IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ VFR株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報管理方法及び情報管理システム 図1
  • 特開-情報管理方法及び情報管理システム 図2
  • 特開-情報管理方法及び情報管理システム 図3
  • 特開-情報管理方法及び情報管理システム 図4
  • 特開-情報管理方法及び情報管理システム 図5
  • 特開-情報管理方法及び情報管理システム 図6
  • 特開-情報管理方法及び情報管理システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073139
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】情報管理方法及び情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240522BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20240522BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/10 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184182
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】521501761
【氏名又は名称】VFR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】戸國 英器
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】部品単位で情報を管理する情報管理方法及び情報管理システムを提供する。
【解決手段】情報管理システムにおいて、機体部品について情報を管理する為の情報管理方法であって、部品供給元に関する部品供給元情報及び、供給される部品に関する部品情報を紐付けて格納する部品情報格納ステップS1と、部品情報を用いて管理された部品を組み合わせて機体を組立し、機体と、組み合わされた部品の部品情報を紐づける組立ステップS4と、組立てられた機体の利用によって取得され、機体を識別可能なログ情報を収集するログ収集ステップS5と、を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体部品について情報を管理する為の情報管理方法であって、
部品供給元に関する部品供給元情報及び、供給される部品に関する部品情報を紐付けて格納する部品情報格納ステップと、
前記部品情報を用いて管理された部品を組み合わせて機体を組立し、前記機体と、組み合わされた前記部品の部品情報を紐づける組立ステップと、
組立てられた前記機体の利用によって取得され、前記機体を識別可能なログ情報を収集するログ収集ステップと、を有する
情報管理方法。
【請求項2】
前記部品の組み合わせを含む受注情報を受け付ける受注ステップを更に有し、
前記組立ステップでは、前記受注情報に基づいて指定される部品を、前記機体に組み立てる
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項3】
前記機体に紐づけられた前記部品情報によって特定される前記部品供給元に、前記ログ情報を提供するログ提供ステップを更に有する
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項4】
前記組立ステップでは、前記機体に、前記部品情報を特定可能な情報を格納することで、前記機体に、組み合わされた前記部品の部品情報を紐づけ、
前記ログ収集ステップでは、前記特定可能な情報が紐付いた前記ログ情報を収集し、
前記ログ提供ステップでは、前記特定可能な情報に基づいて、部品毎の前記ログ情報を提供する
請求項3に記載の情報管理方法。
【請求項5】
前記組立ステップでは、前記部品の部品情報との組み合わせにより、又は単独で前記部品の個体を識別可能とする個体識別情報を前記機体と紐づけ、
前記ログ収集ステップで収集される前記ログ情報には前記個体識別情報が紐づく
請求項4に記載の情報管理方法。
【請求項6】
前記部品情報に対応する部品の納品ステップを更に有し、
前記納品ステップでは、納品された前記部品に対する検査結果情報を、前記部品情報と紐付けて格納する
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項7】
前記部品情報格納ステップでは、ブロックチェーンネットワークシステムに、保全の対象情報である前記部品供給元から受け付けた前記部品情報に係る情報を改竄検出可能に格納する
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項8】
前記部品情報は、当該部品の設計仕様、図面情報、ソフトウェア情報、品質情報、特許権利及び、法規制の1又は複数を有する
請求項7に記載の情報管理方法。
【請求項9】
前記組立ステップでは、ブロックチェーンネットワークシステムに、保全の対象情報である前記機体の組立管理の為の管理情報に係る情報又は、組立ステップ中に蓄積される実績情報に係る情報を改竄検出可能に格納する
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項10】
前記管理情報は、作業標準書、製造基準、図面情報、設定値、ソフトウェア情報、仕様書、検査基準、工具情報、スケジュール、必要技能、必要資材及び、作業割当の1又は複数を有し、
前記実績情報は、進捗、実績、作業時間、検定結果、場所/環境、日付及び、不良の1又は複数を有する
請求項9に記載の情報管理方法。
【請求項11】
前記ログ収集ステップでは、ブロックチェーンネットワークシステムに、保全の対象情報である前記ログ情報に係る情報を改竄検出可能に格納させる
請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項12】
前記ログ情報は、部品別稼働時間、実動作履歴及び、フライト情報の1又は複数を有する
請求項11に記載の情報管理方法。
【請求項13】
