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特開2024-73321装置、プログラム、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073321
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】装置、プログラム、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20240522BHJP
   G01S 17/06 20060101ALI20240522BHJP
   G01S 17/88 20060101ALI20240522BHJP
   H02J 50/30 20160101ALI20240522BHJP
【FI】
H02J50/90
G01S17/06
G01S17/88
H02J50/30
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184459
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 弘道
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA04
5J084AA05
5J084AA10
5J084BA04
5J084BA11
5J084BA48
5J084BA56
5J084BB28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】給電対象に無線給電する送電装置、プログラム、システム及び方法を提供する。
【解決手段】システム10において、給電対象に無線給電する装置は、再帰性反射体を搭載した給電対象の対象位置を含む、装置の周辺に、位置特定用の第1レーザ光を出力する第1出力部と、第1レーザ光の反射光を検出する検出部と、検出部による第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、対象位置を特定する対象位置特定部と、対象位置特定部にが特定した対象位置に向けて、無線給電用の第2レーザ光を出力する第2出力部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電対象に無線給電する装置であって、
再帰性反射体を搭載した前記給電対象の対象位置を含む前記装置の周辺に、位置特定用の第1レーザ光を出力する第1出力部と、
前記第1レーザ光の反射光を検出する検出部と、
前記検出部による前記第1レーザ光の前記反射光の検出結果に基づいて、前記対象位置を特定する対象位置特定部と、
前記対象位置特定部によって特定された前記対象位置に向けて、無線給電用の第2レーザ光を出力する第2出力部と
を備える、装置。
【請求項2】
前記対象位置特定部は、前記検出部が予め定められた光強度閾値より高い光強度の前記第1レーザ光の前記反射光を検出したときの、前記装置から前記第1レーザ光の反射位置までの距離及び前記第1レーザ光の出力方向に基づいて、前記対象位置を特定する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出部による前記第1レーザ光の前記反射光の前記検出結果に基づいて、前記給電対象の候補位置を特定する候補位置特定部と、
前記給電対象からの受電応答を取得する受電応答取得部と
をさらに備え、
前記第2出力部は、前記候補位置特定部によって特定された前記候補位置に向けて、前記第2レーザ光を出力し、
前記対象位置特定部は、前記第2出力部が前記候補位置に向けて前記第2レーザ光を出力した出力時刻から予め定められた期間内に前記受電応答取得部が前記受電応答を取得した場合に、前記候補位置が前記対象位置であると特定する、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2出力部は、前記候補位置に向けて前記第2レーザ光を出力するときの出力パワーを、前記対象位置に向けて前記第2レーザ光を出力するときの出力パワーより低くする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1出力部は、前記第1レーザ光が予め定められた波長領域の光を反射する前記再帰性反射体に入射した場合に、前記再帰性反射体が前記第1レーザ光を反射するように、前記波長領域に含まれる前記第1レーザ光を出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記検出部による前記第1レーザ光の前記反射光の前記検出結果に基づいて、前記給電対象の候補位置を特定する候補位置特定部
をさらに備え、
前記第2出力部は、前記候補位置特定部によって特定された前記候補位置に向けて、前記波長領域に含まれない波長の前記第2レーザ光を出力し、
前記検出部は、前記第2レーザ光の反射光をさらに検出し、
前記対象位置特定部は、前記検出部による前記第2レーザ光の前記反射光の前記検出結果にさらに基づいて、前記候補位置から前記対象位置を特定する、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1出力部は、前記対象位置を含む前記装置の全方位に、前記第1レーザ光を出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2出力部は、前記第2レーザ光の出力パワーが前記第1レーザ光の出力パワーより高くなるように、前記第2レーザ光を出力する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
再帰性反射体を搭載したオブジェクトのオブジェクト位置を示すオブジェクト位置情報を格納する情報格納部と、
前記装置の装置位置を特定する装置位置特定部と
をさらに備え、
前記第1出力部は、前記オブジェクト位置を含む前記装置の周辺に、前記第1レーザ光を出力し、
前記装置位置特定部は、前記情報格納部に格納されている前記オブジェクトの前記オブジェクト位置情報及び前記検出部による前記第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、前記装置位置を特定する、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記情報格納部は、他の給電対象の対象位置を示す対象位置情報をさらに格納し、
前記第2出力部は、前記情報格納部に格納されている前記他の給電対象の前記対象位置情報及び前記装置位置特定部によって特定された前記装置位置に基づいて、前記他の給電対象の前記対象位置に向けて、前記第2レーザ光を出力する、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
装置であって、
再帰性反射体を搭載したオブジェクトのオブジェクト位置を示すオブジェクト位置情報を格納する情報格納部と、
前記オブジェクト位置を含む前記装置の周辺に、レーザ光を出力する出力部と、
前記レーザ光の反射光を検出する検出部と、
前記情報格納部に格納されている前記オブジェクトの前記オブジェクト位置情報及び前記検出部による前記レーザ光の前記反射光の検出結果に基づいて、前記装置の装置位置を特定する装置位置特定部と
を備える、装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか一項に記載の装置と、
前記給電対象と
を備える、システム。
【請求項14】
コンピュータを搭載した装置によって実行される、給電対象に無線給電する方法であって、
再帰性反射体を搭載した前記給電対象の対象位置を含む前記装置の周辺に、位置特定用の第1レーザ光を出力する第1出力段階と、
前記第1レーザ光の反射光を検出する検出段階と、
前記検出段階での前記第1レーザ光の前記反射光の検出結果に基づいて、前記対象位置を特定する対象位置特定段階と、
前記対象位置特定段階で特定された前記対象位置に向けて、無線給電用の第2レーザ光を出力する第2出力段階と
を備える、方法。
【請求項15】
コンピュータを搭載した装置によって実行される方法であって、
再帰性反射体を搭載したオブジェクトのオブジェクト位置を含む前記装置の周辺に、レーザ光を出力する出力段階と、
前記レーザ光の反射光を検出する検出段階と、
前記装置に格納されている前記オブジェクトの前記オブジェクト位置を示すオブジェクト位置情報及び前記検出段階での前記レーザ光の前記反射光の検出結果に基づいて、前記装置の装置位置を特定する装置位置特定段階と
