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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073199
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240522BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20240522BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
F25D23/00 305G
F25D23/02 304A
F25D29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184288
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】岩上 栄生
(72)【発明者】
【氏名】石田 貴志
【テーマコード(参考)】
3L045
3L102
【Fターム(参考)】
3L045AA07
3L045BA01
3L045CA02
3L045PA04
3L102JA01
3L102KA01
3L102KE02
3L102KE09
(57)【要約】
【課題】従来の冷蔵庫では、作業者が断熱扉に電装部品を組み付ける際に、ハーネスのコネクタ部を取り出し難く、配線作業性が悪いという課題がある。
【解決手段】本発明の冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の前面開口部を開閉自在に塞ぐ第1の断熱扉14及び第2の断熱扉15と、を備える。第2の断熱扉15では、操作表示装置41が固定部材61を介して第2の断熱扉15に固定される。そして、ハーネス収納部材51の突起壁部55の先端部55Cは、固定部材61の収納凹部62Bの前面開口部62Cの内側に位置する。この構造により、作業者は、第2の断熱扉15に電装部品を組み付ける際にコネクタ部45を内面板材32の内側から取り出し易くなる。そして、第2の断熱扉15での電気配線作業性が向上される。
【選択図】図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室が形成される断熱箱体と、
前記断熱箱体に取り付けられ、前記貯蔵室の前面開口部を開閉自在に塞ぐ断熱扉と、
前記断熱扉の内部に配設され、前記断熱扉に組み付けられる電装部品と電気的に接続するハーネスの一部を収納するハーネス収納部材と、を備え、
前記断熱扉は、外面板材と、前記外面板材に対して庫内側に配設される内面板材と、前記外面板材と前記内面板材との間の空間に充填される断熱材と、を有し、
前記断熱扉の前記内面板材には前記電装部品の一部を前記空間へと収納するための開口部が形成され、
前記ハーネス収納部材の先端部は、前記開口部の内側の前記空間内に位置することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記電装部品を前記内面板材に対して固定する固定部材を備え、
前記固定部材は、
前記開口部から挿入された前記電装部品の一部が収納される収納凹部と、
前記ハーネス収納部材の前記先端部及びその周辺部分が挿入されるハーネス導入部と、を有し、
前記ハーネス収納部材が前記固定部材に挿入された状態において、
前記ハーネス収納部材の前記先端部は、前記収納凹部の前面開口部の内側の前記収納凹部内に位置することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記ハーネス収納部材は、
前記ハーネスを収納する基部と、
前記基部に対して前記庫内側へと延在する突起壁部と、を有し、
前記突起壁部が前記ハーネス導入部へと挿入され、前記突起壁部の先端部が前記前面開口部の内側の前記収納凹部内に位置することを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記突起壁部には、前記ハーネスの先端のコネクタ部を係止する爪部が形成され、
前記爪部に係止された前記コネクタ部は、前記前面開口部の内側の前記収納凹部内に位置することを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、断熱扉の電気配線作業時におけるハーネスの取り扱いを容易にし、作業効率を向上させる冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の冷蔵庫が開示されている。冷蔵庫は、貯蔵室として用いられる断熱箱体と、断熱箱体の前面開口部を塞ぐ断熱扉と、を備える。そして、断熱扉の正面部には、表示パネルが配設される。