前記ブロックチェーンネットワークシステムに対して、前記対象情報そのもの又は、前記対象情報の要約情報を格納することで、前記対象情報を改竄検出可能とする
請求項7~12の何れかに記載の情報管理方法。
【請求項14】
機体部品について情報を管理する為の情報管理システムであって、
供給される部品に関する部品情報を受け付けて、部品供給元に関する部品供給元情報と紐付けて格納する部品管理部と、
前記部品情報を用いて管理された部品を組み合わせて組立された機体について、前記機体と、組み合わされた前記部品の部品情報と、を紐づける組立管理部と、
組立てられた前記機体の利用によって取得され、前記機体を識別可能なログ情報を収集するログ受付部と、を備える
情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理方法及び情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン等の移動体に関するデータが、収集・蓄積等されてきた。
【0003】
特許文献1には、ブロックチェーン技術を用いて、データの改ざんを困難にすることが可能なデータ保存装置等に関する技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、ブロックチェーン技術を用いて、ドローンの管制履歴や観測データを記録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-101967号公報
【特許文献2】特開2020-119392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ドローン等の機体に組合される部品は、種々の供給元によって製造される。先行技術では、管制履歴や観測データ等の機体単位で情報を格納する技術を開示しているが、機体を構成する個々の部品単位で情報を扱うことは行われていない。
【0007】
上記事情を鑑みて、本発明は、機体を構成する部品単位で情報を管理可能とする新規な技術を提供することを、解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、機体部品について情報を管理する為の情報管理方法であって、
部品供給元に関する部品供給元情報及び、供給される部品に関する部品情報を紐付けて格納する部品情報格納ステップと、
前記部品情報を用いて管理された部品を組み合わせて機体を組立し、前記機体と、組み合わされた前記部品の部品情報を紐づける組立ステップと、
組立てられた前記機体の利用によって取得され、前記機体を識別可能なログ情報を収集するログ収集ステップと、を有する。
【0009】
また、本発明は、機体部品について情報を管理する為の情報管理システムであって、
供給される部品に関する部品情報を受け付けて、部品供給元に関する部品供給元情報と紐付けて格納する部品管理部と、
前記部品情報を用いて管理された部品を組み合わせて組立された機体について、前記機体と、組み合わされた前記部品の部品情報と、を紐づける組立管理部と、
組立てられた前記機体の利用によって取得され、前記機体を識別可能なログ情報を収集するログ受付部と、を備える。
【0010】
このような構成とすることで、機体のログ情報を、組み合わされた部品と対応付けて管理することが可能となる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記部品の組み合わせを含む受注情報を受け付ける受注ステップを更に有し、
前記組立ステップでは、前記受注情報に基づいて指定される部品を、前記機体に組み立てる。
【0012】
このような構成とすることで、部品と対応付けてログ情報を管理する可能な機体を受注することができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記機体に紐づけられた前記部品情報によって特定される前記部品供給元に、前記ログ情報を提供するログ提供ステップを更に有する。
【0014】
このような構成とすることで、部品と対応付けて管理されたログ情報を提供することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記組立ステップでは、前記機体に、前記部品情報を特定可能な情報を格納することで、前記機体に、組み合わされた前記部品の部品情報を紐づけ、
前記ログ収集ステップでは、前記特定可能な情報が紐付いた前記ログ情報を収集し、
前記ログ提供ステップでは、前記特定可能な情報に基づいて、部品毎の前記ログ情報を提供する。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記組立ステップでは、前記部品の部品情報との組み合わせにより、又は単独で前記部品の個体を識別可能とする個体識別情報を前記機体と紐づけ、
前記ログ収集ステップで収集される前記ログ情報には前記個体識別情報が紐づく。
【0017】
このような構成とすることで、部品の提供元などに、部品に応じたログ情報を提供することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記部品情報に対応する部品の納品ステップを更に有し、
前記納品ステップでは、納品された前記部品に対する検査結果情報を、前記部品情報と紐付けて格納する。
【0019】
このような構成とすることで、部品が納品された際の情報を格納することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記部品情報格納ステップでは、ブロックチェーンネットワークシステムに、保全の対象情報である前記部品供給元から受け付けた前記部品情報に係る情報を改竄検出可能に格納する。
【0021】
また、本発明の好ましい形態では、前記部品情報は、当該部品の設計仕様、図面情報、ソフトウェア情報、品質情報、特許権利及び、法規制の1又は複数を有する。
【0022】
このような構成とすることで、登録された部品に関する情報を、少なくとも改竄検出可能に格納することができる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記組立ステップでは、ブロックチェーンネットワークシステムに、保全の対象情報である前記機体の組立管理の為の管理情報に係る情報又は、組立ステップ中に蓄積される実績情報に係る情報を改竄検出可能に格納する。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記管理情報は、作業標準書、製造基準、図面情報、設定値、ソフトウェア情報、仕様書、検査基準、工具情報、スケジュール、必要技能、必要資材及び、作業割当の1又は複数を有し、
