(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073201
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】容器の断熱・防音・保安システムと容器の断熱・防音・保安を維持する方法
(51)【国際特許分類】
E06B 3/677 20060101AFI20240522BHJP
E06B 3/66 20060101ALI20240522BHJP
E06B 3/663 20060101ALI20240522BHJP
E06B 3/67 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
E06B3/677
E06B3/66 A
E06B3/663 G
E06B3/67 A
E06B3/67 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184292
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】517271935
【氏名又は名称】前田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】前田 和幸
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016AA01
2E016BA01
2E016BA02
2E016BA08
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC02
2E016EA01
2E016FA00
2E016GA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容器の断熱・防音・保安を維持するシステムと方法に関する。
【解決手段】容器において、容器の外側と内側を貫通する熱と音の移動を防止するために、容器の一部又は全部を内部が真空の二重構造とし、二重構造物内部の真空状態を維持するために、持続的に二重構造物内部の圧力を低下させるための装置を備えるとともに、二重構造を構成する物質の片方又は両方の一部又は全部に耐衝撃性に優れ切削されにくい透光性の物質を設置することにより、断熱・防音機能に加え保安機能を兼ね備える窓の機能を持たせることが可能になることを特徴とする、容器の外側と容器の内側における熱と音の移動を防止するためのシステムと方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器において、容器の外側と内側を貫通する熱と音の移動を防止するために、容器の一部又は全部を内部が真空の二重構造とし、二重構造物内部の真空状態を維持するために、持続的に二重構造物内部の圧力を低下させるための装置を備えることを特徴とする、容器の外側と内側を貫通する熱と音の移動を防止するためのシステム。
【請求項2】
容器において、容器の外側と内側を貫通する熱と音の移動を防止するために、容器の一部又は全部を内部が真空の二重構造とし、二重構造物内部の真空状態を維持するために、持続的に二重構造物内部の圧力を低下させるという方法を用いることを特徴とする、容器の外側と容器の内側における熱と音の移動を防止するための方法。
【請求項3】
容器において、容器を構成する物質に外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることが可能な機能を持たせるために、二重構造を構成する物質の片方又は両方の一部又は全部に耐衝撃性に優れ切削されにくい透光性の物質を設置することにより、断熱・防音機能に加え保安機能を兼ね備える窓の機能を持たせることが可能になることを特徴とする、請求項1に記載された、容器の外側と容器の内側における熱と音の移動を防止するためのシステム。
【請求項4】
容器において、容器を構成する物質に外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることが可能な機能を持たせるために、二重構造を構成する物質の片方又は両方の一部又は全部に耐衝撃性に優れ切削されにくい透光性の物質を設置するという方法を用いることにより、断熱・防音機能に加え保安機能を兼ね備える窓の機能を持たせることが可能になることを特徴とする、請求項2に記載された、容器の外側と容器の内側における熱と音の移動を防止するための方法。
【請求項5】
外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることを目的として設置された複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質の周囲に設置されて密閉空間を構成している物質に、幅のある1列の溝、又は平板の厚さ(thickness)に近い幅の2列の溝を設けて、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板の周囲をこの溝に挿入することにより、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板とその周囲に設置されて密閉空間を構成している物質とを密着・固定させ、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板とその周囲に設置されている物質によって形成された密閉空間を真空にするとともに、内部が真空の密閉空間が大気圧によって変形するのを防止するために、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板の間に支柱(スペーサー)の役割を持たせる物質が挿入されている二重構造物において、二重構造物と二重構造物の周囲に設置されて密閉空間を構成している物質が接する部分にシール材を充填・塗布して気密を高めるとともに、真空状態を保つために継続して内部の圧力を低下させることにより、窓の真空断熱機能を保持することが可能になることを特徴とする、請求項1に記載された真空断熱窓。
【請求項6】
