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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073244
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/00 20060101AFI20240522BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20240522BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20240522BHJP
   H02K 11/21 20160101ALI20240522BHJP
【FI】
H02K7/00 A
H02K7/116
H02K11/33
H02K11/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184346
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千葉 玄明
(72)【発明者】
【氏名】勅使河原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 康孝
【テーマコード(参考)】
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB14
5H607BB17
5H607BB26
5H607CC03
5H607DD03
5H607DD07
5H607DD19
5H607EE08
5H607EE36
5H607HH01
5H607HH05
5H611AA01
5H611BB01
5H611PP07
5H611QQ03
5H611TT01
5H611UA01
(57)【要約】
【課題】モータおよび減速機を1つのハウジングに収容して一体化しつつ、それぞれを独立して着脱すること。
【解決手段】駆動装置1は、ハウジング2と、ハウジング2に収容されるモータ3と、ハウジング2に収容される減速機5と、モータ3に設けられたモータ出力軸4と、減速機5に設けられた減速機入力軸6と、モータ出力軸4と減速機入力軸6とを結合または分離する連結部7と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されるモータと、
前記ハウジングに収容される減速機と、
前記モータに設けられたモータ出力軸と、
前記減速機に設けられた減速機入力軸と、
前記モータ出力軸と前記減速機入力軸とを結合または分離する連結部と、
を含む、駆動装置。
【請求項2】
前記連結部は、スプライン軸およびスプライン穴からなる、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記連結部は、キーおよびキー溝からなる、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記減速機の出力軸部に取り付けられる主軸を含み、
前記モータ出力軸および前記減速機入力軸は、同軸上に結合されて軸心に沿って貫通する貫通孔を有し、
前記主軸は、前記貫通孔に同軸上に挿通される、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記主軸は、中空に形成される、請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記ハウジングに収容され、前記モータ出力軸の回転角度を検出するモータ角度検出部と、
前記ハウジングに収容され、前記減速機に接続された主軸の回転角度を検出する主軸角度検出部と、
前記ハウジングに収容され、前記モータの回転を制動する制動部と、
前記ハウジングに収容され、前記モータ角度検出部および前記主軸角度検出部の検出信号を入力すると共に、前記モータおよび前記制動部を駆動する制御基板と、
