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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073259
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】計量機能付き特装車
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/12 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
G01G19/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184364
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】足立 大志
(72)【発明者】
【氏名】池田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】上野 嘉和
(57)【要約】
【課題】収容部が変形し難い計量機能付き特装車を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、収容物を収容可能な収容部と、収容部を搭載する車両部と、収容物の重さを計量する少なくとも一対の計量部であって、車両部と収容部との境界部において車長方向に間隔をあけて配置される少なくとも一対の計量部と、を備え、収容部は、車長方向に沿って少なくとも一対の計量部のうちの一方の計量部から他方の計量部まで延びる縦補強部を有し、縦補強部は、平面視において前記一対の計量部に対して車幅方向外側に配置されていることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容物を収容可能な収容部と、
前記収容部を搭載する車両部と、
前記収容物の重さを計量する少なくとも一対の計量部であって、前記車両部と前記収容部との境界部において車長方向に間隔をあけて配置される少なくとも一対の計量部と、を備え、
前記収容部は、車長方向に沿って少なくとも前記一対の計量部のうちの一方の計量部から他方の計量部まで延びる縦補強部を有し、
前記縦補強部は、平面視において前記一対の計量部に対して車幅方向外側に配置されている、計量機能付き特装車。
【請求項2】
前記縦補強部は、車幅方向に間隔をあけて複数配置され、
前記収容部は、
それぞれが車幅方向に延び且つ車長方向に間隔をあけて配置される一対の横延伸部であって、前記複数の縦補強部を接続する一対の横延伸部と、
前記一対の横延伸部に架け渡され且つ前記一方の計量部又は前記他方の計量部が配置される架け渡し部と、を有する、請求項1に記載の計量機能付き特装車。
【請求項3】
前記収容部は、
収容部本体と、
矩形状の枠部を有し、且つ前記収容部本体の下端に取り付けられる補強部材と、を有し、
前記枠部は、前記二つの縦補強部と、それぞれが車幅方向に延び且つ前記二つの縦補強部の車長方向の端部同士を接続する二つの横補強部と、を含む、請求項1又は2に記載の計量機能付き特装車。
【請求項4】
前記車両部は、前記収容部を下側から支持する支持フレームを有し、
前記枠部は、前記支持フレームと前記収容部との並び方向から見て前記支持フレームを囲い、
前記枠部は、前記並び方向と直交する方向から見たときに、前記支持フレームの少なくとも一部と重なっている、請求項3に記載の計量機能付き特装車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容部に収容された収容物の重さを計量できる計量機能付き特装車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、図20に示すような、収容物を収容可能な収容部101と、収容部101を搭載する車両部102と、車両部102と収容部101との境界部に配置されると共に収容部101に収容されている収容物の重さを計量する複数の計量部103と、を備えた特装車100が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この特装車100では、複数の計量部103は、車長方向(図20における左右方向)に間隔をあけた位置、即ち、収容部101の前端部と後端部とに配置されており、各計量部103の配置位置以外では、車両部102と収容部101との間に上下方向の僅かな隙間γが形成されている。
【0004】
この隙間γが形成されていることによって、収容部101に収容された収容物の重さが各計量部103に好適に加わり(伝わり)、これにより、特装車100では、収容部101に収容された収容物の重さが精度よく計量される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-217815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の特装車100では、計量部103が車長方向に間隔をあけて配置されている、即ち、収容部101が車長方向に間隔をあけた位置で計量部103によって車両部102上に支持された状態であるため、収容部101に収容された収容物が重いと収容部101の計量部103間の部位が沈み込むように変形し易い。
【0007】
特装車100では車両部102と収容部101との隙間γが僅かであるため、このような変形が収容部101において生じると、車両部102と収容部101とが接触し、これにより、収容物の重さが各計量部103に正確に伝わらずに前記重さの計量精度が低下することが懸念される。
【0008】
そこで、本発明は、収容部が変形し難い計量機能付き特装車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の計量機能付き特装車は、
収容物を収容可能な収容部と、
前記収容部を搭載する車両部と、
前記収容物の重さを計量する一対の計量部であって、前記車両部と前記収容部との境界部において車長方向に間隔をあけて配置される少なくとも一対の計量部と、を備え、
前記収容部は、車長方向に沿って少なくとも前記一対の計量部のうちの一方の計量部から他方の計量部まで延びる縦補強部を有し、