外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることを目的として設置された複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質の周囲に設置されて密閉空間を構成している物質に、幅のある1列の溝、又は平板の厚さ(thickness)に近い幅の2列の溝を設けて、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板の周囲をこの溝に挿入することにより、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板とその周囲に設置されて密閉空間を構成している物質とを密着・固定させ、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板とその周囲に設置されている物質によって形成された密閉空間を真空にするとともに、内部が真空の密閉空間が大気圧によって変形するのを防止するために、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板の間に支柱(スペーサ)の役割を持たせる物質が挿入されている二重構造物において、二重構造物と二重構造物の周囲に設置されて密閉空間を構成している物質が接する部分にシール材を充填・塗布して気密を高めるとともに、真空状態を保つために継続して内部の圧力を低下させるという方法を用いることにより、窓の真空断熱機能を保持することが可能になることを特徴とする、請求項2又は請求項4に記載された窓に真空断熱機能を持たせる方法。
【請求項7】
外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることを目的として設置された透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質から構成される二重構造物において、二重構造物内部の真空密閉空間が外圧によって変形するのを防止するために、軽量で断熱特性に優れた材質と形状を有する物質を挿入して、支柱(スペーサー)の役割を持たせることを特徴とする、請求項1又は請求項3に記載された真空断熱窓。
【請求項8】
外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることを目的として設置された透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質から構成される二重構造物において、二重構造物内部の真空密閉空間が外圧によって変形するのを防止するために挿入する軽量で断熱特性に優れた材質と形状を有する物質を用いて、意匠又はそれ以外の文字、数字、ロゴ、模様、絵画などを描き、これに支柱(スペーサ)の役割を持たせることを特徴とする、請求項1又は請求項3に記載された真空断熱窓。
【請求項9】
請求項1に記載されたシステムに用いるための容器。
【請求項10】
請求項2に記載された方法に用いるための容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の断熱・防音・保安を維持するシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷暖房設備の普及により、外気温度に係わらず居住空間の温度を一定に保つことにより快適空間を得ることが可能になったが、近年、地球温暖化により外気温度が上昇傾向にあるため、これを保持するにはより多くのエネルギーを必要とする。また、極地に近い国々や、赤道に近い国々において居住空間を快適温度に保持するためには多量のエネルギーを必要とする。居住空間の温度が低い場合は、衣服による対応や再生可能エネルギー(薪など)による対応が可能であるが、居住空間の温度が高い場合は地球温暖化ガスの発生を伴う電気を用いることになる。日本において、夏の冷房時(昼間)における外気温度の平均が30℃を超えるのは数ヶ月であるが、赤道付近の国々においては年間を通してほぼ同じ状態となる。
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の報告によれば、冬の暖房時における居住空間からの出熱の割合は、屋根5%、床7%、外壁15%、換気15%に対して窓などの開口部58%である。一方、夏の冷房時(昼間)における居住空間への入熱の割合は、屋根11%、床3%、外壁7%、換気6%に対して窓などの開口部73%となっており、窓などの開口部からの割合が極端に高くなっていることから、窓などの開口部を断熱構造とすることにより、室内温度維持のためのエネルギー消費を抑えた状態で快適空間を得ることが可能になる。
窓からの熱の移動を低減させるための装置と方法としては、複層ガラスが一般的であるが、複層ガラスは非常に重く、強度を確保するための窓枠として熱伝導率の高いアルミニウム合金を用いた場合、枠部分から熱が出入りして結露が発生するため、次のような断熱性能を向上させて快適空間を得るための技術が提案されている。
例えば、特許文献1には「比較的安価で厚みを薄く構成することが可能で、しかも、晴天及び曇天に関わらず自然光を安定して取り込むことができ、明るい自然環境を創出できるとともに、優れた断熱機能を有する採光・断熱窓を提供するために、2枚の透明な板材の間にリニア-型フレネルレンズ等の採光用レンズを配置し、これらの板材の少なくとも一方の板材と採光用レンズとの間に空気層を形成した技術」が記載されている。
特許文献2には「窓ガラスと室内側の面に空気層を隔てて、複数の合成樹脂フィルムとこれらのフィルム間に配置された複数のスペーサーとを有する採光断熱材を備えるとともに、採光断熱材と窓ガラスとの隙間を封止するコーキング材を備える技術」が記載されている。
特許文献3には、「軽量かつ気密性に富み、既設窓を断熱窓とすることが可能な、二枚の引き違い障子とこの障子を収める木製の枠体とにより構成される断熱障子構造及び断熱二重窓構造を安価に提供する技術」が記載されている。
特許文献4には、「ガラス板、金属製スペーサー、ガラス板の端部範囲領域上に予め堆積された接着層上にろう付けされるコーナー及びフレーム金属シール要素を供給することにより、窓ガラスが単一のステップで組み立てられる真空断熱ガラスを製造する技術」が記載されている。
