(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073158
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】画像読取装置および画像読取方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/12 20060101AFI20240522BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240522BHJP
B65H 7/12 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
H04N1/12
H04N1/00 567M
B65H7/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184226
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】田北 和弥
【テーマコード(参考)】
3F048
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
3F048AA04
3F048AA08
3F048AB02
3F048AB04
3F048AB05
3F048BA13
3F048BB02
3F048CA02
3F048CA03
3F048CC03
3F048CC04
3F048CC11
3F048DB04
3F048DC17
3F048DC20
3F048EB23
5C062AA05
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB03
5C062AB10
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AB46
5C062AC09
5C062AC15
5C062AC66
5C062AC67
5C062AC68
5C062AC70
5C062AE01
5C062AE15
5C062AF10
5C072AA01
5C072BA05
5C072CA02
5C072EA04
5C072NA01
5C072NA04
5C072RA01
5C072UA13
5C072WA02
(57)【要約】
【課題】重送の誤検出により作業効率が低下する。
【解決手段】画像読取装置は、搬送部と、読取部と、読取部よりも搬送方向の上流に設けられて原稿の重送を検出する重送検出部と、制御部と、を備え、制御部は、重送検出部により原稿の重送が検出された場合、読取部が原稿の先端部を読み取ることにより生成された画像データから搬送方向に交差する幅方向における原稿の長さである原稿幅を取得し、原稿幅に基づいて原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定し、プラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定した場合は、重送発生に対応するエラー処理を実行せず、プラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定した場合はエラー処理を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を所定の搬送方向へ搬送する搬送部と、
前記搬送部が搬送する前記原稿を読み取る読取部と、
前記搬送方向における前記読取部よりも上流の位置に設けられて、前記原稿の重送を検出する重送検出部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合、
前記読取部が前記原稿の先端部を読み取ることにより生成された画像データから前記搬送方向に交差する幅方向における前記原稿の長さである原稿幅を取得し、
前記原稿幅に基づいて前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定し、
前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定した場合は、重送発生に対応するエラー処理を実行せず、
前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定した場合は、前記エラー処理を実行する、ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記画像データの画素値であって、前記原稿の背景となる背景板に生じる前記原稿の影に相当する画素値のうち、最暗部の画素値に基づいて前記原稿の厚みを推定可能であり、
前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合、前記厚みが所定のしきい値以上であることを、前記エラー処理を実行しない条件の一つとする、ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記搬送方向における前記読取部よりも上流の位置に設けられて、前記原稿を検出する原稿検出部を備え、
前記制御部は、
前記原稿検出部による前記原稿の検出結果に基づいて前記搬送方向における前記原稿の長さである原稿長を取得可能であり、
前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合、前記原稿幅および前記原稿長に基づいて前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合、
前記読取部が前記原稿を読み取ることにより生成された画像データから前記搬送方向における前記原稿の長さである原稿長を取得し、
前記原稿幅および前記原稿長に基づいて前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合、前記重送が継続して検出された期間に対応する前記搬送部による搬送距離が、プラスチックカードまたはインスタントフィルムの所定の長さに一致することを、前記エラー処理を実行しない条件の一つとする、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記重送検出部は、超音波を送信する送信部と、前記原稿を通過した超音波を受信する受信部とを備え、
前記制御部は、前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合であって、前記エラー処理を実行しない場合、前記送信部による超音波の送信レベルを現在値よりも上げる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記エラー処理は、前記搬送部による搬送の停止を含み、
前記制御部は、
nを1以上の整数とし、前記読取部によるn枚目の前記原稿の読み取りが完了したら前記搬送部にn+1枚目の前記原稿の搬送を開始させることが可能であり、
前記重送検出部によりn枚目の前記原稿の重送が検出された場合、
n枚目の前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定したら、前記読取部によるn枚目の前記原稿の読み取りが完了した後に、前記搬送部にn+1枚目の前記原稿の搬送を開始させ、
n枚目の前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定したら、前記エラー処理として、前記搬送部によるn+1枚目の前記原稿の搬送を停止する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記エラー処理は、前記搬送部による搬送の停止を含み、
