(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073196
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】搬送ユニット 画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/24 20060101AFI20240522BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
B65H29/24 C
G03G15/00 455
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184285
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下平 善樹
(72)【発明者】
【氏名】久家 秀喜
(72)【発明者】
【氏名】鵜川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】山下 真登
【テーマコード(参考)】
2H072
3F049
【Fターム(参考)】
2H072AB20
2H072AB22
2H072CA06
2H072CB06
2H072EA14
2H072JA03
3F049AA05
3F049AA07
3F049FB01
3F049FB07
3F049LA01
3F049LB01
(57)【要約】
【課題】搬送装置から送り出されている記録媒体が複数の搬送方向に振り分けられる構成において、搬送装置による記録媒体を無端部材に吸い付ける力が常に一定の場合と比して、搬送不良が生じるのを抑制することである。
【解決手段】搬送ユニットは、周回する無端状の無端部材を有し、無端部材の表面に記録媒体を吸い付けながら搬送する搬送装置と、搬送装置から送り出されている記録媒体の搬送方向を変更して複数の搬送方向へ記録媒体を振り分ける振分手段と、振分手段による搬送方向に基づいて、搬送装置を制御して搬送装置による吸い付け力を変更するように制御する制御部とを備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回する無端状の無端部材を有し、前記無端部材の表面に記録媒体を吸い付けながら搬送する搬送装置と、
前記搬送装置から送り出されている記録媒体の搬送方向を変更して複数の搬送方向へ記録媒体を振り分ける振分手段と、
前記振分手段による搬送方向に基づいて、前記搬送装置を制御して前記搬送装置による吸い付け力を変更するように制御する制御部と、
を備える搬送ユニット。
【請求項2】
前記制御部は、前記搬送装置から送り出されている記録媒体の送出方向に対して記録媒体が下方へ向けて搬送されるように前記振分手段が記録媒体を振り分けたときに、前記振分手段が記録媒体を他の方向に振り分けた場合と比して、前記吸い付け力を強くするように制御する、
請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項3】
前記振分手段は、前記他の方向として、前記搬送装置から送り出されている記録媒体の送出方向を変更しない方向で記録媒体を振り分ける、
請求項2に記載の搬送ユニット。
【請求項4】
前記制御部は、記録媒体の坪量が大きい場合に、記録媒体の坪量が小さい場合と比して、吸い付け力の変更度合を大きくするように制御する、
請求項1に記載の搬送ユニット。
【請求項5】
前記制御部は、記録媒体の坪量に基づいて、吸い付け力を段階的に変更するように制御する、
請求項4に記載の搬送ユニット。
【請求項6】
記録媒体にトナー画像を形成するトナー画像形成部と、
トナー画像が形成された記録媒体を搬送する請求項1~5の何れか1項に搬送ユニットと、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ユニット、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、搬送ベルト上の用紙を熱源により非接触で加熱する定着器を備える画像形成装置において、搬送ベルトは、用紙が滑り落ちる所定の角度で搬送方向に傾斜し、定着器の上流側の転写部から定着器の熱源までの距離、及び、定着器の熱源から定着器の下流側の排紙ローラまでの距離が、最大サイズの用紙より長く設定されると共に、用紙をエアー吸引力によって搬送ベルトに吸引するファンを有し、用紙の搬送が停止する異常発生時に、ファンの回転が停止してエアー吸引力が失われることにより、用紙が搬送ベルト上を滑り落ちて熱源の上流側又は下流側に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、周回する無端状の無端部材に記録媒体を吸い付けて搬送する搬送装置と、搬送装置から送り出されている記録媒体を複数の搬送方向に振り分ける振分手段とを備える搬送ユニットがある。
【0005】
搬送装置によって送り出されている記録媒体を振分手段によって湾曲させることで記録媒体の搬送方向が変えられることがある。このように記録媒体を湾曲させるときに、搬送装置による吸い付け力が弱いと、記録媒体が無端部材から離隔してしまう。
【0006】