前記実績情報は、進捗、実績、作業時間、検定結果、場所/環境、日付及び、不良の1又は複数を有する。
【0025】
このような構成とすることで、登録された組立に関する情報を、少なくとも改竄検出可能に格納することができる。
【0026】
本発明の好ましい形態では、前記ログ収集ステップでは、ブロックチェーンネットワークシステムに、保全の対象情報である前記ログ情報に係る情報を改竄検出可能に格納させる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記ログ情報は、部品別稼働時間、実動作履歴及び、フライト情報の1又は複数を有する。
【0028】
このような構成とすることで、登録されたログに関する情報を、少なくとも改竄検出可能に格納することができる。
【0029】
本発明の好ましい形態では、本発明の好ましい形態では、前記ブロックチェーンネットワークシステムに対して、前記対象情報そのもの又は、前記対象情報の要約情報を格納することで、前記対象情報を改竄検出可能とする。
【0030】
このような構成とすることで、対象情報を改竄検出可能に格納することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、部品単位で情報を管理可能とする新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一実施形態のシステムの構成を示すブロック図。
図2】一実施形態のシステムのハードウェア構成図。
図3】一実施形態の部品管理装置の機能ブロック図。
図4】一実施形態の受注管理装置の機能ブロック図。
図5】一実施形態の組立管理装置の機能ブロック図。
図6】一実施形態のログ管理装置の機能ブロック図。
図7】一実施形態の部品情報の格納からログ情報の提供までの工程を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0034】
例えば、本実施形態では情報管理システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態では、クライアント端末でその機能を実現する為に外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させる、いわゆるサーバ・クライアント型の情報管理システムについて説明する。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0035】
<1.システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報管理システム0は、部品管理装置1、部品供給元が利用する供給元端末2、受注管理装置3、発注を行う発注者端末4、組立管理装置5、拠点端末6、ログ管理装置7、機体8及びブロックチェーンネットワークシステムBCを備える。部品管理装置1及び供給元端末2と、受注管理装置3及び発注者端末4と、組立管理装置5及び拠点端末6と、ログ管理装置7及び機体8がそれぞれ通信可能に構成され、部品管理装置1、受注管理装置3及び組立管理装置5が通信可能に構成され、部品管理装置1、組立管理装置5及びログ管理装置7が通信可能に構成される。
【0036】
一例として、本実施形態では、部品管理装置1及び供給元端末2と、受注管理装置3及び発注者端末4と、部品管理装置1、組立管理装置5及びログ管理装置7とが、IP(Internet Protocol)ネットワーク等を介して通信可能に構成され、部品管理装置1、受注管理装置3、組立管理装置5及び拠点端末6が、組立作業を行う拠点(工場や店舗等)に配置され、拠点内のネットワーク(例えば、無線LAN(Local Area Network)やイーサネット)等を介して通信可能に構成される。
【0037】
ブロックチェーンネットワークシステムBCは、複数のコンピュータノード(以降、単にノードと呼称する)によって構成されるP2P(Peer to Peer)型ネットワークである。独自に設計されたブロックチェーンネットワークシステムによってブロックチェーンネットワークシステムBCが実現されてもよいし、EthereumやHyperledger Fabric等の既存のブロックチェーンプラットフォームを利用して実現されてもよい。
【0038】
<ハードウェア構成>
部品管理装置1、受注管理装置3、組立管理装置5及びログ管理装置7は、汎用のサーバ向けのコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である情報処理装置10によって構成される。また、ブロックチェーンネットワークシステムBCを構成するノードも、情報処理装置10によって構成される。供給元端末2、発注者端末4及び拠点端末6は、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等である端末装置90によって構成される。機体8は、本実施形態では、ドローン80によって構成される。
【0039】
図2は、ハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、情報処理装置10は、処理部101、記憶部102及び通信部103を備える。
【0040】
処理部101は、命令セットを実行可能なCPU等のプロセッサを有し、後述の機能構成要素を実現する為の各プログラム(部品管理装置用プログラム、受注管理装置用プログラム、組立管理装置用プログラム及びログ管理装置用プログラム)、OSやその他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置10の動作処理全体を制御する。
記憶部102は、命令セットを記憶可能なRAM等の揮発性メモリ、OS及び上述のプログラム等を記録可能なHDDやSSD等の不揮発性の記録媒体を有する。
通信部103は、ネットワークに接続するための通信インタフェース装置を有し、通信制御を実行して情報の入出力を行う。
【0041】