前記縦補強部は、平面視において前記一対の計量部に対して車幅方向外側に配置されている。
【0010】
かかる構成によれば、収容部が、車長方向に間隔をあけて配置される一対の計量部に対し、少なくとも一方の計量部から他方の計量部まで車長方向に沿って延びる縦補強部を有しているため、収容部に収容された収容物が重くても、該収容部の変形(即ち、収容部における収容物の重さに起因した計量部間の部位が沈み込むような変形)が抑えられる。
【0011】
前記計量機能付き特装車では、
前記縦補強部は、車幅方向に間隔をあけて複数配置され、
前記収容部は、
それぞれが車幅方向に延び且つ車長方向に間隔をあけて配置される一対の横延伸部であって、前記複数の縦補強部を接続する一対の横延伸部と、
前記一対の横延伸部に架け渡され且つ前記一方の計量部又は前記他方の計量部が配置される架け渡し部と、を有してもよい。
【0012】
かかる構成によれば、一方の計量部又は他方の計量部を通じた突き上げ方向の力が架け渡し部によって車長方向の前後に分散され、これにより、前記計量部を通じた突き上げ方向の力に起因する縦補強部等の収容部における変形が効果的に抑えられる。
【0013】
また、前記計量機能付き特装車では、
前記収容部は、
収容部本体と、
矩形状の枠部を有し、且つ前記収容部本体の下端に取り付けられる補強部材と、を有し、
前記枠部は、前記二つの縦補強部と、それぞれが車幅方向に延び且つ前記二つの縦補強部の車長方向の端部同士を接続する二つの横補強部と、を含んでもよい。
【0014】
このように、枠状の部位(二つの縦補強部と二つの横補強部とを含む枠部)を有する補強部材が収容部本体の下端に取り付けられることで、収容部の剛性がより向上し、これにより、収容部の変形がより効果的に抑えられる。
【0015】
この場合、
前記車両部は、前記収容部を下側から支持する支持フレームを有し、
前記枠部は、前記支持フレームと前記収容部との並び方向から見て前記支持フレームを囲い、
前記枠部は、前記並び方向と直交する方向から見たときに、前記支持フレームの少なくとも一部と重なっていてもよい。
【0016】
このように、前記並び方向と直交する方向から見て、収容部における車両部側の端部(枠部)が車両部(詳しくは、支持フレーム)と重なるように配置されることで(例えば、図18及び図19参照)、特装車の車高を抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上より、本発明によれば、収容部が変形し難い計量機能付き特装車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態に係る計量機能付き特装車を模式的に表した側面図であって、収容部が水平姿勢の状態を示す側面図である。
図2図2は、前記特装車を模式的に表した側面図であって、前記収容部が傾斜姿勢の状態を示す側面図である。
図3図3は、前記特装車の各部材を模式的に表した分解斜視図である。
図4図4は、前記特装車が備えるデッキフレームの平面図である。
図5図5は、前記デッキフレームの側面図である。
図6図6は、前記特装車が備える第一計量部及びその周辺の分解斜視図である。
図7図7は、前記第一計量部及びその周辺の側面図である。
図8図8は、前記第一計量部及びその周辺の底面図である。
図9図9は、前記第一計量部及びその周辺の背面図である。
図10図10は、図7のX-X位置における断面図である。
図11図11は、前記特装車が備える第二計量部及びその周辺の分解斜視図である。
図12図12は、前記第二計量部及びその周辺の側面図である。
図13図13は、前記第二計量部及びその周辺の底面図である。
図14図14は、前記第二計量部及びその周辺の背面図である。
図15図15は、前記特装車が備えるサブデッキフレームの底面図である。
図16図16は、前記サブデッキフレームの側面図である。
図17図17は、前記特装車が備える収容部とデッキフレームとが接続された状態の底面図である。
図18図18は、前記特装車が備える収容部とデッキフレームとが接続された状態の側面図である。
図19図19は、図18のXIX-XIX位置の断面図である。
図20図20は、従来の計量機能付き特装車を模式的に表した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図1図19を参照しつつ説明する。
【0020】
本実施形態の計量機能付き特装車(以下、単に「特装車」と称する。)は、計量機能付きのダンプトラックであり、図1図3に示すように、収容物を収容可能な収容部3と、収容部3を搭載する車両部2と、を備える。また、特装車1は、収容部3に収容された収容物の重さを計量する計量部5を備える。本実施形態の計量部5は、柱状のロードセル50(図6参照:以下、単に「ロードセル50」とも称する。)を有する。
【0021】
車両部2は、車両本体20と、車両本体20に搭載される揺動機構部23と、を有する。車両本体20は、運転手が乗車するキャビン部21と、キャビン部21から後方(図1における右方)に延びる架台部22と、を有する。架台部22は、シャシフレーム221を有し、このシャシフレーム221は、それぞれが車長方向(図1における左右方向)に延び且つ車幅方向に間隔をあけて平行に配置された二つの縦部材221aを含む。
【0022】
揺動機構部23は、車両部2(詳しくは、架台部22)に対して収容部3を揺動させる機構であり、架台部22のシャシフレーム221に固定されるメインフレーム24と、収容部3を支持するデッキフレーム(支持フレーム)25と、メインフレーム24に対してデッキフレーム25を揺動させる傾斜駆動部26と、を有する。尚、図3においては、構造を理解し易いように傾斜駆動部26を記載していない。
【0023】
メインフレーム24は、シャシフレーム221に固定される枠状の部材である。このメインフレーム24は、シャシフレーム221と対応する大きさの矩形枠状であり、シャシフレーム221(詳しくは、二つの縦部材221a)に重ねられた状態で該シャシフレーム221に固定されている。本実施形態のメインフレーム24は、デッキフレーム25が接続されるヒンジブラケット24aを後端部に有する。