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、プログラム、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子機器に無線で送電を行う送電装置が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2019-129678号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、給電対象に無線給電する装置が提供されてよい。前記装置は、再帰性反射体を搭載した前記給電対象の対象位置を含む前記装置の周辺に、位置特定用の第1レーザ光を出力する第1出力部を備えてよい。前記装置は、前記第1レーザ光の反射光を検出する検出部を備えてよい。前記装置は、前記検出部による前記第1レーザ光の前記反射光の検出結果に基づいて、前記対象位置を特定する対象位置特定部を備えてよい。前記装置は、前記対象位置特定部によって特定された前記対象位置に向けて、無線給電用の第2レーザ光を出力する第2出力部を備えてよい。
【0004】
前記対象位置特定部は、前記検出部が予め定められた光強度閾値より高い光強度の前記第1レーザ光の前記反射光を検出したときの、前記装置から前記第1レーザ光の反射位置までの距離及び前記第1レーザ光の出力方向に基づいて、前記対象位置を特定してよい。
【0005】
前記いずれかの装置は、前記検出部による前記第1レーザ光の前記反射光の前記検出結果に基づいて、前記給電対象の候補位置を特定する候補位置特定部と、前記給電対象からの受電応答を取得する受電応答取得部とをさらに備えてよい。前記第2出力部は、前記候補位置特定部によって特定された前記候補位置に向けて、前記第2レーザ光を出力してよい。前記対象位置特定部は、前記第2出力部が前記候補位置に向けて前記第2レーザ光を出力した出力時刻から予め定められた期間内に前記受電応答取得部が前記受電応答を取得した場合に、前記候補位置が前記対象位置であると特定してよい。
【0006】
前記いずれかの装置において、前記第2出力部は、前記候補位置に向けて前記第2レーザ光を出力するときの出力パワーを、前記対象位置に向けて前記第2レーザ光を出力するときの出力パワーより低くしてよい。
【0007】
前記いずれかの装置において、前記第1出力部は、前記第1レーザ光が予め定められた波長領域の光を反射する前記再帰性反射体に入射した場合に、前記再帰性反射体が前記第1レーザ光を反射するように、前記波長領域に含まれる前記第1レーザ光を出力してよい。
【0008】
前記いずれかの装置は、前記検出部による前記第1レーザ光の前記反射光の前記検出結果に基づいて、前記給電対象の候補位置を特定する候補位置特定部をさらに備えてよい。前記第2出力部は、前記候補位置特定部によって特定された前記候補位置に向けて、前記波長領域に含まれない波長の前記第2レーザ光を出力してよい。前記検出部は、前記第2レーザ光の反射光をさらに検出してよい。前記対象位置特定部は、前記検出部による前記第2レーザ光の前記反射光の前記検出結果にさらに基づいて、前記候補位置から前記対象位置を特定してよい。
【0009】
前記いずれかの装置において、前記第1出力部は、前記対象位置を含む前記装置の全方位に、前記第1レーザ光を出力してよい。
【0010】
前記いずれかの装置において、前記第2出力部は、前記第2レーザ光の出力パワーが前記第1レーザ光の出力パワーより高くなるように、前記第2レーザ光を出力してよい。
【0011】
前記いずれかの装置は、再帰性反射体を搭載したオブジェクトのオブジェクト位置を示すオブジェクト位置情報を格納する情報格納部と、前記装置の装置位置を特定する装置位置特定部とをさらに備えてよい。前記第1出力部は、前記オブジェクト位置を含む前記装置の周辺に、前記第1レーザ光を出力してよい。前記装置位置特定部は、前記情報格納部に格納されている前記オブジェクトの前記オブジェクト位置情報及び前記検出部による前記第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、前記装置位置を特定してよい。
【0012】
前記いずれかの装置において、前記情報格納部は、他の給電対象の対象位置を示す対象位置情報をさらに格納してよい。前記第2出力部は、前記情報格納部に格納されている前記他の給電対象の前記対象位置情報及び前記装置位置特定部によって特定された前記装置位置に基づいて、前記他の給電対象の前記対象位置に向けて、前記第2レーザ光を出力してよい。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、装置が提供されてよい。前記装置は、再帰性反射体を搭載したオブジェクトのオブジェクト位置を示すオブジェクト位置情報を格納する情報格納部を備えてよい。前記装置は、前記オブジェクト位置を含む前記装置の周辺に、レーザ光を出力する出力部を備えてよい。前記装置は、前記レーザ光の反射光を検出する検出部を備えてよい。前記装置は、前記情報格納部に格納されている前記オブジェクトの前記オブジェクト位置情報及び前記検出部による前記レーザ光の前記反射光の検出結果に基づいて、前記装置の装置位置を特定する装置位置特定部を備えてよい。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記装置として機能させるためのプログラムが提供されてよい。
【0015】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供されてよい。システムは、前記装置を備えてよい。システムは、前記給電対象を備えてよい。
【0016】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを搭載した装置によって実行される、給電対象に無線給電する方法が提供されてよい。前記方法は、再帰性反射体を搭載した前記給電対象の対象位置を含む前記装置の周辺に、位置特定用の第1レーザ光を出力する第1出力段階を備えてよい。前記方法は、前記第1レーザ光の反射光を検出する検出段階を備えてよい。前記方法は、前記検出段階での前記第1レーザ光の前記反射光の検出結果に基づいて、前記対象位置を特定する対象位置特定段階を備えてよい。前記方法は、前記対象位置特定段階で特定された前記対象位置に向けて、無線給電用の第2レーザ光を出力する第2出力段階を備えてよい。
【0017】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを搭載した装置によって実行される方法が提供されてよい。前記方法は、再帰性反射体を搭載したオブジェクトのオブジェクト位置を含む前記装置の周辺に、レーザ光を出力する出力段階を備えてよい。前記方法は、前記レーザ光の反射光を検出する検出段階を備えてよい。前記方法は、前記装置に格納されている前記オブジェクトの前記オブジェクト位置を示すオブジェクト位置情報及び前記検出段階での前記レーザ光の前記反射光の検出結果に基づいて、前記装置の装置位置を特定する装置位置特定段階を備えてよい。
【0018】
尚、前記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】システム10の一例を概略的に示す。
図2】装置100が給電対象200に無線給電する一例を説明するための説明図である。
図3】給電対象200の一例を概略的に示す。
図4】給電対象200の他の一例を概略的に示す。
図5】給電対象200の他の一例を概略的に示す。
図6】給電対象200の他の一例を概略的に示す。
図7】システム10の他の一例を概略的に示す。
図8】装置100が給電対象200に無線給電する他の一例を説明するための説明図である。
図9】装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図10】給電対象200の機能構成の一例を概略的に示す。
図11】装置100の処理の流れの一例を説明するための説明図である。
図12】装置100の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。
図13】装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
レーザ光を用いて給電対象に無線給電する光無線給電は、電波による無線給電とは異なり、給電装置と給電対象との間に遮蔽物が存在する場合、給電対象に無線給電できない。したがって、給電装置と給電対象との間に遮蔽物が存在しない、すなわち、給電装置と給電対象との間の物理的な見通し(Line of Sight;LOS)が確保されている給電対象をサーチして把握する必要がある。しかしながら、給電装置と給電対象との間LOSが確保されている給電対象を効率的にサーチして把握する手法が確立されていない。一実施形態に係るシステム10は、例えば、給電装置が、給電対象に搭載されたコーナーキューブリフレクタ(Corner cube reflector;CCR)によって反射される特定波長のレーザを多方向へ打ち出し、CCRによるレーザの反射光を捉えることによって、給電装置と給電対象との間のLOSが確保されている給電対象をサーチする仕組みを採用する。