前記制御部は、
nを1以上の整数とし、前記読取部によるn枚目の前記原稿の読み取りが完了する前に前記搬送部にn+1枚目の前記原稿の搬送を開始させることが可能であり、
前記重送検出部によりn枚目の前記原稿の重送が検出された場合、
n枚目の前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定するまでn+1枚目の前記原稿の搬送開始を保留し、
n枚目の前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定したら、前記読取部によるn枚目の前記原稿の読み取りが完了する前に、前記搬送部にn+1枚目の前記原稿の搬送を開始させ、
n枚目の前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定したら、前記エラー処理として、前記搬送部によるn+1枚目の前記原稿の搬送を停止する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記エラー処理は、前記搬送部による搬送の停止を含み、
前記制御部は、
nを1以上の整数とし、前記読取部によるn枚目の前記原稿の読み取りが完了する前に前記搬送部にn+1枚目の前記原稿の搬送を開始させ、
前記重送検出部によりn枚目の前記原稿の重送が検出された場合、
n枚目の前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定したら、前記搬送部にn+2枚目の前記原稿の搬送を開始させ、
n枚目の前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定したら、前記エラー処理として、前記搬送部によるn+2枚目の前記原稿の搬送を停止する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項10】
原稿を所定の搬送方向へ搬送する搬送工程と、
搬送される前記原稿を読取部により読み取る読取工程と、
前記搬送方向における前記読取部よりも上流の位置にて前記原稿の重送を検出する重送検出工程と、
制御工程と、を備え、
前記制御工程では、前記重送検出工程により前記原稿の重送が検出された場合、
前記読取部が前記原稿の先端部を読み取ることにより生成された画像データから前記搬送方向に交差する幅方向における前記原稿の長さである原稿幅を取得し、
前記原稿幅に基づいて前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定し、
前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定した場合は、重送発生に対応するエラー処理を実行せず、
前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定した場合は、前記エラー処理を実行する、ことを特徴とする画像読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置および画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
読取対象の原稿を搬送しながらイメージセンサーにより読み取るスキャナーにおいて、超音波を利用した重送の検出が行われる。重送とは、一枚単位で搬送されるべき原稿が複数枚重なって搬送される状態を指す。重送は搬送のエラーと見なされ、原稿の搬送や読取が停止される。なお、重送に対し、原稿が一枚単位で搬送される状態を単送と呼ぶことにする。
【0003】
実際には単送であるにもかかわらず、重送と誤検出することが問題となっていた。例えば、プラスチックカードは一般的な用紙に比べて厚いため、これを原稿として搬送したとき、単送であっても重送と誤検出され易く、そのため搬送が停止する。
【0004】
関連技術として、搬送される媒体を撮像した入力画像から、媒体の角における丸みの度合いを検出し、丸みの度合いに基づいて媒体がIDカードであるか否かを判定し、判定結果に基づいて搬送部を制御し、又は、判定結果を出力する媒体搬送装置が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
重送の誤検出を受け入れてしまうと、画像読取処理の効率が低下し、ユーザーの不利益となる。一方で、真に重送であれば、その事実を早期に判定することが、ユーザーの利益となる。そのため、重送と誤検出され易い原稿の存在を考慮して、重送か否かの判定精度を総合的に高めるための改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
画像読取装置は、原稿を所定の搬送方向へ搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送する前記原稿を読み取る読取部と、前記搬送方向における前記読取部よりも上流の位置に設けられて、前記原稿の重送を検出する重送検出部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記重送検出部により前記原稿の重送が検出された場合、前記読取部が前記原稿の先端部を読み取ることにより生成された画像データから前記搬送方向に交差する幅方向における前記原稿の長さである原稿幅を取得し、前記原稿幅に基づいて前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定し、前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定した場合は、重送発生に対応するエラー処理を実行せず、前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定した場合は、前記エラー処理を実行する。
【0008】
画像読取方法は、原稿を所定の搬送方向へ搬送する搬送工程と、搬送される前記原稿を読取部により読み取る読取工程と、前記搬送方向における前記読取部よりも上流の位置にて前記原稿の重送を検出する重送検出工程と、制御工程と、を備え、前記制御工程では、前記重送検出工程により前記原稿の重送が検出された場合、前記読取部が前記原稿の先端部を読み取ることにより生成された画像データから前記搬送方向に交差する幅方向における前記原稿の長さである原稿幅を取得し、前記原稿幅に基づいて前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定し、前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定した場合は、重送発生に対応するエラー処理を実行せず、前記原稿のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定した場合は、前記エラー処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】画像読取装置の内部構成を側方からの視点により簡易的に示す図。
【
図3】第1実施形態の重送判定処理を示すフローチャート。
【
図4】原稿の1ページ分の画像データを例示する図。
【
図6】第2実施形態の重送判定処理を示すフローチャート。
【
図7】第3実施形態の重送判定処理を示すフローチャート。
【
図8】搬送経路の一部と読取部の一部とを含む構成を簡易的に示す図。
【
図9】第4実施形態の重送判定処理を示すフローチャート。
【
図10】受信部における受信レベルの変化をグラフにより例示する図。
【
