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▶ 株式会社 林物産発明研究所の特許一覧

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  • 特開-マンホール蓋 図1
  • 特開-マンホール蓋 図2
  • 特開-マンホール蓋 図3
  • 特開-マンホール蓋 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024073335
(43)【公開日】2024-05-29
(54)【発明の名称】マンホール蓋
(51)【国際特許分類】
   E02D 29/14 20060101AFI20240522BHJP
   A47K 11/00 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
E02D29/14 E
A47K11/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184491
(22)【出願日】2022-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2D036
2D147
【Fターム(参考)】
2D036AA02
2D036AA03
2D036BA02
2D036CA01
2D147BB21
(57)【要約】
【課題】 別途の倉庫を準備することなく、マンホール蓋に備え付けの備品のみで洋式トイレを提供し、さらには、洋式個室トイレを提供する。
【解決手段】 開閉可能な開口を有するマンホール蓋本体と、前記マンホール蓋本体から下方に伸びる便器と、前記便器を囲む高さ可変の伸縮部材を有し、前記開口を開き、前記マンホール蓋本体を裏返し、前記伸縮部材を伸長させて仕切りを形成することで個室トイレが形成されることを特徴とするマンホール蓋とした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な開口を有するマンホール蓋本体と、
前記マンホール蓋本体から下方に伸びる便器と、
前記便器を囲む高さ可変の伸縮部材を有し、
前記開口を開き、前記マンホール蓋本体を裏返し、前記伸縮部材を伸長させて仕切りを形成することで個室トイレが形成されることを特徴とするマンホール蓋。
【請求項2】
前記伸縮部材が前記便器を部分的に取り囲む伸縮可能な壁部材である、請求項1のマンホール蓋。
【請求項3】
前記伸縮部材が前記便器の周りに間隔を空けて配列された複数の棒状部材であり、前記棒状部材の間に目隠しシートを被せて前記仕切りを形成する、請求項1のマンホール蓋。
【請求項4】
前記伸縮部材の遠位端に形状可変梁を有し、
前記形状可変梁を外側に変形させて目隠しシートを吊下することで前記個室トイレの空間を拡張する、請求項1のマンホール蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常時はマンホールの蓋として使用可能であり、災害時に個室トイレとして使用可能なマンホール蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や火災等の災害時には、トイレの不足が問題となる。駅や公園の公衆トイレだけでは多数の被災者に対応することは困難であり、景観や用地確保、費用等の観点から、街中に多数のトイレを設置することは実際上不可能である。
【0003】
このため、マンホール蓋を利用した仮設トイレが種々提案されている(例えば、特許文献1,2)。しかし、特許文献1は和式トイレであり、老人などには使用できない人もいる。また、特許文献1は周りを遮蔽する仕切りが無く、個室トイレを提供できない。特許文献2は洋式トイレであり、ドームで個室を形成できるが、便器やドームはマンホール蓋に備え付けではなく、別途の倉庫等から運んでくる必要があり、鍵が無いために倉庫を開くことができない事態も想定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-132068号公報
【特許文献2】特開2012-219566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、別途の倉庫を準備することなく、マンホール蓋に備え付けの備品のみで個室トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願には、
開閉可能な開口を有するマンホール蓋本体と、
