(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073160
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】照明装置、照明装置で利用されるコンピュータプログラム、並びに照明装置の光源制御方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20240522BHJP
F21V 14/08 20060101ALI20240522BHJP
F21V 13/12 20060101ALI20240522BHJP
F21V 13/10 20060101ALI20240522BHJP
F21V 7/09 20060101ALI20240522BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240522BHJP
F21V 11/04 20060101ALI20240522BHJP
F21V 11/06 20060101ALI20240522BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20240522BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240522BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20240522BHJP
【FI】
H05B47/155
F21V14/08
F21V13/12 300
F21V13/10
F21V7/09 500
F21S2/00 492
F21S2/00 496
F21S2/00 497
F21V11/04 100
F21V11/06 510
H05B47/16
H05B45/10
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184228
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】596056678
【氏名又は名称】株式会社 マテリアルハウス
(71)【出願人】
【識別番号】000152424
【氏名又は名称】株式会社日建設計
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】小倉 裕
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 聡子
(72)【発明者】
【氏名】吉田 海
(72)【発明者】
【氏名】海宝 幸一
(72)【発明者】
【氏名】中曽 万里恵
【テーマコード(参考)】
3K244
3K273
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244AA09
3K244BA06
3K244BA21
3K244BA50
3K244CA04
3K244DA01
3K244DA05
3K244DA10
3K244FA07
3K244FA08
3K273PA09
3K273QA14
3K273RA03
3K273RA04
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA32
3K273TA41
3K273TA46
3K273TA47
3K273TA79
3K273TA80
3K273UA02
3K273UA22
3K273UA24
3K273UA25
3K273VA08
(57)【要約】
【課題】照明装置による木漏れ日のような光の再現度を高める。
【解決手段】照明装置10は、複数の光源20と、複数の光源20からの入射光を拡散させる光拡散構造30と、複数の光源20の明るさ及び点滅を個別に制御する光源制御手段40とを含み、光源制御手段40は、複数の光源20に2つ以上の光源20を含む組を設定し、組に含まれる光源20の制御を連動して行う。これにより、組に含まれる光源20内で、明るさや点滅が連動して制御されるため、光が移動したり揺らいだりする態様を表現することができ、あたかも太陽の移動によるうつろいや、枝葉のなびきによる揺らぎといった、木漏れ日のような光の演出を再現することができる。従って、光拡散構造30による光の拡散効果と相まって、木漏れ日のような光の再現度を高めることが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
該複数の光源からの入射光を拡散させる光拡散構造と、
前記複数の光源の明るさ及び点滅を個別に制御する光源制御手段と、を含み、
該光源制御手段は、前記複数の光源に2つ以上の光源を含む組を設定し、該組に含まれる光源の制御を連動して行うことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記光源制御手段は、前記組に含まれる光源を、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化するように繰り返し制御することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記光拡散構造は、前記複数の光源の光軸に対して交差するように配置された複数の鏡面反射板ルーバーを含むことを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源制御手段は、前記組に3つ以上の光源が含まれる場合に、前記組内で一対の光源を選択して該一対の光源を前記反する方向に制御することを、選択する前記一対の光源を変えながら繰り返し実行することを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源制御手段は、前記複数の光源に1つ以上の前記組を設定して該組に含まれる光源を前記反する方向に制御することを、設定時に前記組に含める光源を変えながら繰り返し実行することを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源制御手段は、前記反する方向に繰り返し制御する際の繰り返しの時間間隔と、明るさについて前記反する方向への変化が完了するまでの時間と、明るさについて前記反する方向へ制御する場合の明るさの変化幅とのうち、少なくとも1つをランダムに設定することを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項7】