【0024】
具体的に、メインフレーム24は、それぞれが車長方向に延び且つ車幅方向に間隔をあけて平行に配置された二つの縦部材241と、それぞれが車幅方向に延び且つ二つの縦部材241の対応する端部同士を接続する二つの横部材242と、を有する。これら二つの横部材242は、車長方向に間隔をあけ且つ互いに平行に配置されている。
【0025】
本実施形態の車両部2では、メインフレーム24における二つの縦部材241の車幅方向の間隔がシャシフレーム221に含まれる二つの縦部材221aの車幅方向の間隔と同じであり、メインフレーム24の縦部材241がシャシフレーム221の縦部材221aの上にそれぞれ重なった状態で、メインフレーム24がシャシフレーム221に固定されている(図2参照)。
【0026】
デッキフレーム25は、収容部3が固定される枠状の部材であり、収容部3を下側から支持する。このデッキフレーム25の後端部には、メインフレーム24の後端部が接続されており、メインフレーム24とデッキフレーム25との接続部位は、ヒンジ構造となっている。このヒンジ構造において、回転軸(ピン)Pは、車幅方向に延びている。これにより、デッキフレーム25は、接続部位(詳しくは、ヒンジ構造の回転軸P)を中心にして揺動可能にメインフレーム24に接続され、デッキフレーム25に固定される収容部3が水平姿勢(図1参照)と傾斜姿勢(図2参照)との間で姿勢を変更できる。
【0027】
具体的に、デッキフレーム25は、フレーム本体250と、メインフレーム24に接続され且つ該メインフレーム24とのヒンジ構造を構成するヒンジブラケット250Bと、傾斜駆動部26が接続されるブラケット255と、収容部3を支持する複数の支持部256と、を有する。本実施形態のデッキフレーム25は、四つの支持部256を有する。
【0028】
フレーム本体250は、図4及び図5にも示すように、それぞれが車長方向に延び且つ車幅方向に間隔をあけて平行に配置された二つの縦部材251と、それぞれが車幅方向に延び且つ車長方向に間隔をあけて平行に配置された三つの横部材252、253、254と、を有する。本実施形態のフレーム本体250では、二つの横部材(端部横部材)252、253が、二つの縦部材251の対応する端部同士を接続し、一つの横部材(中間横部材)254が、二つの縦部材251の車長方向の中央部同士を接続している。
【0029】
このフレーム本体250において、二つの縦部材251の車幅方向の間隔がメインフレーム24の二つの縦部材241の車幅方向の間隔と同じである。これにより、メインフレーム24上にデッキフレーム25が重なった状態では(即ち、収容部3が水平姿勢のときには)、デッキフレーム25の縦部材251がメインフレーム24の縦部材241の上にそれぞれ重なる。
【0030】
また、デッキフレーム25のヒンジブラケット250Bと、メインフレーム24のヒンジブラケット24aと、回転軸Pと、によってメインフレーム24とデッキフレーム25との接続部位のヒンジ構造が構成されている。
【0031】
二つの端部横部材252、253のそれぞれは、二つの縦部材251から車幅方向の両外側に突出するように延びている。車長方向の前方側の端部横部材252は、後方側の端部横部材253より長い。また、前方側の端部横部材252は、両端部の上端に、水平面に沿って広がる板状の前方側受け部2521を有する(図4及び図6参照)。本実施形態の前方側受け部2521は、平面視において矩形の板状である。また、後方側の端部横部材253は、図11にも示すように、両端部に、上方を向いた受け面2532を有する後方側受け部2531を有する。本実施形態の後方側受け部2531は、車幅方向と直交する方向に広がる板状の本体2531aと、本体2531aの下端部から車幅方向に突出すると共に車長方向に延びる凸条部2531bと、を有し、凸条部2531bの上端面が受け面2532を構成する。
【0032】
また、中間横部材254の車幅方向の両端部の下部には、車幅方向に貫通する貫通孔255aを有するブラケット255が取り付けられている。
【0033】
複数の支持部256は、前方側受け部2521のそれぞれに配置される前方側支持部256Aと、後方側受け部2531のそれぞれに配置される後方側支持部256Bと、を含む。
【0034】
前方側支持部256Aは、図6図10にも示すように、互いに間隔をあけて前方側受け部2521の上面に配置され、且つ間に収容部3の一部(本実施形態の例では、サブデッキフレーム31の前方側伝達部315A)が配置される一対の支持ブロック(第一支持ブロック51、第二支持ブロック52)と、一対の支持ブロック51、52の間隔を保持する間隔保持部61と、一対の支持ブロック51、52の間に配置される収容部3の一部に対して付勢する付勢部65と、を有する。
【0035】
一対の支持ブロック51、52のそれぞれは、車両部2(詳しくは、前方側受け部2521)から収容部3側に突出している(延びている)。具体的に、一対の支持ブロック51、52は、車幅方向に間隔をあけて前方側受け部2521に固定されており、各支持ブロック51、52は、車幅方向と直交する面方向に広がる板状の部材である。
【0036】
一対の支持ブロック51、52のうちの車幅方向外側の第一支持ブロック51は、板状のブロック本体51Aと、該ブロック本体51Aにおける付勢部65と対応する位置に取り付けられるスペーサ51B及び蓋部51Cと、を有する。
【0037】
ブロック本体51Aは、台形の板状であり、中央部に車幅方向に貫通するロードセル用貫通孔511を有する。このロードセル用貫通孔511にはロードセル50が挿入されている。
【0038】
また、ブロック本体51Aは、車幅方向に貫通する一対の間隔保持部用貫通孔512を有する。この一対の間隔保持部用貫通孔512は、下端部で且つ車長方向の両端部に配置されている。
【0039】
また、ブロック本体51Aは、車幅方向に貫通し且つ付勢部65が配置される二つの付勢用貫通孔513を有する。これら二つの付勢用貫通孔513は、平面視においてロードセル用貫通孔511の車長方向の両側に配置されている。また、二つの付勢用貫通孔513は、上下方向においてロードセル用貫通孔511の中心と同位置に付勢用貫通孔513の中心が位置するように配置されている。