を含む、請求項1に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、モータ、減速機、角度検出器、制御回路基板が1つのハウジングに収納された駆動装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-114623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示される駆動装置は、モータの出力軸と減速機の入力軸が一体化されて小型化を図った設計となっている。しかし、モータの出力軸と減速機の入力軸が一体化されていると、モータまたは減速機に不具合が生じた場合に、モータおよび減速機のどちらも取り外した上での修理対応となるため、手間とコストがかかることとなる。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、モータおよび減速機を1つのハウジングに収容して一体化しつつ、それぞれを独立して着脱することのできる駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の駆動装置は、ハウジングと、前記ハウジングに収容されるモータと、前記ハウジングに収容される減速機と、前記モータに設けられたモータ出力軸と、前記減速機に設けられた減速機入力軸と、前記モータ出力軸と前記減速機入力軸とを結合または分離する連結部と、を含む。
【0007】
上記駆動装置の望ましい態様として、前記連結部は、スプライン軸およびスプライン穴からなる。
【0008】
上記駆動装置の望ましい態様として、前記連結部は、キーおよびキー溝からなる。
【0009】
上記駆動装置の望ましい態様として、前記減速機の出力軸部に取り付けられる主軸を含み、前記モータ出力軸および前記減速機入力軸は、同軸上に結合されて軸心に沿って貫通する貫通孔を有し、前記主軸は、前記貫通孔に同軸上に挿通される。
【0010】
上記駆動装置の望ましい態様として、前記主軸は、中空に形成される。
【0011】
上記駆動装置の望ましい態様として、前記ハウジングに収容され、前記モータ出力軸の回転角度を検出するモータ角度検出部と、前記ハウジングに収容され、前記減速機に接続された主軸の回転角度を検出する主軸角度検出部と、前記ハウジングに収容され、前記モータの回転を制動する制動部と、前記ハウジングに収容され、前記モータ角度検出部および前記主軸角度検出部の検出信号を入力すると共に、前記モータおよび前記制動部を駆動する制御基板と、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、モータおよび減速機を1つのハウジングに収容して一体化しつつ、それぞれを独立して着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態の駆動装置の構成例を表す断面図である。
図2図2は、実施形態の駆動装置の構成例を表す概略図である。
図3図3は、実施形態の駆動装置の減速機の構成例を表す分解斜視図である。
図4図4は、実施形態の駆動装置の分解した構成例を表す断面図である。
図5図5は、実施形態の駆動装置の分解した他の構成例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の形態により本発明が限定されるものではない。また、下記形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0015】
実施形態の駆動装置1は、例えば、協働ロボット、パワーアシストスーツ、移動ロボットの車輪駆動、ハプティクスデバイスなどの機器に適用される。本実施形態の駆動装置1は、一例として、固定側部材21に固定され、ロボットアームなどの移動側部材22を回転移動させる構成に用いられる。
【0016】
駆動装置1は、図1および図2に示すように、ハウジング2と、モータ3と、モータ出力軸4と、減速機5と、減速機入力軸6と、連結部7と、主軸8と、モータ角度検出部9と、主軸角度検出部10と、制動部11と、制御基板12と、を含む。
【0017】
