(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073278
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】光空間通信装置の制御装置、光空間通信装置の制御システム、光空間通信装置の制御方法および光空間通信装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04B 10/112 20130101AFI20240522BHJP
H04B 10/079 20130101ALI20240522BHJP
【FI】
H04B10/112
H04B10/079 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184390
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】廣田 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】水本 尚志
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA11
5K102AA26
5K102AA42
5K102AA45
5K102AL10
5K102AL23
5K102KA01
5K102LA06
5K102LA14
5K102LA52
5K102MH03
5K102MH14
5K102MH21
5K102PB01
5K102PH31
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定可能な光空間通信装置の制御装置およびその関連技術を提供する。
【解決手段】光空間通信装置の制御装置(10)は、光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する検知部(11)と、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定部(12)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御装置であって、
前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、を備える光空間通信装置の制御装置。
【請求項2】
前記判定手段による判定結果を通知する通知手段を備える、請求項1に記載の光空間通信装置の制御装置。
【請求項3】
前記判定手段は、前記レーザー光による通信が阻害された期間と、前記レーザー光による通信が阻害された状態を示す画像情報との少なくとも一方に基づいて、前記樹木の剪定要否を判定する、請求項1に記載の光空間通信装置の制御装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記レーザー光による通信が阻害された期間が第1の所定の期間以上である場合に、前記樹木の剪定が要ると判定する、請求項3に記載の光空間通信装置の制御装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前記画像情報における所定の領域に所定の割合以上樹木の少なくとも一部が撮像されている場合に、前記樹木の剪定が要ると判定する、請求項3に記載の光空間通信装置の制御装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記レーザー光による通信が阻害された期間が第2の所定の期間以上である場合に、前記画像情報のうち、動画情報に基づいて、前記樹木の剪定の要否を判定する、請求項5に記載の光空間通信装置の制御装置。
【請求項7】
前記光空間通信装置を含む複数の光空間通信装置間で、現在の前記レーザー光による通信の経路を含む、互いに少なくとも1つの接続経路を形成することによって、メッシュ状の接続経路を形成する形成手段と、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、前記現在のレーザー光による通信の経路を除く前記接続経路から、現在の前記レーザー光による通信の経路を切り替える代替経路を決定する決定手段と、をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の光空間通信装置の制御装置。
【請求項8】
光空間通信装置と、当該光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御装置と、を備える光空間通信装置の制御システムであって、
前記光空間通信装置は、レーザー光による通信を行う通信手段を備え、
前記光空間通信装置の制御装置は、
前記光空間通信装置の前記レーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、を備える光空間通信装置の制御システム。
【請求項9】
光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサが、
前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知することと、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定することと、を含む光空間通信装置の制御方法。
【請求項10】
光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、して機能させる光空間通信装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー光を用いた無線通信である光空間通信(レーザー光による通信)の経路、すなわち、光路上に、例えば、電線にかかりそうなほど生長した樹木があると、当該樹木によってレーザー光による通信が阻害されて、光空間通信ができなくなるおそれがある。このような樹木を早急に剪定するために、レーザー光による通信を阻害するおそれのある樹木を検知して、剪定要否を判定する技術が求められている。
