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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073167
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】ステントグラフト
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/07 20130101AFI20240522BHJP
【FI】
A61F2/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184236
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】594170727
【氏名又は名称】日本ライフライン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】豊田 悠暉
(72)【発明者】
【氏名】永野 順也
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼濱 晃大
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA15
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC05
4C097CC17
4C097DD09
4C097DD10
4C097DD11
4C097EE02
4C097EE06
(57)【要約】
【課題】管腔臓器の曲げ部に対する柔軟性を高めることのできるステントグラフトを提供する。
【解決手段】主グラフト20と、主グラフト20に対して軸方向に間隔を空けた複数の接続位置Pa1、Pa2で接続されるステント体22と、を備え、ステント体22は、第1の接続位置Pa1から第2の接続位置Pa2までの接続範囲Raのうちの一部の軸方向範囲に設けられ、主グラフト20の形状を保持可能なステント部材により構成される少なくとも一つの高曲げ剛性部32A,32Bと、接続範囲Raにおける残りの軸方向範囲に設けられ、高曲げ剛性部32A,32Bよりも曲げ剛性の低い低曲げ剛性部34と、を備えるステントグラフト。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主グラフトと、
前記主グラフトに対して軸方向に間隔を空けた複数の接続位置で接続されるステント体と、を備え、
前記ステント体は、
第1の前記接続位置から第2の前記接続位置までの接続範囲のうちの一部の軸方向範囲に設けられ、前記主グラフトの形状を保持可能なステント部材により構成される少なくとも一つの高曲げ剛性部と、
前記接続範囲における残りの軸方向範囲に設けられ、前記高曲げ剛性部よりも曲げ剛性の低い低曲げ剛性部と、を備えるステントグラフト。
【請求項2】
前記ステント体は、前記少なくとも一つの高曲げ剛性部として、前記軸方向に間を空けて配置される複数の高曲げ剛性部を備え、
前記低曲げ剛性部は、前記軸方向に隣り合う前記高曲げ剛性部を連結する請求項1に記載のステントグラフト。
【請求項3】
前記複数の高曲げ剛性部は、前記接続範囲の前記軸方向両端側に個別に設けられる一対の端側高曲げ剛性部を含み、
前記ステント体は、前記一対の端側高曲げ剛性部においてのみ前記主グラフトに接続される請求項2に記載のステントグラフト。
【請求項4】
前記端側高曲げ剛性部は、前記軸方向全範囲のうちの一箇所でのみ前記主グラフトに接続される請求項3に記載のステントグラフト。
【請求項5】
前記低曲げ剛性部は、当該低曲げ剛性部と径方向に重なる位置における前記主グラフトのキンクを抑制可能である請求項2に記載のステントグラフト。
【請求項6】
前記低曲げ剛性部は、前記主グラフトとは別体のグラフトである副グラフトにより構成される請求項5に記載のステントグラフト。
【請求項7】
前記副グラフトは、前記軸方向に向かって山部と谷部を交互に繰り返す蛇腹構造を持つ請求項6に記載のステントグラフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステントグラフトに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、グラフトと、グラフトの形状を保持するステントとを備えるステントグラフトを開示する。特許文献1のステントは網状かつ筒状に編んだ編組ステントにより構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-110779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ステントグラフトは管腔臓器の曲げ部内に配置する場合がある。本願発明者は、このような場合に、管腔臓器の曲げ部に対する柔軟性を高めるうえで、特許文献1のステントグラフトに関して改良の余地があるとの認識を得た。