図11】送信レベルを上げる前と後の受信レベルをグラフにより比較して例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。各図は例示であるため、比率や形状や濃淡が正確でなかったり、互いに整合していなかったり、一部が省略されていたりする場合がある。
【0011】
1.装置構成の概略説明:
図1は、本実施形態にかかる画像読取装置10の構成を簡易的に示している。画像読取装置10は、画像読取方法を実行する。画像読取装置10は、シートフィードタイプのスキャナーであり、制御部11、表示部13、操作受付部14、記憶部15、通信IF16、搬送部17、読取部18、重送検出部20等を備える。IFはインターフェイスの略である。制御部11は、プロセッサーとしてのCPU11a、ROM11b、RAM11c等を有する一つ又は複数のICや、その他の不揮発性メモリー等を含んで構成される。
【0012】
制御部11では、プロセッサーつまりCPU11aが、ROM11bや、その他のメモリー等に保存されたプログラム12に従った演算処理を、RAM11c等をワークエリアとして用いて実行することにより、本実施形態にかかる処理を実現する。プロセッサーは、一つのCPUに限られることなく、複数のCPUや、ASIC等のハードウェア回路により処理を行う構成としてもよいし、CPUとハードウェア回路とが協働して処理を行う構成としてもよい。
【0013】
表示部13は、視覚情報を表示するための手段であり、例えば、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等により構成される。表示部13は、ディスプレイと、ディスプレイを駆動するための駆動回路と、を含む構成であってもよい。
操作受付部14は、ユーザーによる操作や入力を受け付けるための手段であり、例えば、物理的なボタンや、タッチパネルや、マウスや、キーボード等によって実現される。タッチパネルとしての操作受付部14は、表示部13の一機能として実現される。
表示部13や操作受付部14は、画像読取装置10に対して外付けされた周辺機器であってもよい。
【0014】
記憶部15は、例えば、ハードディスクドライブや、ソリッドステートドライブや、その他のメモリーによる記憶手段である。制御部11が有するメモリーの一部を記憶部15と捉えてもよい。記憶部15を、制御部11の一部と捉えてもよい。
通信IF16は、公知の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線又は無線で外部装置と通信を実行するための一つまたは複数のIFの総称である。外部装置は、例えば、パーソナルコンピューター、サーバー、スマートフォン、タブレット型端末等といった各種端末である。
【0015】
搬送部17は、読取対象となる原稿を所定の搬送経路に沿って搬送するための手段である。搬送部17は、例えば、回転して原稿を搬送するローラーや、回転の動力源としてのモーター等を備える。搬送部17は、原稿トレイに置かれた複数枚の原稿を一枚単位で順次搬送可能な、いわゆるADF(Auto Document Feeder)の機能を兼ね備えている。
【0016】
読取部18は、搬送部17が搬送する原稿を光学的に読み取る手段である。読取部18は、原稿を照射する光源、原稿からの反射光や透過光を受光して光電変換により読取結果としての電気信号を生成し出力するイメージセンサー、イメージセンサーからの出力をデジタル信号に変換等して画像データとするアナログフロントエンド等、スキャナーとして一般的な構成を有する。読取部18のイメージセンサーは、後述の搬送方向D1と直交する幅方向D2に沿って並ぶ複数の撮像素子によるラインセンサーであり、1回の読取動作で1ラインの画像を読み取る。読取部18は、1ライン分の読み取りを所定の頻度で繰り返すことにより2次元の画像データを得る。
【0017】
図2は、画像読取装置10の主に内部構成を側方からの視点により簡易的に示している。画像読取装置10は、原稿2を載置する載置部3を有する。載置部3は原稿トレイである。搬送部17は、載置部3に載置された原稿2を所定の搬送経路で搬送する。搬送部17は、搬送経路を挟み込むように対向配置されたローラー17b1,17b2からなる給紙ローラー対17bや、同じく対向配置されたローラー17a1,17a2からなる排紙ローラー対17aを備える。例えば、搬送経路の下側に配置されるローラー17b1とローラー17a1とが、不図示のモーターに連結されており、モーターから与えられる動力で回転する。搬送経路に沿う方向を搬送方向D1と言う。搬送部17は、搬送方向D1へ原稿2を搬送する。搬送方向D1の上流、下流を、単に上流、下流と言う。
【0018】
給紙ローラー対17bは、読取部18よりも上流に配置されており、原稿2を下流へ搬送する。排紙ローラー対17aは、読取部18よりも下流に配置されており、読取部18に読み取られた原稿2を下流へ搬送して排出する。例えば、給紙ローラー対17bの近傍位置に、原稿2の端部を検知する端部センサー19が備えられていてもよい。給紙ローラー対17bよりも上流の載置部3に近い位置には、搬送部17の一部としてのロードローラー17cが備えられている。ロードローラー17cは、載置部3から原稿2を一枚単位で搬送経路へ引き込む。つまり、ロードローラー17cが載置部3から原稿2を毎回一枚単位で搬送経路へ引き込むことができれば理想的であり、重送は生じないが、時にはロードローラー17cが原稿2を例えば2枚まとめて搬送経路へ引き込んでしまい、重送が生じる。
【0019】
図2の例では、読取部18は、搬送経路を挟むようにして搬送経路の上下に備えられており、原稿2の両面を同時に読み取り可能である。つまり、読取部18は、搬送経路の上方に設けられたイメージセンサーにより原稿2の上面を読み取り、かつ、搬送経路の下方に設けられたイメージセンサーにより原稿2の下面を読み取る。ただし、画像読取装置10が原稿2の両面を同時に読み取り可能な製品であることは必須ではない。画像読取装置10は、例えば、読取部18が搬送経路の下方に設けられたイメージセンサーにより搬送中の原稿2の下方を向く面を読み取り、搬送部17が原稿2をUターンさせて結果的に原稿2の両面を読取部18に読み取らせることが可能な製品であってもよい。あるいは、画像読取装置10は、原稿2の両面のうち一方の面のみを読み取り可能な製品であってもよい。
【0020】
給紙ローラー対17bよりも上流かつロードローラー17cよりも下流の位置には、重送検出部20および原稿検出センサー21が設けられている。
図2の例では、原稿検出センサー21は、重送検出部20よりも上流に位置している。重送検出部20は、読取部18よりも上流の位置において搬送経路を挟んで相対する送信部20aと受信部20bとを有する。送信部20aは超音波を送信し、受信部20bは原稿2を通過した超音波を受信する。知られているように、重送検出部20は、原稿2が送信部20aと受信部20bとの間を通過する際の受信部20bが受信する超音波の減衰度合いに基づいて、通過している原稿2が単送なのか重送なのかを検出する。原稿検出センサー21や端部センサー19は、光学センサーである。原稿検出センサー21は、読取部18よりも上流の位置において原稿2を検出する「原稿検出部」に該当する。
以下に、画像読取装置10による実施形態を幾つか説明する。
【0021】
2.第1実施形態:
図3は、制御部11がプログラム12に従って実行する第1実施形態の重送判定処理を、フローチャートにより示している。
図3や後述の
図6,7,9の各フローチャートを解釈する前提として、これらフローチャートは、原稿2を搬送方向D1へ搬送する「搬送工程」および搬送される原稿2を読取部18により読み取る「読取工程」と並行して行われる。搬送工程や読取工程は特にフローチャートには表していないが、概略、以下の通りである。