【0003】
従来、樹木の剪定要否の判定(判断)は、剪定者の目視によって行われてきた。また、特許文献1には、レーザー光を照射し、反射した光の強度に基づいて、樹木の剪定要否を判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、目視による樹木の剪定要否の判定は、人為的な判定に起因する誤差が発生し、客観的かつ効率的な樹木の剪定要否の判定ができず、剪定者による見回り等の人員によるコストが発生する。このように、目視による樹木の剪定要否の判定には、低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定できなかった。また、特許文献1に記載の技術では、レーザー光による通信を阻害するおそれのある樹木を検知するための反射光を受光する装置が追加的に必要となり、低コストで樹木の剪定要否を判定できなかった。
【0006】
本発明の一態様は、低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定可能な光空間通信装置の制御装置およびその関連技術を提供することを一目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る光空間通信装置の制御装置は、光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御装置であって、前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る光空間通信装置の制御システムは、光空間通信装置と、当該光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御装置と、を備える光空間通信装置の制御システムであって、前記光空間通信装置は、レーザー光による通信を行う通信手段を備え、前記光空間通信装置の制御装置は、前記光空間通信装置の前記レーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る光空間通信装置の制御方法は、光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御方法であって、少なくとも1つのプロセッサが、前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知することと、前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定することと、を含む。
【0010】
本発明の一態様に係る光空間通信装置の制御プログラムは、光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御プログラムであって、コンピュータを、前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定可能な光空間通信装置の制御装置およびその関連技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】例示的実施形態1に係る光空間通信装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】例示的実施形態1に係る光空間通信装置の制御方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】例示的実施形態2に係る光空間通信装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】例示的実施形態2に係る光空間通信装置の制御方法の流れを示すフロー図である。
【
図5】例示的実施形態3に係る光空間通信装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】例示的実施形態3に係る光空間通信装置の制御方法の流れを示すフロー図である。
【
図7】メッシュ状の接続経路の一例を示す図である。
【
図8】各例示的実施形態に係る各装置の各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔例示的実施形態が解決しようとする課題〕
以下、例示的実施形態が解決しようとする課題について、従来技術を例に説明する。
【0014】
レーザー光を用いた無線通信である光空間通信(レーザー光による通信)の経路、すなわち、光路上に、例えば、電線にかかりそうなほど生長した樹木があると、当該樹木によってレーザー光による通信が阻害されて、光空間通信ができなくなるおそれがある。また、当該樹木について、すぐに剪定や伐採を行わずに放置しておくと、当該樹木が電線とこすり合い、電線の保護被膜が破れて漏電し、さらには停電や火災が起きてしまうこともある。そこで、漏電や停電等が発生するよりも先に、事前にこのような樹木を検知して剪定できるように、レーザー光による通信を阻害するおそれのある樹木を検知して、剪定要否を判定する技術が求められている。
【0015】
従来、樹木の剪定要否の判定は、剪定者の目視によって行われてきた。また、特許文献1には、レーザー光を照射し、反射した光の強度に基づいて、樹木の剪定要否を判定する技術が開示されている。
【0016】
しかしながら、目視による樹木の剪定要否の判定は、人為的な判定に起因する誤差が発生し、客観的かつ効率的な樹木の剪定要否の判定ができず、剪定者による見回り等の人員によるコストが発生する。このように、目視による樹木の剪定要否の判定には、低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定できなかった。また、特許文献1に記載の技術では、レーザー光による通信を阻害するおそれのある樹木を検知するための反射光を受光する装置が追加的に必要となり、低コストで樹木の剪定要否を判定できなかった。