【0005】
本開示の目的の1つは、管腔臓器の曲げ部に対する柔軟性を高めることのできるステントグラフトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のステントグラフトは、主グラフトと、前記主グラフトに対して軸方向に間隔を空けた複数の接続位置で接続されるステント体と、を備え、前記ステント体は、第1の前記接続位置から第2の前記接続位置までの接続範囲のうちの一部の軸方向範囲に設けられ、前記主グラフトの形状を保持可能なステント部材により構成される少なくとも一つの高曲げ剛性部と、前記接続範囲における残りの軸方向範囲に設けられ、前記高曲げ剛性部よりも曲げ剛性の低い低曲げ剛性部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示のステントグラフトによれば、管腔臓器内に配置する場合に、管腔臓器の曲げ部に対する柔軟性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のステントグラフトの利用シーンを示す模式図である。
図2】実施形態のステントグラフトを模式的に示す部分断面側面図である。
図3】実施形態のステント体の一部の展開図である。
図4A】曲げ試験の説明図である。
図4B】曲げ角度-曲げ荷重曲線の説明図である。
図5A】参考形態のステントグラフトの模式的な部分断面側面図である。
図5B】参考形態のステントグラフトの使用状態を模式的に示す第1の説明図である。
図5C】参考形態のステントグラフトの使用状態を模式的に示す第2の説明図である。
図6A】実施形態のステントグラフトの模式的な部分断面側面図である。
図6B】実施形態のステントグラフトの使用状態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための実施形態を説明する。同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0010】
図1を参照する。ここでは、実施形態のステントグラフト10を用いる術式としてOSG(open stent grafting:オープンステントグラフト内挿術)法を例に説明する。また、ここでは、大動脈12の下行大動脈12aに生じた動脈瘤14を治療対象とする例を説明する。ステントグラフト10を用いた術式はOSG法に限定されず、EVAR(EndoVascular Aneurysm Repair)法、TEVAR(Thoracic EndoVascular Aortic Repair)法等の各種術式に採用してもよい。
【0011】
OSG法では、患者の胸部を開胸後、大動脈12の一部を切開する。この後、デリバリー装置(不図示)を用いて大動脈12の切開部12bから縮径された状態のステントグラフト10を方向Daに挿入する。この後、デリバリー装置を用いて、動脈瘤14の内側にステントグラフト10を到達させる。この後、ステント体22(後述する)の自己拡張力によりステントグラフト10が大動脈12の内腔面に張り付けられる。これにより、ステントグラフト10の主グラフト20により動脈瘤14が内側から覆われ、主グラフト20内を血液等の通流経路として利用できるようになる。この後、ステントグラフト10の中枢側端部(後述の非ステント領域30)と血管とを吻合し、必要な他の後処置をして施術を完了する。なお、ここでの中枢側は大動脈12における心臓側をいい、それとは反対側を末梢側という。
【0012】
このようにステントグラフト10は、管腔臓器16における被治療部18を内側から覆うように配置され、ステント体22の自己拡張力により管腔臓器16の内腔面に張り付けられる。ここでの管腔臓器16は、ここで挙げた大動脈12等の血管の他にも、例えば、大腸等の消化管等を含む。被治療部18は、ここで挙げた動脈瘤14等の瘤の他にも、例えば、動脈解離等の血管の脈解離箇所、消化管の閉塞箇所等となる。この被治療部18が瘤である場合、ステントグラフト10により瘤を内側から覆うことで、瘤に血圧を作用させ難くすることができる。被治療部18が血管の脈解離部分である場合、その解離部分の内膜をステントグラフト10により外膜に押し付け、偽腔内において血流を停滞させることで血栓化させ、それにより外膜に血圧を作用させ難くすることができる。被治療部18が消化管の閉塞箇所である場合、ステントグラフト10により閉塞箇所を押し広げることで、その閉塞を解除することができる。
【0013】