前記光源制御手段は、明るさについて前記反する方向へ制御する場合に、明るさの変化が完了したらそれまでとは明暗方向を反転させて明るさを変化させることを、繰り返し実行することを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項8】
前記光源制御手段は、前記明暗方向を反転させて明るさを変化させることを、明るさの変化幅を徐々に大きくしながら繰り返し実行し、最終段階で前記組に含まれる何れかの光源を滅灯させることを特徴とする請求項7記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の照明装置における、前記光源制御手段による前記複数の光源の制御を実現するように構成されたことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
照明装置に用いられる複数の光源の明るさ及び点滅を制御する方法であって、
前記複数の光源に、連動して制御を行うための2つ以上の光源を含む組を設定し、
該組に含まれる光源を、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化するように繰り返し制御することを特徴とする照明装置の光源制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を備える照明装置、この照明装置で利用されるコンピュータプログラム、並びに照明装置の光源制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明装置の分野では、単に生活に必要な光を照射するだけに限らず、光によって様々な効果を演出するような試みが為されている。例えば、特許文献1には、異なる方法で点灯制御するLEDを組み合わせて、和ろうそくの炎を再現するような照明器具が開示されている。また、本出願人は、例えば特許文献2に開示されるような光生成装置などによって、木漏れ日のような光を再現することを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5743255号公報
【特許文献2】特許第5294752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、木漏れ日のような光を再現する照明装置には、まだ改善の余地があり、本出願人によって日々、創意工夫が為されている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、照明装置による木漏れ日のような光の再現度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。そのため、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)複数の光源と、該複数の光源からの入射光を拡散させる光拡散構造と、前記複数の光源の明るさ及び点滅を個別に制御する光源制御手段と、を含み、該光源制御手段は、前記複数の光源に2つ以上の光源を含む組を設定し、該組に含まれる光源の制御を連動して行う照明装置。
【0007】
本項に記載の照明装置は、複数の光源、光拡散構造、及び光源制御手段を含み、光拡散構造は、複数の光源の各々から入射される入射光を拡散させる構造及び配置になっている。光源制御手段は、複数の光源を個別に制御するものであって、各光源の明るさと、点滅すなわち点灯/滅灯とを制御する。また、光源制御手段は、複数の光源に2つ以上の光源を含む組を設定し、この際、2つ以上の光源を含む組を複数設定してもよい。そして、光源制御手段は、設定した各組に含まれる光源の制御を連動して行うものである。これにより、各組に含まれる光源内で、明るさや点滅が連動して制御されるため、光が移動したり揺らいだりする態様が表現され、あたかも太陽の移動によるうつろいや、枝葉のなびきによる揺らぎといった、木漏れ日のような光の演出が再現されるものとなる。従って、光拡散構造による光の拡散作用と相まって、木漏れ日のような光の再現度が高められるものとなる。
【0008】
(2)上記(1)項において、前記光源制御手段は、前記組に含まれる光源を、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化するように繰り返し制御する照明装置。
本項に記載の照明装置は、各組に含まれる光源を連動して制御する際に、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化するように繰り返し制御するものである。すなわち、明るさについて制御を行う際には、例えば同じ組に含まれる2つの光源を例として、一方の光源を徐々に明るくするのと同時に、他方の光源を徐々に暗くする制御を、繰り返し実行する。これにより、明るさが徐々に小さくなる光源から出射されて光拡散構造により拡散された光によって照らされている箇所から、明るさが徐々に大きくなる光源から出射されて光拡散構造により拡散された光によって照らされている箇所へと、光が徐々に移動するような演出が繰り返し実行されるものである。
【0009】