【0017】
よって、例示的実施形態が解決しようとする一課題は、低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定可能な光空間通信装置の制御装置およびその関連技術を提供することにある。
【0018】
〔例示的実施形態1〕
本発明の例示的実施形態1について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する実施形態の基本となる形態である。
【0019】
(光空間通信装置の制御装置10の構成)
本実施形態に係る光空間通信装置の制御装置10の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、光空間通信装置の制御装置10の構成を示すブロック図である。光空間通信装置の制御装置10は、レーザー光による通信を行う光空間通信装置を制御する。具体的には、光空間通信装置の制御装置10は、光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する。
図1に示すように、光空間通信装置の制御装置10は、検知部(検知手段)11と、判定部(判定手段)12と、を備える。検知部11は、光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する。判定部12は、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する。
【0020】
(光空間通信装置の制御方法S1の流れ)
本例示的実施形態に係る光空間通信装置の制御方法S1の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、光空間通信装置の制御方法S1の流れを示すフロー図である。
【0021】
図2に示すように、光空間通信装置の制御方法S1は、光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御方法であって、ステップS11と、ステップS12と、を含む。以下、光空間通信装置の制御方法S1は、光空間通信装置の制御装置10の各部によって実行される場合を例に説明するが、光空間通信装置の制御方法S1は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、光空間通信装置の制御装置10に備えられていてもよいし、他の装置に備えられていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。
【0022】
(ステップS11)
ステップS11において、光空間通信装置の制御装置10の検知部11は、光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する。例えば、検知部11は、光空間通信装置のレーザー光による通信に障害(エラー)が発生した場合に、光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知してもよい。
【0023】
(ステップS12)
ステップS12において、光空間通信装置の制御装置10の判定部12は、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する。例えば、判定部12は、阻害状態の度合いが所定の度合い以上である場合、樹木を剪定すると判定し、所定の度合い未満である場合、樹木を剪定しないと判定する。「所定の度合い以上」としては、検知部11が光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する基準(度合い)、すなわち、光空間通信装置のレーザー光による通信に障害(エラー)が発生する度合いよりも高ければ、特に限定されない。
【0024】
(光空間通信装置の制御プログラム)
光空間通信装置の制御装置10がコンピュータによって構成されている場合、光空間通信装置の制御装置10の機能は、コンピュータが参照するメモリに記憶された、以下の光空間通信装置の制御プログラムによっても実現することができる。
【0025】
光空間通信装置の制御プログラムは、光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御プログラムであって、コンピュータを、光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する検知部11と、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定部12として機能させる。
【0026】
(例示的実施形態1の効果)
本例示的実施形態では、検知部11は、光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知し、判定部12は、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する構成が採用されている。
【0027】
この構成によれば、目視によらず、追加的な装置も必要とせず、低コストで樹木の剪定要否を判定できる。また、単にレーザー光による通信の阻害が検知された場合に樹木を剪定するように判定するのではなく、検知をした上でレーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定するため、通信を阻害する樹木のみを剪定するように高精度に判定できる。このため、本例示的実施形態によれば、低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定可能な光空間通信装置の制御装置およびその関連技術を提供できる。
