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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073215
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】ステアリングハンドル
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/04 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
B62D1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184311
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】広田 逸彦
(72)【発明者】
【氏名】船津 基也
(72)【発明者】
【氏名】長縄 明敏
(72)【発明者】
【氏名】森田 文平
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DA57
3D030DA70
3D030DB13
(57)【要約】
【課題】操作部の操作性が良好であり、かつ、操作部の非操作時における通常操舵時のハンドル操作性も良好なステアリングハンドルを提供すること。
【解決手段】略環状の把持部12と、操作部20と、操作部を把持部に対して移動可能な移動機構45と、を備える構成のステアリングハンドル1。操作部が、把持部の前方に配置されて、外形形状を、把持部の外形形状と略同一とした略環状とされる。移動機構が、把持部側に配設される固定側部47と、固定側部から把持面12bに対して略直交する方向に略沿って延びる軸部52と、操作部側に配置されて軸部を摺動可能とされる摺動部55と、固定側部と摺動部との間に配置されて摺動部を非操作位置側に付勢可能な付勢手段67と、を備える。付勢手段が、操作部の非操作状態において、操作部よりも後方側となる操作部と把持部との間の領域に、配設されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略環状の把持部と、該把持部を把持した状態で操作可能な操作部と、該操作部を前記把持部に対して移動可能な移動機構と、を備える構成のステアリングハンドルであって、
前記操作部が、
車両搭載状態において前記把持部の前方に配置されて、外形形状を、前記把持部の外形形状と略同一とした略環状とされるとともに、
前記移動機構により、前記把持部の把持面に対して略直交する方向に略沿わせるようにして、前記把持部側に接近させるような引上操作を可能として、アクセル操作若しくはブレーキ操作を入力させる構成とされ、
前記移動機構が、前記把持部側に配設される固定側部と、該固定側部から前記把持面に対して略直交する方向に略沿って延びるように配置される軸部と、前記操作部側に配置されて前記軸部を摺動可能とされる摺動部と、前記固定側部と前記摺動部との間に配置されて前記摺動部を非操作位置側に付勢可能な付勢手段と、を備える構成とされ、
前記付勢手段が、前記操作部の非操作状態において、前記操作部よりも後方側となる前記操作部と前記把持部との間の領域に、配設されていることを特徴とするステアリングハンドル。
【請求項2】
前記固定側部が、前記軸部の周囲に配置されて、移動する前記摺動部を当接させて停止可能なストッパ面を有するとともに、該ストッパ面を、前記把持部の前面よりも前方側に突出した位置に、配設させるように、構成されていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングハンドル。
【請求項3】
前記ストッパ面側、若しくは、移動時に前記ストッパ面と当接する前記摺動部の当接面側のいずれかに、緩衝部材が、配設されていることを特徴とする請求項2に記載のステアリングハンドル。
【請求項4】
前記付勢手段が、前記ストッパ面と離隔した位置に、配設されていることを特徴とする請求項2または3に記載のステアリングハンドル。
【請求項5】
前記移動機構が、前記把持部を操舵するための回転操舵中心軸を中心として略対称となる複数箇所に、配設されていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングハンドル。
【請求項6】
前記操作部が、略環状の操作本体部を有し、
該操作本体部が、車両搭載状態において、前記把持部によって後方を略全面にわたって覆われていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略環状の把持部と、把持部を把持した状態で操作可能な操作部と、操作部を把持部に対して移動可能な移動機構と、を備える構成のステアリングハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作部の操作によってアクセル操作若しくはブレーキ操作を入力可能とするステアリングハンドルとしては、略円環状の把持部を備え、把持部の内周側の領域に、操作部を配置させている構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この従来のステアリングハンドルにおいて、操作部は、円環状の把持部の内周側の領域において、把持部に近接されつつ把持部の内周に略沿うとともに、把持部と回転操舵中心軸側のボス部とを連結しているスポーク部の部位で分断されるようにして、配設されていた。