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、装置100及び給電対象200を備えてよい。
【0023】
装置100は、給電対象200に無線給電してよい。装置100は、例えば、第1出力部110及び第2出力部120を有してよい。
【0024】
第1出力部110は、位置特定用の第1レーザ光を出力してよい。第1出力部110は、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)技術に用いられるレーザ光として、第1レーザ光を出力してよい。
【0025】
第1出力部110は、例えば、再帰性反射体210を搭載した給電対象200の対象位置を含む装置100の周辺に、第1レーザ光を出力してよい。給電対象200の対象位置は、給電対象200が存在する位置であってよい。尚、装置100の周辺は、装置100からの距離が予め定められた距離より短い領域であってよい。
【0026】
第1出力部110は、例えば、給電対象200の対象位置を含む装置100の全方位に、第1レーザ光を出力してよい。第1出力部110は、給電対象200の対象位置を含む装置100の一部の方位に、第1レーザ光を出力してもよい。
【0027】
再帰性反射体210は、光源からの光を、光源に向けて反射する反射性質を有する反射体であってよい。再帰性反射体210は、例えば、光源からの光を、光の入射方向と平行で、且つ、光の入射方向と反対方向に反射する反射性質を有する反射体であってよい。
【0028】
第1出力部110は、例えば、装置100の周辺に第1レーザ光を定期的に出力してよい。第1出力部110は、例えば、1秒間に100回の頻度で、装置100の周辺に第1レーザ光を出力してよい。
【0029】
第1出力部110は、例えば、赤外線領域の第1レーザ光を出力してよい。第1出力部110は、可視光領域の第1レーザ光を出力してもよい。
【0030】
第1出力部110は、例えば、固体レーザであってよい。第1出力部110は、例えば、半導体レーザであってよい。第1出力部110は、液体レーザや気体レーザであってもよい。第1出力部110は、波長可変レーザであってもよい。
【0031】
装置100は、例えば、第1出力部110の第1レーザ光の反射光を検出した検出結果に基づいて、給電対象200の対象位置を特定してよい。図1に示されるシステム10において、給電対象200が再帰性反射体210を搭載しているので、給電対象200の対象位置で反射した第1レーザ光の反射光の光強度は、他の位置で反射した第1レーザ光の反射光の光強度より大きい。よって、装置100は、例えば、第1レーザ光の反射光の光強度が予め定められた光強度閾値より高いときの第1レーザ光の反射位置が給電対象200の対象位置であると特定することによって、給電対象200の対象位置を特定してよい。この場合、装置100は、例えば、装置100から当該反射位置までの距離及び第1出力部110が当該反射位置に第1レーザ光を出力したときの第1レーザ光の出力方向に基づいて、給電対象200の対象位置を特定してよい。
【0032】
第2出力部120は、無線給電用の第2レーザ光を出力してよい。第2出力部120は、例えば、装置100によって特定された給電対象200の対象位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。
【0033】
第2出力部120は、例えば、赤外線領域の第2レーザ光を出力してよい。第2出力部120は、可視光領域の第2レーザ光を出力してもよい。
【0034】
第2出力部120によって出力される第2レーザ光の波長は、例えば、第1出力部110によって出力される第1レーザ光の波長と異なってよい。第2出力部120によって出力される第2レーザ光の波長は、第1出力部110によって出力される第1レーザ光の波長と同一であってもよい。
【0035】
第2出力部120によって出力される第2レーザ光の出力パワーは、例えば、第1出力部110によって出力される第1レーザ光の出力パワーと異なってよい。第2出力部120は、例えば、第2レーザ光の出力パワーが第1レーザ光の出力パワーより高くなるように、第2レーザ光を出力してよい。第2レーザ光の出力パワーは、第1レーザ光の出力パワーと同一であってもよい。
【0036】
第2出力部120は、例えば、固体レーザであってよい。第2出力部120は、例えば、半導体レーザであってよい。第2出力部120は、液体レーザや気体レーザであってもよい。第2出力部120は、波長可変レーザであってもよい。
【0037】
装置100は、例えば、床や地面に設置されてよい。装置100は、例えば、壁や天井に設置されてよい。装置100は、信号機や看板等に設置されてもよい。装置100は、その他の任意の場所に設置されてもよい。
【0038】
給電対象200は、装置100からの給電を受電してよい。給電対象200は、例えば、再帰性反射体210及び光発電パネル220を有してよい。
【0039】
給電対象200は、装置100からの給電を受電可能な端末であれば、どのような端末であってもよい。給電対象200は、例えば、IoT(Internet of Thing)デバイスであってよい。給電対象200は、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末及びウェアラブル端末等であってよい。給電対象200は、例えば、PC(Personal Computer)であってよい。給電対象200は、例えば、車両、ドローン等の飛行体、又は、ロボット等の移動体であってよい。給電対象200は、IoE(Internet of Everything)に該当するあらゆるものを含み得る。
【0040】
再帰性反射体210は、例えば、波長選択性を有してよい。再帰性反射体210は、例えば、予め定められた波長領域の光を反射し、当該波長領域外の光を反射しなくてよい。再帰性反射体210は、波長選択性を有していなくてもよい。
【0041】
再帰性反射体210は、例えば、リトロリフレクタであってよい。リトロリフレクタは、例えば、CCRを含んでよい。CCRは、光を反射する性質を有する3枚の平面板を互いに直角に組み合わせ、直方体や立方体の頂点型にした光学素子である。平面板は、例えば、鏡であってよい。平面板は、ガラスであってもよい。リトロリフレクタは、例えば、ペンタプリズムを含んでよい。リトロリフレクタは、ガラスビーズを含んでもよい。
【0042】
光発電パネル220は、光エネルギーを電気エネルギーに変換してよい。光発電パネル220は、例えば、複数のセルで構成されてよい。
【0043】
光発電パネル220の形状は、例えば、矩形であってよい。光発電パネル220の形状は、例えば、正方形であってよい。光発電パネル220の形状は、例えば、円形であってよい。光発電パネル220の形状は、例えば、楕円形であってよい。光発電パネル220の形状は、その他の任意の形状であってもよい。
【0044】
光発電パネル220は、例えば、ソーラーパネルであってよい。光発電パネル220は、例えば、シリコン(Si)系ソーラーパネルであってよい。光発電パネル220は、例えば、化合物系ソーラーパネルであってもよい。光発電パネル220は、例えば、ガリウム(Ga)及びヒ素(As)を用いて形成されたGaAs系ソーラーパネルであってよい。光発電パネル220は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、及びセレン(Se)を用いて形成されたCIGS系ソーラーパネルであってもよい。
【0045】
給電対象200は、例えば、給電対象200の対象位置を示す対象位置情報を取得する機能を有してよい。給電対象200は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)機能を用いて、給電対象200の対象位置情報を取得してよい。給電対象200は、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を用いて、給電対象200の対象位置情報を取得してよい。給電対象200は、RTK(Real Time Kinematic)機能を用いて、給電対象200の対象位置情報を取得してよい。
【0046】
給電対象200は、例えば、装置100と無線通信する機能を有してよい。装置100と給電対象200との間の無線通信接続は、Wi-Fi(登録商標)、マイクロ波、光通信、Bluetooth(登録商標)、及びZigBee(登録商標)等の無線通信システムに準拠してよい。装置100と給電対象200との間の無線通信接続は、インターネットや通信事業者によって提供されるコアネットワークを含み得るネットワークを介してもよい。
【0047】