図1図2を参照する。ステントグラフト10は、管腔臓器16内に配置される主グラフト20と、主グラフト20に対して軸方向Xに間隔を空けた複数の接続位置Pa1、Pa2で接続されるステント体22と、を備える。ステント体22は、自身の少なくとも一部となるステント部材40(後述する)により、主グラフト20を拡張させた状態で、管腔臓器16内での主グラフト20の形状を保持可能である。本実施形態ではステント部材40の自己拡張力により主グラフト20の形状を保持可能である。ここでの「自己拡張力」とは、ステント部材40の弾性変形に伴う復元により径方向外側に向けて拡張する力をいう。ステントグラフト10は、ステント体22により管腔臓器16の内腔面に張り付けられた状態で保持される。本明細書では、ステント体22により管腔臓器16内で拡張した状態で保持されるときの主グラフト20の中心線C20に沿った方向を単に軸方向Xといい、その中心線C20を円中心とする半径方向及び円周方向を単に径方向及び周方向ともいう。
【0014】
主グラフト20は、可撓性を持つ筒状体である。主グラフト20は、管腔臓器16内においてステント体22により拡張した状態にあるとき、血液等が通流する体液通流流路を内側に形成する。主グラフト20は、例えば、樹脂繊維、金属繊維等を用いた編物、織物等により構成される。樹脂繊維は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等を素材とする。本実施形態の主グラフト20は、軸方向Xに向かって山部24と谷部26を交互に繰り返す蛇腹構造を持つ。蛇腹構造を持つ主グラフト20はクリンプ加工等により成形される。
【0015】
本実施形態のステント体22は、主グラフト20の径方向内側に配置される。この他にも、ステント体22は、主グラフト20の径方向外側に配置されてもよい。ステント体22は、縫合により主グラフト20に接続される例を示すが、その具体例は特に限定されず、接着、溶着等により接続されてもよい。本実施形態では主グラフト20に対して二つの接続位置Pa1、Pa2で接続されるが、軸方向Xに間隔を空けた三つ以上の接続位置Pa1、Pa2で接続されてもよい。
【0016】
本実施形態のステントグラフト10は、主グラフト20とステント体22が径方向に重なるステント領域28と、主グラフト20とステント体22が径方向に重ならない非ステント領域30とを備える。非ステント領域30においては、主グラフト20とステント体22のうち主グラフト20のみが存在している。非ステント領域30は、主グラフト20の一端側端部となる中枢側端部20aに設けられ、それより他端側である末梢側にはステント領域28が設けられる。非ステント領域30は、前述のようにステントグラフト10の中枢側端部と血管とを吻合するときの吻合箇所となる。
【0017】
ステント体22は、第1の接続位置Pa1から第2の接続位置Pa2までの接続範囲Raのうちの一部の軸方向範囲に設けられる少なくとも一つの高曲げ剛性部32A、32Bと、接続範囲Raにおける残りの軸方向範囲に設けられる低曲げ剛性部34とを備える。高曲げ剛性部32A,32Bは、後述するステント部材40により構成される。第1の接続位置Pa1及び第2の接続位置Pa2は、複数の接続位置Pa1、Pa2のうちの異なる接続位置Pa1、Pa2をいう。本実施形態において、第1の接続位置Pa1は、複数の接続位置Pa1、Pa2において最も軸方向X一端側にあり、第2の接続位置Pa2は、それらにおいて最も軸方向X他端側にある。
【0018】
ステント体22は、少なくとも一つの高曲げ剛性部32A、32Bとして、軸方向Xに間を空けて配置される複数の高曲げ剛性部32A、32Bを備える。複数の高曲げ剛性部32A,32Bは、接続範囲Raの軸方向X両端側に個別に設けられる一対の端側高曲げ剛性部32A、32Bを含む。一対の端側高曲げ剛性部32A,32Bは、接続範囲Raの最も軸方向X一端側(中枢側)に設けられる第1端側高曲げ剛性部32Aと、接続範囲Raの最も軸方向X他端側(末梢側)に設けられる第2端側高曲げ剛性部32Bとを含む。端側高曲げ剛性部32A、32Bは、後述のように接続位置Pa1、Pa2において主グラフト20に接続される。本実施形態において、第1端側高曲げ剛性部32Aは、ステント体22の中枢側の外側端部22aから軸方向中央位置Pbを超える軸方向範囲に設けられる。第2端側高曲げ剛性部32Bは、ステント体22の末梢側の外側端部22bから一部に亘る軸方向範囲に設けられる。ステントグラフト10を瘤の治療に用いる場合、瘤に対して軸方向X両側にある血管の正常部36に、ステント体22の軸方向X両側の端側高曲げ剛性部32A,32Bのそれぞれを張り付かせる。
【0019】
