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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073123
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184156
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】服部 構大
(72)【発明者】
【氏名】山本 洋一
(72)【発明者】
【氏名】中島 丈博
(72)【発明者】
【氏名】川崎 健一
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA36
2C088EA10
2C333AA11
2C333CA12
2C333CA15
2C333CA44
2C333CA50
2C333CA56
2C333CA58
(57)【要約】
【課題】興趣の低下を抑制する。
【解決手段】変動ゲームの第1実行条件は、変動ゲームの保留数が0であり、かつ待機状態で、遊技球が始動口へ入球すると成立する。第2実行条件は、変動ゲームの保留数が1である状態で、変動ゲーム又は当り遊技が終了すると成立する。遊技球が始動口へ入球することに応じて変動ゲームの保留数が1となってから、第2実行条件が成立するまでの保留時間の長さは、遊技球が始動口へ入球するタイミングに応じて変化する。第1実行条件が成立した状況において、変動内容が決定されるときの第1決定条件と、第2実行条件が成立した状況において、変動内容が決定されるときの第2決定条件とは、第2実行条件が成立するときの保留時間の長さによらず、互いに異なる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変動ゲームで当り表示結果が停止表示された後に当り遊技が付与される遊技機において、
始動口と、
前記変動ゲーム中又は前記当り遊技中に遊技球が前記始動口へ入球すると、前記変動ゲームの実行を保留することができるゲーム保留手段と、
前記変動ゲームの実行条件が成立すると、前記変動ゲームを実行させる制御を行うゲーム制御手段と、
前記変動ゲームの変動内容を決定する変動内容決定手段と、を備え、
前記ゲーム保留手段は、規定数を上限として前記変動ゲームの実行を保留することができ、
前記変動ゲームの実行条件には、第1実行条件と、第2実行条件とがあり、
前記第1実行条件は、前記変動ゲームの保留数が0であり、かつ前記変動ゲーム中及び前記当り遊技中ではない状態で、遊技球が前記始動口へ入球することにより成立しうる条件であり、
前記第2実行条件は、前記変動ゲームの保留数が1である状態で、前記変動ゲーム又は前記当り遊技が終了した後に成立しうる条件であり、
遊技球が前記始動口へ入球することに応じて前記変動ゲームの保留数が1となってから、前記第2実行条件が成立するまでの保留時間の長さは、遊技球が前記始動口へ入球するタイミングに応じて変化し、
前記第1実行条件が成立した状況において、前記変動内容決定手段が前記変動内容を決定するときの第1決定条件と、前記第2実行条件が成立した状況において、前記変動内容決定手段が前記変動内容を決定するときの第2決定条件とは、当該第2実行条件が成立するときの前記保留時間の長さによらず、互いに異なる条件であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記保留時間が第1時間であるときと、前記第1時間よりも長い第2時間であるときとでは、前記第2実行条件の成立によって前記変動ゲームが開始されるまでの間の演出態様が異なるときがあり、前記第2実行条件が成立することに応じて実行される変動ゲームにおける演出態様は、当該変動ゲームが開始されるまでの演出態様が異なっていても、その少なくとも一部が引き継がれうる請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例として、パチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機において、変動ゲームは、遊技球が始動口へ入球することを含む実行条件の成立に応じて実行される。変動ゲーム中、又は当り遊技中に、遊技球が始動口へ入球すると、変動ゲームの実行が保留されうる。変動ゲームの変動内容(変動パターン番号など)は、変動ゲームの保留数、当り抽選の結果、又は状態等に応じて決定される(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-120203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機において、変動ゲームの内容は、変動ゲームの保留数が同じである場合に、同じ決定条件に基づいて決定されうる。そうすると、同じような変動内容が決定されてしまうため、変動ゲームに対する遊技者の興趣が低下する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、変動ゲームで当り表示結果が停止表示された後に当り遊技が付与される遊技機において、始動口と、前記変動ゲーム中又は前記当り遊技中に遊技球が前記始動口へ入球すると、前記変動ゲームの実行を保留することができるゲーム保留手段と、前記変動ゲームの実行条件が成立すると、前記変動ゲームを実行させる制御を行うゲーム制御手段と、前記変動ゲームの変動内容を決定する変動内容決定手段と、を備え、前記ゲーム保留手段は、規定数を上限として前記変動ゲームの実行を保留することができ、前記変動ゲームの実行条件には、第1実行条件と、第2実行条件とがあり、前記第1実行条件は、前記変動ゲームの保留数が0であり、かつ前記変動ゲーム中及び前記当り遊技中ではない状態で、遊技球が前記始動口へ入球することにより成立しうる条件であり、前記第2実行条件は、前記変動ゲームの保留数が1である状態で、前記変動ゲーム又は前記当り遊技が終了した後に成立しうる条件であり、遊技球が前記始動口へ入球することに応じて前記変動ゲームの保留数が1となってから、前記第2実行条件が成立するまでの保留時間の長さは、遊技球が前記始動口へ入球するタイミングに応じて変化し、前記第1実行条件が成立した状況において、前記変動内容決定手段が前記変動内容を決定するときの第1決定条件と、前記第2実行条件が成立した状況において、前記変動内容決定手段が前記変動内容を決定するときの第2決定条件とは、当該第2実行条件が成立するときの前記保留時間の長さによらず、互いに異なる条件であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、興趣の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】パチンコ遊技機の一例を模式的に示す図である。
図2】パチンコ遊技機の電気的構成の一例を示す図である。
図3】決定テーブル及び変動パターンの一例を示す図である。
図4】変動パターンの一例を示す図である。
図5】決定テーブルの選択条件の一例を示す図である。
図6】(a)~(d)は、特別ゲームに関する制御内容の一例を示す図である。
図7】特別ゲームに関する制御内容の一例を示す図である。
図8】(a)及び(b)は、特別ゲームに関する制御内容の一例を示す図である。
図9】第2実施形態におけるパチンコ遊技機の一例を模式的に示す図である。
図10】(a)~(f)は、第2実施形態における普通ゲーム及び特別ゲームに関する制御内容の一例を示す図である。
図11】第2実施形態におけるパチンコ遊技機の電気的構成の一例を示す図である。
図12】第2実施形態における変動パターンの一例を示す図である。
図13】(a)及び(b)は、第2実施形態における普通ゲーム及び特別ゲームに関する制御内容の一例を示す図である。
図14】第3実施形態における変動パターンの一例を示す図である。
図15】第3実施形態における特別ゲームに関する制御内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
第1実施形態の遊技機について説明する。
本明細書における上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0009】
図1に示すように、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、遊技盤20などの各種の部品を搭載する。パチンコ遊技機10は、発射ハンドル16を備える。一例として、発射ハンドル16は、枠体11の前面側に配設される。遊技球は、発射ハンドル16の回動量に応じた強度にて、遊技盤20に設けられた遊技領域21へ向けて発射される。パチンコ遊技機10は、発射ハンドル16を操作することにより、遊技球の発射強度を調整可能に構成される。
【0010】
パチンコ遊技機10は、装飾ランプ17を備える。一例として、装飾ランプ17は、枠体11の前面側に配設される。装飾ランプ17は、LEDなどの発光体(不図示)を内蔵する。装飾ランプ17は、発光演出を実行できる。発光演出は、発光体を発光、点滅、及び消灯によって実現される。パチンコ遊技機10は、スピーカ18を備える。一例として、スピーカ18は、枠体11の前面側に配設される。スピーカ18は、音声演出を実行できる。音声演出は、人や動物の声、効果音、及び楽曲などの音声を出力することによって実現される。パチンコ遊技機10は、操作ボタン19を備える。一例として、操作ボタン19は、枠体11の前面側であって、遊技者により操作可能な位置に配設される。
【0011】
パチンコ遊技機10は、情報表示装置22を備える。情報表示装置22は、遊技盤20において、遊技者から視認可能な位置に配設される。情報表示装置22では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。
【0012】
情報表示装置22は、第1特別図柄表示部22aを備える。第1特別図柄表示部22aは、1種類又は複数種類の第1特別図柄を表示できる。第1特別図柄表示部22aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を表示する第1特別図柄変動ゲームを実行できる。以下の説明では、「第1特別図柄変動ゲーム」を略して「第1特別ゲーム」と示す。情報表示装置22は、第2特別図柄表示部22bを備える。第2特別図柄表示部22bは、1種類又は複数種類の第2特別図柄を表示できる。第2特別図柄表示部22bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を表示する第2特別図柄変動ゲームを実行できる。以下の説明では、「第2特別図柄変動ゲーム」を略して「第2特別ゲーム」と示す。以下の説明では、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を纏めて「特別ゲーム」と示す。第1特別図柄及び第2特別図柄は、内部抽選の結果を報知するための図柄である。
【0013】
本明細書において、図柄について「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化する状態を意味する。図柄について「停止表示」とは、図柄が変化することなく停止するように表示されている状態を意味する。停止表示は、仮の停止表示と、確定停止表示と、を含みうる。特別図柄は、当り表示結果の一例である特別当り図柄と、ハズレ表示結果の一例である特別ハズレ図柄と、を含みうる。特別当り図柄は、いわゆる「大当り図柄」及び「小当り図柄」である。以下の説明では、特に断らない限り、単に「当り図柄」又は「大当り図柄」と示す場合は「特別当り図柄」を意味し、単に「ハズレ図柄」と示す場合に「特別ハズレ図柄」を意味する。特別当り図柄は、当り表示結果の一例である。
【0014】
第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に実行されない。第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行される。特別図柄の停止表示によって特別ゲームが終了した後、次の特別ゲームの開始が許容されるまでの時間として、変動インターバル時間が定められる。一例として、変動インターバル時間は、0.5sである。
【0015】
情報表示装置22は、第1特別保留表示部22cを備える。第1特別保留表示部22cは、第1特別保留数を表示する。第1特別保留数は、保留条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数である。情報表示装置22は、第2特別保留表示部22dを備える。第2特別保留表示部22dは、第2特別保留数を表示する。第2特別保留数は、保留条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことによって、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数である。一例として、第1特別保留数及び第2特別保留数の最大値(規定数)は、それぞれ4である。
【0016】
情報表示装置22は、普通図柄表示部22eを備える。普通図柄表示部22eは、1種類又は複数種類の普通図柄を表示可能に構成される。普通図柄表示部22eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を表示する普通図柄変動ゲームを実行可能である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。普通図柄は、普通当り図柄と、普通ハズレ図柄と、を含みうる。
【0017】
情報表示装置22は、普通保留表示部22fを備える。普通保留表示部22fは、普通保留数を表示する。普通保留数は、保留条件が成立したが未だ実行条件が成立していないことで、その実行が保留されている普通ゲームの回数である。一例として、普通保留数の最大値は4である。
【0018】
遊技盤20は、遊技領域21を有する。遊技領域21は、前面側をレールによって略円形に区画することによって形成される。パチンコ遊技機10は、遊技領域21の略中央に、各種の装飾が施されたセンター枠26を備える。センター枠26は、開口部26aを備える。
【0019】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置27を備える。演出表示装置27は、各種の画像を表示できる表示領域27rを備える。演出表示装置27は、センター枠26の開口部26aを介して、遊技者により表示領域27rを視認可能になるように、遊技盤20に組み付けられる。演出表示装置27は、表示演出を実行できる。表示演出は、図柄、キャラクタ、数字、記号、及び文字(文字列)などを模したオブジェクトを画像として表示することによって実現される。
【0020】
表示演出には、演出図柄変動ゲームがある。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出ゲームは、複数列の演出図柄を変動表示させるとともに、最終的に演出図柄の組み合わせを停止表示することによって実現される。以下、演出図柄の組み合わせを、単に「図柄組合せ」と示す。演出図柄は、キャラクタ、数字、及び模様等の装飾を施した図柄である。一例として、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の図柄列をそれぞれ所定の方向へスクロールするように変動表示させて行われる。第1特別ゲーム、第2特別ゲーム、及び演出ゲームは、変動ゲームの一例である。
【0021】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームで停止表示される図柄組合せは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に対応する。一例として、特別ゲームにおいて当り図柄が停止表示される場合に、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにおいてハズレ図柄が停止表示される場合に、演出ゲームでは、ハズレの図柄組合せが停止表示される。
【0022】
演出ゲームは、リーチ演出を含みうる。リーチは、複数ある図柄列のうち特定の図柄列(一例として第1列及び第3列)に同一の演出図柄が仮で停止表示されており、かつ、特定の図柄列とは異なる図柄列(一例として第2列)の演出図柄が引き続き変動表示されている状態である。一例として、リーチ演出は、登場するキャラクタ、演出図柄の動作、及び演出時間などが異なる複数種類のリーチ演出があってもよい。
【0023】
遊技盤20には、遊技領域21に開口するように、第1始動口28が形成されている。第1始動口28は、遊技領域21のうちセンター枠26の下方にある。遊技球は、第1始動口28へ常時入球できる。パチンコ遊技機10は、第1始動センサSE1を備える。第1始動センサSE1は、第1始動口28へ入球した遊技球を検知する。第1特別ゲームの保留条件、及び賞球の付与条件は、第1始動センサSE1が遊技球を検知することによって成立しうる。
【0024】
遊技盤20には、遊技領域21に開口するように、第2始動口29が形成されている。第2始動口29は、遊技領域21のうちセンター枠26の下方にある。パチンコ遊技機10は、第2始動センサSE2を備える。第2始動センサSE2は、第2始動口29へ入球した遊技球を検知する。第2特別ゲームの保留条件、及び賞球の付与条件は、第2始動センサSE2が遊技球を検知することによって成立しうる。
【0025】
遊技盤20は、普通可変部材30を備える。普通可変部材30は、開状態(許容状態)と、閉状態(規制状態)と、に動作可能に構成される。開状態は、遊技球を第2始動口29へ入球させることができる、又は入球させ易い状態である。閉状態は、遊技球を第2始動口29へ入球させることができない、又は入球させ難い状態である。パチンコ遊技機10は、普通可変部材30を動作させる普通アクチュエータA1を備える(図2に示す)。普通可変部材30は、普通当り遊技中、開状態に動作される。
【0026】
遊技盤20には、遊技領域21に開口するように、大入賞口31が形成されている。大入賞口31は、遊技領域21のうちセンター枠26の右下方にある。パチンコ遊技機10は、特別入賞センサSE3を備える。特別入賞センサSE3は、大入賞口31へ入球した遊技球を検知する。賞球の付与条件は、特別入賞センサSE3が遊技球を検知することによって成立しうる。
【0027】
遊技盤20は、特別可変部材32を備える。特別可変部材32は、開状態(許容状態)と、閉状態(規制状態)と、に動作が可能に構成される。開状態は、遊技球を大入賞口31へ入球させることができる、又は入球させ易い状態である。閉状態は、遊技球を大入賞口31へ入球させることができない、又は入球させ難い状態である。パチンコ遊技機10は、特別可変部材32を動作させる特別アクチュエータA2を備える(図2に示す)。当り遊技中、特別可変部材32は、開状態に動作される。
【0028】
遊技盤20は、ゲート33を備える。ゲート33には、遊技球が通過(入球)可能な入球口が形成されている。ゲート33は、ゲートセンサSE4を備える(図2に示す)。ゲートセンサSE4は、ゲート33を通過又は入球する遊技球を検知する。普通ゲームの保留条件は、ゲートセンサSE4が遊技球を検知することによって成立しうる。遊技盤20には、遊技領域21に開口するように、一般入賞口34が形成されている。一般入賞口34は、センター枠26の右方にある。パチンコ遊技機10は、一般入賞センサSE5を備える(図2に示す)。一般入賞センサSE5は、一般入賞口34へ入球した遊技球を検知する。賞球の付与条件は、一般入賞センサSE5が遊技球を検知することによって成立しうる。一般入賞口34は、複数あってもよい。