給電対象200は、例えば、取得した給電対象200の対象位置情報を装置100に送信してよい。装置100は、給電対象200から受信した給電対象200の対象位置情報にさらに基づいて、給電対象200の対象位置を特定してもよい。
【0048】
レーザ光を用いて給電対象に無線給電する場合において、従来のシステムは、給電装置の周辺をカメラで撮像した撮像画像に対して画像認識処理を実行することによって、給電装置と給電対象との間のLOSが確保されている給電対象の位置を特定していた。しかしながら、従来のシステムでは、給電対象が小型のデバイスである場合や給電対象がカメラの設置位置から離れた場所に位置する場合に、給電対象の位置を高精度に特定できない場合があった。さらに、従来のシステムでは、撮像画像を画像解析する必要があるので、給電対象の位置を高速に特定できない場合があった。
【0049】
これに対して一実施形態に係るシステム10によれば、装置100は、装置100の周辺に出力された第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、再帰性反射体210を搭載した給電対象200の位置を特定する。装置100は、指向性の高いレーザ光及び再帰性反射体の反射性質を利用して給電対象の位置を特定するので、再帰性反射体を搭載可能なサイズであれば、画像認識処理では高精度に位置を特定できない小型の給電対象であっても、高精度に位置を特定できる。また、装置100は、光速で伝搬するレーザ光の反射光の検出結果に基づいて給電対象の位置を特定するので、給電対象の位置を高速に特定できる。さらに、CCR等の再帰性反射体210は、比較的低コストであるので、システム10は、低コストでシステム全体を構築可能である。これにより、一実施形態に係るシステム10は、給電対象の位置を高精度且つ高速に特定することによって給電対象に効率的に無線給電することが可能なシステムを低コストで実現できる。
【0050】
図2は、装置100が給電対象200に無線給電する一例を説明するための説明図である。図2では、装置100の周辺に1つの給電対象200が存在する場合の一例を主に説明する。
【0051】
図2の(A)は、装置100が給電対象200の候補位置を特定する一例を説明するための説明図である。給電対象200の候補位置は、給電対象200の対象位置の候補となる位置であってよい。
【0052】
装置100は、例えば、給電対象200の候補位置を特定すべく、装置100の全方位に第1レーザ光を照射するように第1レーザ光を走査させることによって、装置100の全方位における第1レーザ光の反射光を検出してよい。装置100は、例えば、レーザと、レーザによって出力されたレーザ光の反射光を検出する検出器とを回転させることによりレーザ光を走査させる機械的回転方式で、第1レーザ光を走査させてよい。装置100は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを制御することによりレーザによって出力されたレーザ光を走査させるMEMS方式で、第1レーザ光を走査させてもよい。
【0053】
装置100は、例えば、装置100の全方位における第1レーザ光の反射光を検出した検出結果に基づいて、給電対象200の候補位置を特定してよい。装置100は、例えば、第1レーザ光の反射光の光強度が光強度閾値より高いときの第1レーザ光の反射位置が給電対象200の候補位置であると特定することによって、給電対象200の候補位置を特定してよい。図2の(A)に示される一例において、給電対象200が第1レーザ光を反射したときの反射位置及び給電対象ではない鏡やガラス等の物体50が第1レーザ光を反射したときの反射位置が給電対象200の候補位置であると装置100が特定したものとして、説明を続ける。
【0054】
図2の(B)は、装置100が、給電対象200の候補位置から給電対象200の対象位置を特定する一例を説明するための説明図である。装置100は、例えば、給電対象200の候補位置から給電対象200の対象位置を特定すべく、給電対象200の候補位置に向けて第2レーザ光を出力して、給電対象200の候補位置にテスト給電してよい。
【0055】
図2の(B)に示される一例において、装置100は、給電対象200が第1レーザ光を反射したときの反射位置及び物体50が第1レーザ光を反射したときの反射位置のそれぞれに向けて第2レーザ光を出力してよい。給電対象200は、第2レーザ光が光発電パネル220に照射されて装置100からの給電を受電したことに応じて、装置100に受電応答をしてよい。一方で、物体50は、給電対象ではないので、第2レーザ光が照射されても装置100に応答しない。したがって、装置100は、給電対象200からの受電応答を取得したことに応じて、給電対象200の候補位置のうち給電対象200が第1レーザ光を反射したときの反射位置が給電対象200の対象位置であると特定してよい。
【0056】
図2の(C)は、装置100が、給電対象200に給電する一例を説明するための説明図である。装置100は、例えば、給電対象200の対象位置に向けて第2レーザ光を出力することによって、給電対象200への給電を開始してよい。
【0057】
図2に示される一例において、装置100は、給電対象200の候補位置にテスト給電することによって、給電対象200の候補位置から給電対象200の対象位置を特定する。これにより、装置100は、たとえ、給電対象以外の物体が偶発的に第1レーザ光を強く反射した反射光を検出しても、給電対象の位置を高精度に特定できる。
【0058】
図3は、給電対象200の一例を概略的に示す。図3図6において、給電対象200の長さ方向が図内のx軸方向であり、給電対象200の幅方向が図内のy軸方向であり、給電対象200の厚さ方向が図内のz軸方向であるものとする。
【0059】
再帰性反射体210及び光発電パネル220は、例えば、給電対象200の側面に配置されてよい。再帰性反射体210及び光発電パネル220は、例えば、給電対象200の上面に配置されてよい。再帰性反射体210及び光発電パネル220は、給電対象200のその他の任意の位置に配置されてよい。
【0060】
再帰性反射体210及び光発電パネル220は、例えば、給電対象200の厚さ方向に沿って配置されてよい。この場合、図3に示されるように、再帰性反射体210は、例えば、光発電パネル220の両側に配置されてよい。再帰性反射体210は、光発電パネル220の片側にのみ配置されてもよい。
【0061】
再帰性反射体210及び光発電パネル220は、給電対象200の厚さ方向に沿って配置される場合と同様にして、給電対象200の長さ方向に沿って配置されてもよい。再帰性反射体210及び光発電パネル220は、給電対象200の厚さ方向に沿って配置される場合と同様にして、給電対象200の幅方向に沿って配置されてもよい。
【0062】
図4は、給電対象200の他の一例を概略的に示す。図4に示される給電対象200は、再帰性反射体210が光発電パネル220の周囲を囲うように配置されている点が、図3に示される給電対象200と異なる。
【0063】
図5は、給電対象200の他の一例を概略的に示す。図5に示される給電対象200は、再帰性反射体210が光発電パネル220を構成する複数のセル225の各セル間の間隙に配置されている点が、図3及び図4のそれぞれに示される給電対象200と異なる。
【0064】
図6は、給電対象200の他の一例を概略的に示す。図6に示される給電対象200は、再帰性反射体210が給電対象200の上面に配置されて、光発電パネル220が給電対象200の側面に配置されている点が、図3図5のそれぞれに示される給電対象200と異なる。給電対象200は、再帰性反射体210が給電対象200の側面に配置されて、光発電パネル220が給電対象200の上面に配置されてもよい。
【0065】
図7は、システム10の他の一例を概略的に示す。ここでは、図1に示されるシステム10と異なる点を主に説明する。
【0066】
システム10は、再帰性反射体310を搭載したオブジェクト300を備えてよい。再帰性反射体310は、再帰性反射体210と同様の特徴を有してよい。
【0067】
オブジェクト300は、例えば、床や地面に設置されてよい。オブジェクト300は、例えば、壁や天井に設置されてよい。オブジェクト300は、その他の任意の場所に設置されてもよい。
【0068】
装置100は、例えば、オブジェクト300のオブジェクト位置を示すオブジェクト位置情報を格納してよい。オブジェクト300のオブジェクト位置は、オブジェクト300が存在する位置であってよい。
【0069】
装置100は、給電対象200の対象位置を示す対象位置情報を格納してもよい。尚、図7に示されるシステム10において、給電対象200は、再帰性反射体210を有していない。
【0070】