図2(b)に示すように端末装置90は、処理部901、記憶部902、通信部903、入力部904及び、表示部905を有する。
【0042】
処理部901は、命令セットを実行可能なCPU等のプロセッサを有し、OSやその他のアプリケーションを実行することで、端末装置90の動作処理全体を制御する。
記憶部902は、命令セットを記憶可能なRAM等の揮発性メモリ、OS等を記録可能なHDDやSSD等の不揮発性の記録媒体を有する。
通信部903は、ネットワークに接続するための通信インタフェース装置を有し、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報の入出力を行う。
入力部904は、キーボードやタッチパネル等の入力処理が可能な入力デバイスを有する。
表示部905は、ディスプレイ等の表示処理が可能な表示デバイスを有する。
【0043】
図2(c)に示すようにドローン80は、一例として、フライトコントローラ(FC)801、記憶部802、プロポやスマートフォン、ログ管理装置7等の外部機器とテレメトリ通信やBluetooth(登録商標)通信等を行う通信部803、プロペラ(不図示)を動作させるESC(Electric Speed Controller)等のモータコントローラ804、サーボ等のモータ805、GNSS(Global Navigation Satellite System)モジュール806、ジンバル807、カメラ808及びログ管理部809を有する。なお、通信部803は、ログ管理装置7等の外部機器と有線接続で通信を行ってもよい。ログ管理部809の機能については後述する。本実施形態では、ログ管理部809は、FC801つ接続されたシングルボードコンピュータやベアボーンPC等のコンパニオンコンピュータがログ生成プログラムを実行することで実現されるが、FC801がログ生成プログラムを実行することで、ログ管理部809が実行されてもよい。
【0044】
<情報管理システム0の機能構成>
図3~6は、情報管理システム0の機能ブロック図である。図3に示すように、部品管理装置1は部品管理部11、第1トランザクション処理部12、部品マスタデータベース13、部品供給元データベース14及び、ログ提供部15を備える。図4に示すように、受注管理装置3は受注管理部31、機体データベース32及び、発注者データベース33を備える。図5に示すように、組立管理装置5は部品受付部51、第2トランザクション処理部52、組立管理部53、書込部54、第3トランザクション処理部55、部品データベース56及び、組立データベース57を備える。図6に示すように、ログ管理装置7はログ受付部71、第4トランザクション処理部72、ログ加工部73及びログデータベース74を備える。
【0045】
なお、情報処理装置10及び機能構成要素の配置、組み合わせは一例である。複数の装置によってある機能構成要素が実現されてもよいし、一つの装置によってすべての機能構成要素が実現されてもよい。また、機能構成要素の一部は、端末側においてプログラムを実行することで、実現されてもよい。
【0046】
<部品>
本実施形態では、例えば、「筐体フレーム」、「バッテリ」、「ESC」、「FCモジュール」、「モータ」、「プロペラ」、「テレメトリ通信モジュール」、「GNSSモジュール」、「プロポ」、「リモートID発信機」、「ジンバル」、「カメラ」等を、機体を構成する1単位の部品として扱う。このように、モジュール単位を部品として扱ってもよいし、複数モジュールの組み合わせたものを部品と定義しても構わない。或いは、モジュールを製造する為のより細かな単位を部品と定義してもよい。なお、機体はドローン(UAV(unmanned aerial vehicle))であってもよいし、UGV(unmanned ground vehicle)であってもよい。情報管理システム0は複数種類の無人移動体について管理を行うものであってもよい。
【0047】
<部品情報の格納からログ情報の提供までのフローチャート>
図7は、部品情報の格納からログ情報の提供までの工程を示すフローチャートである。なお、特に条件がない場合、ステップの順番、発生タイミングは任意となる。
【0048】
<部品情報のデータベースへの格納>
部品情報格納ステップ(ステップS1)において、部品管理部11は、供給元端末2から供給元が提供する部品に関する情報である部品情報を受け付け、部品供給元に関する部品供給元情報及び、供給される部品に関する部品情報を紐付けて、部品マスタデータベース13に格納する。更に、第1トランザクション処理部12は、部品情報についてのトークンをブロックチェーンに登録する。例えば、部品情報格納ステップは、随時、供給元が部品情報を登録するタイミングで発生し得る。
【0049】
部品情報は、例えば、部品を識別する為の部品識別情報、部品供給元識別情報、部品名称、部品供給元における部品番号、登録日時、部品種別を示す部品種別情報、部品の設計仕様、図面情報、ソフトウェア情報、品質情報、特許権利情報、法規制情報等を含む。部品種別としては、例えば、筐体フレーム、バッテリ、ESC、FCモジュール、モータ、プロペラ、通信モジュール、プロポ、リモートID発信機、ジンバル、カメラ等が定義される。
【0050】
部品管理部11は、これらの情報をテキスト入力により受け付けてもよいし、このうちの1又は複数の情報を含んだドキュメントファイルや画像ファイル、csv形式等所定フォーマットで記述されたテキストファイル等のデータファイルとして受け付けてもよい。例えば、ソフトウェア情報は、ソフトウェアの名称やバージョン等であり、法規制は、対象の法律や規格(電波法、PSC電気用品安全法、VCCI規格)を示す情報である。認証番号がある場合には、認証番号を含んでいてもよい。設計仕様や品質情報は製品仕様書、図面情報は設計図、品質情報はテスト結果等が記述されたドキュメントファイル等に記述されていてもよく、部品管理部11は、このドキュメントファイルを受信することで、部品情報を受け付けてもよい。
【0051】
部品供給元情報は、部品管理装置1に構成された部品供給元データベース14に格納される。部品供給元情報は、部品供給元識別情報によって部品供給元を識別可能に格納され、部品供給元名称、住所、法人番号、電話番号、メールアドレス等の情報を含む。
【0052】