【0040】
スペーサ51Bは、付勢用貫通孔513と連通する貫通孔514を有し、車長方向と直交する面方向に広がる板状の部材である。本実施形態のスペーサ51Bは、付勢用貫通孔513と対応する位置にそれぞれ配置されている。このスペーサ51Bは、上下方向に長尺な板状である。
【0041】
蓋部51Cは、付勢用貫通孔513及び貫通孔514と共同して付勢部65の収容空間を形成する部材であり、車幅方向外側から貫通孔514を塞ぐように各スペーサ51Bに重ねられた状態でブロック本体51Aにそれぞれ取り付けられている。これら蓋部51C及びスペーサ51Bは、ボルトBによってブロック本体51Aに固定されている。
【0042】
一対の支持ブロック51、52のうちの車幅方向内側の第二支持ブロック52は、第一支持ブロック51のブロック本体51Aと同様に、台形の板状であり、中央部に車幅方向に貫通するロードセル用貫通孔521を有する。このロードセル用貫通孔521には、ロードセル50が車幅方向外側から挿入されている。
【0043】
また、第二支持ブロック52は、車幅方向に貫通する一対の間隔保持部用貫通孔522を有する。この一対の間隔保持部用貫通孔522は、第一支持ブロック51の一対の間隔保持部用貫通孔512と対応する位置に設けられている。具体的には、一対の間隔保持部用貫通孔522は、第二支持ブロック52において下端部で且つ車長方向の両端部に配置されている。
【0044】
間隔保持部61は、車幅方向に延び、一対(二つ)の支持ブロック51、52同士を接続することによって該一対の支持ブロック51、52の間隔を保持する。この間隔保持部61は、各支持ブロック51、52の間隔保持部用貫通孔512、522と対応する位置にそれぞれ配置されている。本実施形態の間隔保持部61は、車幅方向に延びる棒状の部位であり、一対の支持ブロック51、52に対して二つ配置されている。
【0045】
具体的に、間隔保持部61は、車幅方向に延び且つ一対の支持ブロック51、52の対応する間隔保持部用貫通孔512、522のそれぞれを貫通する棒状部材611と、棒状部材611が挿通される管状部材612と、棒状部材611の両端部のそれぞれに配置される抜け止め部材613と、を有する(図6参照)。
【0046】
付勢部65は、第一支持ブロック51(詳しくは、ブロック本体51A)の付勢用貫通孔513内に配置される付勢部材651と、収容部3の一部に当接して該一部を押圧する押圧部材652と、を有する(図6及び図10参照)。
【0047】
後方側支持部256Bは、図11図14にも示すように、ブロック状の部位であり、後方側受け部2531の本体2531aに車幅方向の外側から当接し、且つ、凸条部2531bの上端面(受け面)2532に載置された状態で、後方側受け部2531に取り付けられている。この後方側支持部256Bは、車長方向に貫通するロードセル用貫通孔257を有する。このロードセル用貫通孔257には、ロードセル50が挿入されている。
【0048】
図2に戻り、傾斜駆動部26は、メインフレーム24とデッキフレーム25とに接続され、メインフレーム24に対してデッキフレーム25が揺動(回動)するように該デッキフレーム25を駆動する。具体的に、傾斜駆動部26は、シリンダチューブ261a及び該シリンダチューブ261aから進退するロッド261bを有する傾斜用シリンダ261と、シリンダチューブ261aに回動可能に接続される補助支持部材262とを有する。この傾斜駆動部26では、傾斜用シリンダ261(詳しくは、ロッド261b)がデッキフレーム25のブラケット255に接続され、補助支持部材262がメインフレーム24の所定位置に接続されている。
【0049】
以上のように構成される車両部2は、デッキフレーム25と収容部3が有するサブデッキフレーム31とが重なるように該デッキフレーム25と該サブデッキフレーム31とが接続されることで、収容部3を搭載する。このとき、デッキフレーム25とサブデッキフレーム31とにおける互いの接続部位(後述する計量部5)を除いた部位では、収容部3の重さがデッキフレーム25を通じて前記接続部位に伝達されるように、デッキフレーム25とサブデッキフレーム31との間に上下方向の隙間が形成されている。
【0050】
収容部3は、図1図2図18、及び図19に示すように、収容部本体32と、収容部本体32の下端に取り付けられるサブデッキフレーム(補強部材)31と、を有する。
【0051】
収容部本体32は、特装車1において収容物が収容される部位である。本実施形態の収容部本体32は、いわゆる荷箱であり、上部が開放された箱状である。この荷箱32は、開閉可能な後あおり321を後部に有する。また、荷箱32は、車長方向に延びる荷箱補強部(補強部)322aを備えた側あおり322を両側部に有する。この荷箱補強部322aは、側あおり322の他の部位より剛性の高い構成を有し(本実施形態の例では、車幅方向の寸法が大きく)、側あおり322の上端部において側あおり322の前端から後端まで車長方向に連続して延びている。また、荷箱補強部322aは、平面視において、デッキフレーム25とサブデッキフレーム31との接続部位(後述する計量部5)より車幅方向の外側に位置している(図19参照)。
【0052】
サブデッキフレーム31は、荷箱32を補強する部材であり、荷箱32の底壁に溶接されている。具体的に、サブデッキフレーム31は、図3図15、及び図16にも示すように、矩形状の枠部310と、それぞれが車幅方向に延び且つ車長方向に間隔をあけて配置される少なくとも一対の第一横延伸部(横延伸部)313aと、一対の第一横延伸部313aに架け渡される少なくとも一つの板状部(架け渡し部)314と、を有する。また、サブデッキフレーム31は、対応する板状部314の車幅方向内側において車長方向に延びる少なくとも一つの補助補強部311aを有する。本実施形態のサブデッキフレーム31は、一対の第一横延伸部313aを二つ(即ち、第一横延伸部313aを二対)有し、板状部314は、一対の第一横延伸部313aに対して二つずつ配置されている。また、本実施形態のサブデッキフレーム31は、二つの補助補強部311aを有している。
【0053】