オブジェクト300のオブジェクト位置情報は、例えば、オブジェクト300の設置作業をする作業員によって、装置100に登録されてよい。給電対象200の対象位置情報も、オブジェクト300のオブジェクト位置情報と同様にして、給電対象200の設置作業をする作業員によって、装置100に登録されてもよい。
【0071】
第1出力部110は、例えば、オブジェクト300のオブジェクト位置を含む装置100の周辺に、第1レーザ光を出力してよい。第1出力部110は、例えば、オブジェクト300のオブジェクト位置を含む装置100の全方位に、第1レーザ光を出力してよい。 第1出力部110は、オブジェクト300のオブジェクト位置を含む装置100の一部の方位に、第1レーザ光を出力してもよい。
【0072】
装置100は、例えば、第1出力部110の第1レーザ光の反射光を検出し、オブジェクト300のオブジェクト位置情報及び第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。装置100の装置位置は、装置100が存在する位置であってよい。
【0073】
図7に示されるシステム10において、オブジェクト300が再帰性反射体310を搭載しているので、オブジェクト300のオブジェクト位置で反射した第1レーザ光の反射光の光強度は、他の位置で反射した第1レーザ光の反射光の光強度より大きい。よって、装置100は、例えば、第1レーザ光の反射光の光強度が予め定められた光強度閾値より高いときの第1レーザ光の反射位置がオブジェクト300のオブジェクト位置であると特定してよい。装置100は、当該反射位置に対応するオブジェクト300のオブジェクト位置情報、並びに、装置100から当該反射位置までの距離及び第1出力部110が当該反射位置に第1レーザ光を出力したときの第1レーザ光の出力方向に基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。第2出力部120は、給電対象200の対象位置情報と装置100によって特定された装置100の装置位置とに基づいて、給電対象200の対象位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。
【0074】
図7に示されるシステム10によれば、装置100は、装置100の周辺に出力された第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、再帰性反射体310を搭載したオブジェクト300の位置を特定し、特定したオブジェクト300の位置から自己位置を特定する。これにより、図7に示されるシステム10は、装置100が指向性の高いレーザ光及び比較的低コストである再帰性反射体の反射性質を利用して自己位置を特定するので、装置100が自己位置を高精度に特定できることが可能なシステムを低コストで実現できる。
【0075】
図8は、装置100が給電対象200に無線給電する他の一例を説明するための説明図である。図8では、装置100の周辺に、1つの給電対象200、並びに、3つのオブジェクト302、オブジェクト304、及びオブジェクト306が存在する場合の一例を主に説明する。尚、オブジェクト302、オブジェクト304、及びオブジェクト306のそれぞれは、オブジェクト300と同様の特徴を有してよい。
【0076】
図8の(A)は、装置100が装置100の装置位置を特定する一例を説明するための説明図である。装置100は、例えば、装置100の装置位置を特定すべく、装置100の全方位に第1レーザ光を照射するように第1レーザ光を走査させることによって、装置100の全方位における第1レーザ光の反射光を検出してよい。
【0077】
装置100は、例えば、オブジェクトのオブジェクト位置情報と、装置100の全方位における第1レーザ光の反射光を検出した検出結果とに基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。例えば、装置100は、第1レーザ光の反射光の光強度が光強度閾値より高いときの第1レーザ光の反射位置を特定してよい。次に、装置100は、特定した反射位置の位置関係とオブジェクト位置情報に基づいて決定されるオブジェクトのオブジェクト位置の位置関係とを比較することによって、当該反射位置がオブジェクトのオブジェクト位置であるか否かを特定してよい。装置100は、当該反射位置がオブジェクトのオブジェクト位置であると特定した場合、当該反射位置に対応するオブジェクトのオブジェクト位置情報を特定し、当該オブジェクト位置情報、並びに、装置100から当該反射位置までの距離及び第1出力部110が当該反射位置に第1レーザ光を出力したときの第1レーザ光の出力方向に基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。
【0078】
図8の(A)に示される一例において、装置100は、オブジェクト302、オブジェクト304、オブジェクト306、及び、オブジェクトではない物体50のそれぞれが第1レーザ光を反射したときの第1レーザ光の反射光の光強度が光強度閾値より高いので、オブジェクト302が第1レーザ光を反射したときの反射位置、オブジェクト304が第1レーザ光を反射したときの反射位置、オブジェクト306が第1レーザ光を反射したときの反射位置、及び、物体50が第1レーザ光を反射したときの反射位置の4つの反射位置を特定してよい。次に、装置100は、特定した4つの反射位置の位置関係と、オブジェクト302、オブジェクト304、及び、オブジェクト306のそれぞれのオブジェクト位置情報に基づいて決定されるオブジェクト302、オブジェクト304、及び、オブジェクト306のそれぞれのオブジェクト位置の位置関係とを比較することによって、特定した4つの反射位置のうち、オブジェクト302が第1レーザ光を反射したときの反射位置、オブジェクト304が第1レーザ光を反射したときの反射位置、及び、オブジェクト306が第1レーザ光を反射したときの反射位置がオブジェクトのオブジェクト位置であると特定してよい。その後、装置100は、例えば、オブジェクト302が第1レーザ光を反射したときの反射位置に対応するオブジェクト302のオブジェクト位置情報、並びに、装置100から当該反射位置までの距離及び第1出力部110が当該反射位置に第1レーザ光を出力したときの第1レーザ光の出力方向に基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。
【0079】
図8の(B)は、装置100が、給電対象200に給電する一例を説明するための説明図である。第2出力部120は、給電対象200の対象位置情報と装置100によって特定された装置100の装置位置とに基づいて、給電対象200の対象位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。
【0080】
図8に示される一例において、装置100は、特定した反射位置の位置関係と、オブジェクトのオブジェクト位置の位置関係とを比較した比較結果に基づいて、自己位置を特定する。これにより、装置100は、たとえ、オブジェクト以外の物体が偶発的に第1レーザ光を強く反射した反射光を検出しても、自己位置を高精度に特定できる。
【0081】
図9は、装置100の機能構成の一例を概略的に示す。装置100は、情報格納部102、検出部106、対象位置特定部108、対象位置情報受信部109、第1出力部110、候補位置特定部112、受電応答取得部114、装置位置特定部116、充電完了通知取得部118、及び、第2出力部120を備えてよい。尚、装置100がこれらの全ての構成を有することが必須とは限らない。
【0082】
情報格納部102は、各種情報を格納してよい。情報格納部102は、例えば、光強度閾値を格納してよい。光強度閾値は、例えば、装置100の周辺に存在する再帰性反射体が第1出力部110によって出力された第1レーザ光を反射したときの第1レーザ光の反射光の光強度より低く、且つ、装置100の周辺に存在し得る再帰性反射体でない物体が第1レーザ光を反射したときの第1レーザ光の反射光の光強度より高くなるように、定められてよい。
【0083】
情報格納部102は、例えば、装置100の周辺に存在する再帰性反射体によって反射される光の波長領域を示す波長領域情報を格納してよい。装置100の周辺に存在する再帰性反射体は、例えば、給電対象200に搭載された再帰性反射体210であってよい。装置100の周辺に存在する再帰性反射体は、例えば、再帰性反射体310に搭載された再帰性反射体310あってもよい。
【0084】
波長領域は、例えば、装置100の周辺する再帰性反射体が光をより反射し、且つ、装置100の周辺に存在し得る物体が光をより反射しないように定められてよい。波長領域は、例えば、装置100の周辺に存在する再帰性反射体のみが光を反射するように定められてよい。
【0085】
