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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073223
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/4192 20100101AFI20240522BHJP
   F16H 61/435 20100101ALI20240522BHJP
【FI】
F16H61/4192
F16H61/435
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184322
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山口 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 竜馬
(72)【発明者】
【氏名】土田 友也
【テーマコード(参考)】
3J053
【Fターム(参考)】
3J053AA01
3J053AB02
3J053DA06
3J053EA02
3J053EA03
(57)【要約】
【課題】車速の制御を精度良く行うことが可能な作業車が要望されている。
【解決手段】作業車は、エンジンの回転数を検出するエンジン回転センサ61と、油圧モータの回転数を検出する油圧モータ回転センサ63と、前後進切換装置に入力される動力の回転数である入力回転数NIを検出する入力回転センサ62と、制御装置47と、を備えている。制御装置47は、エンジン回転センサ61の検出値及び油圧モータ回転センサ63の検出値に基づいて、入力回転数NIを算出する入力回転数算出部67と、入力回転センサ62の検出値に基づいて車速を制御する第1車速制御モードと、入力回転数算出部67の算出値に基づいて車速を制御する第2車速制御モードとに切り換え可能な車速制御部48と、を有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの動力によって駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油によって駆動される油圧モータと、を有し、前記エンジンからの動力を変速して出力する静油圧式の無段変速装置と、
前記エンジンからの動力及び前記無段変速装置からの動力が入力され、前記エンジンからの動力及び前記無段変速装置からの動力を合成して出力する遊星変速装置と、
前記遊星変速装置からの動力を前進動力に切り換えて走行装置に向けて出力する前進伝動状態と、前記遊星変速装置からの動力を後進動力に切り換えて前記走行装置に向けて出力する後進伝動状態とに切り換え可能な前後進切換装置と、を備えている作業車であって、
前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転センサと、
前記油圧モータの回転数を検出する油圧モータ回転センサと、
前記前後進切換装置に入力される動力の回転数である入力回転数を検出する入力回転センサと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記エンジン回転センサの検出値及び前記油圧モータ回転センサの検出値に基づいて、前記入力回転数を算出する入力回転数算出部と、
前記入力回転センサの検出値に基づいて車速を制御する第1車速制御モードと、前記入力回転数算出部の算出値に基づいて車速を制御する第2車速制御モードとに切り換え可能な車速制御部と、を有している作業車。
【請求項2】
前記車速制御部は、車速が低速の領域において、前記第2車速制御モードを実行する請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記第2車速制御モードから前記第1車速制御モードに切り換わる第1閾値と、前記第1車速制御モードから前記第2車速制御モードに切り換わる第2閾値と、が設定され、
前記第2閾値は、前記第1閾値よりも小さい値に設定されている請求項1又は2に記載の作業車。
【請求項4】
前記制御装置は、前記油圧モータ回転センサが故障しているか否かを判断する故障判断部を有し、
前記故障判断部によって前記油圧モータ回転センサが故障していると判断された場合、前記車速制御部は、前記第2車速制御モードを実行しない請求項1又は2に記載の作業車。
【請求項5】
前記制御装置は、前記エンジン回転センサが故障しているか否かを判断する故障判断部を有し、
前記故障判断部によって前記エンジン回転センサが故障していると判断された場合、前記車速制御部は、前記第2車速制御モードを実行しない請求項1又は2に記載の作業車。
【請求項6】
前記制御装置は、前記入力回転センサが故障しているか否かを判断する故障判断部を有し、
前記故障判断部によって前記入力回転センサが故障していると判断された場合、前記車速制御部は、前記第1車速制御モードを実行しない請求項1又は2に記載の作業車。