本開示の課題は、搬送装置から送り出されている記録媒体が複数の搬送方向に振り分けられる構成において、記録媒体を無端部材に吸い付ける力が常に一定の場合と比して、搬送不良が生じるのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様に係る搬送ユニットは、周回する無端状の無端部材を有し、前記無端部材の表面に記録媒体を吸い付けながら搬送する搬送装置と、前記搬送装置から送り出されている記録媒体の搬送方向を変更して複数の搬送方向へ記録媒体を振り分ける振分手段と、前記振分手段による搬送方向に基づいて、前記搬送装置を制御して前記搬送装置による吸い付け力を変更するように制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の第2態様に係る搬送ユニットは、第1態様に記載の搬送ユニットにおいて、前記制御部は、前記搬送装置から送り出されている記録媒体の送出方向に対して記録媒体が下方へ向けて搬送されるように前記振分手段が記録媒体を振り分けたときに、前記振分手段が記録媒体を他の方向に振り分けた場合と比して、前記吸い付け力を強くするように制御することを特徴とする。
【0009】
本開示の第3態様に係る搬送ユニットは、第2態様に記載の搬送ユニットにおいて、 前記振分手段は、前記他の方向として、前記搬送装置から送り出されている記録媒体の送出方向を変更しない方向で記録媒体を振り分けることを特徴とする。
【0010】
本開示の第4態様に係る搬送ユニットは、第1態様に記載の搬送ユニットにおいて、前記制御部は、記録媒体の坪量が大きい場合に、記録媒体の坪量が小さい場合と比して、吸い付け力の変更度合を大きくするように制御することを特徴とする。
【0011】
本開示の第5態様に係る搬送ユニットは、第4態様に記載の搬送ユニットにおいて、前記制御部は、記録媒体の坪量に基づいて、吸い付け力を段階的に変更するように制御することを特徴とする。
【0012】
本開示の第6態様に係る画像形成装置は、記録媒体にトナー画像を形成するトナー画像形成部と、トナー画像が形成された記録媒体を搬送する第1~5態様の何れか1態様に搬送ユニットとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本開示の第1態様に係る搬送ユニットによれば、搬送装置から送り出されている記録媒体が複数の搬送方向に振り分けられる構成において、記録媒体を無端部材に吸い付ける力が常に一定の場合と比して、搬送不良が生じるのを抑制することができる。
【0014】
本開示の第2態様に係る搬送ユニットによれば、記録媒体を下方に振り分けたときに吸い付け力を弱くする場合と比して、記録媒体が無端部材から離隔するのを抑制することができる。
【0015】
本開示の第3態様に係る搬送ユニットによれば、記録媒体を湾曲させて他の方向へ振り分ける場合と比して、記録媒体に生じる搬送抵抗を低減することができる。
【0016】
本開示の第4態様に係る搬送ユニットによれば、吸い付け力が坪量に係わらず一定の場合と比して、搬送不良を抑制することができる。
【0017】
本開示の第5態様に係る搬送ユニットによれば、吸い付け力を一段だけで変更する場合と比して、吸い付け力の制御が適切となる。
【0018】
本開示の第6態様に係る画像形成装置によれば、記録媒体を無端部材に吸い付ける力が常に一定の搬送ユニットを備える場合と比して、トナー画像が形成された記録媒体の搬送不良を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置を示した全体構成図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置に備えられたトナー画像形成部20を示した構成図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置に備えられたチェーングリッパを示した斜視図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置に備えられた冷却部を示した構成図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置に備えられた定着装置等を示した正面図である。
【
図6】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置に備えられた予備加熱部を示した側面図である。
【
図7】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置に備えられた本加熱部を示した斜視図である。
【
図8】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置に備えられた本加熱部を示した断面図である。
【
図9】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置に備えられた吹付けユニットを示した平面図である。
【
図10】本開示の第1実施形態に係る搬送ユニットを示した構成図である。
【
図11】本開示の第1実施形態に係る搬送ユニットを示した構成図である。
【
図12】本開示の第1実施形態に係る搬送ユニットに備えられたベルト搬送装置を示した斜視図である。
【
図13】本開示の第1実施形態に係る制御部のハードウェア構成等を示した図面である。
【
図14】本開示の第1実施形態に係る制御部の制御フローを示したフロー図である。
【
図15】本開示の第1実施形態に係る搬送ユニットにおいてシートを搬送している状態を示した図面である。
【
図16】本開示の第1実施形態に係る搬送ユニットにおいてシートを搬送している状態を示した図面である。
【
図17】本開示の第1実施形態に係る搬送ユニットにおいてシートを搬送している状態を示した図面である。
【
図18】本開示の第1実施形態に係る搬送ユニットにおいてシートを搬送している状態を示した図面である。