【0029】
第1始動口28、第2始動口29、大入賞口31、及び一般入賞口34は、いわゆる「入賞口」である。遊技盤20には、これらの入賞口とは異なる入賞口が形成されていてもよい。「入賞」は、遊技球が入賞口に入球することである。遊技盤20は、釘及び風車を備えてもよい。釘及び風車は、遊技領域21を流下する遊技球の挙動に変化を与えうる。
【0030】
パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率を高確率に変動させる確率変動機能と、第2始動口29への遊技球の入球を補助する入球補助機能と、特別ゲームの変動時間を短縮する時間短縮機能と、を搭載する。パチンコ遊技機10の遊技状態は、これらの機能の作動状態(作動及び非作動)を組み合わせて構成されうる。
【0031】
確率変動機能(以下、確変機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、複数の確率状態を備える。複数の確率状態には、低確率状態と、当該低確率状態に比して、大当り確率が高い高確率状態と、がある。確変機能が作動すると、確率状態が低確率状態から高確率状態へと移行し、大当りに当選する可能性が高まる。高確率状態は、遊技者にとって有利な状態である。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0032】
入球補助機能について説明する。
入球補助機能は、普通電動役物への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動口29への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、当該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態へと移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態である。
【0033】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御のうち、任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。なお、低入球率状態における普通当り確率は、0であってもよく、0を超えてもよい。低入球率状態は、普通抽選が行われず、高入球率状態は、普通抽選が行われる状態であってもよい。
【0034】
第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材30の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材30の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材30の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方を含みうる。
【0035】
変動時間短縮機能(以下、時短機能と示す)について説明する。
パチンコ遊技機10は、特別ゲームの変動時間(平均変動時間)が異なる状態として、複数の変動時間状態を備える。複数の変動時間状態には、長変動時間状態と、長変動時間状態に比して、少なくとも第2特別ゲームの平均変動時間が短い短変動時間状態と、がある。時短機能が作動すると、変動時間状態が長変動時間状態から短変動時間状態へと移行し、単位時間当りで実質的に実行可能な特別ゲームの回数が増加する。つまり、特別ゲームの保留の消化効率が向上する。一例として、時短機能は、入球補助機能に付随して作動する。つまり、時短機能は、入球補助機能とともに作動し、入球補助機能とともに非作動になる。
【0036】
一例として、パチンコ遊技機は、通常状態、第1有利状態、及び第2有利状態という、3つの遊技状態を備える。通常状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動しない遊技状態である。第1有利状態は、確変機能、入球補助機能、及び時短機能が全て作動する遊技状態である。第2有利状態は、確変機能が作動しない一方、入球補助機能及び時短機能が作動する遊技状態である。パチンコ遊技機10は、3つの遊技状態を備えることに限らず、その一部又は全部を、確変機能、入球補助機能、及び時短機能のうち作動させる機能を変更した異なる遊技状態としてもよい。遊技状態は、1つ又は2つであってもよく、4つ以上であってもよい。
【0037】
当りの一例である大当りについて説明する。
パチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。各大当り図柄には、大当りの種類が定められている。各大当り図柄(大当りの種類)には、大当り遊技の種類が定められている。パチンコ遊技機10は、特別ゲームで大当り図柄が停止表示された後に当り遊技が付与されるように構成される。パチンコ遊技機10は、演出ゲームで大当りの図柄組合せが停止表示された後に当り遊技が付与されるように構成される。
【0038】
大当り遊技では、最初に、予め定めたオープニング時間にわたって、大当り遊技の開始を報知するオープニング演出が行われる。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口31を開放する複数回のラウンド遊技が行われる。ラウンド遊技は、上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、上限数(一例として9)の遊技球が大入賞口31に入球する第1終了条件、及び上限時間が経過する第2終了条件のうち一方の成立によって終了する。ラウンド遊技において、大入賞口31は、所定の開放態様で開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めたエンディング時間にわたって、大当り遊技の終了を報知するエンディング演出が行われる。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0039】
大当りの具体的な一例について説明する。
第1特別ゲームを経て停止表示できる100種類の大当り図柄のうち、65種類の大当り図柄が図柄ZAに、35種類の大当り図柄が図柄ZBに分類されうる。第2特別ゲームにおいて停止表示できる100種類の大当り図柄のうち、65種類の大当り図柄が図柄Zaに、35種類の大当り図柄が図柄Zbに分類されうる。図柄ZA,ZB,Za,Zbに基づく大当りを、それぞれ大当りZA,ZB,Za,Zbと示す。図柄ZA,ZB,Za,Zbに基づく大当り遊技を、それぞれ大当り遊技ZA,ZB,Za,Zbと示す。
【0040】
大当り遊技ZA,Zaは、ラウンド遊技の上限回数として10回が定められる。大当り遊技ZB,Zbは、ラウンド遊技の上限回数として4回が定められる。各大当り遊技ZA,ZB,Za,Zbは、ラウンド遊技の上限時間としては25sが規定される。複数回のラウンド遊技のそれぞれには、ラウンド遊技の終了後にラウンド間インターバル時間(一例として2s)が設定される。ラウンド間インターバル時間が経過すると、次のラウンド遊技、又はエンディング時間が開始される。大当り遊技ZA,ZB,Za,Zbは、同じオープニング時間(一例として8s)、及び同じエンディング時間(一例として10s)が定められる。
【0041】
図柄ZA,Zaは、大当り遊技後の遊技状態として、第1有利状態が定められる。大当り遊技ZA,Zaの終了後には、次回の大当り遊技が付与される迄の間、第1有利状態が付与される。図柄ZB,Zbは、大当り遊技後の遊技状態として、第2有利状態が定められる。第2有利状態は、大当り遊技ZB,Zbの終了後、予め定められた上限回数(一例として100回)の特別ゲームが終了される迄の間、又は上限回数の特別ゲームが終了される前に大当り遊技が付与される迄の間にわたって付与される。
【0042】
大当り確率は、低確率状態では345/65536、高確率状態では734/65536である。普通当り確率は、低入球率状態では1/65536、高入球率状態では65534/65535である。1回の普通当り遊技における普通可変部材30の合計開放時間は、低入球率状態では396ms、高入球率状態では5680msである。賞球数は、第1始動センサSE1による検知時では4、第2始動センサSE2による検知時には1、特別入賞センサSE3による検知時では15、一般入賞センサSE5による検知時には5である。
【0043】
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20の裏側(後方)に主基板40を備える。主基板40は、各種の処理を行い、その処理結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する。パチンコ遊技機10は、遊技盤20の裏側(後方)に副基板41を備える。副基板41と、主基板40とは、接続されている。基板40,41は、主基板40から副基板41へと、一方向に制御信号を出力可能に接続される。副基板41は、主基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。一例として、副基板41は、装飾ランプ17による発光演出、スピーカ18による音声演出、及び演出表示装置27による表示演出を実行させるための処理を行う。
【0044】
主基板40について説明する。
主基板40は、CPU40aと、ROM40bと、RAM40cと、を備える。CPU40aは、主制御プログラムを実行することによって、各種の処理を行う。主基板40は、乱数を生成可能に構成される。乱数は、乱数回路によって生成されるハードウェア乱数であってもよく、CPU40aによって生成されるソフトウェア乱数であってもよい。
【0045】
ROM40bは、主制御プログラム、所定の抽選に用いられるテーブル、及び判定値などを記憶する。ROM40bは、複数種類の変動パターンを記憶する。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、当該特別ゲームが終了される迄の変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、当該特別ゲームが終了される迄の間に行われる演出ゲームの演出内容(演出態様)を特定可能な情報である。これに限らず、変動パターンは、変動時間を特定可能な情報であれば、演出ゲームの演出内容を特定可能な情報でなくてもよい。変動パターン、変動パターンを特定する情報、変動パターンに特定される変動時間及び演出内容(演出態様)は、変動情報の一例である。
【0046】
変動パターンは、大当り変動パターンと、ハズレ変動パターンと、がある。大当り変動パターンは、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せを停止表示することが定められる。リーチありのハズレ変動パターンは、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経て、最終的にハズレの図柄組合せを停止表示することが定められる。リーチなしのハズレ変動パターンには、演出ゲームの演出内容として、リーチ演出を経ないで、最終的にハズレの図柄組合せを停止表示することが定められる。
【0047】
RAM40cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。RAM40cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。一例として、RAM40cが記憶する情報は、メインモードフラグを含みうる。メインモードフラグは、変動パターンの決定態様を制御するための情報である。
【0048】
RAM40cは、電断(電源断)がされても、当該電断時における記憶内容を電断後も保持可能に構成される。一例として、RAM40cは、バックアップ電源(不図示)から供給される電力によって、電断がされた後にも各種情報を保持する。これに限らず、RAM40cは、不揮発性メモリであることによって、電断時における記憶内容を電断後も保持可能であってもよい。バックアップ対象となる情報は、遊技に関する各種情報を含みうる。このように、パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。
【0049】
主基板40は、RWMクリアスイッチ(不図示)を備える。RWMクリアスイッチは、バックアップされている各種情報の初期化を指示する操作を可能に構成される。一例として、RWMクリアスイッチがオン状態のまま電源投入されると、バックアップされている各種情報が初期化される。つまり、初期化された各種情報に基づいて、遊技制御が行われる。一方、RWMクリアスイッチがオフ状態のまま電源投入されると、バックアップされている各種情報に基づいて遊技制御が行われる。
【0050】
CPU40aと、センサSE1~SE5とは、接続されている。CPU40aは、センサSE1~SE5が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成される。CPU40aと、アクチュエータA1,A2とは、接続されている。CPU40aは、アクチュエータA1,A2の動作を制御可能に構成される。CPU40aと、情報表示装置22とは、接続されている。CPU40aは、情報表示装置22の表示内容を制御可能に構成される。
【0051】
副基板41について説明する。
副基板41は、CPU41aと、ROM41bと、RAM41cと、を備える。CPU41aは、副制御プログラムを実行することによって、各種の処理を行う。副基板41は、乱数を生成可能に構成される。乱数は、乱数回路によって生成されるハードウェア乱数であってもよく、CPU41aによって生成されるソフトウェア乱数であってもよい。
【0052】
ROM41bは、副制御プログラム、抽選に用いるテーブル、及び判定値などを記憶する。ROM41bは、演出表示装置27による表示演出に関する表示演出データを記憶する。ROM41bは、装飾ランプ17による発光演出に関する発光演出データを記憶する。ROM41bは、スピーカ18による音声演出に関する音声演出データを記憶する。RAM41cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
【0053】
CPU41aと、演出表示装置27とは、接続されている。CPU41aは、演出表示装置27の表示態様を制御可能に構成される。CPU41aと、装飾ランプ17とは、接続されている。CPU41aは、装飾ランプ17の発光態様を制御可能に構成される。CPU41aと、スピーカ18とは、接続されている。CPU41aは、スピーカ18の出力態様を制御可能に構成される。CPU41aと、操作ボタン19とは、接続されている。CPU41aは、操作ボタン19が操作されたときに出力する操作信号を入力可能に構成される。
【0054】
変動パターンの具体的な一例について説明する。
図3に示すように、変動パターンHP21~HP28は、大当り変動パターンである。変動パターンHP11~HP18は、リーチありのハズレ変動パターンである。変動パターンHP01~HP05は、リーチなしのハズレ変動パターンである。
【0055】
変動パターンHP11,HP21は、演出ゲームにおいてリーチが形成され、リーチ演出R1が実行される演出内容である。同様に、変動パターンHP12,HP22は、リーチ演出R2が実行される演出内容である。変動パターンHP13,HP23は、リーチ演出R3が実行される演出内容である。変動パターンHP14,HP24は、リーチ演出R4が実行される演出内容である。変動パターンHP15,HP25は、リーチ演出R5が実行される演出内容である。変動パターンHP16,HP26は、リーチ演出R6が実行される演出内容である。変動パターンHP17,HP27は、リーチ演出R7が実行される演出内容である。変動パターンHP18,HP28は、リーチ演出R8が実行される演出内容である。
【0056】
リーチ演出は、当該演出の構成要素の少なくとも一部が異なることによって、互いに異なる演出として認識されうる。リーチ演出の構成要素は、登場キャラクタの種類、表示位置、及び大きさ、並びに、背景、文字(文字列)、演出図柄の種類、及び演出図柄の変動態様など、演出表示装置27に表示される各種の画像である。リーチ演出の構成要素は、BGM、登場キャラクタのセリフを読み上げた音声、及び効果音など、スピーカ18から出力される各種の音であってもよい。リーチ演出の構成要素は、装飾ランプ17の発光パターンであってもよい。
【0057】
一例として、リーチ演出R3,R6,R8は、パチンコ遊技機10で実行される演出を紹介する紹介リーチ演出が採用される。例えば、遊技を開始した直後において、リーチ演出R3,R6,R8として紹介リーチ演出が実行されることにより、これから実行される演出について興味を持たせることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0058】
変動パターンHP04,HP15,HP16,HP25,HP26は、メインモード[A]であるときに選択されうる。変動パターンHP05,HP17,HP18,HP27,HP28は、メインモード[B]であるときに選択されうる。変動パターンHP01~HP03,HP11~HP14,HP21~HP24は、メインモード[通常]であるときに選択されうる。
【0059】
図4に示すように、大当り変動パターンの変動時間、及びリーチありのハズレ変動パターンの変動時間は、リーチなしのハズレ変動パターンの変動時間よりも長い。一例として、変動パターンHP01では、時点T11にて特別ゲームが開始されると、時点T12にて特別ゲームが終了する。変動パターンHP01に基づく特別ゲームの実行中、演出ゲームは、リーチ演出を含まない通常変動で実行される。
【0060】
変動パターンHP13では、時点T11にて特別ゲームが開始されると、時点T14にて特別ゲームが終了する。変動パターンHP13に基づく特別ゲームの実行中、通常変動で演出ゲームが実行された後に、時点T13にてリーチ演出R3が開始される。変動パターンHP23では、時点T11にて特別ゲームが開始されると、時点T15にて特別ゲームが終了する。変動パターンHP23に基づく特別ゲームの実行中、通常変動で演出ゲームが実行された後に、時点T13にてリーチ演出R3が開始される。
【0061】
このように、変動パターンHP13,HP23の変動時間は、変動パターンHP01の変動時間よりも長い。変動パターンHP23の変動時間は、変動パターンHP13の変動時間よりも長い。
【0062】
変動パターンHP04,HP16,HP26の変動時間は、それぞれ変動パターンHP01,HP13,HP23と同じである。変動パターンHP04,HP16,HP26の演出内容は、それぞれ変動パターンHP01,HP13,HP23と演出モードが異なる一方、演出モード以外が同じである。演出モードは、表示演出の一例であり、メインモードに対応して実行される演出の1つである。
【0063】
変動パターンHP05,HP18,HP28の変動時間は、それぞれ変動パターンHP01,HP13,HP23と同じである。変動パターンHP05,HP18,HP28の演出内容は、それぞれ変動パターンHP01,HP13,HP23と演出モードが異なる一方、演出モード以外が同じである。
【0064】
変動パターンHP02は、変動パターンHP01の変動時間を短縮する変動パターンである。変動パターンHP03は、変動パターンHP02の変動時間を更に短縮する変動パターンである。低入球率状態では、変動パターンHP01が、高入球率状態では、変動パターンHP03が決定され易い。高入球率状態である場合、低入球率状態であるときよりも、変動時間を短縮した変動パターンが決定され易い。