また、操作部は、把持部の把持面に対して前方に押し込むようにして操作する構成であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-203602公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のステアリングハンドルでは、操作部は、把持部の内周側において把持部に略沿うように配設されるものの、スポーク部の部位で分断されていることから、例えば、運転時において把持部におけるスポーク部近傍の部位を把持している際に、操作し難く、操作部の操作性を良好とする点に改善の余地があった。また、従来のステアリングハンドルでは、操作部は、把持部の内周側に近接して配置され、かつ、把持部の把持面に対して前方に押し込むようにして操作する構成であることから、操作部の非操作時(通常操舵時)には、把持部の内側において把持面と略一致した位置に配置されることとなって、通常操舵時に、把持部の周囲を掌と指とで全周にわたってくるむように、握り込み難かった。さらには、把持部の内周側の領域からなる空間が実質的に狭められるような態様となって、車両走行時に、ステアリングハンドルの前方に配置されるメータ等の視認性が良好ではなくなるという課題も生じていた。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、操作部の操作性が良好であり、かつ、操作部の非操作時における通常操舵時のハンドル操作性も良好なステアリングハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るステアリングハンドルは、略環状の把持部と、把持部を把持した状態で操作可能な操作部と、操作部を把持部に対して移動可能な移動機構と、を備える構成のステアリングハンドルであって、
操作部が、
車両搭載状態において把持部の前方に配置されて、外形形状を、把持部の外形形状と略同一とした略環状とされるとともに、
移動機構により、把持部の把持面に対して略直交する方向に略沿わせるようにして、把持部側に接近させるような引上操作を可能として、アクセル操作若しくはブレーキ操作を入力させる構成とされ、
移動機構が、把持部側に配設される固定側部と、固定側部から把持面に対して略直交する方向に略沿って延びるように配置される軸部と、操作部側に配置されて軸部を摺動可能とされる摺動部と、固定側部と摺動部との間に配置されて摺動部を非操作位置側に付勢可能な付勢手段と、を備える構成とされ、
付勢手段が、操作部の非操作状態において、操作部よりも後方側となる操作部と把持部との間の領域に、配設されていることを特徴とする。
【0007】
本発明のステアリングハンドルでは、把持部の把持時に操作可能とされる操作部が、外形形状を、把持部の外形形状と略同一とした略環状とされていることから、車両走行時に、把持部の把持位置に拘わらず、瞬時に、操作部を操作することができる。また、本発明のステアリングハンドルでは、操作部は、把持部の前方に配置される構成であり、操作時に、移動機構によって、把持部側に接近させるように引き上げる構成とされている。すなわち、操作部は、非操作状態においては、把持部との間に、ある程度隙間を設けられた状態で配設されることから、非操作状態において、単独でリング部を把持する際に、リング部の周囲を運転者の掌と指とによって全周にわたってくるむように握り込むこともできて、非操作時におけるハンドル操作性も良好である。さらに、実施形態のステアリングハンドルでは、操作部は、リング部の外形形状と略同一とした略円環状とされて、リング部の前方に配置されていることから、リング部の内周側の領域からなる空間を狭めることもなく、操作部を設けない場合のステアリングハンドルと、略同等のメータ視認性を確保することができる。
【0008】
したがって、実施形態のステアリングハンドルでは、操作部の操作性が良好であり、かつ、操作部の非操作時における通常操舵時のハンドル操作性も良好である。
【0009】
また、実施形態のステアリングハンドルでは、操作部は、操作時に、移動機構によって把持部側に接近させるように引き上げられる構成であり、具体的には、操作部は、摺動部を、リング部側に配設される固定側部から延びる軸部に摺動させるようにして、全体をリング部側に接近させるように、スライド移動される構成である。そして、実施形態のステアリングハンドルでは、移動機構において、摺動部を非操作位置側に付勢可能な付勢手段が、操作部の非操作状態において、操作部よりも後方側となる操作部と把持部との間の領域に、配設される構成である。すなわち、本発明のステアリングハンドルでは、操作部の操作時における摺動部による付勢手段を圧縮するような押圧力の作用部位が、操作部自体に対して、前後方向側(把持部の把持面に対して略直交する方向側)で離隔せず、操作部自体と前後方向側で近接した位置に形成されることから、ガタツキ等の発生を抑制して、操作部を安定してスムーズに操作することができて、操作性が良好である。
【0010】