【0028】
〔例示的実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0029】
本発明の例示的実施形態2について、図面を参照して詳細に説明する。例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を適宜省略する。
【0030】
(光空間通信装置の制御システム1Xの構成)
本例示的実施形態に係る光空間通信装置の制御システム1Xの構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、光空間通信装置の制御システム1Xの構成を示すブロック図である。光空間通信装置の制御システム1Xは、レーザー光による通信を行う光空間通信装置20X-1および20X-2を制御する。具体的には、光空間通信装置の制御システム1Xは、光空間通信装置20X-1および20X-2のレーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する。
図3に示すように、光空間通信装置の制御システム1Xは、光空間通信装置20X-1および20X-2と、光空間通信装置の制御装置10X-1および10X-2と、を備える。
【0031】
図3に示す例では、光空間通信装置の制御システム1Xは、光空間通信装置20X-1および20X-2という2つの光空間通信装置を備えているが、少なくとも1つの光空間通信装置を備えていればよい。また、光空間通信装置20X-1は光空間通信装置の制御装置10X-1を備え、光空間通信装置20X-2は光空間通信装置の制御装置10X-2を備えているが、本例示的実施形態ではこのような形態に限定されない。
図3に示す例では、これらの光空間通信装置を光空間通信装置の制御装置が高精度に制御するために、このような形態となっているが、本例示的実施形態では、コストを削減するために、光空間通信装置の制御装置は1つであってもよい。ここでいう「これらの光空間通信装置を光空間通信装置の制御装置が高精度に制御する」とは、例えば、複数の光空間通信装置の制御装置の両方が剪定する必要があると判定した樹木のみを剪定するといった、優先順位の高い樹木の剪定を判定できること等を意味する。また、これらの光空間通信装置の制御装置は、これらの光空間通信装置に外付けされていてもよい。すなわち、光空間通信装置の制御装置10X-1および10X-2は、外部から光空間通信装置20X-1および20X-2を制御してもよい。
図3に示す光空間通信装置20X-1および20X-2は同様の構成を有している。そのため、以下では1つの光空間通信装置20X-1を中心に説明し、光空間通信装置20X-2の説明については適宜省略する。
【0032】
(光空間通信装置20X-1)
光空間通信装置20X-1は、光空間通信装置の制御装置10X-1と、記憶部(記憶手段)14-1と、撮像部(撮像手段)15-1と、通信部(通信手段)21-1と、を備える。
【0033】
光空間通信装置の制御装置10X-1は、光空間通信装置20X-1を制御する。具体的には、光空間通信装置の制御装置10X-1は、光空間通信装置20X-1のレーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する。
図3に示すように、光空間通信装置の制御装置10X-1は、検知部11X-1と、判定部12X-1と、通知部(通知手段)16-1と、を備える。
【0034】
検知部11X-1は、光空間通信装置20X-1のレーザー光による通信の阻害を検知する。判定部12X-1は、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する。具体的には、判定部12X-1は、「レーザー光による通信の阻害状態」を表す通信が阻害された期間と画像情報との少なくとも一方に基づいて、樹木の剪定要否を判定する。通知部16-1は、判定部12X-1による判定結果を通知する。記憶部14-1は、上述の期間や画像情報等の各種データを記憶する。撮像部15-1は、光路上の画像を撮像することにより、画像情報を取得する。通信部21-1は、光空間通信装置20X-2との間でレーザー光を送受光することによってレーザー光による通信を行う。
図3に示す例では、光空間通信装置の制御装置10Y-1が通知部16-1を備えているが、光空間通信装置20Y-1が通知部16-1を備えていればよく、通知部16-1は光空間通信装置の制御装置10Y-1の外部に外付けされていてもよい。
【0035】
(光空間通信装置の制御方法S1Xの流れ)
本例示的実施形態に係る光空間通信装置の制御方法S1Xの流れについて、
図4を参照して説明する。
図4は、光空間通信装置の制御方法S1Xの流れを示すフロー図である。
【0036】
図4に示すように、光空間通信装置の制御方法S1Xは、ステップS21と、S22と、S23と、S24と、を含む。ステップS22は、例示的実施形態1におけるステップS11と同様である。
【0037】
以下、光空間通信装置の制御方法S1Xは、光空間通信装置の制御システム1Xにおける光空間通信装置20X-1の各部によって実行される場合を中心に説明する。ただし、光空間通信装置の制御方法S1Xは、光空間通信装置20X-2の各部によって実行されてもよく、少なくとも1つのプロセッサによって実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、光空間通信装置20X-1に備えられていてもよいし、光空間通信装置20X-2等、他の装置に備えられていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。
