水を定量に流出させる定量流出機構を更に備える、
ことを特徴とするペット用ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「ユーザが把持するためのハンドル部と、ハンドル部に結合されてペットの毛をブラッシングするためのブラシ部と、を含むペット用ブラシに関し、前記ブラシ部が、底板と、前記底板に植立状態で延長される複数のブラシ毛からなるブラシ毛アレイと、前記底板に連接して前記ブラシ毛アレイを囲むブラシ笠と、を含み、前記ブラシ笠の高さを前記ブラシ毛の高さよりも高くすることで、ブラッシングのために前記ブラシ笠がペットの皮膚に当接したとき、前記ブラシ笠の内部に閉鎖空間が形成されることを特徴とする。(要約抜粋)」との記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のペット用ブラシによれば、ペットの毛をブラッシングするときに、ブラッシングによって皮膚から抜けた毛をブラシの内部に閉じ込めることで、ブラシの外側に飛散することを防止することができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のペット用ブラシにおいては、ペットの臭いや清浄については考慮されていない。そのため、ペットの体から出る臭いや清潔を保つために、日々のブラッシングケアとは別にペットシャンプーを用いて清浄する必要があり、ペットケアに手間がかかるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ペットの毛繕い及びペットシャンプーなどに係る手間を減らし、ペットケアをより簡便に行えるペット用ブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点におけるペット用ブラシは、アルカリイオン水を貯留する貯留部と、ブラシ部と、を備え、前記ブラシ部には、前記アルカリイオン水を前記ブラシ部の外部に流出させる流出口が形成され、前記貯留部から前記流出口に連通する前記アルカリイオン水の管路が形成される、ことを特徴とする。
【0008】
好適には、前記ブラシ部は、基部と、前記基部から突出する櫛歯を複数有する櫛歯体と、を含み、前記流出口は、前記櫛歯の周面に形成され、前記櫛歯の先端には形成されない、ことを特徴とする。
【0009】
好適には、前記貯留部から前記アルカリイオン水を定量に流出させる定量流出機構を更に備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明におけるペット用ブラシにより、ペットの毛繕い及びペットシャンプーなどに係る手間を減らし、ペットケアをより簡便に行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るペット用ブラシを示す説明図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るペット用ブラシを示す分解説明図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係るペット用ブラシを示す説明図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係るペット用ブラシの別例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るペット用ブラシを示す説明図である。
【0013】
図1に示すペット用ブラシ10は、把持部20及びブラシ部30を備える。
【0014】
把持部20は、上端部が開口した中空の略円筒状のボトルを用いて構成される。把持部20にアルカリイオン水を注ぐと、把持部20の内部空間にアルカリイオン水が貯留される。よって、把持部20は、アルカリイオン水の貯留部21を兼ねる。
【0015】
好ましくは、ユーザが把持部20を握って内部に貯留されたアルカリイオン水を押しだせるように、把持部20が弾性変形をする素材及び硬度で形成される。一例として、成人女性の年齢別握力の平均値が70歳代で22kg前後なので、22kg未満で変形すると広い年齢層のユーザの使い勝手が向上する。
【0016】
ブラシ部30は、基部31と、基部31から突出する櫛歯321、322、・・・、32nを複数有する櫛歯体32とを含む。ブラシ部30の底面33は開口している。そして、基部31及び各櫛歯321、322、・・・、32nの内部には、底面33の開口と連通する管路40が形成される。
図1では管路40を点線で図示する。
【0017】
ペット用ブラシ10が体毛を梳く梳きブラシの場合は、櫛歯321、322、・・・、32nは、ペットの毛を梳かす際の抵抗に対して形状を保持できる程度の硬度を有する。
【0018】