【0022】
ユーザーは、操作受付部14を操作して画像読取装置10に原稿2のスキャン開始を指示する。制御部11は、スキャン開始の指示を受けた場合、載置部3における原稿2の有無を判定する。図示は省略しているが、画像読取装置10は、載置部3に原稿2が載置されていることを検出するセンサーを載置部3の近傍に有する。制御部11は、当該センサーにより原稿2が検出されていれば、原稿有りと判定して搬送工程および読取工程を開始する。一方、制御部11は、当該センサーにより原稿2が検出されていなければ、原稿無しと判定して、処理を終了する。
【0023】
制御部11は、載置部3から原稿2を一枚搬送する処理を搬送部17に実行させ、搬送される原稿2の読取を読取部18に実行させる。ただしこのとき、重送が発生することもある。制御部11は、例えば、原稿2の下流を向く先端が、
図2に示す端部センサー19により検知されたことを契機として、その後の所定タイミングで読取部18に読取を開始させる。この結果、原稿2の一面単位、つまりページ単位の読取結果としての画像データが生成される。制御部11は、このような処理を、後述するようにエラー処理で停止しない限り、載置部3に原稿2が無いと判定するまで繰り返す。この結果、制御部11は、載置部3にセットされた複数枚の原稿2について順次ページ単位の画像データを生成し、記憶部15へ保存したり、通信IF16を介して所定の外部装置へ転送したりすることができる。
【0024】
ステップS100では、制御部11は、重送検出部20に重送の検出動作を開始させる。制御部11は、重送検出部20による検出結果を監視する。重送検出部20は、搬送部17による原稿2の搬送中に、受信部20bが受信する信号と所定のしきい値との比較により重送検出を繰り返し実行する。重送検出部20は、例えば、所定回数以上連続して重送と検出したり、あるいは、重送と検出した累積回数が所定回数に達したりしたら、重送の条件を満たすとして、重送の旨の検出結果を出力する。一方、前記条件を満たさない場合、単送の旨の検出結果を出力する。重送検出部20のうち、このような判断を担う部分は、制御部11の一部であってもよい。ステップS100は、読取部18よりも上流の位置にて原稿2の重送を検出する「重送検出工程」に該当する。
【0025】
ステップS110では、制御部11は、重送検出部20により重送が検出された場合は“Yes”の判定からステップS120へ進み、一方、重送検出部20により単送が検出された場合は“No”の判定から
図3のフローチャートを終了させる。制御部11は、
図3のフローチャートを、ステップS110の“Nо”や後述のステップS150を経て“終了1”で終えた場合には、搬送部17による次の原稿2の搬送開始に応じて
図3のフローチャートを再び開始する。つまり、複数枚の原稿2についての連続的な読取がそのまま続く。ステップS110以降の処理は、本実施形態の「制御工程」に該当する。
【0026】
ステップS120では、制御部11は、読取部18が原稿2の先端部を読み取ることにより生成された画像データから、搬送方向D1に交差する幅方向D2における原稿2の長さである「原稿幅」を取得する。ここで言う交差は、上述したように直交と解してよい。
【0027】
図4は、読取工程により生成される1ページ分の画像データ30を例示している。
図4では、画像データ30と方向D1,D2との対応関係を併せて示している。画像データ30は、方向D1,D2のそれぞれに対応して画素が2次元状に並ぶことにより構成されている。画像データ30のうち、符号32で示した矩形或いはほぼ矩形の領域が、原稿2自体の読取結果に対応する原稿領域32である。画像データ30のうち、原稿領域32の外側のグレー色で示す領域は、読取部18のイメージセンサーが、いわゆる背景板を読み取った結果に対応している。このように、読取部18は、原稿2の1ページのサイズよりも広い範囲を読み取って1ページ分の画像データ30を生成する。
【0028】
原稿2の先端部を読み取ることにより生成された画像データとは、画像データ30の一部であり、これを先端画像データ31と呼ぶことにする。先端画像データ31は、原稿領域32の先端エッジ32Eを含む範囲である。本実施形態では、原稿2や、画像データ30や、それらの一部に関して、下流側の端部を“先端”と呼び、上流側の端部を“後端”と呼ぶ。画像データ30内における先端画像データ31の範囲は必ずしも明確でなくてよいが、例えば、画像データ30の先端から所定数のライン分の範囲を、ほぼ確実に先端エッジ32Eを含んでいると予想される範囲、すなわち先端画像データ31とする。
【0029】
先端画像データ31は、搬送工程の開始後、読取部18による読取工程が開始されてから所定数のライン分の読取が済んだ時点で生成されるデータである。そのため、制御部11は、画像データ30全体の生成を待つことなく、先端画像データ31が生成されればステップS120を実行することができる。制御部11は、先端画像データ31においてエッジを検出し、先端エッジ32Eを含むエッジで区画された先端画像データ31内の原稿領域32を特定する。一般に画像のエッジは色や明るさが急激に変化する位置である。先端画像データ31においては、背景板のグレー色から原稿2自体の色に変化した位置の画素が原稿領域32の内外を区切るエッジとなる。エッジ検出の方法は公知であるため詳しい説明は省略する。
【0030】
制御部11は、先端画像データ31内の原稿領域32についての、幅方向D2における長さを原稿幅Wとして取得する。なお、原稿2が搬送方向D1に対して傾いて搬送されると、先端エッジ32Eが幅方向D2に対して傾いた状態の原稿領域32が特定される。そのため、制御部11は、原稿領域32が傾いている場合は、傾きを補正するための回転処理を先端画像データ31内の原稿領域32に対して施してから原稿幅Wを取得すればよい。このようにして取得した原稿幅Wは、原稿2の長辺または短辺のどちらかである。
図4の例では、原稿幅Wは原稿2の短辺と言えるが、ユーザーが載置部3へ原稿2をセットしたときの原稿2の向き次第で、原稿幅Wは原稿2の短辺であったり長辺であったりする。
【0031】
ステップS130では、制御部11は、ステップS120で取得した原稿幅に基づいて原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定する。原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定した場合は、ステップS130の“Yes”からステップS150へ進む。一方、原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定した場合は、ステップS130の“Nо”からステップS140へ進む。
【0032】
プラスチックカードは、例えば、身分証、会員証、診察券等、様々なカードとして利用されている。プラスチックカードは一般的な用紙に比べて厚いため、単送であっても重送と誤検出され易い原稿2の一種である。インスタントフィルムは、いわゆるインスタントカメラに用いられるフィルムである。
【0033】
図5は、インスタントフィルム5を例示している。インスタントフィルム5は、フィルム6と、フィルム6周りの枠部7とにより構成されており、その性質上、枠部7の所定範囲8に薬剤が封入されている。この薬剤が封入された所定範囲8で超音波の減衰が多く生じる。そのため、インスタントフィルムは、単送であっても重送と誤検出され易い原稿2の一種である。以下では、プラスチックカード、インスタントフィルムをまとめて「特定原稿」と称する。