情報格納部102は、例えば、オブジェクト300のオブジェクト位置情報を格納してよい。情報格納部102は、例えば、給電対象200の対象位置情報を格納してよい。
【0086】
位置情報は、例えば、緯度情報を含んでよい。位置情報は、例えば、経度情報を含んでよい。位置情報は、例えば、高度情報を含んでよい。
【0087】
検出部106は、第1出力部110によって出力された第1レーザ光の反射光を検出してよい。検出部106は、例えば、情報格納部102に格納されている光強度閾値より高い光強度の第1レーザ光の反射光を検出してよい。
【0088】
検出部106は、第2出力部120によって出力された第2レーザ光の反射光を検出してもよい。検出部106は、例えば、情報格納部102に格納されている光強度閾値より高い光強度の第2レーザ光の反射光を検出してよい。
【0089】
対象位置特定部108は、装置100の周辺に存在する給電対象200の対象位置を特定してよい。対象位置特定部108は、例えば、装置100に対する給電対象200の相対位置を特定することによって、給電対象200の対象位置を特定してよい。対象位置特定部108は、給電対象200が装置100の周辺に複数存在する場合、当該複数の給電対象200のそれぞれの対象位置を特定してよい。
【0090】
対象位置特定部108は、特定した給電対象200の対象位置を示す対象位置情報を、情報格納部102に格納してよい。これにより、対象位置特定部108は、給電対象200の対象位置をマッピングしてよい。
【0091】
対象位置特定部108は、例えば、検出部106による、第1出力部110によって出力された第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、給電対象200の対象位置を特定してよい。対象位置特定部108は、例えば、検出部106が、情報格納部102に格納されている光強度閾値より高い光強度の第1レーザ光の反射光を検出したときの第1レーザ光の反射位置が給電対象200の対象位置であると特定してよい。この場合、対象位置特定部108は、装置100から当該反射位置までの距離及び第1レーザ光の出力方向に基づいて、給電対象200の対象位置を特定してよい。
【0092】
対象位置特定部108は、例えば、第1出力部110が第1レーザ光を出力した出力時刻から検出部106が第1レーザ光の反射光を検出した検出時刻までの間に経過した経過時間(Time Of Flight;TOF)に基づいて、装置100から当該反射位置までの距離を特定してよい。対象位置特定部108は、第1レーザ光が当該反射位置で反射したときの、検出部106によって検出された第1レーザ光の反射光の光強度に基づいて、装置100から当該反射位置までの距離を特定してもよい。
【0093】
対象位置情報受信部109は、給電対象200から、給電対象200の対象位置情報を受信してよい。対象位置情報受信部109は、例えば、給電対象200の対象位置情報を定期的に受信してよい。対象位置情報受信部109は、受信した給電対象200の対象位置情報を情報格納部102に格納してよい。
【0094】
候補位置特定部112は、装置100の周辺に存在する給電対象200の候補位置を特定してよい。候補位置特定部112は、特定した給電対象200の候補位置を示す候補位置情報を、情報格納部102に格納してよい。
【0095】
候補位置特定部112は、例えば、検出部106による、第1出力部110によって出力された第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、給電対象200の候補位置を特定してよい。候補位置特定部112は、例えば、検出部106が、情報格納部102に格納されている光強度閾値より高い光強度の第1レーザ光の反射光を検出したときの第1レーザ光の反射位置が給電対象200の候補位置であると特定してよい。この場合、候補位置特定部112は、対象位置特定部108が給電対象200の対象位置を特定する場合と同様にして、装置100から当該反射位置までの距離及び第1レーザ光の出力方向に基づいて、給電対象200の候補位置を特定してよい。
【0096】
第2出力部120は、候補位置特定部112によって特定された給電対象200の候補位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。第2出力部120は、例えば、給電対象200の候補位置に向けて第2レーザ光を出力するときの出力パワーを、給電対象200の対象位置に向けて第2レーザ光を出力するときの出力パワーより低くしてよい。
【0097】
受電応答取得部114は、給電対象200からの受電応答を取得してよい。受電応答取得部114は、例えば、給電対象200が装置100からの給電を受電したことに応じて給電対象200によって送信された受電応答信号を受信することによって、給電対象200からの受電応答を取得してよい。受電応答取得部114は、例えば、給電対象200が、装置100からの給電を受電したことに応じて給電対象200が備えるランプを点滅させていることを、装置100が備えるカメラを用いて検出することによって、給電対象200からの受電応答を取得してよい。受電応答取得部114は、給電対象200が、装置100からの給電を受電したことに応じて給電対象200が備える棒を振っていることを、装置100が備えるカメラを用いて検出することによって、給電対象200からの受電応答を取得してもよい。
【0098】
対象位置特定部108は、例えば、受電応答取得部114によって取得された、給電対象200からの受電応答に基づいて、給電対象200の候補位置が給電対象200の対象位置であるか否かを特定してよい。対象位置特定部108は、例えば、第2出力部120が給電対象200の候補位置に向けて第2レーザ光を出力した出力時刻から予め定められた期間内に受電応答取得部114が受電応答を取得した場合に、給電対象200の候補位置が給電対象200の対象位置であると特定してよい。
【0099】
対象位置特定部108は、対象位置情報受信部109によって受信された給電対象200の対象位置情報に基づいて、給電対象200の候補位置が給電対象200の対象位置であるか否かを特定してもよい。対象位置特定部108は、例えば、給電対象200の候補位置と、対象位置情報受信部109によって受信された給電対象200の対象位置情報によって示される給電対象200の対象位置との間の距離が、予め定められた距離閾値より短い場合に、給電対象200の候補位置が給電対象200の対象位置であると特定してよい。
【0100】
第1出力部110は、例えば、再帰性反射体の波長選択性に基づいて、第1レーザ光を出力してよい。第1出力部110は、例えば、第1レーザ光が当該再帰性反射体に入射した場合に、当該再帰性反射体が第1レーザ光を反射するように、情報格納部102に格納されている当該再帰性反射体の波長領域情報によって示される波長領域に含まれる第1レーザ光を出力してよい。
【0101】
第2出力部120は、例えば、再帰性反射体の波長選択性に基づいて、給電対象200の候補位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。第2出力部120は、例えば、給電対象200の候補位置に向けて、情報格納部102に格納されている当該再帰性反射体の波長領域情報によって示される波長領域に含まれない第2レーザ光を出力してよい。
【0102】
対象位置特定部108は、第1出力部110及び第2出力部120のそれぞれが再帰性反射体の波長選択性に基づいてレーザ光を出力する場合、検出部106よる第2レーザ光の反射光の検出結果にさらに基づいて、給電対象200の候補位置から給電対象200の対象位置を特定してよい。対象位置特定部108は、例えば、検出部106が、情報格納部102に格納されている光強度閾値より高い光強度の第2レーザ光の反射光を検出しないときの給電対象200の候補位置が給電対象200の対象位置であると特定してよい。
【0103】
装置位置特定部116は、装置100の装置位置を特定してよい。装置位置特定部116は、例えば、装置100の絶対位置を特定することによって、装置100の装置位置を特定してよい。
【0104】
装置位置特定部116は、特定した装置100の装置位置を示す装置位置情報を、情報格納部102に格納してよい。これにより、装置位置特定部116は、装置100の装置位置をマッピングしてよい。装置位置特定部116は、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を用いて、装置100の装置位置の特定処理及び装置100の周辺の環境地図の作成処理を同時に実行してもよい。
【0105】