低曲げ剛性部34は、自身に対して軸方向Xに隣接する高曲げ剛性部32A,32Bに接続される。この接続手法として、ここでは縫合を用いる例を示すが、その具体例は特に限定されず、接着、溶着等を用いてもよい。本実施形態において、軸方向Xに隣り合う高曲げ剛性部32A,32Bは、隣り合う高曲げ剛性部32A,32Bのそれぞれに接続される低曲げ剛性部34により連結される。低曲げ剛性部34は、軸方向Xに隣り合う高曲げ剛性部32A,32Bを連結する連結部材として機能する。
【0020】
ステント体22は、一対の端側高曲げ剛性部32A,32Bにおいてのみ主グラフト20に接続される。低曲げ剛性部34は主グラフト20に接続されないことになる。また、三つ以上の高曲げ剛性部32A,32Bがある場合に、端側高曲げ剛性部32A,32B以外の高曲げ剛性部は主グラフト20に接続されないことにもなる。これにより、主グラフト20に対するステント体22の接続位置の個数を削減でき、ステントグラフト10の構成を簡素化できる。また、主グラフト20に対してステント体22を縫合等により接続する場合に、その接続位置に形成される主グラフト20の穴の個数を削減でき、主グラフト20での体液漏洩リスクを軽減できる。
【0021】
ステント体22の高曲げ剛性部32A,32Bは、自身の軸方向全範囲のうちの一箇所でのみ主グラフト20に接続される。高曲げ剛性部32A,32Bは、自身の軸方向全範囲のうちの軸方向Xに間隔を空けた複数箇所で主グラフト20に接続されないということである。これを実現するうえで、本実施形態の端側高曲げ剛性部32A,32Bは、自身の軸方向Xの外端部32aでのみ主グラフト20に接続される。この条件は一対の端側高曲げ剛性部32A,32Bのそれぞれにおいて満たされる。
【0022】
図2図3を参照する。図3は、ステント体22の一部を軸方向Xに沿って切り開いたうえで平面に展開した形状の一部を示す展開図である。本実施形態において、ステント部材40は、素線42を用いて網状かつ筒状に編んだ編組ステントにより構成される。素線42の素材は、例えば、形状記憶合金、ステンレス等の金属の他、樹脂等を採用できる。形状記憶合金は、例えば、Ni-Ti系合金、Cu-Zn-Al系合金、Cu-Zn-Fe系合金等である。
【0023】
編組ステントは、素線42からなる単位パターン44を軸方向Xに列状に並べて構成される。単位パターン44は、周方向Cに向かって波状に進行する素線42により構成される。本実施形態の単位パターン44は、周方向Cに二周する素線42により構成される。単位パターン44において一周目の素線42のなす波と二周目の素線42のなす波の位相は周方向に向かって半ピッチ分だけずれている。図示しないものの、隣り合う単位パターン44は共通の素線42により形成されており、その素線42は、N列目の単位パターン44の終端部からN+1列目の単位パターン44の始端部に向かって延びている。ここでのNは、1以上の自然数をいう。N列目の単位パターン44にある素線42のなす屈曲部46とN+1列目の単位パターン44にある素線42のなす屈曲部46とは、互いに引っ掛け合うことで連結される。これにより、個々の単位パターン44に網目48Aが形成されるとともに、隣り合う単位パターン44間にも網目48Bが形成される。ステント部材40は、その軸方向両端部において、周方向Cに間隔を空けて設けられる波状の複数の屈曲部46を備える。屈曲部46は周方向Cに向かって軸方向Xに折り返すように設けられる。
【0024】
ここでの素線42を用いた編み方は一例であり、その具体例は特に限定されない。ここでの編組ステントは、単数の素線42を用いて構成される例を示すが、複数の素線42を用いて構成されてもよい。
【0025】
低曲げ剛性部34は、主グラフト20とは別体のグラフトである副グラフト48により構成される。副グラフト48は、主グラフト20と同様、可撓性を持つ筒状体である。副グラフト48は、例えば、樹脂繊維、金属繊維等を用いた編物、織物等により構成される。樹脂繊維は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等を素材とする。本実施形態の副グラフト48は、主グラフト20と同様、軸方向Xに向かって山部50と谷部52を交互に繰り返す蛇腹構造を持つ。蛇腹構造を持つ副グラフト48はクリンプ加工等により成形される。
【0026】
ステント体22は、主グラフト20に対する接続位置Pa1、Pa2において、その周方向Cに間隔を空けた複数位置において接続される。これを実現するうえで、ステント体22のステント部材40は、周方向Cに間隔を空けて設けられる複数の屈曲部46のそれぞれにおいて主グラフト20に接続される。図3では、主グラフト20に対するステント部材40の接続箇所54に○印を付している。
【0027】