また、サブデッキフレーム31は、収容部3の重量を車両部2に伝達する複数の伝達部315と、車幅方向に延びる複数の第二横延伸部313bも有する。本実施形態のサブデッキフレーム31は、デッキフレーム25の支持部256の数と対応する数(本実施形態の例では、四つ)の伝達部315を有する。
【0054】
枠部310は、それぞれが車長方向に延びる二つの縦補強部311と、それぞれが車幅方向に延び且つ二つの縦補強部311の車長方向の端部同士を接続する二つの横補強部312とを含む。本実施形態の枠部310は、車長方向に長尺な矩形枠状であり、荷箱32の底壁と対応する大きさである。これにより、枠部310は、荷箱32の底壁の周縁に沿って配置されている。即ち、二つの縦補強部311は、荷箱32の底壁の車幅方向の各端縁に配置され、二つの横補強部312は、荷箱32の底壁の車長方向の各端縁に配置されている。
【0055】
この枠部310では、縦補強部311の車幅方向の間隔は、デッキフレーム25の車幅方向の寸法より大きく、且つ荷箱32の底壁の車幅方向の寸法に対応している。また、横補強部312の車長方向の間隔は、デッキフレーム25の車長方向の寸法より大きく、且つ、荷箱32の底壁の車長方向の寸法に対応している。このサブデッキフレーム31は、デッキフレーム25とサブデッキフレーム31との並び方向から見でデッキフレーム25を囲む大きさである。また、前記並び方向において、枠部310は、デッキフレーム25(詳しくは、フレーム本体250)の少なくとも一部と重なっている。即ち、枠部310は、前記並び方向と直交する方向から見たときに、デッキフレーム25の少なくとも一部と上下方向において重なっている(図18及び図19参照)。即ち、サブデッキフレーム31の下端は、デッキフレーム25の上端より下方に位置する。
【0056】
一対の第一横延伸部313aのそれぞれは、車長方向に車幅方向に延び且つ車長方向に間隔をあけて配置されている。これら一対の第一横延伸部313aのそれぞれは、二つの縦補強部311を接続している。また、一対の第一横延伸部313aのそれぞれは、二つの補助補強部311aとも接続されている。
【0057】
詳しくは、デッキフレーム25とサブデッキフレーム31との並び方向(図16に示す例では上下方向)における第一横延伸部313aの寸法d1は、縦補強部311の同方向の寸法d2より小さい。そして、一対の第一横延伸部313aのそれぞれは、前記並び方向における縦補強部311のデッキフレーム25と反対側の端部同士を接続している(図16参照)。また、各第一横延伸部313aでは、板状部314が配置されたときに該板状部314の上面と、第一横延伸部313aの上面とが面一又は略面一になるように、板状部314の配置位置において上部が切り欠かれている。
【0058】
一方の一対の第一横延伸部313aは、枠部310における車長方向の前方側の端部に配置され、他方の一対の第一横延伸部313aは、枠部310における車長方向の後方側の端部に配置されている。
【0059】
四つの板状部314のそれぞれは、伝達部315が配置される部位であり、本実施形態の板状部314は、デッキフレーム25とサブデッキフレーム31との並び方向と直交する面方向に広がる板状である。そして、四つの板状部314のそれぞれは、前記並び方向におけるデッキフレーム25と反対側から一対の第一横延伸部313aのそれぞれに当接するように該一対の第一横延伸部313aに取り付けられている。
【0060】
これら四つの板状部314のうちの二つの板状部(前方側板状部)314aは、車幅方向に間隔をあけた状態で車長方向の前方側に配置される一対の第一横延伸部313aにそれぞれ架け渡され、残り二つの板状部(後方側板状部)314bは、車幅方向に間隔をあけた状態で車長方向の後方側に配置される一対の第一横延伸部313aにそれぞれ架け渡されている。
【0061】
前方側板状部314aの車幅方向の寸法は、後方側板状部314bの車幅方向の寸法より小さい。二つの前方側板状部314aは、車幅方向に間隔をあけ且つそれぞれが縦補強部311と間隔をあけた位置に配置され、二つの後方側板状部314bは、車幅方向に間隔をあけ且つそれぞれが縦補強部311と隣接又は略隣接する位置に配置されている。
【0062】
複数の第二横延伸部313bのそれぞれは、車幅方向に延び且つ車長方向に間隔をあけて配置されている。これら複数の第二横延伸部313bのそれぞれは、二つの縦補強部311を接続している。また、複数の第二横延伸部313bのそれぞれは、二つの補助補強部311aとも接続されている。本実施形態の複数の第二横延伸部313bは、車長方向における前方側の一対の第一横延伸部313aと後方側の一対の第一横延伸部313aとの間に配置されている。尚、本実施形態の第二横延伸部313bは、第一延伸部313aと同じ部材によって構成されているが、異なっていてもよい。
【0063】
各デッキフレーム25とサブデッキフレーム31との並び方向における第二横延伸部313bの寸法d3は、第一横延伸部313aと同様に、縦補強部311の同方向の寸法d2より小さい(図16参照)。そして、複数の第二横延伸部313bのそれぞれは、第一横延伸部313aと同様に、前記並び方向における縦補強部311のデッキフレーム25と反対側の端部同士を接続している(図16参照)。
【0064】
二つの補助補強部311aのそれぞれは、対応する縦補強部311との間に板状部314(本実施形態の例では、車長方向に間隔をあけて配置される前方側板状部314a及び後方側板状部314b)が位置するように該縦補強部311と車幅方向に間隔をあけた位置において車長方向に延びている。各補助補強部311aは、枠部310の一方の横補強部312から他方の横補強部312まで連続して延びている。
【0065】
複数の伝達部315は、前方側板状部314aのそれぞれに配置される前方側伝達部315Aと、後方側板状部314bのそれぞれに配置される後方側伝達部315Bと、を含む。
【0066】
前方側伝達部315Aは、図6にも示すように、前方側板状部314aから車両部2側に突出している(延びている)ブロック状の部位である。この前方側伝達部315Aは、前方側支持部256Aの一対の支持ブロック51、52間を下方に向けて延びている。また、前方側伝達部315Aは、車幅方向に貫通するロードセル用貫通孔3151を有する。このロードセル用貫通孔3151には、一対の支持ブロック51、52のロードセル用貫通孔511、521に挿入されているロードセル50が挿通されている。