ハウジング2は、図1に示すように、ハウジング主部2Aと、カバー部2Bと、で構成される。ハウジング主部2Aは、略筒形状に形成され、その内部に、モータ3と、モータ出力軸4の一部と、減速機5と、減速機入力軸6と、連結部7と、主軸8の一部と、が収容される。ハウジング主部2Aは、実施形態では、固定側部材21に固定される。カバー部2Bは、ハウジング主部2Aにおける筒形状の一方の開口部を塞ぐように、ハウジング主部2Aに対してネジ13Aによって固定される。カバー部2Bは、略カップ形状に形成され、その内部に、モータ出力軸4の一部と、主軸8の一部と、モータ角度検出部9と、主軸角度検出部10と、制動部11と、制御基板12と、が収容される。
【0018】
モータ3は、モータ出力軸4を回転させるもので、図1に示すように、モータケース3Aと、回転子であるロータ3Bと、固定子であるステータ3Cと、を含む。
【0019】
モータケース3Aは、ハウジング主部2Aに対してネジ13Bで固定される。ロータ3Bは、永久磁石からなり、当該永久磁石を支持する支持部材3Baにモータ出力軸4が取り付けられる。ステータ3Cは、コイル(図示略)を有し、モータケース3Aに取り付けられる。従って、モータ3は、ステータ3Cのコイルに通電すると、ロータ3Bが回転し、モータ出力軸4が軸心CLを中心として回転される。図1に示すモータ3は、ロータ3Bの永久磁石がステータ3Cの外周に設けられるアウターロータ型を構成する。また、モータ3は、図2に示すように、ロータ3Bの永久磁石がステータ3Cの内周に設けられるインナーロータ型を構成してもよい。
【0020】
モータ出力軸4は、図1に示すように、ハウジング2においてハウジング主部2Aおよびカバー部2Bに跨るように軸心CLに沿って延びて設けられる。モータ出力軸4は、軸心CLを中心に設けられる。モータ出力軸4は、軸心CLに沿って貫通孔4Aが設けられ内部が中空な円筒形状に形成される。
【0021】
減速機5は、減速機入力軸6を介して入力した回転速度を減速して主軸8に出力するものである。減速機5は、本実施形態では、遊星歯車機構を構成する。減速機5は、図1から図3に示すように、主に、減速機ケース5Aと、キャリア5Bと、第一遊星歯車5Cと、第二遊星歯車5Dと、太陽歯車5Eと、第一内歯車5Fと、第二内歯車5Gと、出力軸部5Hと、を含む。
【0022】
減速機ケース5Aは、ハウジング主部2Aに対してネジ13Cで固定される。減速機ケース5Aは、減速機ケース主部5Aaと、減速機ケースカバー部5Abと、を含む。減速機ケース主部5Aaは、円筒形状に形成され、キャリア5Bと、第一遊星歯車5Cと、第二遊星歯車5Dと、太陽歯車5Eと、第一内歯車5Fと、第二内歯車5Gと、出力軸部5Hと、を収容する。減速機ケースカバー部5Abは、中央が貫通する円板形状に形成され、減速機ケース主部5Aaの円筒形状の一方の開口に設けられる。減速機ケース主部5Aaの円筒形状の他方の開口は、減速機入力軸6が貫通して設けられる。
【0023】
キャリア5Bは、減速機入力軸6に対し、軸受5Iを介して軸心CLを中心として回転可能に設けられる。キャリア5Bは、第一遊星歯車5Cおよび第二遊星歯車5Dを回転可能に支持する支軸5Baを有する。支軸5Baは、軸心CLと平行な遊星軸心Cを構成する。支軸5Ba、第一遊星歯車5Cおよび第二遊星歯車5Dは、軸心CLを中心として等間隔で複数(例えば3箇所)設けられる。
【0024】
第一遊星歯車5Cおよび第二遊星歯車5Dは、キャリア5Bの支軸5Baに対し、軸受5Jを介して遊星軸心Cを中心として回転可能に設けられる。第一遊星歯車5Cおよび第二遊星歯車5Dは、一体に設けられて共に回転する。第一遊星歯車5Cは、第二遊星歯車5Dよりも大きい径に形成され歯数が多い。
【0025】
太陽歯車5Eは、減速機入力軸6の外周部において軸心CLを中心として設けられる。太陽歯車5Eは、遊星軸心Cの径方向内側(軸心CLに近い側)において第一遊星歯車5Cと噛み合う。
【0026】
第一内歯車5Fは、減速機ケース5A(減速機ケース主部5Aa)の内周部において軸心CLを中心としてリング形状に設けられる。第一内歯車5Fは、遊星軸心Cの径方向外側(軸心CLに遠い側)において第一遊星歯車5Cと噛み合う。
【0027】
第二内歯車5Gは、出力軸部5Hの外周部において軸心CLを中心としてリング形状に設けられる。第二内歯車5Gは、遊星軸心Cの径方向外側(軸心CLに遠い側)において第二遊星歯車5Dと噛み合う。