【0003】
表示パネルは、冷蔵庫の運転情報や冷蔵庫の制御情報等、各種情報を表示する。また、表示パネルは、タッチパネル機能を備え、利用者は、表示パネルを操作し、入力操作を行うことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2019/150635A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、断熱扉の表示パネルは、断熱箱体に配設される制御部や電源部とハーネスを介して電気的に接続する。そして、表示パネルは、ハーネスを介して電源供給を受けることで、上記各種情報を表示すると共に、利用者による入力情報を制御部へと入力する。
【0006】
ハーネスは、例えば、断熱扉のヒンジ部を利用して、断熱箱体から断熱扉側へと配線される。そして、ハーネスは、断熱扉の限られた領域を利用して、断熱扉に配設された上記表示パネル等の電装部品と接続する。
【0007】
ここで、電装部品は、断熱扉の断熱材の発泡工程後に断熱扉へ組み付けられる。しかしながら、電装部品の組み付け箇所等にもよるが、意匠面の見栄え等の観点から電装部品を断熱扉に組み付けるための開口部は小さい方が好ましい。その結果、電装部品の断熱扉への組み付け作業の際に、作業者は、上記開口部を介して断熱扉の内部からハーネスのコネクタ部を取り出し難くなり、配線作業に手間取るという課題がある。
【0008】
一方、上記ハーネスのコネクタ部の取り出し易さを優先させ、上記開口部が大きく形成される場合には、断熱扉での断熱材の容積不足が発生し、断熱扉の断熱性能が悪化する恐れがあるという新たな課題が発生する。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、断熱扉に固定されるハーネス収納部材の先端部側を電装部品の組み付け用の開口部の内側に配置し、ハーネスのコネクタ部を取り出し易くすることで、電気配線作業性を向上させる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の冷蔵庫では、貯蔵室が形成される断熱箱体と、前記断熱箱体に取り付けられ、前記貯蔵室の前面開口部を開閉自在に塞ぐ断熱扉と、前記断熱扉の内部に配設され、前記断熱扉に組み付けられる電装部品と電気的に接続するハーネスの一部を収納するハーネス収納部材と、を備え、前記断熱扉は、外面板材と、前記外面板材に対して庫内側に配設される内面板材と、前記外面板材と前記内面板材との間の空間に充填される断熱材と、を有し、前記断熱扉の前記内面板材には前記電装部品の一部を前記空間へと収納するための開口部が形成され、前記ハーネス収納部材の先端部は、前記開口部の内側の前記空間内に位置することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の冷蔵庫では、前記電装部品を前記内面板材に対して固定する固定部材を備え、前記固定部材は、前記開口部から挿入された前記電装部品の一部が収納される収納凹部と、前記ハーネス収納部材の前記先端部及びその周辺部分が挿入されるハーネス導入部と、を有し、前記ハーネス収納部材が前記固定部材に挿入された状態において、前記ハーネス収納部材の前記先端部は、前記収納凹部の前面開口部の内側の前記収納凹部内に位置することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の冷蔵庫では、前記ハーネス収納部材は、前記ハーネスを収納する基部と、前記基部に対して前記庫内側へと延在する突起壁部と、を有し、前記突起壁部が前記ハーネス導入部へと挿入され、前記突起壁部の先端部が前記前面開口部の内側の前記収納凹部内に位置することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の冷蔵庫では、前記突起壁部には、前記ハーネスの先端のコネクタ部を係止する爪部が形成され、前記爪部に係止された前記コネクタ部は、前記前面開口部の内側の前記収納凹部内に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の冷蔵庫は、断熱箱体の前面開口部を開閉自在に塞ぐ断熱扉を有する。電装部品は、断熱扉を構成する内面板材に配設される。断熱扉の内部には、ハーネス収納部材が配設され、ハーネス収納部材は、ハーネスの一部を収納する。そして、ハーネス収納部材の先端部は、内面板材に形成される開口部の内側に位置する。この構造により、作業者は、断熱扉に電装部品を組み付ける際に、コネクタ部を内面板材の内側から取り出し易くなる。そして、断熱扉での電気配線作業性が向上される。
【0015】