【0034】
プラスチックカードのサイズは、例えば、ISО/IEC 7810 ID‐1の規格により、長辺×短辺=85.60mm×53.98mm、厚さ=0.76mmと規定されている。また、インスタントフィルムのサイズも製品規格上、長辺×短辺が、例えば、86mm×54mm、86mm×72mm、108mm×86mmといったように幾つか規定されている。制御部11は、このような特定原稿の規定されたサイズの情報を予め有している。従って、制御部11は、原稿幅Wをミリメートルに換算した値が、これら特定原稿の規定されたいずれかの長辺または短辺の長さと一致するか否かを判定し、いずれかと一致すれば、ステップS130で“Yes”と判定する。一方、原稿幅Wをミリメートルに換算した値が、これら特定原稿の規定された長辺または短辺の長さのいずれとも一致しない場合は、ステップS130で“Nо”と判定する。
【0035】
例えば、原稿幅Wが、85.60mm又は53.98mmのどちらかと一致すれば、原稿2のサイズがプラスチックカードのサイズに該当すると言えるため、ステップS130で“Yes”と判定する。なお、本実施形態において“一致”とは、厳密な一致だけでなく、所定の許容範囲内で数値が近似する状態、つまり一致と見なすことができる状態も含むものとする。
【0036】
ステップS150では、制御部11は、重送発生に対応する「エラー処理」を実行せず、
図3のフローチャートを“終了1”で終える。ステップS150ではエラー処理を実行しないため、ステップS150では特になにもせず、実質的にはステップS130の“Yes”がそのまま“終了1”に至る。ステップS150へ進むことは、重送検出部20による重送という検出結果は誤っていた、つまり特定原稿の単送であったという意味の判定である。
【0037】
一方、ステップS140へ進むことは、重送検出部20による重送という検出結果は正しかった、という意味の判定である。ステップS140では、制御部11は、エラー処理を実行して
図3のフローチャートを“終了2”で終える。エラー処理は、搬送部17による原稿2の搬送の停止を含む。具体的には、制御部11は、現在搬送中の原稿2の次の原稿2の搬送部17による搬送を、停止する。制御部11は、現在搬送中の原稿2つまり現在重送されている原稿2については、エラー処理として搬送を停止してもよいし、最後まで搬送を続けて画像読取装置10外へ排出してもよい。
【0038】
エラー処理では、制御部11は、重送が発生した旨の警告を表示部13に表示させてもよい。このように、エラー処理と共に
図3のフローチャートが“終了2”で終わった場合は、ユーザーによってエラー解除の操作がなされるまで、次の原稿2についての搬送工程や読取工程は開始されない。エラー解除の操作とは、例えば、搬送経路の途中で停止した原稿2の除去や、操作受付部14を介したエラー解除指示の入力等である。
【0039】
このように第1実施形態によれば、重送検出部20により重送と検出されても、それだけではエラー処理は実行せず、サイズの観点から特定原稿であることが判明した場合は、エラー処理を実行することなく次の原稿2の搬送および読取へ移行することができる。一方、重送検出部20により重送と検出され、かつ、サイズの観点から特定原稿以外の原稿であることが判明した場合は、エラー処理を実行する。
【0040】
3.第2実施形態:
図6は、制御部11がプログラム12に従って実行する第2実施形態の重送判定処理をフローチャートにより示している。第2実施形態や、後述の第3、第4実施形態については、第1実施形態と共通の説明は省略する。
図6を
図3と比較すると分かるように、第2実施形態では、ステップS120の替わりにステップS122を実行する。ステップS122では、制御部11は、ステップS120と同様に原稿幅を取得することに加え、搬送方向D1における原稿2の長さである「原稿長」を取得する。
原稿長の取得方法として、ここでは第1および第2の原稿長取得方法を提示する。制御部11は、いずれの方法を用いて原稿長を取得してもよい。
【0041】
第1の原稿長取得方法:
制御部11は、原稿検出センサー21による原稿2の検出結果に基づいて原稿長を取得可能である。原稿検出センサー21は、原稿2を検出している状態ではオン信号を出力し、原稿2を検出できていない状態ではオフ信号を出力する。また、搬送部17による原稿2の搬送速度は既知である。従って、制御部11は、搬送部17に載置部3からの原稿2の搬送を開始させた後、原稿検出センサー21の出力がオフ信号からオン信号へ切り替わってから、再びオフ信号へ戻るまでの期間、つまりオン信号が継続した期間に応じた原稿2の搬送距離を、原稿長として取得すればよい。
【0042】
第2の原稿長取得方法:
制御部11は、読取部18が原稿2を読み取ることにより生成された画像データ30から原稿長を取得する。つまり、制御部11は、画像データ30内で原稿領域32を特定し、原稿領域32についての、搬送方向D1における長さを原稿長Hとして取得する。
図4では、第2の原稿長取得方法により取得した原稿長Hを示している。なお、第2の原稿長取得方法を採用する場合は、制御部11は、1ページ分の画像データ30の生成が終わるのを待って原稿長を取得することになる。
【0043】
ステップS122の結果、原稿2の長辺および短辺それぞれの長さが判明する。
ステップS130では、制御部11は、ステップS122で取得した原稿幅および原稿長に基づいて原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定する。つまり、取得した原稿幅および原稿長で特定される矩形のサイズが、上述したような特定原稿の規定されたいずれかのサイズと一致すれば、ステップS130で“Yes”と判定する。一方、取得した原稿幅および原稿長で特定される矩形のサイズが、特定原稿の規定されたサイズのいずれとも一致しない場合は、ステップS130で“Nо”と判定する。このような第2実施形態では、原稿2が特定原稿のサイズに該当するか否かの判定に際して、原稿幅だけでなく原稿長も考慮に入れることで、特定原稿であることを判定する精度をより高めることができる。
【0044】
4.第3実施形態:
図7は、制御部11がプログラム12に従って実行する第3実施形態の重送判定処理をフローチャートにより示している。
図7を
図3と比較すると分かるように、第3実施形態では、ステップS130の“Yes”の後の処理としてステップS132,S134を有する。第3実施形態においても、ステップS120の替わりにステップS122を実行してステップS130の判定を行うとしてもよい。
【0045】
制御部11は、画像データ30の画素値であって、原稿2の背景となる背景板に生じる原稿2の影に相当する画素値のうち、最暗部の画素値に基づいて原稿2の厚みを推定可能である。ステップS132では、このような厚みの推定を実行する。厚みの推定に用いる画像データは、画像データ30の一部でよく、先端エッジ32Eを含む先端画像データ31でよい。
【0046】
図8は、画像読取装置10内の搬送経路22の一部と読取部18の一部とを含む構成を、
図2と同様の視点で簡易的に示している。
図8では、搬送方向D1を簡単に水平方向としている。読取部18のうち搬送経路22の下方に位置する部分には、原稿2の下面を読み取るための構成として光源18aおよびイメージセンサー18bが含まれている。このイメージセンサー18bと、搬送経路22を挟んで対向する位置には、背景板23が備えられている。
【0047】