さらに、本発明のステアリングハンドルにおいて、固定側部を、軸部の周囲に配置されて、移動する摺動部を当接させて停止可能なストッパ面を有するとともに、ストッパ面を、把持部の前面よりも前方側に突出した位置に、配設させるような構成とすることが、好ましい。ステアリングハンドルをこのような構成とすれば、操作状態の操作部と把持部との間に隙間を設けることができることから、例えば、把持部を把持している両手の一方のみで操作部を操作した場合にも、把持部を把持している他方の手の指に操作部が接触することを抑制できる。
【0011】
さらにまた、上記構成のステアリングハンドルにおいて、ストッパ面側、若しくは、移動時にストッパ面と当接する前記摺動部の当接面側のいずれかに、緩衝部材を、配設させる構成とすれば、操作部の操作時に、音が発生することを抑制できて、好ましい。
【0012】
さらにまた、上記構成のステアリングハンドルにおいて、付勢手段を、ストッパ面と離隔した位置に、配設させる構成とすることが、好ましい。このような構成のステアリングハンドルでは、付勢手段を、固定側部と摺動部との間(ストッパ面と当接面との間)の領域に配設させない構成であることから、付勢手段の配置の自由度を増大させることができ、使用する付勢手段の付勢力を適宜変更することも可能となって、操作部の操作時に必要な引上力(摺動部による付勢手段の押圧力)を容易に変更(調整)できる。
【0013】
さらにまた、上記構成のステアリングハンドルにおいて、移動機構を、把持部を操舵するための回転操舵中心軸を中心として略対称となる複数箇所に、配設させる構成とすれば、操作部全体を、傾きを抑制してバランスよくスムーズに操作させることが可能となって、好ましい。
【0014】
さらにまた、上記構成のステアリングハンドルにおいて、操作部を、略環状の操作本体部を有する構成とし、この操作本体部を、車両搭載状態において、把持部によって後方を略全面にわたって覆われる構成とすれば、車両走行時のメータ視認性を一層良好に保持することが可能となって、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態であるステアリングハンドルの概略平面図である。
図2】実施形態のステアリングハンドルの概略右側面図である。
図3】実施形態のステアリングハンドルにおいて、移動機構を介して芯金に操作部を取り付けた状態の概略平面図である。
図4】実施形態のステアリングハンドルにおいて、移動機構を介して芯金に操作部を取り付けた状態の概略右側面図である。
図5】実施形態のステアリングハンドルにおいて、移動機構を介して芯金に操作部を取り付けた状態の部分拡大右側面図である。
図6】実施形態のステアリングハンドルにおいて、移動機構を介して芯金に操作部を取り付けた状態の部分拡大平面図である。
図7】実施形態のステアリングハンドルにおいて、芯金とセンサユニットとを示す概略部分拡大斜視図である。
図8】実施形態のステアリングハンドルにおいて、芯金と移動機構と操作部とを示す概略部分拡大斜視図である。
図9】操作部の概略斜視図である。
図10】取付ブラケットの概略斜視図である。
図11】摺動部の概略斜視図である。
図12】実施形態のステアリングハンドルにおいて、移動機構と摺動部との部位の概略縦断面図である。
図13】実施形態のステアリングハンドルにおいて、操作部の操作時の状態を示す概略縦断面図である。
図14】本発明の他の形態のステアリングハンドルを示す概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態のステアリングハンドル1は、図1,2に示すように、略環状の把持部としてのリング部12を有するハンドル本体3と、リング部12を把持した状態で操作可能な操作部20と、操作部20をリング部12に対して移動可能な移動機構45と、を備える構成とされている。実施形態では、把持部として、略円環状のリング部12を備える構成のステアリングハンドル1を例に採り、説明する。なお、本明細書では、前後,上下,左右の方向は、特に断らない限り、車両に搭載させた状態のステアリングハンドル1の直進操舵状態を基準として、リング部12の回転操舵中心軸Cに略沿って車両の前後方向に沿う方向を前後方向とし、回転操舵中心軸Cと直交して車両の上下方向に略沿う方向を上下方向とし、回転操舵中心軸Cと直交して車両の左右方向に略沿う方向を左右方向としている。
【0017】
ハンドル本体3は、把持部としての略円環状のリング部12と、リング部12の中央となる回転操舵中心軸C側に配置されるボス部7と、リング部12とボス部7とを連結する複数本(実施形態の場合、3本)のスポーク部(左側スポーク部15L,右側スポーク部15R,後側スポーク部15B)と、を備えている。リング部12は、図2に示すように、リング面(車両搭載時の後面12b)を、回転操舵中心軸Cに対して略直交させるようにして、構成されている。
【0018】
また、実施形態のハンドル本体3は、ボス部7とリング部12と左側スポーク部15L,右側スポーク部15Rとを相互に連結するように配置される芯金5を、有している。芯金5は、図3に示すように、リング部12を構成する略円環状のリング部芯金5aと、中央のボス部7を構成するボス部芯金5bと、ボス部7から左右に延びる左側スポーク部15L,右側スポーク部15Rを構成するスポーク部芯金5d,5dと、を備えている。ボス部芯金5bには、図示しないステアリングシャフトとの連結部位となるボス5cが、中央に配設されている。芯金5は、ボス5cを鋼製とし、他の部位を、アルミニウム等の軽合金材料からなるダイキャスト製としている。