【
図19】本開示の第2実施形態に係る搬送ユニットにおいてシートを搬送している状態を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態に係る搬送ユニット、画像形成装置の一例について
図1~
図18に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
【0021】
(画像形成装置10)
本実施形態に係る画像形成装置10は、記録媒体としてのシートPにトナー画像を形成する電子写真式の画像形成装置である。画像形成装置10は、
図1に示されるように、収容部50と、排出部52と、画像形成部12と、搬送機構60と、定着装置100と、冷却部90と、各部を制御する制御部14とを備えている。
【0022】
〔収容部50〕
収容部50は、画像形成装置10において、幅方向の一方側の部分に配置され、上下方向に並んで2個備えられている。そして、夫々の収容部50は、シートPを収容しており、この2個の収容部50から選択的にシートPが送り出されるようになっている。
【0023】
〔排出部52〕
排出部52は、画像形成装置10において、幅方向の他方側の部分に配置され、トナー画像が形成されたシートPが排出されるようになっている。具体的には、定着装置100でトナー画像が定着された後に、冷却部90で冷却されたシートPが排出部52へ排出されるようになっている。
【0024】
〔画像形成部12〕
画像形成部12は、幅方向において収容部50と排出部52との間に配置され、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像をシートPに転写する転写装置30とを備えている。
【0025】
また、トナー画像形成部20は、色ごとにトナー画像を形成するように複数備えられている。画像形成装置10では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の計4色のトナー画像形成部20が備えられている。
図1に示す(Y)、(M)、(C)、(K)は、上記各色に対応する構成部分を示している。以後の説明では、Y、M、C、Kを特に区別しない場合は、Y、M、C、Kを省略する場合がある。
【0026】
-トナー画像形成部20-
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。具体的には、各色のトナー画像形成部20は、
図2に示されるように、図中矢印A方向に回転する感光体ドラム21と、感光体ドラム21を帯電させる帯電器22とを備えている。さらに、各色のトナー画像形成部20は、帯電器22によって帯電された感光体ドラム21を露光して感光体ドラム21に静電潜像を形成する露光装置23と、露光装置23によって感光体ドラム21に形成された静電潜像を、トナーを用いて現像する現像装置24とを備えている。
【0027】
-転写装置30-
転写装置30は、
図1に示されるように、中間転写体としての転写ベルト31と、一次転写ロール33と、二次転写ロール34と、対向ロール36とを備えている。
【0028】
一次転写ロール33は、感光体ドラム21に形成されたトナー画像を、感光体ドラム21と一次転写ロール33との間の一次転写位置T(
図2参照)で転写ベルト31に転写するようになっている。
【0029】
転写ベルト31は、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。転写ベルト31は、複数のロール32の少なくとも1つが回転駆動されることで、矢印B方向へ周回し、一次転写された画像を二次転写位置NTへ搬送するようになっている。
【0030】
二次転写ロール34には、転写ベルト31の一部が巻き付けられており、対向ロール36は、転写ベルト31を挟んで二次転写ロール34に対向するよう配置されている。
【0031】
これにより、二次転写ロール34は、周回する転写ベルト31に伴って回転し、回転する対向ロール36と転写ベルト31との間に挟まれて搬送され、二次転写位置NTを通過するシートPに転写ベルト31のトナー画像を転写するようになっている。対向ロール36は、回転部材の一例であり、二次転写ロール34は、転写部材の一例である。
【0032】
〔搬送機構60〕
搬送機構60は、
図1に示されるように、収容部50に収容されたシートPをシートPの搬送経路58に送り出す送出ロール62と、搬送経路58に送り出されたシートPを搬送する複数の搬送ロール64aと、チェーングリッパ66と、搬送ユニット174と、複数の搬送ロール64bとを備えている。
【0033】
複数の搬送ロール64aは、送出ロール62から送り出されたシートPをチェーングリッパ66へ搬送し、搬送ユニット174は、チェーングリッパ66からシートPを受け取るようになっている。また、複数の搬送ロール64bは、搬送ユニット174からシートPを受け取り、シートPを冷却部90(
図4参照)へ搬送するようになっている。なお、搬送ユニット174については、詳細を後述する。
【0034】
また、チェーングリッパ66は、
図3に示されるように、一対のチェーン72と、シートPの先端部を保持する保持部68とを有している。
【0035】
〔定着装置100〕
定着装置100は、
図5に示されるように、チェーングリッパ66と、シートPの搬送方向において転写装置30(
図1参照)の下流側に配置されて搬送されてシートPを非接触状態で加熱する予備加熱部102とを備えている。さらに、定着装置100は、シートPと接触して加熱、加圧する本加熱部120と、吹付けユニット170とを備えている。そして、予備加熱部102と本加熱部120とを含んでシートPを加熱する加熱部160が形成されている。