ブラシ部30の櫛歯321、322、・・・、32nの軸方向は、把持部20の軸方向に対して直交する方向に形成されるが、後述する第2の実施形態に図示するように、両軸方向が同一方向を向いていてもよい。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るペット用ブラシを示す分解説明図である。
【0020】
図2に示すように、把持部20とブラシ部30とは別体に構成される。把持部20の上端部にはねじ溝29、ブラシ部30の内表面における下端部にはねじ山39が形成される。ねじ山39とねじ溝29とを螺合させて把持部20にブラシ部30を装着すると、貯留部21と管路40とが連通する。
【0021】
把持部20とブラシ部30とが別体に構成されるので、ブラシ部30また把持部20を交換しやすくなる。
【0022】
【0023】
図3に示すブラシ部30aは、各櫛歯321、322、・・・、32nの内部に管路40を形成し、各櫛歯321、322、・・・、32nに流出口41が形成される。管路40は、把持部20の内部に形成される貯留部21と流出口41とを連通させる。
【0024】
流出口41は、各櫛歯321、322、・・・、32nの軸方向に沿って、各櫛歯321、322、・・・、32nの周面に設けられる。各櫛歯321、322、・・・、32nに設けられる流出口41の数は単数でも複数でもよく、
図3の例に限定されない。また、各櫛歯321、322、・・・、32nの全てに流出口41を設けず、いくつかの櫛歯に流出口41を設けてもよい。
【0025】
各櫛歯321、322、・・・、32nの先端ではなく周面に流出口41を形成することにより、ペット用ブラシ10から流出したアルカリイオン水が、ペットの毛に付着するが皮膚には付着しにくくなる。
【0026】
【0027】
図4に示すブラシ部30aは、各櫛歯321、322、・・・、32nの内部には管路40を形成せずに、基部31における各櫛歯321、322、・・・、32nの根元面に流出口41が形成される。管路40は、把持部20の内部に形成される貯留部21と流出口41とを連通させる。
【0028】
流出口41を基部31に形成することにより、ペット用ブラシ10から流出したアルカリイオン水が、ペットの毛に付着するが皮膚には付着しにくくなる。
【0029】
また、基部31に流出口41を設ける方が、各櫛歯321、322、・・・、32nに流出口41を設けるよりも製造しやすいというメリットがある。
【0030】
本実施形態によれば、ペット用ブラシ10を用いてペットの毛をブラッシングさせながら同時にアルカリイオン水をペットの毛に付着させることができる。アルカリイオン水には、消臭・殺菌効果があるので、アルカリイオン水の効果により、ブラッシングしながら消臭、除菌を行うことができる。よって、日々のブラッシング動作で毛繕いだけでなく、消臭、除菌も行え、ペットケアの手間の削減が期待できる。
【0031】
また、アルカリイオン水自体は、界面活性剤や洗剤などを含んでいないため、アレルギーなどを生じさせにくいことが期待できる。
【0032】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、アルカリイオン水を出すぎずできるだけ均一に流出させるペット用ブラシに関する。アルカリイオン水の粘性は水の粘性とほぼ等しいので、第1の実施形態のようにボトルを握って流出させると、ユーザが予想していた以上にアルカリイオン水が流れ出るという懸念がある。そこで、第2の実施形態では、貯留部からアルカリイオン水を定量に流出させる定量流出機構を備え、アルカリイオン水の流出量を制御する。
【0033】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るペット用ブラシを示す説明図である。
図5では定量流出機構として陽圧のアルカリイオン水ボトルとその開閉を切り替えるスイッチとを用いる。
【0034】
図5に示すペット用ブラシ50aは、把持部として、アルカリイオン水を陽圧で封入したアルカリイオン水ボトル60aを用いる。アルカリイオン水ボトル60aは、開閉栓62を備える。
【0035】
ブラシ部70aの櫛歯721、722、・・・、72nの軸方向は、アルカリイオン水ボトル60aの軸方向と同一方向を向いているが、第1の実施形態のように、アルカリイオン水ボトル60aの軸方向に対して櫛歯721、722、・・・、72nの軸方向が直交する方向であってもよい。
【0036】
またブラシ部70aには、開閉栓62の開栓と閉栓を切り替えるスイッチ72を備える。スイッチ72をONにしている間だけボトル缶が開栓し、陽圧で封入されたアルカリイオン水が噴出する。スイッチ72をOFFにするとボトル缶が閉栓してアルカリイオン水の流出が止まる。これにより、ユーザは必要に応じてアルカリイオン水を流出させることができる。
