(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073253
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、情報処理方法及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/14 20060101AFI20240522BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20240522BHJP
H04L 67/1087 20220101ALI20240522BHJP
H04L 67/563 20220101ALI20240522BHJP
【FI】
H04N7/14 110
H04M3/56
H04N7/14
H04L67/1087
H04L67/563
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184355
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】591275481
【氏名又は名称】株式会社アイ・オー・データ機器
(71)【出願人】
【識別番号】522451687
【氏名又は名称】株式会社3S
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】三浦 浩之
(72)【発明者】
【氏名】細野 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】宮下 卓久
【テーマコード(参考)】
5C164
5K201
【Fターム(参考)】
5C164FA09
5C164VA11P
5C164VA16P
5K201BB09
5K201CA01
5K201CA06
5K201EA05
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】第1端末装置と第2端末装置との間で音声及び映像それぞれの通信を効率的に行うことができるプログラム等を提供することを目的とする。
【解決手段】プログラムは、コンピュータに、電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力することにより、前記映像中継サーバに対し、映像通信用のメッセージを前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力させる処理を実行させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、
前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、
前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、
前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力することにより、前記映像中継サーバに対し、映像通信用のメッセージを前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力させる
処理を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記第1端末装置から送信される音声データを、前記発信先の電話番号に対応する電話機に中継する
請求項1に記載の処理を実行させるプログラム。
【請求項3】
前記発信先の電話番号に基づき、前記第2端末装置のIPアドレスを特定し、
特定した前記IPアドレスを用いて、前記第2端末装置と通信する
請求項2に記載の処理を実行させるプログラム。
【請求項4】
前記発信元の前記第1端末装置から送信される音声データを、前記映像中継サーバを介して、音声通信機能を有する前記第2端末装置に中継する
請求項1に記載の処理を実行させるプログラム。
【請求項5】
前記中継リクエスト情報を出力すると共に、前記発信先の電話番号に基づき予め定められている識別情報を前記映像中継サーバに出力する
請求項1に記載の処理を実行させるプログラム。
【請求項6】
前記電話による音声通話が切断された場合、終了リクエスト情報を、前記映像中継サーバに出力することにより、前記映像中継サーバに前記第1端末装置と前記第2端末装置との映像中継を終了させるための処理を行わせる
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の処理を実行させるプログラム。
【請求項7】
前記電話による音声通話が切断された場合、前記映像中継サーバに音声及び映像を中継させる
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の処理を実行させるプログラム。
【請求項8】
前記電話による音声通話が切断された場合、記憶部に予め記憶されている設定情報を参照し、
前記設定情報に応じて、前記映像中継サーバに前記第1端末装置と前記第2端末装置との映像中継を終了させるための処理を行わせる、又は前記映像中継サーバに音声及び映像を中継させる処理を実行させる
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の処理を実行させるプログラム。
【請求項9】
電話に関する処理を行う制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、
前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、
前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、
前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力することにより、前記映像中継サーバに対し、映像通信用のメッセージを前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力させる
情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、
前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、
前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、
前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力することにより、前記映像中継サーバに対し、映像通信用のメッセージを前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力させる