【請求項7】
前記前後進切換装置からの動力を変速する副変速部を備え、
前記車速制御部は、前記副変速部が最低速段の状態において、前記第2車速制御モードを実行する請求項1又は2に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車として、例えば、特許文献1に記載の作業車が知られている。特許文献1に記載の作業車は、エンジン(文献では「エンジン〔6〕」)からの動力によって駆動される油圧ポンプ(文献では「油圧ポンプ〔50〕」)と、油圧ポンプからの圧油によって駆動される油圧モータ(文献では「油圧モータ〔51〕」)と、を有し、エンジンからの動力を変速して出力する静油圧式の無段変速装置(文献では「無段変速部〔21〕」)と、エンジンからの動力及び無段変速装置からの動力が入力され、エンジンからの動力及び無段変速装置からの動力を合成して出力する遊星変速装置(文献では「複合遊星伝動部〔22〕」)と、遊星変速装置からの動力を前進動力に切り換えて走行装置(文献では「前車輪〔4〕、後車輪〔5〕」)に向けて出力する前進伝動状態と、遊星変速装置からの動力を後進動力に切り換えて走行装置に向けて出力する後進伝動状態とに切り換え可能な前後進切換装置と(文献では「前後進切換え装置〔30〕」)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-95058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来の作業車は、前後進切換装置の入力軸(文献では「入力軸〔95〕」)の回転数を、センサによって検出し、前後進切換装置の入力軸の回転数を目標の回転数に制御することにより、車速を制御するように構成されている。しかし、従来の作業車では、入力軸の回転数によっては、入力軸の回転数をセンサによって上手く検出することができない場合があるため、車速の制御を精度良く行う点で改善の余地がある。
【0005】
上記状況に鑑み、車速の制御を精度良く行うことが可能な作業車が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、
エンジンからの動力によって駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油によって駆動される油圧モータと、を有し、前記エンジンからの動力を変速して出力する静油圧式の無段変速装置と、
前記エンジンからの動力及び前記無段変速装置からの動力が入力され、前記エンジンからの動力及び前記無段変速装置からの動力を合成して出力する遊星変速装置と、
前記遊星変速装置からの動力を前進動力に切り換えて走行装置に向けて出力する前進伝動状態と、前記遊星変速装置からの動力を後進動力に切り換えて前記走行装置に向けて出力する後進伝動状態とに切り換え可能な前後進切換装置と、を備えている作業車であって、
前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転センサと、
前記油圧モータの回転数を検出する油圧モータ回転センサと、
前記前後進切換装置に入力される動力の回転数である入力回転数を検出する入力回転センサと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記エンジン回転センサの検出値及び前記油圧モータ回転センサの検出値に基づいて、前記入力回転数を算出する入力回転数算出部と、
前記入力回転センサの検出値に基づいて車速を制御する第1車速制御モードと、前記入力回転数算出部の算出値に基づいて車速を制御する第2車速制御モードとに切り換え可能な車速制御部と、を有していることにある。
【0007】
本特徴構成によれば、車速制御部は、第1車速制御モードと、第2車速制御モードとに切り換え可能に構成されている。したがって、入力回転数を入力回転センサによって上手く検出することができない場合は、車速制御部が、第2車速制御モードに切り換わることにより、入力回転数算出部の算出値に基づいて車速を制御することができる。これにより、車速の制御を精度良く行うことができる。
【0008】
さらに、本発明において、
前記車速制御部は、車速が低速の領域において、前記第2車速制御モードを実行すると好適である。
【0009】
車速が低速の場合、入力回転数が低回転になっているところ、入力回転数が低回転であると、入力回転数を入力回転センサによって上手く検出することができない場合がある。本特徴構成によれば、車速が低速の場合は、車速制御部が、第2車速制御モードに切り換わることにより、入力回転数算出部の算出値に基づいて車速を制御することができる。これにより、入力回転数が低回転の場合でも、車速の制御を精度良く行うことができる。
【0010】
さらに、本発明において、