【0065】
図3に示すように、ROM40bは、変動パターンを決定するために参照される決定テーブルTA1~TA14を記憶する。決定テーブルTA1~TA14は、変動パターンの種類ごとに、変動パターンを決定するための判定値が記憶されている。図3では、説明の便宜上、選択可能な変動パターンを「○」で、選択可能であるが「○」よりも選択される確率が低い変動パターンを「△」で、選択不能な変動パターンを「空欄」でそれぞれ示す。決定テーブルTA9には、決定テーブルTA9aと、決定テーブルTA9bとがある。
【0066】
一例として、決定テーブルTA1が参照されると、変動パターンHP01,HP11,HP12,HP21,HP22の中から1つの変動パターンが決定される。決定テーブルTA2が参照されると、変動パターンHP13,HP23の中から1つの変動パターンが決定される。決定テーブルTA3が参照されると、変動パターンHP01,HP02,HP11,HP12,HP21,HP22の中から1つの変動パターンが決定される。決定テーブルTA4が参照されると、変動パターンHP03,HP11,HP12,HP21,HP22の中から1つが決定される。
【0067】
決定テーブルTA9a,TA9bが参照されると、変動パターンHP05,HP17,HP27の中から1つの変動パターンが決定される。変動パターンHP17の決定確率(出現頻度)は、決定テーブルTA9aが参照されたときに、決定テーブルTA9bが参照された場合に比して高い。変動パターンHP05の決定確率(出現頻度)は、決定テーブルTA9aが参照されたときに、決定テーブルTA9bが参照された場合に比して低い。
【0068】
図5に示すように、決定テーブルTA1~TA4は、低入球率状態であって、かつメインモード[通常]である場合に参照される。決定テーブルTA5~TA8は、低入球率状態であって、かつメインモード[A]である場合に参照される。決定テーブルTA9~TA12は、低入球率状態であって、かつメインモード[B]である場合に参照される。決定テーブルTA13,TA14は、高入球率状態である場合に参照される。なお、高入球率状態において、メインモードは区別されない。
【0069】
決定テーブルTA1,TA5,TA9a,TA9bは、減算後の合算特別保留数が0であって、かつ、参照条件フラグに無効情報が設定されているときに参照される。一方、決定テーブルTA2,TA6,TA10は、減算後の合算特別保留数が0であって、かつ、参照条件フラグに有効情報が設定されているときに参照される。合算特別保留数は、第1特別保留数と第2特別保留数との合算である。参照条件フラグは、RAM40cに記憶され、特別ゲームの実行条件の種類を特定可能とする情報の一例である。
【0070】
決定テーブルTA9a,TA9bが参照されうる状況には、減算後の合算特別保留数が1である特別ゲームの終了後、減算後の合算特別保留数が0となって新たな特別ゲームが開始される継続状況がある。決定テーブルTA9aは、継続状況のうち、上記減算後の合算特別保留数が1である特別ゲームの変動時間が規定時間未満である第1継続状況のときに参照される。一例として、規定時間は、3sである。決定テーブルTA9bは、継続状況のうち、上記減算後の合算特別保留数が1である特別ゲームの変動時間が3s以上である第2継続状況のときに参照される。
【0071】
決定テーブルTA9a,TA9bが参照されうる状況には、減算後の合算特別保留数が0である特別ゲーム中、遊技球が第1始動口28へ入球して合算特別保留数が1となり、さらに減算後の合算特別保留数が0となって新たな特別ゲームが開始される追加状況がある。決定テーブルTA9aは、追加状況のうち、合算特別保留数が1となった時点における残り変動時間が規定時間未満である第1追加状況のときに参照される。決定テーブルTA9bは、追加状況のうち、合算特別保留数が1となった時点における残り変動時間が規定時間以上である第2追加状況のときに参照される。
【0072】
特別ゲームの実行条件は、第1実行条件と、第2実行条件と、を含みうる。第1実行条件は、合算特別保留数が0であり、かつ特別ゲーム中及び当り遊技中ではない状態で、遊技球が第1始動口28又は第2始動口29へ入球することにより成立しうる条件である。以下の説明では、合算特別保留数が0であり、かつ特別ゲーム中及び当り遊技中ではない状態を「待機状態」と示す。第1実行条件は、特別ゲーム中及び大当り遊技中ではない待機状態(変動インターバル時間は含まない)であるときに成立しうる。一例として、第1実行条件は、遊技が行われていない待機状態から最初に遊技を開始するとき、及び遊技が行われているがある程度の期間にわたって、遊技球が始動口28,29へ入球しなかったときに成立しうる。第2実行条件は、合算特別保留数が1である状態で、特別ゲーム又は当り遊技が終了した後に成立しうる。第2実行条件は、特別ゲーム又は大当り遊技が終了した後に継続的に特別ゲームが開始されるときに成立しうる。なお、第2実行条件が成立しうる状況には、第1継続状況、第2継続状況、第1追加状況、及び第2追加状況が含まれうる。
【0073】
参照条件フラグは、合算特別保留数が0であり、かつ特別ゲーム中及び当り遊技中ではない状態で、遊技球が第1始動口28又は第2始動口29へ入球したか、合算特別保留数が1である状態で、特別ゲーム又は当り遊技が終了した後であるかを特定可能な情報である。特に、特別ゲームの実行条件の成立に応じて合算特別保留数が0となったときには、参照条件フラグに基づいて異なる決定テーブルが参照されうる。
【0074】
有効情報は、合算特別保留数が0である状態において、特別ゲーム又は大当り遊技が終了すると、参照条件フラグに設定される。無効情報は、第1始動口28又は第2始動口29に遊技球が入球して変動パターンが決定されると、参照条件フラグに設定される。無効情報は、合算特別保留数が1以上である状態において、特別ゲーム又は大当り遊技が終了しても、継続して参照条件フラグに設定されうる。
【0075】
このため、減算後の合算特別保留数が0となったときであって、かつ参照条件フラグに有効情報が設定されている場合には、合算特別保留数が0である状態で特別ゲーム中及び当り遊技中ではないときに、第1始動口28又は第2始動口29に遊技球が入球したことを特定できる。一方、減算後の合算特別保留数が0となったときであって、かつ参照条件フラグに無効情報が設定されている場合には、合算特別保留数が1である状態で特別ゲーム又は当り遊技が終了した後であることを特定できる。
【0076】
決定テーブルTA1,TA5,TA9a,TA9bは、合算特別保留数が1である状態で特別ゲーム又は大当り遊技が終了した後に、減算後の合算特別保留数が0となったとき(参照条件フラグ=無効情報)に参照される。一方、決定テーブルTA2,TA6,TA10は、合算特別保留数が0である状態で特別ゲーム中及び大当り遊技中ではないときに、第1始動口28又は第2始動口29に遊技球が入球し、減算後の合算特別保留数が0となったとき(参照条件フラグ=有効情報)に参照される。
【0077】
決定テーブルTA3,TA7,TA11は、低入球率状態において、減算後の合算特別保留数が1又は2であるときに参照される。決定テーブルTA4,TA8,TA12は、低入球率状態において、減算後の合算特別保留数が3以上であるときに参照される。決定テーブルTA13は、高入球率状態において、第1特別保留数に関係なく、減算後の第2特別保留数が0であるときに参照される。決定テーブルTA14は、高入球率状態において、第1特別保留数に関係なく、減算後の第2特別保留数が1以上であるときに参照される。
【0078】
よって、変動パターンHP01,HP02,HP11~HP13,HP21~HP23は、低入球率状態、かつメインモード[通常]において選択可能である。変動パターンHP04,HP15,HP16,HP25,HP26は、低入球率状態、かつメインモード[A]において選択可能である。変動パターンHP05,HP17,HP18,HP27,HP28は、低入球率状態、かつメインモード[B]において選択可能である。変動パターンHP01,HP03,HP14,HP24は、高入球率状態において選択可能である。なお、変動パターンHP01は、低入球率状態と高入球率状態との両方において選択可能である。
【0079】
決定テーブルTA2が参照されるときには、変動パターンHP13,HP23が決定されうる一方、決定テーブルTA2以外が参照されるときには、変動パターンHP13,HP23が決定されない。決定テーブルTA2が参照されるときには、変動パターンHP13,HP23が決定されうる一方、変動パターンHP01~HP05が決定されない。決定テーブルTA6が参照されるときには、変動パターンHP16,HP26が決定されうる一方、決定テーブルTA6以外が参照されるときには、変動パターンHP16,HP26が決定されない。決定テーブルTA6が参照されるときには、変動パターンHP16,HP26が決定されうる一方、変動パターンHP01~HP05が決定されない。
【0080】
決定テーブルTA10が参照されるときには、変動パターンHP18,HP28が決定されうる一方、決定テーブルTA10以外が参照されるときには、変動パターンHP18,HP28が決定されない。決定テーブルTA10が参照されるときには、変動パターンHP18,HP28が決定されうる一方、変動パターンHP01~HP05が決定されない。つまり、決定テーブルTA2,TA6,TA10の何れかが参照されるときには、リーチなしのハズレ変動パターンが決定されず、大当り変動パターン又はリーチありのハズレ変動パターンが決定される。このため、決定テーブルTA2,TA6,TA10の何れかが参照されるときには、必ずリーチが形成されうる。
【0081】
変動パターンの決定に際して参照される決定テーブルTA1~TA14の種類によって、決定される変動パターンの平均変動時間が異なる。特に、メインモード[通常]である場合に、決定テーブルTA2が参照されるときには、リーチなしのハズレ変動パターンが決定されないから、変動パターンの平均変動時間は、決定テーブルTA1,TA3,TA4が参照されるときよりも長くなる。同様に、メインモード[A]である場合に、変動パターンの平均変動時間は、決定テーブルTA6が参照される場合に、決定テーブルTA5,TA7,TA8が参照されるときよりも長くなる。メインモード[B]である場合に、変動パターンの平均変動時間は、決定テーブルTA10が参照される場合に、決定テーブルTA9a,TA9b,TA11,TA12が参照されるときよりも長くなる。
【0082】
つまり、変動パターンの平均変動時間は、減算後の合算特別保留数が同じ0になる状況であっても、決定テーブルTA2に基づいて決定される場合に、決定テーブルTA1に基づいて決定されるときと比べて長くなる。変動パターンの平均変動時間は、決定テーブルTA2に基づいて決定される場合に、減算後の合算特別保留数が1以上となり、決定テーブルTA3,TA4に基づいて決定されるときと比べて長くなる。変動パターンの平均変動時間は、減算後の合算特別保留数が同じ0になる状況であっても、決定テーブルTA6に基づいて決定される場合に、決定テーブルTA5に基づいて決定されるときと比べて長くなる。変動パターンの平均変動時間は、決定テーブルTA6に基づいて決定される場合に、減算後の合算特別保留数が1以上となり、決定テーブルTA7,TA8に基づいて決定されるときと比べて長くなる。
【0083】
変動パターンの平均変動時間は、減算後の合算特別保留数が同じ0になる状況であっても、決定テーブルTA10に基づいて決定される場合に、決定テーブルTA9a,TA9bに基づいて決定されるときと比べて長くなる。変動パターンの平均変動時間は、決定テーブルTA10に基づいて決定される場合に、減算後の合算特別保留数が1以上となり、決定テーブルTA11,TA12に基づいて決定されるときと比べて長くなる。さらに、変動パターンHP17の決定確率は、決定テーブルTA9aを参照したときに、決定テーブルTA9bを参照した場合に比べて高い。変動パターンHP05の決定確率は、決定テーブルTA9aを参照したときに、決定テーブルTA9bを参照した場合に比べて低い。よって、変動パターンの平均変動時間は、決定テーブルTA9aが参照される場合に、決定テーブルTA9bが参照されるときよりも長くなる。
【0084】
決定テーブルTA2,TA6,TA10を参照して変動パターンを決定する条件は、第1決定条件の一例である。決定テーブルTA1,TA5,TA9a,TA9bを参照して変動パターンを決定する条件は、第2決定条件の一例である。パチンコ遊技機10では、参照する決定テーブルが異なることによって、決定される変動パターンが異なる。変動パターンに特定される変動時間及び演出時間(演出態様)は、変動内容を構成する。つまり、パチンコ遊技機10では、決定され得る変動パターンが異なると、その結果として変動内容が異なりうる。つまり、決定条件の違いは、特別ゲーム及び演出ゲームの変動時間、及び特別ゲームに付随する演出内容(演出ゲームなど)の違いに繋がりうる。
【0085】
次に、パチンコ遊技機10において行われる各種の処理について説明する。
CPU40aが行う特別図柄入力処理について説明する。特別図柄入力処理は、割り込み処理の1つとして行われる。特別図柄入力処理を実行するCPU40aは、変動ゲーム中又は当り遊技中に遊技球が始動口へ入球すると、変動ゲームの実行を保留することができるゲーム保留手段の一例を構成する。
【0086】
特別図柄入力処理において、CPU40aは、第1始動センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口28へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口28へ入球した場合、CPU40aは、第1特別保留数が最大値未満であるか否かを判定する。第1特別保留数及び第2特別保留数は、RAM40cに記憶される。第1特別保留数が最大値未満である場合、CPU40aは、第1特別保留数を1加算して更新する。CPU40aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示装置22を制御する。CPU40aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第1保留数コマンドと示す)を出力バッファに設定する。なお、出力バッファに設定された制御コマンドは、次回以降の割り込み処理において副基板41へと出力される。
【0087】
次に、CPU40aは、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報をRAM40cに記憶する。一例として、乱数は、特別当り抽選に用いる乱数、大当り図柄の決定に用いる乱数、及び変動パターンの決定に用いる乱数などである。CPU40aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、乱数情報をRAM40cに記憶することによって、特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。なお、乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
【0088】
遊技球が第1始動口28へ入球していない場合、第1特別保留数が最大値未満ではない場合、及び第1特別ゲーム用の乱数情報をRAM40cに記憶した場合、CPU40aは、第2始動センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口29へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口29へ入球していない場合、CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0089】
遊技球が第2始動口29へ入球した場合、CPU40aは、第2特別保留数が最大値未満であるか否かを判定する。第2特別保留数が最大値未満でない場合、CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。第2特別保留数が最大値未満である場合、CPU40aは、第2特別保留数を1加算して更新する。CPU40aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、情報表示装置22を制御する。CPU40aは、更新後の第2特別保留数を特定可能な制御コマンド(以下、第2保留数コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
【0090】
次に、CPU40aは、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報をRAM40cに記憶させる。CPU40aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、乱数情報をRAM40cに記憶させておくことで、第2特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。その後、CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0091】
CPU40aが行う特別図柄開始処理について説明する。特別図柄開始処理は、割り込み処理の1つとして行われる。
特別図柄開始処理において、CPU40aは、特別ゲーム中又は当り遊技中であるか否かを判定する。特別ゲーム中又は当り遊技中である場合、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。CPU40aは、変動インターバル時間中も、特別ゲーム中であると判定する。
【0092】
一方、特別ゲーム中及び当り遊技中ではない場合、CPU40aは、第2特別保留数が1以上であるか否かを判定する。第2特別保留数が1以上である場合、第2特別ゲームの実行条件が成立するから、CPU40aは、第2特別ゲームを開始させるための第2ゲーム処理を行う。一方、第2特別保留数が1以上でない場合、CPU40aは、第1特別保留数が1以上であるか否かを判定する。第1特別保留数が1以上である場合、第1特別ゲームの実行条件が成立するから、CPU40aは、第1特別ゲームを開始させるための第1ゲーム処理を行う。つまり、CPU40aは、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームを優先して実行させる。
【0093】
一方、第1特別保留数が1以上でない場合、CPU40aは、参照条件フラグを参照し、有効情報が設定されているか否かを判定する。有効情報が設定されている場合、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、無効情報が設定されている場合、CPU40aは、参照条件フラグに有効情報を設定する。その後、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。このように、第1特別保留数が1以上ではなく、第2特別保留数が1以上ではない状態(合算特別保留数が0である状態)で当り遊技又は特別ゲームが終了したときに、CPU40aは、参照条件フラグに有効情報を設定する。一方、第1特別保留数が1以上である状態、又は、第2特別保留数が1以上である状態(合算特別保留数が0ではない状態)で大当り遊技又は特別ゲームが終了したときに、CPU40aは、参照条件フラグに有効情報を設定しない。
【0094】
第1ゲーム処理について説明する。