本実施形態では、図示しないウェブサーバや部品管理装置1等が、供給元端末2の表示部に、部品情報を入力する為の入力フォームを表示させる。入力フォームには、部品名や、供給元識別情報等を入力するテキストボックス、データファイルのアップローダ等が設けられ、入力フォームを介して入力された内容が、部品管理部11に送信される。部品情報の送信後、図示しない管理者端末や確認手段を介して、部品情報の登録の為に必要な情報が全て入力されたかが確認され、承認が行われることで、部品管理部11は部品マスタデータベース13への部品情報格納ステップを実行し、更に、第1トランザクション処理部12はブロックチェーンネットワークシステムBCへの部品情報格納ステップが実行される。或いは、供給元端末2が保持する部品情報を、バッチ処理等によって部品管理装置1に随時若しくは、定期的にアップロードするようにしてもよい。
【0053】
<ブロックチェーンネットワークシステムBCでの処理>
トランザクション処理部12、52、55及び72は、トランザクション処理として、登録トランザクションを、ブロックチェーンネットワークシステムBCを構成するノードに対して送信する。ブロックチェーンネットワークシステムBCでは、登録トランザクションに基づいてブロックチェーンへのトークンの登録が行われる。ブロックチェーンネットワークシステムBCは、登録トランザクションに含まれた情報等を、トークン識別情報と紐付けてブロックに追加し、権限を有したノードによってブロックの承認が行われることで、登録トランザクションに含まれた情報がブロックチェーンに格納される。トークン識別情報は、ブロックへの追加時に発行されたトークンを一意に識別可能な情報であり、例えばトランザクションのID等である。
【0054】
なお、ブロックチェーンネットワークシステムBCにおける登録等に際してコントラクトアドレスの指定が必要な場合、トランザクション処理部12、52、55及び72は、コントラクトアドレス等を含んだトランザクションを生成する。また、トランザクション処理部12、52、55及び72は、トランザクション処理部12、52、55及び72が生成した電子署名をトランザクションに含めてもよく、権限を有したノードによる電子署名の検証を経て、ブロックへのトランザクションの追加やブロックのファイナライズ等が行われてもよい。また、トランザクション処理部12、52、55及び72は、トランザクション処理部12、52、55及び72が生成した電子署名に加えて、又は代えて、端末2、4、6や機体8等が記憶部に保有した秘密鍵を用いて生成した電子署名を含んでいてもよく、権限を有したノードによる電子署名の検証を経て、ブロックへのトランザクションの追加やブロックのファイナライズ等が行われる。後述するように、この秘密鍵から生成したウォレットアドレスを、トランザクションに含めてもよい。
【0055】
<部品情報のブロックチェーンへの格納>
第1トランザクション処理部12は、ブロックチェーンネットワークシステムBCに対して、部品情報についてのトークンをブロックチェーンに登録する為のトランザクション処理を行う。
【0056】
第1トランザクション処理部12が送信する登録トランザクションは、部品マスタデータベース13に新たに登録されるある部品についての部品情報のうち、一部又は全部を含んでいてよい。本実施形態では、部品供給元情報として部品供給元識別情報や部品供給元名称、法人番号等の部品供給元を識別可能とする情報を含み、部品情報として部品識別情報や部品名称等の部品を識別可能とする情報を含む。
【0057】
第1トランザクション処理部12は、部品情報に含まれた情報の一部又は全部を必要に応じて加工し、登録トランザクションに含めることもできる。例えば、データファイルやテキストデータを、ハッシュ関数や暗号鍵等を利用して要約情報に加工し、得られた要約情報を登録トランザクションに含めてもよい。また、第1トランザクション処理部12は、これらのファイルにアクセスする為のURI(Uniform Resource Identifier)やURL(Uniform Resource Locator)を部品情報として登録トランザクションに含めてよい。URI等は、例えば、部品マスタデータベース13に格納されたデータを参照する為のものであってもよいし、あるいは、第1トランザクション処理部12がデータファイルやテキストデータをアップロードした図示しないDFS(分散ファイルシステム:distributed file system)に格納されたデータを参照する為のURI等であってもよい。
【0058】
本実施形態では、部品供給元識別情報として部品供給元の識別情報を登録トランザクションに含める構成について例示したが、部品供給元が管理する秘密鍵を用いて生成される部品供給元のウォレットアドレスや電子署名を登録トランザクションに含め、ウォレットアドレスにトークンを紐づける構成としてもよい。
【0059】
また、第1トランザクション処理部12は、ブロックチェーンネットワークシステムBCから登録された部品トークンの部品トークン識別情報を受け取り、部品マスタデータベース13における部品情報に追加する等、部品情報と紐付けて格納する。
【0060】
<機体情報のデータベースへの格納>
受注ステップ(ステップS2)において、受注管理部31は、部品の組み合わせ及び、発注者に関する発注者情報を含む受注情報を受け付けて格納する。本実施形態では、受注管理部31は、発注者端末4から、機体8を構成する複数の部品に関する部品識別情報の組み合わせ及び、発注者情報を含む受注情報を受け付け、機体情報を機体データベース32に格納する。例えば、受注ステップは、部品情報格納ステップにおいて部品情報が登録され、部品を用いた機体の組立が受注可能になると、発注者における任意のタイミングで発生し得る。
【0061】
機体情報は、例えば、受注した機体を識別する為の機体識別情報、発注者識別情報、機体を構成する部品毎に、部品識別情報を格納する。なお、機体識別情報は、例えば、注文番号等であってもよい。
【0062】
発注者(所有者)情報は、発注者データベース33に格納される。発注者(所有者)情報は、発注者(所有者)識別情報によって機体の所有者となる発注者を識別可能に格納され、発注者(所有者)の氏名/名称、配送先、連絡先等を含む。
【0063】