これに対し、点滅について制御を行う際には、上述した2つの光源を例にすると、一方の光源を点灯させるのと同時に、他方の光源を滅灯させる制御を、繰り返し実行する。これにより、滅灯した光源から出射されて光拡散構造により拡散された光によって照らされていた箇所から、点灯した光源から出射されて光拡散構造により拡散された光によって照らされている箇所へと、光が瞬時に移動するような演出が繰り返し実行されるものである。これらの演出によって、光の揺らぎやうつろいがよりリアルに再現されるため、木漏れ日のような光の再現度がより一層高められるものとなる。
【0010】
(3)上記(2)項において、前記光拡散構造は、前記複数の光源の光軸に対して交差するように配置された複数の鏡面反射板ルーバーを含む照明装置。
本項に記載の照明装置は、複数の光源からの入射光を拡散させる光拡散構造が、複数の光源の光軸に対して交差するように配置された複数の鏡面反射板ルーバーを含むものである。これにより、各光源からの入射光が、複数の鏡面反射板ルーバーによって繰り返し反射して分割され、様々な方向へ拡散されて出射する。このため、光源制御手段による光源の明るさや点滅の制御との相乗効果により、木漏れ日のような光の再現度が向上するものである。
【0011】
(4)上記(2)項において、前記光源制御手段は、前記組に3つ以上の光源が含まれる場合に、前記組内で一対の光源を選択して該一対の光源を前記反する方向に制御することを、選択する前記一対の光源を変えながら繰り返し実行する照明装置。
本項に記載の照明装置は、複数の光源に設定された組に3つ以上の光源が含まれる場合に、光源制御手段が、その組内での一対の光源の選択とそれらの制御とを、組内で選択する一対の光源を変えながら繰り返し実行するものである。すなわち、光源制御手段は、組内で選択した一対の光源を、上記(2)項に記載したように、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化させた後、同じ組内で少なくとも一方の光源が異なるように別の一対の光源を選択することを、繰り返し実行する。これにより、光が徐々に移動する演出や瞬時に移動する演出が、直前の移動パターンと異なるように行われるため、木漏れ日のような光の演出効果の深みが増すことになる。
【0012】
(5)上記(2)項において、前記光源制御手段は、前記複数の光源に1つ以上の前記組を設定して該組に含まれる光源を前記反する方向に制御することを、設定時に前記組に含める光源を変えながら繰り返し実行する照明装置。
本項に記載の照明装置は、光源制御手段が、複数の光源に1つ以上の組を設定して各組に含まれる光源を上記(2)項に記載したように制御することを、設定時に各組に含める光源を変えながら繰り返し実行するものである。すなわち、光源制御手段は、設定した各組に含まれる光源を、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化させた後、少なくとも1つの組に含まれる光源が変わるように組を設定し直すことを、繰り返し実行する。これによっても、光が徐々に移動する演出や瞬時に移動する演出が、直前の移動パターンと異なるように行われるため、木漏れ日のような光の演出効果の深みが増すことになる。
【0013】
(6)上記(2)項において、前記光源制御手段は、前記反する方向に繰り返し制御する際の繰り返しの時間間隔と、明るさについて前記反する方向への変化が完了するまでの時間と、明るさについて前記反する方向へ制御する場合の明るさの変化幅とのうち、少なくとも1つをランダムに設定する照明装置。
本項に記載の照明装置は、光源制御手段が、組内の光源を反する方向へ制御する際に使用する以下のような3つのパラメータのうち、少なくとも1つをランダムに設定するものである。すなわち、1つ目は、明るさや点滅を反する方向へ繰り返し変化させる際の、繰り返しの時間間隔であり、2つ目は、反する方向への明るさの変化が開始されてから完了するまでの時間であり、3つ目は、明るさを反する方向へ制御する場合の明るさの変化幅である。このような制御により、木漏れ日のような光の演出に無作為性が付与されるため、自然の木漏れ日により近い演出が実現されるものとなる。
【0014】
(7)上記(2)項において、前記光源制御手段は、明るさについて前記反する方向へ制御する場合に、明るさの変化が完了したらそれまでとは明暗方向を反転させて明るさを変化させることを、繰り返し実行する照明装置。
本項に記載の照明装置は、光源制御手段が、上記(2)項に記載したような、組内の光源の互いに反する方向への制御を、明るさについて実行する場合に、明暗方向を反転させながら繰り返し制御するものである。すなわち、光源制御手段は、組内のある光源が徐々に明るくなるのと同時に組内の別の光源が徐々に暗くなるような、反する方向への明るさの変化が完了したら、それまでとは明暗方向を反転させて、上記のある光源が徐々に暗くなるのと同時に上記の別の光源が徐々に明るくなるように、明るさを変化させることを繰り返し実行する。これにより、上記のある光源から出射されて光拡散構造により拡散された光によって照らされている箇所と、上記の別の光源から出射されて光拡散構造により拡散された光によって照らされている箇所との間で、光が徐々に移動するような演出が、移動方向を反転させながら繰り返し行われる。このため、枝葉の間からチラチラするような光が再現されるものとなり、木漏れ日のような光の再現度が高められるものである。
【0015】
(8)上記(7)項において、前記光源制御手段は、前記明暗方向を反転させて明るさを変化させることを、明るさの変化幅を徐々に大きくしながら繰り返し実行し、最終段階で前記組に含まれる何れかの光源を滅灯させる照明装置。
本項に記載の照明装置は、上記(7)項に記載したように明暗方向を反転させながら明るさを繰り返し変化させる際に、光源制御手段が、明るさの変化幅を徐々に大きくしながら制御するものである。すなわち、組内のある光源が徐々に明るくなるのと同時に組内の別の光源が徐々に暗くなるような、反する方向への明るさの変化が完了したら、それまでとは明暗方向を反転させると共に、それまでよりも明るさの変化幅を大きくして、上記のある光源が徐々に暗くなるのと同時に上記の別の光源が徐々に明るくなるように、明るさを変化させることを繰り返し実行する。