図8によれば、光源18aはイメージセンサー18bの上流側に位置しており、光源18aからの照射光は、原稿2の先端よりも下流側の背景板23の位置に影4を生じさせる。影4の色は、背景板23の色よりも暗い。影4の長さはイメージセンサー18bの撮像位置にて原稿2の厚みに比例する。また、原稿2が厚いほど影4は長くなり、影4の色も暗くなる傾向が見られる。原稿2が厚いほど光が原稿2を透過しにくく、その結果、背景板23に生じる原稿2の影4も濃くなると推測されるからである。
【0048】
そこで、制御部11は、先端画像データ31における原稿領域32外の領域から、原稿領域32の先端の影4に相当する画素値のうち最暗部の画素値を特定する。これにより、読取部18が読み取った影4の画素値に基づいて原稿2の厚みを推定できることになる。なお、影の画素値に基づく厚みの推定処理については、特開2018‐195960号公報に詳述されている。
【0049】
ステップS134では、制御部11は、ステップS132で推定した厚みを、所定のしきい値と比較して、特定原稿の厚みであるか否かを判定する。ステップS134の判定に用いるしきい値は、特定原稿の厚みと、それよりも薄い厚みとを区別するための値である。ここでは、推定した厚みがしきい値以上であるとき、ステップS134で“Yes”と判定してステップS150へ進み、推定した厚みがしきい値未満であるとき、ステップS134で“Nо”と判定してステップS140へ進む。このように第3実施形態では、制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合、推定した原稿2の厚みが所定のしきい値以上であることを、エラー処理を実行しない条件の一つとする。
【0050】
なお、ステップS130の判定と、ステップS134の判定とは、実行順が逆であってもよい。つまり、制御部11は、ステップS134で“Yes”と判定した後、ステップS130で“Yes”と判定した場合に、ステップS150へ進むとしてもよい。このような第3実施形態では、原稿2が特定原稿のサイズに該当するか否かの判定に加え、原稿2の厚みも考慮に入れることで、特定原稿であることを判定する精度をより高めることができる。
【0051】
上述したように、プラスチックカードは0.76mmの厚みを有し、一般的な原稿よりも厚みが大きい。そのため、ステップS134で用いるしきい値を、このようなプラスチックカードの厚みを、それよりも薄い厚みと区別するための適切な値に設定してもよい。これにより、特定原稿としてプラスチックカードが読み取られる画像読取装置10の使用環境において、プラスチックカードが単送されたにも関わらず重送と誤検出して、エラー処理の対象としてしまう事態を、的確に回避することができる。
【0052】
5.第4実施形態:
図9は、制御部11がプログラム12に従って実行する第4実施形態の重送判定処理をフローチャートにより示している。
図9を
図3と比較すると分かるように、第4実施形態では、ステップS130の“Yes”の後の処理としてステップS136,S138を有する。第4実施形態においても、ステップS120の替わりにステップS122を実行してステップS130の判定を行うとしてもよい。また、第4実施形態に、前記厚みに基づくステップS134の判定を更に加えてもよい。
【0053】
ステップS136では、制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が継続して検出された期間に対応する搬送部17による搬送距離を取得する。この搬送距離を、以下では「重送継続長」と呼ぶ。
【0054】
図10は、搬送工程による原稿2の搬送に伴う、重送検出部20の受信部20bが受信する信号の受信レベルの変化を、横軸を時間、縦軸を受信レベルとしたグラフにより例示している。しきい値TH1は、重送検出部20が受信部20bの受信レベルと比較するための所定のしきい値である。重送検出部20は、受信レベルがしきい値TH1以下となる状態を重送と判断する。なお、
図10に示す受信レベルは、受信部20bが受信する信号を、しきい値TH1と比較するために必要に応じて変換等した後の値であってもよい。
図10の例では、受信レベルが継続してしきい値TH1以下となっている時間の長さを、期間Tとして示している。
【0055】
従って、制御部11は、
図10の例によれば、期間Tに搬送部17による搬送速度を乗算することで重送継続長を取得することができる。
ステップS138では、制御部11は、ステップS136で取得した重送継続長が、プラスチックカードまたはインスタントフィルムの所定の長さに一致するか否かを判定する。つまり、重送継続長が特定原稿の所定の長さのいずれかに一致するとき、ステップS138で“Yes”と判定してステップS150へ進み、重送継続長が特定原稿の所定の長さのいずれとも一致しないとき、ステップS138で“Nо”と判定してステップS140へ進む。
【0056】
ステップS138の判定に用いる、特定原稿の所定の長さには、上述したプラスチックカードの規定された長辺および短辺の長さが該当する。また、インスタントフィルムに関しては、
図5に例示したような薬剤が封入されている所定範囲8の長辺および短辺の長さが、特定原稿の所定の長さに該当する。本実施形態では、制御部11は、各種インスタントフィルムにおける薬剤が封入されている所定範囲の長辺および短辺の長さも予め情報として有しているものとする。
【0057】
このように第4実施形態では、制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合、重送継続長が特定原稿の所定の長さに一致することを、エラー処理を実行しない条件の一つとする。第4実施形態においても、ステップS130の判定と、ステップS138の判定とは、実行順が逆であってもよい。このような第4実施形態では、原稿2が特定原稿のサイズに該当するか否かの判定に加え、重送継続長も考慮に入れることで、特定原稿であることを判定する精度をより高めることができる。
【0058】
6.まとめ:
このように本実施形態によれば、画像読取装置10は、原稿2を所定の搬送方向D1へ搬送する搬送部17と、搬送部17が搬送する原稿2を読み取る読取部18と、搬送方向D1における読取部18よりも上流の位置に設けられて、原稿2の重送を検出する重送検出部20と、制御部11と、を備える。制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合、読取部18が原稿2の先端部を読み取ることにより生成された画像データ(先端画像データ31)から搬送方向D1に交差する幅方向D2における原稿2の長さである原稿幅を取得し、原稿幅に基づいて原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定し、原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定した場合は、重送発生に対応するエラー処理を実行せず、原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定した場合は、エラー処理を実行する。
【0059】
前記構成によれば、画像読取装置10は、重送検出部20により重送が検出された場合に、さらに、原稿幅に基づいて原稿2のサイズがプラスチックカードやインスタントフィルムといった特定原稿に該当するか否かを判定する。そして、特定原稿に該当すると判定できれば、エラー処理をせず、特定原稿に該当しないと判定できれば、エラー処理をする。従って、特定原稿の単送であるにもかかわらず重送と誤検出した場合に、重送検出部20の機能を停止したりエラー処理したりすることを回避できる。このように、重送と誤検出され易い特定原稿を考慮に入れて、重送か単送かの判定精度を総合的に高めたことで、次の原稿2の搬送、読取へ円滑に移行でき、ユーザーの作業効率、利便性が向上する。