また、低曲げ剛性部34は、高曲げ剛性部32A,32Bに対して周方向Cに間隔を空けた複数位置において接続される。これを実現するうえで、ステント体22の副グラフト48(低曲げ剛性部34)は、周方向Cに間隔を空けてステント部材40に設けられる複数の屈曲部46のそれぞれにおいてステント部材40に接続される。図3では、ステント部材40に対する副グラフト48の接続箇所56に○印を付している。
【0028】
低曲げ剛性部34は、高曲げ剛性部32A,32Bよりも曲げ剛性を低くしている。言い換えると、高曲げ剛性部32A、32Bは相対的に曲げ難く、低曲げ剛性部34は相対的に曲げ易いことになる。この条件を満たすうえで、低曲げ剛性部34は、素材及び構造の少なくとも一方を高曲げ剛性部32A,32Bと異ならせることで、高曲げ剛性部32A,32Bよりも曲げ剛性を低くすればよい。ここでの「素材を高曲げ剛性部32A,32Bと異ならせる」とは、例えば、曲げ剛性の低い素材により低曲げ剛性部34を構成し、曲げ剛性の高い素材により高曲げ剛性部32A,32Bを構成する場合をいう。ここでの「構造を高曲げ剛性部32A,32Bと異ならせる」とは、(1)低曲げ剛性部34をステント部材40以外により構成する場合、又は、(2)高曲げ剛性部32A,32Bを構成するステント部材40の素線42の外径よりも低曲げ剛性部34を構成するステント部材40の素線42の外径を小さくする場合をいう。ステント部材40において、同じ編みパターン、同じ素線42の外径、同じ素材を用いて構成される場合、自身を構成する素線42において多少の軸方向X及び周方向Cでの位置ずれがあったとしても曲げ剛性は同じものとして取り扱う。
【0029】
本実施形態の第1端側高曲げ剛性部32A及び第2端側高曲げ剛性部32Bは同じ曲げ剛性である。また、本実施形態では、前述の(1)のように、ステント部材40以外の副グラフト48により低曲げ剛性部34を構成することで、高曲げ剛性部32A,32Bよりも低曲げ剛性部34の曲げ剛性を低くしている。このようにステント部材40以外により低曲げ剛性部34を構成する場合、低曲げ剛性部34の構成部材は、高曲げ剛性部32A、32Bを構成するステント部材40よりも軸方向に縮み易く、かつ、伸び易くなるように構成されるとよい。この条件を満たすうえで、本実施形態の低曲げ剛性部34は、ステント部材40よりも容易に縮み変形できる副グラフト48により構成しつつ、ステント部材40よりも伸び変形し易くなるよう副グラフト48に蛇腹構造を持たせている。この他にも、低曲げ剛性部34を副グラフト48により構成する場合、副グラフト48を伸縮性のある素材により構成してもよい。
【0030】
これら高曲げ剛性部32A,32Bと低曲げ剛性部34の曲げ剛性の高低関係は、次に説明する、JIS T0401に準拠した曲げ試験により計測される曲げ性を用いてもよい。図4A図4Bを参照する。この曲げ試験に用いられる曲げ試験装置60は、ステントグラフト10の一部を固定する固定ジグ60aと、固定ジグ60a周りにステントグラフト10を回転させる回転ジグ60bと、ステントグラフト10の所定位置に作用する曲げ荷重を計測するロードセルとを備える。ロードセルは、回転ジグ60bの回転中心線C60bに沿った方向(図4の紙面直交方向)から見て、その回転中心線C60bと重なる位置においてステントグラフト10に作用する曲げ荷重を計測できるように、ステントグラフト10に取り付けられる。曲げ剛性部32A、32B、34の曲げ性を計測するうえでは、曲げ性の計測対象となる曲げ剛性部32A、32B,34を回転ジグ60bの回転中心線C60b上に配置する。つまり、個々の高曲げ剛性部32Aの曲げ性を計測する場合と低曲げ剛性部34の曲げ性を計測する場合とで、曲げ試験装置60に対するステントグラフト10の相対位置が変化する。いずれの場合も、固定ジグ60aから回転ジグ60bまでの距離は一定とする。
【0031】
曲げ試験をするうえでは、回転ジグ60bを用いてステントグラフト10の固定ジグ60a周りでの曲げ角度θを変更することで、ステントグラフト10の一部を左右に往復させるように回転させる首振りをする。このとき、原点(θ=0°)から行き方向D1への回転を開始し、予め定められる正の曲げ角度+θsに達したら回転方向を帰り方向D2に反転する。この後、原点を通過して負の回転角度-θsに達したら回転方向を行き方向D1に反転し、原点に戻ると首振りを終了する。このように原点→+θs→原点→-θs→原点までの回転ジグ60bの一連の動きを一サイクルとする。この一サイクル分の首振りをすることにより、図4Bに示すような、曲げ角度θ(°)と曲げ荷重(N)との関係を示す曲げ角度-曲げ荷重曲線を測定する。曲げ荷重は、ロードセルにより計測した計測値が用いられる。この曲げ角度-曲げ荷重曲線において原点に最も近い行きの直線領域62の傾き(単位曲げ角度当たりの曲げ荷重,N/°)を、被試験体の曲げ性の計測値として特定する。この他の試験条件はJIS T0401に記載の条件に準拠する。