【0016】
或いは、光源制御手段は、ある光源を徐々に明るくするのと同時に別の光源を徐々に暗くする制御の後、ある光源を徐々に暗くするのと同時に別の光源を徐々に明るくする制御が終わったタイミングで、それまでよりも明るさの変化幅を大きくしてもよい。そして、光源制御手段は、上記のような制御によって、明方向に変化させる光源が最大の明るさに近くなり、暗方向に変化させる光源が滅灯に近い明るさになってきたら、暗方向に変化させる光源を最終的に滅灯させる。これにより、ある箇所から別の箇所へ移動し、その別の箇所からある箇所へ戻るといった光の揺れが、明るさを徐々に大きくしながら再現され、最終的には何れかの箇所に光がとどまるため、木漏れ日の光の揺れが高精度で再現されるものである。
【0017】
(9)上記(1)から(8)のいずれか1項の照明装置における、前記光源制御手段による前記複数の光源の制御を実現するように構成されたコンピュータプログラム。
本項に記載のコンピュータプログラムは、上記(1)から(8)項に記載した照明装置の光源制御手段による、複数の光源に対する制御を実現するように構成されたものである。これにより、上記(1)から(8)項で言及したような光源制御手段の様々な制御が、光源制御手段を構成するハードウェアに実装されるコンピュータプログラムによって、柔軟かつ容易に実現されるものである。
【0018】
(10)照明装置に用いられる複数の光源の明るさ及び点滅を制御する方法であって、前記複数の光源に、連動して制御を行うための2つ以上の光源を含む組を設定し、該組に含まれる光源を、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化するように繰り返し制御する照明装置の光源制御方法。
本項に記載の照明装置の光源制御方法は、上記(1)項の照明装置や上記(9)項のコンピュータプログラムにより実行されることで、上記(1)項の照明装置や上記(9)項のコンピュータプログラムと同様の作用を奏するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明はこのように構成したので、照明装置による木漏れ日のような光の再現度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係る照明装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る照明装置に用いる光拡散構造の一例を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る照明装置に用いる光拡散構造の、
図2と異なる例を示す斜視図及び側方からの断面図である。
【
図4】組に含まれる2つの光源が制御される様子を示すイメージ図である。
【
図5】組に含まれる3つ以上の光源が制御される様子を示すイメージ図である。
【
図6】各組に含まれる光源を変えながら組を繰り返し設定する様子を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、図面の全体にわたって、同一部分又は対応する部分は、同一符号で示している。また、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る照明装置10の構成の一例を示している。図示のように、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、複数の光源20、光拡散構造30、及び光源制御手段40を含んでいる。なお、
図1では、照明装置10に必要なその他の構成要素の図示を省略している。複数の光源20は、照明装置10から照射するための光を発生するためのものであり、その数量は、照明装置10に求められる光量の要件を満たすように、2つ以上から任意に設定される。また、光源20には、照明装置10に求められる光量などに応じて、LED、蛍光灯、白熱灯といった任意の光源を使用してよい。
【0022】
光拡散構造30は、複数の光源20から入射される光を拡散させるものであって、例えば、
図2及び
図3に示すような構成を有している。
図2に示される光拡散構造30は、縦型の光拡散構造30Aであって、内面が鏡面加工された無蓋無底の筐体50の内部に、複数の鏡面反射板ルーバー32が4層に配置された構成を有している。なお、
図2では、説明の便宜上、筐体50の図中左手前側の一面を透過して図示している。一番上側の層の複数の鏡面反射板ルーバー32(32A)は、略くの字状に折り曲げられて平行に並べられた構造を有し、光拡散構造30Aの上方に設置される図示しない複数の光源20からの入射光の方向を整えるための、整列フィルターの役割を果たすものである。このため、複数の光源20の設置位置などに応じて、各光源20からの入射光の方向を整える必要性がない場合は、一番上側の層の複数の鏡面反射板ルーバー32Aが設置されなくてもよい。
【0023】
上から2番目の層の複数の鏡面反射板ルーバー32(32B)と、上から3番目の層の複数の鏡面反射板ルーバー32(32C)とは、平行に並べられた略矩形の両面反射板が、互いに略直交するように配置されることで、格子状のフィルターを形成している。これらの複数の鏡面反射板ルーバー32B及び32Cは、複数の鏡面反射板ルーバー32Aを通過して或いは複数の光源20から直接的に入射する光を、分割する役割を担っている。一番下側の層の複数の鏡面反射板ルーバー32(32D)は、略くの字状に折り曲げられて平行に並べられた構造を有し、複数の鏡面反射板ルーバー32B及び32Cを通過した光を拡散させて、筐体50の底側から出射させる。このような構成を有する光拡散構造30Aは、複数の鏡面反射板ルーバー32のうちの少なくとも一部が、光拡散構造30Aの上方に設置される図示しない光源20の光軸と交差するように配置されている。