【0060】
また、画像読取装置10は、重送検出部20により重送が検出されたら、先端画像データ31から原稿幅を取得して、原稿2のサイズが特定原稿に該当するかを判定する。そのため、結果的にエラー処理をする場合に、比較的早いタイミング、つまり原稿2の読取が完了していないタイミングでエラー処理を実行することができ、ユーザーにとっての無駄な時間をできるだけ少なくすることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、制御部11は、先端画像データ31の画素値であって、原稿2の背景となる背景板23に生じる原稿2の影4に相当する画素値のうち、最暗部の画素値に基づいて原稿2の厚みを推定可能である。そして、制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合、前記厚みが所定のしきい値以上であることを、エラー処理を実行しない条件の一つとする、としてもよい。
前記構成によれば、原稿2の厚みに関する判定を加えることで、原稿2が特定原稿に該当するか否かの判定精度をより高め、重送検出部20により重送が検出されても原稿2が特定原稿であればエラー処理をしないという特徴の、実現性を高めることができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、画像読取装置10は、搬送方向D1における読取部18よりも上流の位置に設けられて原稿2を検出する原稿検出部を備える。そして、制御部11は、原稿検出部による原稿2の検出結果に基づいて搬送方向D1における原稿の長さである原稿長を取得可能であり、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合、原稿幅および原稿長に基づいて原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定する、としてもよい。
前記構成によれば、原稿幅だけでなく原稿長も加えて原稿2のサイズを把握することで、原稿2が特定原稿に該当するか否かの判定精度をより高め、重送検出部20により重送が検出されても原稿2が特定原稿であればエラー処理をしないという特徴の、実現性を高めることができる。また、読取部18よりも上流に位置する原稿検出部による検出結果から原稿長を取得することで、原稿2の読取が完了していないタイミングでエラー処理の実行、不実行を決定することができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合、読取部18が原稿2を読み取ることにより生成された画像データ30から搬送方向D1における原稿2の長さである原稿長を取得し、原稿幅および原稿長に基づいて原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定する、としてもよい。
前記構成によれば、原稿幅だけでなく原稿長も加えて原稿2のサイズを把握することで、原稿2が特定原稿に該当するか否かの判定精度をより高め、重送検出部20により重送が検出されても原稿2が特定原稿であればエラー処理をしないという特徴の、実現性を高めることができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合、重送が継続して検出された期間に対応する搬送部17による搬送距離、つまり重送継続長が、プラスチックカードまたはインスタントフィルムの所定の長さに一致することを、エラー処理を実行しない条件の一つとするとしてもよい。
前記構成によれば、重送継続長に関する判定を加えることで、原稿2が特定原稿に該当するか否かの判定精度をより高め、重送検出部20により重送が検出されても原稿2が特定原稿であればエラー処理をしないという特徴の、実現性を高めることができる。
【0065】
第4実施形態の変形例として、
図9のフローチャートにおいて、ステップS120,S130を省いた構成を把握することができる。制御部11は、ステップS110の“Yes”からステップS136へ進むとしてもよい。つまり、制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合、重送が継続して検出された期間に対応する搬送部17による搬送距離が、プラスチックカードまたはインスタントフィルムの所定の長さに一致するか否かを判定し、前記搬送距離がプラスチックカードまたはインスタントフィルムの所定の長さに一致すると判定した場合はエラー処理を実行せず、前記搬送距離がプラスチックカードまたはインスタントフィルムの所定の長さに一致しないと判定した場合はエラー処理を実行する。
【0066】
従来技術のように媒体の角における丸みの度合いを検出し、丸みの度合いに基づいて媒体がプラスチックカードであるか否かを判定したとしても、プラスチックカードと同一形状の用紙をプラスチックカードIと誤判定してしまう虞がある。これに対して、本実施形態のように、原稿2の厚みや重送継続長を判定に加えることで、プラスチックカードではない媒体をプラスチックカードであると誤判定する可能性を、より抑えることが可能となる。
【0067】
なお、特許請求の範囲においては、請求項同士の組み合わせの一部のみを記載しているが、本実施形態は、独立請求項と従属請求項との一対一の組み合わせだけでなく、当然に複数の従属請求項の各種組み合わせを開示範囲に含める。
【0068】
本実施形態は、画像読取装置10以外にも、画像読取方法や、当該方法をプロセッサーと協働して実現するためのプログラム12を開示する。
つまり、画像読取方法は、原稿2を所定の搬送方向D1へ搬送する搬送工程と、搬送される原稿2を読取部18により読み取る読取工程と、搬送方向D1における読取部18よりも上流の位置にて原稿2の重送を検出する重送検出工程と、制御工程と、を備え、制御工程では、重送検出工程により原稿2の重送が検出された場合、読取部18が原稿2の先端部を読み取ることにより生成された画像データ(先端画像データ31)から搬送方向D1に交差する幅方向D2における原稿2の長さである原稿幅を取得し、原稿幅に基づいて原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当するか否かを判定し、原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのサイズに該当すると判定した場合は、重送発生に対応するエラー処理を実行せず、原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルムのいずれのサイズにも該当しないと判定した場合は、エラー処理を実行する。
【0069】
7.第5実施形態:
上述したように重送検出部20は、超音波を送信する送信部20aと、超音波を受信する受信部20bとを備える。
第1~第4実施形態や後述の各適用例のいずれにおいても、制御部11は、重送検出部20により原稿2の重送が検出された場合であって、エラー処理を実行しない場合、送信部20aによる超音波の送信レベルを現在値よりも上げる、としてもよい。原稿2の重送が検出された場合であってエラー処理を実行しない場合とは、ステップS150へ進んだ場合を意味する。
【0070】
図11は、第5実施形態の効果を説明するための図であり、
図10と同様に、重送検出部20の受信部20bにおける受信レベルの変化をグラフにより例示している。
図11内の上段では、送信レベルを上げる前の状態を示し、
図11内の下段では、送信レベルを上げた後の状態を示している。また、