処理を実行させる情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置と、情報処理装置に通信可能に接続される映像中継サーバとを含む通信システムであって、
前記情報処理装置は、
電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、
前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、
前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、
前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力し、
前記映像中継サーバは、
前記情報処理装置から前記中継リクエスト情報を取得し、
取得した前記中継リクエスト情報に基づき生成した映像通信用のメッセージを、前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力する
通信システム。
【請求項12】
情報処理装置及び映像中継サーバと通信可能に接続され、電話機能を有する第1端末装置に、
前記情報処理装置を介して、発信先の電話番号への電話による発信を実行し、
前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記映像中継サーバから出力された映像通信用のメッセージを取得する
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、情報処理方法及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
Web会議アプリケーションを使用し、その会議音声及び画面を双方の会議に伝え、利用者に好適な音声及び画面中継装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の通信システムにおいては、第1端末装置と第2端末装置との間で通信を効率的に行う点について考慮されていない。
【0005】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、第1端末装置と第2端末装置との間で通信を効率的に行うことができるプログラム等を提供することを目的とする。
【0006】
一つの案では、プログラムは、コンピュータに、電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力することにより、前記映像中継サーバに対し、映像通信用のメッセージを前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力させる処理を実行させる。
【0007】
一つの案では、情報処理装置は、電話に関する処理を行う制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部は、前記電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力することにより、前記映像中継サーバに対し、映像通信用のメッセージを前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力させる。
【0008】
一つの案では、情報処理方法は、コンピュータに、電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力することにより、前記映像中継サーバに対し、映像通信用のメッセージを前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力させる処理を実行させる。
【0009】
一つの案では、通信システムは、情報処理装置と、情報処理装置に通信可能に接続される映像中継サーバとを含む通信システムであって、前記情報処理装置は、電話による発信がされたことを示す発信情報を取得し、前記発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出し、前記発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記中継リクエスト情報を映像中継サーバに出力し、前記映像中継サーバは、前記情報処理装置から前記中継リクエスト情報を取得し、取得した前記中継リクエスト情報に基づき生成した映像通信用のメッセージを、前記電話の発信元である第1端末装置及び前記電話の発信先に対応する第2端末装置に出力する。
【0010】
一つの案では、プログラムは、情報処理装置及び映像中継サーバと通信可能に接続され、電話機能を有する第1端末装置に、前記情報処理装置を介して、発信先の電話番号への電話による発信を実行し、前記電話による音声通話が継続されている状態において、前記映像中継サーバから出力された映像通信用のメッセージを取得する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1端末装置と第2端末装置との間で通信を効率的に行うプログラム等を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係る通信システムを例示するシステム概要図である。
【
図2】通信システムに含まれる情報処理装置(SIPクライアント)の構成例を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態2に係る通信システムを例示するシステム概要図である。
【
図5】情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態3(電話切断時、WEB会議も終了)の情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態4(電話切断時、WEB会議にて音声通信継続)の情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態5(電話切断時、設定情報に応じてWEB会議制御)の情報処理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る通信システムSを例示するシステム概要図である。
図2は、通信システムSに含まれる情報処理装置1(SIPクライアント)の構成例を示すブロック図である。通信システムSは、情報処理装置1と、当該情報処理装置1と通信可能に接続される映像中継サーバ2とを主たる装置として構成される。第1端末装置101及び第2端末装置102は、これら情報処理装置1及び映像中継サーバ2と通信可能に接続される。第1端末装置101による電話は、情報処理装置1を介して(中継して)、電話機103にかかるものとなる。