【0024】
これに対し、
図3に示される光拡散構造30は、横型の光拡散構造30Bであって、内面が鏡面加工された略直方体状の筐体50の内部に、大略3種類の複数の鏡面反射板ルーバー32(32E~32G)が配置された構成を有している。なお、
図3では、説明の便宜上、筐体50の図中上側の面の一部及び右手前側の面の一部を透過して図示している。また、筐体50の内部には、複数の光源20として2つの光源20が設置されており、光源20の各々の光軸が、複数の鏡面反射板ルーバー32の方へ向けられている。筐体50には、複数の鏡面反射板ルーバー32Gが配置された領域の下面側に、略矩形の開口部52が設けられている。複数の鏡面反射板ルーバー32Eは、2つの光源20の光軸と交差するように格子状に組まれた両面反射板が、筐体50の幅方向(
図3(b)における紙面と直交する方向)に並べられた構造であり、その各格子の中を通過する入射光を分割して向きを均一化する格子フィルターの機能を果たすものである。
【0025】
複数の鏡面反射板ルーバー32Fは、略くの字状に折り曲げられて立設された複数の両面反射板が、互いの反射板を対向する態様で筐体50の幅方向に並べられた構造を有し、複数の鏡面反射板ルーバー32Eを通過した光を分割する役割を担っている。複数の鏡面反射板ルーバー32Gは、ジクザグ状に折り曲げられて筐体50の幅方向に延在する複数の両面反射板が、筐体50の長手方向(
図3(b)における左右方向)に並べられた構造を有している。ジクザグ状の複数の両面反射板は、光の入射側(
図3(b)における右側)に向かって下向きに傾斜して配置され、特に
図3(b)で確認できるように、光の入射側から遠くなるにつれて高さが高くなるような大きさに設定されている。このような複数の鏡面反射板ルーバー32Gは、複数の鏡面反射板ルーバー32Fを通過した光を分割しながら、その下方の開口部52を介して出射するようになっている。
【0026】
図2及び
図3に示した複数の鏡面反射板ルーバー32(32A~32G)の各々は、例えば、鏡面加工されたアルミニウムやステンレス、或いは、反射膜を貼り付け又は蒸着した樹脂やガラスなどで形成される。また、筐体50の内面についても、鏡面反射板ルーバー32と同じように形成されてよい。
なお、光拡散構造30は、
図2及び
図3に示すような構成に限定されるものではなく、例えば、複数の鏡面反射板ルーバー32を1列のみ含むものや、鏡面反射板ルーバー32とは別の光を拡散させる構造を含むものなど、任意の構成であってよい。
【0027】
図1に戻り、光源制御手段40は、複数の光源20を個別に制御するものであって、各光源20の明るさと、各光源20の点滅(点灯/滅灯)とを制御する。このため、光源制御手段40は、複数の光源20の各々と、それらを制御可能に直接的或いは間接的に接続される。光源制御手段40は、その詳しい制御内容については後述するが、複数の光源20に2つ以上の光源20を含む組を1つ以上設定し、各組に含まれる光源20の制御を連動して行うものである。このような連動の制御として、光源制御手段40は、これに限定されるものではないが、本実施形態では、各組に含まれる光源20を、明るさや点滅について互いに反する方向に変化するように制御する。ここで、明るさについての反する方向とは、明るさを徐々に大きくする明方向と、明るさを徐々に小さくする暗方向とであり、点滅についての反する方向とは、点灯と滅灯とである。光源制御手段40は、上記のように複数の光源20を制御するものであれば任意の構成であってよく、例えば、任意のハードウェアに、複数の光源20の制御を実現するように構成されたコンピュータプログラムを実装した構成であってもよい。
【0028】
次に、
図4~
図6を参照しながら、光源制御手段40による複数の光源20の制御内容について詳細に説明する。なお、
図4~
図6では、特に断り書きのない限り、「○」が各光源20を示し、「○」内の数値が各光源20の明るさを示し、矢印が変化の方向を示している。各光源20の明るさは、これに限定されるものではないが、説明の便宜上、暗から明の方向で「0」から「8」の8段階で示すものとし、明るさが「0」の場合は滅灯であるため、「○」内に数値を付す代わりに「●」で示すものとする。また、「○」内に数値が付されていない場合は、単に光源20が点灯していることを示すものとし、このときの明るさは任意に設定してよい。また、
図4~
図6に示される「○」又は「●」の並び方は、複数の光源20の実際の配置関係を示すものではない。
【0029】
まず、
図4を参照して、光源制御手段40が2つの光源20を含む組を設定した場合について説明する。このような場合には、光源20の数量が2つでそれらを組に設定した場合、光源20の数量が3つ以上でそれらのうちの2つの光源20が同じ組に設定された場合などが含まれる。光源制御手段40は、点滅について反する方向へ変化させる場合には、
図4(a)に示すように、一方の光源20が点灯すると共に他方の光源20が滅灯した状態と、一方の光源20が滅灯すると共に他方の光源20が点灯した状態とが、繰り返されるように制御する。また、光源制御手段40は、明るさについて反する方向へ変化させる場合には、
図4(b)に示すように、一方の光源20の明るさが徐々に小さくなると共に、他方の光源20の明るさが徐々に大きくなるように制御し、このような制御を繰り返し実行してもよい。このとき、明るさを変化させる幅は、
図4(b)のような大きさ(「1」から「7」までの6段階)に限らず、もっと小さく或いは大きく変化幅を設定してもよい。また、明るさを徐々に小さくする暗方向の制御では、必ずしも最後に滅灯させる必要はない。
【0030】
また、光源制御手段40は、
図4(b)のような変化が完了したら、
図4(c)に示すように、それまでとは変化の明暗方向を反転させて、一方の光源20の明るさが徐々に大きくなると共に、他方の光源20の明るさが徐々に小さくなるように制御してもよく、
図4(b)のような制御と