本実施形態では、図示しないウェブサーバや受注管理装置3等が、発注者端末4の表示部に、受注情報を入力する為の受注画面を表示させる。発注者はログイン処理等を経て受注画面にアクセスでき、受注画面では、部品マスタデータベース13に格納された部品を指定することで、機体8を構成する各部品を指定し、受注情報を送信することができる。なお、部品は、機体を構成する必須部品と、オプションの部品に分かれ、少なくともすべての必須部品が、受注情報には含まれる。
【0064】
<実部品情報のデータベースへの格納>
納品ステップ(ステップS3)において、組立作業を行う拠点において、部品の供給元から拠点への実部品の納品が行われる。例えば、納品ステップは、部品情報格納ステップにおいて部品情報が登録され、拠点が提供元に対して部品を発注した後に発生し得る。
【0065】
実部品の納品を受けると、部品受付部51は、拠点端末6を介して、納品された部品についての部品在庫を管理可能とする実部品情報の入力を受け付け、実部品情報を部品データベース56に格納する。実部品情報は、部品マスタデータベース13における部品情報に紐づけられ、部品製造情報毎に、部品の数量、納品日、検査結果情報等を含む。検査結果情報は、納品された実部品の検品結果を示すテキスト又はドキュメントファイルや画像ファイル等のデータファイルである。また、部品の供給元情報を紐付けて、部品データベース56に格納してもよい。部品製造情報は、部品の製造工場名、製造ライン、ロット番号等、部品の製造工程で付加された情報である。なお、実部品は、中古部品であってもよい。中古部品の実部品情報は、例えば、部品マスタデータベース13における部品情報に紐づけられ、中古部品の買取情報(買取店舗や買取日、買取担当、販売者に関する販売者情報等)、中古部品に対するメンテナンス情報(メンテナンス内容やメンテナンス日、メンテナンス作業者等)等を含む。
【0066】
<実部品情報のブロックチェーンへの格納>
第2トランザクション処理部52は、ブロックチェーンネットワークシステムBCに対して、実部品情報についてのトークンをブロックチェーンに登録する為のトランザクション処理を行う。
【0067】
第2トランザクション処理部52が送信する登録トランザクションは、実部品情報、部品供給元情報及び、拠点情報を含む。本実施形態では、実部品情報として部品の製造工場名、製造ライン、ロット番号、検査結果情報等の1又は複数を含み、部品供給元情報として部品供給元識別情報や部品供給元名称、法人番号等の部品供給元を識別可能とする情報を含み、拠点情報として、拠点識別情報や拠点名称等の拠点を識別可能とする情報を含む。なお、第2トランザクション処理部52は、同じ実部品に対して複数のトークンをブロックチェーンに格納してもよい。例えば、第2トランザクション処理部52は、実部品の納品が行われると、実部品情報として部品の製造工場名、製造ライン、ロット番号を含む登録トランザクションを送信し、実部品の検品が完了すると、実部品情報として検査結果情報を含む登録トランザクションを送信してもよい。登録トランザクションは、部品供給元情報に代えて、又は加えて、部品トークン識別情報等の部品情報を含んでいてもよい。
【0068】
第2トランザクション処理部52は、実部品情報に含まれた情報の一部又は全部を必要に応じて加工し、登録トランザクションに含めることもできる。例えば、データファイルやテキストデータを、ハッシュ関数や暗号鍵等を利用して要約情報に加工し、得られた要約情報を登録トランザクションに含めてもよい。また、これらのファイルにアクセスする為のURI等を実部品情報として登録トランザクションに含めてよい。URI等は、例えば、部品データベース56に格納されたデータを参照する為のものであってもよいし、あるいは、第2トランザクション処理部52がデータファイルやテキストデータをアップロードした図示しないDFSに格納されたデータを参照する為のURI等であってもよい。
【0069】
本実施形態では、拠点の識別情報を登録トランザクションに含める構成について例示したが、組立管理装置5や拠点端末6が管理する秘密鍵を用いて生成した拠点のウォレットアドレスや電子署名を登録トランザクションに含め、拠点のウォレットアドレスにトークンを紐づける構成としてもよい。
【0070】
また、第2トランザクション処理部52は、ブロックチェーンネットワークシステムBCから登録された実部品トークンの実部品トークン識別情報を受け取り、部品データベース56における実部品情報に追加する等、実部品情報と紐付けて格納してもよい。
【0071】
<管理情報、実績情報のデータベースへの格納>
受注ステップ(ステップS2)において機体情報が登録されると、組立ステップ(ステップS4)が行われる。組立管理部53は、MES(Manufacturing Execution System)であり、組立作業を行う拠点において、受注管理部31が受注情報を受け付けて機体情報が登録されると、機体の組立が行われる。
【0072】
まず、組立管理部53は、機体情報に紐付けて、機体の組立管理の為の管理情報を、組立データベース57に登録する。管理情報は、例えば、作業標準書、検査基準情報、工具情報、スケジュール情報、技能情報、資材情報、作業割当等を含む。例えば、作業標準書や検査基準情報、工具情報、技能情報等は、機体情報に対応付けられた部品種別情報等の部品情報によって選択される情報であり、スケジュール情報、資材情報、作業割当等は、組立拠点の管理者が設定等する。さらに、組立管理部53は、部品マスタデータベース13に格納された設計仕様や、図面情報等の部品情報を取得し、機体情報や管理情報に紐付けて組立データベース57に登録してもよい。
【0073】
機体の組み立てが行われる中で、組立管理部53は、機体情報に紐付けて、機体の組立ステップ中で蓄積される実績情報を組立データベース57に登録する。実績情報は、例えば、進捗・実績情報、作業時間、検定結果、組立場所・環境情報、作業日時、不良情報等を含む。進捗・実績情報は、スケジュール情報に対する進捗、実績に関する情報である。検定結果は、管理情報における検査基準情報に従って機体を検定した結果の情報であり、例えば検定結果の表形式のデータファイルやJSON、csv、XML等のデータ形式、データ記述言語で記述されたファイル等である。組立場所・環境情報は、機体の組立場所又は組立環境に関する情報であり、テキストデータや、場所/環境を撮影した画像ファイル等である。
【0074】
<管理情報、実績情報のブロックチェーンへの格納>
第3トランザクション処理部55は、ブロックチェーンネットワークシステムBCに対して、管理情報及び/又は実績情報についてのトークンをブロックチェーンに登録する為のトランザクション処理を行う。