また、本発明の冷蔵庫は、電装部品を断熱扉に固定する固定部材を有する。断熱扉の内部では、ハーネス収納部材と固定部材とが連結して配設される。そして、ハーネス収納部材の先端部は、固定部材の収納凹部の内側に位置する。この構造により、作業者は、断熱扉に電装部品を組み付ける際に、コネクタ部を内面板材の内側から取り出し易くなる。そして、断熱扉での電気配線作業性が向上される。
【0016】
また、本発明の冷蔵庫では、ハーネス収納部材は、ハーネスを収納する基部と、基部に対して庫内側へと延在する突起壁部と、を有する。そして、突起壁部の先端部は、固定部材の収納凹部の内側に位置する。この構造により、作業者は、断熱扉に電装部品を組み付ける際に、コネクタ部を内面板材の内側から取り出し易くなる。そして、断熱扉での電気配線作業性が向上される。
【0017】
また、本発明の冷蔵庫では、突起壁部の先端部近傍には、ハーネスのコネクタ部を係止する爪部が形成される。この構造により、作業者は、断熱扉に電装部品を組み付ける際に、コネクタ部を内面板材の内側から取り出し易くなる。そして、断熱扉での電気配線作業性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を説明する斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を説明する正面図である。
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を説明する側方断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉を説明する分解斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉を説明する斜視図である。
図6A】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉に配設するハーネス収納部材を説明する斜視図である。
図6B】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉におけるハーネス収納部材を説明する斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉におけるハーネスの配線状況を説明する斜視図である。
図8A】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の操作表示装置の固定部材を説明する斜視図である。
図8B】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の操作表示装置の固定部材を説明する平面図である。
図9】本発明の実施形態に係る冷蔵庫のハーネス収納部材と固定部材との連結状態を説明する平面図である。
図10A】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉の組み付け方法を説明する断面図である。
図10B】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉の組み付け方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本実施形態の冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。尚、以下の説明では、上下方向は冷蔵庫10の高さ方向を示し、左右方向は冷蔵庫10を前方から見た横幅方向を示し、前後方向は冷蔵庫10の奥行方向を示している。また、本実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0020】
図1は、本実施形態の冷蔵庫10を前方側から見た外観構造を説明する斜視図である。図2は、本実施形態の冷蔵庫10を前方側から見た内部構造を説明する正面図である。図3は、本実施形態の冷蔵庫10の構造を説明する側方断面図である。図4は、本実施形態の冷蔵庫10の第2の断熱扉15を説明する分解斜視図である。図5は、本実施形態の冷蔵庫10の第2の断熱扉15及び第2の断熱扉15に配設される操作表示装置41を説明する斜視図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成された貯蔵室と、を備える。また、貯蔵室としては、上方側から、1つの冷蔵室12と2つの冷凍室13が形成される。尚、図1では、説明の都合上、各貯蔵室の付番を示している。
【0022】