【0014】
情報処理装置1は、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)の通信プロコトルに対応したSIPクライアントとして機能し、IP電話に対応したコンピュータである。情報処理装置1は、電話の発信元であるスマートホン又は携帯電話等の第1端末装置101からの電話による着信を受ける。SIPクライアントとして機能する情報処理装置1は、当該着信を受けるにあたり、SIP(Session Initiation Protocol)に対応し公衆電話回線網に接続されるSIPサーバにより変換されたSIP着信情報を受信(取得)するものであってもよい。情報処理装置1は、電話の発信元であるスマートホン又は携帯電話等の第1端末装置101と、電話の発信先に対応する電話機103との間での音声通信(音声通話の中継)を継続しつつ、映像中継サーバ2に対し、当該第1端末装置101と、電話の発信先に対応するパソコン等の第2端末装置102との間での映像通信を開始させるための処理を行う。
【0015】
映像中継サーバ2は、インターネット等に接続されるクラウドサーバ等にて構成され、例えばWebRTC(Web Real-Time Communication)等に対応したWEB会議サーバとして機能する。情報処理装置1、映像中継サーバ2、第1端末装置101、及び第2端末装置102は、インターネット等の外部ネットワークを介してIP通信等によって通信可能に接続される。更に、情報処理装置1と第1端末装置101とは、インターネットとは別回線となる公衆電話回線網にて通信可能に接続される。当該公衆電話回線網(携帯電話回線網)には、SIPサーバが設けられておりIP電話網に対し透過接続される。SIPサーバにより、SIP着信情報が生成され、当該SIP着信情報がSIPクライアントである情報処理装置1へ送信される。
【0016】
情報処理装置1と、電話の発信先に対応する第2端末装置102及び電話機103とは、当該情報処理装置1が設けられる病院又は介護施設等の施設内LANを介して通信可能に接続される。情報処理装置1と電話機103とは、例えば、病院又は介護施設等の同一施設内における内線電話網にて通信可能に接続されるものであってもよい。
【0017】
情報処理装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、SIP用通信部14、及び電話機通信部15を備え、電話の受信及び音声通話の中継機能を有するパソコン等のコンピュータにて構成され、SIPクライアントとして機能する。制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の計時機能を備えた演算処理装置を有し、記憶部12に記憶されたプログラムP(プログラム製品)を読み出して実行することにより、情報処理装置1に係る種々の情報処理、制御処理、及び通信処理等を行う。
【0018】
記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の揮発性記憶領域及び、EEPROM又はハードディスク等の不揮発性記憶領域を含む。記憶部12には、プログラムP(プログラム製品)及び処理時に参照するデータが予め記憶してある。記憶部12に記憶されたプログラムPは、情報処理装置1が読み取り可能な記録媒体Mから読み出されたプログラムPを記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラムPをダウンロードし、記憶部12に記憶させたものであってもよい。
【0019】
通信部13は、例えばイーサネット及びTCP/IPに対応した通信インターフェイスである。情報処理装置1は、通信部13を介して映像中継サーバ2及び第2端末装置102と通信する。
【0020】
SIP用通信部14は、SIPに対応した通信インターフェイスであり、IP電話に対応するものであってもよい。情報処理装置1は、SIP用通信部14介して、第1端末装置101からの発信情報(SIP着信情報等)及び音声通話における音声データを取得する。
【0021】
電話機通信部15は、内線モジュラー等、施設内における他の内線電話機103への受発信に対応した通信インターフェイスである。情報処理装置1は、電話機通信部15を介して、例えば同じ施設内の内線電話網に接続される電話機103と通信する。
【0022】
映像中継サーバ2は、例えばWebRTCに対応したWEB会議サーバとして機能し、クラウドサーバ又は仮想サーバ等のサーバ装置にて構成される。映像中継サーバ2は、情報処理装置1と同様に制御部、記憶部、及び通信部等を備える。
【0023】
第1端末装置101は、例えば、スマートホン又は携帯電話等、電話機能を有する携帯端末である。第1端末装置101は、情報処理装置1と同様に制御部、記憶部、及び通信部等を備える。第1端末装置101は、カメラ、マイク及びスピーカ等、音声及び映像通信のための入出力デバイスを含む、又は接続されている。第1端末装置101は、電話を発信する場合に限定されず、第2端末装置102又は電話機103から発信された電話を受信するものであってもよい。この場合、後述する第1端末装置101と、第2端末装置102又は電話機103との受発信関係が逆となる処理が行われるものであってもよい。
【0024】
第2端末装置102は、例えば、スマートホン、タブレットPC又はパソコン等、通信機能を有するコンピュータである。第2端末装置102は、情報処理装置1と同様に制御部、記憶部、及び通信部等を備える。第2端末装置102と情報処理装置1とは、同じ施設内に設けられ、当該施設内LANによる通信可能に接続されるものであってもよい。
第2端末装置102は、カメラ、マイク及びスピーカ等、音声及び映像通信のための入出力デバイスを含む、又は接続されている。
【0025】
図3は、情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1(SIPクライアント)の制御部11の処理の流れ及び、映像中継サーバ2(WEB会議サーバ)との処理の連関について説明する。情報処理装置1(SIPクライアント)は、常時、スマートホン等の電話機能を有する第1端末装置101(携帯端末)からの着信を待ち受けており、当該着信を受信した際、以下の一連の処理を開始するものであってもよい。
【0026】
情報処理装置1の制御部11は、第1端末装置101による発信がされたことを示す発信情報(SIP着信情報)を取得する(S101)。第1端末装置101からの電話の発信は、公衆電話回線網に接続されIP電話網への透過的接続を行うSIPサーバによりSIPに対応したデータ形式(SIP着信情報)に変換されている。SIPクライアントとして機能する情報処理装置1の制御部11は、公衆電話回線網に接続されるSIPサーバから、第1端末装置101による発信がされたことを示す発信情報、すなわちSIP着信情報を取得する。