【0038】
(ステップS21)
光空間通信装置の制御システム1Xにおける光空間通信装置20X-1の通信部21-1は、光空間通信装置20X-2とレーザー光による通信を行う。例えば、光空間通信装置20X-2が送光側の装置である場合、光空間通信装置20X-2の通信部21-2からレーザー光が送光され、光空間通信装置20X-1の通信部21-1は、当該レーザー光を受光することによって通信を行う。
【0039】
(ステップS23)
光空間通信装置の制御システム1Xにおける光空間通信装置20X-1の判定部12X-1は、レーザー光による通信が阻害された期間と、レーザー光による通信が阻害された状態を示す画像情報との少なくとも一方に基づいて、樹木の剪定要否を判定する。
【0040】
例えば、判定部12X-1は、レーザー光による通信が阻害された期間が第1の所定の期間以上である場合に、樹木の剪定が要ると判定してもよい。「第1の所定の期間」としては、例えば2秒等が挙げられる。
【0041】
判定部12X-1は、画像情報における所定の領域に所定の割合以上樹木の少なくとも一部が撮像されている場合に、樹木の剪定が要ると判定してもよい。この場合、例えば、撮像部15-1は、レーザー光を送受光する通信部21-1と同様の高さであって、通信の経路を通過するレーザー光の中心軸がレンズの中心となる位置に配置されていてもよい。また、撮像部15-1は、第1の所定期間以上、レーザー光による通信が阻害されている場合に、静止画の画像情報を取得してもよい。また、レーザー光が画像情報における中央領域を通信の経路として通過する場合、「所定の領域」とは、上述の中央領域を含む領域を意味する。このような「所定の領域」としては、例えば、画像情報の中心から所定の範囲内の円状の領域等が挙げられ、画像情報の端部など、レーザー光が通信の経路として通過しない領域は該当しない。「所定の割合」としては、例えば、画像情報の中央領域の大部分を樹木が占めることにより通信エラーが発生し、かつ、通信が阻害される割合等を意味し、このような状態となる割合であれば、特に限定されない。
【0042】
判定部12X-1は、レーザー光による通信が阻害された期間が第1の所定以上であり、かつ、画像情報における所定の領域に所定の割合以上樹木の少なくとも一部が撮像されている場合に、樹木の剪定が要ると判定してもよい。判定部12X-1は、この場合に樹木の剪定が要らないと判定した後であって、レーザー光による通信が阻害された期間が第2の所定の期間以上経過した場合に、画像情報のうち、動画情報に基づいて、樹木の剪定の要否をさらに判定してもよい。「第2の所定の期間」としては、第1の所定の期間よりも長い期間であって、樹木の剪定が要らない状態から要る状態となる状態に変化する程度の期間であれば特に限定されない。
【0043】
また、上述の例では、判定部12X-1は、撮像部15-1が、レーザー光と同様の高さであって、通信の経路を通過するレーザー光の中心軸がレンズの中心となる位置に配置され、通信部21-1による通信の阻害状況に基づいて樹木の剪定要否を判定している。ただし、光空間通信装置20X-1がレーザー光を送光光して通信する通信部21-1とは別に、通信に利用してないレーザー光を送受光可能な通信部(空きチャネル)を備えている場合、このような形態に限定されない。この場合、判定部12X-1は、通信用のレーザー光とは異なる高さにおいて、空チャネルから送受光したレーザー光による通信の阻害状況に基づいて、樹木の剪定要否を判定してもよい。また、この場合、撮像部15-1は、光路を通過するレーザー光とは異なる高さから光路を通過する経路を撮像し、判定部12X-1は、上述の画像情報の中央領域とは異なる領域を所定の領域であるとみなして、樹木の剪定要否を判定してもよい。
【0044】
(ステップS24)
光空間通信装置の制御システム1Xにおける光空間通信装置20X-1の通知部16-1は、判定部12X-1による判定結果を通知する。例えば、通知部16-1は、樹木の剪定が要ると判定部12X-1が判定した場合には、樹木の剪定が要る旨をユーザに通知する。通知部16-1は、樹木の要らないと判定部12X-1が判定した場合には、樹木の剪定が要らない旨をユーザに通知する。通知部16-1による通知の手段は特に限定されず、例えば、音による通知であってもよいし、画像による表示であってもよい。
【0045】
(例示的実施形態2の効果)
以上のように、例示的実施形態2に係る光空間通信装置の制御システム1Xにおいては、光空間通信装置20X-1と、光空間通信装置の制御装置10X-1と、を備え、通信部21-1は、レーザー光による通信を行い、検知部11X-1は、光空間通信装置20X-1のレーザー光による通信の阻害を検知し、判定部12X-1は、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する構成が採用されている。
【0046】
この構成によれば、目視によらず、追加的な装置も必要とせず、低コストで樹木の剪定要否を判定できる。また、単にレーザー光による通信の阻害が検知された場合に樹木を剪定するように判定するのではなく、検知をした上でレーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定するため、通信を阻害する樹木のみを剪定するように高精度に判定できる。このため、本例示的実施形態によれば、低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定することができるという効果を奏する。
【0047】
本例示的実施形態においては、判定部12X-1による判定結果を通知する通知部16ー1を備える構成が採用されている。この構成によれば、遠隔にいるユーザに自動的に判定結果を通知できる。このため、本例示的実施形態によれば、例示的実施形態1の奏する効果に加えて、ユーザがレーザー光による通信の阻害が発生した現地に赴くことなく、樹木の剪定要否を容易に把握できるという効果を奏する。