【0032】
曲げ性の計測対象(曲げ剛性部32A、32B、34)において、軸方向位置により曲げ性の変動がほとんどない場合、その計測対象に関する曲げ性の単数の計測値を、計測対象の曲げ剛性として特定してもよい。この他にも、曲げ性の計測対象において、軸方向位置により曲げ性の変動がある場合、その計測対象を軸方向に等分する所定数の計測点のそれぞれにつき曲げ性を計測し、それにより得られた複数の計測値の中央値及び平均値のいずれかを計測対象の曲げ剛性として特定してもよい。また、主グラフト20の軸方向位置により曲げ性の変動がある場合、実際の主グラフト20に替えて、軸方向位置により曲げ性の変動がほとんどない主グラフトとステント体22を用いて曲げ性を計測するとよい。例えば、本実施形態のように主グラフト20が蛇腹構造を持つ場合、その主グラフト20に替えて、蛇腹構造のない主グラフトを用いてもよいということである。
【0033】
以上のステントグラフト10の作用とともに効果を説明する。まず、参考形態のステントグラフト10を説明する。図5A図5Bは、参考形態のステントグラフト100を示す。参考形態のステントグラフト100は、実施形態のステントグラフト10と比べて、ステント体22において相違している。詳しくは、参考形態のステント体22は、単数のステント部材40により構成され、主グラフト20に対して軸方向Xに間隔を空けた二つの接続位置Pa1、Pa2において縫合により接続される。
【0034】
図5Bでは、管腔臓器16の曲げ部16a内にステントグラフト100を配置した状態を示す。ここでは説明の便宜のため、管腔臓器16の瘤を省略する。管腔臓器16内で拡張力Faをステントグラフト100に作用させると、管腔臓器16の曲げ部16aの形状に追従するように、ステントグラフト100全体の拡張を伴いステントグラフト100全体が変形しようとする。このとき、ステントグラフト100は、ステントグラフト100の軸方向両端位置を軸方向内側方向Dc1に近づけるとともに、その曲げ外側部分100aの伸び方向Dbでの伸び変形を伴い、その曲げ量を大きくする曲げ変形をしようとする。なお、ここでの「曲げ外側」とは、言及対象(ここではステントグラフト100)の中心線(不図示)に対して、言及対象の曲げ形状のなす曲率中心とは反対側をいう。
【0035】
ここで、通常、主グラフト20が突っ張り始める軸方向伸び量は、ステント体22(ステント部材40)が突っ張り始める軸方向伸び量よりも小さくなる。よって、ステントグラフト100の曲げ外側部分100aにおいて、主グラフト20が突っ張り始める軸方向伸び量となるまでステントグラフト100の曲げ外側部分100aが曲げ変形すると、それ以降は主グラフト20の突っ張りによりステントグラフト100の曲げ外側部分100aでの自由な曲げ変形が制限される。図5Bでは、このような自由な曲げ変形が制限される位置にステントグラフト100がある状態を示す。ここでの「自由な曲げ変形」とは、主グラフト20の弾性変形を開始する前の弾性変形を伴わない曲げ変形をいう。
【0036】
仮に、図5Bに示すように、管腔臓器16の曲げ外側部分16bの曲率が大きい場合として、ステントグラフト100の自由な曲げ変形が制限される位置(図5Bの位置)よりも径方向外側に管腔臓器16の曲げ外側部分16bの内腔面がある場合を考える。この場合、図5Cに示すように、ステントグラフト100を拡張し始めた時点では、その勢いにより主グラフト20の曲げ外側部分20bの弾性変形を伴い、ステントグラフト100の曲げ量を大きくでき、それにより管腔臓器16の曲げ外側部分16bにステントグラフト100を接触させることができる。この後、ステントグラフト100は、管腔臓器16の内腔面との接触による摩擦抵抗により、一時的には、その曲げ外側部分16bに接触した状態を維持しようとする。しかしながら、主グラフト20の曲げ外側部分20bの弾性変形に起因する復元力や管腔臓器16の拡張収縮等の変形によって、図5Bに示すように、ステントグラフト100がその曲げ外側部分100aの曲げ量を小さくするように復元してしまう。これにより、管腔臓器16の曲げ外側部分16bに追従してステントグラフト100を接触させた状態を維持し難くなる。この結果、管腔臓器16の曲げ外側部分16bの内腔面に対して、二箇所の接続位置Pa1、Pa2周りの局所的な位置でしか、ステントグラフト100を接触させることができなくなってしまう。このように、参考形態の構造のもとでは、管腔臓器16の曲げ外側部分16bの曲率が大きい場合、主グラフト20の突っ張りに起因して、その曲げ外側部分16bに対してステントグラフト100を柔軟に変形させることができないうえ、その曲げ外側部分16bに接触した状態を維持し難くなる。