前記マンホール蓋本体から下方に伸びる便器と、
前記便器を囲む高さ可変の伸縮部材を有し、
前記開口を開き、前記マンホール蓋本体を裏返し、前記伸縮部材を伸長させて仕切りを形成することで個室トイレが形成されることを特徴とするマンホール蓋が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の1実施形態のマンホール蓋1を示す。(a)は側方断面図。(b)は上方透視図。
図2図2は、災害時のマンホール蓋1の使用形態を示す。(a)は正面透視図。(b)は側方透視図。(c)は上方透視図。
図3図3は、他の実施形態のマンホール蓋1Aを示す。
図4図4は、棒状部材13Aの伸縮方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の1実施形態のマンホール蓋1を示す。マンホール蓋1は、不図示の開口蓋の付け外しにより開閉可能な便用開口11を有するマンホール蓋本体10と、マンホール蓋本体10の下面から下方に延びる便器12と、便器12の周囲の高さ可変の伸縮部材13を有する。
【0009】
便器12は、便器本体12a、便座12b、便座穴12cを有する通常の洋式便器であり得る。
【0010】
マンホール蓋本体10は、従来のマンホール蓋本体と同様の材料(金属等)で形成できる。便器12は金属、琺瑯、プラスチック等で形成できる。
【0011】
伸縮部材13の高さ変更方法は任意であるが、例えば、テレスコープ式で高さ変更が可能である。この場合、伸縮部材13は、相互にスライド可能な壁状(板状)の部材を使用できる。伸縮部材13は、マンホール蓋本体10の外形に合わせた湾曲を有するとよい。伸縮部材13は、木材やプラスチック、金属等で形成できる。
【0012】
伸縮部材13は、便器12の全周を取り囲んでもよいが、図1(a)のように便器12を部分的に取り囲む伸縮部材13とすることで、個室トイレへの出入口を提供できる。
【0013】
伸縮部材13の遠位端に天井14をさらに設けてもよい。伸縮部材13(又は伸縮部材13と天井14)の内側には空間15が形成されるため、非常用の飲料や浄水装置、ポータブル発電機やバッテリー等の備品を収容し得る。
【0014】
伸縮部材13の遠位端に形状可変梁16を設けてもよい。形状可変梁16はバネや弾性ワイヤー、弾性ロッド等で形成できる。
【0015】
通常時は、図1(a)のように、マンホール蓋本体10の下面を下向きにしてマンホール蓋本体10をマンホール縁2に設置することでマンホール3に蓋をすることができる。
【0016】
図2は、災害時のマンホール蓋1の使用形態を示す。図2のように、開口蓋を取り外し、マンホール蓋1を裏返してマンホール縁2に設置し、伸縮部材13を伸長させて仕切りを形成することで、用便のための個室空間15を有する個室トイレを形成できる。
【0017】
さらに、形状可変梁16を外側に展開し(図2(b)、(c)参照)、形状可変梁16からネット17等を吊下することで、個室空間15を拡張して用便のための十分な空間を確保できる。ネット17は手で開閉可能なので、個室空間15への出入口として使用できる。
【0018】
上記マンホール蓋2では、別途の倉庫を準備することなく、災害時等にマンホール蓋1に備え付けの備品のみで個室トイレを提供することができる。
【0019】
図3は、他の実施形態のマンホール蓋1Aを示す。図のように、マンホール蓋1Aは、マンホール蓋1の伸縮部材13の代わりに、伸縮可能な棒状部材13Aを有する。マンホール蓋1Aでは、伸長させた棒状部材13Aの周りに目隠しシート18を張設することで、マンホール蓋1と同様に個室トイレを形成することができる。マンホール蓋1Aでは、マンホール蓋1と同様の効果に加え、構造の簡略化、軽量化を図り得る。
【0020】
棒状部材13Aの伸縮方法は任意であり、図4(a)のようにテレスコピック式の伸縮でもよく、図4(b)のように折りたたみ式の伸縮でもよい。
【0021】
上記実施形態に記載したマンホール蓋やその要素の寸法、形状、配置、個数、材料等は例示であり、他の態様も可能である。
【符号の説明】
【0022】
1,1A・・・マンホール蓋
2・・・マンホール縁
3・・・マンホール
10・・・マンホール蓋本体
11・・・便用開口
12・・・便器
12a・・・便器本体
12b・・・便座
12c・・・便座穴
13・・・伸縮部材
13A・・・棒状部材
14・・・天井
15・・・空間
16・・・形状可変梁
17・・・ネット
18・・・目隠しシート
図1
図2
図3
図4