第1特別ゲームを開始させる場合、CPU40aは、第1特別保留数を1減算して更新する。CPU40aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示装置22を制御する。次に、CPU40aは、メインモードを制御するためのメインモード処理を実行する。次に、CPU40aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM40cから読み出す。なお、CPU40aは、最先に記憶された乱数情報を読み出すと、当該乱数情報をRAM40cから消去する。
【0095】
次に、CPU40aは、読み出した乱数情報と、ROM40bに記憶されている大当り判定値とに基づいて、大当りに当選とするか否かの大当り判定を行う。一例として、大当り判定は、乱数情報から特定される乱数の値と、現在の確率状態に対応する大当り判定値とが一致するか否かにより判定される。これに限らず、大当り判定は、乱数情報から特定される乱数の値と大当り判定値とを加算した値が、所定値を超えているか否かにより判定してもよい。大当り判定は、いわゆる「大当り抽選」であり、特別当り抽選の一例である。大当り判定(大当り抽選)の結果には、大当りに当選する大当りの結果と、大当りに当選しないハズレの結果と、を含みうる。
【0096】
大当りに当選する場合、CPU40aは、第1当り図柄処理を実行し、第1特別ゲームで停止表示する大当り図柄を決定する。一例として、CPU40aは、読み出した乱数情報を用いた抽選により、第1特別ゲームで停止表示する大当り図柄を決定するとよい。次に、CPU40aは、第1当り変動処理を実行し、第1特別ゲームの変動パターンを決定する。一例として、CPU40aは、読み出した乱数情報を用いた抽選により、第1特別ゲームの変動パターンを決定するとよい。その後、CPU40aは、第1ゲーム処理を終了する。
【0097】
一方、大当りに当選しないハズレの場合、CPU40aは、第1ハズレ図柄処理を実行し、第1特別ゲームで停止表示するハズレ図柄を決定する。一例として、CPU40aは、読み出した乱数情報を用いた抽選により、第1特別ゲームで停止表示するハズレ図柄を決定するとよい。次に、CPU40aは、第1ハズレ変動処理を実行し、第1特別ゲームの変動パターンを決定する。一例として、CPU40aは、読み出した乱数情報を用いた抽選により、第1特別ゲームの変動パターンを決定するとよい。その後、CPU40aは、第1ゲーム処理を終了する。
【0098】
第2ゲーム処理について説明する。
第2ゲーム処理は、前述した第1ゲーム処理と同様の処理である。第2ゲーム処理において、CPU40aは、第2特別保留数の減算、大当り判定(特別当り抽選)を行う。大当りに当選する場合に、CPU40aは、第2当り図柄処理を実行し、第2特別ゲームで停止表示する大当り図柄を決定する。CPU40aは、第2当り変動処理を実行し、第2特別ゲームの変動パターンを決定する。その後、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、大当りに当選しないハズレの場合に、CPU40aは、第2ハズレ図柄処理を実行し、第2特別ゲームで停止表示するハズレ図柄を決定する。CPU40aは、第2ハズレ変動処理を実行し、第2特別ゲームの変動パターンを決定する。その後、CPU40aは、第2ゲーム処理を終了する。
【0099】
そして、特別図柄開始処理を終了すると、CPU40aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、特別ゲームを実行させる。CPU40aは、特別図柄開始処理において決定した大当り図柄又はハズレ図柄を特定可能な制御コマンド(以下、図柄コマンドと示す)を出力バッファに設定する。CPU40aは、特別図柄開始処理において決定した変動パターンを特定可能であって、かつ、演出ゲームの開始を指示する制御コマンド(以下、開始コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
【0100】
CPU40aは、特別ゲームを開始するように、情報表示装置22を制御する。CPU40aは、決定済みである変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU40aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を停止表示するように、情報表示装置22を制御する。CPU40aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の変動停止を指示し、演出図柄による図柄組合せを停止表示させるための情報(以下、終了コマンドと示す)を出力バッファに設定する。
【0101】
CPU40aは、減算後の合算特別保留数が1である特別ゲームを開始させる場合に、決定済みである変動パターンに定められた変動時間に基づいて、何れの継続状況に該当するかを特定する。一例として、CPU40aは、変動時間が規定時間以上であるか否かによって、何れの継続状況であるかを特定するとよい。CPU40aは、特定した継続状況の種類を示す情報を状況フラグに設定する。状況フラグは、RAM40cに記憶される。
【0102】
CPU40aは、減算後の合算特別保留数が0である特別ゲームの実行中、遊技球が始動口28,29へ入球したことに応じて合算特別保留数が1となった場合に、実行中である特別ゲームの残り変動時間に基づいて、何れの追加状況に該当するかを特定する。一例として、CPU40aは、合算特別保留数が1となった時点における残り変動時間が規定時間以上であるか否かによって、何れの追加状況であるかを特定するとよい。CPU40aは、特定した追加状況の種類を示す情報を状況フラグに設定する。
【0103】
特別図柄開始処理のうち、各ゲーム処理を実行するCPU40aは、変動ゲームの実行条件が成立すると、変動ゲームを実行させる制御を行うゲーム制御手段の一例を構成する。ゲーム保留手段として機能するCPU40aは、規定数を上限として変動ゲームの実行を保留することができる。特別図柄開始処理のうち、各変動処理を実行するCPU40aは、変動ゲームの変動内容を決定する変動内容決定手段の一例を構成する。
【0104】
メインモード処理について説明する。
CPU40aは、作動フラグに設定された情報を参照することにより、現在の入球率状態を特定する。作動フラグは、RAM40cに記憶される。高入球率状態である場合に、CPU40aは、メインモード処理を終了する。一方、低入球率状態である場合に、CPU40aは、メインモードフラグに設定された情報に基づいて、滞在中であるメインモードを特定する。CPU40aは、メインモードフラグに設定された情報に基づいて、現在のメインモードを特定可能である。メインモードフラグは、RAM40cに記憶される。CPU40aは、メインモード[通常]である場合であって、減算後の合算特別保留数が0であるとき、メインモードフラグを更新せず、メインモード[通常]を継続する。
【0105】
CPU40aは、メインモード[通常]である場合であって、減算後の合算特別保留数が3以上であるとき、所定の乱数を用いた第1モード移行抽選を実行し、メインモード[A]へ移行させるか否かを決定する。メインモード[A]への移行を決定した場合に、CPU40aは、メインモードフラグにメインモード[A]を特定可能な情報を設定する。CPU40aは、メインモード[A]に滞在可能な特別ゲームの回数である第1モード回数をRAM40cに記憶する。第1モード回数の初期値は、モード移行時における合算特別保留数と同数である。メインモード[A]への移行を決定しない場合に、CPU40aは、メインモードフラグを更新せず、メインモード[通常]を継続する。
【0106】
CPU40aは、メインモード[通常]である場合であって、減算後の合算特別保留数が1又は2であるとき、所定の乱数を用いた第2モード移行抽選を実行し、メインモード[B]へ移行させるか否かを決定する。メインモード[B]への移行を決定した場合に、CPU40aは、メインモードフラグにメインモード[B]を特定可能な情報を設定する。CPU40aは、メインモード[B]に滞在可能な特別ゲームの回数である第2モード回数をRAM40cに記憶する。第2モード回数の初期値は、モード移行時における合算特別保留数と同数である。メインモード[B]への移行を決定しない場合に、CPU40aは、メインモードフラグを更新せず、メインモード[通常]を継続する。
【0107】
メインモード[A]である場合に、CPU40aは、メインモード処理を実行するごとに、第1モード回数を1減算する。つまり、第1モード回数は、特別ゲームが実行されるごとに1減算される。なお、CPU40aは、減算の結果として第1モード回数が0になった場合、特別図柄開始処理を終了するときに、メインモードフラグにメインモード[通常]を特定可能な情報を設定する。つまり、CPU40aは、メインモード[通常]に移行する。一方、CPU40aは、減算の結果として第1モード回数が0にならない場合、特別図柄開始処理を終了するときに、メインモードフラグを更新せず、メインモード[A]を継続する。よって、メインモード[A]は、原則として、4回の第1特別ゲームにわたって滞在しうる。メインモード[A]は、原則として、当該メインモード[A]へ移行した時点において、最後に保留された第1特別ゲームが実行されるまで滞在しうる。
【0108】
メインモード[B]である場合に、CPU40aは、メインモード処理を実行するごとに、第2モード回数を1減算する。つまり、第2モード回数は、特別ゲームが実行されるごとに1減算される。CPU40aは、減算の結果として第2モード回数が0になった場合、特別図柄開始処理を終了するときに、メインモードフラグにメインモード[通常]を特定可能な情報を設定する。つまり、CPU40aは、メインモード[通常]に移行する。一方、CPU40aは、減算の結果として第2モード回数が0にならない場合、特別図柄開始処理を終了するときに、メインモードフラグを更新せず、メインモード[B]を継続する。よって、メインモード[B]は、原則として、2回、又は3回の第1特別ゲームにわたって滞在しうる。メインモード[B]は、原則として、当該メインモード[B]へ移行した時点において、最後に保留された第1特別ゲームが実行されるまで滞在しうる。
【0109】
CPU40aが行う大当り処理について説明する。
大当り処理において、CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づく大当り遊技を付与するように、各種の処理を行う。即ち、CPU40aは、大当り処理を実行することにより、大当り遊技を付与する。
【0110】
CPU40aは、大当りの特別ゲームが終了すると、最初にオープニング時間の開始を特定可能な情報(以下、オープニングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。CPU40aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU40aは、大当り図柄(大当りの種類)に応じた開放パターンに基づいて大入賞口31が開放されるように、特別アクチュエータA2を制御し、ラウンド遊技を開始させる。CPU40aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、大入賞口31が閉鎖されるように特別アクチュエータA2を制御し、ラウンド遊技を終了させる。CPU40aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、規定回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU40aは、ラウンド遊技を開始するごとに、ラウンド遊技の開始を特定可能な情報(以下、ラウンドコマンドと示す)を出力バッファに設定する。CPU40aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な情報(以下、エンディングコマンドと示す)を出力バッファに設定する。CPU40aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。
【0111】
CPU40aが行う遊技状態処理について説明する。
CPU40aは、図柄ZA,Zaに基づく大当り遊技を付与した場合、大当り遊技を終了するときに、高確率状態に制御することを特定可能な情報を確率フラグに設定する。CPU40aは、図柄ZA,Zaに基づく大当り遊技を付与した場合、大当り遊技を終了するときに、高入球率状態に制御することを特定可能な情報を作動フラグに設定する。確率フラグ及び作動フラグは、RAM40cに記憶される。この場合に、CPU40aは、次回の大当り遊技が開始される迄の間、高確率状態、かつ高入球率状態になるように、遊技状態を制御する。
【0112】
CPU40aは、図柄ZB,Zbに基づく大当り遊技を付与した場合、大当り遊技を終了するときに、低確率状態に制御することを特定可能な情報を確率フラグに設定する。CPU40aは、図柄ZB,Zbに基づく大当り遊技を付与した場合、大当り遊技を終了するときに、高入球率状態に制御することを特定可能な情報を作動フラグに設定する。この場合、CPU40aは、上限回数を定めた高入球率状態を付与することから、上限回数に相当する回数(一例として100回)を、高入球率状態を付与する特別ゲームの残り回数としてRAM40cに記憶させる。CPU40aは、特別ゲームが実行される毎に残り回数を1減算する。CPU40aは、残り回数が0となった場合、残り回数が0となった特別ゲームの終了に伴って、低入球率状態に制御することを特定可能な情報を作動フラグに設定する。つまり、CPU40aは、上限回数の特別ゲームの終了に伴って、高入球率状態を終了させ、低入球率状態へ移行させる。
【0113】
CPU40aは、大当り遊技を開始するときに、低確率状態に制御することを特定可能な情報を確率フラグに設定する。CPU40aは、大当り遊技を開始するときに、低入球率状態に制御することを特定可能な情報を作動フラグに設定する。CPU40aは、低入球率状態に制御すると、低入球率状態コマンドを出力バッファに設定する。CPU40aは、高入球率状態に制御すると、高入球率状態コマンドを出力バッファに設定する。CPU40aは、低確率状態に制御すると、低確率状態コマンドを出力バッファに設定する。CPU40aは、高確率状態に制御すると、高確率状態コマンドを出力バッファに設定する。
【0114】
CPU40aが行う普通図柄入力処理について説明する。普通図柄入力処理は、割り込み処理の1つとして行われる。
普通図柄入力処理において、CPU40aは、ゲートセンサSE4から検知信号を入力したか否かに基づいて、ゲート33を遊技球が通過(入球)したか否かを判定する。ゲート33を遊技球が通過していない場合、CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。一方、ゲート33を遊技球が通過した場合、CPU40aは、普通保留数が最大値(一例として4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が最大値未満ではない場合、CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0115】
普通保留数が最大値未満である場合、CPU40aは、普通保留数を1加算して更新する。ゲート33に遊技球が入球した場合であって、かつ普通保留数が最大値に達していないときには、普通ゲームの保留条件が成立し、普通変動ゲームの実行が保留される。CPU40aは、更新後の普通保留数を表示するように、情報表示装置22を制御する。
【0116】
次に、CPU40aは、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報をRAM40cに記憶させる。例えば、乱数は、普通図柄の当り抽選に用いる乱数、及び普通ゲームの変動時間の決定に用いる乱数などである。この場合、CPU40aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能になるように記憶させる。パチンコ遊技機10は、普通ゲーム用の乱数情報をRAM40cに記憶することによって、当該普通ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。その後、CPU40aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0117】
CPU40aが行う普通図柄開始処理について説明する。普通図柄開始処理は、割り込み処理の1つとして行われる。
普通図柄開始処理において、CPU40aは、普通ゲーム中又は普通当り遊技中か否かを判定する。普通ゲーム中又は普通当り遊技中である場合、CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0118】
一方、普通ゲーム中及び普通当り遊技中ではない場合、CPU40aは、普通保留数が1以上であるか否かを判定する。普通保留数が1以上である場合、CPU40aは、普通ゲームの実行条件が成立し、普通ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、普通保留数が1以上でない場合、CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0119】
普通ゲームを開始させる場合、CPU40aは、普通保留数を1減算して更新する。CPU40aは、更新後の普通保留数を表示するように、情報表示装置22を制御する。次に、CPU40aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM40cから読み出す。なお、CPU40aは、最先に記憶された乱数情報を読み出すと、当該乱数情報をRAM40cから消去する。
【0120】
次に、CPU40aは、読み出した乱数情報と、ROM40bに記憶されている普通当り判定値とに基づいて、普通当りに当選とするか否かの普通当り判定を行う。普通当り判定は、いわゆる「普通当り抽選」である。普通当り判定(普通当り抽選)の結果には、普通当りに当選する普通当りの結果と、普通当りに当選しないハズレの結果と、を含みうる。一例として、普通当り判定は、乱数情報から特定される乱数の値と、現在の入球率状態に対応する普通当り判定値とが一致するか否かにより行われる。一例として、第2補助制御を採用する場合、CPU40aは、低入球率状態において普通当り確率を第1確率とし、高入球率状態において第1確率よりも高い第2確率とするとよい。
【0121】
普通当りに当選する場合、CPU40aは、普通ゲームで停止表示する普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。一例として、第1補助制御を採用する場合、CPU40aは、低入球率状態において第1変動時間を決定し、高入球率状態において第1変動時間よりも短い第2変動時間を決定する。その後、CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。一方、普通当りに当選しない普通ハズレの場合、CPU40aは、普通ゲームで停止表示する普通ハズレ図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、CPU40aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0122】