【0036】
〔チェーングリッパ66〕
チェーングリッパ66は、
図3に示されるように、一対のチェーン72と、シートPを保持する保持部68とを備えている。
【0037】
-チェーン72-
一対のチェーン72は、
図3に示されるように、装置奥行方向に離間して配置されている。そして、一対のチェーン72は、対向ロール36(
図1参照)の軸方向の一端側及び他端側に配置され、軸方向を装置奥行方向とする一対のスプロケット(図示省略)と、後述の加圧ロール140に対する軸方向の一端側及び他端側に配置された一対のスプロケット71(
図7参照)と、装置奥行方向に間隔をおいて配置された一対のスプロケット74(
図1参照)とに巻き掛けられている。これらの一対のスプロケットのいずれかが回転することで、チェーン72が矢印C方向へ周回するようになっている。
【0038】
また、一対のチェーン72には、シートPを保持する保持部68の両端部が取り付けられている。
【0039】
-保持部68-
保持部68は、
図3に示されるように、両端部が一対のチェーン72に夫々取り付けられており、装置奥行方向に延びている取付部材75と、取付部材75に取り付けられたグリッパ76とを備えている。保持部68は、複数設けられ、チェーン72の周方向(周回方向)に沿って予め定められた間隔で配置されている。
【0040】
グリッパ76は、複数設けられ、装置奥行方向に沿って予め定められた間隔で取付部材75に取り付けられている。具体的には、グリッパ76は、爪76aを有している。また、取付部材75には、爪76aが接触する接触部75aが形成されている。これにより、グリッパ76では、爪76aと接触部75aとの間にシートPの先端部を挟むことでシートPの先端部を把持するようになっている。なお、グリッパ76は、例えば、爪76aが接触部75aに対してバネ等により押し付けられると共に、カム等の作用により爪76aが接触部75aに対して接離される。
【0041】
この構成において、チェーン72が矢印C方向へ周回することで、
図1に示すチェーングリッパ66は、搬送ロール64aで搬送されたシートPを受け取り、シートPの先端を把持した状態で、シートPを二次転写位置NTへ搬送する。さらに、チェーングリッパ66は、シートPを予備加熱部102に通過させた後、本加熱部120へ搬送する。
【0042】
〔本加熱部120〕
本加熱部120は、
図5に示されるように、シートPの搬送方向において、予備加熱部102の下流側に配置されている。本加熱部120は、搬送されるシートPと接触してシートPを加熱する加熱ロール130と、加熱ロール130に向けてシートPを加圧する加圧ロール140と、回転する加熱ロール130に従動して回転する従動ロール150とを備えている。
【0043】
-加熱ロール130-
加熱ロール130は、
図5に示されるように、搬送されるシートPの上方を向いた面に接触し、軸方向を装置奥行方向として装置奥行方向に延びるように配置されている。また、加熱ロール130は、内部に収容されたヒータ138を有している。
【0044】
さらに、
図7に示されるように、装置奥行方向において加熱ロール130の両端部には、装置奥行方向に延びる軸部139aが夫々形成されている。そして、軸部139aを夫々支持する支持部材139bが設けられている。これにより、加熱ロール130は、加熱ロール130の両端部で支持部材139bによって回転可能に支持されている。
【0045】
-従動ロール150-
従動ロール150は、
図5、
図7に示されるように、加熱ロール130を挟んで搬送されるシートPの反対側で、軸方向を装置奥行方向として装置奥行方向に延びるように配置されている。また、従動ロール150は、内部に収容されたヒータ154を有している。
【0046】
この構成において、従動ロール150は、加熱ロール130に従動して回転する。そして、従動ロール150は、加熱ロール130を加熱する。
【0047】
-加圧ロール140-
加圧ロール140は、
図7に示されるように、搬送されるシートPを挟んで加熱ロール130の反対側で、搬送されるシートPの下方を向いた面に接触し、軸方向を装置奥行方向として装置奥行方向に延びるように配置されている。また、加圧ロール140は、装置奥行方向の両端部に形成された一対の軸部148を有している。そして、加圧ロール140の外径は、加熱ロールの外径と比して大きくされている。
【0048】
また、
図8に示されるように、加圧ロール140の外周面には、装置奥行方向に延びる凹部140aが形成されている。そして、加圧ロール140と加熱ロール130との間をシートPが通過する場合に、シートPの先端部を把持するグリッパ76が、この凹部140aに収容されるようになっている。
【0049】
-その他-
本加熱部120は、
図7に示されるように、加圧ロール140を支持する支持部材156と、支持部材156を介して加圧ロール140を加熱ロール130側に付勢する付勢部材158とを備えている。支持部材156は、一対設けられている。そして、一対の支持部材156は、加圧ロール140の一対の軸部148を下方から回転可能に支持するように夫々配置されている。
【0050】
また、
図5に示されるように、シートPの搬送方向において、加熱ロール130と加圧ロール140との接触部に対して下流側には、搬送されるシートPを検知する光学センサであるセンサ110が配置されている。
【0051】
さらに、加圧ロール140と対向するように、シートPを搬送ユニット174に(