【0019】
ボス部7は、芯金5におけるボス部芯金5bと、ボス部芯金5bの上方を覆うパッド8(図1の二点鎖線参照)と、ボス部芯金5bの下方から側方にかけてを覆うロアカバー9(図1,2の二点鎖線参照)と、を備えている。ロアカバー9は、詳細な図示は省略するが、左側スポーク部15L,右側スポーク部15R,後側スポーク部15Bの下方も覆うように、構成されている。ボス部7において、ボス部芯金5bとパッド8との間には、図示しないエアバッグ装置が、収納されている。
【0020】
把持部としてのリング部12は、略円環状とされるもので、円環状のリング部芯金5aの周囲に、クッション性を有した軟質合成樹脂製(具体的には、発泡ポリウレタン等の軟質発泡樹脂製)の被覆層13を、配設させて構成されている。被覆層13は、リング部芯金5aの周囲のみならず、スポーク部芯金5d,5dにおけるリング部12近傍の領域も覆うように、構成されている(図1参照)。
【0021】
操作部20は、車両搭載時において、把持部としてのリング部12の前方に配置されるもので、外形形状を、リング部12の外形形状と略同一とした略円環状とされている。具体的には、操作部20は、図9に示すように、略円環状の操作本体部21と、操作本体部21から内方に突出するように形成されて移動機構45を構成する後述する摺動部55を取り付けるための取付片部22と、後側スポーク部15B内に配置されるセンサユニット75に形成される計測ピン部77を係止させるための係止部材24を取り付けるための取付部23と、を備えている。操作本体部21は、断面略長方形状として、操作時に運転者の指を接触させる下面21a側を、略円弧状に湾曲させて構成されている(図12参照)。
【0022】
取付片部22は、実施形態の場合、左側スポーク部15L,右側スポーク部15Rのそれぞれ前後両側となる4箇所に、配設されるもので、それぞれ、操作本体部21の内周面21b側から回転操舵中心軸C側に向かって突出するように、形成されている(図1,3参照)。詳細には、取付片部22は、操作部20を上下方向側から見た平面視の状態で、回転操舵中心軸Cを中心として、略点対称となるように、形成されている。各取付片部22は、略板状として(図9参照)、摺動部55の後述する取付部60を後面側に載置させるようにして、この取付部60を、ビス等の固定手段(図符号省略)を用いて、取り付ける構成とされている(図8参照)。
【0023】
取付部23は、操作本体部21の後縁付近(具体的には、詳細には、操作本体部21の後端よりも右方となる位置)から前方に延びるように形成されて、後側スポーク部15B内において、後側スポーク部15Bの右縁側となる位置に、配置されている(図1,3,6,7参照)。この取付部23の前端23a側には、係止部材24が、取付部23に略沿って前後に延びるように形成されている。この係止部材24には、後述するごとく、後側スポーク部15B内に配置されるセンサユニット75に形成される計測ピン部77のピン本体79を挿通可能に、左右方向に貫通される貫通孔25が、形成されている(図5~7参照)。貫通孔25は、図5,7に示すように、前後方向(取付部23の長手方向)に沿った長穴状とされている。
【0024】
円環状の操作本体部21は、具体的には、ステアリングハンドル1を後方側から見た状態において、リング部芯金5a(すなわち、リング部12)と略同心円状に配置される構成であり、外径寸法を、リング部芯金5aの外径寸法より僅かに小さく設定されている(図3参照)。また、操作本体部21は、幅寸法を、リング部12自体の幅寸法よりも小さく設定されており、車両搭載状態において、図1に示すように、リング部12によって後方を略全面にわたって覆われるような構成とされている。すなわち、実施形態のステアリングハンドル1では、車両搭載状態において後方から見た状態においては、操作部20は、取付片部22のみを露出させる(運転者から視認可能な)ように、構成されている。
【0025】
この操作部20は、移動機構45を介してハンドル本体3に取り付けられる構成であり、具体的には、非操作状態において、操作本体部21とリング部12との間に隙間H1を設けられるようにして、ハンドル本体3に取り付けられている(図2,5参照)。また、操作部20は、移動機構45によって、リング部12のリング面(把持面、すなわち、後面12b)に対して略直交する方向(実施形態の場合、回転操舵中心軸Cに沿った方向)に略沿わせるようにして、リング部12側に接近させるような引上操作を可能として、アクセル操作若しくはブレーキ操作を入力させる構成とされている。具体的には、実施形態のステアリングハンドル1では、操作部20の引上時に、アクセル操作を入力させる構成である。実施形態のステアリングハンドル1では、非操作状態における操作本体部21とリング部12との間の隙間H1は、30mm程度に、設定され、引上操作状態における操作本体部21とリング部12との間の隙間H2は、20mm程度に、設定されている(図2,5参照)。
【0026】