【0028】
出力軸部5Hは、減速機ケース5A(減速機ケースカバー部5Ab)に対し、軸受5Kを介して軸心CLを中心として回転可能に設けられる。また、出力軸部5Hは、軸受5Lを介し、軸心CLを中心としてキャリア5Bと相対的に回転可能に設けられる。この出力軸部5Hは、主軸8がネジ13Dで固定される。
【0029】
従って、減速機5は、減速機入力軸6を介して軸心CLを中心とした第一回転が入力される。そして、減速機5は、減速機入力軸6の太陽歯車5Eと第一遊星歯車5Cとの噛み合いにより、第一回転が遊星軸心Cを中心とした第一遊星歯車5Cの第二回転として伝達される。第一遊星歯車5Cは、第二回転を第一内歯車5Fとの噛み合いによって支持される。そして、減速機5は、第一遊星歯車5Cと一体の第二遊星歯車5Dに第三回転として伝達される。そして、減速機5は、第二遊星歯車5Dと第二内歯車5Gとの噛み合いにより、第三回転が第二内歯車5Gを介して出力軸部5Hに第四回転として伝達される。第一遊星歯車5Cは、第二遊星歯車5Dよりも歯数が多いため、出力軸部5Hから主軸8に伝達される第四回転の回転速度は、第一回転よりも、減速される。なお、減速機5は、上記構成に限定されず、減速機入力軸6から出力軸部5Hへ伝達される回転速度を減速するものであればよい。
【0030】
減速機入力軸6は、図1に示すように、ハウジング2においてハウジング主部2Aに設けられる。減速機入力軸6は、軸心CLを中心に設けられる。減速機入力軸6は、軸心CLに沿って貫通孔6Aが設けられ内部が中空な円筒形状に形成される。
【0031】
連結部7は、図1および図2に示すように、モータ出力軸4と減速機入力軸6とを連結する。本実施形態では、連結部7は、歯車形状の凹凸の噛み合いによるスプラインからなる。本実施形態では、連結部7は、モータ出力軸4にスプライン軸が構成され、減速機入力軸6にスプライン穴が構成される。連結部7は、モータ出力軸4にスプライン穴が構成され、減速機入力軸6にスプライン軸が構成されてもよい。また、連結部7は、より精度が高く大きなトルク伝達が可能なインボリュートスプラインからなることが好ましい。また、連結部7は、キーおよびキー溝からなる構成でも良い。この場合、例えば、連結部7は、モータ出力軸4にキーが構成され、減速機入力軸6にキー溝が構成される。または、連結部7は、モータ出力軸4にキー溝が構成され、減速機入力軸6にキーが構成されてもよい。このように、連結部7は、モータ出力軸4と減速機入力軸6とを結合または分離可能にするものである。従って、連結部7によって連結されるモータ出力軸4と減速機入力軸6とは、軸心CLに同軸上に配置される。なお、連結部7は、モータ出力軸4と減速機入力軸6とをネジで結合する構成とすることも可能である。
【0032】
ここで、駆動装置1において、連結部7は、スプライン、インボリュートスプラインまたはキーおよびキー溝からなる構成の場合、軸心CLに沿う方向(軸方向)の相互の移動によってモータ出力軸4と減速機入力軸6とを結合または分離できる。ただし、モータ出力軸4と減速機入力軸6とを軸方向で相互に離れさせると結合が離れるため、実施形態の駆動装置1では、モータ3をネジ13Bによってハウジング主部2Aに固定することでモータ出力軸4の軸方向の移動を規制し、減速機5をネジ13Cによってハウジング主部2Aに固定することで減速機入力軸6の軸方向の移動を規制して、連結部7の結合を維持している。
【0033】
主軸8は、図1に示すように、ハウジング2においてハウジング主部2Aおよびカバー部2Bに跨るように軸心CLに沿って延びて設けられる。主軸8は、モータ出力軸4の貫通孔4Aおよび減速機入力軸6の貫通孔6Aに挿通され、これらモータ出力軸4と減速機入力軸6と同軸上に軸心CLを中心に設けられる。主軸8は、軸心CLに沿って貫通孔8Aが設けられ内部が中空な円筒形状に形成される。なお、主軸8は、一端側がハウジング主部2Aにおいて出力軸部5Hに固定されて出力軸部5Hと共に軸受5Kおよび軸受5Lを介して回転可能に支持され、他端側に着脱可能に設けられたカップリング8Bがカバー部2Bにおいてカバー部2Bの内部に配置される固定部材14に設けられた軸受14Aを介して回転可能に支持される。