冷蔵室12は、断熱箱体11の中央より上方側であり、庫内の内部空間の略半分程度を用いて形成される。冷蔵室12の前面開口部は、観音式の第1の断熱扉14及び第2の断熱扉15にて開閉自在に塞がれる。第1の断熱扉14及び第2の断熱扉15は回転式の扉であり、それぞれ第1の断熱扉14及び第2の断熱扉15の紙面左右方向の端部側が、断熱箱体11に回転自在に軸支される。そして、第1の断熱扉14の中央側の端部であり、第1の断熱扉14の庫内側には、センターピラー16が配設される。尚、冷蔵室12は、例えば、仕切り板部材(図示せず)により紙面上下方向に複数段に仕切られる。
【0023】
冷凍室13は、断熱箱体11の中央より下方側であり、庫内の内部空間の略半分程度を用いて形成される。冷凍室13は、断熱箱体11の一部である区画壁17により紙面左右方向に区画して形成される。そして、第3の断熱扉18及び第4の断熱扉19は回転式の扉であり、それぞれ第3の断熱扉18及び第4の断熱扉19の紙面左右方向の端部側が、断熱箱体11に回転自在に軸支される。冷凍室13が、第3の断熱扉18及び第4の断熱扉19により全閉状態となる場合には、第3の断熱扉18及び第4の断熱扉19は、区画壁17に対して当接し磁着した状態となる。尚、冷凍室13は、例えば、引き出し式の収納ケース部材(図示せず)により、それぞれ紙面上下方向に複数段に仕切られる。
【0024】
図3に示すように、断熱箱体11は、主に、冷蔵庫10の外形を形成する鋼板から成る外箱21と、外箱21の内側に形成された箱形の合成樹脂板から成る内箱22と、外箱21と内箱22との間に配設された断熱材23と、を有する。断熱材23としては、例えば、発泡ウレタンが採用される。
【0025】
冷凍室13の後方には、冷却室24が区画形成される。冷却室24には冷却器25が配設される。また、断熱箱体11の最下部後方には、機械室26が区画形成される。機械室26には圧縮機27等が配設される。冷却器25及び圧縮機27は、図示しない膨張手段および凝縮器と冷媒配管を経由して接続され、蒸気圧縮冷凍サイクルを形成する。尚、蒸気圧縮冷凍サイクルの各構成機器は、ここでは図示しない冷媒配管を経由して相互に接続される。
【0026】
上記冷凍サイクルが運転することで、冷却器25により冷却室24の内部の空気が冷却される。冷却室24には、冷却器25の上方側には送風機28が配設される。送風機28は、例えば、軸流送風機または遠心送風機であり、冷却室24の内部の冷気を、冷蔵室12および冷凍室13に向けて送風する。そして、上記冷気が、各種風路29を経由して各貯蔵室に送風されることで、冷蔵室12は冷蔵温度帯域となり、冷凍室13は冷凍温度帯域となる。
【0027】
冷却室24の冷却器25の下方には、除霜ヒータ20が配置される。上記冷凍サイクルの運転に伴い、冷却器25の表面に厚い着霜が生じる。このようになると、制御部(図示せず)は、圧縮機27を停止して除霜ヒータ20を通電して加熱する除霜運転を行い、上記霜を溶融除去する。尚、除霜ヒータ20としては、電気抵抗加熱式のヒータ、シーズヒータやホットガスデフロスト等が採用される。
【0028】
図4に示すように、第2の断熱扉15は、主に、冷蔵庫10の意匠面を形成する外面板材31と、外面板材31の庫内側に配設される内面板材32と、内面板材32に枠状に取り付けられるガスケット33と、外面板材31及び内面板材32を支持する外枠体34と、を有する。そして、外面板材31、内面板材32及び外枠体34にて囲まれた内部空間には、断熱材(図示せず)が形成される。断熱材としては、例えば、発泡ウレタンが採用される。尚、外面板材31及び外枠体34は、一体構造となる場合でも良い。また、第1の断熱扉14、第3の断熱扉18及び第4の断熱扉19も第2の断熱扉15と同様な構造となる。
【0029】
外面板材31は、例えば、鋼板製の板材である。外面板材31は平板として成形される。内面板材32は、例えば、合成樹脂製の板材であり、成形金型を用いて真空成形により形成される。そして、外枠体34は、例えば、鋼板製の板材から形成され、第2の断熱扉15の外周側面を構成する。外枠体34は、外面板材31及び内面板材32を固定し、第2の断熱扉15の剛性を維持する。詳細は後述するが、内面板材32の庫外側には、操作表示装置41を組み付けるための開口部32Aが形成される。
【0030】
図5に示すように、内面板材32には、突出部37が庫内側へと膨出して形成される。突出部37は、ガスケット33の内側であり、第2の断熱扉15の外周端部に沿って1周に渡り形成される。言い換えると、突出部37は、第2の断熱扉15に設けられるドアポケットの収納領域を囲むように形成される。
【0031】
図示したように、第1の断熱扉14及び第2の断熱扉15の全閉状態時における対向面であり、突出部37の側面には、操作表示装置41が配設される。そして、第2の断熱扉15の全閉状態では、突出部37は、冷蔵室12の庫内へと位置するため、操作表示装置41も同様に冷蔵室12の庫内へと位置する。
【0032】