【0027】
情報処理装置1の制御部11は、発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出する(S102)。情報処理装置1の制御部11は、取得した発信情報(SIP着信情報)を参照し、当該SIP着信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出する。情報処理装置1の制御部11は、更に、SIP着信情報に含まれる発信先の電話番号についても、抽出するものであってもよい。この場合、発信先の電話番号は、SIPクライアントとして機能する情報処理装置1の自身の電話番号に相当するものとなる。
【0028】
情報処理装置1の制御部11は、発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成する(S103)。情報処理装置1の制御部11は、発信先の電話番号に基づき予め定められている識別情報(サービスID)及び中継リクエスト情報を映像中継サーバ2に出力する(S104)。情報処理装置1の制御部11は、発信元の電話番号、すなわち第1端末装置101の電話番号を含めた中継リクエスト情報を生成し、当該中継リクエスト情報を、通信部13を介して、インターネット等に接続される映像中継サーバ2に対し出力する。情報処理装置1の制御部11は、中継リクエスト情報に、発信情報(SIP着信情報)から抽出した発信先の電話番号を含め、又は関連付けて、当該中継リクエスト情報を出力するものであってもよい。
【0029】
情報処理装置1の制御部11は、更に、発信先の電話番号に基づき予め定められている識別情報(サービスID)を、中継リクエスト情報と共に、又は中継リクエスト情報に含めて、映像中継サーバ2に出力する。識別情報(サービスID)は、情報処理装置1の記憶部12に、例えば電話番号と関連付けて予め記憶されており、情報処理装置1の制御部11は、記憶部12を参照することにより、識別情報(サービスID)を取得するものであってもよい。又は、情報処理装置1の制御部11は、発信先の電話番号自体を識別情報(サービスID)として、映像中継サーバ2に出力するものであってもよい。
【0030】
情報処理装置1の制御部11は、第1端末装置101と、電話の発信先に対応する電話機103との間の音声通話を実行する(S105)。情報処理装置1の制御部11は、第1端末装置101と電話機103との間の音声通話、すなわちこれら装置間における音声通信を中継するにあたり、音声通信にて用いられるマイク及びスピーカをクロス(リダイレクト)する仮想オーディオケーブル(仮想ポート)として機能するものであってもよい。これにより、第1端末装置101と、電話の発信先に対応する第2端末装置102との間における映像通信に先立って、第1端末装置101と、電話の発信先に対応する電話機103との間の音声通話(音声通信)を開始することができる。
【0031】
本実施形態において、第1端末装置101と電話機103との間の音声通話の開始はS104以降の処理として説明したがこれに限定されず、S101の直後に行うものであってもよい。又は、情報処理装置1の制御部11は、例えばサブプロセスを発生し、S102からS104までの処理と並行して、第1端末装置101と電話機103との間の音声通話を開始する処理を行うものであってもよい。
【0032】
映像中継サーバ2(WEB会議サーバ)は、情報処理装置1(SIPクライアント)から送信される情報、データ又は信号等に応じて、以下の一連の処理を開始する。映像中継サーバ2の制御部は、識別情報(サービスID)及び中継リクエスト情報を取得する(T101)。映像中継サーバ2の制御部は、例えばインターネット等を介して、情報処理装置1から識別情報(サービスID)及び中継リクエスト情報を取得し、映像中継サーバ2の記憶部等に記憶する。
【0033】
映像中継サーバ2の制御部は、情報処理装置1から取得した識別情報(サービスID)に対し、認証処理を行い、当該認証処理の処理結果が肯定的結果である場合のみ、以下にて示すWEB会議室の作成等の処理を継続するものであってもよい。映像中継サーバ2の記憶部には、例えば、認証処理を行う際に用いるユーザ情報データ又は認証リポジトリデータ等が記憶されている。映像中継サーバ2の制御部は、当該ユーザ情報データ等に基づき認証処理を行うことにより、情報処理装置1から識別情報(サービスID)の適正性を判定するものであってもよい。映像中継サーバ2の制御部は、当該適正性の判定結果が正常(肯定的判定結果)である場合、以下にて示すWEB会議室の作成等の処理を継続し、判定結果が異常(否定的判定結果)である場合、以下の処理を行うことなく認証失敗となる返値を出力し、以降の処理を中断するものであってもよい。
【0034】
映像中継サーバ2の制御部は、映像通信用のWEB会議室を生成する(T102)。WEB会議室とは、映像中継サーバ2に生成された仮想的な会議室であり、WEB会議用オブジェクトである。WEB会議室の利用者は、WEB会議室それぞれに対し一意に割り当てられたURLにアクセスすることにより、当該WEB会議室にアクセス(入室)し、双方向の映像通信を行うことができる。
【0035】
映像中継サーバ2の制御部は、生成したWEB会議に対応するURLが含まれる映像通信用のメッセージを出力する(T103)。映像中継サーバ2の制御部は、例えば、生成したWEB会議に対応するURLが含まれるSMS(ショートメッセージサービス)を、映像通信用のメッセージとして生成する。映像中継サーバ2の制御部は、生成した当該映像通信用のメッセージ(SMS等)を、電話の発信元である第1端末装置101、及び電話の発信先に対応する第2端末装置102に送信する。映像中継サーバ2の制御部は、中継リクエスト情報に含まれ、又は関連付けられた発信先の電話番号に応じて、第2端末装置102のアドレス等を特定するものであってもよい。更に、映像中継サーバ2の制御部は、当該当該映像通信用のメッセージを情報処理装置1に対しても送信するものであってもよい。SMSを用いることにより、映像中継サーバ2の制御部は、第1端末装置101の電話番号(電話の発信元の電話番号)を用いて、当該第1端末装置101に対し、映像通信用のWEB会議にアクセスするためのURLを確実に送信することができる。同様に、映像中継サーバ2の制御部は、電話の発信先に対応する第2端末装置102に対しても、映像通信用のWEB会議にアクセスするためのURLを確実に送信することができる。当該SMS(Short Message Service)は、スマートホン等の電話機能を有する携帯端末(携帯電話機)に標準的にインストールされている汎用的なアプリケーションにて受信等の操作を行うことができ、従って専用のアプリケーションのインストール等を不要とすることができる。
【0036】