【0075】
第3トランザクション処理部55が送信する登録トランザクションは、管理情報及び/又は実績情報と、機体情報と、拠点情報とを含む。本実施形態では、管理情報としては作業標準書、検査基準情報、工具情報、スケジュール情報、技能情報、資材情報、作業割当等の1又は複数を含み、実績情報としては進捗・実績情報、作業時間、検定結果、組立場所・環境情報、作業日時、不良情報等の1又は複数を含み、機体情報として機体識別情報や等の機体を識別可能とする情報を含み、拠点情報として、拠点識別情報や拠点名称等の拠点を識別可能とする情報を含む。なお、第3トランザクション処理部55は、同じ機体に対して複数のトークンをブロックチェーンに格納してもよい。これらすべての管理情報及び/又は実績情報が一つの登録トランザクションにすべて含まれる必要はなく、例えば、第3トランザクション処理部55は、管理情報の登録が行われると、管理情報として作業標準書、検査基準情報、工具情報、スケジュール情報、技能情報、資材情報及び作業割当等の1又は複数を含む登録トランザクションを送信し、組立が進行する毎に、実績情報として進捗・実績情報、作業時間、組立場所・環境情報及び作業日時等の1又は複数を含む登録トランザクションを送信し、部品に不具合があった場合は、実績情報として不良情報を含む登録トランザクションを送信し、組立した機体8の検定を行った場合は、検定結果を含む登録トランザクションを送信してもよい。
【0076】
第3トランザクション処理部55は、管理情報及び/又は実績情報に含まれた情報の一部又は全部を必要に応じて加工し、登録トランザクションに含めることもできる。例えば、データファイルやテキストデータを、ハッシュ関数や暗号鍵等を利用して要約情報に加工し、得られた要約情報を登録トランザクションに含めてもよい。また、これらのファイルにアクセスする為のURI等を管理情報及び/又は実績情報として登録トランザクションに含めてよい。URI等は、例えば、組立データベース57に格納されたデータを参照する為のものであってもよいし、あるいは、第3トランザクション処理部55がデータファイルやテキストデータをアップロードした図示しないDFSに格納されたデータを参照する為のURI等であってもよい。
【0077】
本実施形態では、拠点の識別情報を登録トランザクションに含める構成について例示したが、組立管理装置5や拠点端末6が管理する秘密鍵を用いて生成した拠点のウォレットアドレスや電子署名を登録トランザクションに含め、ウォレットアドレスにトークンを紐づける構成としてもよい。
【0078】
また、第3トランザクション処理部55は、ブロックチェーンネットワークシステムBCから登録された管理情報及び/又は実績情報トークンのトークン識別情報を受け取り、組立データベース57における管理情報及び/又は実績情報に追加する等、管理情報及び/又は実績情報と紐付けて格納してもよい。
【0079】
<機体への部品情報の書き込み>
組立ステップ(ステップS4)において、書込部54は、機体8の記憶部802又は、ログ管理部809に、機体8を構成する部品の部品情報を特定可能な情報を格納することで、機体8に、組み合わされた部品を紐づける。また、書込部54は、併せて機体情報等の機体を識別する為の個体識別情報、発注者データベース33に格納された発注者(所有者)情報を機体8に格納してもよい。本実施形態では、機体情報に含まれた部品情報を特定可能な情報として、機体8を構成する各部品の部品トークン識別情報と、機体情報として機体識別情報と、発注者情報として発注者識別情報、発注者名及び連絡先をログ管理部809の記憶領域に格納する。
【0080】
なお、組立は、整備工場や店舗等の整備拠点において、機体8を構成する一部又は全部の部品を交換することであってもよく、交換された部品を含む機体情報と、管理情報及び/又は実績情報と、がデータベースやブロックチェーンに格納され、機体8には交換された部品を特定可能な情報が書き込まれてもよい。
【0081】
<ログ情報のデータベースへの格納>
機体8が発注者(所有者)に提供された後、ログ収集ステップ(ステップS5)が実行される。フライトコントローラ801はログ情報(フライトログ)を生成するログ生成手段を備える。ログ情報には、例えばフライト単位で、機体や、モータ、バッテリ、フライトコントローラ、GNSSモジュール、気圧計、撮像部、ジンバル等の状態について種々の項目毎に経時的に取得された情報及び、フライトの情報が含まれる。例えば、機体に関する項目としては、機体の三軸方向についての角度、角速度、速度、位置情報、高度等が含まれる。また、モータに関する項目としては、各モータの制御値、出力、スラスト、振動指標等が含まれる。バッテリに関する項目としては、バッテリ電圧や電流値、使用時間、使用回数、充電回数等が含まれる。また、フライトコントローラに関する項目としては、フライトコントローラのCPU使用率やRAM使用率、等の状態情報、が含まれる。フライトの情報としてはフライトの開始日時、終了日時、フライト時間等が含まれる。
【0082】
ログ収集ステップにおいて、フライトコントローラ801は、飛行を行うとログ情報(フライトログ)を生成し、記憶部802に格納する。ログ管理部809は、フライトコントローラ801が生成したログ情報を複製して、ログ管理部809の記憶領域に格納する。なお、機体8にログ管理部809を設けない場合、フライトコントローラ801が以降のログ管理部809の処理を行うこととする。
【0083】
ログ管理部809は、ログ受付部71にログ情報及び、機体8を構成する部品の部品情報を特定可能な情報を送信する。ログ受付部71は、記憶部802又は、ログ管理部809からログ情報及び、機体8を構成する部品の部品情報を特定可能な情報として部品毎の部品トークン識別情報を取得する。また、この際に、併せて、個体識別情報(機体識別情報)及び、発注者(所有者)情報を取得し、ログ情報及び、機体8を構成する部品の部品情報を特定可能な情報と紐付けて、ログデータベース74に格納する。
【0084】
なお、機体8にログ管理部809を設けない場合、書込部54は、機体8を構成する部品の部品情報を特定可能な情報等を記憶部802に格納する。また、ログ受付部71は、記憶部802からログ情報及び、機体8を構成する部品の部品情報を特定可能な情報を取得する。
【0085】