ここで、操作表示装置41は、操作パネル部42と、表示部(図示せず)と、を備える。操作パネル部42は、透光性を有する合成樹脂板やガラス板から形成され、操作表示装置41の前面部に配設される。そして、操作パネル部42の表面には、例えば、タッチパネル機能を備えることで、利用者は、各貯蔵室の保冷温度等を設定することが出来る。一方、操作パネル部42は、利用者の操作による入力信号を冷蔵庫10の制御部(図示せず)へ送信し、制御部は圧縮機27等を制御する。
【0033】
表示部は、複数のLED素子や制御基板等により構成され、操作パネル部42の背面側に配設される。表示部は、上記制御基板等をその内部に配設するボックス構造として形成される。表示部は、操作パネル部42よりひと回り小さい形状であり、操作パネル部42の外周端部よりも内側に収まる大きさである。そして、表示部は、上記制御部からの出力信号に基づき、上記LED素子を発光させ、各貯蔵室の保冷温度等の冷蔵庫10の各種情報を操作パネル部42に表示させる。
【0034】
次に、図6Aから図7を用いて、第2の断熱扉15に配線されたハーネス44の先端のコネクタ部45(図9参照)を操作表示装置41の配置領域の近傍に仮固定するハーネス収納部材51を説明する。
【0035】
図6A及び図6Bは、本実施形態の冷蔵庫10のハーネス収納部材51を説明する斜視図である。図7は、本実施形態の冷蔵庫10のハーネス収納部材51が第2の断熱扉15の外枠体34に固定された状態を説明する斜視図である。
【0036】
図6A及び図6Bに示すように、ハーネス収納部材51は、主に、その内部にハーネス44を収納する基部53と、基部53の前方側に形成される着脱部54と、基部53の上方側に形成される突起壁部55と、基部53の下方側に形成されるハーネス挿入部56と、を備える。そして、ハーネス収納部材51は、例えば、ABS樹脂により一体成形される。
【0037】
基部53は、平板状の位置固定部53Aと、位置固定部53Aの下方にハーネス44を収納する収納部53Bと、を有する。詳細は後述するが、第2の断熱扉15の組み付け工程後には、ハーネス収納部材51は、固定部材61(図8A参照)と連結し、1パーツのハーネス保持部材として用いられる。そして、上記連結状態時には、位置固定部53Aは、固定部材61のハーネス導入部63の先端部63Aと接触する位置に形成される。
【0038】
収納部53Bは、ハーネス挿入部56と連通状態となり、ハーネス44の一部を収納する内部空間を有する。ハーネス44は、ハーネス挿入部56からハーネス収納部材51の内部へと挿入される。そして、第2の断熱扉15の発泡工程前のハーネス44の仮固定時では、ハーネス44は、収納部53Bの内部にて余長を有した状態にて待機する。
【0039】
着脱部54は、第2の断熱扉15の外枠体34に対して、ハーネス収納部材51を着脱可能に固定するための部材である。着脱部54の先端には、例えば、複数の係止爪54Aが形成される。そして、図7に示すように、作業者が、外枠体34の係止受け部(図示せず)に対して係止爪54Aを嵌め込むことで、ハーネス収納部材51が、外枠体34に対して固定される。
【0040】
突起壁部55は、基部53の位置固定部53Aの開口部53Cを囲むように形成される。突起壁部55は、ハーネス44をガイドする平板部55Aと、平板部55Aの両側端部の枠体部55Bと、を有する。そして、突起壁部55の先端部55C近傍の平板部55Aには、爪部55Dが形成される。図10Aを用いて後述するが、ハーネス44の仮固定時では、爪部55Dが、ハーネス44の先端のコネクタ部45(図10A参照)を引っ掛けた状態にてハーネス44の先端側を係止する。
【0041】
図7に示すように、複数のハーネス44は、例えば、第2の断熱扉15のヒンジ機構(図示せず)を利用して、冷蔵庫10の本体部である断熱箱体11側から配線される。ハーネス44の一部は、第2の断熱扉15の発泡工程前の外枠体34の内側にて、操作表示装置41の配置領域へと引き回される。
【0042】
上述したように、操作表示装置41の配置領域近傍の外枠体34には、ハーネス収納部材51が固定される。ハーネス44は、ハーネス挿入部56(図9参照)からハーネス収納部材51の内部へと挿入される。そして、ハーネス44のコネクタ部45が、突起壁部55の爪部55Dに引っ掛けられることで、ハーネス44は外枠体34に対して仮固定される。このとき、ハーネス44は、収納部53Bの内部に余長を有した状態にて収納される。そして、後工程である操作表示装置41の組み付け作業時に、ハーネス44及びコネクタ部45(図10A参照)は、作業者によりハーネス収納部材51から固定部材61(図8A参照)の収納凹部62B(図8A参照)内へと引き出される。
【0043】
次に、図8A及びから図8Bを用いて、操作表示装置41を第2の断熱扉15に固定する固定部材61を説明する。