一方、地球温暖化に伴う異常気象現象により台風の勢力増大、竜巻の発生などにより、飛来物による窓の破損が発生する機会が増加している。また、通常時においても住宅への侵入犯罪に占める「ガラス破り」の発生率は高い状態が続いているが、複数のガラスの間に熱伝導率特性に優れた空気やアルゴン(熱伝導率約0.02 W/mK)などを封入する技術、窓枠を樹脂製とする技術、特許文献1~4に示した技術などはこれに対応していない。
また、近年都市部への人口集中や交通網の発達により、集合住宅などにおける隣室、上下階、窓からの音の侵入、道路や鉄道、航空機の通過時に発生する騒音や振動に対する対応が求められているが、特許文献1~4に示した技術などはこれに対応していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-81813号公報
【特許文献2】特開2012-188818号公報
【特許文献3】特開2015-1110号公報
【特許文献4】特表2017-535696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建造物において、熱や音の移動、及び飛来物・侵入者に対して最も脆弱な部分は窓である。窓の機能は、外部からの採光と外部の風景を見ることに大別できる。この両方を満たす物質としては「ガラス」が一般的であるが、ガラスの熱伝導率は約1W/mKであり、金属の約30 W/mK~300 W/mK(アルミニウムは約200 W/mK)と比較すると低い値であるが、樹脂の約0.3 W/mK 、空気の約0.03 W/mKと比較すると高い値である。このため、複数のガラスの間に熱伝導率特性に優れた空気やアルゴン(熱伝導率約0.02 W/mK)などを封入する技術、窓枠を樹脂製とする技術、特許文献1~3に示した技術などが用いられている。
一方、文献4に記載されているように、複数のガラスから構成される窓においてガラス間に形成される空間を真空にすることにより、窓の断熱性能を向上させることが可能である。しかし、ガラス板間(ガラス板の内面)に形成される空間の圧力が低下すると、ガラス板の外面に作用する大気圧によりガラス板が破損するのを防止するためのスペーサーが挿入されるため、窓の機能の重要な要素である外部の風景を見る際にスペーサーも同時に視野に入ってしまうことになる。また、真空空間を形成するためには、複数の窓の周囲をシールする必要があるが、変形性が低い溶接用ガラスに基づくシール技術などを用いると、内側のガラス板と外側のガラス板との間に生じる温度差による膨張の違いを吸収できず、ガラス板が破壊される場合がある。
【0005】
防音の基本は「音のエネルギーを遮ること」にある。音は、空気や固体、液体などを振動させて伝わるため、外部への音の漏出防止と外部からの音の侵入防止のための設備を設置することにより、効果的・効率的な防音が可能になる。
一般に、音の振動エネルギーは床や壁面が硬く平坦なほど伝わりやすく、多孔質な材料や凹凸のある物質は音の侵入時に振動することによりエネルギーが減衰されるため伝わりにくいという特性があるため、これを利用した次のような防音材が開発されている。
(1)吸音材:空気中に伝わる音波の振動を熱エネルギーに変換させることにより音を減衰される素材で構成され、室内の不快な反響音を軽減させるとともに、残響時間を調整するのに効果を発揮する材料で、グラスウールやウレタンスポンジなどがこれに該当する。
(2)遮音材:空気中を伝搬する音波を遮る素材を指し、音を透過させずに外部へ跳ね返ることで遮音する材料で、防音マット、遮音シートなどがこれに該当する。
【0006】
そこで本発明は、窓の「外部からの採光及び、又は外部の風景を見る」という機能をできるだけ維持した状態で、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質の間に形成される空間を真空にすることにより、窓の断熱性能を向上させるとともに、外部からの音や強風時における窓の破損を防止することが可能になるための構造と機能を有する窓を含む容器の断熱・防音・保安システムと容器の断熱・防音・保安を維持する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載された発明は、容器において、容器の外側と内側を貫通する熱と音の移動を防止するために、容器の一部又は全部を内部が真空の二重構造とし、二重構造物内部の真空状態を維持するために、持続的に二重構造物内部の圧力を低下させるための装置を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明において、持続的に二重構造物内部の圧力を低下させるための装置を備える理由は、金属とセラミックを除くほとんどの材料は、気体を透過するため、断熱特性に優れた樹脂系などの材料を用いて二重構造の内部が真空の容器を作製した場合、定期的、又は継続して内部の圧力を低下させる措置を必要とするためである。逆に、システムに持続的に二重構造物内部の圧力を低下させるための装置を備えることにより、容器を構成する物質として断熱特性、防音特性、保安特性に優れた材料を用いることが可能となる。
【0009】
請求項2に記載された発明は、容器において、容器の外側と内側を貫通する熱と音の移動を防止するために、容器の一部又は全部を内部が真空の二重構造とし、二重構造物内部の真空状態を維持するために、持続的に二重構造物内部の圧力を低下させるという方法を用いることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載された発明は、容器において、容器を構成する物質に外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることが可能な機能を持たせるために、二重構造を構成する物質の片方又は両方の一部又は全部に耐衝撃性に優れ切削されにくい透光性の物質を設置することにより、断熱・防音機能に加え保安機能を兼ね備える窓の機能を持たせることが可能になることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載された発明は、容器において、容器を構成する物質に外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることが可能な機能を持たせるために、二重構造を構成する物質の片方又は両方の一部又は全部に耐衝撃性に優れ切削されにくい透光性の物質を設置するという方法を用いることにより、断熱・防音機能に加え保安機能を兼ね備える