そして、普通図柄開始処理を終了すると、CPU40aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。CPU40aは、普通図柄開始処理において決定した変動時間を特定可能な制御コマンド(以下、普通開始コマンドと示す)を出力バッファに設定する。普通開始コマンドは、普通当り抽選の結果、及び普通図柄を特定可能な情報であってもよい。CPU40aは、普通ゲームを開始するように、情報表示装置22を制御する。CPU40aは、普通ゲームの変動時間が経過すると、普通図柄開始処理にて決定した普通図柄を停止表示するように、情報表示装置22を制御する。
【0123】
CPU40aが行う普通当り処理について説明する。
普通当りに当選した場合、CPU40aは、第2始動口29の開放パターンを決定する。CPU40aは、決定した開放パターンに基づいて普通アクチュエータA1を制御して、第2始動口29を開放させる。一例として、第3補助制御を採用する場合、CPU40aは、低入球率状態において第1開放パターンを決定し、高入球率状態において第2開放パターンを決定する。第2開放パターンは、1回の普通当り遊技における普通可変部材30の合計開放時間が、第1開放パターンよりも長いとよい。
【0124】
副基板41のCPU41aが行う各種の処理について説明する。
CPU41aが行う大当り演出処理について説明する。
CPU41aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように、演出表示装置27を制御する。CPU41aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように、演出表示装置27を制御する。CPU41aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように、演出表示装置27を制御する。このように、CPU41aは、大当り遊技中において、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出を大当り演出として実行させうる。なお、CPU41aは、演出表示装置27に加えて、所定の演出を実行するように、装飾ランプ17及びスピーカ18の一方又は両方を制御してもよい。
【0125】
CPU41aが行う遊技状態処理について説明する。
CPU41aは、低確率状態コマンドを入力すると、RAM41cに記憶されている副確率状態フラグに、低確率状態であることを特定可能な値を設定する。CPU41aは、高確率状態コマンドを入力すると、RAM41cに記憶されている副確率状態フラグに、高確率状態であることを特定可能な値を設定する。CPU41aは、RAM41cに記憶されている副確率状態フラグを参照することにより、現在の遊技状態が低確率状態であるか、高確率状態であるかを特定できる。
【0126】
CPU41aは、低入球率状態コマンドを入力すると、RAM41cに記憶されている副入球率状態フラグに、低入球率状態であることを特定可能な値を設定する。CPU41aは、高入球率状態コマンドを入力すると、RAM41cに記憶されている副入球率状態フラグに、高入球率状態であることを特定可能な値を設定する。CPU41aは、RAM41cに記憶されている副入球率状態フラグを参照することにより、現在の遊技状態が低入球率状態であるか、高入球率状態であるかを特定できる。
【0127】
CPU41aが行う演出ゲーム処理について説明する。
CPU41aは、開始コマンド及び図柄コマンドに基づいて、演出ゲームにおいて停止表示する図柄組合せを決定する。一例として、CPU41aは、図柄コマンドから特定可能な特別図柄が大当り図柄である場合、演出図柄による大当りの図柄組合せを決定する。CPU41aは、図柄コマンドから特定可能な特別図柄がハズレ図柄である場合、演出図柄によるハズレの図柄組合せを決定する。CPU41aは、リーチ演出の実行条件が成立している場合には、リーチを含むハズレの図柄組合せを決定する。一例として、リーチ演出の実行条件は、リーチありのハズレ変動パターンが決定されることである。なお、リーチ演出の実行条件は、CPU41aが所定のリーチ抽選を行い、当該リーチ抽選に当選することであってもよい。
【0128】
CPU41aは、開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄が変動表示されるように、演出表示装置27を制御する。つまり、CPU41aは、演出ゲームを開始させる。CPU41aは、演出ゲームの実行中、変動パターンから特定可能な演出内容に応じた表示演出を伴わせる。例えば、CPU41aは、リーチありの変動パターンである場合に、当該変動パターンに定められたリーチ演出を実行するように、演出表示装置27を制御する。
【0129】
一例として、CPU41aは、変動パターン及び特別図柄に応じて、予告演出の実行可否を決定する。CPU41aは、予告演出の実行可を決定した場合に、予告演出を実行するように、演出表示装置27を制御するとよい。予告演出は、変動ゲームが大当りになる期待度を報知する演出である。例えば、予告演出は、所定のキャラクタ、文字(文字列)、及びエフェクトを表示する態様にて実行するとよい。
【0130】
一例として、CPU41aは、変動パターンに応じて、演出モードを移行させるモード演出を実行できる。例えば、低入球率状態において、CPU41aは、メインモード[通常]に対応する変動パターンHP01~HP03,HP11~HP13,HP21~HP23を指示された場合に、演出モード[通常]を特定可能な情報をサブモードフラグに設定する。サブモードフラグは、RAM41cに記憶される。低入球率状態において、CPU41aは、メインモード[A]に対応する変動パターンHP04,HP15,HP16,HP25,HP26を指示された場合に、演出モード[A]を特定可能な情報をサブモードフラグに設定する。低入球率状態において、CPU41aは、メインモード[B]に対応する変動パターンHP05,HP17,HP18,HP27,HP28を指示された場合に、演出モード[B]を特定可能な情報をサブモードフラグに設定する。高入球率状態において、CPU41aは、変動パターンを問わず、演出モード[特定]を特定可能な情報をサブモードフラグに設定する。
【0131】
そして、CPU41aは、設定中である演出モードに対応した要素を表示するように、演出表示装置27を制御する。例えば、演出モードを構成する要素であって、かつ演出モードごとに異なる要素は、背景、演出図柄、登場キャラクタ、及び保留アイコンのうち任意に選択できる1つ又は複数の画像である。遊技者は、演出表示装置27に表示される要素としての画像の違いから、演出モード又はメインモードを認識しうる。遊技者は、演出表示装置27に表示される要素としての画像の変更から、演出モード又はメインモードの移行を認識しうる。モード演出は、変動パターンに定められた演出内容の一部を構成するといえる。同じ演出モードに滞在することは、演出状況が同じであることの一例であり、異なる演出モードに滞在することは、演出状況が異なることの一例である。演出ゲーム及びモード演出は、所定の演出の一例である。
【0132】
CPU41aは、変動パターンHP05,HP17に基づく演出ゲームの実行中、第1特別保留数=1又は第2特別保留数=1を指示する保留数コマンドを入力した場合であって、その時点における残り変動時間が規定時間未満であるとき、特定キャラクタを表示するように、演出表示装置27を制御する。CPU41aは、特定キャラクタを表示させている場合であって、変動パターンHP18,HP28の何れかを指定する開始コマンドを入力すると、表示中である特定キャラクタを今回の演出ゲームでも継続して表示するように、演出表示装置27を制御する。この場合に、CPU41aは、恰も特定キャラクタが演出の紹介をする内容にて紹介リーチ演出を実行するように、演出表示装置27を制御するとよい。一方、CPU41aは、特定キャラクタを表示させている場合に、変動パターンHP18,HP28以外の変動パターンを指定する開始コマンドを入力すると、特定キャラクタを非表示とするように、演出表示装置27を制御する。
【0133】
そして、CPU41aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、決定済みの図柄組合せを仮で停止表示させ、終了コマンドの入力を契機として、確定で停止表示させる。これに限らず、CPU41aは、変動パターンから特定可能な変動時間を計時し、当該変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示してもよい。この場合、終了コマンドは、省略されてもよい。
【0134】
変動パターンの具体的な決定態様の一例について説明する。
特別図柄開始処理における各当り変動処理及び各ハズレ変動処理において、CPU40aは、以下の通りの手順で処理を行う。CPU40aは、作動フラグを参照することによって、現在の入球率状態を特定する。CPU40aは、各特別保留数を読み出し、各特別保留数を特定する。CPU40aは、参照条件フラグを参照することによって、無効情報及び有効情報の何れが設定されているかを特定する。CPU40aは、メインモードフラグを参照することによって、現在のメインモードを特定する。CPU40aは、減算後の合算特別保留数が0である特別ゲームの開始に際して、状況フラグを参照することによって、第1継続状況、第2継続状況、第1追加状況、及び第2追加状況の何れに該当するかを特定する。そして、CPU40aは、各特定結果に対応する決定テーブルを参照して変動パターンを決定する。CPU40aは、参照条件フラグに無効情報を設定する。
【0135】
図6は、低入球率状態であり、かつメインモード[通常]である状況を示す。図6(a)に示すように、時点T21において、減算後の合算特別保留数が1となり、1回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、決定テーブルTA3が参照され、変動パターンが決定される。この場合、参照条件フラグには、無効情報が設定されている。
【0136】
次に、合算特別保留数が1である状態で1回目の特別ゲームが終了した後に、時点T22において、減算後の合算特別保留数が0となり、2回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに無効情報が設定されており、決定テーブルTA1が参照され、変動パターンが決定される。
【0137】
次に、合算特別保留数が0である状態で2回目の特別ゲームが終了した後に、時点T23において、特別ゲームが実行されず、待機状態になる。この場合、合算特別保留数が0である状態で特別ゲームが終了したため、参照条件フラグに有効情報が設定される。
【0138】
その後、時点T24において、合算特別保留数が0である状態で第1始動口28又は第2始動口29に遊技球が入球されると、減算後の合算特別保留数が0となり、3回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに有効情報が設定されているから、決定テーブルTA2が参照され、変動パターンが決定される。この場合、参照条件フラグには、無効情報が設定される。そして、時点T25において、3回目の特別ゲームが終了する。
【0139】
このように、同じように、低入球率状態に制御されており、特別ゲームの実行条件の成立に応じて減算後の合算特別保留数が0になるときであっても、成立した実行条件の種類によって異なる決定テーブルに基づいて変動パターンが決定されうる。
【0140】
図6(b)に示すように、時点T26において、2回目の特別ゲームの実行中に電断が発生した場合であっても、2回目の特別ゲームの残り変動時間がバックアップされている。このため、時点T27において、復電された後に、バックアップされていた2回目の特別ゲームの残り変動時間に基づいて、2回目の特別ゲームの実行が再開される。そして、時点T28において、2回目の特別ゲームが終了する。
【0141】
図6(c)に示すように、時点T29において、3回目の特別ゲームの実行中に電断が発生した場合であっても、3回目の特別ゲームの残り変動時間がバックアップされている。このため、時点T30において、復電された後に、バックアップされていた3回目の特別ゲームの残り変動時間に基づいて、3回目の特別ゲームの実行が再開される。そして、時点T31において、3回目の特別ゲームが終了する。このように、決定テーブルTA1に基づいて変動パターンが決定された特別ゲームの実行中に電断したときと、決定テーブルTA2に基づいて変動パターンが決定された特別ゲームの実行中に電断したときとの両方において、電断後に復電したときには、バックアップ(保持)された残り変動時間にわたって特別ゲームが実行される。
【0142】
図6(d)に示すように、時点T32において、待機状態中に電断が発生した場合であっても、参照条件フラグがバックアップされている。このため、時点T33において、復電された後であっても、参照条件フラグに有効情報が設定されている。このように、参照条件フラグに有効情報が記憶されている場合に電断しても、復電したときには、CPU40aは、バックアップされた参照条件フラグに基づいて、変動パターンを決定できる。
【0143】
図7は、低入球率状態であり、かつメインモード[A]であり、その他の状況は、図6(a)と同じである。時点T21aにおいて、減算後の合算特別保留数が1となり、1回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、決定テーブルTA7が参照され、変動パターンが決定される。この場合、参照条件フラグには、無効情報が設定されている。
【0144】
次に、合算特別保留数が1である状態で1回目の特別ゲームが終了した後に、時点T22aにおいて、減算後の合算特別保留数が0となり、2回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに無効情報が設定されており、決定テーブルTA5が参照され、変動パターンが決定される。
【0145】
次に、合算特別保留数が0である状態で2回目の特別ゲームが終了した後に、時点T23aにおいて、特別ゲームが実行されず、待機状態になる。この場合、合算特別保留数が0である状態で特別ゲームが終了したため、参照条件フラグに有効情報が設定される。
【0146】
その後、時点T24aにおいて、合算特別保留数が0である状態で第1始動口28又は第2始動口29に遊技球が入球されると、減算後の合算特別保留数が0となり、3回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに有効情報が設定されているから、決定テーブルTA6が参照され、変動パターンが決定される。この場合、参照条件フラグには、無効情報が設定される。そして、時点T25aにおいて、3回目の特別ゲームが終了する。
【0147】
図8(a)は、低入球率状態であり、かつメインモード[B]である状況であり、その他の状況は、図6(a)と同じである。時点T21bにおいて、減算後の合算特別保留数が1となり、1回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、決定テーブルTA11が参照され、変動パターンが決定される。この場合、参照条件フラグには、無効情報が設定されている。
【0148】
次に、合算特別保留数が1である状態で1回目の特別ゲームが終了した後に、時点T22bにおいて、減算後の合算特別保留数が0となり、2回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに無効情報が設定されており、決定テーブルTA9が参照され、変動パターンが決定される。一例として、1回目の特別ゲームの変動時間が規定時間未満である場合には、決定テーブルTA9aが参照される。一方、1回目の特別ゲームの変動時間が規定時間以上である場合には、決定テーブルTA9bが参照される。
【0149】
次に、合算特別保留数が0である状態で2回目の特別ゲームが終了した後に、時点T23bにおいて、特別ゲームが実行されず、待機状態になる。この場合、合算特別保留数が0である状態で特別ゲームが終了したため、参照条件フラグに有効情報が設定される。
【0150】
その後、時点T24bにおいて、合算特別保留数が0である状態で遊技球が始動口28,29の何れかに入球されると、減算後の合算特別保留数が0となり、3回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに有効情報が設定されているから、決定テーブルTA10が参照され、変動パターンが決定される。この場合、参照条件フラグには、無効情報が設定される。そして、時点T25bにおいて、3回目の特別ゲームが終了する。
【0151】
図8(b)は、低入球率状態であり、かつメインモード[B]である状況である。時点T21bにおいて、減算後の合算特別保留数が0となり、1回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、直前の特別ゲームの変動時間に応じて決定テーブルTA9a,TA9bの何れかが参照され、変動パターンが決定される。この場合、参照条件フラグには、無効情報が設定されている。
【0152】
時点T22cに示すように、1回目の特別ゲーム中、遊技球が始動口28,29の何れかへ入球し、合算特別保留数が1になったとする。次に、合算特別保留数が1となった状態で1回目の特別ゲームが終了した後に、時点T22bにおいて、減算後の合算特別保留数が0となり、2回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに無効情報が設定されており、決定テーブルTA9が参照され、変動パターンが決定される。一例として、1回目の特別ゲーム中、合算特別保留数が1となった時点において、1回目の特別ゲームの残り変動時間が規定時間未満である場合には、決定テーブルTA9aが参照される。一方、1回目の特別ゲームの残り変動時間が規定時間以上である場合には、決定テーブルTA9bが参照される。その後の流れは、図8(a)と同じである。
【0153】
ここで、時点T22cにおける、1回目の特別ゲームの残り変動時間が規定時間未満である場合に、演出表示装置27では、特定キャラクタが表示される。この場合に、2回目の特別ゲーム中、演出表示装置27では、特定キャラクタが演出の説明を行う内容にて紹介リーチ演出が行われる。一方、時点T22cにおける、1回目の特別ゲームの残り変動時間が規定時間以上である場合に、演出表示装置27では、特定キャラクタが表示されない。この場合に、2回目の特別ゲーム中、演出表示装置27では、特定キャラクタとは異なるキャラクタが演出の説明を行う内容にて紹介リーチ演出が行われる。このように、残り変動時間が規定時間未満であるか否かに応じて、特定キャラクタといった特定画像が表示されるか否かが異なる。つまり、保留時間が第1時間(一例として規定時間未満)であるときと、第1時間よりも長い第2時間(一例として規定時間以上)であるときとでは、第2実行条件の成立によって変動ゲームが開始されるまでの間の演出態様が異なるときがある。特定キャラクタが表示されるか否かを問わず、演出モード[B]が維持される。よって、第2実行条件が成立することに応じて実行される変動ゲームにおける演出態様は、当該変動ゲームが開始されるまでの演出態様が異なっていても、その少なくとも一部が引き継がれうる。
【0154】
以上のように、遊技球が始動口へ入球することに応じて変動ゲームの保留数が1となってから、第2実行条件が成立するまでの保留時間の長さは、遊技球が始動口へ入球するタイミングに応じて変化しうる。そして、第1実行条件が成立した状況において、CPU40aが変動パターンを決定するときの第1決定条件と、第2実行条件が成立した状況において、CPU40aが変動パターンを決定するときの第2決定条件とは、当該第2実行条件が成立するときの保留時間の長さによらず、互いに異なる条件である。