前記車速制御部は、前記第2車速制御モードから前記第1車速制御モードに切り換わる第1閾値と、前記第1車速制御モードから前記第2車速制御モードに切り換わる第2閾値と、が設定され、
前記第2閾値は、前記第1閾値よりも小さい値に設定されている好適である。
【0011】
本特徴構成によれば、車速制御部が、第1車速制御モードと第2車速制御モードとに頻繁に切り換わらないようにすることができる。
【0012】
さらに、本発明において、
前記制御装置は、前記油圧モータ回転センサが故障しているか否かを判断する故障判断部を有し、
前記故障判断部によって前記油圧モータ回転センサが故障していると判断された場合、前記車速制御部は、前記第2車速制御モードを実行しないと好適である。
【0013】
本特徴構成によれば、油圧モータ回転センサが故障している場合に、車速制御部が第2車速制御モードを実行するという不都合を回避することができる。
【0014】
さらに、本発明において、
前記制御装置は、前記エンジン回転センサが故障しているか否かを判断する故障判断部を有し、
前記故障判断部によって前記エンジン回転センサが故障していると判断された場合、前記車速制御部は、前記第2車速制御モードを実行しないと好適である。
【0015】
本特徴構成によれば、エンジン回転センサが故障している場合に、車速制御部が第2車速制御モードを実行するという不都合を回避することができる。
【0016】
さらに、本発明において、
前記制御装置は、前記入力回転センサが故障しているか否かを判断する故障判断部を有し、
前記故障判断部によって前記入力回転センサが故障していると判断された場合、前記車速制御部は、前記第1車速制御モードを実行しないと好適である。
【0017】
本特徴構成によれば、入力回転センサが故障している場合に、車速制御部が第1車速制御モードを実行するという不都合を回避することができる。
【0018】
さらに、本発明において、
前記前後進切換装置からの動力を変速する副変速部を備え、
前記車速制御部は、前記副変速部が最低速段の状態において、前記第2車速制御モードを実行すると好適である。
【0019】
本特徴構成によれば、車速が低速の場合は、車速制御部が、第2車速制御モードに切り換わることにより、入力回転数算出部の算出値に基づいて車速を制御することができる。これにより、入力回転数が低回転の場合でも、車速の制御を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】トラクタの側面図である。
図2】動力伝達装置の模式図である。
図3】遊星変速部の模式図である。
図4】制御構成を示すブロック図である。
図5】制御装置による車速変速の説明図である。
図6】車速制御部による制御のフロー図である。
図7】車速制御部による制御のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、トラクタ(「作業車」の一例)の走行車体に関し、図1に示される矢印Fの方向を「車体前側」、図1に示される矢印Bの方向を「車体後側」、図1に示される矢印Uの方向を「車体上側」、図1に示される矢印Dの方向を「車体下側」、図1の紙面表側の方向を「車体左側」、図1の紙面裏側の方向を「車体右側」とする。
【0022】
〔トラクタの全体〕
図1に、トラクタが示されている。このトラクタは、左右一対の操向操作可能、かつ駆動可能な前車輪1(走行装置)、左右一対の駆動可能な後車輪2(走行装置)によって支持される走行車体3を備えている。走行車体3の前部に、エンジン4を備える原動部5が設けられている。走行車体3の後部に、操縦者が搭乗して運転操作を行う運転部6、ロータリ耕耘装置等の作業装置を昇降操作可能に連結するリンク機構7が設けられている。運転部6には、運転座席8、前車輪1を操向操作するステアリングホィール9、搭乗空間を覆うキャビン10が備えられている。走行車体3の車体フレーム11は、エンジン4、エンジン4の後部に前部が連結されたミッションケース12、エンジン4の下部に連結された前輪支持フレーム13などによって構成されている。ミッションケース12の後部に、リンク機構7によって連結された作業装置にエンジン4からの動力を取り出して伝達する動力取出し軸14が設けられている。
【0023】
〔走行用の動力伝達装置〕
図2に示されるように、エンジン4からの動力を前車輪1および後車輪2に伝達する走行用の動力伝達装置15は、エンジン4からの動力を変速して後輪差動機構16および前輪差動機構17に伝達するトランスミッション18を備えている。トランスミッション18は、ミッションケース12に収容されている。
【0024】
図2に示されるように、トランスミッション18には、ミッションケース12の前部に設けられ、エンジン4の出力軸4aの動力が伝達される入力軸20と、入力軸20の動力が入力され、入力された動力を変速して出力する主変速部21と、主変速部21の出力が入力される前後進切換装置23と、前後進切換装置23の出力を後輪差動機構16の入力軸16aに伝達するギヤ機構24と、前後進切換装置23の出力が入力され、入力された動力を変速して前輪差動機構17に出力する前輪伝動部25と、が備えられている。