又は、映像中継サーバ2の制御部は、情報処理装置1(SIPクライアント)を介して、第2端末装置102に対し映像通信用のメッセージ(SMS等)を、出力するものであってもよい。この場合、映像中継サーバ2の制御部は、映像通信用のメッセージ(SMS等)を情報処理装置1(SIPクライアント)に送信し、当該メッセージ(SMS等)を受信した情報処理装置1が、第2端末装置102に対し、WEB会議にアクセスするためのURLを送信(中継)するものであってもよい。情報処理装置1は、SIP着信情報に含まれる発信先の電話番号に基づき、第2端末装置102のIPアドレスを特定するものであってもよい。又は、情報処理装置1は、SIP着信情報を受信した際、予め定められたIPアドレスを用いて、第2端末装置102へアクセスするものであってもよい。当該第2端末装置102のIPアドレスは、情報処理装置1の記憶部12に予め記憶されている。
【0037】
電話の発信元であるスマートホン等の第1端末装置101と、電話の発信先に対応する電話機103との間においては、既に音声通話が開始(音声通信が確立)されている。当該音声通話(音声通信)は、公衆電話回線網を介して行われる。その上で、第1端末装置101及び第2端末装置102からは、映像通信用のWEB会議にアクセスするためのURLを、例えばブラウザアプリケーション等により指定することにより、映像中継サーバ2が生成したWEB会議室にアクセス(入室)することができる。これら第1端末装置101及び第2端末装置102から、映像中継サーバ2へのアクセス、WEB会議室による映像通信は、音声通信が行われる公衆電話回線網とは異なる回線であるインターネットにて、行われる。
【0038】
本実施形態によれば、情報処理装置1(コンピュータ)は、スマートホン等の携帯電話機である第1端末装置101からの発信に対し着信する機能を有し、当該第1端末装置101からの発信が、例えば、通信キャリア側のSIP(Session Initiation Protocol)サーバにてSIPに変換された場合、当該SIPを受信するSIPクライアントである。当該SIPクライアントとして機能するコンピュータは、第1端末装置101からの発信による発信情報(SIP着信情報)を取得(受信)し、当該発信情報に含まれる発信元の電話番号を取得する。情報処理装置1(SIPクライアント)は、スマートホン等の第1端末装置101からの着信を受け、当該第1端末装置101との音声通話を継続する処理を行いつつ、発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成し、当該中継リクエスト情報を、例えばインターネット等のネットワークに接続される映像中継サーバ2に出力(送信)する。
【0039】
情報処理装置1(SIPクライアント)による映像中継サーバ2への中継リクエスト情報の送信は、当該映像中継サーバ2における映像通信用のメッセージの作成及び出力(送信)を開始させるためのトリガーとして機能する。これにより、映像中継サーバ2に対し、映像通信用のメッセージを作成させ、更に当該映像通信用のメッセージを、電話の発信元である第1端末装置101、及び発信先の電話機103に対応する第2端末装置102に対し出力する処理を実行させることができる。映像中継サーバ2は、例えばWebRTC(Web Real-Time Communication)等に対応したWEB会議サーバとして機能する。これら映像中継サーバ2に対する処理は、電話による音声通話が、発信元のスマートホン等の第1端末装置101と、発信先の電話機103との間において継続されている最中に行われる。従って、電話を掛けたユーザは、電話にて音声通信を行いつつ、映像中継サーバ2から、例えばURL等を含む映像通信用のメッセージを取得でき、その上で当該メッセージに応じてURLをクリックすることにより、映像通信(画像通信)を行うことができる。当該映像通信(画像通信)は、映像中継サーバ2を介して、第1端末装置101と第2端末装置102との間にて行われる。
【0040】
電話を掛けたユーザが、例えばスマートホン等のIT機器に不慣れな方であっても、音声通信は継続しているため、電話の発信先の電話機103にて当該音声通信の相手先となる対応者は、音声にて当該ユーザを支援することができる。更に、音声通信の通信経路と、映像通信(画像通信)とを異なる通信経路とすることにより、通信品質の向上、及びいずれかの通信経路が不通又は遅延が発生した場合であっても、他方の通信経路による継続性を担保することができ、通信における冗長性を図ることができる。すなわち、音声通信の通信経路はSIP(Session Initiation Protocol)に対応した公衆電話回線網を用い、映像通信(画像通信)の通信経路はインターネットを用いることにより、電話を掛けたユーザと、発信先の電話機103にて音声通信の相手先となる対応者とは、2つの通信経路にて通信を行い、通信品質の担保を図ることができる。又、電話をかけるユーザに対しては、単に電話をかけるという簡単な操作のみで、電話による音声通信を継続させつつ、映像通信を開始することができるサービスを提供することができ、当該ユーザの利便性を向上させることができる。
【0041】
本実施形態によれば、情報処理装置1(SIPクライアント)は、例えば、SIP着信情報等の発信情報を参照し、当該発信情報に含まれる発信先(電話の相手先)の電話番号を抽出する。情報処理装置1は、抽出した電話番号(発信先の電話番号)に応じて、第1端末装置101(発信元の携帯電話)から送信される音声データを、発信先の電話番号に対応する電話機103に中継する。当該発信先の電話番号に対応する電話機103とは、例えば、発信先の電話番号に対し割り振られている内線番号の電話機103等を含むものであってよい。すなわち、発信先の電話番号が、例えば病院又は介護施設等の代表電話番号である場合、情報処理装置1は、発信元のスマートホン等の携帯電話機である第1端末装置101から送信される音声データ(電話による音声)を、当該代表電話番号に関連付けられた内線番号の電話機103に対し、中継(転送)する処理を行う。
【0042】
情報処理装置1(SIPクライアント)は、音声通信の中継処理を行うにあたり、音声通信にて用いられるマイク及びスピーカをクロス(リダイレクト)する仮想オーディオケーブル(仮想ポート)として機能するものであってもよい。このように情報処理装置1は、音声通信にて用いられるマイク及びスピーカをクロス(リダイレクト)等することにより、ユーザからの電話を、発信先の電話番号に対応する電話機103、すなわち病院又は介護施設等の内線の電話機103等に中継(転送)する。これにより、発信元のユーザのスマートホン等の携帯電話機(第1端末装置101)と、発信先の電話機103(病院又は介護施設等の内線の電話機103等)との間の電話(音声通信)を、効率的に確立することができる。
【0043】