【0048】
本例示的実施形態においては、判定部12X-1は、レーザー光による通信が阻害された期間と、レーザー光による通信が阻害された状態を示す画像情報との少なくとも一方に基づいて、樹木の剪定要否を判定する構成が採用されている。この構成によれば、レーザー光による通信の阻害が樹木によるものであるか否かが、より高精度に判定できる。このため、本例示的実施形態によれば、例示的実施形態1の奏する効果に加えて、樹木の剪定要否をより高精度に判定できるという効果を奏する。
【0049】
本例示的実施形態においては、判定部12X-1は、レーザー光による通信が阻害された期間が第1の所定の期間以上である場合に、樹木の剪定が要ると判定する構成が採用されている。この構成によれば、レーザー光による通信の阻害が樹木によるものであるか否かが、より高精度に判定できる。このため、本例示的実施形態によれば、例示的実施形態1の奏する効果に加えて、樹木の剪定要否をより高精度に判定できるという効果を奏する。
【0050】
本例示的実施形態においては、判定部12X-1は、画像情報における所定の領域に所定の割合以上樹木が撮像されている場合に、樹木の剪定が要ると判定する構成が採用されている。この構成によれば、レーザー光による通信の阻害が樹木によるものであるか否か、より高精度に判定できる。このため、本例示的実施形態によれば、例示的実施形態1の奏する効果に加えて、樹木の剪定要否をより高精度に判定できるという効果を奏する。
【0051】
本例示的実施形態においては、判定手段は、前記レーザー光による通信が阻害された期間が第2の所定の期間以上である場合に、前記画像情報のうち、動画情報に基づいて、前記樹木の剪定の要否を判定する構成が採用されている。この構成によれば、第2の所定の期間が経過するまでは、低コストである静止画による画像情報に基づいて樹木の剪定要否を判定し、第2の所定の期間が経過した場合のみ、高精度である動画による画像情報に基づいて、樹木の剪定要否を判定できる。このため、本例示的実施形態によれば、例示的実施形態1の奏する効果に加えて、樹木の剪定要否をさらに低コストかつ高精度に判定できるという効果を奏する。
【0052】
〔例示的実施形態3〕
本発明の例示的実施形態3について、図面を参照して詳細に説明する。例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を適宜省略する。
【0053】
(光空間通信装置の制御システム1Yの構成)
本例示的実施形態に係る光空間通信装置の制御システム1Yの構成について、
図5を参照して説明する。
図5は、光空間通信装置の制御システム1Yの構成を示すブロック図である。
図5に示すように、光空間通信装置の制御システム1Yは、光空間通信装置20Y-1~20Y-4を備えている。
図5に示す例では、光空間通信装置の制御システム1Yは、4つの光空間通信装置20Y-1~20Y-4を備えているが、複数の光空間通信装置を備えていればよく、その数は特に限定されない。
図5に示す光空間通信装置20Y-1~20Y-4は同様の構成を有している。そのため、以下では1つの光空間通信装置20Y-1を中心に説明し光空間通信装置20Y-2~20Y-4の説明については適宜省略する。
【0054】
(光空間通信装置20Y-1の構成)
光空間通信装置20Y-1は、例示的実施形態2における光空間通信装置の制御装置10X-1の代わりに光空間通信装置の制御装置10Y-1を備える。光空間通信装置の制御装置10Y-1は、形成部(形成手段)17-1と、決定部(決定手段)18-1と、切替部(切替手段)19-1と、をさらに備える。この点以外は、光空間通信装置20Y-1は、例示的実施形態2における光空間通信装置の制御装置10X-1と同様の構成である。
【0055】
(形成部17-1)
形成部17-1は、光空間通信装置20Y-1を含む複数の光空間通信装置20Y-1~20Y-4間で、現在のレーザー光による通信の経路を含む、互いに少なくとも1つの接続経路D1~D6を形成することにより、メッシュ状の接続経路D1~D6を形成する。メッシュ状の接続経路D1~D6とは、例えば、
図5および後述の
図7のように、対角線上にも接続経路D5およびD6が形成されているような、網の目状に張り巡らされ、冗長化された接続経路を意味する。
【0056】
(決定部18-1)
決定部18-1は、レーザー光による通信の阻害の状態に基づいて、接続経路D1~D6から、現在のレーザー光による通信の経路を切り替える代替経路を決定する。
【0057】
(切替部19-1)
切替部19-1は、現在のレーザー光による通信の経路を、決定部18-1が決定した代替経路に切り替える。
【0058】
(光空間通信装置の制御方法S1Yの流れ)
本例示的実施形態に係る光空間通信装置の制御方法S1Yの流れについて、
図6を参照して説明する。
図6は、光空間通信装置の制御方法S1Yの流れを示すフロー図である。
【0059】
図6に示すように、光空間通信装置の制御方法S1Yは、ステップS31と、ステップS32と、ステップS33と、ステップS34と、ステップS35と、ステップS36と、ステップS37と、を含む。ステップS31~S34は、例示的実施形態2におけるステップS21~S24と同様である。
【0060】
以下、光空間通信装置の制御方法S1Yは、光空間通信装置20Y-1の各部によって実行される場合を中心に説明する。ただし、光空間通信装置の制御方法S1Yは、光空間通信装置20Y-2~20Y-4の各部によって実行されてもよいし、少なくとも1つのプロセッサによって実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、光空間通信装置20Y-1~20Y-4に備えられていてもよいし、他の装置に備えられていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。