【0025】
〔主変速部〕
図2に示されるように、主変速部21は、入力軸20の動力が入力される無段変速装置28と、入力軸20の動力および無段変速装置28の出力が入力される遊星変速装置31と、を備えている。
【0026】
無段変速装置28は、図2に示されるように、入力軸20に前端部が連結された回転軸26、および回転軸26の後端部に連結された第1ギヤ機構27を介して入力軸20にポンプ軸28aが連結された可変容量形の油圧ポンプPと、油圧ポンプPからの圧油によって駆動される油圧モータMとを備え、油圧ポンプPの斜板角が変更されることにより、入力軸20からの動力を正転動力と逆転動力とに変速して、かつ正転動力および逆転動力の回転速度を無段階に変速してモータ軸28bから出力する。すなわち、無段変速装置28は、エンジン4からの動力を変速して出力する。無段変速装置28は、静油圧式の無段変速装置である。油圧ポンプPは、エンジン4からの動力によって駆動される。油圧モータMは、油圧ポンプPからの圧油によって駆動される。
【0027】
遊星変速装置31には、図2に示されるように、入力軸20の動力および無段変速装置28の出力が入力される遊星変速部31Aと、遊星変速部31Aの出力を4段階の速度レンジに段階分けして出力する出力部31Bと、が備えられている。図2,3に示されるように、遊星変速部31Aには、第1太陽ギヤ32a、第1太陽ギヤ32aに噛み合う第1遊星ギヤ32b、第1遊星ギヤ32bに噛み合う内歯が備えられた第1リングギヤ32cを有する第1遊星変速部32が備えられている。遊星変速部31Aには、第1遊星変速部32よりも後側に設けられ、第2太陽ギヤ33a、第2太陽ギヤ33aに噛み合う第2遊星ギヤ33b、第2遊星ギヤ33bに噛み合う内歯が備えられた第2リングギヤ33c、第2遊星ギヤ33bを支持する第2キャリヤ33dを有する第2遊星変速部33が備えられている。
【0028】
図2に示されるように、第1太陽ギヤ32aと無段変速装置28のモータ軸28bとにわたって第2ギヤ機構30が設けられ、無段変速装置28の出力が第2ギヤ機構30を介して第1太陽ギヤ32aに入力される。第1リングギヤ32cと入力軸20とにわたって第3ギヤ機構29が設けられ、入力軸20の動力が第3ギヤ機構29を介して第1リングギヤ32cに入力される。図2,3に示されるように、第1遊星変速部32に、第1遊星ギヤ32bと噛み合う連動ギヤ32dが設けられ、連動ギヤ32dと第2遊星ギヤ33bとが連結部材33eによって連動連結されている。第1遊星変速部32と第2遊星変速部33とは、いわゆる複合遊星変速部を構成している。
【0029】
図2,3に示されるように、出力部31Bは、3重軸構造の第1入力軸34a、第2入力軸34bおよび第3入力軸34cと、第1入力軸34aなどと平行に位置する出力軸35を備えている。第1入力軸34aは、第2リングギヤ33cに連結され、第2入力軸34bは、第2キャリヤ33dに連結され、第3入力軸34cは、第2太陽ギヤ33aに連結されている。第1入力軸34aに第1レンジギヤ機構36aが連結され、第1レンジギヤ機構36aと出力軸35とにわたって第1クラッチCL1が設けられている。第3入力軸34cに第2レンジギヤ機構36bが連結され、第2レンジギヤ機構36bと出力軸35とにわたって第2クラッチCL2が設けられている。第2入力軸34bに第3レンジギヤ機構36cが連結され、第3レンジギヤ機構36cと出力軸35とにわたって第3クラッチCL3が設けられている。第3入力軸34cに第4レンジギヤ機構36dが連結され、第4レンジギヤ機構36dと出力軸35とにわたって第4クラッチCL4が設けられている。
【0030】
主変速部21においては、エンジン4からの動力が入力軸20、回転軸26および第1ギヤ機構27を介して油圧ポンプPに入力されて無段変速装置28によって正転動力と逆転動力とに変速してモータ軸28bから出力され、かつ、出力される正転動力および逆転動力の回転数が無段階に変速される。無段変速装置28の出力が第2ギヤ機構30を介して第1遊星変速部32の第1太陽ギヤ32aに入力され、エンジン4からの動力が入力軸20および第3ギヤ機構29を介して第1遊星変速部32の第1リングギヤ32cに入力され、入力された無段変速装置28からの動力とエンジン4からの動力とが遊星変速部31Aの第1遊星変速部32と第2遊星変速部33とによって合成され、合成動力が第2遊星変速部33から出力部31Bに伝達されて出力軸35から出力される。
【0031】
主変速部21においては、第1クラッチCL1が入りにされた状態で無段変速装置28が変速操作されると、遊星変速部31Aによって合成される合成動力が第2リングギヤ33cから出力部31Bの第1入力軸34aに伝達され、出力部31Bにおいて第1レンジギヤ機構36a及び第1クラッチCL1によって1速レンジにおいて無段階に変速する動力にして出力軸35から出力される。