本実施形態によれば、情報処理装置1(SIPクライアント)と、パソコン等の第2端末装置102とは、例えば病院又は介護施設等に設けられたLANに接続され、TCP/IPプロトコルによる通信を行う。情報処理装置1は、発信情報に含まれる発信先の電話番号に基づき特定したIPアドレスを用いて、第2端末装置102と通信する。情報処理装置1は、このようにIP通信を行うことにより、第2端末装置102に対し、WEB会議室に関する会議室情報又はトークルーム管理情報等の必要なデータを効率的に送信することができる。
【0044】
本実施形態によれば、情報処理装置1(SIPクライアント)は、映像中継サーバ2に対し、中継リクエスト情報を出力すると共に、発信先の電話番号に基づき予め定められている識別情報(サービスID)を出力する。情報処理装置1による映像中継サーバ2に対する識別情報の出力(送信)は、当該映像中継サーバ2における当該識別情報に対する認証処理を開始させるためのトリガーとして機能する。これにより、映像中継サーバ2に対し、出力した識別情報に対する認証処理を実行させ、認証処理の結果が肯定的である場合のみ、映像通信用のメッセージの作成及び、第1端末装置101と第2端末装置102へのメッセージの送信等の処理を行わせることができる。
【0045】
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係る通信システムSを例示するシステム概要図である。実施形態2の通信システムSは、実施形態1と同様に情報処理装置1と、当該情報処理装置1と通信可能に接続される映像中継サーバ2とを主たる装置として構成される。第1端末装置101及び第2端末装置102は、これら情報処理装置1及び映像中継サーバ2と通信可能に接続される。第1端末装置101による電話は、情報処理装置1にて受信され、その上で映像中継サーバ2を経由して第2端末装置102に送信(中継)される。
【0046】
第2端末装置102は、カメラ、マイク及びスピーカ等、音声及び映像通信のための入出力デバイスを含む、又は接続されており、実施形態1の電話機103と実質的に同様の音声通信機能を備える。本実施形態において、情報処理装置1は、第1端末装置101から掛けられた電話による音声通話の音声データを、映像中継サーバ2に出力する。映像中継サーバ2は、情報処理装置1から取得した音声データを第2端末装置102に出力する。更に、映像中継サーバ2は、第2端末装置102から取得した音声データを情報処理装置1に出力する。情報処理装置1は、映像中継サーバ2から取得した音声データを第1端末装置101に出力する。これにより、第1端末装置101と第2端末装置102との間での音声通話における音声データが、情報処理装置1及び映像中継サーバ2によって中継処理される。
【0047】
図5は、情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態において、第2端末装置102は、実施形態1の電話機103の機能を含み、すなわち当該電話機103と同様の音声通信機能を有する。電話の発信元である第1端末装置101、及び電話の発信先に対応する第2端末装置102との間の音声通話(音声通信)は、情報処理装置1(SIPクライアント)と映像中継サーバ2(WEB会議サーバ)とを介して、行われる。
【0048】
情報処理装置1及び映像中継サーバ2は、実施形態1と同様に連関して、以下の一連の処理を行う。情報処理装置1の制御部11は、第1端末装置101による発信がされたことを示す発信情報(SIP着信情報)を取得する(S201)。情報処理装置1の制御部11は、発信情報に含まれる発信元の電話番号を抽出する(S202)。情報処理装置1の制御部11は、発信元の電話番号を含む中継リクエスト情報を生成する(S203)。情報処理装置1の制御部11は、発信先の電話番号に基づき予め定められている識別情報(サービスID)及び中継リクエスト情報を映像中継サーバ2に出力する(S204)。情報処理装置1の制御部11は、実施形態1のS101からS104と同様に、S201からS204までの処理を行う。
【0049】
情報処理装置1の制御部11は、第1端末装置101と、電話の発信先に対応する電話機103との間の音声通話を、映像中継サーバ2を介して実行する(S205)。情報処理装置1の制御部11は、実施形態1と同様に、第1端末装置101との間の音声通話、すなわちこれら装置間における音声通信を中継するにあたり、音声通信にて用いられるマイク及びスピーカをクロス(リダイレクト)する仮想オーディオケーブル(仮想ポート)として機能する。その上で、取得及び中継対象となる音声データを、映像中継サーバ2に出力する。
【0050】
情報処理装置1の制御部11は、実施形態1と同様に映像中継サーバ2から取得した、WEB会議に対応するURL等の会議室情報等(IP情報、利用者情報等を含む)を第2端末装置102に出力するものであってもよい。これにより、第1端末装置101からの電話が、第2端末装置102に対し掛かるものとなり、第2端末装置102にて、第1端末装置101からの電話(着信)を受ける(受信)ことができる。このように、情報処理装置1の制御部11は、電話の発信元である第1端末装置101と、電話の発信先に対応する第2端末装置102との間の音声通話を、映像中継サーバ2を介して実行することができる。音声通信機能を有する第2端末装置102と、映像中継サーバ2との間の音声通信は、インターネットを介して行われるものとなる。情報処理装置1の制御部11は、例えばサブプロセスを発生し、S202からS204までの処理と並行して、第1端末装置101と第2端末装置102の間の音声通話を開始及び中継する処理を行うものであってもよい。
【0051】
映像中継サーバ2の制御部は、識別情報(サービスID)及び中継リクエスト情報を取得する(T201)。映像中継サーバ2の制御部は、映像通信用のWEB会議室を生成する(T202)。映像中継サーバ2の制御部は、生成したWEB会議に対応するURLが含まれる映像通信用のメッセージを出力する(T203)。映像中継サーバ2の制御部は、実施形態1のT101からT103と同様に、T201からT203の処理を行う。第1端末装置101及び第2端末装置102は、実施形態1と同様に映像通信用のWEB会議にアクセスするためのURLを、例えばブラウザアプリケーション等により指定することにより、映像中継サーバ2が生成したWEB会議室にアクセス(入室)することができる。
【0052】
映像中継サーバ2の制御部は、情報処理装置1から取得した音声データを第2端末装置102に出力する(T204)。情報処理装置1は、第1端末装置101からの電話による音声データを、映像中継サーバ2に対し、例えばストリーム通信にて出力する処理を継続する。映像中継サーバ2の制御部は、情報処理装置1から取得した音声データを、例えば、WEB会議室の機能を用いて、第2端末装置102に対し出力する処理を継続するものであってもよい。更に、映像中継サーバ2の制御部は、電話の発信先に対応する第2端末装置102から出力された音声データを取得し、情報処理装置1に出力することにより、第1端末装置101と第2端末装置102との音声通信における中継処理を行うことができる。