【0034】
モータ角度検出部9は、図1に示すように、モータ出力軸4に設けられ、モータ出力軸4の回転角度を検出する。モータ角度検出部9は、モータ出力軸4においてカバー部2Bに収容された部分に設けられており、カバー部2Bに収容される。
【0035】
主軸角度検出部10は、図1に示すように、主軸8に設けられ、主軸8の回転角度を検出する。主軸角度検出部10は、主軸8においてカバー部2Bに収容された部分に設けられており、カバー部2Bに収容される。
【0036】
制動部11は、モータ出力軸4を制動する。制動部11は、図1に示すように、アクチュエータ11Aと制動ディスク11Bとを含む。アクチュエータ11Aは、カバー部2Bの内部に配置された固定部材14に取り付けられており、カバー部2Bに収容される。制動ディスク11Bは、カバー部2Bの内部に延びるモータ出力軸4に取り付けられ、モータ出力軸4と共に回転する。そして、制動部11は、アクチュエータ11Aが動作することで、制動ディスク11Bの回転を抑制し、モータ出力軸4を制動する。
【0037】
制御基板12は、モータ角度検出部9および主軸角度検出部10の検出信号を入力すると共に、モータ3および制動部11を駆動するための制御回路が実装される。制御基板12は、図1に示すように、カバー部2Bの内部に配置された固定部材14に取り付けられており、カバー部2Bに収容される。また、制御基板12は、駆動装置1の外部に接続されるケーブル15が接続される。ケーブル15は、主軸8の貫通孔8Aに挿通されてハウジング2の外部に引き出される。
【0038】
このように構成された駆動装置1は、ハウジング2の固定された固定側部材21に対し、主軸8の固定された移動側部材22を、モータ3の駆動によって回転移動させ、制動部11の駆動により回転移動を制動させる。
【0039】
また、駆動装置1は、図4または図5に示すような分解組み立てが可能である。具体的には、図4に示すように、ハウジング2のハウジング主部2Aに減速機5を取り付けたままモータ3を着脱することと、ハウジング主部2Aにモータ3を取り付けたまま減速機5を着脱することが可能である。
【0040】
ハウジング主部2Aに減速機5を取り付けたままモータ3を着脱するには、図4に示すように、カバー部2Bをネジ13Aによってハウジング主部2Aから外す。そして、固定部材14と共に、制動部11および制御基板12を外し、カップリング8Bを主軸8から外し、モータ角度検出部9をモータ出力軸4から外し、主軸角度検出部10を主軸8から外す。その後、モータ3をネジ13Bによってハウジング主部2Aから外し、連結部7によってモータ出力軸4を減速機入力軸6から外すことで、モータ3を独立して取り外すことができる。実施形態の駆動装置1は、モータ3を独立して取り外すことで、減速機5をハウジング主部2Aから外すことなくモータ3の修理交換が可能になる。なお、この逆の手順で、駆動装置1を組み立てることができる。
【0041】
一方、ハウジング主部2Aにモータ3を取り付けたまま減速機5を着脱するには、図5に示すように、カバー部2Bをネジ13Aによってハウジング主部2Aから外す。そして、固定部材14と共に、制動部11および制御基板12を外し、カップリング8Bを主軸8から外し、モータ角度検出部9をモータ出力軸4から外し、主軸角度検出部10を主軸8から外す。その後、減速機5をネジ13Cによってハウジング主部2Aから外し、連結部7によって減速機入力軸6をモータ出力軸4から外すことで、減速機5を独立して取り外すことができる。また、その後、主軸8をネジ13Dによって減速機5から取り外す。実施形態の駆動装置1は、減速機5を独立して取り外すことで、モータ3をハウジング主部2Aから外すことなく減速機5の修理交換が可能になる。なお、この逆の手順で、駆動装置1を組み立てることができる。
【0042】
このように、実施形態の駆動装置1は、ハウジング2と、ハウジング2に収容されるモータ3と、ハウジング2に収容される減速機5と、モータ3に設けられたモータ出力軸4と、減速機5に設けられた減速機入力軸6と、モータ出力軸4と減速機入力軸6とを結合または分離する連結部7と、を含む。