具体的には、操作部20は、2つの取付ブラケット30(30L,30R)を用いて、ハンドル本体3側に取り付けられている。取付ブラケット30(30L,30R)は、左右対称形として、それぞれ、芯金5における略左右対称となる位置に連結されるもので、具体的には、前後の中央(後述する横杆部31の中央)を、芯金5におけるスポーク部芯金5dの左右の略中央となる位置に連結されて、スポーク部芯金5dから上下に延びるような構成とされている。詳細には、各取付ブラケット30は、図10に示すように、上下方向に略沿って延びるように形成される横杆部31と、横杆部31の上下両端側からそれぞれ後方(リング部12側)に向かって延びる2つの縦杆部34,34と、移動機構45における後述する軸部52を取り付けるための2つの軸取付部36,36と、を備えている。実施形態の場合、各取付ブラケット30は、スポーク部芯金5dに対して前面側から重ねられるようにして、横杆部31の中央付近の部位を、スポーク部芯金5dに取り付けられている。
【0027】
横杆部31は、実施形態の場合、上下方向に略沿った帯板状として、車両搭載時において、操作本体部21よりも前方となる位置に配置される構成とされるもので(図5参照)、図10に示すように、前後の中央付近とその後方との2箇所に、リング部12側となる後方に突出するような突状部32を、有している。そして、横杆部31は、この突状部32の先端面32a(後面)を、スポーク部芯金5dの前面に対して当接させつつ(図5参照)、この当接している部位で、スポーク部芯金5dに、ビス等の固定手段(図符号省略)を利用して固定されている。縦杆部34は、横杆部31と幅寸法を略同一として、横杆部31の上端31a,下端31b側から、それぞれ後方に延びるように、形成されている。軸部52を取り付けるための軸取付部36は、各縦杆部34の後端34a付近から相互に離隔するように上方あるいは下方に突出するように、配設されている。縦杆部34から軸取付部36にかけてには、後述するごとく、移動機構45の付勢手段67を収納させるための収納凹部38が、形成されている(図8,12参照)。各軸取付部36は、図12に示すように、軸部52を、下面の中央付近から前方に突出させるようにして、取り付けている。この2つの軸取付部36,36は、図1,3に示すように、回転操舵中心軸Cを通る線を基準として、前後で略対称となる位置に、配設されている。すなわち、各取付ブラケット30(30L,30R)に形成されている計4つの軸取付部36は、回転操舵中心軸Cを中心として略点対称となる位置に、配設されている。
【0028】
実施形態では、各取付ブラケット30において、縦杆部34と軸取付部36とが、移動機構45を構成している。すなわち、移動機構45は、回転操舵中心軸Cを中心として略点対称となる4箇所に、配設されている。また、各軸取付部36は、車両搭載状態においては、後面36aを、リング部芯金5aの前面5aaの位置と略一致した位置に配設させるような構成とされている(図12参照)。すなわち、操作部20の非操作状態において、軸取付部36の後面36aは、リング部12の前面12aよりも後方に位置するような構成とされている。
【0029】
移動機構45は、図5,8,12に示すように、リング部12側に配設される固定側部47と、固定側部47から延びるように配置される軸部52と、操作部20側に配置される摺動部55と、固定側部47と摺動部55との間に配置される付勢手段67と、を備える構成とされている。固定側部47は、左右の取付ブラケット30に形成される各軸取付部36から、構成されている。固定側部47は、回転操舵中心軸C(前後方向)に略沿って延びるような柱状とされるもので、前面47aを、リング部12の前面12aよりも前方側に突出した位置に配置させるように、構成されている(図5,12参照)。この固定側部47の前面47aは、移動する摺動部55における後述する摺動部本体56の後面56b(当接面57)を当接させて停止可能なストッパ面48を構成している(図13参照)。実施形態の場合、固定側部47は、リング部12からの突出量(リング部12の前面12aと固定側部47の前面47aとの離隔距離L1、図5参照)を、20mm程度に、設定されている。
【0030】
固定側部47から延びる軸部52は、実施形態の場合、固定側部47を貫通するようにして配設されるもので(図12参照)、固定側部47の前面47aから前方に突出しつつ、リング部12のリング面(後面12b)に対して略直交する方向(回転操舵中心軸Cに沿った方向)に略沿って延びるように、配設されている。この軸部52は、摺動部55における後述する摺動部本体56を貫通するようにして配設されるもので、摺動部本体56を貫通した先端(前端53a)側に、非操作状態の摺動部55(摺動部本体56)の前面56a側を支持可能な支持部53を、配設させている(図5,12参照)。支持部53は、外形形状を、摺動部本体56より若干小径の略円板状とされている。
【0031】