装置位置特定部116は、例えば、情報格納部102に格納されているオブジェクト300のオブジェクト位置情報、及び、検出部106による、第1出力部110によって出力された第1レーザ光の反射光の検出結果に基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。例えば、装置位置特定部116は、第1レーザ光の反射光の光強度が情報格納部102に格納されている光強度閾値より高いときの第1レーザ光の反射位置がオブジェクト300のオブジェクト位置であると特定してよい。装置位置特定部116は、当該反射位置に対応するオブジェクト300のオブジェクト位置情報、並びに、装置100から当該反射位置までの距離及び第1出力部110が当該反射位置に第1レーザ光を出力したときの第1レーザ光の出力方向に基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。
【0106】
例えば、xyz座標系において、当該反射位置に対応するオブジェクト300のオブジェクト位置情報によって示されるオブジェクト300のオブジェクト位置が(x,y,z)であり、装置100から当該反射位置までの距離がDであり、第1出力部110が当該反射位置に第1レーザ光を出力したときの第1レーザ光の出力方向が(e,e,e)である場合、装置位置特定部116は、装置100の装置位置が(x-D×e,y-D×e,z-D×e)であると特定してよい。尚、e、e、及びeは、(e+(e+(e=1の関係が成立するものとする。
【0107】
装置位置特定部116は、オブジェクト300が装置100の周辺に複数存在し、且つ、第1出力部110によって出力された第1レーザ光の反射光の光強度が光強度閾値より高いときの第1レーザ光の反射位置が複数存在する場合に、当該複数の反射位置のうちの一の反射位置が複数のオブジェクト300のいずれかのオブジェクト位置であるか否かを特定してよい。装置位置特定部116は、例えば、特定した当該複数の反射位置の位置関係と、情報格納部102に格納されている当該複数のオブジェクト300のそれぞれのオブジェクト位置情報に基づいて決定される、当該複数のオブジェクト300のオブジェクト位置の位置関係とを比較することによって、当該一の反射位置が当該複数のオブジェクト300のいずれかのオブジェクト位置であるか否かを特定してよい。装置位置特定部116は、当該一の反射位置が当該複数のオブジェクト300のうちの一のオブジェクト300のオブジェクト位置であると特定した場合、当該一のオブジェクト位置情報、並びに、装置100から当該一の反射位置までの距離及び第1出力部110が当該一の反射位置に第1レーザ光を出力したときの第1レーザ光の出力方向に基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。第2出力部120は、情報格納部102に格納されている当該給電対象200の対象位置情報及び装置位置特定部116によって特定された装置100の装置位置に基づいて、当該給電対象200の対象位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。
【0108】
充電完了通知取得部118は、給電対象200から充電完了通知を取得してよい。充電完了通知取得部118は、例えば、装置100による給電により給電対象200に搭載されているバッテリの充電が完了したことに応じて給電対象200によって送信された充電完了通知を受信することによって、給電対象200から充電完了通知を取得してよい。充電完了通知取得部118は、例えば、給電対象200が当該バッテリの充電が完了したことに応じて給電対象200が備えるランプを点滅状態から消灯状態に切り替えたことを、装置100が備えるカメラを用いて検出することによって、給電対象200から充電完了通知を取得してよい。充電完了通知取得部118は、給電対象200が当該バッテリの充電が完了したことに応じて給電対象200が備える棒を振っている状態から停止状態に切り替えたことを、装置100が備えるカメラを用いて検出することによって、給電対象200から充電完了通知を取得してもよい。第2出力部120は、充電完了通知取得部118が給電対象200から充電完了通知を取得したことに応じて、給電対象200の対象位置に向けた第2レーザ光の出力を終了してよい。
【0109】
図10は、給電対象200の機能構成の一例を概略的に示す。給電対象200は、情報格納部202、対象位置情報取得部204、対象位置情報送信部206、調整部208、再帰性反射体210、受電応答部212、充電完了通知部216、光発電パネル220、及び、バッテリ250を備えてよい。尚、給電対象200がこれらの全ての構成を有することが必須とは限らない。
【0110】
情報格納部202は、各種情報を格納してよい。情報格納部202は、例えば、バッテリ残量閾値を格納してよい。情報格納部202は、装置100が設置されている設置位置を示す設置位置情報を格納してもよい。
【0111】
対象位置情報取得部204は、給電対象200の対象位置情報を取得してよい。対象位置情報取得部204は、例えば、給電対象200の対象位置情報を定期的に取得してよい。対象位置情報取得部204は、取得した給電対象200の対象位置情報を情報格納部202に格納してよい。
【0112】
対象位置情報送信部206は、給電対象200の対象位置情報を送信してよい。対象位置情報送信部206は、例えば、給電対象200の対象位置情報を装置100に送信してよい。
【0113】
対象位置情報送信部206は、例えば、情報格納部202に格納されている給電対象200の対象位置情報を送信してよい。対象位置情報送信部206は、対象位置情報取得部204が給電対象200の対象位置情報を取得したことに応じて、給電対象200の対象位置情報を送信してもよい。
【0114】
調整部208は、再帰性反射体210及び光発電パネル220の少なくともいずれかの向きを調整してよい。調整部208は、例えば、給電対象200の対象位置情報及び装置100の設置位置情報に基づいて、再帰性反射体210及び光発電パネル220の少なくともいずれかの向きを調整してよい。
【0115】
調整部208は、例えば、再帰性反射体210の向きを調整する場合、装置100によって出力される第1レーザ光が再帰性反射体210により照射されるように、再帰性反射体210の向きを調整してよい。調整部208は、例えば、光発電パネル220の向きを調整する場合、装置100によって出力される第2レーザ光が光発電パネル220により照射されるように、光発電パネル220の向きを調整してよい。
【0116】
受電応答部212は、装置100からの給電に受電応答してよい。受電応答部212は、例えば、装置100によって出力される第2レーザ光が光発電パネル220に照射されてバッテリ250が充電されたことに応じて、受電応答してよい。
【0117】
受電応答部212は、例えば、装置100に受電応答信号を送信することによって、受電応答してよい。受電応答部212は、例えば、給電対象200が備えるランプを点滅させることによって、受電応答してよい。受電応答部212は、給電対象200が備える棒を振ることによって、受電応答してもよい。
【0118】
充電完了通知部216は、装置100に充電完了を通知してよい。充電完了通知部216は、例えば、バッテリ250のバッテリ残量が情報格納部202に格納されているバッテリ残量閾値より多くなったことに応じて、充電完了を通知してよい。
【0119】
充電完了通知部216は、例えば、装置100に充電完了通知を送信することによって、充電完了を通知してよい。充電完了通知部216は、例えば、給電対象200が備えるランプを点滅状態から消灯状態に切り替えることによって、充電完了を通知してよい。充電完了通知部216は、給電対象200が備える棒を振っている状態から停止状態に切り替えることによって、充電完了を通知してもよい。
【0120】
図11は、装置100の処理の流れの一例を説明するための説明図である。図11では、装置100が給電対象200に給電していない状態を開始状態として説明する。
【0121】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102において、第1出力部110は、装置100の周辺に第1レーザ光を出力してよい。S104において、検出部106は、S102で装置100の周辺に出力された第1レーザ光の反射光を検出してよい。
【0122】
S106において、候補位置特定部112は、S104で検出部106が第1レーザ光の反射光を検出した検出結果に基づいて、給電対象200の候補位置を特定してよい。S108において、第2出力部120は、S106で候補位置特定部112によって特定された給電対象200の候補位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。
【0123】