図1参照)に渡した後の保持部68を冷却するファン142が設けられている。
【0052】
この構成において、一対の付勢部材158が、加圧ロール140を加熱ロール130側に付勢することで、加圧ロール140が、シートPを加熱ロール130に向けて加圧する。さらに、加圧ロール140は、図示せぬ駆動部材から回転力が伝達されて、回転する。そして、回転する加圧ロール140に従動して加熱ロール130が回転し、回転する加熱ロール130に従動して従動ロール150が回転する。さらに、加熱ロール130と加圧ロール140とが、トナー画像が転写されたシートPを挟み込んで搬送することで、トナー画像がシートPに定着される。このように、加熱ロール130と加圧ロール140とで、回転しながらシートPを挟んで搬送し、シートPを加熱することで、トナー画像がシートPに定着される。
【0053】
〔予備加熱部102〕
予備加熱部102は、
図5に示されるように、シートPの搬送方向において、トナー画像がシートPに転写される二次転写位置NT(
図1参照)に対して下流側で、かつ、本加熱部120に対して上流側に配置されている。さらに、予備加熱部102は、搬送されるシートPの上方に配置されている。換言すれば、予備加熱部102は、搬送されるシートPにおいてトナー画像が転写された側に配置されている。
【0054】
この予備加熱部102は、反射部材104と、複数の赤外線ヒータ106(以下「ヒータ106」と、加熱板114と、金網112と、を備えている。
【0055】
-反射部材104-
反射部材104は、アルミニウム板を用いて形成されており、搬送されるシートP側が開放された底浅の箱状とされている。この反射部材104の内部には、
図6に示されるように、加熱板114及びヒータ106が、搬送されるシートP側からこの順番で配置されている。そして、反射部材104には、ヒータ106が放出した熱線である赤外線を加熱板114側に反射する反射面104aが形成されている。
【0056】
-ヒータ106-
ヒータ106は、外形が円柱状の赤外線ヒータであって、
図6に示されるように、反射部材104の反射面104aと装置上下方向で対向し、装置奥行方向に延びている。さらに、ヒータ106は、複数設けられ、
図5に示されるように、装置幅方向に並べられている。
【0057】
-加熱板114-
加熱板114は、
図5に示されるように、チェーン72とヒータ106との間に配置されており、装置幅方向に複数枚並べられている。
【0058】
この構成において、加熱板114は、ヒータ106が放出する赤外線、及び反射面104aによって反射される赤外線を吸収することで温度が上昇して放熱する。そして、温度が上昇した加熱板114は、非接触で、搬送されるシートPを加熱する。
【0059】
-金網112-
金網112は、反射部材104の縁部に図示せぬ固定部材で固定されており、
図5に示されるように、反射部材104の内部と、反射部材104の外部とを仕切っている。これにより、金網112は、搬送されるシートPと、加熱板114とが接触するのを防止している。
【0060】
〔吹付けユニット170〕
吹付けユニット170は、
図5に示されるように、装置上下方向で予備加熱部102と対向するように配置されており、搬送されるシートPは、吹付けユニット170と予備加熱部102との間を通過するようになっている。また、吹付けユニット170は、
図9に示されるように、装置幅方向、及び装置奥行方向に並べられている複数のファン172を備えている。
【0061】
この構成において、複数のファン172が、搬送されるシートPに向けて空気を吹き付けることで、搬送されるシートPの搬送姿勢が安定する。
【0062】
〔冷却部90〕
冷却部90は、
図1に示されるように、シートPの搬送方向において、定着装置100及び搬送ユニット174の下流側に配置されている。また、冷却部90は、装置幅方向に並んでいる2個の冷却ロール92を備えている。2個の冷却ロール92は、同様の構成とされているため、一方の冷却ロール92について説明する。
【0063】
冷却ロール92は、
図4に示されるように、シートPの搬送経路58を挟んで上側に配置された円筒状の冷却ロール92aと、シートPの搬送経路58を挟んで下側に配置された円筒状の冷却ロール92bとを備えている。
【0064】
この構成において、図示せぬ送風機構によって生じた空気の流れが、円筒状の冷却ロール92の内部を流れることで、冷却ロール92の表面の温度が低下する。また、冷却ロール92bが、図示せぬ駆動部材から回転力が伝達されて回転する。さらに、冷却ロール92bに従動して冷却ロール92aが回転する。そして、冷却ロール92a、92bは、シートPを挟み込んで搬送し、シートPを冷却する。
【0065】
(作用)
次に、画像形成装置10の作用について説明する。
図1に示す画像形成装置10では、次のようにして画像が形成される。
【0066】
先ず、電圧が印加された
図2に示す各色の帯電器22は、各色の感光体ドラム21の表面を予定の電位で一様にマイナス帯電する。続いて、外部から入力された画像データに基づいて露光装置23は、帯電した各色の感光体ドラム21の表面に露光光を照射して静電潜像を形成する。
【0067】
これにより、画像データに対応した静電潜像が夫々の感光体ドラム21の表面に形成される。さらに、各色の現像装置24は、この静電潜像を現像し、トナー画像として可視化する。また、一次転写ロール33は、各色の感光体ドラム21の表面に形成されたトナー画像を、転写ベルト31に転写する。
【0068】
そこで、