【0061】
(ステップS35)
ステップS35において、形成部17ー1は、複数の光空間通信装置20Y-1~20Y-4間で、現在のレーザー光による通信の経路を含む、互いに少なくとも1つの接続経路D1~D6を形成することにより、メッシュ状の接続経路D1~D6を形成する。
【0062】
(ステップS35の一例)
以下、
図7を用いて、ステップS35の一例について説明する。
図7は、光空間通信装置の制御システム1Yの一例を示す図である。
図7に示す例では、複数の電柱Pのそれぞれに光空間通信装置20Y-1~20Y-4が取り付けられている。複数の電柱Pのそれぞれは、互いに複数の電線Wによって接続されている。この場合、形成部17ー1~17-4は、対角線上の接続経路D5およびD6を含む、互いに少なくとも1つの接続経路D1~D6を形成することによって、網の目状に張り巡らされたメッシュ状の接続経路D1~D6を形成する。
(ステップS36)
ステップS36において、決定部18-1は、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、現在のレーザー光による通信の経路を除く接続経路D1~D6から、現在のレーザー光による通信の経路を切り替える代替経路を決定する。
【0063】
(ステップS36の一例)
以下、
図7を用いて、ステップS36の一例について説明する。ここでは、現在のレーザー光による通信の経路が接続経路D4であり、光空間通信装置20Y-1および20Y-4間の通信が阻害されたことを検知部11X-1が検知した場合について説明する。決定部18-1は、レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、接続経路D4とは異なる接続経路D1~D3、D5およびD6かから、複数の光空間通信装置20Y-1および20Y-4間の現在のレーザー光による通信の経路を切り替える代替経路を決定する。例えば、決定部18-1は、接続経路D4を除いて光空間通信装置20Y-1と20Y-4との通信の経路の長さが最短である接続経路D5およびD3をレーザー光による通信の経路を切り替える代替経路に決定してもよい。決定部18-1は、複数の光空間通信装置間の通信の経路の長さの代わりに、または加えて、通信の速度、通信の阻害および通信のキャパシティ等の光空間通信装置間の通信状況に基づいて、代替経路を決定してもよい。
【0064】
(ステップS37)
ステップS37において、切替部19-1は、通信が阻害された光空間通信装置のレーザー光による通信の経路を、決定部18-1が決定した代替経路に切替える。
【0065】
(ステップS37の一例)
以下、
図7を用いて、ステップS37の一例について説明する。例えば、決定部18-1が、光空間通信装置20Y-1および20Y-4の間のレーザー光による通信の接続経路D4の代替経路を接続経路D5およびD3に決定した場合、切替部19-1は、接続経路D4を接続経路D5およびD3に切替える。
【0066】
(例示的実施形態3の効果)
本実施形態に係る光空間通信装置の制御システム1Yにおいては、形成部17-1が、複数の光空間通信装置20Y-1~20Y-4間で、現在のレーザー光による通信の経路を含む、互いに少なくとも1つの接続経路D1~D6を形成することによって、メッシュ状の接続経路D1~D6を形成し、決定部18-1が、レーザー光の通信の阻害状態に基づいて、現在のレーザー光による通信の経路を除く接続経路D1~D6から、現在のレーザー光による通信の経路を切り替える代替経路を決定する構成が採用されている。
【0067】
この構成によれば、現在のレーザー光による通信の経路において、レーザー光による通信の阻害が発生した場合でも、メッシュ状に張り巡らされた接続経路D1~D6の中から、現在の通信の経路を通信の阻害が発生していない代替経路に切り替えることができる。このため、本例示的実施形態によれば、例示的実施形態1の奏する効果に加えて、レーザー光による通信の阻害が一部において発生しても、ネットワーク全体ではレーザー光による通信を維持できるという効果が得られる。
【0068】
〔ソフトウェアによる実現例〕
光空間通信装置の制御装置10、10X-1、10X-2および10Y-1~10Y-4を構成する各装置の一部または全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0069】
後者の場合、光空間通信装置の制御装置10、10X-1、10X-2および10Y-1~10Y-4を構成する各装置は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図8に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを、光空間通信装置の制御装置10、10X-1、10X-2および10Y-1~10Y-4を構成する各装置として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、光空間通信装置の制御装置10、10X-1、10X-2および10Y-1~10Y-4を構成する各装置の各機能が実現される。
【0070】
プロセッサC1としては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等をさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現されうる。
【0071】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0072】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部または全部は、以下のようにも記載されうる。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0073】