【0067】
後方側伝達部315Bは、図11図16に示すように、互いに間隔をあけた状態で後方側板状部314bの下面に配置され、且つ間に車両部2の一部(本実施形態の例では、デッキフレーム25の後方側支持部256B)が配置される一対の伝達ブロック55と、一対の伝達ブロック55の間隔を保持する間隔保持部62と、一対の伝達ブロック55の間に配置される車両部2の一部に対して付勢する付勢部66と、を有する。
【0068】
一対の伝達ブロック55のそれぞれは、収容部3(詳しくは、後方側板状部314b)から車両部2側に突出している(延びている)。これら一対の伝達ブロック55は、車長方向に間隔をあけた状態で後方側板状部314bに固定されており、各伝達ブロック55は、後方側板状部314bから下方に向けて延びている。
【0069】
具体的に、各伝達ブロック55は、後方側板状部314bから下方に向けて延びるブロック状のブロック本体55Aと、該ブロック本体55Aにおける付勢部66と対応する位置に取り付けられるスペーサ55B及び蓋部55Cと、を有する。
【0070】
ブロック本体55Aは、下方に延びている部位に車長方向に貫通するロードセル用貫通孔551を有する。このロードセル用貫通孔551には、ロードセル50が挿入されている。
【0071】
また、ブロック本体55Aは、車長方向に貫通する複数の間隔保持部用貫通孔552と、車長方向に貫通し且つ付勢部66が配置される二つの付勢用貫通孔553と、を有する。複数の間隔保持部用貫通孔552は、ブロック本体55Aの下方に延びる部位における車幅方向外側の端部において上下方向に間隔をあけて並んでいる。また、二つの付勢用貫通孔553は、ブロック本体55Aの下方に延びる部位における下端部において車幅方向に間隔をあけて配置されている。
【0072】
スペーサ55Bは、各付勢用貫通孔553とそれぞれ連通する二つの貫通孔554を有し、車長方向と直交する面方向に広がる板状の部材である。本実施形態のスペーサ55Bは、二つの付勢用貫通孔553と対応する位置にそれぞれ配置されている。このスペーサ55Bは、車幅方向に長尺な板状である。
【0073】
蓋部55Cは、付勢用貫通孔553及び貫通孔554と共同して付勢部66の収容空間を形成する部材であり、車長方向外側から貫通孔554を塞ぐように各スペーサ55Bに重ねられた状態でブロック本体55Aにそれぞれ取り付けられている。本実施形態の蓋部55Cは、二つの貫通孔554を塞ぐ。即ち、本実施形態の伝達ブロック55は、一つのスペーサ55B及び一つの蓋部55Cを有する。この蓋部55C及びスペーサ55Bは、ボルトBによってブロック本体55Aに固定されている。
【0074】
間隔保持部62は、車幅方向に延び、一対(二つ)の伝達ブロック55(詳しくは、ブロック本体55A)同士を接続することによって該一対の伝達ブロック55の間隔を保持する。この間隔保持部62は、各伝達ブロック55の車幅方向外側の端部同士を接続している。本実施形態の間隔保持部61は、車長方向に延び且つ車幅方向を厚み方向とする板状の部位であり、一対の伝達ブロック55に対して一つ配置されている。
【0075】
具体的に、間隔保持部62は、車幅方向と直交する面方向に広がる矩形板状の保持部本体621と、保持部本体621を伝達ブロック55に固定する固定部材622と、を有する。この固定部材622は、伝達ブロック55(詳しくは、ブロック本体55Aの下方に延びている部位)を貫通した状態で保持部本体621と係合している。本実施形態の固定部材622は、ボルトである。
【0076】
付勢部66は、前方側支持部256Aの付勢部65と同様の構成であり、ブロック本体55Aの二つの付勢用貫通孔553のそれぞれに配置される。各付勢部66は、ブロック本体55Aの付勢用貫通孔553内に配置される付勢部材661と、車両部2の一部に当接して該一部を押圧する押圧部材662と、を有する。この押圧部材662は、球状の部材であり、付勢部材661の後方側支持部256B側に配置され、該付勢部材661によって後方側支持部256B側に向けて付勢されている。この押圧部材662は、その一部が付勢用貫通孔553から後方側支持部256B側に突出した状態(図13参照)で、付勢用貫通孔553内に配置されている。
【0077】
以上のように構成されるサブデッキフレーム31は、車両部2のデッキフレーム25とロードセル50を介して複数箇所で接続されている。具体的には、サブデッキフレーム31の二つの前方側伝達部315Aとデッキフレーム25の二つの前方側支持部256Aとがそれぞれロードセル50を介して接続され、サブデッキフレーム31の二つの後方側伝達部315Bとデッキフレーム25の二つの後方側支持部256Bとがそれぞれロードセル50を介して接続されている。
【0078】
本実施形態の特装車1では、サブデッキフレーム31とデッキフレーム25との複数の接続部位のそれぞれが荷箱32(収容部3)に収容された収容物の重さを計量する計量部5を構成している。即ち、本実施形態の特装車1では、複数の計量部5が車両部2と収容部3との境界部に配置されている。これら複数の計量部5のそれぞれは、ロードセル50を有し、このロードセル50に加わる力(即ち、ロードセル50に伝達される収容物の重さ)を計量する。このロードセル50は、所定方向に延びる円柱状の部材であり、該ロードセル50に力が加わることで生じた歪を検出することで前記力の大きさ(本実施形態の例では、収容物の重さ)を計量できる。本実施形態のロードセル50は、いわゆるシャフト式ロードセルである。
【0079】
これら複数の計量部(サブデッキフレーム31とデッキフレーム25との複数の接続部位)5は、図1図3に示すように、ロードセル50の軸方向が車幅方向と一致する第一計量部5Aと、ロードセル50の軸方向が前記車両部の前後方向と一致する第二計量部5Bと、を含む。これら第一計量部5Aと第二計量部5Bとは、車長方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態の複数の計量部5は、二つ(複数)の第一計量部5Aと二つ(複数)の第二計量部5Bとを含む。