【0044】
図8Aは、本実施形態の冷蔵庫10の操作表示装置41を第2の断熱扉15に固定する固定部材61を説明する斜視図である。図8Bは、本実施形態の冷蔵庫10の操作表示装置41を第2の断熱扉15に固定する固定部材61を説明する平面図である。
【0045】
図8A及び図8Bに示すように、固定部材61は、主に、操作表示装置41を支持する基部62と、基部62の内部へとハーネス44を導入するためのハーネス導入部63と、基部62の背面側に形成されるリブ部64と、を有する。そして、固定部材61は、例えば、ABS樹脂により一体成形される。
【0046】
基部62の前面には、接着部材(図示せず)とシール部材(図示せず)を配設する平坦面62A及び操作表示装置41の表示部(図示せず)が嵌合される収納凹部62Bが形成される。収納凹部62Bは、平坦面62Aの内側であり、平坦面62Aに囲まれて形成される。そして、収納凹部62Bは、ハーネス導入部63と連通状態にて形成される。
【0047】
固定部材61は、第2の断熱扉15を構成する内面板材32(図5参照)の突出部37(図5参照)の内部に固定される。そのため、固定部材61は、断面視略三角形状となるように先端側が縮まるように形成される。複数のリブ部64が、基部62の背面側に形成されることで、固定部材61の剛性が実現される。
【0048】
次に、図9から図10Bを用いて、第2の断熱扉15の組み付け工程におけるハーネス44の配線作業及びハーネス収納部材51と固定部材61との連結状態について説明する。
【0049】
図9は、本実施形態の冷蔵庫10のハーネス収納部材51と固定部材61との連結状態を説明する平面図である。図10Aは、本実施形態の冷蔵庫10の第2の断熱扉15の外枠体34と内面板材32との組み付け前の状態を説明する断面図である。図10Bは、本実施形態の冷蔵庫10の第2の断熱扉15の外枠体34と内面板材32との組み付け後の状態を説明する断面図である。尚、図10A及び図10Bは、図5のA-A線方向の断面を示す。そして、説明の都合上、図10A及び図10Bは、図5の操作表示装置41を省略して図示する。
【0050】
尚、図9から図10Bでは、固定部材61が内面板材32に対して固定される際に、両面テープ等の接着部材及び発泡した断熱材の侵入を阻むウレタン等のシール部材が使用されるが、説明の都合上、接着部材及びシール部材を省略して図示する。
【0051】
図9に示すように、第2の断熱扉15が組み付けられた状態では、ハーネス収納部材51の突起壁部55は、固定部材61のハーネス導入部63の内部へと挿入される。つまり、ハーネス収納部材51が固定部材61に対して固定されることで、ハーネス収納部材51と固定部材61とは、1パーツのハーネス44の保持部材としても用いられる。
【0052】
また、丸印57にて示すように、上記連結状態では、ハーネス収納部材51の突起壁部55の先端部55C及びその周辺領域は、固定部材61の収納凹部62Bの前面開口部62Cの内側に位置する。そして、ハーネス44の先端のコネクタ部45は、収納凹部62B内であり、前面開口部62Cを介して目視可能な位置に配置される。
【0053】
図10Aに示すように、内面板材32が、外枠体34に対して組み付けられる前工程にて、固定部材61は、内面板材32の突出部37の内部の空間37Aに組み付けられる。具体的には、固定部材61は、内面板材32と外面板材31との間の空間であり、突出部37の内側の空間37Aに挿入される。そして、固定部材61の平坦面62A(図9参照)上に配設された接着部材(図示せず)が、内面板材32の裏面に対して接着することで、固定部材61は、内面板材32の所望の位置に固定される。
【0054】
このとき、固定部材61の収納凹部62Bが、内面板材32の開口部32Aに対して所望の位置となるように、作業者は、目視にて固定部材61の位置調整を行う。この位置調整により、収納凹部62Bの前面開口部62Cが、内面板材32の開口部32Aと略一致する。
【0055】
一方、ハーネス収納部材51は、着脱部54を介して外枠体34の内側面の所望の位置に固定される。そして、外枠体34へと配線されたハーネス44は、ハーネス挿入部56(図9参照)からハーネス収納部材51の内部へと挿入される。ハーネス44の先端のコネクタ部45が、突起壁部55の爪部55Dに引っ掛けられることで、ハーネス44はハーネス収納部材51に対して仮固定される。
【0056】
図10Bに示すように、内面板材32が、外枠体34に対して組み付けられる際に、ハーネス収納部材51の突起壁部55は、固定部材61のハーネス導入部63の内部へと挿入される。
【0057】