摺動部55は、操作部20に形成されている各取付片部22に、それぞれ取り付けられて、操作部20側に配置されるもので、図11~13に示すように、軸部52を摺動可能な摺動部本体56と、取付片部22に取付可能とされる取付部60と、付勢手段67の前端67a側を支持可能とされる支持片部62と、を備えている。摺動部本体56は、軸部52を挿通可能な略筒状として、軸部52に対して摺動可能に構成されるもので、実施形態では、具体的には、リニアブッシュから構成されている。摺動部本体56は、操作部20の非操作状態においては、前面56a側を、軸部52の前端52a側に配設される支持部53によって支持されている(図12参照)。この摺動部本体56は、軸部52に対して摺動しつつ後方移動することとなるが、この摺動時に、後面56bを、固定側部47の前面47a(ストッパ面48)に当接させることにより、さらなる後方移動を規制されることとなる。すなわち、摺動部本体56は、後面56bを、ストッパ面48と当接する当接面57とされている。また、実施形態の場合、摺動部本体56の、後面56bには、緩衝部材50が、配設されており、実際には、摺動部本体56の後面56b(当接面57)は、固定側部47の前面47a(ストッパ面48)と、直接接触せず、緩衝部材50を介して当接されることとなる。緩衝部材50は、当接面57を、外縁側を除いて広く覆い可能な略円板状とされるもので、ゴム状弾性体や軟質の合成樹脂から、形成されている。
【0032】
取付部60は、各摺動部本体56から上下左右の外方側(例えば、上右側に配置される摺動部本体56の上右側)となる位置に、配設されるもので、略平板状とされて、取付片部22の後面側に載置されるようにして、ビス等の固定手段(図符号省略)を用いて取付片部22に取り付けられる構成である(図8参照)。支持片部62は、摺動部本体56の後端付近から上下の中央側(取付ブラケット30における縦杆部34側)に向かって突出するように形成されるもので、具体的には、後面62aを摺動部本体56の後面56bに略連ならせるような板状とされている(図8,11参照)。この支持片部62は、後述するごとく、付勢手段67を収納するための収納部位65を、構成している。具体的には、支持片部62は、縦杆部34から軸取付部36(固定側部47)にかけて形成される収納凹部38の前端側の領域に配置されるとともに、摺動部55の軸部52に対する摺動時に、収納凹部38に対してスライド移動可能とされるもので、外形形状を、端縁側を略半円弧状に湾曲させた略板状とされている。また、支持片部62は、圧縮コイルばねからなる付勢手段67を保持可能とするように、後面62a側に、略円柱状として僅かに突出するように形成される保持突部63を、配設させている(図11参照)。
【0033】
固定側部47と摺動部55との間に配置される付勢手段67は、摺動部55を非操作位置側(前方側)に付勢可能とされている。実施形態の場合、付勢手段67としては、圧縮コイルばねが、使用されている。付勢手段67は、実施形態のステアリングハンドル1では、図8,13に示すように、軸部52の側方に形成される収納部位65内に、収納されている。収納部位65は、取付ブラケット30における縦杆部34から、軸取付部36(固定側部47)において縦杆部34側となる元部側の領域にかけてを凹ませるように形成される収納凹部38と、摺動部55(摺動部本体56)側から延びて収納凹部38をスライド移動可能とされる支持片部62と、から構成されている。収納凹部38は、詳細には、各縦杆部34を軸部52側の面(前後方向の中央側の面)から略半円弧状に凹ませるとともに、この凹み状態を連ならせるようにして、軸取付部36(固定側部47)の元部側の領域を前面側から略円柱状に凹ませるようにして、形成されている(図10,12参照)。収納凹部38は、固定側部47において軸部52の周囲に形成されるストッパ面48に隣接されている。支持片部62は、上述したごとく、収納凹部38の前端側の領域に配置されている。そして、付勢手段67は、図12に示すように、この収納凹部38の凹みの先端面(後面38a)と支持片部62の後面62aとによって前端67a側と後端67b側とを支持させるようにして、収納部位65の内部に収納される構成である。収納凹部38の凹みの先端面(後面38a)は、実施形態の場合、リング部12の前面12aと略同等となる位置に、形成されている(図12参照)。すなわち、実施形態のステアリングハンドル1では、付勢手段67は、固定側部47の前面47a(ストッパ面48)とは接触せず、ストッパ面48と離隔した位置に、配設されている。また、実施形態のステアリングハンドル1では、付勢手段67は、操作部20の非操作状態において、操作部20よりも後方側となる操作部20(操作本体部21)とリング部12との間の領域に、配設されている(図12参照)。
【0034】
実施形態のステアリングハンドル1では、操作部20の引上操作時に、操作部20のリング部12側に接近するような移動(後方移動)に伴って、摺動部55が、付勢手段67としての圧縮コイルばねを圧縮しつつ、軸部52に対して摺動されることとなる(図13参照)。このような操作部20の引上操作状態は、操作本体部21から手を離せば、付勢手段67(圧縮コイルばね)の復元により、解除されることとなり、操作本体部21は、非操作状態の位置に復元されることとなる。実施形態のステアリングハンドル1では、図1,2に示すように、後側スポーク部15Bの領域内(アッパカバー16とロアカバー9とによって覆われる領域内)に、図示しない制御回路に電気的に接続されるセンサユニット75が配設されている。センサユニット75は、図5~7に示すように、軸方向を左右方向に略沿わせるように配置されるセンサ本体76と、センサ本体76の右端側においてセンサ本体76に対して回動可能に取り付けられる計測ピン部77と、を有している。