【0080】
二つの第一計量部5Aは、重ねられたデッキフレーム25及びサブデッキフレーム31における車長方向の前方側端部で且つ車幅方向の両端部に配置されている。これら二つの第一計量部5Aのそれぞれは、図6図10にも示すように、車両部2における収容部3側に配置される第一支持ブロック51及び第二支持ブロック52と、収容部3における車両部2側に配置され且つ各支持ブロック51、52に対して水平方向(詳しくは、車幅方向)に並ぶ前方側伝達部315Aと、各支持ブロック51、52と前方側伝達部315Aとが並ぶ方向を軸方向として延びると共に、各支持ブロック51、52及び前方側伝達部315Aに挿入されているロードセル50と、を有する。
【0081】
より具体的に、第一計量部5Aは、サブデッキフレーム31の前方側伝達部315Aと、デッキフレーム25の前方側支持部256Aと、ロードセル50と、を有する。この第一計量部5Aは、二つの支持ブロック51、52を有し、これら二つの支持ブロック51、52は、前方側伝達部315Aが間に位置するように車幅方向(ロードセル50の軸方向)に間隔をあけて配置されている。この状態において、各支持ブロック51、52のロードセル用貫通孔511、521と、前方側伝達部315Aのロードセル用貫通孔3151とは、車幅方向に一直線に並んでいる。
【0082】
そして、ロードセル50は、二つの支持ブロック51、52の間に位置する前方側伝達部315Aを貫通した状態(ロードセル用貫通孔3151を挿通した状態)で、二つの支持ブロック51、52のロードセル用貫通孔511、521に挿入されている。
【0083】
以上のように構成される各第一計量部5Aでは、第一支持ブロック51と第二支持ブロック52とに両端部を支持されたロードセル50の中央部が、荷箱32に収容された収容物の重さが伝わっている(伝達されている)前方側伝達部315Aによって下方に押され、ロードセル50がこの前方側伝達部315Aによって押された力(即ち、該前方側伝達部315Aに伝達された収容物の重さ)を計量する。
【0084】
二つの第二計量部5Bは、重ねられたデッキフレーム25及びサブデッキフレーム31における車長方向の後方側端部で且つ車幅方向の両端部に配置されている。これら二つの第二計量部5Bのそれぞれは、図11図14にも示すように、車両部2における収容部3側に配置される後方側支持部256Bと、収容部3における車両部2側に配置され且つ後方側支持部256Bに対して水平方向(詳しくは、車幅方向)に並ぶ各伝達ブロック55と、後方側支持部256Bと各伝達ブロック55とが並ぶ方向を軸方向として延びると共に、後方側支持部256B及び各伝達ブロック55に挿入されているロードセル50と、を有する。
【0085】
より具体的に、第二計量部5Bは、サブデッキフレーム31の後方側伝達部315Bと、デッキフレーム25の後方側支持部256Bと、ロードセル50と、を有する。この第二計量部5Bは、二つの伝達ブロック55を有し、これら二つの伝達ブロック55は、後方側支持部256Bが間に位置するように車長方向(ロードセル50の軸方向)に間隔をあけて配置されている。この状態において、各伝達ブロック55のロードセル用貫通孔551と、後方側支持部256Bのロードセル用貫通孔257とは、車長方向に一直線に並んでいる。
【0086】
そして、ロードセル50は、二つの伝達ブロック55の間に位置する後方側支持部256Bを貫通した状態(ロードセル用貫通孔257を挿通した状態)で、二つの伝達ブロック55のロードセル用貫通孔551に挿入されている。
【0087】
以上のように構成される各第二計量部5Bでは、後方側支持部256Bに中央部を支持されたロードセル50の両端側(伝達ブロック55に挿入されている部位)が、荷箱32に収容された収容物の重さが伝わっている(伝達されている)二つの伝達ブロック55によって下方に押され、ロードセル50がこれら二つの伝達ブロック55によって押された力(即ち、二つの伝達ブロック55に伝達された収容物の重さ)を計量する。
【0088】
以上の計量機能付き特装車1は、収容物を収容可能な収容部3と、収容部3を搭載する車両部2と、収容物の重さを計量する少なくとも一対の計量部(第一計量部5A及び第二計量部5B)であって、車両部2と収容部3との境界部において車長方向に間隔をあけて配置される少なくとも一対の計量部5A、5Bと、を備える。そして、収容部3は、車長方向に沿って少なくとも一対の計量部5A、5Bのうちの一方の計量部5Aから他方の計量部5Bまで延びる補強部(縦補強部311、荷箱補強部322a)を有し、補強部311、322aは、平面視において対応する(本実施形態の例では、車幅方向の中心に対して同じ側に配置されている)一対の計量部5A、5Bに対して車幅方向外側に配置されている(図17及び図19参照)。
【0089】
このように、収容部3が、車長方向に間隔をあけて配置される一対の計量部5A、5Bに対し、少なくとも一方の計量部5Aから他方の計量部5Bまで車長方向に沿って延びる補強部(縦補強部311、荷箱補強部322a)を有しているため、収容部3に収容された収容物が重くても、該収容部3の変形(即ち、収容部3における収容物の重さに起因した計量部5A、5B間の部位が沈み込むような変形)が抑えられる。
【0090】
また、本実施形態の特装車1では、縦補強部311は、車幅方向に間隔をあけて複数配置され、収容部3は、それぞれが車幅方向に延び且つ車長方向に間隔をあけて配置される一対の第一横延伸部(横延伸部)313aであって、複数の縦補強部311を接続する一対の第一横延伸部(横延伸部)313aと、一対の第一横延伸部313aに架け渡され且つ一方の計量部5A又は他方の計量部5Bが配置される板状部(架け渡し部)314a、314bと、を有している。
【0091】
この構成によれば、一方の計量部5A又は他方の計量部5Bを通じた突き上げ方向の力が板状部314a、314bによって車長方向の前後(各第一横延伸部313a)に分散される。これにより、計量部5A、5Bを通じた突き上げ方向の力に起因する縦補強部311等の収容部3における変形が効果的に抑えられる。
【0092】