【0032】
第2クラッチCL2が入りにされた状態で無段変速装置28が変速操作されると、遊星変速部31Aによって合成される合成動力が第2太陽ギヤ33aから出力部31Bの第3入力軸34cに伝達され、出力部31Bにおいて第2レンジギヤ機構36b及び第2クラッチCL2によって2速レンジにおいて無段階に変速する動力にして出力軸35から出力される。
【0033】
第3クラッチCL3が入りにされた状態で無段変速装置28が変速操作されると、遊星変速部31Aによって合成される合成動力が第2キャリヤ33dから出力部31Bの第2入力軸34bに伝達され、出力部31Bにおいて第3レンジギヤ機構36c及び第3クラッチCL3によって3速レンジにおいて無段階に変速する動力にして出力軸35から出力される。
【0034】
第4クラッチCL4が入りにされた状態で無段変速装置28が変速操作されると、遊星変速部31Aによって合成される合成動力が第2太陽ギヤ33aから出力部31Bの第3入力軸34cに伝達され、出力部31Bにおいて第4レンジギヤ機構36d及び第4クラッチCL4によって4速レンジにおいて無段階に変速する動力にして出力軸35から出力される。
【0035】
〔前後進切換装置〕
図2に示されるように、前後進切換装置23は、遊星変速装置31の出力軸35に連結された入力軸23aと、入力軸23aと平行に設けられた出力軸23bと、を備えている。入力軸23aに、前進クラッチCLFおよび後進クラッチCLRが設けられている。前進クラッチCLFと出力軸23bとにわたって前進ギヤ連動機構23cが設けられ、後進クラッチCLRと出力軸23bとにわたって後進ギヤ連動機構23dが設けられている。
【0036】
前進クラッチCLFは、入りに操作されると、入力軸23aと前進ギヤ連動機構23cとを連結し、入力軸23aの動力が前進ギヤ連動機構23cを介して出力軸23bに伝達されるように前進伝動状態を現出する。後進クラッチCLRは、入りに操作されると、入力軸23aと後進ギヤ連動機構23dとを連結し、入力軸23aの動力が後進ギヤ連動機構23dを介して出力軸23bに伝達されるように後進伝動状態を現出する。
【0037】
前後進切換装置23においては、入力軸23aに遊星変速装置31の出力が入力され、前進クラッチCLFが入りに操作されることにより、入力軸23aの動力が前進クラッチCLFおよび前進ギヤ連動機構23cによって前進動力に変換されて出力軸23bに伝達される。後進クラッチCLRが入りに操作されることにより、入力軸23aの動力が後進クラッチCLRおよび後進ギヤ連動機構23dによって後進動力に変換されて出力軸23bに伝達される。出力軸23bの前進動力および後進動力は、ギヤ機構24によって後輪差動機構16および前輪伝動部25に伝達される。
【0038】
後輪差動機構16においては、前後進切換装置23から伝達された前進動力あるいは後進動力が左右の出力軸16bから左右の後車輪2に伝達される。左の出力軸16bの動力は、遊星減速機構37を介して左の後車輪2に伝達される。左の出力軸16bに操向ブレーキ38が設けられている。図示されないが、右の出力軸16bから右の後車輪2への伝動系には、左の後車輪2への伝動系と同様に、遊星減速機構37および操向ブレーキ38が設けられている。
【0039】
〔前輪伝動部〕
図2に示されるように、前輪伝動部25は、ギヤ機構24の出力軸24aに連結された入力軸25a、および、入力軸25aと平行に位置する出力軸25bを備えている。入力軸25aに、等速クラッチCLT、および、等速クラッチCLTよりも後側に位置する増速クラッチCLHが設けられている。等速クラッチCLTと出力軸25bとにわたり、等速ギヤ機構40が設けられている。増速クラッチCLHと出力軸25bとにわたり、増速ギヤ機構41が設けられている。ギヤ機構24の出力軸24aに駐車ブレーキ39が設けられている。
【0040】
前輪伝動部25においては、等速クラッチCLTが入りに操作されると、入力軸25aの動力が等速クラッチCLTおよび等速ギヤ機構40によって出力軸25bに伝達され、かつ等速ギヤ機構40によって等速伝動状態が現出され、前車輪1の周速度が後車輪2の周速度と同じになる状態で前車輪1を駆動する動力が出力軸25bから出力される。増速クラッチCLHが入りに操作されると、入力軸25aの動力が増速クラッチCLHおよび増速ギヤ機構41によって出力軸25bに伝達され、かつ増速ギヤ機構41によって前輪増速伝動状態が現出され、前車輪1の周速度が後車輪2の周速度よりも高速になる状態で前車輪1を駆動する動力が出力軸25bから出力される。出力軸25bからの出力は、出力軸25bと前輪差動機構17の入力軸17aとを連結する回転軸42を介して前輪差動機構17に入力される。
【0041】