図1に示す収容部50から送出ロール62によって搬送経路58へ送り出され、搬送ロール64aからチェーングリッパ66に渡されたシートPは、転写ベルト31と対向ロール36とが接触する二次転写位置NTへ送り出される。具体的には、グリッパ76(
図3参照)がシートPの先端部を把持することで、シートPは、搬送ロール64aからチェーングリッパ66に渡される。
【0069】
また、二次転写位置NTでは、シートPが転写ベルト31と対向ロール36とに挟み込んで搬送されることで、転写ベルト31の表面のトナー画像は、シートPの表面に転写される。
【0070】
さらに、周回するチェーン72は、トナー画像が転写されたシートPを搬送する。また、
図5に示すファン172が稼動して、ファン172は、シートPに下方から空気を吹き付け、シートPのシート面が上下方向に向くようにする。
【0071】
さらに、予備加熱部102のヒータ106に電圧が印加される。加熱板114は、電圧が印加されたヒータ106が放出する赤外線、及び反射面104aによって反射された赤外線を吸収することで温度が上昇して放熱する。そして、温度が上昇した加熱板114は、周回するチェーン72によって搬送されたシートPを上方から非接触で加熱する。シートPが加熱されることで、シートPに転写されたトナー画像を構成するトナーが軟化する。
【0072】
さらに、本加熱部120では、加熱ロール130及び加圧ロール140が、予備加熱部102によって加熱されたシートPを挟んで搬送し、トナー画像をシートPに定着する。トナー画像が定着したシートPは、グリッパ76による把持が解除され、
図1に示す搬送ユニット174及び搬送ロール64bによって搬送された後、冷却部90を通って排出部52に排出される。
【0073】
(要部構成)
次に、搬送ユニット174について説明する。
【0074】
搬送ユニット174は、
図10に示されるように、シートPの搬送方向において、本加熱部120の下流側に配置されている。つまり、搬送ユニット174は、本加熱部120から送り出されているシートPを搬送するようになっている。
【0075】
搬送ユニット174は、ベルト搬送装置180と、ベルト搬送装置180によって送り出されているシートPを複数の搬送方向に振り分ける振分手段190と、振分手段190によって振り分けられたシートPの一部を受け取って回収する回収部198とを備えている。ベルト搬送装置180は、搬送装置の一例である。
【0076】
〔ベルト搬送装置180〕
ベルト搬送装置180は、
図12に示されるように、幅方向に離隔すると共に軸方向を奥行方向とする一対のロール部材182と、一対のロール部材182に巻き掛けられると共に奥行方向に複数並べられている無端状の無端ベルト184とを備えている。さらに、ベルト搬送装置180は、無端ベルト184に囲まれた位置に配置されているファンユニット186を備えている。無端ベルト184は、無端部材の一例である。
【0077】
無端ベルト184には、表裏を貫通する複数の貫通孔184aが形成されている。また、ファンユニット186は、幅方向及び奥行方向に並べられる複数のファン186aを備えている。ファン186aは、吸い付け部材の一例である
【0078】
この構成において、一方のロール部材182は、図示せぬ駆動源から回転力が伝達されて回転する。一方のロール部材182が回転することで、無端ベルト184が周回すると共に他方のロール部材182が回転する。さらに、稼働するファン186aが、ベルト搬送装置180に渡されたシートPを無端ベルト184の表面(上方を向いた面)に吸い付ける。
【0079】
このようにして、ベルト搬送装置180は、無端ベルト184の表面に吸い付いたシートPを搬送して下流側へ送り出す。
【0080】
〔振分手段190、回収部198〕
振分手段190は、
図10に示されるように、シートPの搬送方向において、ベルト搬送装置180の下流側に配置されている。
【0081】
振分手段190は、長尺状の本体部190aと、本体部190aの一端部に設けられ軸方向を奥行方向とする軸部190bを備えている。具体的には、本体部190aが幅方向に延びるように配置された状態で、軸部190bは、本体部190aにおいてベルト搬送装置180から離れた一端部に設けられている。
【0082】
これにより、本体部190aは、図示せぬ駆動力が伝達されて、軸部190bを中心に回転して幅方向に延びる第一の位置(
図10参照)と、本体部190aの他端部が一端部に対して上方となる第二の位置(
図11参照)とに移動するようになっている。
【0083】
また、回収部198は、
図10に示されるように、振分手段190の下方に配置されており、詳細は後述するが、振分手段190によって振り分けられたシートPを回収するようになっている。
【0084】
〔制御部14〕
次に、制御部14について説明する。具体的には、制御部14において、搬送ユニット174を制御している部分について説明する。
【0085】
制御部14は、
図13に示されるように、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、ストレージ44、及び通信インタフェース(I/F)45を有する。そして、各構成は、バス49を介して相互に通信可能に接続されている。
【0086】
CPU41は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU41は、ROM42またはストレージ44からプログラムを読み出し、RAM43を作業領域としてプログラムを実行する。CPU41は、ROM42またはストレージ44に記録されているプログラムにしたがって、各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0087】