図4(c)のような制御とを交互に繰り返し実行してもよい。更に、光源制御手段40は、
図4(d)に示すように、2つの光源20を反する方向に変化させることを、明暗方向を反転させると共に、明るさの変化幅を徐々に大きくしながら、繰り返し実行してもよい。すなわち、
図4(d)では、明るさの変化幅が、「3」から「5」の2段階から、「2」から「6」の4段階、「1」から「7」の6段階、「0」(滅灯)から「8」の8段階へと、徐々に大きくなっている。また、光源制御手段40は、ある一定の明るさの変化幅で2つの光源20を反する方向に変化させることを、明暗方向を反転させて1往復以上行った後に、それまでよりも大きい一定の明るさの変化幅で2つの光源20を反する方向に変化させることを、明暗方向を反転させて1往復以上行う、といったことを繰り返してもよい。何れの場合であっても、このような明るさの変化の最終段階では、一方の光源20を滅灯させることが好ましい。
【0031】
続いて、
図5を参照して、光源制御手段40が3つ以上の光源20を含む組を設定した場合について説明する。このような場合には、光源20の数量が3つ以上でそれらの全てを同じ組に設定した場合、光源20の数量が4つ以上でそれらのうちの3つ以上の光源20が同じ組に設定された場合などが含まれる。光源制御手段40は、同じ組に含まれる3つ以上の光源20を制御する場合は、例えば、組内で一対の光源20を選択してこれら一対の光源20を反する方向に変化させる制御を、選択する一対の光源20を変えながら繰り返し実行する。すなわち、例えば3つの光源20を点滅について反する方向へ変化させる際には、
図5(a)に示すように、まず図中左側及び中央の光源20を一対の光源20として選択し、左側の光源20を点灯から滅灯へと変化させるのと同時に、中央の光源20を滅灯から点灯へと変化させる。次に、図中中央及び右側の光源20を一対の光源20として選択し、中央の光源20を点灯から滅灯へと変化させるのと同時に、右側の光源20を滅灯から点灯へと変化させる。このような制御を、組内で選択する一対の光源20を変えながら繰り返すものである。
【0032】
また、光源制御手段40は、3つの光源20を明るさについて反する方向へ変化させる際には、
図5(b)に示すように、まず図中左側及び中央の光源20を一対の光源20として選択し、左側の光源20を徐々に暗くさせるのと同時に、中央の光源20を徐々に明るくさせる。
図5(b)では、これに限定されるものではないが、明るさが「7」から「1」或いはその逆に変化する様子を、途中の明るさの数値を省略して例示している。次に、図中中央及び右側の光源20を一対の光源20として選択し、中央の光源20を徐々に暗くさせるのと同時に、右側の光源20を徐々に明るくさせる。このような制御を、組内で選択する一対の光源20を変えながら繰り返すものである。更に、光源制御手段40は、
図4(b)~(d)を参照して説明したような、同じ組に含まれる2つの光源20の明るさを変化させる制御と同様の制御を、3つ以上の光源20を含む組から選択した一対の光源20に対して適用してもよく、それを選択する一対の光源20を変えながら繰り返してもよい。
【0033】
また、光源制御手段40は、同じ組に含まれる3つ以上の光源20を、それらの位置関係などに基づいて2つのグループに分け、これら2つのグループを互いに反する方向に変化させるように制御してもよい。すなわち、例えば同じ組に含まれる4つの光源20を点滅について反する方向へ変化させる際には、
図5(c)に示すように、まず図中一番左の光源20及び右から2番目の光源20を一方のグループとして、図中左から2番目の光源20及び一番右の光源20を他方のグループとして選択する。そして、一方のグループの光源20が点灯すると共に他方のグループの光源20が滅灯した状態と、一方のグループの光源20が滅灯すると共に他方のグループの光源20が点灯した状態とが、繰り返されるように制御する。
【0034】
同様に、同じ組に含まれる4つの光源20を明るさについて反する方向へ変化させる際には、光源制御手段40は、
図5(d)に示すように、一方のグループの光源20を徐々に暗くさせるのと同時に、他方のグループの光源20を徐々に明るくさせる。
図5(d)では、これに限定されるものではないが、明るさが「7」から「1」或いはその逆に変化する様子を、途中の明るさの数値を省略して例示している。更に、光源制御手段40は、
図4(b)~(d)を参照して説明したような、同じ組に含まれる2つの光源20の明るさを変化させる制御と同様の制御を、同じ組に含まれる4つ以上の光源20を分けた2つのグループに対して適用してもよい。
【0035】
次に、
図6を参照して、複数の光源20に複数の組を設定する場合について説明する。なお、
図6では、「○」内のアルファベットが各組を表すものとする。光源制御手段40は、複数の光源20として4つ以上の光源20が含まれる場合は、複数の光源20に複数の組を設定してもよい。
図6には、複数の光源20として6つの光源20が含まれる例を示しており、光源制御手段40は、例えば
図6(a)に示すように、図中中央より左側の3つの光源20を組Aとして設定し、図中右から3番目及び2番目の光源20を組Bとすて設定する。そして、組A及び組Bの各々について、
図4及び
図5を参照して説明したような制御を行い、明るさや点滅についての一連の変化が終了したら、光源制御手段40は、変化が終了した組の設定を再度行う。
【0036】
ここでは、例えば組Aの変化が先に終了したものとし、組Aに含まれる光源20が変わるように、組Aの設定を再度行う。例えば
図6(b)に示すように、図中左から2番目の光源20と一番右の光源20とを、新たな組Aとして設定する。そして、組Bの変化が終了した際には、組Bに含まれる光源20が変わるように、例えば
図6(c)に示すように、図中一番左の光源20と、左から3番目の光源20と、右から2番目の光源20とを、新たな組Bとして設定する。更に、新たな組Aの変化が終了した際には、組Aに含まれる光源20が変わるように、例えば