走行車体3は、等速クラッチCLTが入りにされると、左右の前車輪1の平均周速度が左右の後車輪2の平均周速度と同じになる状態で前車輪1および後車輪2が駆動される四輪駆動状態になり、増速クラッチCLHが入りにされると、左右の前車輪1の平均周速度が左右の後車輪2の平均周速度よりも高速になる状態で前車輪1および後車輪2が駆動される四輪駆動状態になる。これにより、増速クラッチCLHが入りにされた場合、等速クラッチCLTが入り状態にされた場合の旋回半径よりも小さい旋回半径で走行車体3を旋回走行させることができる。
【0042】
〔制御構成〕
無段変速装置28の変速操作を行うための変速操作具としての変速ペダル45(図4参照)が運転部6に設けられている。図4に示されるように、変速ペダル45の操作位置を第1ポテンショメータ46によって検出するように構成され、第1ポテンショメータ46が制御装置47に連係されている。本実施形態では、第1ポテンショメータ46を採用しているが、第1ポテンショメータ46に替え、検出スイッチを利用したものなど各種の操作位置検出機構の採用が可能である。
【0043】
図4に示されるように、制御装置47と無段変速装置28とが連係されている。制御装置47は、マイクロコンピュータを利用して構成され、車速制御部48を備えている。車速制御部48は、変速ペダル45が操作されると、第1ポテンショメータ46よる検出情報を基に変速操作が行われたと検出して無段変速装置28を変速操作する。
【0044】
図4に示されるように、制御装置47は、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3および第4クラッチCL4のそれぞれに連係され、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3および第4クラッチCL4の車速制御部48による切換え操作を可能にされている。
【0045】
具体的には、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3および第4クラッチCL4のそれぞれは、油圧操作式のクラッチによって構成されている。第1クラッチCL1に接続された第1切換弁(図示省略)、第2クラッチCL2に接続された第2切換弁(図示省略)、第3クラッチCL3に接続された第3切換弁(図示省略)、第4クラッチCL4に接続された第4切換弁(図示省略)が制御装置47に連係され、第1切換弁、第2切換弁、第3切換弁および第4切換弁の車速制御部48による切換え操作を可能にされている。
【0046】
図4に示されるように、エンジン4の回転数を検出するエンジン回転センサ61、入力軸23aの回転数を検出する入力回転センサ62、油圧モータMの回転数を検出する油圧モータ回転センサ63が制御装置47に連係されている。入力回転センサ62は、図2に示されるように、入力軸23aに設けられたギヤ59の回転数を入力軸23aの回転数として検出する。すなわち、入力回転センサ62は、前後進切換装置23に入力される動力の回転数である入力回転数NIを検出する。油圧モータ回転センサ63は、モータ軸28bに設けられたギヤ60の回転数を油圧モータMの回転数として検出する。ギヤ60は、第2ギヤ機構30に含まれている。
【0047】
車速制御部48は、エンジン回転センサ61の検出値、および入力回転センサ62の検出値に基づいて、エンジン4と入力軸23aとの間における変速伝動のギヤ比(入力軸23aの回転数/エンジン回転数)を算出し、算出ギヤ比Gと、無段変速装置28の変速状態とに基づいて、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、第3クラッチCL3および第4クラッチCL4を切り換え操作して入力軸23aの回転速度Vの変速制御を行う。入力軸23aの回転速度Vが車速に対応(比例)する。車速制御部48は、入力軸23aの回転数を目標の回転数に制御することにより、車速を制御するように構成されている。
【0048】
図5は、車速制御部48による車速変速の説明図である。図5の縦軸は、算出ギヤ比G、および入力軸23aの回転速度V(車速に対応)を示す。図5の横軸は、無段変速装置28の変速状態を示し、[N]は、中立状態を示し、[-MAX]は、最高速の逆転動力を出力する変速状態を示す。[+MAX]は、最高速の正転動力を出力する変速状態を示す。[-K]は、逆転側のクラッチ切換えのための変速状態〔[-MAX]の手前の変速状態〕を示し、[+K]は、正転側のクラッチ切換えのための変速状態〔[+MAX]の手前の変速状態〕を示す。[G1]、[G2]、[G3]、[G4]は、予め設定された設定ギヤ比である。
【0049】