センサ本体76は、回転角センサから構成されている。計測ピン部77は、センサ本体76の右側面側においてセンサ本体76に対して回動可能に軸支される取付片部78と、取付片部78の先端から左右方向に略沿うようにして右方に突出するピン本体79と、を備えている。ピン本体79は、先端79a側を、非操作状態の操作部20において、操作本体部21から延びる係止部材24に形成される貫通孔25に、挿通されている。操作部20の引上操作時には、操作本体部21の移動に伴って、貫通孔25に挿通されているピン本体79も、貫通孔25への貫通状態を維持されつつ移動して、計測ピン部77が回転することとなり、このような計測ピン部77の回転によって、操作部20の操作状態(操作本体部21の移動量)を検出することができる。
【0035】
そして、実施形態のステアリングハンドル1では、把持部としてのリング部12の把持時に操作可能とされる操作部20(操作本体部21)が、外形形状を、リング部12の外形形状と略同一とした略環状(実施形態の場合、略円環状)とされていることから、車両走行時に、リング部12の把持位置に拘わらず、瞬時に、操作部20を操作することができる。また、実施形態のステアリングハンドル1では、操作部20は、リング部12の前方に配置される構成であり、操作時に、移動機構45によって、リング部12側に接近させるように引き上げる構成とされている。すなわち、操作部20は、非操作状態においては、リング部12との間に、ある程度隙間(具体的には、30mm程度)を設けられた状態で配設されることから、非操作状態において、単独でリング部12を把持する際に、リング部12の周囲を運転者の掌と指とによって全周にわたってくるむように握り込むこともできて、非操作時におけるハンドル操作性も良好である。さらに、実施形態のステアリングハンドル1では、操作部20は、リング部12の外形形状と略同一とした略環状とされて、リング部12の前方に配置されていることから、リング部12の内周側の領域からなる空間を狭めることもなく、操作部を設けない場合のステアリングハンドルと、略同等のメータ視認性を確保することができる。
【0036】
したがって、実施形態のステアリングハンドル1では、操作部20の操作性が良好であり、かつ、操作部20の非操作時における通常操舵時のハンドル操作性も良好である。
【0037】
また、実施形態のステアリングハンドル1では、操作部20は、操作時に、移動機構45によってリング部12側に接近させるように引き上げられる構成であり、具体的には、操作部20は、摺動部55(摺動部本体56)を、リング部12側に配設される固定側部47から延びる軸部52に摺動させるようにして、全体をリング部12側に接近させるように、スライド移動される構成である。そして、実施形態のステアリングハンドル1では、移動機構45において、摺動部55を非操作位置側に付勢可能な付勢手段67が、操作部20の非操作状態において、操作部20よりも後方側となる操作部20とリング部12との間の領域に、配設される構成である。すなわち、実施形態のステアリングハンドル1では、操作部20の操作時における摺動部55による付勢手段67を圧縮するような押圧力の作用部位が、操作部20自体に対して、前後方向側(リング部12のリング面12bに対して略直交する方向側、実施形態の場合、回転操舵中心軸Cに沿った方向側)で離隔せず、操作部20自体と前後方向側で近接した位置に形成されることから、ガタツキ等の発生を抑制して、操作部20を安定してスムーズに操作することができて、操作性が良好である。
【0038】
さらに、実施形態のステアリングハンドル1では、固定側部47において、移動する摺動部55(摺動部本体56)を当接させて停止可能なストッパ面48(前面47a)が、リング部12の前面12aよりも前方側に突出した位置に、配設される構成である。そのため、引上操作状態の操作部20とリング部12との間に隙間を設けることができることから、例えば、リング部12を把持している両手の一方のみで操作部20を操作した場合にも、リング部12を把持している他方の手の指に操作部20が接触することを抑制できる。実施形態のステアリングハンドル1では、具体的には、引上操作後の操作部20(操作本体部21)とリング部12との間の隙間H2は、20mm程度に設定されている。そのため、片手での操作部20の引上操作時に、移動する操作部20(操作本体部21)が、操作部20から手を離してリング部12のみを把持している他方の手の指と接触することを、的確に規制することができる。また、実施形態のステアリングハンドル1では、摺動部55(摺動部本体56)として、リニアブッシュが使用されていることから、軸部52を円滑に摺動させることができる。そのため、片手のみで操作部20を引き上げる際等において、仮に、摺動部本体56が、多少、軸部52に対して傾斜するような態様となっても、摺動部本体56を、円滑に、軸部52に対して摺動させることができて、操作本体部21全体を、リング部12に対して平行移動させるように、スムーズにリング部12側に接近させることができる。
【0039】