ROM42は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM43は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ44は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。通信インタフェース45は、制御部14が、ファン186a及び振分手段190等と通信するためのインタフェースである。
【0088】
(要部構成の作用)
次に、搬送ユニット174の作用について
図14のフロー図を用いて説明する。
【0089】
制御部14は、ステップS100で、画像形成装置10の画像形成動作に異常が生じているか否かを検知する。画像形成動作に異常が生じていない場合は、ステップS200で、振分手段190を第一の位置に配置する(
図10参照)。
【0090】
さらに、制御部14は、ステップS300で、シートPを第一の吸い付け力で無端ベルト184の表面に吸い付けるように、ファン186aを稼働させ、ロール部材182を回転させて無端ベルト184を周回させる。
【0091】
この状態では、ベルト搬送装置180は、
図15に示されるように、本加熱部120から送り出されているシートPを受け取り、振分手段190側へ搬送する。搬送されるシートPは、振分手段190の上面に沿って移動し、振分手段190は、ベルト搬送装置180から送り出されているシートPの送出方向を変更することなくシートPを振り分ける。
【0092】
さらに、振分手段190によって振り分けられたシートPは、
図1に示す搬送ロール64bによって搬送された後、冷却部90を通って排出部52へ排出される。
【0093】
そして、一枚のシートPの搬送が終了すると、再度、制御部14は、ステップS100で、画像形成装置10の画像形成動作に異常が生じているか否かを検知する。転写不良や定着不良等の画像形成動作の異常を図示せぬセンサが検知したときは、画像形成動作に異常が生じていると検知し、制御部14は、ステップS1200で、振分手段190を第二の位置に移動する(
図11参照)。
【0094】
さらに、制御部14は、ステップS1300で、シートPを第二の吸い付け力で無端ベルト184の表面に吸い付けるように、ファン186aを稼働させ、ロール部材182を回転させて無端ベルト184を周回させる。
【0095】
この状態では、ベルト搬送装置180は、
図16に示されるように、本加熱部120から送り出されたシートPを受け取り、振分手段190側へ搬送する。搬送されるシートPは、振分手段190において傾斜している下面に接触し、振分手段190は、ベルト搬送装置180から送り出されているシートPの送出方向を変更する。具体的には、振分手段190は、ベルト搬送装置180の送出方向(水平方向)に対してシートPが下方へ向けて搬送されるようにシートPを振り分ける。
【0096】
そして、ベルト搬送装置180から送り出されているシートPは、
図17に示されるように、湾曲しながら先端を下方へ向けて搬送される。ここで、シートPが湾曲することで、シートPの後端部分(図中J部分)に、無端ベルト184から離隔する方向の力が作用する。シートPの後端部分が無端ベルト184から離隔しまうと、シートPに搬送力が伝達されなくなる。
【0097】
しかし、前述したように、制御部14は、シートPを第一の吸い付け力と比して強い第二の吸い付け力で無端ベルト184の表面に吸い付けるように、ファン186aを稼働させている。
【0098】
このため、シートPの後端部分が無端ベルト184から離隔するのが抑制され、ベルト搬送装置180は、
図18に示されるように、シートPを回収部198に向けて搬送する。そして、回収部198は、転写不良や定着不良等の画像不良が生じたシートPを回収する。
【0099】
そして、一枚のシートPの搬送が終了すると、再度、制御部14は、ステップS100で、画像形成装置10の画像形成動作に異常が生じているか否かを検知する。また、印刷ジョブの終了と共に前述したフローは、終了する。
【0100】
(まとめ)
以上説明したように、搬送ユニット174においては、振分手段190によるシートPの搬送方向に基づいて、制御部14は、ファン186aを制御して吸い付け力を変更する。これにより、シートPを無端ベルト184に吸い付ける力が常に一定の場合と比して、シートPの搬送不良が抑制される。
【0101】
また、搬送ユニット174においては、制御部14は、振分手段190がベルト搬送装置180の送出方向に対してシートPを下方へ振り分けたときに、ファン186aによる吸い付け力を強くする。具体的には、制御部14は、振分手段190がベルト搬送装置180の送出方向に沿ってシートPが搬送されるようにシートPを振り分けた場合と比して、ファン186aによる吸い付け力を強くする。これにより、下方へ振り分けられたときに、ファンによる吸い付け力を弱くする場合と比して、シートPの後端部分が、無端ベルト184から離隔するのが抑制される。
【0102】
また、搬送ユニット174においては、画像形成装置10の画像形成動作に異常が生じていない状態では、振分手段190は、ベルト搬送装置180から送り出されているシートPの送出方向を変更することなくシートPを振り分ける。これにより、シートPを湾曲させて搬送方向を変更する場合と比して、シートPに生じる搬送抵抗が低減される。
【0103】
また、画像形成装置10においては、シートPを無端ベルトに吸い付ける力が常に一定の搬送ユニットを備える場合と比して、トナー画像が形成されたシートPの搬送不良が抑制される。