<ログ情報のブロックチェーンへの格納>
第4トランザクション処理部72は、ブロックチェーンネットワークシステムBCに対して、ログ情報についてのトークンをブロックチェーンに登録する為のトランザクション処理を行う。
【0086】
第4トランザクション処理部72が送信する登録トランザクションは、ログ情報と、機体情報に含まれた部品情報を特定可能な情報と、個体識別情報と、発注者情報とを含む。本実施形態では、登録トランザクションは、機体情報に含まれた部品情報を特定可能な情報として、機体8を構成する各部品の部品トークン識別情報と、個体識別情報として機体識別情報と、発注者情報として発注者識別情報、発注者名及び連絡先を含む。なお、第4トランザクション処理部72は、一度に取得したログ情報から1つのトークンをブロックチェーンに格納してもよいし、複数のトークンをブロックチェーンに格納してもよい。例えば、ログ情報のフライト毎に、トークンをブロックチェーンに格納してもよい。登録トランザクションは、部品トークン識別情報に代えて、又は加えて、部品識別情報等の部品を識別可能とする情報を含んでいてもよい。
【0087】
第4トランザクション処理部72は、ログ情報を必要に応じて加工し、登録トランザクションに含めることもできる。例えば、ログ情報から要約情報を生成し、登録トランザクションに含めるログ情報としてもよい。また、これらのファイルにアクセスする為のURI等をログ情報として登録トランザクションに含めてよい。URI等は、例えば、ログデータベース74に格納されたデータを参照する為のものであってもよいし、あるいは、第4トランザクション処理部72がデータファイルやテキストデータをアップロードした図示しないDFSに格納されたデータを参照する為のURI等であってもよい。
【0088】
なお、整備工場や店舗等の整備拠点においてログ受付部71がログ管理部809等からログ情報を読み出し、ログデータベース74へのログ情報の格納が行われるような場合、第4トランザクション処理部72は、拠点の識別情報や担当者の識別情報等を登録トランザクションに含めてもよい。また、ログ管理部809は、IPネットワークや無線接続などされた所有者の端末等を介して、取得したログ情報及び特定可能な情報を、随時又は所定のタイミングでまとめて、ログ受付部71にアップロードしてもよい。
【0089】
また、第4トランザクション処理部72は、ブロックチェーンネットワークシステムBCから登録されたログトークンのログトークン識別情報を受け取り、ログデータベース74におけるログ情報に追加する等、ログ情報と紐付けて格納してもよい。
【0090】
ログ加工部73は、ログ情報から、部品毎のログ情報を生成する。ログ加工部73は、例えば、ログ情報に含まれた各項目別のデータを、部品種別毎にフィルタすることで、部品別のログ情報を生成する。例えば、モータに関するログ情報は、モータの制御値、出力、スラスト、振動指標の項目についてのログ情報である。同じ項目のデータが、異なる部品別のログ情報に含まれていてもよく、例えば、モータに関するログ情報は、機体の三軸方向についての角度、角速度、速度、位置情報、高度等を含んでいてもよい。また、ログ情報に含まれたフライト時間等から、部品毎のログ情報に部品の稼働時間を付加してよい。稼働時間は、ログ情報の1レコード毎に付加されてもよいし、フライト毎等、ログ情報中の複数レコードに対して付加されてもよい。なお、フライトコントローラ801が稼働時間等を取得しているパーツについては(例えば、本実施形態では、バッテリ)、その時間を稼働時間してもよい。本実施形態では、ログ管理装置7がログ加工部73を有する構成について示したが、ログ管理部809(ログ管理部809を設けない場合、フライトコントローラ801)やログ情報を部品供給元に提供する装置(本実施形態では、部品管理装置1)が有していてもよい。
【0091】
<ログ情報の提供>
ログ収集ステップ(ステップS5)が実行されてログ情報が収集された後、ログ提供ステップ(ステップS6)が実行される。ログ提供部15は、ログ情報に紐づけられた機体8を構成する部品の部品情報を特定可能な情報から部品情報を決定し、決定された部品情報から更にその部品供給元を決定する。そして、決定される部品供給元に、部品毎のログ情報を提供する。本実施形態では、ログ提供部15は、部品供給元データベース14に格納された当該部品の提供を行った部品供給元のメールアドレス等に、当該ログ情報に対応づけられ、提供を行った部品に対応する部品毎のログ情報を提供する。ログ提供部15は、部品供給元に、フィルタされていないログ情報を提供しても構わない。
【0092】
なお、ログ提供部15は、供給元端末2の表示部に、部品供給元毎にアクセス可能なログ管理画面を表示させてもよく、ログ管理画面を介してログ情報を提供してもよい。その際、好ましくは、ログ提供部15は、提供されたログ情報を統計処理して、表示可能に構成される。
【符号の説明】
【0093】
0 :情報管理システム
1 :部品管理装置
2 :供給元端末
3 :受注管理装置
4 :発注者端末
5 :組立管理装置
6 :拠点端末
7 :ログ管理装置
8 :機体
10 :情報処理装置
11 :部品管理部
12 :第1トランザクション処理部
13 :部品マスタデータベース
14 :部品供給元データベース
15 :ログ提供部
31 :受注管理部
32 :機体データベース
33 :発注者データベース
51 :部品受付部
52 :第2トランザクション処理部
53 :組立管理部
54 :書込部
55 :第3トランザクション処理部
56 :部品データベース
57 :組立データベース
71 :ログ受付部
72 :第4トランザクション処理部
73 :ログ加工部
74 :ログデータベース
80 :ドローン
90 :端末装置
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
801 :フライトコントローラ
802 :記憶部
803 :通信部
804 :モータコントローラ
805 :モータ
806 :モジュール
807 :ジンバル
808 :カメラ
809 :ログ管理部
901 :処理部
902 :記憶部
903 :通信部
904 :入力部
905 :表示部
BC :ブロックチェーンネットワークシステム
NW :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7