【0037】
なお、アルカリイオン水は粘性が水と同様であり相対的に低いので、管路40の径を流出量に応じて比較的細くすることで、たくさん出すぎるといった懸念を解消してもよい。管路40の径を細くしても、アルカリイオン水の粘性が低いこと、またアルカリイオン水の主成分は水なのですべて蒸発することから、管路40の詰まりは生じにくい。
【0038】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るペット用ブラシの別例を示す説明図である。
図6では定量流出機構として電動ポンプを用いる。
【0039】
図6に示すペット用ブラシ50bは、把持部20として、第1実施形態で示した中空のボトルを用いる。
【0040】
図6に示すブラシ部70bは、櫛歯721、722、・・・、72nは、
図5のブラシ部70aと同様、軸方向は、把持部20の軸方向と同一方向を向いているが、第1の実施形態のように、把持部20の軸方向に対して櫛歯721、722、・・・、72nの軸方向が直交する方向であってもよい。
【0041】
またブラシ部70bは、基部71に電動ポンプ74、バッテリ75、スイッチ76を備える。スイッチ76をONにすると、バッテリ駆動により電動ポンプ74が稼働し、電動ポンプ74が時間あたり定量のアルカリイオン水を吐出する。スイッチ76をOFFにするとアルカリイオン水の流出が止まる。これにより、アルカリイオン水が電動ポンプ74から定量で流出され、アルカリイオン水の出すぎを防止できる
【0042】
また、図示は省略するものの、別例としてアルカリイオン水を注入したボトル缶に霧吹き器(スプレーヘッド)を装着し、当該スプレーヘッドにブラシを一体的に形成してもよい。そして、ブラシの櫛歯の軸方向の基部から先端部へ向かう方向に、スプレー状のアルカリイオン水が吹き付けられるように構成してもよい。この別例によれば、バッテリ駆動でなくてもスプレー状のアルカリイオン水をブラッシングしながら噴射することができる。
【0043】
<実施形態の構成及び効果>
上記実施形態に係るペット用ブラシは、アルカリイオン水を貯留する貯留部21と、ブラシ部30と、を備え、ブラシ部30には、アルカリイオン水をブラシの外部に流出させる流出口41が形成され、貯留部21から流出口41に連通するアルカリイオン水の管路40が形成される。
【0044】
このような構成を有することから、アルカリイオン水を噴射しながらペットの毛繕いができるので、アルカリイオン水の効果により、ブラッシングをしながらペットの消臭、除菌が行え、ペットケアの手間を削減することができる。
【0045】
また、ブラシ部30は、基部31と、基部31から突出する櫛歯321、322、・・・、32nを複数有する櫛歯体32と、を含み、流出口41は、櫛歯321、322、・・・、32nの周面に形成され、櫛歯321、322、・・・、32nの先端には形成されない。
【0046】
このような構成を有することから、アルカリイオン水がペットの肌に直接あたることを避けつつ、ペットの毛にアルカリイオン水を付着させることができる。
【0047】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、ブラシ部30の櫛歯の先端部に流出口41を形成して、ブラシ部30の先端からアルカリイオン水が流出するように構成してもよい。
【0048】
また上記の図では、ブラシ部30は複数の櫛歯を一列に並べた例を図示したが、櫛歯列を複数段配列したブラシであってもよい。
【0049】
本発明の、構造、材料、各部材の連結、化学物質、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
【0050】
材質も、金属、プラスチック等を自由に選択することが可能である。
【0051】
例えば、2つ以上の部材を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの部材を2つ以上の別の部材から構成して接続することも可能である。
【0052】
また、上記実施形態は、あくまでも、現在のところの最良の形態の1つにすぎない。
【符号の説明】
【0053】
10 :ペット用ブラシ
20 :把持部
21 :貯留部
29 :ねじ溝
30 :ブラシ部
30a :ブラシ部
31 :基部
32 :櫛歯体
33 :底面
39 :ねじ山
40 :管路
41 :流出口
50a :ペット用ブラシ
50b :ペット用ブラシ
60a :アルカリイオン水ボトル
62 :開閉栓
70a :ブラシ部
70b :ブラシ部
71 :基部
72 :スイッチ
74 :電動ポンプ
75 :バッテリ
76 :スイッチ
321 :櫛歯
322 :櫛歯
721 :櫛歯
722 :櫛歯