S110において、対象位置特定部108は、S108で第2出力部120が候補位置に向けて第2レーザ光を出力した出力時刻から予め定められた期間内に受電応答取得部114が受電応答を取得したか否かを特定してよい。当該期間内に受電応答取得部114が受電応答を取得したことを対象位置特定部108が特定した場合、S112に進んでよい。当該期間内に受電応答取得部114が受電応答を取得しなかったことを対象位置特定部108が特定した場合、S118に進んでよい。
【0124】
S112において、対象位置特定部108は、S106で候補位置特定部112によって特定された給電対象200の候補位置が給電対象200の対象位置であることを特定してよい。S114において、第2出力部120は、S112で対象位置特定部108によって特定された給電対象200の対象位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。
【0125】
S116において、充電完了通知取得部118が給電対象200から充電完了通知を取得していない場合、S114に戻ってよい。S116において、充電完了通知取得部118が給電対象200から充電完了通知を取得した場合、第2出力部120は、給電対象200の対象位置に向けた第2レーザ光の出力を終了してよい。その後、装置100の処理が終了してよい。
【0126】
S118において、対象位置特定部108は、S106で候補位置特定部112によって特定された給電対象200の候補位置が給電対象200の対象位置でないことを特定してよい。その後、装置100の処理が終了してよい。
【0127】
図12は、装置100の処理の流れの他の一例を説明するための説明図である。図12では、装置100が給電対象200に給電していない状態を開始状態として説明する。
【0128】
S202において、第1出力部110は、装置100の周辺に第1レーザ光を出力してよい。S204において、検出部106は、S202で装置100の周辺に出力された第1レーザ光の反射光を検出してよい。
【0129】
S206において、装置位置特定部116は、S204で検出部106が第1レーザ光の反射光を検出した検出結果に基づいて、オブジェクト300のオブジェクト位置を特定してよい。S208において、装置位置特定部116は、情報格納部102に格納されているオブジェクト300のオブジェクト位置情報、並びに、装置100からS206で特定されたオブジェクト位置に対応する第1レーザ光の反射位置までの距離及び第1出力部110が当該反射位置に第1レーザ光を出力したときの第1レーザ光の出力方向に基づいて、装置100の装置位置を特定してよい。
【0130】
S210において、第2出力部120は、情報格納部102に格納されている給電対象200の対象位置情報及びS208で装置位置特定部116によって特定された装置100の装置位置に基づいて、給電対象200の対象位置に向けて、第2レーザ光を出力してよい。S212において、充電完了通知取得部118が給電対象200から充電完了通知を取得していない場合、S210に戻ってよい。S212において、充電完了通知取得部118が給電対象200から充電完了通知を取得した場合、第2出力部120は、給電対象200の対象位置に向けた第2レーザ光の出力を終了してよい。その後、装置100の処理が終了してよい。
【0131】
図13は、装置100として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、上記実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、例えば、コンピュータ1200を、検出部106、対象位置特定部108、対象位置情報受信部109、候補位置特定部112、受電応答取得部114、装置位置特定部116、及び、充電完了通知取得部118として機能させ、又はコンピュータ1200に、検出部106、対象位置特定部108、対象位置情報受信部109、候補位置特定部112、受電応答取得部114、装置位置特定部116、及び、充電完了通知取得部118を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、検出部106、対象位置特定部108、対象位置情報受信部109、候補位置特定部112、受電応答取得部114、装置位置特定部116、及び、充電完了通知取得部118の機能に対応するプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0132】
一実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されてよい。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されてよい。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されてよい。
【0133】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御してよい。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにしてよい。
【0134】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信してよい。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供してよい。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込んでよい。
【0135】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納してよい。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0136】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供されてよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行されてよい。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらしてよい。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0137】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込んでよい。
【0138】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0139】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックしてよい。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0140】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供してよい。
【0141】
一実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0142】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0143】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0144】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含んでよい。
【0145】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0146】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0147】
10 システム、50 物体、100 装置、102 情報格納部、106 検出部、108 対象位置特定部、109 対象位置情報受信部、110 第1出力部、112 候補位置特定部、114 受電応答取得部、116 装置位置特定部、118 充電完了通知取得部、120 第2出力部、200 給電対象、202 情報格納部、204 対象位置情報取得部、206 対象位置情報送信部、208 調整部、210 再帰性反射体、212 受電応答部、216 充電完了通知部、220 光発電パネル、225 セル、250 バッテリ、300 オブジェクト、302 オブジェクト、304 オブジェクト、306 オブジェクト、310 再帰性反射体、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ、1242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13