すなわち、第1クラッチCL1が入りにされた状態で無段変速装置28が[-MAX]から[+MAX]に向けて変速されるに伴い、回転速度Vが1速レンジで零速度[0]から無段階に増速する。無段変速装置28が[+K]になり、算出ギヤ比Gが[G1]になると、車速制御部48が第1クラッチCL1を切りに切換え、第2クラッチCL2を入りに切り換える。第2クラッチCL2が入りの状態で無段変速装置28が[-MAX]に向けて変速されるに伴い、回転速度Vが2速レンジで無段階に増速する。無段変速装置28が[-K]になり、算出ギヤ比Gが[G2]になると、車速制御部48が第2クラッチCL2を切りに切換え、第3クラッチCL3を入りに切り換える。第3クラッチCL3の入り状態で無段変速装置28が[+MAX]に向けて変速操作されると、回転速度Vが3速レンジで無段階に増速する。無段変速装置28が[+K]になり、算出ギヤ比Gが[G3]になると、車速制御部48が第3クラッチCL3を切りに切換え、第4クラッチCL4を入りに切り換える。第4クラッチCL4の入り状態で無段変速装置28が[-MAX]に向けて変速されるに伴い回転速度Vが4速レンジで無段階に増速する。
【0050】
前後進切換装置23の切換え操作を行うための前後進切換具としての前後進レバー64(図4参照)が運転部6に設けられている。図4に示されるように、前後進レバー64の操作位置を第2ポテンショメータ65によって検出するように構成され、第2ポテンショメータ65が制御装置47に連係されている。本実施形態では、第2ポテンショメータ65を採用しているが、第2ポテンショメータ65に替え、検出スイッチなど各種の操作位置検出機構の採用が可能である。
【0051】
図4に示されるように、制御装置47と前後進切換装置23とが連係されている。制御装置47は、前後進切換部66を備えている。前後進切換部66は、前後進レバー64が操作されると、第2ポテンショメータ65による検出情報を基に切換操作が行われたと検出して前後進レバー64の操作位置〔前進位置[f]、後進位置[r]〕に対応する前進伝動状態あるいは後進伝動状態に前後進切換装置23を切換え操作する。前進クラッチCLFおよび後進クラッチCLRのそれぞれは、操作油圧が供給されることによって入りに操作され、操作油圧が排出されることによって切りに操作されるように油圧操作式のクラッチに構成されている。前進クラッチCLFに接続された前進操作弁(図示省略)、および後進クラッチCLRに接続された後進操作弁(図示省略)が制御装置47に連係され、前進操作弁および後進操作弁の前後進切換部66による操作を可能にすることにより、前後進切換装置23の前後進切換部66による切換え操作を可能にされている。
【0052】
図4に示すように、制御装置47は、車速制御部48と、前後進切換部66と、入力回転数算出部67と、故障判断部68と、を備えている。
【0053】
入力回転数算出部67は、エンジン回転センサ61の検出値(エンジン回転センサ61が検出したエンジン4の回転数)及び油圧モータ回転センサ63の検出値(油圧モータ回転センサ63が検出した油圧モータMの回転数)に基づいて、入力回転数NIを算出する。具体的には、入力回転数算出部67は、エンジン回転センサ61の検出値、油圧モータ回転センサ63の検出値及びギヤ比(具体的には、第3ギヤ機構29、第2ギヤ機構30、遊星変速装置31のギヤ比)に基づいて、入力回転数NIを算出する。車速制御部48は、入力回転センサ62の検出値(入力回転センサ62が検出した入力回転数NI)に基づいて車速を制御する第1車速制御モードと、入力回転数算出部67の算出値(入力回転数算出部67が算出した入力回転数NI)に基づいて車速を制御する第2車速制御モードとに切り換え可能に構成されている。故障判断部68は、油圧モータ回転センサ63が故障しているか否かを判断する。
【0054】
図6に示すように、第1クラッチCL1が入りにされた状態であり(S1)、かつ、入力軸23aの回転速度V(車速)が1速レンジで零速度[0]から増速する状態において(S2)、入力軸23aの回転速度V(車速)が第1閾値V1未満であって(S3、Yes)、故障判断部68によって油圧モータ回転センサ63が故障していると判断されなかった場合(S4、No)、車速制御部48は、第2車速制御モードを実行する(S5)。すなわち、車速制御部48は、入力軸23aの回転速度V(車速)が低速の領域(本実施形態では、入力軸23aの回転速度V(車速)が第1閾値V1未満の領域)において、第2車速制御モードを実行する。
【0055】
そして、入力軸23aの回転速度V(車速)が第1閾値V1未満でない場合(S3、No)、車速制御部48は、第1車速制御モードを実行する(S6)。また、入力軸23aの回転速度V(車速)が第1閾値V1未満であっても(S3、Yes)、故障判断部68によって油圧モータ回転センサ63が故障していると判断された場合(S4、Yes)、車速制御部48は、第1車速制御モードを実行する(S6)。すなわち、故障判断部68によって油圧モータ回転センサ63が故障していると判断された場合(S4、Yes)、車速制御部48は、第2車速制御モードを実行しない(S6)。
【0056】