【0053】
本実施形態によれば、情報処理装置1(SIPクライアント)は、例えば、SIP着信情報等の発信情報を参照し、当該発信情報に含まれる発信先(電話の相手先)の電話番号を抽出する。情報処理装置1は、抽出した電話番号(発信先の電話番号)に応じて、第1端末装置101(発信元のスマートホン等の携帯電話機)から送信される音声データを、映像中継サーバ2を介して、発信先の電話番号に対応する第2端末装置102に中継する。第2端末装置102は、例えば、映像通信機能に加え、更に音声通信機能を有するパソコン、スマートホン、タブレットコンピュータ等の情報端末装置である。これにより、第2端末装置102を、電話の発信先の電話機103として機能させることができ、発信元のスマートホン等の携帯電話機である第1端末装置101と、当該第2端末装置102との間で、異なる通信経路を用いて、音声通信及び映像通信を行うことができる。
【0054】
(実施形態3)
図6は、実施形態3(電話切断時、WEB会議も終了)の情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部11は、実施形態1のS101からS105と同様に、S301からS305までの処理を行う。
【0055】
情報処理装置1の制御部11は、第1端末装置101と電話機103とによる電話による音声通話が切断された否かを判定する(S306)。情報処理装置1の制御部11は、電話の発信元である第1端末装置101と、発信先に相当する電話機103との間の音声通話における音声データの中継処理を継続しており、例えば中継対象となる音声データの有無等に基づき、音声通話が切断された否かを判定する。又は、情報処理装置1の制御部11は、SIPサーバからの電話の切断を示す信号又は情報等に基づき、音声通話が切断された否かを判定するものであってもよい。情報処理装置1の制御部11は、中継対象となる音声データが有る(検出した)場合、電話による音声通話が継続されていると判断し、中継対象となる音声データが無い(検出しない)場合、電話による音声通話が切断されたと判断するものであってもよい。音声通話が切断されていないと判定した場合(S306:NO)、すなわち、第1端末装置101と電話機103とによる電話による音声通話が継続中であると判定した場合、情報処理装置1の制御部11は、再度、S306を実行すべくループ処理を行う。
【0056】
音声通話が切断されたと判定した場合(S306:YES)、情報処理装置1の制御部11は、終了リクエスト情報を、映像中継サーバ2に出力する(S307)。音声通話が切断されたと判定した場合、情報処理装置1の制御部11は、終了リクエスト情報を生成し、生成した終了リクエスト情報を映像中継サーバ2に出力する。当該終了リクエスト情報は、映像中継サーバ2(WEB会議サーバ)に対し、第1端末装置101と第2端末装置102との映像中継を終了させるための処理を行わせるトリガーとして機能する制御信号である。
【0057】
映像中継サーバ2(WEB会議サーバ)は、情報処理装置1(SIPクライアント)から送信される情報、データ又は信号等に応じて、以下の一連の処理を開始する。映像中継サーバ2の制御部は、実施形態1のT101からT103と同様に、T301からT303の処理を行う。
【0058】
映像中継サーバ2の制御部は、終了リクエスト情報を取得する(T304)。映像中継サーバ2の制御部は、情報処理装置1からの終了リクエスト情報を取得し、映像中継サーバ2の記憶部に記憶する。
【0059】
映像中継サーバ2の制御部は、終了リクエスト情報に応じて、第1端末装置101と第2端末装置102との映像中継を終了する(T305)。終了リクエスト情報は、映像中継サーバ2に対し、第1端末装置101と第2端末装置102との映像中継を終了する処理を実行させるためのトリガーとして機能する。映像中継サーバ2の制御部は、終了リクエスト情報に応じて、第1端末装置101と第2端末装置102との間での映像中継のために生成したWEB会議室を、例えば消滅させることにより、第1端末装置101と第2端末装置102との映像中継を終了する。本実施形態において、実施形態1の処理を基準に説明したが、これに限定されず、本実施形態の特有の処理は、実施形態2の処理に対しても同様に適用することができる。
【0060】
本実施形態によれば、情報処理装置1(SIPクライアント)は、音声通話の中継処理を継続しており、例えば、電話の発信元の携帯電話機である第1端末装置101が電話を切ることにより、電話による音声通話が切断された場合、当該音声通話の切断を検出することができる。情報処理装置1は、音声通話の切断をトリガーとして生成した終了リクエスト情報を映像中継サーバ2に出力する。情報処理装置1(SIPクライアント)による映像中継サーバ2への終了リクエスト情報の送信は、当該映像中継サーバ2における映像中継を終了させるためのトリガーとして機能する。これにより、映像中継サーバ2に対し、第1端末装置101と、第2端末装置102との映像中継、すなわちWEB会議に関する処理を終了させることができる。このように電話の発信元のユーザ、又は電話の発信先の対応者のいずれかによる、単に電話を切るという簡単な操作により、WEB会議等による映像通信を終了させることができる。
【0061】
(実施形態4)
図7は、実施形態4(電話切断時、WEB会議にて音声通信継続)の情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部11は、実施形態3のS301からS306と同様に、S401からS406までの処理を行う。音声通話が切断されていないと判定した場合(S406:NO)、すなわち、第1端末装置101と電話機103とによる電話による音声通話が継続中であると判定した場合、情報処理装置1の制御部11は、再度、S406を実行すべくループ処理を行う。
【0062】
音声通話が切断されたと判定した場合(S406:YES)、情報処理装置1の制御部11は、音声中継リクエスト情報を、映像中継サーバ2に出力する(S407)。音声通話が切断されたと判定した場合、情報処理装置1の制御部11は、音声中継リクエスト情報を生成し、生成した音声中継リクエスト情報を映像中継サーバ2に出力する。当該音声中継リクエスト情報は、映像中継サーバ2(WEB会議サーバ)に対し、例えばWEB会議の機能を用いた音声中継を開始させるためのトリガーとして機能する制御信号である。
【0063】