【0043】
この駆動装置1によれば、ハウジング2にモータ3および減速機5を収容して一体化できる。しかも、この駆動装置1によれば、連結部7によってモータ出力軸4と減速機入力軸6とが結合または分離されるため、モータ3または減速機5のそれぞれを独立して着脱できる。この結果、実施形態の駆動装置1は、モータ3や減速機5のメンテナンス時に双方をハウジング2に対して着脱する作業を一方のみに簡素化し作業コストを低減できる。
【0044】
また、実施形態の駆動装置1では、連結部7は、スプライン軸およびスプライン穴からなる。従って、この駆動装置1によれば、モータ出力軸4と減速機入力軸6との結合または分離をネジなどの固定手段を用いず簡便に実施できる。ここで、実施形態の駆動装置1は、上述したように、主軸8が、モータ出力軸4の貫通孔4Aおよび減速機入力軸6の貫通孔6Aに挿通され、これらモータ出力軸4と減速機入力軸6と同軸上に軸心CLを中心に設けられる。即ち、実施形態の駆動装置1は、小型化を図るために軸が小径に形成される一方、当該構成において内径を大きくした中空な軸でトルクを伝達する構成である。従って、このような構成において、実施形態の駆動装置1は、連結部7がスプライン軸およびスプライン穴からなることで、大きいトルクを伝達する際に、動力を伝達する連結部7に生じる応力を分散させることができる。
【0045】
また、実施形態の駆動装置1では、連結部7は、キーおよびキー溝からなる。従って、この駆動装置1によれば、モータ出力軸4と減速機入力軸6との結合または分離をネジなどの固定手段を用いず簡便に実施できる。特に、この駆動装置1によれば、キーおよびキー溝からなる連結部7は、簡素な構成であり、動力を伝達する連結部7に生じる応力に余裕がある(応力を分散させる必要がない)場合に適用することで、スプライン軸およびスプライン穴からなる構成と比較して加工コストを削減できる。
【0046】
また、実施形態の駆動装置1では、減速機5の出力軸部5Hに取り付けられる主軸8を含み、モータ出力軸4および減速機入力軸6は、同軸上に結合されて軸心CLに沿って貫通する貫通孔4A,6Aを有し、主軸8は、貫通孔4A,6Aに同軸上に挿通される。従って、この駆動装置1によれば、同軸上に結合されたモータ出力軸4および減速機入力軸6の貫通孔4A,6Aに主軸8を同軸上に挿通し、装置の小型化を図ることができる。しかも、この駆動装置1によれば、同軸上に結合されたモータ出力軸4および減速機入力軸6の貫通孔4A,6Aに主軸8を同軸上に挿通することで、図1に示すように、モータ出力軸4と主軸8とを軸方向の同方向に延ばして配置でき、モータ角度検出部9や、主軸角度検出部10や、制動部11や、制御基板12を軸方向の片側に纏めて配置するスペースを形成でき、これにより装置の小型化を図ることができる。
【0047】
また、実施形態の駆動装置1では、主軸8は、中空に形成される。従って、この駆動装置1によれば、主軸8の中空部分にハウジング2の内外に通じるようにケーブル15を通すことができる。
【0048】
また、実施形態の駆動装置1では、ハウジング2に収容され、モータ出力軸4の回転角度を検出するモータ角度検出部9と、ハウジング2に収容され、減速機5に接続された主軸8の回転角度を検出する主軸角度検出部10と、ハウジング2に収容され、モータ3の回転を制動する制動部11と、ハウジング2に収容され、モータ角度検出部9および主軸角度検出部10の検出信号を入力すると共に、モータ3および制動部11を駆動する制御基板12と、を含む。従って、この駆動装置1によれば、モータ角度検出部9、主軸角度検出部10、制動部11および制御基板12をハウジング2に収容した一体型の装置において、モータ3または減速機5のそれぞれを独立して着脱できる。
【符号の説明】
【0049】
1 駆動装置
2 ハウジング
3 モータ
4 モータ出力軸
4A 貫通孔
5 減速機
6 減速機入力軸
6A 貫通孔
7 連結部
8 主軸
9 モータ角度検出部
10 主軸角度検出部
11 制動部
12 制御基板
CL 軸心
図1
図2
図3
図4
図5