ここで、図2に示すように、入力回転センサ62は、前車輪1(図1参照)及び後車輪2に近い位置に配置されているため、車速を直接的に検出することができる。したがって、通常の車速では、入力回転センサ62の検出値に基づいて車速を制御(第1車速制御モード)する。しかし、低速時(車速0付近)には、車速が遅い(すなわち、入力軸23aがゆっくり回転する)ため、回転数の更新周期が遅くなって、制御が安定しないことが懸念される。そこで、車速が低速の領域においては、一定の時間内に正確な回転数を得るべく、入力回転センサ62とは別のセンサ(具体的には、エンジン回転センサ61及び油圧モータ回転センサ63)の検出値に基づいて車速を制御(第2車速制御モード)する。
【0057】
図7に示すように、車速制御部48が第1車速制御モードを実行中において(S1)、入力軸23aの回転速度V(車速)が第2閾値V2未満になると(S2、Yes)、故障判断部68によって油圧モータ回転センサ63が故障していると判断されなかった場合(S3、No)、車速制御部48は、第2車速制御モードに切り換わる(S4)。
【0058】
そして、入力軸23aの回転速度V(車速)が第2閾値V2未満でない場合(S2、No)、車速制御部48は、第1車速制御モードを継続する(S5)。また、入力軸23aの回転速度V(車速)が第2閾値V2未満であっても(S2、Yes)、故障判断部68によって油圧モータ回転センサ63が故障していると判断された場合(S3、Yes)、車速制御部48は、第1車速制御モードを継続する(S5)。すなわち、故障判断部68によって油圧モータ回転センサ63が故障していると判断された場合(S3、Yes)、車速制御部48は、第2車速制御モードを実行しない(S5)。
【0059】
図5に示すように、第1閾値V1及び第2閾値V2は、入力軸23aの回転速度V(車速)に係る閾値である。第1閾値V1は、前記第2車速制御モードから前記第1車速制御モードに切り換わる閾値である。第1閾値V1は、1速レンジにおける、無段変速装置28の中立状態Nに対応する、入力軸23aの回転速度VN(車速)よりも小さい値に設定されている。第1閾値V1は、例えば、1速レンジにおける、無段変速装置28の中立状態Nと最高速の逆転動力-MAXとの中央値(または略中央値)に対応する、入力軸23aの回転速度V(車速)に設定してもよいし、あるいは、1速レンジにおける、無段変速装置28の中立状態Nと逆転側のクラッチ切換えのための変速状態-Kとの中央値(または略中央値)に対応する、入力軸23aの回転速度V(車速)に設定してもよい。第2閾値V2は、前記第1車速制御モードから前記第2車速制御モードに切り換わる閾値である。第2閾値V2は、第1閾値V1よりも小さい値に設定されている。これにより、車速が低速の領域において、第1車速制御モードと第2車速制御モードとが頻繁に切り換わって不連続部分が生じることがない。
【0060】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、入力回転センサ62は、入力軸23aの回転数を検出するものである。しかし、入力回転センサ62は、出力軸35の回転数を検出するものであってもよい。
【0061】
(2)上記実施形態では、第2閾値V2は、第1閾値V1よりも小さい値に設定されている。しかし、第2閾値V2は、第1閾値V1と同じ値に設定されていてもよい。
【0062】
(3)上記実施形態では、故障判断部68によって油圧モータ回転センサ63が故障していると判断された場合、車速制御部48は、前記第2車速制御モードを実行しない。しかし、故障判断部68によってエンジン回転センサ61が故障していると判断された場合、車速制御部48は、前記第2車速制御モードを実行しなくてもよい。あるいは、故障判断部68によって入力回転センサ62が故障していると判断された場合、車速制御部48は、前記第1車速制御モードを実行しなくてもよい。
【0063】
(4)上記実施形態において、トランスミッション18は、前後進切換装置23からの動力を変速する副変速部を備えていてもよい。この場合、車速制御部48は、前記副変速部が最低速段の状態において、前記第2車速制御モードを実行すると好適である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、作業車に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 前車輪(走行装置)
2 後車輪(走行装置)
4 エンジン
23 前後進切換装置
28 無段変速装置
31 遊星変速装置
47 制御装置
48 車速制御部
61 エンジン回転センサ
62 入力回転センサ
63 油圧モータ回転センサ
67 入力回転数算出部
68 故障判断部
NI 入力回転数
M 油圧モータ
P 油圧ポンプ
V1 第1閾値
V2 第2閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7