ここで、ハーネス収納部材51は、外枠体34の所望の位置に対して固定されることで、突起壁部55の先端部55Cは、外枠体34に対して所望の高さ位置となる。その後、内面板材32が、外枠体34に対して組み付けられることで、突起壁部55の先端部55Cは、内面板材32に固定された固定部材61に対しても所望の高さ位置となる。
【0058】
この構造により、矢印65は、固定部材61の前面開口部62Cの庫内奥行方向の開口幅を示すが、突起壁部55の先端部55Cは、前面開口部62Cの内側に位置する。つまり、突起壁部55の先端部55C近傍に位置するハーネス44の先端のコネクタ部45は、固定部材61の前面開口部62Cから目視出来る位置に仮固定される。そして、作業者は、断熱材23の発泡工程後に、操作表示装置41を内面板材32に対して固定するが、前面開口部62Cを介して収納凹部62B内へと容易にコネクタ部45を引き出すことが出来る。その後、作業者は、収納凹部62B内のコネクタ部45を収納凹部62B内に固定される表示部のコネクタ部(図示せず)に対して接続する。
【0059】
尚、図示したように、内面板材32が外枠体34に対して組み付けられた状態では、固定部材61のハーネス導入部63の先端部63Aが、ハーネス収納部材51の位置固定部53Aと接触する。あるいは、ハーネス導入部63の先端部63Aが、ハーネス収納部材51の位置固定部53Aの近傍に位置する。
【0060】
上述したように、本実施形態の冷蔵庫10では、内面板材32と外枠体34との組み付け前には、ハーネス収納部材51と固定部材61とを2部品として取り扱い、それぞれ外枠体34や内面板材32に対して位置精度良く固定する。そして、内面板材32と外枠体34との組み付け後には、ハーネス収納部材51と固定部材61とは連結し、1パーツのハーネス保持部材としても機能する。その結果、ハーネス44の先端のコネクタ部45が、作業者の目視可能な位置である前面開口部62Cの内側に位置することで、ハーネス44の配線作業が容易となる。
【0061】
尚、本実施形態の冷蔵庫10では、第2の断熱扉15に配設される操作表示装置41を用いて説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、第2の断熱扉15に配設される電装部品としては、その他、庫内撮影用カメラ、庫内照明やヒータ等も採用可能であり、この場合においてもハーネス収納部材51や固定部材61を用いることで、同様な効果が得られる。
【0062】
また、ハーネス収納部材51と固定部材61との2部品を用いてハーネス44の配線作業性が向上される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、上記電装部品が、固定部材61を用いることなく第2の断熱扉15に配設される場合には、ハーネス収納部材51が、内面板材32の開口部32Aに対して上述した位置関係を満たすことで、作業者は、内面板材32の開口部32Aからハーネス44の先端のコネクタ部45を容易に取り出すことが出来る。
【0063】
また、ハーネス収納部材51では、爪部55Dが突起壁部55の先端部55C近傍に配設される場合について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、爪部55Dの代わりにテープ等の接着部材を用い、ハーネス44の先端のコネクタ部45が、突起壁部55の先端部55C近傍に接着部材により仮固定される場合でも良い。この場合でも、作業者は、内面板材32の開口部32Aからハーネス44の先端のコネクタ部45を容易に取り出すことが出来る。
【0064】
また、冷蔵室12の前面開口部を塞ぐ第1の断熱扉14及び第2の断熱扉15が、観音扉構造からなる場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、冷蔵室12の前面開口部が、1枚の第2の断熱扉15にて開閉自在に塞がれる構造の場合でも良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 第1の断熱扉
15 第2の断熱扉
18 第3の断熱扉
19 第4の断熱扉
16 センターピラー
23 断熱材
31 外面板材
32 内面板材
32A 開口部
33 ガスケット
34 外枠体
37 突出部
41 操作表示装置
42 操作パネル部
43 表示部
44 ハーネス
45 コネクタ部
51 ハーネス収納部材
53 基部
53A 位置固定部
53B 収納部
53C 開口部
54 着脱部
55 突起壁部
55A 平板部
55B 枠体部
55C 先端部
55D 爪部
56 ハーネス挿入部
61 固定部材
62 基部
62A 平坦面
62B 収納凹部
62C 前面開口部
63 ハーネス導入部
64 リブ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B