窓の機能を持たせることが可能になることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載された発明は、外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることを目的として設置された複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質の周囲に設置されて密閉空間を構成している物質に、幅のある1列の溝、又は平板の厚さ(thickness)に近い幅の2列の溝を設けて、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板の周囲をこの溝に挿入することにより、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板とその周囲に設置されて密閉空間を構成している物質とを密着・固定させ、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板とその周囲に設置されている物質によって形成された密閉空間を真空にするとともに、内部が真空の密閉空間が大気圧によって変形するのを防止するために、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板の間に支柱(スペーサー)の役割を持たせる物質が挿入されている二重構造物において、二重構造物と二重構造物の周囲に設置されて密閉空間を構成している物質が接する部分にシール材を充填・塗布して気密を高めるとともに、真空状態を保つために継続して内部の圧力を低下させることにより、窓の真空断熱機能を保持することが可能になることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載された発明は、外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることを目的として設置された複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質の周囲に設置されて密閉空間を構成している物質に、幅のある1列の溝、又は平板の厚さ(thickness)に近い幅の2列の溝を設けて、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板の周囲をこの溝に挿入することにより、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板とその周囲に設置されて密閉空間を構成している物質とを密着・固定させ、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板とその周囲に設置されている物質によって形成された密閉空間を真空にするとともに、内部が真空の密閉空間が大気圧によって変形するのを防止するために、複層の透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な平板の間に支柱(スペーサ)の役割を持たせる物質が挿入されている二重構造物において、二重構造物と二重構造物の周囲に設置されて密閉空間を構成している物質が接する部分にシール材を充填・塗布して気密を高めるとともに、真空状態を保つために継続して内部の圧力を低下させるという方法を用いることにより、窓の真空断熱機能を保持することが可能になることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載された発明は、外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることを目的として設置された透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質から構成される二重構造物において、二重構造物内部の真空密閉空間が外圧によって変形するのを防止するために、軽量で断熱特性に優れた材質と形状を有する物質を挿入して、支柱(スペーサー)の役割を持たせることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載された発明は、外部からの採光及び、又は外部の風景を見ることを目的として設置された透光及び、又は外部の風景を見ることが可能な窓の機能を有する物質から構成される二重構造物において、二重構造物内部の真空密閉空間が外圧によって変形するのを防止するために挿入する軽量で断熱特性に優れた材質と形状を有する物質を用いて、意匠又はそれ以外の文字、数字、ロゴ、模様、絵画などを描き、これに支柱(スペーサ)の役割を持たせることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載された発明は、請求項1に記載されたシステムに用いるための容器。
【0017】
請求項10に記載された発明は、請求項2に記載された方法に用いるための容器。
【発明の効果】
【0018】
本発明を用いることにより、建造物の断熱・防音・保安機能を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態に係る基本構成を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すのは、二重構造の内部が真空の密閉空間を有する容器である。容器の内部を真空にすると、外圧により容器を構成する物質が変形するのを防止するための支柱(スペーサー)に相当する物質を挿入する必要がある。透光性及び、又は外部の風景を見る機能を必要とする窓に、これを挿入した場合、本来の機能が低減することになる。本発明を用いて、意匠、文字、数字、絵画などの形状の物質を用いて真空空間を支える支柱(スペーサー)を形成することにより、従来の窓に求められた要素以外の効果を得ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、容器の断熱・防音・保安を維持する場合に適用可能である。
【符号の説明】
【0022】
1.容器の一部又は全部を構成する内部が真空の二重構造物
2.内部が真空の二重構造物に挿入された支柱(スペーサー)
3.支柱(スペーサー)を構成する断熱特性に優れた材質と形状を有する物質