【0155】
決定テーブルTA9aと、決定テーブルTA9bとでは、決定され得る変動パターンが同じである。つまり、保留時間が第1時間であるときと、第1時間よりも長い第2時間であるときとでは、CPU40aによって決定されうる変動パターンの少なくとも一部が同じである。これに限らず、決定テーブルTA9aと決定テーブルTA9bとでは、一部の変動パターンが異なっていてもよく、全ての変動パターンが異なっていてもよい。また、保留時間のうち少なくとも一部の時間では、所定の演出(一例として演出ゲーム及び演出モード)を実行可能である。メインモードの種類に応じて変動パターンが決定され、変動パターンに応じて演出モードが維持又は移行される。よって、第2実行条件の成立に応じて変動ゲームの保留数が0になる状況において、CPU40aは、所定の演出の実行状況の少なくとも一部を引き継いで変動パターンを決定するといえる。
【0156】
メインモード[A]は、変動ゲームの保留数が第1数(一例として合算特別保留数が3以上)であるときに突入可能といえる。一方、メインモード[B]は、変動ゲームの保留数が第2数(一例として合算特別保留数が1又は2)であるときに突入可能である。そして、メインモード[A]である場合の決定テーブルTA5~TA8と、メインモード[B]である場合の決定テーブルTA9~TA12とでは、少なくとも一部の変動パターンが異なる。よって、変動ゲームの保留数が第1数である状態から変動ゲームの保留数が1である状態となり、第2実行条件が成立した状況における第2決定条件と、変動ゲームの保留数が第2数である状態から変動ゲームの保留数が1である状態となり、第2実行条件が成立した状況における第2決定条件とでは、互いに異なる演出状況になる。
【0157】
別の視点によれば、メインモード[B]は、変動ゲームの保留数が第1数(一例として合算特別保留数が2)であるとき、及び変動ゲームの保留数が第2数(一例として合算特別保留数が1)であるときに突入可能である。メインモード[B]である場合に、CPU40aは、メインモード[B]への突入時における保留数に関係なく、決定テーブルTA9~TA12を参照しうる。よって、変動ゲームの保留数が第1数である状態から変動ゲームの保留数が1である状態となり、第2実行条件が成立した状況における第2決定条件と、変動ゲームの保留数が第2数である状態から変動ゲームの保留数が1である状態となり、第2実行条件が成立した状況における第2決定条件とでは、互いに同じ演出状況になる。
【0158】
特別ゲームの実行中に電断が発生した場合であっても、特別ゲームの残り変動時間、及びメインモードフラグがバックアップされている。このため、復電後には、バックアップされていた特別ゲームの残り変動時間に基づいて、当該特別ゲームの実行が再開される。よって、メインモード[A]である場合に、決定テーブルTA5に基づいて変動パターンが決定された特別ゲームの実行中に電断したときと、決定テーブルTA6に基づいて変動パターンが決定された特別ゲームの実行中に電断したときとの両方において、復電後に、バックアップされた残り変動時間にわたって特別ゲームが実行される。メインモード[B]である場合に、決定テーブルTA9a,TA9bに基づいて変動パターンが決定された特別ゲームの実行中に電断したときと、決定テーブルTA10に基づいて変動パターンが決定された特別ゲームの実行中に電断したときとの両方において、復電後に、バックアップされた残り変動時間にわたって特別ゲームが実行される。
【0159】
待機状態中に電断が発生した場合であっても、参照条件フラグ、及びメインモードフラグがバックアップされている。このため、参照条件フラグに有効情報が記憶されている場合に電断しても、電断後に復電したときには、CPU40aは、バックアップされた参照条件フラグ、及びメインモードに基づいて、変動パターンを決定しうる。
【0160】
このように、メインモードが[通常]、[A]、及び[B]の何れであるかを問わず、同じように、低入球率状態に制御されており、特別ゲームの実行条件の成立に応じて減算後の合算特別保留数が0になるときであっても、成立した実行条件の種類によって異なる決定テーブルに基づいて変動パターンが決定される。
【0161】
第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)特別保留数が0の状態で遊技球が始動口へ入球する状況(第1実行条件)と、特別保留数が1の状態から変動ゲームが開始される状況(第2実行条件)とで、変動内容(一例として変動パターン)が異なり得る。つまり、特別保留数が0で同じ状況であっても、同じような変動内容が決定されてしまうことが抑制される。そして、第1決定条件と第2決定条件とは、特別保留数が1となってから第2実行条件が成立するまでの保留時間の長さによらず互いに異ならせることができる。一例として、各決定条件は、決定テーブルによって規定できる。このため、変動内容の決定態様を効果的に異ならせることができる。よって、興趣の低下を抑制できる。
【0162】
(1-2)保留時間が規定時間未満であるときと、規定時間以上であるときとでは、第2実行条件の成立によって変動ゲームが開始されるまでの間の演出態様が異なるときがある。第2実行条件の成立に応じた変動ゲームにおける演出態様は、当該変動ゲームが開始されるまでの演出態様が異なっていても、その少なくとも一部が引き継がれうる。よって、保留時間の長短に応じて演出態様が変化するとともに、演出態様が異なっていても、当該演出態様の少なくとも一部は、第2実行条件に対応した変動ゲームにおいて引き継がれうる。よって、演出態様に関連性をもたせ、面白味のある演出を実現できる。
【0163】
(1-3)変動内容決定手段(一例としてCPU40a)は、保留時間における所定の演出(一例として演出ゲーム)の実行状況の少なくとも一部を引き継いで変動内容を決定する。よって、特別保留数が0で同じ状況であっても、同じような変動内容が決定されてしまうことが、さらに抑制される。
【0164】
(1-4)変動内容決定手段(一例としてCPU40a)は、保留時間が規定時間未満であるときと、規定時間以上であるときとで、同じ変動内容を決定しうるから、同じ第2実行条件における変動内容としての統一感を持たせることができる。
【0165】
(1-5)メインモード[A]及びメインモード[B]に注目すると、変動ゲームの保留数が第1数(一例として合算特別保留数が3以上)から変動ゲームが消化されていった場合の第2決定条件と、第2数(一例として合算特別保留数が1又は2)から変動ゲームが消化されていった場合の第2決定条件とでは、互いに異なる演出状況になる。よって、変動ゲームの保留数が第1数であったか、第2数であったかに応じて、変動ゲームの変動内容に変化を与えうる。
【0166】
(1-6)メインモード[B]に注目すると、変動ゲームの保留数が第1数(一例として合算特別保留数が1)から変動ゲームが消化されていった場合の第2決定条件と、第2数(一例として合算特別保留数が2)から変動ゲームが消化されていった場合の第2決定条件とでは、互いに同じ演出状況になる。よって、変動ゲームの保留数が第1数であったか、第2数であったかに応じて、変動ゲームの変動内容が同じとなり、変動ゲームの変動内容に統一感を作り出しうる。
【0167】
[第2実施形態]
第2実施形態の遊技機について説明する。
以下の説明では、既に説明した実施形態と同じ構成及び同じ制御について同一符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0168】
第2実施形態において、特別当り抽選は、小当り抽選を含みうる。特別図柄は、小当り図柄を含みうる。特別ゲームにおいて、小当り図柄が停止表示されると、遊技者は小当りを認識できる。小当り抽選に当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄が停止表示されるとともに、当該小当りの特別ゲームの終了後、当り遊技の一例である小当り遊技が付与される。
【0169】
一例として、特別当り抽選は、大当り抽選を含まない。特別図柄は、大当り図柄を含まない。つまり、パチンコ遊技機10は、特別ゲームにおいて大当り図柄が停止表示されることによる当り(以下、図柄当りと示す)に基づく大当り遊技を備えない。パチンコ遊技機10は、第1大入賞口31へ入球した遊技球が特殊領域37を通過することによる当り(以下、役物当りと示す)に基づく大当り遊技を備える。これに限らず、特別当り抽選は、大当り抽選を含んでもよい。特別図柄は、大当り図柄を含んでもよい。つまり、パチンコ遊技機10は、図柄当りに基づく大当り遊技を備えてもよい。
【0170】
演出ゲームは、普通ゲームとともに開始され、普通ゲームとともに終了される。演出ゲームで停止表示される図柄組合せは、普通ゲームで停止表示される普通図柄に対応する。一例として、特別ゲームにおいて普通当り図柄が停止表示される場合に、演出ゲームでは、普通当りの図柄組合せが停止表示される。普通ゲームにおいて普通ハズレ図柄が停止表示される場合に、演出ゲームでは、普通ハズレの図柄組合せが停止表示される。
【0171】
図9に示すように、第1始動口28は、センター枠26の左下方において、遊技領域21に開口する。第2始動口29は、センター枠26の右側方において、遊技領域21に開口する。一般入賞口34は、センター枠26の左下方において、遊技領域21に開口する。遊技盤20には、遊技領域21に開口するように、第1大入賞口31が形成されている。第1大入賞口31は、遊技領域21のうちセンター枠26の右下方にある。遊技盤20は、第1大入賞口31に入球した遊技球を検知する第1特別入賞センサSE3を備える。賞球の付与条件は、第1特別入賞センサSE3が遊技球を検知することによって成立しうる。遊技盤20は、第1特別可変部材32を備える。第1特別可変部材32は、開状態(許容状態)と、閉状態(規制状態)と、に動作が可能に構成される。パチンコ遊技機10は、第1特別可変部材32を動作させる第1特別アクチュエータA2を備える(図11参照)。小当り遊技中、第1特別可変部材32は、開状態に動作される。
【0172】
遊技盤20は、第1大入賞口31へ入球した遊技球が通過しうる領域として、特殊領域37と、通常領域38と、を備える。第1大入賞口31の内部における球通路は、第1通路と第2通路とに分岐する。特殊領域37は第1通路にある。通常領域38は第2通路にある。
【0173】
遊技盤20は、特殊領域37を通過した遊技球を検知する特殊通過センサSE7を備える。特殊通過センサSE7は、第1大入賞口31に入球した遊技球が、特殊領域37を通過したことを検知しうる。パチンコ遊技機10では、遊技球が特殊通過センサSE7に検知されると、小当り遊技の終了後に、役物当りに基づく大当り遊技が付与されうる。つまり、遊技球が特殊領域37を通過したことの特典として、大当り遊技が付与されうる。
【0174】
遊技盤20は、第1大入賞口31へ入球した遊技球を、第1通路又は第2通路に振り分ける振分部材39を備える。振分部材39は、前記球通路が分岐する部分において、第1振分状態と第2振分状態とに動作可能に支持される。第1振分状態は、第1大入賞口31に入球した遊技球を、特殊領域37へ振り分けうる状態である。第2振分状態は、第1大入賞口31に入球した遊技球を、通常領域38に振り分けうる状態である。遊技盤20は、振分部材39を動作する振分アクチュエータA4を備える(図11参照)。
【0175】
遊技盤20には、遊技領域21に開口するように、第2大入賞口35が形成されている。大入賞口31は、遊技領域21のうちセンター枠26の下方にある。遊技盤20は、第2特別入賞センサSE6を備える。第2特別入賞センサSE6は、第2大入賞口35に入球した遊技球を検知する。賞球の付与条件は、第2特別入賞センサSE6が遊技球を検知することによって成立しうる。
【0176】
遊技盤20は、第2特別可変部材36を備える。第2特別可変部材36は、開状態(許容状態)と、閉状態(規制状態)と、に動作が可能に構成される。開状態は、遊技球を第2大入賞口35へ入球させることができる、又は入球させ易い状態である。閉状態は、遊技球を第2大入賞口35へ入球させることができない、又は入球させ難い状態である。パチンコ遊技機10は、第2特別可変部材36を動作させる第2特別アクチュエータA3を備える(図11参照)。大当り遊技中、第2特別可変部材36は、開状態に動作される。
【0177】
遊技盤20は、センター役物50を備える。センター役物50には、遊技領域21に開口するように、役物ゲート51が形成される。役物ゲート51は、遊技領域21のうち、センター役物50の外部を流下する遊技球が通過(入球)可能である。役物ゲート51を通過した遊技球は、センター役物50の内部に設けられた転動空間52に誘導される。転動空間52には、転動部材53が設けられている。役物ゲート51を通過した遊技球は、転動部材53を転動する。転動部材53により、役物ゲート51を通過した遊技球の流下方向が変化する。センター役物50の転動空間52において、転動部材53の下方には、遊技球が通過(入球)可能なゲート33と、遊技球が通過(入球)可能な排出口54とが設けられる。普通ゲームの保留条件は、役物ゲート51を通過した遊技球が、ゲート33を通過すると成立しうる。普通ゲームの保留条件は、遊技球が排出口54を通過しても成立しない。
【0178】
パチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、複数種類の小当り図柄を備える。各小当り図柄には、小当りの種類が定められている。各小当り図柄(小当りの種類)には、小当り遊技の種類が定められている。
【0179】
小当り遊技では、最初に、小当り遊技の開始から予め定めたオープニング時間の経過後に、第1大入賞口31を開放する開放遊技(以下、小当り開放遊技と示す)が行われる。小当り開放遊技は、予め定めた上限数(一例として10)の遊技球が第1大入賞口31に入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。小当り開放遊技において、第1大入賞口31は、所定の開放態様で開放される。小当り遊技は、小当り開放遊技が終了すると、予め定めたエンディング時間の経過に伴って終了される。一例として、確率状態及び入球率状態は、一種類であって、変化しない。
【0180】
普通当り遊技では、最初に、普通当り遊技の開始から予め定めたオープニング時間の経過後に、普通可変部材30を開放する開放遊技(以下、普通開放遊技と示す)が行われる。普通開放遊技は、予め定めた上限数(一例として5)の遊技球が第2始動口29に入球する第1終了条件、又は予め定めた上限時間が経過する第2終了条件が成立することによって終了される。普通開放遊技において、第2始動口29は、所定の開放態様で開放される。普通当り遊技は、普通開放遊技が終了すると、予め定めたエンディング時間の経過にともなって終了される。
【0181】
パチンコ遊技機の制御内容(スペック)について説明する。
図10(a)に示すように、一例として、遊技球の検知時における賞球数は、第1始動センサSE1には4、第2始動センサSE2には4、ゲートセンサSE4には15が、それぞれ定められている。賞球数は、一般入賞センサSE5には5が、第1特別入賞センサSE3には3が、第2特別入賞センサSE6には14が、それぞれ定められている。
【0182】
図10(b)に示すように、一例として、普通保留数の最大値、及び第2特別保留数の最大値は、それぞれ4である。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別ゲームの実行条件が成立しているときにのみ成立しうる。つまり、特別ゲーム中又は当り遊技中(大当り遊技中又は小当り遊技中)である場合に、第2始動口29に遊技球が入球すると、第2特別ゲームの実行が保留されうるが、第1始動口28に遊技球が入球しても、第1特別ゲームの実行が保留されない。
【0183】
図10(c)に示すように、大当り遊技は、小当り遊技における役物当りに基づいて付与される。小当り遊技は、小当り抽選に当選したことに基づいて付与される。一例として、小当り確率は、第1特別ゲームでは約1/1であり、第2特別ゲームでは1/1である。普通ゲームにおける普通当り遊技は、普通当り抽選に当選したことに基づいて付与される。一例として、普通当り確率は、約1/39である。
【0184】
図10(d)に示すように、普通開放遊技は、1回の開放時間を0.1sとし、23回にわたって第2始動口29が開状態になるように、普通可変部材30が動作されうる。第2始動口29が閉状態になる各インターバル時間は、0.6sに定められる。普通当り遊技において、普通開放遊技の最長時間は、15.5sである。オープニング時間は15sに定められる。エンディング時間は60sに定められる。
【0185】
小当りの具体的な一例について説明する。
図10(e)に示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄は、それぞれ100種類の小当り図柄を含む。第2特別図柄の小当り図柄は、全て図柄ZBに分類される。第2特別図柄の小当り図柄は、全て図柄Zaに分類される。
【0186】
図柄ZBに基づく小当り遊技は、小当り開放遊技中、第1大入賞口31が0.056sにわたって1回だけ開状態になるように、第1特別可変部材32が動作されうる。図柄ZBに基づく小当り遊技において、オープニング時間は、4sに定められる。エンディング時間は、3sに定められる。図柄ZBに基づく小当り遊技において、遊技球が特殊領域37を通過すると、当該小当り遊技の終了後に、役物当りに基づく大当り遊技が付与される。一方、図柄ZBに基づく小当り遊技において、遊技球が特殊領域37を通過しないと、当該小当り遊技の終了後に、大当り遊技が付与されない。
【0187】
図柄Zaに基づく小当り遊技は、小当り開放遊技中、第1大入賞口31が0.056sにわたって11回だけ開状態になるように、第1特別可変部材32が動作されうる。第1大入賞口31が閉状態になる各インターバル時間は、3.1sが1回、1.2sが9回に定められる。図柄Zaに基づく小当り遊技において、オープニング時間は0.1sに定められる。エンディング時間は3sに定められる。図柄Zaに基づく小当り遊技において、遊技球が特殊領域37を通過すると、当該小当り遊技の終了後に、役物当りに基づく大当り遊技が付与される。一方、図柄Zaに基づく小当り遊技において、遊技球が特殊領域37を通過しないと、当該小当り遊技の終了後に、大当り遊技が付与されない。
【0188】
図柄ZBに基づく小当り遊技を経由する大当り遊技(以下、役物当りBに基づく大当り遊技と示す)において、ラウンド遊技の上限回数は、2回に定められる。図柄Zaに基づく小当り遊技を経由する大当り遊技(以下、役物当りZaに基づく大当り遊技と示す)において、ラウンド遊技の上限回数は、9回に定められる。各大当り遊技において、ラウンド遊技の上限時間は25sに定められる。各ラウンド遊技は、ラウンド遊技の終了後にラウンド間インターバル時間(一例として2s)が設定(規定)される。各大当り遊技において、同じオープニング時間(一例として0.04s)が定められる。各大当り遊技において、同じエンディング時間(一例として0.04s)が定められる。
【0189】
図10(f)に示すように、各小当り遊技において、振分部材39は、所定の動作パターンで動作する。一例として、振分部材39は、小当り開放遊技の開始を契機として、0.1sにわたって第1振分状態となった後、3.3sにわたって第2振分状態となり、さらに約14sにわたって第1振分状態になる。振分部材39は、小当り開放遊技が終了すると、第2振分状態を取る。
【0190】