(付記1)
光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御装置であって、
前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、を備える光空間通信装置の制御装置。
【0074】
(付記2)
前記判定手段による判定結果を通知する通知手段を備える、付記1の光空間通信装置の制御装置。
【0075】
(付記3)
前記判定手段は、前記レーザー光による通信が阻害された期間と、前記レーザー光による通信が阻害された状態を示す画像情報との少なくとも一方に基づいて、前記樹木の剪定要否を判定する、付記1または2に記載の光空間通信装置の制御装置。
【0076】
(付記4)
前記判定手段は、前記レーザー光による通信が阻害された期間が第1の所定の期間以上である場合に、前記樹木の剪定が要ると判定する、付記3に記載の光空間通信装置の制御装置。
【0077】
(付記5)
前記判定手段は、前記画像情報における所定の領域に所定の割合以上樹木が撮像されている場合に、前記樹木の剪定が要ると判定する、付記3または4に記載の光空間通信装置の制御装置。
【0078】
(付記6)
前記判定手段は、前記レーザー光による通信が阻害された期間が第2の所定の期間以上である場合に、前記画像情報のうち、動画情報に基づいて、前記樹木の剪定の要否を判定する、付記5に記載の光空間通信装置の制御装置。
【0079】
(付記7)
前記光空間通信装置を含む複数の光空間通信装置間で、現在の前記レーザー光による通信の経路を含む、互いに少なくとも1つの接続経路を形成することによって、メッシュ状の接続経路を形成する形成手段と、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、前記現在のレーザー光による通信の経路を除く前記接続経路から、現在の前記レーザー光による通信の経路を切り替える代替経路を決定する決定手段と、をさらに備える、付記1~6のいずれか1つに記載の光空間通信装置の制御装置。
【0080】
(付記8)
光空間通信装置と、当該光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御装置と、を備える光空間通信装置の制御システムであって、
前記光空間通信装置は、レーザー光による通信を行う通信手段を備え、
前記光空間通信装置の制御装置は、
前記光空間通信装置の前記レーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、を備える光空間通信装置の制御システム。
【0081】
(付記9)
光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御方法であって、
少なくとも1つのプロセッサが、
前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知することと、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定することと、を含む光空間通信装置の制御方法。
【0082】
(付記10)
光空間通信装置を制御する光空間通信装置の制御プログラムであって、
コンピュータを、
前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知する検知手段と、
前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定する判定手段と、して機能させる光空間通信装置の制御プログラム。
【0083】
〔付記事項3〕
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知することと、前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定すること、を実行する光空間通信装置の制御装置。なお、この光空間通信装置の制御装置は、さらにメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記光空間通信装置のレーザー光による通信の阻害を検知することと、前記レーザー光による通信の阻害状態に基づいて、樹木の剪定要否を判定することと、を前記プロセッサに実行させるための光空間通信装置の制御プログラムが記憶されていてもよい。また、この光空間通信装置の制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0084】
〔付記事項4〕
本発明は、低コストかつ高精度に樹木の剪定要否を判定可能な光空間通信装置の制御装置およびその関連技術を提供できる。このため、本発明は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0085】
1X、1Y 光空間通信装置の制御システム
10、10X-1、10X-2、10Y-1、10Y-2、10Y-3、10Y-4 光空間通信装置の制御装置
11、11X-1、11X-2、11X-3、11X-4 検知部(検知手段)
12、12X-1、12X-2、12X-3、12X-4 判定部(判定手段)
16-1、16-2、16-3、16-4 通知部(通知手段)
17-1、17-2、17-3、17-4 形成部(形成手段)
18-1、18-2、18-3、18-4 決定部(決定手段)
20X-1、20X-2、20Y-1、20Y-2、20Y-3、20Y-4 光空間通信装置
21-1、21-2、21-3、21-4 通信部
D1、D2、D3、D4、D5、D6 接続経路
S1、S1X、S1Y 光空間通信装置の制御方法