さらにまた、実施形態のステアリングハンドル1では、摺動部55(摺動部本体56)側に、当接面57を覆うように、緩衝部材50が、配設されていることから、摺動部55(摺動部本体56)の後面56b(当接面57)が、ストッパ面48と直接接触せず、操作部20の操作時に、音が発生することを抑制できる。なお、緩衝部材50は、勿論、摺動部本体56側ではなく、固定側部47側に、設ける構成としてもよい。さらには、このような点を考慮しなければ、緩衝部材を配設させない構成としてもよい。
【0040】
さらにまた、実施形態のステアリングハンドル1は、付勢手段67は、軸部52の側方に配置される収納部位65内に収納される構成であり、すなわち、ストッパ面48と離隔した位置に、配設される構成である。換言すれば、実施形態のステアリングハンドル1では、付勢手段67を、固定側部47と摺動部55との間(ストッパ面48と当接面57との間)の領域に配設させない構成であることから、付勢手段67の配置の自由度を増大させることができ、使用する付勢手段67の付勢力を適宜変更することも可能となって、操作部20の操作時に必要な引上力(摺動部による付勢手段の押圧力)を容易に変更(調整)できる。
【0041】
なお、このような点を考慮しなければ、図14のA,Bに示す移動機構45Aのごとく、付勢手段67Aとしての圧縮コイルばねを、軸部52の周囲に配設させる構成としてもよい。具体的には、図14に示す移動機構45Aでは、摺動部55Aは、下端側に摺動部本体56Aを配設させ、上側の領域を、上方側を開口させた円筒状として、付勢手段67Aを収納させる収納部82としている。そして、付勢手段67Aは、収納部82内において、前端67a側を摺動部本体56Aの後面56bに支持されつつ、後端67b側をストッパ面48に支持されている。また、収納部82の内周側には、付勢手段67Aの外周側を覆うように、緩衝部材50Aから下方に延びる略筒状の延設部55aが、配設されている。移動機構45Aをこのような構成とする場合、摺動部本体56Aの長さ寸法が、前述のステアリングハンドル1における移動機構45に設けられる摺動部本体56の長さ寸法よりも小さく、摺動部本体が小型化してしまう。摺動部本体56(リニアブッシュ)は、大型である方が、軸部に対して円滑にスライドさせることができて、操作時の感触が良好であることから、極力大型化(長さ寸法を大きく)することが好ましい。しかし、移動機構自体の大型化(摺動部本体の操作本体部からの突出量の増大)は、抑制することが好ましいことから、摺動部本体自体の搭載スペースを極力大きく確保する(摺動部本体自体に大型のものを使用する)点においても、前述のステアリングハンドル1における移動機構45のごとく、付勢手段67を、軸部52の側方に配置される収納部位65内に収納させて、ストッパ面48と離隔した位置に、配設させる構成とすることが好ましい。
【0042】
なお、実施形態では、付勢手段67,67Aとしてコイルばねを使用しているが、例えば、付勢手段として、コイルばねと、ゴム状弾性体や軟質の合成樹脂体等からなる第2の付勢手段と、を併用する構成としてもよい。このような構成とすれば、摺動部(摺動部本体)の軸部に対する摺動時に、コイルばねの付勢力に加えて、第2の付勢手段の付勢力(第2の付勢手段からの反力)も利用することができる。そして、このような第2の付勢手段の配置位置や大きさ(厚さ)等を変更することにより、操作部の操作時に必要な引上力(摺動部による付勢手段の押圧力)を適宜調整したり、あるいは、操作部の引上を多段階に設定することも可能となる。
【0043】
さらにまた、実施形態のステアリングハンドルで1は、移動機構45が、回転操舵中心軸Cを中心として略対称となる複数箇所(実施形態の場合、回転操舵中心軸Cを中心として略点対称となる4箇所)に、配設される構成であることから、操作部20全体を、傾きを抑制してバランスよくスムーズに操作させることができる。
【0044】
さらにまた、実施形態のステアリングハンドル1では、操作部20における操作本体部21が、車両搭載状態において、リング部12によって後方を略全面にわたって覆われる構成である。換言すれば、操作本体部21が、リング部12から露出しないことから、車両走行時のメータ視認性を一層良好に保持することができる。
【0045】
なお、実施形態では、把持部として、円環状のリング部12を備える構成のステアリングハンドル1を例に採り説明したが、本発明は、四角環状の把持部を備えるタイプのステアリングハンドルにも、勿論、適用可能である。また、実施形態のステアリングハンドルでは、操作部は、操作時に、アクセル操作を入力する構成とされているが、勿論、操作部の操作時に、ブレーキ操作を入力するような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…ステアリングハンドル、3…ハンドル本体、12…リング部(把持部)、12a…前面、12b…リング面(後面)、20…操作部、21…操作本体部、30…取付ブラケット、36…軸取付部、38…収納凹部、45,45A…移動機構、47…固定側部、48…ストッパ面、50,50A…緩衝部材、52…軸部、55,55A…摺動部、56,56A…摺動部本体、57,57A…当接面、65…収納部位、67,67A…付勢手段、C…回転操舵中心軸。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14