【0037】
図6Aは、実施形態のステントグラフト10の模式図である。ここでは、説明の便宜のため、前述した非ステント領域30は図示を省略のうえ、図2とは各曲げ剛性部32A、32B、32Cの位置を変えている。ステントグラフト10のステント体22は、前述の通り、少なくとも一つの高曲げ剛性部32A,32Bと低曲げ剛性部34とを備える。本実施形態の高曲げ剛性部32A、32Bは、参考形態の編組ステントと同じ編組ステントにより構成されるとする。
【0038】
図6Bを参照する。図6Bは、管腔臓器16の曲げ部16a内にステントグラフト10を配置した状態を示す。ここでは、ステントグラフト10の低曲げ剛性部34周りの曲げ状態を誇張して示す。図6Bの実線は実施形態のステントグラフト10、二点鎖線は参考形態のステントグラフト100を示す。また、参考形態のステントグラフト100では、実施形態のステントグラフト10における低曲げ剛性部34と同じ部位102を他の部位と区別して示す。
【0039】
本実施形態のステントグラフト10によれば、ステント体22の低曲げ剛性部34は、高曲げ剛性部32A、32Bよりも曲げ易くなっている。このため、管腔臓器16内で拡張力Faをステント体22に作用させると、参考形態のステント体22と比べて、ステント体22の軸方向両端位置を軸方向内側方向Dc1に近づけつつ、ステント体22の低曲げ剛性部34のある部位での曲げ量を大きくする曲げ変形をし易くなる。この結果、参考形態のステントグラフト100と比べ、主グラフト20の突っ張りを伴うことなく、ステントグラフト10の曲げ外側部分10aの曲げ量を大きくする自由な曲げ変形をし易くなる。これは、主グラフト20の突っ張りに起因して参考形態のステントグラフト100の自由な曲げ変形が制限される位置(図6Bの二点鎖線の位置)よりも、管腔臓器16の曲げ外側部分16bに近づけるようにステントグラフト10を柔軟に変形させることができることを意味する。つまり、参考形態のステントグラフト100と比べて、管腔臓器16の曲げ外側部分16bの曲率が大きい場合でも、その曲げ外側部分16bに対するステントグラフト10の柔軟性を高めることができるうえ、その曲げ外側部分16bに接触した状態を維持し易くなる。このとき、ステント体22の低曲げ剛性部34は、参考形態のステントグラフト100の部位102よりも曲げ外側部分において伸び方向Dc2に伸び変形し、曲げ内側部分において縮み方向Dc3に縮み変形した状態となる。
【0040】
これにより、参考形態の構造と比べて、管腔臓器16の曲げ外側部分16bの内腔面に対するステントグラフト10の接触面積を広げた状態を維持し易くなる。ひいては、参考形態の構造と比べて、管腔臓器16の曲げ外側部分16bの内腔面に対して、ステント体22の拡張力Faを分散して作用させ易くなる。
【0041】
特に、図1の大動脈12の下行大動脈12aよりも中枢側にある弓部大動脈12cでは下行大動脈12aよりも曲率が大きくなる。このような大動脈12の弓部大動脈12c内にステントグラフト10の一部を配置する場合でも、その弓部大動脈12cの曲げ外側部分に対する柔軟性を高めることができる点で有効となる。
【0042】
また、本実施形態の端側高曲げ剛性部32A,32Bは、軸方向全範囲のうちの一箇所でのみ主グラフト20に接続されるため、次の利点がある。仮に、端側高曲げ剛性部32A,32Bを軸方向Xに間隔を空けた二箇所で主グラフト20に接続した場合を考える。
この場合に、ステントグラフト10の曲げ外側部分10aが曲げ量を大きくする曲げ変形をしようとするとき、その曲げ外側部分10aにおいて、端側高曲げ剛性部32A,32Bに接続される二箇所の間にある主グラフト20の一部が突っ張ってしまう。この結果、前述と同様、主グラフト20の一部の突っ張りに起因して、端側高曲げ剛性部32A,32Bのある箇所でステントグラフト10の曲げ量を大きくする自由な曲げ変形が制限されてしまう。
【0043】
この点、本実施形態のように、端側高曲げ剛性部32A,32Bを軸方向全範囲のうちの一箇所でのみ主グラフト20に接続した場合を考える。この場合、前述と同様、主グラフト20の一部の突っ張りに起因してステントグラフト10の自由な曲げ変形が制限される事態を緩和できる。ひいては、その端側高曲げ剛性部32A,32Bのある箇所での管腔臓器16の曲げ部16aの曲げ外側部分16bに対する柔軟性を更に高めることができる。
【0044】