映像中継サーバ2(WEB会議サーバ)は、情報処理装置1(SIPクライアント)から送信される情報、データ又は信号等に応じて、以下の一連の処理を開始する。映像中継サーバ2の制御部は、実施形態3のT301からT303と同様に、T401からT403の処理を行う。
【0064】
映像中継サーバ2の制御部は、音声中継リクエスト情報を取得する(T404)。映像中継サーバ2の制御部は、情報処理装置1からの音声中継リクエスト情報を取得し、映像中継サーバ2の記憶部に記憶する。
【0065】
映像中継サーバ2の制御部は、音声中継リクエスト情報に応じて、第1端末装置101と第2端末装置102との音声中継を開始する(T405)。映像中継サーバ2の制御部は、既に映像中継のために生成したWEB会議室を用いて、音声中継を開始するものであってもよい。すなわち、映像中継サーバ2の制御部は、WEB会議室を用いて、第1端末装置101と第2端末装置102との間の音声及び映像を中継する処理を行う。本実施形態において、実施形態1の処理を基準に説明したが、これに限定されず、本実施形態の特有の処理は、実施形態2の処理に対しても同様に適用することができる。
【0066】
本実施形態によれば、情報処理装置1(SIPクライアント)は、音声通話の中継処理を継続しており、例えば、電話の発信元の携帯電話機である第1端末装置101が電話を切ることにより、電話による音声通話が切断された場合、当該音声通話の切断を検出することができる。情報処理装置1は、音声通話の切断をトリガーとして生成した音声中継リクエスト情報を映像中継サーバ2に出力する。情報処理装置1(SIPクライアント)による映像中継サーバ2への音声中継リクエスト情報の送信は、当該映像中継サーバ2における音声中継を開始させるためのトリガーとして機能する。これにより、映像中継サーバ2に対し、第1端末装置101と、第2端末装置102との映像中継に加え、音声中継に関する処理を開始させることができる。従って、発信元のユーザと発信先の対応者との間の電話が切れてしまった場合であっても、映像中継サーバ2を介して、例えばWEB会議の機能を用いることにより、両者における音声通話及び映像通信を継続することができる。
【0067】
(実施形態5)
図8は、実施形態5(電話切断時、設定情報に応じてWEB会議制御)の情報処理装置1の制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1の制御部11は、実施形態3のS301からS306と同様に、S501からS506までの処理を行う。音声通話が切断されていないと判定した場合(S506:NO)、すなわち、第1端末装置101と電話機103とによる電話による音声通話が継続中であると判定した場合、情報処理装置1の制御部11は、再度、S506を実行すべくループ処理を行う。
【0068】
音声通話が切断されたと判定した場合(S506:YES)、情報処理装置1の制御部11は、設定情報に応じた所定の処理を映像中継サーバ2に対し実行する(S507)。情報処理装置1の記憶部12には、音声通話が切断された際の映像中継サーバ2に対する処理を定義する設定情報が予め記憶されている。当該設定情報にて定義されている処理は、例えば、第1端末装置101と第2端末装置102との映像中継を終了させるための処理(終了リクエスト情報の送信)及び、音声と映像との双方を中継させる処理(音声中継リクエスト情報の送信)を含む。
【0069】
設定情報にて定義されている処理が、映像中継を終了させるための処理(終了リクエスト情報の送信)である場合、情報処理装置1の制御部11は、実施形態3のS307と同様の処理を行う。設定情報にて定義されている処理が、音声及び映像を中継させる処理(音声中継リクエスト情報の送信)である場合、情報処理装置1の制御部11は、実施形態4のS407と同様の処理を行う。
【0070】
映像中継サーバ2(WEB会議サーバ)は、情報処理装置1(SIPクライアント)から送信される情報、データ又は信号等に応じて、以下の一連の処理を開始する。映像中継サーバ2の制御部は、実施形態1のT101からT103と同様に、T501からT503の処理を行う。
【0071】
映像中継サーバ2の制御部は、終了リクエスト情報又は音声中継リクエスト情報等、情報処理装置1からの所定の処理に対応した情報を取得する(T504)。情報処理装置1からは設定情報に応じて、終了リクエスト情報又は音声中継リクエスト情報が送信される。映像中継サーバ2の制御部は、情報処理装置1からの終了リクエスト情報又は音声中継リクエスト情報を取得し、映像中継サーバ2の記憶部に記憶する。
【0072】
終了リクエスト情報又は音声中継リクエスト情報を取得(受信)した場合、映像中継サーバ2の制御部は、情報処理装置1から取得した情報に応じて、所定の処理を行う(T505)。映像中継サーバ2の制御部は、終了リクエスト情報を情報処理装置1から取得した場合、実施形態3のT305と同様に、第1端末装置101と第2端末装置102との映像中継を終了する。映像中継サーバ2の制御部は、音声中継リクエスト情報を情報処理装置1から取得した場合、実施形態4のT405と同様に、第1端末装置101と第2端末装置102との音声中継を開始し、WEB会議室を用いて音声及び映像を中継する。本実施形態において、実施形態1の処理を基準に説明したが、これに限定されず、本実施形態の特有の処理は、実施形態2の処理に対しても同様に適用することができる。
【0073】
本実施形態によれば、情報処理装置1(SIPクライアント)は、記憶部12に記憶されている設定情報を参照し、当該設定情報に基づき、音声通話の切断を検出した際の処理を選択的に実行する。音声通話の切断を検出した際において選択的に実行する処理は、映像中継サーバ2に第1端末装置101と第2端末装置102との映像中継を終了させるための処理と、映像中継サーバ2に音声及び映像を中継させる処理とを含む。このように設定情報に応じて、異なる処理を選択的に実行することにより、通信システムSとしての可用性を向上させることができる。
【0074】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0075】
特許請求の範囲に記載されている複数の請求項に関して、引用形式に関わらず、相互に組み合わせることが可能である。特許請求の範囲では、複数の請求項に従属する多項従属請求項が記載されている。特許請求の範囲では、多項従属請求項に従属する多項従属請求項は記載されていないが、多項従属請求項に従属する多項従属請求項を記載してもよい。
【符号の説明】
【0076】
S 通信システム
1 情報処理装置(SIPクライアント)
11 制御部
12 記憶部
M 記録媒体
P プログラム(プログラム製品)
13 通信部
14 SIP用通信部
15 電話機通信部
2 映像中継サーバ(WEB会議サーバ)
101 第1端末装置
102 第2端末装置
103 電話機