第1大入賞口31の動作態様及び振分部材39の動作態様によれば、図柄ZBに基づく小当り遊技では、第1大入賞口31に入球した遊技球が特殊領域37を通過することは容易ではなく、通常領域38を通過する可能性が極めて高い。一方、図柄Zaに基づく小当り遊技では、第1大入賞口31に遊技球が入球しさえすれば、第1大入賞口31に入球した遊技球が容易に特殊領域37を通過しうる。
【0191】
第1特別ゲームでは、図柄ZBに基づく小当り遊技が付与されうる。一方、第2特別ゲームでは、図柄Zaに基づく小当り遊技が付与されうる。よって、第1特別ゲームが実行されても、大当り遊技が付与され難い。一方、第2特別ゲームが実行されると、大当り遊技が付与され易い。つまり、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームのほうが有利な特別ゲームである。第1特別ゲームが実行される状況よりも、第2特別ゲームが実行される状況のほうが有利な状態である。
【0192】
遊技性について説明する。
普通当り遊技及び当り遊技が付与されていない状況では、役物ゲート51を狙って遊技球を発射し、ゲート33に遊技球を通過させ、普通ゲームを実行させ、普通当り遊技を獲得するように、遊技を進めうる。普通当り遊技が付与された状況では、第2始動口29を狙って遊技球を発射し、第2特別ゲームを実行させ、小当り遊技を獲得するように、遊技を進めうる。小当り遊技が付与された状況では、第1大入賞口31を狙って遊技球を発射し、特殊領域37に遊技球を通過させ、役物当りに基づく大当り遊技を獲得するように、遊技を進めうる。役物当りに基づく大当り遊技が付与された状況では、第2大入賞口35を狙って遊技球を発射し、第2大入賞口35へ遊技球を入球させ、より多くの賞球を獲得するように、遊技を進めうる。第1始動口28を狙って遊技球を発射し、第1特別ゲームを実行させ、小当り遊技を獲得し、特殊領域37に遊技球を通過させることもできるが、役物当りに基づく大当り遊技の獲得は困難である。よって、第1始動口28を狙って遊技球を発射することは、遊技者にとって有利な遊技手順とはいい難い。
【0193】
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図11に示すように、CPU40aと、センサSE1~SE7とは、接続されている。CPU40aは、センサSE1~SE7が遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力可能に構成される。CPU40aと、アクチュエータA1~A4とは、接続されている。CPU40aは、アクチュエータA1~A4の動作を制御可能に構成される。
【0194】
変動パターンの具体的な一例について説明する。
図12に示すように、変動パターンは、小当り変動パターンを含む。変動パターンHP32~HP34は、小当り変動パターンである。変動パターンHP31は、ハズレ変動パターンである。一例として、小当り変動パターン、及びハズレ変動パターンは、リーチ演出を含まない演出内容である。
【0195】
一例として、変動時間は、変動パターンHP31,HP32が0.6sであり、変動パターンHP33が4.5sであり、変動パターンHP34が16sである。変動パターンHP31,HP32は、第1特別ゲームの変動パターンである。変動パターンHP33,HP34は、第2特別ゲームの変動パターンである。変動パターンHP32は、変動パターンHP33よりも変動時間が短い。変動パターンHP32は、変動時間が短縮される小当り変動パターンである。変動パターンHP34は、変動パターンHP33よりも変動時間が長い。変動パターンHP34は、変動時間が延長される小当り変動パターンである。
【0196】
変動パターンHP34は、減算後の第2特別保留数が0であり、かつ参照条件フラグに有効情報が設定されているときに決定されうる。なお、図中では「初回」と示す。変動パターンHP33は、減算後の第2特別保留数が0であり、かつ参照条件フラグに無効情報が設定されているときに決定されうる。変動パターンHP33は、減算後の第2特別保留数が1以上であるときにも決定されうる。
【0197】
このように、第2特別ゲームが実行される場合、同じように減算後の第2特別保留数が0になるときであっても、第1実行条件の成立時には変動パターンHP34が決定され、第2実行条件の成立時には、変動パターンHP33が決定されうる。つまり、同じように減算後の第2特別保留数が0になる状態であっても、第2特別ゲームの実行条件の種類によって、変動パターンの決定条件が異なりうる。
【0198】
そして、減算後の第2特別保留数が0になる状況に関して、第1実行条件の成立時における第2特別ゲームの平均変動時間は、第2実行条件の成立時における第2特別ゲームの平均変動時間と比べて長くなる。また、第1実行条件の成立時における第2特別ゲームの平均変動時間は、減算後の第2特別保留数が1以上になる状況における第2特別ゲームの平均変動時間と比べて長くなる。
【0199】
次に、パチンコ遊技機10において行われる各種の処理について説明する。
なお、この実施形態のパチンコ遊技機10では、メインモードの管理が行われない。つまり、CPU40aは、メインモード処理を実行しない構成である。
【0200】
特別図柄入力処理について説明する。
遊技球が第1始動口28へ入球した場合、CPU40aは、特別ゲーム中又は当り遊技中であるか否かを判定する。特別ゲーム中又は当り遊技中である場合、CPU40aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、特別ゲーム中及び当り遊技中ではない場合、CPU40aは、主基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報(一例として小当り抽選に用いる乱数)をRAM40cに記憶させ、特別図柄入力処理を終了する。よって、特別ゲーム中又は当り遊技中に、遊技球が第1始動口28に入球しても第1特別ゲームの実行が保留されない。
【0201】
特別図柄開始処理について説明する。
特別ゲーム中及び当り遊技中ではない場合、CPU40aは、RAM40cに記憶されている第2特別保留数が1以上であるか否かを判定する。第2特別保留数が1以上である場合、CPU40aは、第2特別ゲームの実行条件が成立し、第2特別ゲームを開始させるように第2ゲーム処理を行う。その後、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0202】
一方、第2特別保留数が1以上でない場合、CPU40aは、参照条件フラグに有効情報を設定する。このように、第2特別保留数が1以上ではない状態(第2特別保留数が0である状態)で当り遊技又は特別ゲームが終了したときに、CPU40aは、参照条件フラグに有効情報を設定しうる。なお、第1特別ゲームが実行される場合であっても、参照条件フラグに無効情報が設定されず、第2特別ゲームが実行されることによってはじめて、参照条件フラグに無効情報が設定されうる。よって、CPU40aは、第2特別保留数が0で第2特別ゲーム中及び当り遊技中ではないときに第2始動口29に遊技球が入球することにより第2特別ゲームの実行条件が成立したか、第2特別保留数が1以上である状態で特別ゲーム又は当り遊技が終了した後に第2特別ゲームの実行条件が成立したかを特定可能になる。
【0203】
次に、CPU40aは、第1特別ゲームの乱数情報が記憶されているか否かを判定する。第1特別ゲームについての乱数情報が記憶されている場合、CPU40aは、第1特別ゲームの実行条件が成立し、第1特別ゲームを開始させるように第1ゲーム処理を実行する。つまり、待機状態において、遊技球が第1始動口28へ入球すると第1特別ゲームが実行される。第1ゲーム処理において、CPU40aは、第1特別ゲーム用の乱数情報をRAM40cから読み出す。なお、CPU40aは、乱数情報を読み出すと、当該乱数情報をRAM40cから消去する。第1ゲーム処理の終了後、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、第1特別ゲームの乱数情報が記憶されていない場合、CPU40aは、特別図柄開始処理を終了する。このように、CPU40aは、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームを優先して実行させる。
【0204】
CPU40aが行う小当り処理について説明する。
CPU40aは、小当りの特別ゲームが終了してから、オープニング時間が経過すると、小当り開放遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU40aは、小当り図柄(小当りの種類)に応じた開放パターンに基づいて第1大入賞口31が開放されるように、第1特別アクチュエータA2を制御し、開放遊技を開始させる。CPU40aは、小当り開放遊技を開始させた後、第1終了条件又は第2終了条件が成立すると、第1大入賞口31が閉鎖されるように第1特別アクチュエータA2を制御し、開放遊技を終了させる。CPU40aは、開放遊技が終了してから、エンディング時間が経過すると、小当り遊技を終了する。
【0205】
CPU40aは、小当り開放遊技において、予め定めた態様で振分部材39が第1振分状態及び第2振分状態に動作するように振分アクチュエータA4を制御し、振分部材39の動作を制御する。CPU40aは、小当り遊技中に特殊領域37を遊技球が通過した場合、特殊領域37への遊技球の通過を示す情報をRAM40cに記憶する。そして、CPU40aは、小当り開放遊技が終了すると、振分部材39が第2振分状態に動作するように振分アクチュエータA4を制御し、振分部材39の動作を終了する。
【0206】
CPU40aが行う大当り処理について説明する。
CPU40aは、RAM40cに特殊領域37への遊技球の通過を示す情報が記憶されている場合に、小当り遊技の終了後、大当り遊技を開始させる。この場合、CPU40aは、特別図柄開始処理で決定した小当り図柄(小当りの種類)に基づく大当り遊技を付与する制御を行う。一方、CPU40aは、RAM40cに特殊領域37への遊技球の通過を示す情報が記憶されていない場合には、小当り遊技の終了後、大当り遊技を開始させない。
【0207】
変動パターンの具体的な決定態様の一例について説明する。
第1特別ゲームの実行条件が成立した場合、CPU40aは、小当りと判定されたときには、変動パターンHP31を決定する。一方、CPU40aは、ハズレと判定されたときには、変動パターンHP32を決定する。第2特別ゲームの実行条件が成立した場合に、CPU40aは、参照条件フラグを参照し、無効情報及び有効情報の何れが設定されているかを特定する。CPU40aは、特定した結果に対応する決定テーブルを参照して変動パターンを決定し、参照条件フラグに無効情報を設定する。
【0208】
一例として、CPU40aは、減算後の合算特別保留数が0であるか、1以上であるかに関係なく、無効情報が参照条件フラグに設定されているときには、変動パターンHP33を決定する。一方、CPU40aは、有効情報が参照条件フラグに設定されているときには、変動パターンHP34を決定する。つまり、CPU40aは、同じように減算後の合算特別保留数が0となったときであっても、成立した実行条件の種類によって異なる変動パターンを決定しうる。CPU40aは、第1実行条件の成立に応じて減算後の合算特別保留数が0となったときと、第2実行条件の成立に応じて減算後の合算特別保留数が1以上となったときとで異なる変動パターンを決定する。
【0209】
以下、特別ゲーム及び普通ゲームの実行態様の具体的な一例を説明する。
図13(a)に示すように、時点T31において、普通ゲームが実行されている。この場合、特別ゲームが実行されておらず、第2特別保留数が0の状態であり、かつ参照条件フラグに有効情報が記憶されている。
【0210】
普通ゲームで普通当りとなった場合には、時点T32において、普通ゲームの終了後、普通当り遊技が開始される。時点T33において、普通当り遊技が開始されてからオープニング時間が経過すると、普通開放遊技が開始される。普通開放遊技が開始されると、所定の開放態様で普通可変部材30が開状態を取るように動作するため、第2始動口29に遊技球が入球可能になる。
【0211】
時点T33において、普通開放遊技が開始された場合に、第2始動口29に遊技球が入球すると、第2特別ゲームの実行条件が成立する。この場合、参照条件フラグに有効情報が設定されており、第2特別保留数が0である状態において、遊技球が第2始動口29へ入球するから、第1実行条件が成立して変動パターンHP34が決定されうる。変動パターンHP34が決定されると、参照条件フラグに無効情報が設定される。このように、普通当り遊技が付与されてから1回目の特別ゲーム(一例として第2特別ゲーム)では、変動パターンHP34が決定されうる。
【0212】
時点T34において、普通開放遊技中であって、第2特別ゲーム中であるときに、遊技球が第2始動口29へ入球すると、第2特別ゲームの実行が保留される。これにより、第2特別保留数は、1になる。時点T35において、普通開放遊技中、遊技球が第2始動口29へ入球すると、第2特別ゲームの実行が保留される。これにより、第2特別保留数は、2になる。時点T36において、普通開放遊技中、遊技球が第2始動口29へ入球すると、第2特別ゲームの実行が保留される。これにより、第2特別保留数が3になる。時点T37において、普通開放遊技中、遊技球が第2始動口29へ入球すると、第2特別ゲームの実行が保留される。これにより、第2特別保留数が4になる。この場合、普通開放遊技が開始されてから、5球の遊技球が第2始動口29へ入球したこととなり、普通開放遊技が終了する。時点T40において、普通開放遊技が終了してからエンディング時間が経過すると、普通当り遊技が終了しうる。そして、普通ゲームの実行が保留されている場合、普通ゲームの実行が開始される。
【0213】
一方、時点T38において、第2特別ゲームが終了すると、第2特別ゲームで小当りになるため、小当り遊技が開始される。時点T39に示すように、小当り遊技において遊技球が特殊領域37を通過すると、小当り遊技の終了後に、大当り遊技が開始される。時点T41において、大当り遊技が終了すると、第2特別ゲームの実行が保留されているため、第2特別ゲームの実行条件が成立し、実行が保留されていた第2特別ゲームが開始される。この場合、減算後の第2特別保留数は、3になる。第2特別保留数が1以上である状態にて、大当り遊技が終了した後であるから、実行条件が成立して変動パターンHP33が決定されうる。このように、普通当り遊技が付与されてから2回目の特別ゲームでは、変動パターンHP33が決定されうる。
【0214】
図13(b)に示すように、時点T51において、普通当り遊技が付与されてから4回目の第2特別ゲームが実行されており、第2特別保留数が1である状態となっている。この場合、普通当り遊技が付与されてから4回目の特別ゲームにおいても、変動パターンHP33が決定されている。時点T52において、普通当り遊技が付与されてから4回目の特別ゲームが終了すると、第2特別ゲームが小当りとなり、小当り遊技が開始される。時点T53に示すように、小当り遊技において特殊領域37を遊技球が通過すると、小当り遊技の終了後に、大当り遊技が開始される。
【0215】
時点T54において、大当り遊技が終了すると、第2特別ゲームの実行が保留されているため、第2特別ゲームの実行条件が成立し、実行が保留されていた第2特別ゲームが開始される。この場合、減算後の第2特別保留数が0になるものの、第2特別保留数が1である状態にて、大当り遊技が終了した後であるから、第2実行条件が成立して変動パターンHP33が決定されうる。このように、普通当り遊技が付与されてから5回目の特別ゲームでは、変動パターンHP33が決定されうる。
【0216】
時点T55において、普通当り遊技が付与されてから5回目の特別ゲームが終了すると、第2特別ゲームで小当りになるため、小当り遊技が開始される。時点T56に示すように、小当り遊技において遊技球が特殊領域37を通過すると、小当り遊技の終了後に、大当り遊技が開始される。時点T57において、大当り遊技が終了すると、第2特別ゲームの実行が保留されていないから、第2特別ゲームが実行されない。
【0217】
普通開放遊技は、0.1sにわたって23回を上限として開状態となり、その間では0.6sにわたって22回閉状態になる遊技であり、最長15.5sである。変動パターンHP34の変動時間は、16sである。つまり、第1実行条件の成立に応じて決定される変動パターンの変動時間(平均変動時間)は、普通可変部材30が動作する所定期間よりも長い時間である。普通開放遊技が開始された後、遊技球が第2始動口29へ入球可能になることから、普通開放遊技が開始された後には、変動パターンHP34に基づく第2特別ゲームが開始されうる。このため、普通当り遊技の開始遊技の終了後に、変動パターンHP34に基づく第2特別ゲームが終了しうる。
【0218】
したがって、1回の普通開放遊技において、1回の第2特別ゲームが実行可能であるとともに、4回の第2特別ゲームの実行が保留可能であり、1回の普通当り遊技が付与される。このことにより、最大5回分の第2特別ゲームが実行される権利が付与されることとなり、最大5回分の小当り遊技及び大当り遊技の権利が付与されうる。
【0219】
第2特別ゲームの実行が保留可能な最大値が4であり、普通当り遊技の開始遊技の終了後に、変動パターンHP34に基づく第2特別ゲームが終了する。このことから、1回の普通当り遊技が付与されるに際して、6回の第2特別ゲームが実行されることはなく、6回分の小当り遊技及び大当り遊技の権利が付与されることもない。
【0220】
この実施形態とは異なり、第1実行条件の成立に伴って第2特別ゲームが実行される場合であっても、第2実行条件の成立に伴って第2特別ゲームが実行される場合と同じように変動パターンHP33が決定されるように構成してしまうと、普通開放遊技の終了前に、変動パターンHP33に基づく第2特別ゲームが終了する場合がある。この場合、1回の普通当り遊技が付与されることにより、6回以上の第2特別ゲームが実行可能となり、6回以上の小当り遊技及び大当り遊技の権利が付与可能となってしまう。
【0221】
一方、第2実行条件の成立に伴って第2特別ゲームが実行される場合には、変動パターンHP33が決定されうる。変動パターンHP33の変動時間は、4.5sである。つまり、第2実行条件の成立に応じて決定される変動パターンの変動時間(平均変動時間)は、普通可変部材30が動作する所定期間よりも短い。このため、1回の普通当り遊技が付与されてから2~5回目の第2特別ゲームを長引かせることなく、5回分の小当り遊技及び大当り遊技を連続的に付与しうる。
【0222】
第1実施形態と同じように、1回の普通当り遊技が付与されてから1回目の第2特別ゲームの実行中に電断が発生した場合であっても、1回目の第2特別ゲームの残り変動時間がバックアップされている。このため、復電された後に、バックアップされていた1回目の特別ゲームの残り変動時間に基づいて、1回目の特別ゲームの実行が再開される。
【0223】
第1実施形態と同じように、1回の普通当り遊技が付与されてから2~5回目のうち何れかの第2特別ゲームの実行中に電断が発生した場合であっても、その第2特別ゲームの残り変動時間がバックアップされている。このため、復電された後に、バックアップされていた2~5回目のうち何れかの特別ゲームの残り変動時間に基づいて、その特別ゲームの実行が再開される。
【0224】
このように、変動パターンHP34が決定された特別ゲームの実行中に電断したときと、変動パターンHP33が決定された特別ゲームの実行中に電断したときとの両方において、電断後に復電したときには、バックアップ(保持)された残り変動時間にわたって特別ゲームが実行される。
【0225】