また、本実施形態の特装車1では、収容部3は、収容部本体32と、矩形状の枠部310を有し、且つ収容部本体32の下端に取り付けられるサブデッキフレーム(補強部材)31と、を有する。そして、枠部310は、二つの縦補強部311と、それぞれが車幅方向に延び且つ二つの縦補強部311の車長方向の端部同士を接続する二つの横補強部312と、を含む。
【0093】
このように、枠状の部位(二つの縦補強部311と二つの横補強部312とを含む枠部310)を有する補強部材31が収容部本体32の下端に取り付けられる(本実施形態の例では、溶接される)ことで、収容部3の剛性がより向上する。これにより、本実施形態の特装車1では、収容部3の変形がより効果的に抑えられる。
【0094】
また、本実施形態の特装車1では、車両部2は、収容部3を下側から支持するデッキフレーム(支持フレーム)25を有する。そして、サブデッキフレーム31の枠部310は、デッキフレーム25と収容部3との並び方向から見てデッキフレーム25を囲い、枠部310は、前記並び方向と直交する方向から見たときに、デッキフレーム25(詳しくは、フレーム本体250)の少なくとも一部と重なっている(図18及び図19参照)。
【0095】
このように、前記並び方向と直交する方向(例えば、車幅方向)から見て、収容部3における車両部2側の端部(枠部310)が車両部2(詳しくは、デッキフレーム25)と上下方向において重なるように配置されることで、重ならないように配置される場合に比べ、特装車1の車高を抑えることができる。
【0096】
尚、本発明の計量機能付き特装車は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0097】
上記実施形態の特装車1は、ダンプトラックであるが、この構成に限定されない。特装車1は、塵芥収集車、粉粒体運搬車、タンクローリ、コンテナ運搬車、車両運搬車、バン、平ボデー等の収容物を収容可能な収容部と該収容部を搭載する車両部とを備える特装車であればよい。
【0098】
また、上記実施形態の特装車1では、計量部5が有するロードセル50は、シャフト式(ピン型)であるが、この構成に限定されない。ロードセル50は、ビーム型や、バー型等、他の形式であってもよい。また、上記実施形態の計量部5では、ロードセル50によって重さを検出(計量)しているが、この構成に限定されない。計量部5は、重さが検出(計量)できる構成であればよく、重さを検出する部品や構成は限定されない。
【0099】
また、上記実施形態の特装車1は、対応する(上記実施形態の例では、車幅方向の中心に対して同じ側の)一対の計量部5A、5Bの車幅方向外側において車長方向に延びる補強部として、縦補強部311と荷箱補強部322aとを有しているが、この構成に限定されない。特装車1は、前記補強部として縦補強部311と荷箱補強部322aとのいずれか一方のみを有していてもよい。
【0100】
また、各補強部311、322a及び補助補強部311aは、荷箱32の前端から後端まで連続して延びているが、この構成に限定されない。補強部311、322a及び補助補強部311aは、少なくとも一方の計量部5Aから他方の計量部5Bまで連続して延びていればよい。
【0101】
また、縦補強部311は、荷箱32の底壁における車幅方向の端縁に配置されているが、この構成に限定されない。縦補強部311は、前記底壁の端縁より車幅方向内側にずれた位置に配置されてもよい。この場合、縦補強部311の車幅方向の寸法分程度、内側にずれた位置に配置されることが好ましい。
【0102】
また、横補強部312は、荷箱32の底壁における車長方向の端縁に配置されているが、この構成に限定されない。横補強部312は、前記底壁の端縁より車長方向内側にずれた位置に配置されてもよい。この場合、横補強部312の車長方向の寸法分程度、内側にずれた位置に配置されることが好ましい。
【符号の説明】
【0103】
1…計量機能付き特装車、2…車両部、20…車両本体、21…キャビン部、22…架台部、221…シャシフレーム、221a…縦部材、23…揺動機構部、24…メインフレーム、24a…ヒンジブラケット、241…縦部材、242…横部材、25…デッキフレーム(支持フレーム)、250…フレーム本体、250B…ヒンジブラケット、251…縦部材、252、253…端部横部材(横部材)、2521…前方側受け部、2531…後方側受け部、2531a…本体、2531b…凸条部、2532…受け面、254…中間横部材(横部材)、255…ブラケット、255a…貫通孔、256…支持部、256A…前方側支持部、256B…後方側支持部、257…ロードセル用貫通孔、26…傾斜駆動部、261…傾斜用シリンダ、261a…シリンダチューブ、261b…ロッド、262…補助支持部材、3…収容部、31…サブデッキフレーム(補強部材)、310…枠部、311…縦補強部(補強部)、311a…補助補強部、312…横補強部、313a…第一横延伸部(横延伸部)、313b…第二横延伸部、314…板状部(架け渡し部)、314a…前方側板状部、314b…後方側板状部、315…伝達部、315A…前方側伝達部、315B…後方側伝達部、3151…ロードセル用貫通孔、32…荷箱(収容部本体)、321…後あおり、322…側あおり、322a…荷箱補強部(補強部)、5…計量部、5A…第一計量部、5B…第二計量部、50…柱状のロードセル、51…第一支持ブロック、51A…ブロック本体、51B…スペーサ、51C…蓋部、511…ロードセル用貫通孔、512…間隔保持部用貫通孔、513…付勢用貫通孔、514…貫通孔、52…第二支持ブロック、521…ロードセル用貫通孔、522…間隔保持部用貫通孔、55…伝達ブロック、55A…ブロック本体、55B…スペーサ、55C…蓋部、551…ロードセル用貫通孔、552…間隔保持部用貫通孔、553…付勢用貫通孔、554…貫通孔、61、62…間隔保持部、611…棒状部材、612…管状部材、613…抜け止め部材、621…保持部本体、622…固定部材、65、66…付勢部、651、661…付勢部材、652、662…押圧部材、100…特装車、101…収容部、102…車両部、103…計量部、B…ボルト、P…回転軸、γ…隙間
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