次に、ステントグラフト10の他の特徴を説明する。低曲げ剛性部34は、自身と径方向に重なる位置における主グラフト20のキンクを抑制可能である。低曲げ剛性部34と径方向に重なる位置において、主グラフト20の一部が曲げ外側に向けて大きく曲げ変形をしようとする場合を考える。この場合に、低曲げ剛性部34は、曲げ変形をしようとする主グラフト20の一部に当たることでその曲げ変形を拘束し、それにより主グラフト20のキンクを抑制する。これにより、ステント体22に曲げ剛性の低い低曲げ剛性部34がある場合でも、その低曲げ剛性部34により主グラフト20のキンクを抑制できるようになる。このような主グラフト20のキンクを抑制するうえで、本実施形態の低曲げ剛性部34は筒状断面の副グラフト48により構成される。この副グラフト48は前述の蛇腹構造を持つため、良好な耐キンク性を持つ。このような蛇腹構造の副グラフト48により、主グラフト20のキンクを効果的に抑制することができる。
【0045】
図2を参照する。低曲げ剛性部34の軸方向長さL1は、特に限定されないものの、例えば、ステント体22の軸方向長さL0の1/15以上1/2以下となる。
【0046】
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
【0047】
ステントグラフト10はステント領域28のみを備え、非ステント領域30を備えずともよい。ステント部材40は、自己拡張力を利用せずに主グラフト20の形状を保持してもよい。これは、例えば、バルーン等の拡張部材により管腔臓器16内でステント部材40を拡張した後、拡張部材を取り除いてステント部材40のみにより主グラフト20の形状を保持する場合を想定している。
【0048】
ステント体22の高曲げ剛性部32A,32Bの個数は特に限定されない。高曲げ剛性部32A,32Bは単数のみでもよいし、三つ以上でもよい。三つ以上の高曲げ剛性部32A,32Bである場合、第1端側高曲げ剛性部32A及び第2端側高曲げ剛性部32bの他の高曲げ剛性部を備えることになる。
【0049】
低曲げ剛性部34は、前述の通り、ステント部材40により構成してもよいし、グラフト、ステント部材40以外の部材(例えば、周方向に間隔を空けた複数の糸材)により構成してもよい。低曲げ剛性部34は主グラフト20のキンクを抑制するうえで、その具体的な構造は特に限定されない。これを実現するうえで、低曲げ剛性部34は、副グラフト48の他にも、ステント部材40等により構成してもよい。また、これを実現するうえで、副グラフト48は蛇腹構造を持たずともよい。また、ステント部材40は、編組ステントに替えて、いわゆるZステント等の各種ステントにより構成してもよい。
【0050】
ステント体22は、端側高曲げ剛性部32A,32B以外において主グラフト20に接続されてもよい。例えば、低曲げ剛性部34において主グラフト20に接続されてもよいし、端側高曲げ剛性部32A,32B以外の高曲げ剛性部32A,32Bにおいて主グラフト20に接続されてもよい。高曲げ剛性部32A,32Bは、軸方向全範囲のうち軸方向に間隔を空けた二箇所以上で主グラフト20に接続されてもよい。高曲げ剛性部32A、32Bが編組ステントにより構成される場合を考える。この場合、同じ単位パターン44において周方向に向かって軸方向の異なる箇所で主グラフト20に接続されてもよい。本明細書では、この場合も、端側高曲げ剛性部32A、32Bが、自身の「軸方向全範囲のうちの一箇所でのみ主グラフト20に接続される」ものとして取り扱う。同じ単位パターン44において周方向に向かって軸方向の異なる箇所で主グラフト20に接続される場合も、主グラフト20に対する軸方向での接続位置は同じであるとして取り扱うともいえる。同じ高曲げ剛性部32A、32Bにおける異なる単位パターン44において主グラフト20に接続された場合に、自身の軸方向全範囲のうちの複数箇所で主グラフト20に接続されるものとして取り扱うことになる。Zステントの場合も同様である。この他にも、編組ステントにより構成される高曲げ剛性部32A、32Bは、副グラフト48により構成される低曲げ剛性部34に対して、同じ単位パターン44において周方向に向かって軸方向の異なる箇所で接続されてもよい。
【0051】
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。実施形態及び変形形態において言及している構造、数値には、製造誤差等を考慮すると同一とみなすことができるものも当然に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
Pa1、Pa2…接続位置、10…ステントグラフト、16…管腔臓器、16a…曲げ部、20…主グラフト、22…ステント体、24…山部、26…谷部、32A,32B…高曲げ剛性部、34…低曲げ剛性部、40…ステント部材、48…副グラフト、50…山部、52…谷部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6