第2特別ゲームが実行されていないときに電断が発生した場合であっても、参照条件フラグがバックアップされている。このため、復電された後であっても、参照条件フラグに有効情報が設定されている。このように、参照条件フラグに有効情報が記憶されている場合に電断しても、電断後に復電したときには、CPU40aは、バックアップ(保持)された参照条件フラグに基づいて、変動パターンを決定しうる。
【0226】
第2実施形態の効果について説明する。
(2-1)開状態を取るように普通可変部材30を動作させると決定されたことに応じて、所定時間に亘って所定態様で普通可変部材30が動作し、第1実行条件の成立に伴って決定される変動パターンHP34の変動時間は、所定時間(一例として最長15.5s)よりも長い時間である(一例として16s)。このため、開状態を取るように所定態様で普通可変部材30を動作させている間に、第1実行条件が成立したときには、その変動パターンHP34で実行される特別ゲームが終了するよりも前に、普通可変部材30の動作が終了する可能性を高めることができる。よって、1回の普通当り遊技が付与されてから最初に実行される第2特別ゲーム以外で、第2特別保留数の最大値(規定数)を超えて第2特別ゲームの実行が保留され難くすることによって、過剰に第2特別ゲームを実行させることを抑制することができ、遊技に対する興趣の向上を図りうる。
【0227】
(2-2)第2特別ゲームが実行される状態は、第1特別ゲームが実行される状態よりも遊技者にとって有利な状態である。このため、遊技者にとって有利である第2特別ゲームが実行される状態に制御されているときに、変動パターンの決定条件が異なることに注目させることもでき、遊技に対する興趣の向上を図りうる。
【0228】
(2-3)第2特別ゲームが実行される状態は、第1特別ゲームが実行される状態よりも特殊領域37を遊技球が通過し易い小当り遊技が付与される状態である。このため、特殊領域37を遊技球が通過し易い小当り遊技が付与される第2特別ゲームが実行される状態に制御されているときに、変動パターンの決定条件が異なることに注目させることもでき、遊技に対する興趣の向上を図りうる。
【0229】
[第3実施形態]
第3実施形態の遊技機について説明する。
パチンコ遊技機10は、復電後、規定回数の特別ゲームが実行されるまでの間に参照できるように、復電時用の決定テーブルを備える点で第1実施形態と異なる。
【0230】
図14に示すように、変動パターンHP61~HP63は、大当り変動パターンである。変動パターンHP51~HP53は、リーチありのハズレ変動パターンである。変動パターンHP41,HP02は、リーチなしのハズレ変動パターンである。変動パターンHP51,HP61は、演出ゲームにおいてリーチが形成されてリーチ演出R1Aが実行される変動パターンである。同様に、変動パターンHP52,HP62は、リーチ演出R2Aが実行される変動パターンである。変動パターンHP53,HP63は、リーチ演出R3Aが実行される変動パターンである。
【0231】
ROM40bは、変動パターンを決定するために参照される決定テーブルTA21~TA24を記憶する。決定テーブルTA21~TA24は、変動パターンの種類ごとに、変動パターンを決定するための判定値が記憶されている。図3では、説明の便宜上、選択可能な変動パターンを「○」で、選択可能であるが「○」よりも選択される確率が低い変動パターンを「△」で、選択不能な変動パターンを「空欄」でそれぞれ示す。
【0232】
一例として、決定テーブルTA21が参照されると、変動パターンHP41,HP51,HP52,HP61,HP62の中から1つの変動パターンが決定される。決定テーブルTA22が参照されると、変動パターンHP53,HP63の中から1つの変動パターンが決定される。決定テーブルTA23が参照されると、変動パターンHP41,HP02,HP51,HP52,HP61,HP62の中から1つの変動パターンが決定される。決定テーブルTA24が参照されると、変動パターンHP02,HP51,HP52,HP61,HP62の中から1つが決定される。
【0233】
決定テーブルTA21~TA24は、低入球率状態であれば、いずれのメインモードであっても参照されうる。決定テーブルTA21~TA24は、電断の発生後、復電してから規定回数の特別ゲームが実行されるまでの間に参照されうる。一例として、規定回数は、4回である。これに限らず、規定回数は、1~3回でもよく、5回以上でもよい。決定テーブルTA21~TA24は、復電後、規定回数の特別ゲームが終了されてからは参照されない。各変動処理において、CPU41aは、復電後における規定回数の特別ゲームが終了する迄の間にわたって、メインモードに関係なく、決定テーブルTA21~TA24の何れかを参照する。
【0234】
決定テーブルTA21は、減算後の合算特別保留数が0であって、かつ、参照条件フラグに無効情報が設定されているときに参照される。一方、決定テーブルTA22は、減算後の合算特別保留数が0であって、かつ、参照条件フラグに有効情報が設定されているときに参照される。決定テーブルTA23は、減算後の合算特別保留数が1又は2のときに参照される。決定テーブルTA24は、減算後の合算特別保留数が3以上のときに参照される。
【0235】
以下、特別ゲームの実行態様の具体的な一例を説明する。
図15は、低入球率状態であり、かつメインモード[B]である状況を示す。時点T61において、減算後の合算特別保留数が0となり、1回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、直前の特別ゲームの変動時間に応じて決定テーブルTA9a又は決定テーブルTA9bが参照され、変動パターンが決定される。この場合、参照条件フラグには、無効情報が設定されている。
【0236】
時点T62に示すように、1回目の特別ゲームの実行中、遊技球が第1始動口28へ入球することによって、合算特別保留数が1に増加する。次に、合算特別保留数が1である状態で1回目の特別ゲームが終了した後に、時点T63において、減算後の合算特別保留数が0となり、2回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに無効情報が設定されており、合算特別保留数が1になった時点における残り変動時間に応じて決定テーブルTA9a又は決定テーブルTA9bが参照され、変動パターンが決定される。
【0237】
時点T64に示すように、2回目の特別ゲームの実行中、遊技球が第1始動口28へ入球することによって、合算特別保留数が1に増加する。時点T65において、2回目の特別ゲームの実行中に電断が発生した場合であっても、2回目の特別ゲームの残り変動時間がバックアップされている。このため、時点T66において、復電された後に、バックアップされていた2回目の特別ゲームの残り変動時間に基づいて、2回目の特別ゲームの実行が再開される。そして、時点T67において、2回目の特別ゲームが終了する。
【0238】
次に、合算特別保留数が1である状態で2回目の特別ゲームが終了した後に、時点T67において、減算後の合算特別保留数が0となり、3回目の特別ゲームが開始される。この特別ゲームでは、参照条件フラグに無効情報が設定されており、復電時用の決定テーブルTA21が参照され、変動パターンが決定される。そして、時点T68において、3回目の特別ゲームが終了する。この場合、参照条件フラグには、有効情報が設定される。
【0239】
以上のように、第2実行条件が成立することに応じて実行される変動ゲームは、保留時間において電断と復電とが行われた場合と、保留時間において電断が行われなかった場合とで異なる変動内容となりうる。パチンコ遊技機10は、電断及び復電が発生することによって保留時間が中断された場合と、電断及び復電が発生しないことによって保留時間が中断されなかった場合とで異なる変動内容となりうるともいえる。また、決定テーブルTA23,TA24に含まれる変動パターンHP02は、決定テーブルTA3,TA4にも含まれる。よって、第2実行条件が成立することに応じて実行される変動ゲームは、保留時間において電断と復電とが行われた場合には、第1決定条件に応じて決定される変動内容と同じ変動内容となりうる。
【0240】
第3実施形態の効果について説明する。
(3-1)保留時間が中断されたか、保留時間が中断されなかったかによって、第2実行条件の成立に応じて実行される変動ゲームの変動内容が変化しうる。よって、電断復帰時の特殊な状況に応じた変動内容にて、変動ゲームを実行できるから、電断による遊技者の興趣低下を抑制できる。
【0241】
(3-2)保留時間が中断された場合に、第1決定条件に応じた変動内容も決定されうる。よって、電断復帰時の特殊な状況において、第2実行条件の成立に応じて実行される変動ゲームの変動内容に変化を与え、電断による遊技者の興趣低下を抑制できる。
【0242】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0243】
・第1特別保留数の最大値は、1であってもよく、2以上であってもよい。パチンコ遊技機10は、第1特別ゲームの実行を保留可能である一方、第2特別ゲームの実行を保留できなくてもよい。第2特別保留数の最大値は、1であってもよく、2以上であってもよい。パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームの実行を保留可能である一方、第1特別ゲームの実行を保留できなくてもよい。
【0244】
・変動ゲームの保留上限(最大値)として把握できる規定数は、第1特別保留数の最大値、第2特別保留数の最大値、及び合算特別保留数の最大値のうち何れであってもよい。つまり、始動口として、第1始動口28及び第2始動口29の両方、第1始動口28のみ、又は第2始動口29のみを把握することができる。
【0245】
・有効情報は、特別ゲーム又は当り遊技の終了後、特別保留数が0であるときに参照条件フラグに設定されたが、これに限らない。有効情報は、遊技球が始動口28,29へ入球したときに、特別ゲーム中及び当り遊技中ではなく、特別保留数が0である場合に、参照条件フラグに設定されてもよい。
【0246】
・第1実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間は、第2実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間よりも短くてもよい。第1実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間は、減算後の特別保留数が1以上であるときに決定される変動パターンの平均変動時間よりも短くてもよい。つまり、第1実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間は、それ以外の実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間よりも短くてもよい。
【0247】
・第1実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間は、第2実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間と同じであってもよい。第1実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間は、減算後の特別保留数が1以上であるときに決定される変動パターンの平均変動時間と同じであってもよい。つまり、第1実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間と、それ以外の実行条件が成立したときに決定される変動パターンの平均変動時間とは、同じであってもよい。
【0248】
・第1実行条件の成立に応じて決定される変動パターンの平均変動時間は、普通可変部材30が動作する所定期間よりも短い時間であってもよい。第2実行条件の成立に応じて決定される変動パターンの平均変動時間は、普通可変部材30が動作する所定期間よりも長い時間であってもよい。
【0249】
・1回の普通当り遊技において、普通可変部材30が開状態を取る回数は、1回であってもよく、複数回であってもよい。
・決定テーブルTA2を参照して決定できる変動パターンは、リーチなしのハズレ変動パターンを含んでもよい。決定テーブルTA6,TA10についても、同様に変更できる。決定テーブルTA2を参照して決定できる変動パターンは、決定テーブルTA2以外の決定テーブルを参照して決定できる変動パターンを含んでもよい。決定テーブルTA6,TA10についても、同様に変更できる。
【0250】
・第1及び第3実施形態において、メインモード[A]は省略されてもよい。メインモード[A]を省略する場合に、変動ゲームの保留数が第1数(一例として合算特別保留数が3以上)から変動ゲームが消化されていった場合の第2決定条件と、第2数(一例として合算特別保留数が1又は2)から変動ゲームが消化されていった場合の第2決定条件とでは、互いに異なる演出状況になることを抑制できる。
【0251】
・第1及び第3実施形態において、メインモード[B]は省略されてもよい。メインモード[B]を省略する場合に、変動ゲームの保留数が第1数(一例として合算特別保留数が1)から変動ゲームが消化されていった場合の第2決定条件と、第2数(一例として合算特別保留数が2)から変動ゲームが消化されていった場合の第2決定条件とでは、互いに同じ演出状況になることを抑制できる。
【0252】
・第1及び第3実施形態において、メインモード[A]及びメインモード[B]の両方を省略してもよい。メインモード[A]及びメインモード[B]を省略する場合に、CPU40aは、メインモード処理を実行しなくてもよい。メインモード[A]及び[B]は、低入球率状態に加えて、又は代えて、高入球率状態において設定されてもよい。
【0253】
・第2実施形態の構成において、メインモードの管理を行ってもよい。すなわち、第2実施形態における決定テーブルに加えて、第1及び第3実施形態、並びに上記変更例のように、メインモード[A]及びメインモード[B]の一方又は両方で参照できる決定テーブルを、第2特別ゲームにおける変動パターンの決定に適用してもよい。
【0254】
・CPU40aは、低入球率状態において決定テーブルTA1~TA4を参照したが、低入球率状態に加えて、又は代えて、高入球率状態において参照してもよい。CPU40aは、低入球率状態において決定テーブルTA5~TA8を参照したが、低入球率状態に加えて、又は代えて、高入球率状態において参照してもよい。CPU40aは、低入球率状態において決定テーブルTA9~TA12を参照したが、低入球率状態に加えて、又は代えて、高入球率状態において参照してもよい。
【0255】
・決定テーブルごとに変動パターンの一部又は全部を異ならせることによって、変動パターンの決定条件を異ならせたが、これに限らない。例えば、変動パターンの全部が同じであっても、その決定確率を異ならせることによって、変動パターンの決定条件を異ならせてもよい。また、変動内容は、その全部が変動パターンを決定することによって決定されることに限定されない。例えば、変動時間については、CPU40aが変動パターンを用いて決定し、演出内容については、CPU41aが演出パターンを用いて決定してもよい。CPU41aは、開始コマンドを入力した場合に、保留数コマンドに示される特別保留数の遷移に基づいて、何れの実行条件(決定条件)に基づく演出ゲームであるかを特定できる。CPU41aは、特定した実行条件(決定条件)に応じて演出パターンを決定し、演出内容を決定するとよい。つまり、変動内容決定手段は、CPU40a及びCPU41aの一方又は両方によって構成しうる。演出内容が違うことには、背景、演出図柄、登場キャラクタ、及び保留アイコンのうち任意に選択できる1つ又は複数の画像が異なることだけでなく、これらの画像表示の有無が異なることも含みうる。なお、演出内容の違いは、変動内容を決定するにあたって、演出内容を引き継ぐことによっても生じうる。例えば、変動内容決定手段は、第1決定条件であることによって所定の演出が未実行である状況と、第2決定条件であることによって所定の演出が実行済みである状況とでは、新たに開始される当該変動ゲームにおける演出内容の決定条件を異ならせてもよい。
【0256】
・パチンコ遊技機10は、主基板40のバックアップ機能を備えなくてもよい。つまり、RAM40cに記憶される各種の情報は、バックアップされなくてもよい。パチンコ遊技機10は、副基板41のバックアップ機能を備えてもよい。
【0257】
・CPU40aは、大当り遊技の終了後、予め定めた回数(例えば100回など)の特別ゲームが実行される迄、高確率状態が付与されるように構成してもよい。
・CPU40aは、大当り遊技中、大入賞口31に入球した遊技球が、特殊通過領域を通過した場合に、大当り遊技の終了後に高確率状態に制御してもよい。CPU40aは、大当り遊技中、大入賞口31に入球した遊技球が、特殊通過領域を通過しなかった場合に、大当り遊技の終了後に低確率状態に制御してもよい。本変更例において、大入賞口31に入球した遊技球が特殊通過領域を通過し易い大当りと、大入賞口31に入球した遊技球が特殊通過領域を通過し難い大当りと、を設けてもよい。例えば、大入賞口31に入球した遊技球を振り分ける振分部材を備え、大当りの種類に基づいて振分部材の振分態様を決定するとよい。そして、CPU40aは、振分部材の振分態様に応じて、大入賞口31に入球した遊技球が特殊通過領域を通過する確率が異なるように制御してもよい。
【0258】
・第2特別ゲームは、第1特別ゲームに優先して実行されてもよい。第1特別ゲームは、第2特別ゲームに優先して実行されてもよい。第2特別ゲームと、第1特別ゲームとは、同時に並行して実行されてもよい。遊技球が始動口28,29へ入球した順序で実行されてもよい。また、例えば、特別ゲームの種類が1種類であってもよく、第1特別ゲームと第2特別ゲームとのうち一方が実行されてもよい。
【0259】
・主基板40(CPU40a)によって実現される機能(手段)のうち、一部又は全部の機能は、副基板41(CPU41a)によって実現されてもよい。副基板41(CPU41a)によって実現される機能(手段)のうち、一部又は全部の機能は、主基板40(CPU40a)によって実現されてもよい。また、副基板41の機能は、演出に関する制御を統括的に行う統括制御基板と、画像の表示に関する制御を行う表示制御基板とに分けて実現してもよい。
【0260】
・図柄コマンドによって大当り(大当り遊技)の種類を指定することに限らず、開始コマンドや、その他専用の制御コマンドにより、大当りの種類を指定してもよい。
・CPU40aは、特別ゲームに係わる各種の乱数情報は、特別保留数に応じて設けられた記憶領域に記憶してもよい。CPU40aは、特別ゲームが実行される毎に、乱数情報がシフト処理され、特別保留数が1減算された記憶領域に記憶するよい。
【0261】
・パチンコ遊技機10は、所定の抽選により特別可変部材32が開状態に動作し、大入賞口31に入球した遊技球が、特定通過領域を通過したことにより大当り遊技が付与されるように構成されてもよい。パチンコ遊技機10は、所定の入球口への遊技球の入球を契機として大当り遊技が開始される遊技機であってもよい。パチンコ遊技機10は、高確率状態が付与されなくてもよい。
【符号の説明】
【0262】
10…パチンコ遊技機 17…装飾ランプ 18…スピーカ 27…演出表示装置 28…第1始動口 29…第2始動口 40…主基板 40a…CPU 41…副基板 41a…CPU TA1~TA14,TA21~TA24…決定テーブル
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