【0104】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係る搬送ユニット、画像形成装置の一例について
図19に従って説明する。
【0105】
第2実施形態に係る搬送ユニット274の制御部214は、
図19に示されるように、振分手段190が第二の位置に配置されているときに、シートPを第一の吸い付け力と比して強い第二の吸い付け力で無端ベルト184の表面に吸い付けるように、ファン186aを稼働させる。
【0106】
ここで、第二の吸い付け力は、搬送されるシートPの坪量によって決めされる。具体的には、制御部214は、シートPの坪量が大きい場合に、シートPの坪量が小さい場合と比して、吸い付け力の変更度合を大きくするように制御する。つまり、第二の吸い付け力は、搬送されるシートPの腰の強さによって決めされる。
【0107】
そこで、制御部214は、ユーザが図示せぬ操作画面から入力したシートPの坪量を入手する。そして、制御部214は、シートPの坪量が大きい場合に、シートPの坪量が小さい場合と比して、吸い付け力を段階的に大きくする。換言すれば、制御部214は、シートPの坪量が小さい場合に、シートPの坪量が大きい場合と比して、吸い付け力を段階的に小さくする。
【0108】
このように、搬送ユニット274においては、坪量に基づいて吸い付け力を変更することで、坪量に係わらず吸い付け力が一定の場合と比して、シートPの搬送不良が抑制される。
【0109】
また、搬送ユニット274においては、制御部214は、吸い付け力を段階的に変更する。これにより、吸い付け力を一段だけで変更する場合と比して、吸い付け力が適切となる。
【0110】
なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、特に説明しなかったが、制御部14、214が、振分手段190を移動させたが、例えば、ユーザ等が振分手段を移動させてもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、吸い付け力を強くするタイミングについて特に説明しなかったが、少なくとも、シートPの後端部分が、無端ベルト184の表面に接触しているときに、吹付け力を強くすればよい。
【0112】
また、上記実施形態では、画像形成装置10の制御部14、214は、搬送ユニット174、274の制御部を兼ねたが、搬送ユニット専用の制御部を設けてもよい。
【0113】
(((1)))
周回する無端状の無端部材を有し、前記無端部材の表面に記録媒体を吸い付けながら搬送する搬送装置と、
前記搬送装置から送り出されている記録媒体の搬送方向を変更して複数の搬送方向へ記録媒体を振り分ける振分手段と、
前記振分手段による搬送方向に基づいて、前記搬送装置を制御して前記搬送装置による吸い付け力を変更するように制御する制御部と、
を備える搬送ユニット。
【0114】
(((1)))の構成によれば、搬送装置から送り出されている記録媒体が複数の搬送方向に振り分けられる構成において、記録媒体を無端部材に吸い付ける力が常に一定の場合と比して、搬送不良が生じるのを抑制することができる。
【0115】
(((2)))
前記制御部は、前記搬送装置から送り出されている記録媒体の送出方向に対して記録媒体が下方へ向けて搬送されるように前記振分手段が記録媒体を振り分けたときに、前記振分手段が記録媒体を他の方向に振り分けた場合と比して、前記吸い付け力を強くするように制御する、
(((1)))に記載の搬送ユニット。
【0116】
(((2)))の構成によれば、記録媒体を下方に振り分けたときに吸い付け力を弱くする場合と比して、記録媒体が無端部材から離隔するのを抑制することができる。
【0117】
(((3)))
前記振分手段は、前記他の方向として、前記搬送装置から送り出されている記録媒体の送出方向を変更しない方向で記録媒体を振り分ける、
(((2)))に記載の搬送ユニット。
【0118】
(((3)))の構成によれば、記録媒体を湾曲させて他の方向へ振り分ける場合と比して、記録媒体に生じる搬送抵抗を低減することができる。
【0119】
(((4)))
前記制御部は、記録媒体の坪量が大きい場合に、記録媒体の坪量が小さい場合と比して、吸い付け力の変更度合を大きくするように制御する、
(((1)))~(((3)))の何れか1に記載の搬送ユニット。
【0120】
(((4)))の構成によれば、吸い付け力が坪量に係わらず一定の場合と比して、搬送不良を抑制することができる。
【0121】
(((5)))
前記制御部は、記録媒体の坪量に基づいて、吸い付け力を段階的に変更するように制御する、
(((4)))に記載の搬送ユニット。
【0122】
(((5)))の構成によれば、吸い付け力を一段だけで変更する場合と比して、吸い付け力の制御が適切となる。
【0123】
(((6)))
記録媒体にトナー画像を形成するトナー画像形成部と、
トナー画像が形成された記録媒体を搬送する(((1)))~(((5)))の何れか1に搬送ユニットと、
を備える画像形成装置。
【0124】
(((6)))の構成によれば、記録媒体を無端部材に吸い付ける力が常に一定の搬送ユニットを備える場合と比して、トナー画像が形成された記録媒体の搬送不良を抑制することができる。
【符号の説明】
【0125】
10 画像形成装置
14 制御部
20 トナー画像形成部
174 搬送ユニット
180 ベルト搬送装置(搬送装置の一例)
184 無端ベルト(無端部材の一例)
190 振分手段
214 制御部
274 搬送ユニット