図6(d)に示すように、図中右から3番目の光源20と一番右の光源20とを、再び新たな組Aとして設定する。以降は、2つの組A、Bの何れかの変化が終わる度に、変化が終わった組に含まれる光源20が変わるようにその組を設定し直して、組内の光源20を制御することを、繰り返し実行する。なお、一度設定した組を変えることなく、常に同じ光源20が含まれる組に対して、一連の制御を繰り返し実行することとしてもよい。
【0037】
ここで、複数の光源20に設定する組の数は、1つや2つに限定されるものではなく、光源20の数量に応じて3つ以上の組を設定してもよい。この場合であっても、各組に対して行う制御は、組が1つや2つの場合と同じである。また、
図6に示すように、何れの組にも含まれない光源20が存在してもよい。このような何れの組にも含まれない光源20は、今現在点灯している場合は現在の明るさを維持するように、滅灯している場合はその状態を維持するように、或いは、各組に含まれる光源20とは異なる制御パターンで明るさや点滅が変化するように、個別に制御してよい。更に、組には含まれるが現在の変化の対象にはなっていない光源20は、今現在点灯している場合は現在の明るさを維持するように、滅灯している場合はその状態を維持するように制御される。
【0038】
なお、光源制御手段40により、上述した制御を行う際に使用する各パラメータには、予め設定したものを用いてもよく、ランダムに設定したものを用いてもよい。このようなパラメータには、同じ制御を繰り返す際の繰り返しの時間間隔、明るさを変化させる場合の明るさの変化幅、明るさを変化させる場合の変化の始まりから終わりまでの時間などが含まれる。更に、組を設定する際に各組に含める光源20、組内で選択する一対の光源20、組内の光源20をグループ分けする際に各グループに含める光源20などは、複数の光源20の実際の位置関係などに基づいて規則性を持たせて設定してもよく、ランダムに設定してもよい。また、明るさを変化させる制御は、
図4及び
図5に数値で示したように明らかに段階的に変化させるのではなく、変化の最小の明るさから最大の明るさへ、或いは最大の明るさから最小の明るさへ、滑らかに変化させるものとする。
【0039】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、
図1に示すように、複数の光源20、光拡散構造30、及び光源制御手段40を含み、光拡散構造30は、複数の光源20の各々から入射される入射光を拡散させる構造及び配置になっている(例えば
図2及び
図3参照)。光源制御手段40は、複数の光源20を個別に制御するものであって、各光源20の明るさと、点滅すなわち点灯/滅灯とを制御する。また、光源制御手段40は、複数の光源20に2つ以上の光源20を含む組を設定し、この際、2つ以上の光源20を含む組を複数設定してもよい。そして、光源制御手段40は、設定した各組に含まれる光源20の制御を連動して行うものである。これにより、各組に含まれる光源20内で、明るさや点滅が連動して制御されるため、光が移動したり揺らいだりする態様を表現することができ、あたかも太陽の移動によるうつろいや、枝葉のなびきによる揺らぎといった、木漏れ日のような光の演出を再現することができる。従って、光拡散構造30による光の拡散効果と相まって、木漏れ日のような光の再現度を高めることが可能となる。
【0040】
また、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、各組に含まれる光源20を連動して制御する際に、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化するように繰り返し制御するものである。すなわち、明るさについて制御を行う際には、例えば同じ組に含まれる2つの光源20を例とすると、
図4(b)に示すように、一方の光源20を徐々に明るくするのと同時に、他方の光源20を徐々に暗くする制御を、繰り返し実行する。これにより、明るさが徐々に小さくなる光源20から出射されて光拡散構造30により拡散された光によって照らされている箇所から、明るさが徐々に大きくなる光源20から出射されて光拡散構造30により拡散された光によって照らされている箇所へと、光が徐々に移動するような演出を繰り返し実行することができる。
【0041】
これに対し、点滅について制御を行う際には、上述した2つの光源20を例にすると、
図4(a)に示すように、一方の光源20を点灯させるのと同時に、他方の光源20を滅灯させる制御を、繰り返し実行する。これにより、滅灯した光源20から出射されて光拡散構造30により拡散された光によって照らされていた箇所から、点灯した光源20から出射されて光拡散構造30により拡散された光によって照らされている箇所へと、光が瞬時に移動するような演出を繰り返し実行することができる。これらの演出によって、光の揺らぎやうつろいをよりリアルに再現することができるため、木漏れ日のような光の再現度をより一層高めることが可能となる。
【0042】
更に、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、複数の光源20からの入射光を拡散させる光拡散構造30が、例えば
図2及び
図3に示されるような、複数の光源20の光軸に対して交差するように配置された複数の鏡面反射板ルーバー32を含むものである。これにより、各光源20からの入射光を、複数の鏡面反射板ルーバー32によって繰り返し反射して分割し、様々な方向へ拡散させて出射することができる。このため、光源制御手段40による光源20の明るさや点滅の制御との相乗効果により、木漏れ日のような光の再現度を向上させることができる。
【0043】