図11では、プラスチックカードの単送時の受信レベルを実線で示し、普通紙の単送時の受信レベルを1点鎖線で示し、普通紙の重送時の受信レベルを2点鎖線で示している。なお、プラスチックカードと普通紙とではサイズが異なるため、送信部20aと受信部20bとの間を通過する期間の長さもプラスチックカードと普通紙とでは当然異なるが、
図11では、そのような期間の長さの違いは無視して、受信レベルの違いのみを分かり易く示している。
【0071】
図11内の上段によれば、普通紙の重送時ほどではないが、プラスチックカードの単送時も受信レベルは大きく落ち込み、しきい値TH1を下回っている。従って、プラスチックカードを単送した場合、ステップS110で“Yes”と判定された上でステップS150へ進むことになる。第5実施形態では、このような場合に、送信部20aによる超音波の送信レベルを現在値よりも上げる。つまり、送信部20aの出力を大きくする。その結果、受信部20bにおける受信レベルが全体的に上がり、
図11内の下段に示すように、普通紙の重送時は受信レベルがしきい値TH1を下回り、プラスチックカードの単送時は受信レベルがしきい値TH1を上回るようにすることができる。そのため、次の原稿2の搬送以降、重送の誤検出を抑制することができる。
【0072】
8.その他の説明:
上述したように、エラー処理は、搬送部17による搬送の停止を含む。ここで、制御部11は、搬送部17に対する制御として、読取部18によるn枚目の原稿2の読み取りが完了したら搬送部17にn+1枚目の原稿2の搬送を開始させる「第1搬送制御」や、読取部18によるn枚目の原稿2の読み取りが完了する前に搬送部17にn+1枚目の原稿2の搬送を開始させる「第2搬送制御」を実行可能である。nは1以上の整数である。第1搬送制御と第2搬送制御とのどちらを実行するかは、例えば、ユーザーによる設定に因る。
【0073】
ある回の搬送工程で搬送される原稿2をn枚目の原稿2と捉えたとき、この原稿2の次の原稿2がn+1枚目の原稿2である。また、n枚目の原稿2が、実際に単送か重送かに関係なく、n枚目の原稿2の次に搬送される予定の原稿2をn+1枚目の原稿2と解釈する。例えば、n枚目として搬送された原稿2が、実際には2枚重なった重送状態であったとしても、この重送の次に搬送される予定の原稿2を、n+2枚目ではなくn+1枚目の原稿2と捉える。
【0074】
第1搬送制御では、制御部11は、例えばn枚目の原稿2の後端が読取部18を通過した後で、n+1枚目の原稿2の搬送を搬送部17に開始させる。一方、第2搬送制御では、制御部11は、n枚目の原稿2が読取部18によって読み取られている最中に、n+1枚目の原稿2の搬送を搬送部17に開始させる。従って、第1搬送制御に比べて、第2搬送制御の方が、連続的に搬送される原稿2と原稿2との間隔が狭い。
【0075】
第1適用例:
第1搬送制御と本実施形態との関係を説明する。第1搬送制御を行う制御部11は、重送検出部20によりn枚目の原稿2の重送が検出された場合、n枚目の原稿2について、そのサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルム、つまり特定原稿のサイズに該当すると判定したら、読取部18によるn枚目の原稿2の読み取りが完了した後に、搬送部17にn+1枚目の原稿2の搬送を開始させる。一方、重送検出部20によりn枚目の原稿2の重送が検出された場合に、n枚目の原稿2のサイズが特定原稿のいずれのサイズにも該当しないと判定したら、エラー処理として、搬送部17によるn+1枚目の原稿2の搬送を停止する。つまり、搬送部17によるn+1枚目の原稿2の搬送を開始しない。
【0076】
これまでの各実施形態を踏まえると“n枚目の原稿2のサイズが特定原稿のサイズに該当すると判定したら”は、ステップS150へ進んだ場合、と言い換え、“n枚目の原稿2のサイズが特定原稿のいずれのサイズにも該当しないと判定したら”は、ステップS140へ進んだ場合、と言い換えることができる。制御部11は、搬送部17によるn+1枚目の原稿2の搬送を停止する場合、n枚目の原稿2については、上述したように、その場で搬送を止めてもよいし、搬送を続けて画像読取装置10の外部へ排出してもよい。
【0077】
第2適用例:
第2搬送制御と本実施形態との関係を説明する。第2適用例および後述の第3適用例については、第1適用例と共通の説明は省略する。第2搬送制御を行う制御部11は、重送検出部20によりn枚目の原稿2の重送が検出された場合、n枚目の原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルム、つまり特定原稿のサイズに該当するか否かを判定するまでn+1枚目の原稿2の搬送開始を保留する。すなわち、第2搬送制御において本来であればn+1枚目の原稿2の搬送を開始可能なタイミングであっても、その時点でステップS140,S150のいずれに進むかを決定できていなければ、その決定をするまでは、n+1枚目の原稿2の搬送開始を保留する。
【0078】
そして、制御部11は、n枚目の原稿2のサイズが特定原稿のサイズに該当すると判定したら、読取部18によるn枚目の原稿2の読み取りが完了する前に、搬送部17にn+1枚目の原稿2の搬送を開始させ、一方、n枚目の原稿2のサイズが特定原稿のいずれのサイズにも該当しないと判定したら、エラー処理として、搬送部17によるn+1枚目の原稿2の搬送を停止する。
【0079】
なお、第2実施形態で説明した第2の原稿長取得方法によれば、原稿長を取得するにはn枚目の原稿2の読取が完了している必要がある。そのため、第2実施形態において第2の原稿長取得方法を採用する場合は、第2適用例や後述の第3適用例と組み合わせることはできない。
【0080】
第3適用例:
第3適用例においても、第2搬送制御と本実施形態との関係を説明する。第2搬送制御を行う制御部11は、重送検出部20によりn枚目の原稿2の重送が検出された場合、n枚目の原稿2のサイズがプラスチックカードまたはインスタントフィルム、つまり特定原稿のサイズに該当すると判定したら、搬送部17にn+2枚目の原稿2の搬送を開始させ、n枚目の原稿2のサイズが特定原稿のいずれのサイズにも該当しないと判定したら、エラー処理として、搬送部17によるn+2枚目の原稿2の搬送を停止する、としてもよい。
【0081】
すなわち、第2適用例はn枚目の原稿2のサイズが特定原稿のサイズに該当するか否かを判定するまでn+1枚目の原稿2の搬送開始を保留するが、第3適用例は、このような保留をしない。前記保留をしないため、第3適用例では、重送検出部20によりn枚目の原稿2の重送が検出され、n枚目の原稿2のサイズが特定原稿のサイズに該当する/しないの判定をした時点で、n+1枚目の原稿2の搬送は既に始まっている。そのため、制御部11は、n枚目の原稿2のサイズが特定原稿のサイズに該当する/しないの判定をしたら、既に搬送中のn+1枚目の原稿2の次の原稿2であるn+2枚目の原稿2について、搬送を開始したり、搬送を停止、つまり搬送を開始しなかったりする。むろん、制御部11は、エラー処理として、搬送部17によるn+2枚目の原稿2の搬送を停止する場合、n枚目およびn+1枚目の原稿2について、その場で搬送を止めてもよいし、搬送を続けて画像読取装置10の外部へ排出してもよい。
このような各適用例においても、これまでに説明した実施形態と同様の効果を生じる。
【符号の説明】
【0082】
2…原稿、3…載置部、4…影、5…インスタントフィルム、10…画像読取装置、11…制御部、12…プログラム、17…搬送部、18…読取部、19…端部センサー、20…重送検出部、20a…送信部、20b…受信部、21…原稿検出センサー、22…搬送経路、23…背景板、30…画像データ、31…先端画像データ、32…原稿領域、32E…先端エッジ