また、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、光源制御手段40が、組内の光源20の互いに反する方向への制御を、明るさについて実行する場合に、明暗方向を反転させながら繰り返し制御するものである。すなわち、光源制御手段40は、組内のある光源20が徐々に明るくなるのと同時に組内の別の光源20が徐々に暗くなるような、反する方向への明るさの変化が完了したら(
図4(b)参照)、それまでとは明暗方向を反転させて、上記のある光源20が徐々に暗くなるのと同時に上記の別の光源20が徐々に明るくなるように、明るさを変化させる(
図4(c)参照)ことを繰り返し実行する。これにより、上記のある光源20から出射されて光拡散構造30により拡散された光によって照らされている箇所と、上記の別の光源20から出射されて光拡散構造30により拡散された光によって照らされている箇所との間で、光が徐々に移動するような演出が、移動方向を反転させながら繰り返し行われる。このため、枝葉の間からチラチラするような光を再現することができ、木漏れ日のような光の再現度を高めることが可能となる。
【0044】
更に、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、上述したように明暗方向を反転させながら明るさを繰り返し変化させる際に、光源制御手段40が、明るさの変化幅を徐々に大きくしながら制御するものである。すなわち、例えば
図4(d)に示すように、組内のある光源20が徐々に明るくなるのと同時に組内の別の光源20が徐々に暗くなるような、反する方向への明るさの変化が完了したら、それまでとは明暗方向を反転させると共に、それまでよりも明るさの変化幅を大きくして、上記のある光源20が徐々に暗くなるのと同時に上記の別の光源20が徐々に明るくなるように、明るさを変化させることを繰り返し実行する。
【0045】
或いは、光源制御手段40は、ある光源20を徐々に明るくするのと同時に別の光源20を徐々に暗くする制御の後、ある光源20を徐々に暗くするのと同時に別の光源20を徐々に明るくする制御が終わったタイミングで、それまでよりも明るさの変化幅を大きくしてもよい。そして、光源制御手段40は、上記のような制御によって、明方向に変化させる光源20が最大の明るさに近くなり、暗方向に変化させる光源20が滅灯に近い明るさになってきたら、暗方向に変化させる光源20を最終的に滅灯させる。これにより、ある箇所から別の箇所へ移動し、その別の箇所からある箇所へ戻るといった光の揺れを、明るさを徐々に大きくしながら再現することができ、最終的には何れかの箇所に光がとどまるように演出できるため、木漏れ日の光の揺れを高精度で再現することが可能となる。
【0046】
また、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、複数の光源20に設定された組に3つ以上の光源20が含まれる場合に、光源制御手段40が、その組内での一対の光源20の選択とそれらの制御とを、組内で選択する一対の光源20を変えながら繰り返し実行するものである。すなわち、光源制御手段40は、例えば
図5(a)及び(b)に示すように、組内で選択した一対の光源20を、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化させた後、同じ組内で少なくとも一方の光源20が異なるように別の一対の光源20を選択することを、繰り返し実行する。これにより、光が徐々に移動する演出や瞬時に移動する演出を、直前の移動パターンと異なるように実行することができるため、木漏れ日のような光の演出効果の深みを増大させることができる。
【0047】
更に、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、光源制御手段40が、複数の光源20に1つ以上の組を設定して各組に含まれる光源20を反する方向に制御することを、設定時に各組に含める光源20を変えながら繰り返し実行するものである。すなわち、光源制御手段40は、例えば
図6に示すように、設定した各組に含まれる光源20を、明るさ及び/又は点滅について互いに反する方向に変化させた後、少なくとも1つの組に含まれる光源20が変わるように組を設定し直すことを、繰り返し実行する。これによっても、光が徐々に移動する演出や瞬時に移動する演出を、直前の移動パターンと異なるように実行することができるため、木漏れ日のような光の演出効果の深みを増大させることが可能となる。
【0048】
加えて、本発明の実施の形態に係る照明装置10は、光源制御手段40が、組内の光源20を反する方向へ制御する際に使用する以下のような3つのパラメータのうち、少なくとも1つをランダムに設定するものである。すなわち、1つ目は、明るさや点滅を反する方向へ繰り返し変化させる際の、繰り返しの時間間隔であり、2つ目は、反する方向への明るさの変化が開始されてから完了するまでの時間であり、3つ目は、明るさを反する方向へ制御する場合の明るさの変化幅である。このような制御により、木漏れ日のような光の演出に無作為性を付与することができるため、自然の木漏れ日により近い演出を実現することが可能となる。
【0049】
一方、本発明の実施の形態に係るコンピュータプログラムは、照明装置10の光源制御手段40による、複数の光源20に対する制御を実現するように構成されたものである。これにより、上述したような光源制御手段40の様々な制御を、光源制御手段40を構成するハードウェアに実装されるコンピュータプログラムによって、柔軟かつ容易に実現することができる。
他方、本発明の実施の形態に係る照明装置の光源制御方法は、上述した照明装置10やコンピュータプログラムにより実行されることで、照明装置10や上記のコンピュータプログラムと同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0050】
10:照明装置、20:光源、30(30A、30B):光拡散構造、32(32A~32G):鏡面反射板ルーバー、40:光源制御手段